特許第6780116号(P6780116)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6780116タッチディスプレイパネル及びその製造方法、並びにタッチディスプレイ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6780116
(24)【登録日】2020年10月16日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】タッチディスプレイパネル及びその製造方法、並びにタッチディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20201026BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20201026BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20201026BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20201026BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
   G06F3/041 410
   G06F3/041 640
   G06F3/041 422
   G06F3/044 127
   G06F3/041 490
   G06F3/041 495
   H05B33/14 A
   H05B33/10
   H05B33/02
【請求項の数】8
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2019-530730(P2019-530730)
(86)(22)【出願日】2018年1月23日
(65)【公表番号】特表2020-501276(P2020-501276A)
(43)【公表日】2020年1月16日
(86)【国際出願番号】CN2018073700
(87)【国際公開番号】WO2018137589
(87)【国際公開日】20180802
【審査請求日】2019年6月7日
(31)【優先権主張番号】201710060968.7
(32)【優先日】2017年1月25日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201711244625.2
(32)【優先日】2017年11月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515179314
【氏名又は名称】昆山工研院新型平板顕示技術中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN NEW FLAT PANEL DISPLAY TECHNOLOGY CENTER CO., LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】516189213
【氏名又は名称】クンシャン ゴー−ビシオノクス オプト−エレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Kunshan Go−Visionox Opto−Electronics Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー ウェイグオ
(72)【発明者】
【氏名】ズー フイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン キアオバオ
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−056522(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/038940(WO,A1)
【文献】 特開2015−184542(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0278513(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第2013−0118072(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041−3/044
H01L 51/50
H05B 33/02
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、フィルムパッケージ層と、OLED素子層と、タッチ構造とを含み、
前記基板と前記フィルムパッケージ層が対向して設けられ、前記OLED素子層が前記基板と前記フィルムパッケージ層との間に設けられ、前記タッチ構造が前記フィルムパッケージ層の前記基板から遠く離れた側に設けられ、前記OLED素子層がアレイで配列された複数の発光デバイスからなり、前記タッチ構造の前記基板から前記フィルムパッケージ層に伸びた方向における正射影と、前記OLED素子層の発光デバイスの前記基板から前記フィルムパッケージ層に伸びた方向における正射影とが重ならず、
前記タッチ構造は第一タッチ構造と第二タッチ構造とを含み、前記第一タッチ構造が前記第二タッチ構造と絶縁し、
前記第一タッチ構造は第一金属グリッド層であり、前記第二タッチ構造は第二金属グリッド層であり、前記第一金属グリッド層と前記第二金属グリッド層の間に絶縁層が介在して、
その中、前記第一金属グリッド層と前記第二金属グリッド層が互いにずれて設けられることを特徴とするタッチディスプレイパネル。
【請求項2】
前記第一タッチ構造は第一方向に沿って設けられた複数本の第一タッチ電極を含み、前記第二タッチ構造は第二方向に沿って設けられた複数本の第二タッチ電極を含み、前記第一タッチ電極と前記第二タッチ電極が交差して設けられることを特徴とする、請求項に記載のタッチディスプレイパネル。
【請求項3】
前記第一タッチ電極は第一金属層であり、前記第二タッチ電極は第二金属層であり、前記第一金属層と前記第二金属層との間に絶縁層が設けられていることを特徴とする、請求項に記載のタッチディスプレイパネル。
【請求項4】
前記第一タッチ電極は第二方向に沿って設けられた複数個の第一電極ユニットを有し、前記第二タッチ電極のそれぞれは第一方向に沿って設けられた複数個の第二電極ユニットを有し、隣接した二本の前記第一タッチ電極上の前記第一電極ユニットの間隔と隣接した二本の前記第二タッチ電極上の前記第二電極ユニットの間隔は同じであり、前記第一電極ユニットとそれに隣接した前記第二タッチ電極との間隔は、前記第二電極ユニットとそれに隣接した前記第一タッチ電極との間隔と同じであることを特徴とする、請求項またはに記載のタッチディスプレイパネル。
【請求項5】
何れか一つの隣接した発光デバイスに対応する隙間について、前記タッチ構造の二つの最も外側の辺から隙間の中心までの距離のそれぞれは予め設定された閾値以下であり、その中、前記発光デバイスの1/2長さの値と前記隙間の間隔値との和値から前記予め設定された閾値を差し引いて差分を取得し、前記フィルムパッケージ層の厚さの値に対する前記差分の比は、タッチディスプレイパネルの視角の正接値であり、
その中、前記タッチ構造の中においてタッチ配線のフィルム層の厚さの値はタッチ配線の幅の値と逆の相関関係があることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のタッチディスプレイパネル。
【請求項6】
前記タッチ構造の中にタッチ配線の線幅は次式を満たすことを特徴とする、請求項に記載のタッチディスプレイパネル。
【数1】
その中、前記Lはタッチ配線の線幅であり、前記lはタッチ配線の1/2線幅であり、前記αは工程能力誤差であり、前記Kは隣接した発光デバイスに対応する隙間間隔であり、前記Mは発光デバイスの1/2長さであり、前記Nは前記フィルムパッケージ層の厚さであり、前記θはタッチディスプレイパネルの視角である。
【請求項7】
前記タッチ構造の中にタッチ配線の線幅は次式を満たすことを特徴とする、請求項に記載のタッチディスプレイパネル。
【数2】
その中、前記Lはタッチ配線の線幅であり、前記lはタッチ配線の1/2線幅であり、前記αは工程能力誤差であり、前記Kは隣接した発光デバイスに対応する隙間間隔であり、前記Mは発光デバイスの1/2長さであり、前記Nは前記フィルムパッケージ層の厚さであり、前記θはタッチディスプレイパネルの視角であり、前記θは前記視角で前記フィルムパッケージ層に入った後の屈折角であり、前記nは前記フィルムパッケージ層の屈折率である。
【請求項8】
基板を提供するステップと、
前記基板にOLED素子層を形成するステップと、
前記OLED素子層にフィルムパッケージ層を形成するステップと、
前記フィルムパッケージ層にタッチ構造を形成するステップと、を含み、
その中、前記OLED素子層がアレイで配列された複数の発光デバイスからなり、前記タッチ構造の前記基板から前記フィルムパッケージ層に伸びた方向における正射影と、前記OLED素子層の発光デバイスの前記基板から前記フィルムパッケージ層に伸びた方向における正射影とが重ならず、
前記タッチ構造は第一タッチ構造と第二タッチ構造とを含み、前記第一タッチ構造が前記第二タッチ構造と絶縁し、
前記第一タッチ構造は第一金属グリッド層であり、前記第二タッチ構造は第二金属グリッド層であり、前記第一金属グリッド層と前記第二金属グリッド層の間に絶縁層が介在して、
その中、前記第一金属グリッド層と前記第二金属グリッド層が互いにずれて設けられることを特徴とするタッチディスプレイパネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチ技術分野に関し、特にタッチディスプレイパネル及びその製造方法、並びにタッチディスプレイ装置に関することである。
【背景技術】
【0002】
本出願は2017年1月25日に「タッチディスプレイパネル及びその製造方法、並びにタッチディスプレイ装置」という発明名称で中国特許庁に提出された出願番号が201710060968.7の中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全ては援用によってここに組み込まれる。
【0003】
タッチ技術と表示技術の発展に伴ってータッチディスプレイ装置がより多くの人達に追い込まれている。省スペースだけではなく、携帯しやすく、ユーザーが指またはタッチペンなどで直接操作できて、使い心地がよく、非常に便利である。現在、既に各技術分野に広く使われていて、例えば市場にてよく見られる個人デジタル処理(PDA)、タッチタイプ携帯電話、ポータブルラップトップなど。
【0004】
能動マトリックス有機発光ディスプレイ(英名のフルネームはActiveMatrixOrganicLightingEmittingDisplayで、略称はAMOLED)は新興のフラットパネルディスプレイであり、能動発光、高いコントラスト、速い応答速度、軽量薄手など多くの利点がある為、液晶ディスプレイ(LCD)に代わる新世代のディスプレイとして称賛されている。現在、タッチ技術とAMOLED表示技術の組合せは世間から大きな注目を集められている。今後タッチAMOLEDディスプレイが市場の主流となることが予想される。
【0005】
通常、タッチディスプレイパネルは構成構造によって三種類に分けられている:付加型(Add−On)型、表面被覆(On−Cell)型、及びインサート(In−Cell)型。その中、Add−On型タッチディスプレイパネルは、ディスプレイパネルとタッチスクリーンがそれぞれ作製された後に組み立てられて、タッチスクリーンがディスプレイパネルの外面に貼り付けられる。On−Cell型タッチディスプレイパネルはタッチ電極がディスプレイパネル上に設けられて、In−Cell型タッチディスプレイパネルはタッチ電極がディスプレイパネルの内部に設けられる。On−Cell型とIn−Cell型を採用することによって、タッチパネルとディスプレイパネルの一体化を実現させ、ディスプレイ装置がさらに軽量薄手にする。
【0006】
従来技術におけるOn−Cell型タッチディスプレイパネルの構造模式図である図1を参照する。図1に示すように、従来のOn−Cell型タッチディスプレイパネル100には通常、対向して設けられた第一基板110と第二基板120、前記第一基板110と第二基板120との間に介在したOLED素子層130、及び前記第二基板120に設けられたタッチ層140を含まれている。
【0007】
その中、前記第一基板110は薄膜トランジスタ(TFT)アレイを有して、アレイ基板とも言い、前記第二基板120はパッケージ基板であり、前記OLED素子層130は複数の発光デバイス131からなって、前記複数の発光デバイス131がマトリックスに配列され、前記タッチ層140は一般的に透明な導電性材料または金属材料で作られている。実際の使用過程中に、透明な導電性材料で作られたタッチ層140は可撓性が悪くて、可撓性タッチディスプレイパネルの要求を満足できないため、可撓性タッチスクリーンが曲げられたり折り畳まれたりする時にタッチ層140は該湾曲に耐えられなくてひびを生じ、このひびにより前記タッチ構造のインピーダンスが上昇し、深刻な場合に破断して遮断を引き起こして、信号伝送ができなくなり、タッチ操作に影響を及ぼす。また、金属材料で作られたタッチ層140は可撓性が可撓性タッチディスプレイパネルの要求を満足できるが、金属材料が光の透過性が良くないため、発光効果に影響を及ぼせる。特に小型表示(例えば携帯電話など)は金属材料を採用してタッチ層140を作製すると、視界がぼやけて、表示効果が非常に悪い恐れがある。
【0008】
これに基づいて、従来のOn−Cell型タッチディスプレイパネルのタッチ構造が可撓性と光透過性を兼ね備えていないため使用要求を満たさないという問題を如何に解決するかが当業者の解決すべき技術問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本出願の実施例はタッチディスプレイパネル及びその製造方法、並びにタッチディスプレイ装置を提供し、従来技術に存在したタッチ構造が可撓性と光透過性を兼ね備えていないため使用要求を満たさないという問題を解決するために用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の技術問題を解決するために、本出願の実施例は以下の技術的解決手段を採用する。
【0011】
タッチディスプレイパネルにおいて、基板と、フィルムパッケージ層と、OLED素子層と、タッチ構造とを含み、前記基板と前記フィルムパッケージ層が対向して設けられ、前記OLED素子層が前記基板とフィルムパッケージ層との間に設けられ、前記タッチ構造が前記フィルムパッケージ層の前記基板から遠く離れた側に設けられ、前記OLED素子層がアレイで配列された複数の発光デバイスからなり、前記タッチ構造の前記基板からフィルムパッケージ層に伸びた方向における正射影と、前記OLED素子層の発光デバイスの前記基板からフィルムパッケージ層に伸びた方向における正射影が重ならない。
【0012】
前記タッチ構造は第一タッチ構造と第二タッチ構造とを含み、その中、前記第一タッチ構造が前記第二タッチ構造と絶縁してもよい。
【0013】
前記第一タッチ構造は第一方向に沿って設けられた複数本の第一タッチ電極を含み、前記第二タッチ構造は第二方向に沿って設けられた複数本の第二タッチ電極を含み、前記第一タッチ電極と第二タッチ電極が交差して設けられてもよい。
【0014】
前記第一タッチ電極は第一金属層であり、前記第二タッチ電極は第二金属層であり、前記第一金属層と前記第二金属層との間に絶縁層が設けられてもよい。
【0015】
前記第一タッチ電極は第二方向に沿って設けられた複数個の第一電極ユニットを有し、前記第二タッチ電極は全て第一方向に沿って設けられた複数個の第二電極ユニットを有し、隣接した二本の第一タッチ電極上の第一電極ユニットの間隔と隣接した二本の第二タッチ電極上の第二電極ユニットの間隔は同じであり、前記第一電極ユニットとそれに隣接した第二タッチ電極との間隔は、前記第二電極ユニットとそれに隣接した第一タッチ電極との間隔と同じであってもよい。
【0016】
前記第一タッチ構造は第一金属グリッド層であり、前記第二タッチ構造は第二金属グリッド層であり、前記第一金属グリッド層と前記第二金属グリッド層の間に絶縁層が介在してもよい。
【0017】
前記第一金属グリッド層は前記第二金属グリッド層からずれて設けられてもよい。
【0018】
何れか一つの隣接した発光デバイスに対応する隙間について、前記タッチ構造の二つの最も外側の辺から隙間の中心までの距離のそれぞれは予め設定された閾値以下であり、その中、前記発光デバイスの1/2長さの値と前記隙間間隔値との和値から前記予め設定された閾値を差し引いて差分を取得し、前記フィルムパッケージ層の厚さの値に対する前記差分の比は、タッチディスプレイパネルの視角の正接値であってもよい。
【0019】
前記タッチ構造の中にタッチ配線のフィルム層の厚さの値はタッチ配線の幅の値と逆の相関関係があってもよい。
【0020】
前記タッチ構造の中にタッチ配線の線幅は次式を満たしてもよい
【数1】
その中、前記Lはタッチ配線の線幅であり、前記lはタッチ配線の1/2線幅であり、前記αは工程能力誤差であり、前記Kは隣接した発光デバイスに対応する隙間間隔であり、前記Mは発光デバイスの1/2長さであり、前記Nはフィルムパッケージ層の厚さであり、前記θはタッチディスプレイパネルの視角である。
【0021】
前記タッチ構造の中にタッチ配線の線幅は次式を満たしてもよい
【数2】
その中、前記Lはタッチ配線の線幅であり、前記lはタッチ配線の1/2線幅であり、前記αは工程能力誤差であり、前記Kは隣接した発光デバイスに対応する隙間間隔であり、前記Mは発光デバイスの1/2長さであり、前記Nはフィルムパッケージ層の厚さであり、前記θはタッチディスプレイパネルの視角であり、前記θ1は前記視角でフィルムパッケージ層に入った後の屈折角であり、前記nは前記フィルムパッケージ層の屈折率である。
【0022】
前記タッチ構造における導電性材料は少なくともMoAlMo、TiAlTi、Agから選ばれる一種または複数種類の組合せであり、前記絶縁層の材料は少なくとも酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素から選ばれる一種または複数種類の組合せであってもよい。
【0023】
タッチディスプレイ装置において、前述のタッチディスプレイパネルを含む。
【0024】
前述のタッチディスプレイパネルの製造方法において、基板を提供するステップと、前記基板にOLED素子層を形成するステップと、前記OLED素子層にフィルムパッケージ層を形成するステップと、前記フィルムパッケージ層にタッチ構造を形成するステップとを含み、その中、前記OLED素子層がアレイで配列された複数の発光デバイスからなり、前記タッチ構造の前記基板からフィルムパッケージ層に伸びた方向における正射影と、前記OLED素子層の発光デバイスの前記基板から前記フィルムパッケージ層に伸びた方向における正射影と重ならない。
【発明の効果】
【0025】
本出願の実施例が採用した上述の少なくとも一つの技術的な解決手段によって、以下の有利な効果を達成できる。
【0026】
本発明が提供したタッチディスプレイパネル及びその製造方法並びにタッチディスプレイ装置において、タッチ構造の位置と発光デバイスの位置をずらすことで、前記タッチ構造が表示効果に及ぼす影響を回避して、より良い可撓性のある材料を選択してタッチ構造を作製できて、可撓性タッチディスプレイパネルの使用要求を満足する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
ここで説明する添付図面は本出願に対したさらなる理解を提供するために用いられて、本出願の一部と構成され、本出願の例示的な実施例及びその説明は本出願を解釈するために用いられて、本出願に対した不当な限定と構成されていない。
図1】従来技術のOn−Cell型タッチディスプレイパネルの構造模式図である。
図2】本発明の実施例におけるタッチディスプレイパネルの構造模式図の一である。
図3】本発明の実施例におけるタッチ構造の構造模式図である。
図4】本発明の実施例におけるタッチ構造の断面図である。
図5図3における領域Mの拡大模式図である。
図6(a)】正面から見た時、タッチ構造と発光デバイスとの視角の原理図である。
図6(b)】視角から見た時、タッチ構造と発光デバイスとの視角の原理図である。
図7(a)】隙間におけるタッチ構造の二種類の場合を示す模式図である。
図7(b)】隙間におけるタッチ構造の二種類の場合を示す模式図である。
図8】タッチディスプレイパネルの任意の隣接した二つの発光デバイスの位置の模式図の一である。
図9】タッチディスプレイパネルの任意の隣接した二つの発光デバイスの位置の模式図の二である。
図10】本出願が提供したタッチ配線構造模式図の一である。
図11】本出願が提供したタッチ配線構造模式図の二である。
図12】本出願が提供したタッチディスプレイパネルの局部構造模式図の一である。
図13(a)】本出願が提供したタッチディスプレイパネルの三種類のタッチ構造模式図である。
図13(b)】本出願が提供したタッチディスプレイパネルの三種類のタッチ構造模式図である。
図13(c)】本出願が提供したタッチディスプレイパネルの三種類のタッチ構造模式図である。
図14】本出願が提供したタッチディスプレイパネルの構造模式図の二である。
図15】本出願が提供したタッチディスプレイパネルの断面構造模式図の一である。
図16(a)】本出願が提供したタッチ構造の三種類の場合での補償電極配置模式図である。
図16(b)】本出願が提供したタッチ構造の三種類の場合での補償電極配置模式図である。
図16(c)】本出願が提供したタッチ構造の三種類の場合での補償電極配置模式図である。
図17】本出願が提供したタッチ構造の平面視模式図である。
図18】本出願が提供したタッチディスプレイパネルの断面構造模式図の二である。
図19(a)】本出願が提供したタッチディスプレイパネルの断面構造模式図の三である。
図19(b)】本出願が提供したタッチディスプレイパネルの断面構造模式図の四である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本出願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするため、以下、本出願の具体的実施例及び対応した図面を参照して、本出願の技術的解決手段を明確に且つ十分に説明する。勿論、説明される実施例は、本出願の実施例の一部に過ぎなくあらゆる実施例ではない。本出願の実施例に基づいて当業者が進歩的活動を行うことなく得られる他の実施例も、本発明の保護範囲に含まれている。
【0029】
以下、図面を参照して、本出願の各実施例が提供した技術的解決手段を詳細に説明する。
【0030】
図2に示すように、本発明の実施例におけるタッチディスプレイパネルの構造模式図である。該タッチディスプレイパネルは基板210、フィルムパッケージ層(TFE)220、OLED素子層230及びタッチ構造240を含み、前記基板210とフィルムパッケージ層220が対向して設けられ、前記OLED素子層230が前記基板210とフィルムパッケージ層220との間に設けられ、前記タッチ構造240が前記フィルムパッケージ層220の前記基板210から遠く離れた側に設けられ、前記OLED素子層230はアレイで配列された複数の発光デバイスからなり、前記タッチ構造240の前記基板210からフィルムパッケージ層220への方向に沿った正射影と、前記OLED素子層230の発光デバイスの前記基板210からフィルムパッケージ層220への方向に沿った投影が重ならない。
【0031】
なお、本出願において、関連した発光デバイスは発光画素であってもまたは発光副画素であってもよい。これによって、OLED素子層230にアレイで配列された複数の発光画素が含まれてもよい。或いは、OLED素子層230にアレイで配列された複数の発光副画素が含まれると理解されてもよい。
【0032】
事実上、本出願におけるタッチ構造は第一タッチ構造と第二タッチ構造とを含み、且つ第一タッチ構造が第二タッチ構造と絶縁して設けられる。
【0033】
具体的には、引き続き図2を参照して、前記基板210はアレイ基板であり、前記アレイ基板にはアレイで配列された複数の薄膜トランジスター(図2に不図示)が含まれる。前記OLED素子層230が前記基板210に形成され、前記OLED素子層230が複数の発光デバイス231からなり、前記複数の発光デバイス231がアレイで配列され、発光デバイス231のそれぞれはカソード層、アノード層及び前記カソード層とアノード層との間に設けられた有機発光層(図2に不図示)を含む。その中、前記発光デバイス231のアノード層が前記フィルムトランジスターに接続され、前記フィルムトランジスターは前記発光デバイス231の発光を制御するために用いられる。前記フィルムパッケージ層220が前記OLED素子層230に形成され、前記フィルムパッケージ層220は前記OLED素子層230を保護するために用いられ、前記タッチ構造240が前記フィルムパッケージ層220に形成される。
【0034】
本実施例において、パッケージ基板の代わりにフィルムパッケージ層を採用し、タッチ構造を直接フィルムパッケージ層に設けることにより、前記タッチディスプレイパネルの厚さを減らし、さらに前記タッチディスプレイ装置をさらに軽薄にする。
【0035】
本出願において、タッチ構造に具体的に以下の構造が存在してもよい。
【0036】
構造1:前記第一タッチ構造は第一方向に沿って設けられた複数本の第一タッチ電極を含み、前記第二タッチ構造は第二方向に沿って設けられた複数本の第二タッチ電極を含み、前記第一タッチ電極と第二タッチ電極が交差して設けられる。
【0037】
図3に示すように、タッチ構造240は複数本の第一タッチ電極240aと複数本の第二タッチ電極240bを含み、前記第一タッチ電極240aと第二タッチ電極240bが交差して設けられ、且つ互いに絶縁し、本実例において三本の隣接するタッチ電極が一つのタッチユニットに接続されることを例にとって、三本の隣接した第一タッチ電極240aごとに一組の第一タッチユニットに接続され、三本の隣接した第二タッチ電極240bごとに一組の第二タッチユニットに接続され、前記第一タッチユニットと第二タッチユニットの位置が一つずつマッピングされ、隣接したタッチユニットの間の中心間隔L2のそれぞれ同じであり、隣接したタッチユニットの間の辺縁間隔D2のそれぞれ同じである。
【0038】
同じ組の隣接した第一タッチユニットの間の中心間隔L1と同じ組の隣接した第二タッチユニットの間の中心間隔L2はタッチの精度によって設置され、同じ組の隣接した第一タッチユニットの間の辺縁間隔D1と同じ組の隣接した第二タッチユニットの間の辺縁間隔D2は小間隔及び普通間隔の設計要求に該当する必要がある。
【0039】
本実施例において、2mmの受動タッチペンと指のタッチ要求を同時に満足させるために、前記隣接した第一タッチユニットの間の中心間隔L1と隣接した第二タッチユニットの間の中心間隔L2が同じであり、且つ何れも3mm〜6mmである。前記隣接した第一タッチユニットの間の辺縁間隔D1と隣接した第二タッチユニットの間の辺縁間隔D2が同じであり、且つ何れも1um〜500umである。
【0040】
図2図3を合わせて参照して、前記基板210からフィルムパッケージ層220への方向において、前記OLED素子層230の発光デバイス231と前記タッチ構造240の投影が重ならない。即ち、前記第一タッチ電極240a及び第二タッチ電極240bと前記OLED素子層230の位置が互いにずれ、前記第一タッチ電極240aと第二タッチ電極240bが交差して透光メッシュを形成する。前記OLED素子層230が発した光は前記透光メッシュを通過して出射できるため、前記第一タッチ電極240aと第二タッチ電極240bは光を通さない導電性材料を採用してよい。
【0041】
構造2:第一タッチ構造は第一金属グリッド層であり、前記第二タッチ構造は第二金属グリッド層であり、前記第一金属グリッド層と前記第二金属グリッド層との間に絶縁層が介在している。
【0042】
本実施例において、前記タッチ構造240は金属網状構造設計を採用する。即ち、金属材料を使って網状構造のタッチ構造240を作製し、発光源(発光デバイス231)を避けられるだけでなく、タッチ構造の可撓性も高められる。
【0043】
本出願の解決手段において、第一金属グリッド層が前記第二金属グリッド層からずれて設けられることが任意である。言い換えれば、第一金属グリッド層のグリッド点(横方向金属線と縦方向金属線が交差した箇所)が第二金属グリッド層における一つのグリッド中の任意の一点にあり、第二金属グリッド層のグリッド点(横方向金属線と縦方向金属線が交差した箇所)が第一金属グリッド層における一つのグリッドの幾何学上の中心にある。位置ずれ設置により、さらにタッチディスプレイパネルの視覚感受を向上させて、タッチディスプレイパネルにおけるタッチ構造が表示層に及ぼす影響を回避することができる。もちろん、本発明の第一金属グリッド層と第二金属グリッド層が互いにずれて設けられることに限らず、ずれなくてもよいと理解できる。
【0044】
さらに、前記第一タッチ電極は第二方向に沿って設けられた複数個の第一電極ユニットを有し、前記第二タッチ電極のそれぞれは第一方向に沿って設けられた複数個の第二電極ユニットを有し、隣接した二本の第一タッチ電極上の第一電極ユニットの間隔と隣接した二本の第二タッチ電極上の第二電極ユニットの間隔は同じである。
【0045】
具体的に、引き続き図3に示すように、前記第一タッチ電極240aは第二方向に沿って設けられた複数個の第一電極ユニットを有し、前記第二タッチ電極240bのそれぞれは第一方向に沿って設けられた複数個の第二電極ユニットを有する。本実施例において、前記第一方向は横方向であり、前記第二方向は縦方向である。即ち、前記第一タッチ電極240aも前記第二タッチ電極240bの第二電極ユニットも横方向に設けられ、前記第二タッチ電極240bも前記第一タッチ電極240aの第一電極ユニットも縦方向に設けられる。前記第一タッチ電極240aと第二タッチ電極240bの寸法設計は前記OLED素子層230の発光デバイス231を避けて、外観モアレ現象を解消する同時に、相互静電容量方式のタッチスクリーンのノード静電容量誘導量の要求を満たして、最適な外観とタッチ感受性を達成する必要がある。図5に示すように、隣接した第一タッチ電極240aの間隔Aと隣接した第二タッチ電極240bの間隔Bは同じであり、且つ何れも0.1mm〜6mmにある。前記第一タッチ電極240a上の隣接した第一電極ユニットの間隔Cと前記第二タッチ電極240b上の隣接した第二電極ユニットの間隔Dは同じであり、且つ何れも0.1mm〜6mmにある。前記第一タッチ電極240a上の第一電極ユニットとそれに隣接した第二タッチ電極240bの間隔Eと前記第二タッチ電極240b上の第二電極ユニットとそれに隣接した第一タッチ電極240aの間隔Fは同じであり、且つ何れも0.001mm〜0.1mmにある。
【0046】
その中、前記第一タッチ電極240aと第二タッチ電極240bの線幅は生産の歩留まりを確保するという前提でできるだけ細くて、画素の間の配線要求を満足することが要求される。本実施例において、前記第一タッチ電極240aと第二タッチ電極240bの線幅は同じであり、且つ何れも0.001mm〜0.020mmにある。
【0047】
図4は本発明の実施例におけるタッチ構造の断面図。図4に示すように、前記タッチ構造240は二層金属構造を採用し、前記第一タッチ電極240aが第一金属層(即ち発信層)であり、前記第二タッチ電極240bが第二金属層(受信層)であり、前記第一タッチ電極240aと第二タッチ電極240bとの間に絶縁層243が設けられていて、前記絶縁層243の厚さが製品の容積と関係があり、前記絶縁層243の厚さを調節することで容積を調整できる。
【0048】
その中、前記第一金属層(即ち第一タッチ電極240a)と第二金属層(即ち第二タッチ電極240b)が採用した材料はモリブデンアルミニウムモリブデン(Mo/AL/Mo)、チタンアルミニウムチタン(Ti/AL/Ti)または銀(Ag)など金属材料であってよい。前記絶縁層が採用した材料は酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)または酸窒化ケイ素(SiOxNy)など絶縁材料であってよい。
【0049】
本実施例において、前記タッチ構造240は二層金属構造を採用し、即ちその発信層と受信層はそれぞれ上下金属層にあり、そのため発信層の高電圧は干渉信号を遮蔽できて、受信層が受信した信号をもっと精確にして、感度を向上させる。その上、前記二層金属構造の間隔(即ち前記絶縁層243の厚さ)を調節して、異なった型番の製品を適応してよい。
【0050】
本実施例において、前記基板210は可撓性基板(例えば透明なプラスチック基板)であり、前記タッチディスプレイパネル200は可撓性タッチディスプレイパネルである。他の実施例において、前記基板210は硬質基板(例えば透明なガラス基板)であり、前記タッチディスプレイパネル200は硬質タッチディスプレイパネルである。
【0051】
上述の何れか一つの解決手段に基づいて、本出願において、タッチ構造の基板上の正射影と、OLED素子層の発光デバイスの基板上の正射影とが重ならないことに鑑みて、タッチ構造におけるタッチ配線はOLED素子層の発光デバイスに対応した隙間に配置されてよい。必然的に、タッチ配線の線幅は隣接した二つの発光デバイスの隙間より小さい。
【0052】
タッチ構造を隣接した発光デバイスの間に設けて、発光デバイスの位置を避けるが、タッチ構造の発光デバイスが発した光線に対する遮蔽を完全に解消することができない。その理由として、図6(a)と図6(b)に示すように、発光デバイス301上のフィルムパッケージ層302は一定の厚さを有して、タッチ構造303はフィルムパッケージ層302の上にあって、タッチパネルの正面から見た時に、タッチ構造303が発光デバイス301を遮蔽しない。しかし、視角から見た時に、タッチ構造の寸法が大き過ぎると、依然として光線を遮蔽して、表示輝度を低減して、見る品質に影響を及ぼす。その中、視角とは輝度を50%に低減した時に見る角度を意味する。言い換えれば、これは輝度低減の限界であり、タッチ構造は最大限として単独の発光デバイスの発光面積の50%を遮蔽することが許容される。
【0053】
このために、本出願は一つの解決手段を提出し、即ちタッチ構造のタッチ配線の線幅を合理的に設計することで、視角から見た時に、タッチ配線の発光デバイスに対する遮蔽を回避する。何れか一つの隣接した発光デバイスに対応した隙間に対して、前記タッチ構造の二つの最も外側の辺から隙間の中心までの距離のそれぞれは予め設定された閾値以下であり、その中、前記発光デバイスの1/2長さの値と前記隙間間隔値との和値から前記予め設定された閾値を差し引いて差分を取得し、前記フィルムパッケージ層の厚さの値に対する前記差分の比は、タッチディスプレイパネルの視角の正接値である。
【0054】
なお、その中のタッチ構造は以下の何種類かの場合と理解されてよい。
【0055】
場合1:交差した電極ストリップ。それに伴って、隙間におけるタッチ構造はただ第一タッチ配線または第二タッチ配線だけであり、図7(a)を参照する。
【0056】
場合2:ずれたグリッド電極。隙間におけるタッチ構造は第一タッチ配線と第二タッチ配線を含み、図7(b)に示すように、第一タッチ配線の基板上の正射影と第二タッチ配線の基板上の正射影とが部分的に重なり、或いは重ならない。
【0057】
具体的には、図8に示すように、タッチディスプレイパネルの任意の隣接した二つの発光デバイスの位置の断面模式図において、発光デバイスAと発光デバイスBはべ−ス401上(図8に示された上面)に位置され、発光デバイスAと発光デバイスBのある発光層402はフィルムパッケージ層403に覆われ、タッチ構造404はフィルムパッケージ層403の表面に設けられる。事実上、図8に示されたのは一本のタッチ配線Sである。該隙間に二本のタッチ配線がずれて設けられたり異なった膜層に設けられたりしてよい。具体的には上述の場合1−場合2を参照する。
【0058】
図8に示すように、タッチ構造404(この場合はただ一本のタッチ配線だけである)の二つの最も外側の辺から隙間の中心までの距離のそれぞれは予め設定された閾値以下であり、その中、前記発光デバイスの1/2長さの値と前記隙間間隔値との和値から前記予め設定された閾値を差し引いて差分を取得し、前記フィルムパッケージ層の厚さの値に対する前記差分の比は、タッチディスプレイパネルの視角の正接値である。
【0059】
しかも、図8に示すように、タッチ構造の中にタッチ配線のフィルム層の厚さの値はタッチ配線の幅の値と逆の相関関係がある。前記予め設定された?値が確定されてから、隙間中心(破線に示すように)からの距離が予め設定された?値である領域範囲内にタッチ配線を設けてよい。
【0060】
再び図8を参照して、その中、三角形の法則から、視角の正接値とフィルムパッケージ層の厚さ、隣接される発光デバイスの間隔の半分値、単独の発光デバイスの幅の半分値、及び半分の線幅値がわかる。
【0061】
具体的に、タッチ構造の中にタッチ配線の線幅は次式を満たす:
【数3】
その中、前記Lはタッチ配線の線幅であり、前記lはタッチ配線の1/2線幅であり、前記αは工程能力誤差であり、前記Kは隣接した発光デバイスに対応する隙間間隔であり、前記Mは発光デバイスの1/2長さであり、前記Nはフィルムパッケージ層の厚さであり、前記θはタッチディスプレイパネルの視角である。
【0062】
実際のプロセスにおいて、工程能力誤差α=ΔAlign+ΔCDRange、その中、ΔAlignは設備位置合わせの精度であり、ΔCDRangeは線幅のプロセス浮動値であり、前記隣接した発光デバイスに対応した隙間間隔Kは20μmであり、前記発光デバイスの1/2長さMは10μmであり、前記フィルムパッケージ層の厚さNは8μmであり、前記設備位置合わせの精度ΔAlignは±0.5μmであり、前記線幅のプロセス浮動値ΔCDRangeは±0.5μmである。
【0063】
上述の値を割り当てる計算から得たタッチ配線の線幅は5.36±1.0μm以下である。事実上、通常のRGB三原色発光デバイスの配置方式に従って260PPI解像度設計を行う場合に、タッチ配線の線幅は4.36μm以下と制御すべきであり、それはプロセス安全範囲に属している。なお、該タッチ配線の線幅がただ図8における隙間の中に一本のタッチ配線を設ける場合についてのものだけであり、且つただ理論上の計算だけであり、実際のプロセスに一定の誤差があってよい。
【0064】
以上はただ図8における状況を例にとって原理上の説明を行ったが、他の場合におけるタッチ構造は類似した方式で設計することが許容され、主に視角から見た時に発光デバイスの50%を遮蔽しないものである。
【0065】
事実上、本出願において、フィルムパッケージ層の存在に鑑みて、すると、視角から見た時に、視線が必然的にフィルムパッケージ層に屈折し、そのため、フィルムパッケージ層の屈折率の視線に対する影響に注目する必要がある。
【0066】
図9に示すように、タッチ構造におけるタッチ配線の厚さを配慮せず、仮に視線が光線として伝わると、タッチ配線上の透明な保護層からフィルムパッケージ膜層に入って、インターフェースで光線が屈折してから、発光デバイス上に射し込む。逆に、発光デバイスが光を発した時も類似した経路に従って伝わる。具体的に、タッチ構造の中にタッチ配線の線幅は次式を満たす:
【数4】
その中、前記Lはタッチ配線の線幅であり、前記lはタッチ配線の1/2線幅であり、前記αは工程能力誤差であり、前記Kは隣接した発光デバイスに対応する隙間間隔であり、前記Mは発光デバイスの1/2長さであり、前記Nはフィルムパッケージ層の厚さであり、前記θはタッチディスプレイパネルの視角であり、前記θ1は前記視角でフィルムパッケージ層に入った後の屈折角であり、前記nは前記フィルムパッケージ層の屈折率である。
【0067】
従って、上述の技術的解決手段により、タッチ構造が隣接した発光デバイスの隙間に配置されて、正面から見た時にタッチ配線の発光デバイスに対する遮蔽を回避する。しかも、本出願は視角から見た時に存在する遮蔽問題も配慮して、タッチ配線の線幅を合理的に設計することで発光デバイスに対する過度の遮蔽を回避して、視角から見た場合に少なくとも発光デバイスの発光面積の50%が遮蔽されないことを確保して、全体的にタッチパネルの光を出す効率を確保して、タッチパネルの表示品質を向上させる。
【0068】
本出願のタッチ構造において、少なくとも一本の何れか一つの軸方向に沿って配置されたタッチ配線Sは順次接続された複数の電極セクションを含み、前記タッチ配線Sは少なくとも、任意の隣接した二つの電極セクションの配置角度が異なっているという配置規則を満足することが任意である。
【0069】
なお、本出願において、図10に示すように、関連した軸方向とはタッチ配線Sの中で最初の電極セクションL1にある起点と最終の電極セクションLnにある終点が確定した延在方向を意味し、ここでの軸方向は一種の延在配置傾向と理解されてよいが、必ずしも一本の直線上に配置されるわけではない。
【0070】
上述の方式により、タッチ構造の中で少なくとも一本のタッチ配線は不規則に配置され、するとタッチ構造に不規則に配置された模様がある。従来技術において全てが規則的に配置された模様であることに比べて、本出願はある程度一部の領域のモアレ干?を解消するという目的を達成して、タッチディスプレイパネルの表示性能を改善して、表示品質を向上させることができる。
【0071】
事実上、該タッチディスプレイパネルにおけるフィルムパッケージ層は基板とタッチ構造の間に位置し、表示層は基板とフィルムパッケージ層との間に位置し、フィルムパッケージ層は表示層におけるアレイで配列された発光デバイスをパッケージして保護するために用いられる上に、前記タッチ構造の上方に位置して前記タッチ構造の保護層を覆って保護するために用いられ、その中、保護層の材料はケイ素酸化物またはアクリル材料であってよい。
【0072】
また、任意に選択してよい構造として、フィルムパッケージ層は複数の絶縁副膜層からなり、タッチ構造はフィルムパッケージ層の任意の二つの絶縁副膜層の間に介在してよい。これによって、タッチ構造をパッケージして保護して、その損傷または酸化を防止できる一方、タッチ構造の厚さを利用しフィルムパッケージ層における他の絶縁副膜層の代わりにし、それによりフィルムパッケージ層の厚さを適当に減少して、タッチパネルの軽量薄手化設計を実現することに有利である。それに伴って、タッチ構造はフィルムパッケージ層の任意の二つの絶縁副膜層の間に介在してよい場合に、別途に保護層を設ける必要がなく、フィルムパッケージ層の最も外側の絶縁副膜層はタッチ構造を覆って保護する機能を果たせる。
【0073】
本出願において、上述の解決手段に基づいて、前記タッチ配線Sにおける全ての電極セクションLの配置角度は異なっていることが任意である。これによって、形成された模様の中で、該タッチ配線のある軸方向上の隣接した二つの模様が異なり、且つ同じタッチ配線のある軸方向上の全ての模様は異なっていることを確保して、今該タッチ配線のある軸方向上に形成された模様の間に存在する可能性のあるモアレ干?を解消して、タッチパネルの表示性能を改善して、表示品質を向上させる。
【0074】
さらに、本出願において、前記タッチ配線は以下の配置規則も満足する。任意の隣接した二つの電極セクションの長さは異なっている。図11に示すように、その中のタッチ配線Sに順次接続された電極セクションL1−電極セクションLnが含まれ、その中、L1の長さとL2の長さは異なり、L2の長さとL3の長さは異なるが、L1の長さとL3の長さは同じまたは異なる。好ましくは、全ての電極セクションの長さが異なるように設置されてよい。従って、上述の配置規則に基づいて、配置角度が異なり、且つ/または電極セクションの長さが異なるという配置規則の下に、不規則に配置された模様を形成して不規則な模様の数量を増やすことがもっと易くなって、より多いモアレ干?を解消して、タッチパネルの表示性能をさらに改善して、表示品質を向上することができる。
【0075】
なお、本出願において、関連する順次接続された複数の電極セクションが含まれるタッチ配線において、各電極セクションの間に首尾が繋がっていて、即ち、一つの電極セクションの一方の端部がもう一つの電極セクションの任意の端部に当たって接してよく、首尾接続ではなく隣接した電極セクションにおいてその中の一つの電極セクションの一方の端部がもう一つの電極セクションの非端部に当たって接してもよい。
【0076】
好ましい実現方式として、同一の軸方向配置方向において、少なくとも一組の隣接した二本のタッチ配線の配置方式が異なっている。
【0077】
本出願に関連した何れか一つの解決手段について、同一の軸方向配置方向において、それぞれタッチ配線に含まれた電極セクションの数が異なっていることが任意である。
【0078】
本出願において、タッチ構造におけるタッチ配線Sのべ−スに近づいた表面に吸光膜層が設けられていることが任意である。吸光膜層でタッチ配線を遮蔽して、表示膜層が発光する際、単色光線がタッチ配線のある位置に差しても、タッチ配線下方の吸光膜層に吸収されて、該単色光線を隣接した他の単色発光領域に放射するわけではなく、従って隣接した画素の間に画素を越えて混色するという問題を防止して、ディスプレイの彩色コントラストを向上させる。
【0079】
本出願において、タッチ構造における導電性材料は少なくともモリブデンアルミニウムモリブデン、チタンアルミニウムチタン、銀から選ばれた一種または複数種類の組合せであり、前記絶縁層の材料は少なくとも酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素から選ばれた一種または複数種類の組合せであることが任意である。
【0080】
図12は、本出願の実施例が提供した一種のタッチディスプレイパネルの構造模式図であり、該タッチパネルは主にタッチ構造12を含み、その中、タッチ構造12は複数の第一タッチ電極121及び第一タッチ電極121と同じ層に絶縁して且つ入り交じって設けられた複数の第二タッチ電極122からなり、第一タッチ電極121も第二タッチ電極122も透かし彫りの模様を有する。その中、前記透かし彫りの模様は具体的にグリッド状または不規則な多角形状であってよい。
【0081】
事実上、上述の模式図1はタッチディスプレイパネルの一部しか示さなかったが、実際のタッチディスプレイパネルに、アレイで複数の類似したタッチユニットが配置されていて、これらのタッチユニットは周期的にタッチパネルに配置されてタッチ構造を形成する。
【0082】
上述の技術的解決手段により、第一タッチ電極と第二タッチ電極は架橋構造で絶縁して交差重畳するわけではなく、これらのタッチ電極は何れも透かし彫りの模様を有し、且つ同じ層に設けられ、第一タッチ電極と第二タッチ電極は互いに入り交じって設けられ、即ち第一タッチ電極の一部が第二タッチ電極の隙間に伸び込んで、第二タッチ電極の一部が第一タッチ電極の隙間に伸び込んで、同じ層の静電容量タッチモードを実現して、従来技術における架橋がもたらした破断問題を回避して、タッチ膜層のタッチの有効性を確保して、タッチパネルの歩留まりと性能を向上させる。
【0083】
具体的に、本出願において、以下の何種類かのタッチユニットの構造が存在してよい:
構造1:
第一タッチ電極は折れ曲り形状の模様を有し、第一タッチ電極の折れ曲り形状の模様の隙間のそれぞれの内に第二タッチ電極が入り交じっている。
【0084】
図13(a)に示すように、第一タッチ電極RXは基板の縦方向(即ち図13(a)に示された図形の縦方向)に沿って伸びた折れ曲り形状の模様であってよく、各折れ曲り形状の模様自体に複数の隙間が形成されていて、且つ隙間の縦方向における幅d5は折れ曲り形状の模様の中の隣接した二つの隙間の模様の縦方向における幅d4より大きく、隙間の横方向における長さd8は折れ曲り形状の模様の中の隣接した二つの隙間の模様の横方向における長さd3を超えない。それぞれ隙間の幅は同じであり、それぞれ隙間の長さも同じであることが任意である。それぞれ隙間に、一つの第二タッチ電極が絶縁されて入り交じっている。図13(a)に示すように、第二タッチ電極TX1が第一タッチ電極RXの左側へ開口した隙間に入り交じり、第二タッチ電極TX2が第一タッチ電極RXの右側へ開口した隙間に入り交じっている。このような同じ層設計は、網状電極、且つ同じ層に絶縁して入り交じった構造を採用して、架橋構造による破断問題を防止する上に、二層タッチ構造に比べて、このような同じ層タッチ構造はタッチレスポンスがより高い感度を持つ。
【0085】
引き続き図13(a)を参照して、第二タッチ電極のリードはそれぞれ折れ曲り形状模様の開口から引き出される。その中、第二タッチ電極TX1のリードは左側に開口した隙間から引き出され、導線が走っている領域へ導いてよい。同様にして、第二タッチ電極TX2のリードは右側に開口した隙間から引き出され、導線が走っている領域へ導いてよい。これで分かるように、図13(a)に示されたこのようなタッチ構造において、第一タッチ電極にリードを設計しなくてもよく、或いは直接に第一タッチ電極の導線が走っている領域に近づいた位置から引き出され、第二タッチ電極のリードはそれぞれ第一タッチ電極の両側から引き出されて、一定の配線空間を占める必要となる。
構造2:
前記第一タッチ電極は横方向に沿って伸びた複数本の第一電極ユニットを有し、前記第二タッチ電極は横方向に沿って伸びた複数本の第二電極ユニットを有し、前記複数の第一電極ユニットは同一の列にあり、前記複数の第二電極ユニットは同一の列にあり、前記第一電極ユニットと前記第二電極ユニットは互いに入り交じって設けられる。
【0086】
具体的に、前記第一タッチ電極は予め設定された方向に沿って設けられた第一櫛状模様を有し、該第一櫛状模様に複数本の第一電極ユニットが含まれている。前記第二タッチ電極は予め設定された方向に沿って設けられた第二櫛状模様を有し、該第二櫛状模様に三本の第二電極ユニットが含まれている。前記第一タッチ電極と複数の第二タッチ電極は互いに入り交じって設けられる。
【0087】
図13(b)に示すように、第一タッチ電極RXは基板の縦方向に沿って伸びた第一櫛状模様、且つ第一櫛状模様の櫛の目(即ち第一電極ユニット)は横方向に配置され、且つタッチパネルの左側に向けている。図13(b)に示すように、第一タッチ電極RXは6本の櫛の目からなって、複数の隙間を形成している。同じく、第二タッチ電極TXは基板の縦方向に沿って伸びた第二櫛状模様であってよく、且つ第二櫛状模様の櫛の目はタッチパネルの右側に向け、第二タッチ電極TXは3本の櫛の目からなって、複数の隙間を形成している。第一タッチ電極RXの其々の隙間に、第二タッチ電極の櫛の目が入り交じって設けられていて、第二タッチ電極TXの其々の隙間に、第一タッチ電極の櫛の目が入り交じって設けられている。その中、上から下にかけて、第一タッチ電極RXの一番目の隙間から三番目の隙間までのところに、第二タッチ電極TX1が入り交じっていて、該第二タッチ電極TX1の三つの櫛の目はそれぞれ第一タッチ電極RXの隙間に入り交じっている。第一タッチ電極RXの四番目の隙間から六番目の隙間までのところに、第二タッチ電極TX2が入り交じっていて、該第二タッチ電極TX2の三つの櫛の目はそれぞれ第一タッチ電極RXの隙間に入り交じっている。このような同じ層設計は、網状電極を採用し、且つ同じ層に絶縁されて入り交じっている構造を採用して、架橋構造による破断問題を回避する上に、二層タッチ構造に比べて、このような同じ層タッチ構造はタッチレスポンスがより高い感度を持つ。
【0088】
なお、本出願において、第一タッチ電極RX及び/または第二タッチ電極TXの櫛の目(即ち第一電極ユニットまたは第二電極ユニット)はそれぞれリードまたは連通したグリッド模様を通じて接続される。言い換えれば、リードまたは連通したグリッド模様は櫛の柄として複数の櫛の目を接続して第一タッチ電極RXまたは第二タッチ電極TXを形成する。事実上、グリッド模様がある程度の空間を占めることに鑑みて、表示パネルの発光領域を占めることを防止するため、リードで櫛の目のそれぞれを接続することが好ましい。
また図13(b)を参照して、第二タッチ電極のリードは同一の側から引き出される。その中、第一タッチ電極はタッチパネルの一方の側からリードを引き出し、第二タッチ電極はタッチパネルのもう一方の側からリードを引き出し、これらのリードはそれぞれ導線が走っている領域に導かれる。
【0089】
事実上、構造2は、もう一種のタッチユニットにも関し、同様に櫛状模様を有している。違いは該タッチユニットにおいて一つの第二タッチ電極TXに二つの第一タッチ電極RXが入り交じって設けられている。該構造は割に特殊であるため、以下二つのタッチユニットを例にとって説明を行う。具体的に、図13(c)に示されたように、第二タッチ電極TXは通常互いに分離した二つの櫛状模様と設計され、図に示すように、第二タッチ電極TX2は左右二つの櫛状模様に分けられ、櫛状模様のそれぞれは三つの櫛の目(即ち第一電極ユニットまたは第二電極ユニット)を有し、且つ櫛の目の向きは背中合わせに設けられ、即ち左側の第二タッチ電極TX2の櫛状模様の櫛の目は左側へ開口し、右側の第二タッチ電極TX2の櫛状模様の櫛の目は右側へ開口する。それに伴って、第一タッチ電極RX1の櫛の目は左側の第二タッチ電極TX2の隙間に入り交じり、第一タッチ電極RX2の櫛の目は右側の第二タッチ電極TX2の隙間に入り交じっている。その中、第一タッチ電極RX1のリードがタッチユニットの左側から引き出され、第一タッチ電極RX2のリードがタッチユニットの右側から引き出され、第二タッチユニットTX2のリードがタッチユニットの中間隙間(左側の第二タッチ電極TX2と右側の第二タッチ電極TX2との間の隙間)から引き出される。
【0090】
なお、該構造において、第二タッチ電極TX1は最も下側に位置され、その下側に他の第二タッチ電極のリードが引き出されないため、別々に設けられるべきだった左側の第二タッチ電極TX1と右側の第二タッチ電極TX1を合して一体とし、即ち一本のリードで引き出されてよい。
【0091】
事実上、本出願の解決手段は他の類似したタッチ構造の図形に限るわけではなく、同じ層絶縁の設計であり且つ互いに入り交じって設ければよい。
【0092】
本出願において、第一タッチ電極とそれに隣接した第二タッチ電極の間の間隔は単独の透かし彫りの模様の寸法の整数倍であることが任意である。再び図13(a)を参照して、第一タッチ電極RXとそれに隣接した第二タッチ電極TXの間の間隔d1はグリッド寸法d2(仮にグリッドは正方形であったら、該透かし彫りの模様の寸法は正方形の辺の長さとされる)の整数倍である。これによって、隣接したタッチ電極の間に絶縁して設けることを確保する。
【0093】
事実上、図13(a)において、折れ曲り形状の模様の中の隣接した二つの隙間の模様は横方向における長さd3の範囲が3−6μmである。隙間の縦方向における幅d4と折れ曲り形状の模様の中の隣接した二つの隙間の模様の縦方向における幅d5との和の範囲が2−6μmである。図13(b)において、一つの第二タッチ電極TXの基板縦方向に沿って伸びる幅d6の範囲が2−6μmであり、単独の櫛の目の横方向における長さd7の範囲が3−6μmである。
【0094】
図14は、本出願の提供した一種のタッチパネルの構造模式図であり、該タッチパネルは主に基板21と基板21の一方の表面にあるタッチ構造22が含まれ、タッチ構造22において第一タッチ構造221と第二タッチ構造222が絶縁して設けられる。その中、タッチ構造22はタッチ電極22a及び絶縁して前記タッチ電極22aにおける透かし彫りの領域に組み込んだ少なくとも一つの補償電極22bを含む。
【0095】
事実上、図15から示したように、基板21とタッチ構造22との間に、表示層23及びフィルムパッケージ層24も設けられている。これによって、表示層23のタッチ構造22に近づいた導電性膜層(アノードまたはカソード)とタッチ構造22との間の静電容量はただタッチ電極22aと表示層23における導電性膜層との間の静電容量だけである。補償電極22bはタッチ電極22aと絶縁し、且つ電流を通していないため、補償電極22bと表示層23における導電性膜層との間に静電容量が存在するわけではない。従って、タッチ電極22aの実際の伝導面積を減少することで、タッチ構造22と表示層23が生成した静電容量を小さくし、さらに、タッチ構造22と表示層23の導電性膜層との間の静電容量が過大にならないようにして、駆動ICのタッチ構造に対する駆動圧力を小さくして、全体駆動効果を向上させる。
【0096】
上述の構造に基づいて、主にグリッド状電極について、第一タッチ電極の中に少なくとも一つの第一補償電極が絶縁されて組み込まれていて、且つ/または、前記第二タッチ電極の中に少なくとも一つの第二補償電極が絶縁されて組み込まれている。
【0097】
場合1:具体的に、図16(a)に示すように、第一タッチ構造221は第一タッチ電極221aを含み、第一タッチ電極221aの透かし彫りの領域に第一補償電極221bも絶縁されて組み込まれている。その中、該第一タッチ電極221aの中に複数の透かし彫りの領域が存在してよく、各透かし彫りの領域には何れも補償電極221bが設けられている。第二タッチ構造222の中に第一タッチ電極221aしか含まなく、第二補償電極が存在するわけではない。
【0098】
場合2:具体的に、図16(b)に示すように、第一タッチ構造221は第一タッチ電極221aを含み、第一タッチ電極221aの透かし彫りの領域に、第一補償電極221bも絶縁されて組み込まれている。その中、該第一タッチ電極221aの中に複数の透かし彫りの領域が存在してよく、各透かし彫りの領域には何れも第一補償電極221bが設けられている。同時に、第二タッチ構造222は第二タッチ電極222aを含み、第二タッチ電極222aの透かし彫りの領域に、第二補償電極222bが絶縁されて組み込まれている。その中、該第二タッチ電極222aの中に複数の透かし彫りの領域が存在してよく、各透かし彫りの領域には何れも第二補償電極222bが設けられている。
【0099】
場合3:図16(c)に示すように、第一タッチ構造221は第一タッチ電極221aしか含まなく、補償電極が存在するわけではない。第二タッチ構造222は第二タッチ電極222aを含み、第二タッチ電極222aの透かし彫りの領域に、第二補償電極222bが絶縁されて組み込まれている。その中、該第二タッチ電極222aの中に複数の透かし彫りの領域が存在してよく、各透かし彫りの領域には何れも第二補償電極222bが設けられている。
【0100】
これで、上述の三種類の場合は何れもタッチ構造の中に補償電極が設けられていて、何れも異なった程度でタッチ構造と表示層の導電性膜層との間の静電容量を小さくして、駆動ICの駆動圧力を減らして、駆動の難しさを低減して、駆動効果を向上させることができる。特に第一タッチ構造の中も第二タッチ構造の中も補償電極が設けられている構造にとって、タッチ構造と表示層の導電性膜層との間の静電容量を減らすだけでなく、タッチ構造自体の静電容量(第一タッチ構造と第二タッチ構造との間の静電容量)も小さくすることができる。これにより、駆動ICの駆動圧力をさらに減らして、駆動効果を向上させる。
【0101】
なお、本出願において、関連する補償電極の形状はタッチ電極の透かし彫りの領域の形状にフィットする。補償電極の形状は長方形または円形または三角形などであることが任意であり、本出願はこれを限定するものではない。
【0102】
本出願において、好ましい実現方式として、前記タッチ構造における補償電極の前記基板上の正射影の面積と前記タッチ電極の前記基板上の正射影の面積は同じであることが任意である。以下例を挙げながら説明して、図17は、本出願の実施例が提供したタッチ構造の平面視模式図であり、その中、タッチ構造の中にタッチ電極22aが含まれ、該タッチ電極22aの中に五つの異なった形状の透かし彫りの領域が設けられ、且つ各透かし彫りの領域に一つの補償電極22bが組み込まれている。該タッチ構造において、この五つの補償電極22bの面積の和とタッチ電極22aの面積は同じである。これによって、タッチ電極22aと補償電極22bをバランスよく設計できて、タッチ構造がもたらした静電容量は過大にならないように確保して、駆動ICの駆動圧力を減らす一方、タッチ構造が一定のタッチ感度を保持することを確保できる。
【0103】
事実上、具体的なタッチ構造において、タッチ感度及び駆動能力が許す場合、ただ第一タッチ構造だけに対する設計の均衡性を配慮してよく、即ち第一補償電極の基板上の正射影の面積と第一タッチ電極の基板上の正射影の面積は同じである。ただ第二タッチ構造だけについて設計の均衡性を配慮してもよく、即ち第二補償電極の基板上の正射影の面積と前記第二タッチ電極の前記基板上の正射影の面積は同じである。好ましくは、タッチ構造における第一補償電極の基板上の正射影の面積と第一タッチ電極の基板上の正射影の面積は同じであり、且つ第二補償電極の基板上の正射影の面積と前記第二タッチ電極の前記基板上の正射影の面積は同じである。
【0104】
本実施例において、前記基板は可撓性基板(例えば透明なプラスチック基板)であり、前記タッチディスプレイパネルは可撓性タッチディスプレイパネルである。他の実施例において、前記基板は硬質基板(例えば透明なガラス基板)であってよく、前記タッチディスプレイパネルは硬質タッチディスプレイパネルである。
【0105】
本出願において、上述の実施例に基づいて、タッチ構造の位置は以下の二種類の構造を有してよいのが任意である。
構造a:
図19(a)に示すように、通常の場合、上述のタッチディスプレイパネルには前記表示層34と前記タッチ膜層との間に介在したフィルムパッケージ層33が含まれている。前記フィルムパッケージ層33は基板31とタッチ構造32との間に位置され、表示層34は基板31とフィルムパッケージ層33との間に位置され、フィルムパッケージ層33は表示層34の中にアレイで配列された発光副画素をパッケージして保護するために用いられる。前記タッチ構造32の上方にあって前記タッチ膜層32を覆って保護するために用いられる保護層(本図19(a)に図示せず)は、材料がケイ素酸化物またはアクリル材料であってよい。
構造b:
また、任意選択の構造として、図19(b)を参照して、上述のタッチディスプレイパネルは前記表示層34上にあるフィルムパッケージ層33をさらに含み、前記タッチ構造32は前記フィルムパッケージ層33の任意の二つの隣接した副膜層の間に介在し、フィルムパッケージ層33は複数の絶縁副膜層からなり、タッチ構造32はフィルムパッケージ層33の任意の二つの絶縁副膜層の間に介在して、タッチ構造32をパッケージして保護して、その損傷または酸化を防止する。一方、フィルムパッケージ層33における他の絶縁副膜層の代わりにタッチ構造32の厚さを利用してよい。これにより、フィルムパッケージ層33の厚さを適当に減らして、タッチパネルの軽量薄手化設計を実現することに有利である。それに伴って、タッチ構造32はフィルムパッケージ層33の任意の二つの絶縁副膜層の間に介在してよい場合に、別途に保護層を設けることが不要となり、フィルムパッケージ層33の最も外側の絶縁副膜層はタッチ構造32を覆って保護する機能を果たせる。
【0106】
本出願において、上述の実施例に基づいて、図18に示すように、タッチパネルは下から上まで主にべ−ス41と、べ−ス41の一方の表面にある表示膜層42と、表示膜層42上にあるタッチ構造43とを含んで、タッチ構造43と表示膜層42は互いに絶縁していて、タッチ構造43の中のタッチ配線がべ−ス41に近づいた一方の表面に吸光膜層44が設けられている。
【0107】
該技術的解決手段により、吸光膜層でタッチ配線を遮蔽して、表示膜層が発光した時に、単色光線がタッチ配線のある位置に差しても、タッチ配線下方の吸光膜層に吸収されて、該単色光線を隣接した他の単色発光領域に放射するわけではなく、従って隣接した画素の間に画素を越えて混色するという問題を回避して、表示の彩色コントラストを向上させる。
【0108】
本出願は前記の何れか一つの解決手段に述べられたタッチディスプレイパネルを含むタッチディスプレイ装置も提供している。
【0109】
それに伴って、本発明はタッチディスプレイパネルの製造方法も提供している。引き続き図2を参照して、前記タッチディスプレイパネルの製造方法は、基板210を提供するステップと、前記基板210にOLED素子層230を形成するステップと、前記OLED素子層230にフィルムパッケージ層220を形成するステップと、前記フィルムパッケージ層220にタッチ構造240を形成するステップが含まれている。
【0110】
その中、前記OLED素子層230がアレイで配列された複数の発光デバイスからなり、前記タッチ構造240と前記OLED素子層230の発光デバイスは、前記基板210から前記フィルムパッケージ層220への方向に沿った投影が重ならない。
【0111】
具体的に、まず、基板210を提供し、前記基板210にアレイで配列された複数の薄膜トランジスター(TFT)が形成される。
【0112】
次に、前記基板210にOLED素子層230が形成され、前記OLED素子層230は複数の発光デバイス231を含み、前記複数の発光デバイス231はアレイで配列され、各発光デバイス231はカソード層、アノード層及び前記カソード層とアノード層との間に設けられた有機発光層を含む。その中、前記アノード層は前記複数のフィルムトランジスターに接続される。
【0113】
そして、前記OLED素子層230にフィルムパッケージ層220を形成し、前記フィルムパッケージ層220は完全に前記OLED素子層230を覆う。
本実施例において、パッケージ基板の代わりに前記フィルムパッケージ層220が採用されて、前記OLED素子層230を保護する。前記フィルムパッケージ層220の厚さは遥かに従来のパッケージ基板より小さいため、前記タッチディスプレイパネル200の厚さを低減することができる。
【0114】
その後、前記フィルムパッケージ層220にタッチ構造240を形成し、前記タッチ構造240は金属グリッド構造である。引き続き図3を参照して、前記タッチ構造240は第一方向に沿って設けられた複数本の第一タッチ電極240aと第二方向に沿って設けられた複数本の第二タッチ電極240bを含み、前記第一タッチ電極240aと第二タッチ電極240bは交差して互いに絶縁し、三本の隣接した第一タッチ電極240aごとに接続によって一組の第一タッチユニットとなり、三本の隣接した第二タッチ電極240bごとに接続によって一組の第二タッチユニットとなり、前記第一タッチユニットと第二タッチユニットの位置は1対1とマッピングされる。
【0115】
その中、同じ組の隣接した第一タッチユニットの間の中心間隔L1と同じ組の隣接した第二タッチユニットの間の中心間隔L2はタッチの精度により設置され、同じ組の隣接した第一タッチユニットの間の辺縁間隔D1と同じ組の隣接した第二タッチユニットの間の辺縁間隔D2は小間隔及び普通間隔の設計要求に該当する必要がある。
本実施例において、同時に2mmの受動タッチペンと指のタッチ要求を満足できるように、前記隣接した第一タッチユニットの間の中心間隔L1と隣接した第二タッチユニットの間の中心間隔L2は同じであり、且つ何れも3mm〜6mmの間にある。前記隣接した第一タッチユニットの間の辺縁間隔D1と隣接した第二タッチユニットの間の辺縁間隔D2は同じであり、且つ何れも1um〜500umの間にある。
【0116】
引き続き、図3を参照して、前記第一タッチ電極240aは第二方向に沿って設けられた複数の第一電極ユニットを有し、前記第二タッチ電極240bのそれぞれは第一方向に沿って設けられた複数の第二電極ユニットを有する。本実施例において、前記第一方向は横方向であり、前記第二方向は縦方向である。即ち、前記第一タッチ電極240aも前記第二タッチ電極240bの第二電極ユニットも横方向に設けられ、前記第二タッチ電極240bも前記第一タッチ電極240a的第一電極ユニットも縦方向に設けられる。前記第一タッチ電極240aと第二タッチ電極240bの寸法設計は前記OLED素子層230の発光デバイス231を避けることにより、外観モアレ現象を解消する。それと同時に、相互静電容量方式のタッチスクリーンのノード静電容量誘導量の要求を満足させることにより、最適な外観とタッチ感覚を提供する。図5に示すように、隣接した第一タッチ電極240aの間隔Aと隣接した第二タッチ電極240bの間隔Bは同じであり、且つ何れも0.1mm〜6mmの間にあり、前記第一タッチ電極240a上の隣接した第一電極ユニットの間隔Cと前記第二タッチ電極240b上の隣接した第二電極ユニットの間隔Dは同じであり、且つ何れも0.1mm〜6mmの間にあり、前記第一タッチ電極240a上の第一電極ユニットとそれに隣接した第二タッチ電極240bの間隔Eと前記第二タッチ電極240b上の第二電極ユニットとそれに隣接した第一タッチ電極240aの間隔Fとは同じであり、且つ何れも0.001mm〜0.1mmにある。
【0117】
その中、前記第一タッチ電極240aと第二タッチ電極240bの線幅は生産の歩留まりを確保するという前提で線幅をなるべく細くし、画素の間の配線要求を満足させる。本実施において、前記第一タッチ電極240aと第二タッチ電極240bの線幅は同様であり、且つ何れも0.001mm〜0.020mmの間にある。
【0118】
図2図3を参照して、前記第一タッチ電極240aも第二タッチ電極240bもいずれも作製される際OLED素子層230を避け、即ち、前記第一タッチ電極240aも第二タッチ電極240bも前記OLED素子層230を遮蔽しない。従って、前記タッチ構造240と前記OLED素子層230の発光デバイス231は前記基板210からフィルムパッケージ層220への方向上の投影が重ならない。
【0119】
引き続き図4を参照して、第一タッチ電極240aと第二タッチ電極240bを形成する具体的過程には下記のようなステップを含まれる。まず、前記フィルムパッケージ層220で第一金属層(第一タッチ電極240a)が形成される。次に、前記第一金属層(第一タッチ電極240a)で絶縁層243が形成される。そして、前記絶縁層243で第二金属層(第二タッチ電極240b)が形成される。その中、前記第一金属層(第一タッチ電極240a)、第二金属層(第二タッチ電極240b)及び絶縁層243は何れも従来の膜形成、露光、現像、エッチング、剥離などの方式で作製しても構わない。
【0120】
本実施例において、前記複数本の第一タッチ電極240aと複数本の第二タッチ電極240bといずれも金属材料で作られ、且つ前記複数本の第一タッチ電極240aと複数本の第二タッチ電極240bは交錯して配列され、金属グリッドを形成する。前記OLED素子層230の発光デバイス231と前記金属グリッド中のメッシュ位置は互いに対応しているので、前記発光デバイス231が発した光は前記メッシュを通過して出射し、即ち前記金属グリッドは前記発光デバイス231が発した光を遮蔽しない。
【0121】
なお、上述の金属グリッドの形状と寸法はあくまで一例であり、本発明を限定するものではない。当業者は実際の要求に応じて前記金属グリッドの具体的な形状と寸法を設置してよい。
【0122】
これで、前記タッチディスプレイパネル200の作製を完成する。
【0123】
以上は本出願の実施例に過ぎず、本出願を制限させるために用いられるわけではない。当業者にとって本出願は色々と修正又は変更される可能性がある。本出願の精神と原理を逸脱しない範囲で行った全ての修正、同等の置換、改良などはすべて本出願の請求範囲内である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9
図10
図11
図12
図13(a)】
図13(b)】
図13(c)】
図14
図15
図16(a)】
図16(b)】
図16(c)】
図17
図18
図19(a)】
図19(b)】