(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された従来技術では、ユーザが撮影した銘板の画像データをOCR処理して機器番号を抽出し、抽出した機器番号を修正してデータベースに登録するようにしている。このため、OCRの文字認識精度が低いと修正が多くなって登録に手間が掛かったり、誤った機器番号を登録してしまい、機器情報の収集効率が低下する場合があった。
【0005】
そこで本開示は、設備機器情報収集システムの文字認識精度の向上を図り、設備機器の情報収集効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の設備機器情報収集システムは、ネットワークに接続されたサーバと、ネットワークに接続され、設備機器情報を含むデータを取得し、取得したデータを送信する携帯端末と、ネットワークに接続されてデータを受信し、受信したデータを解析してデータに含まれる文字列を認識し、認識した文字列を認識文字列として送信する常用文字認識エンジンと、を備える設備機器情報収集システムであって、携帯端末は、取得したデータを常用文字認識エンジンとサーバとに送信し、常用文字認識エンジンから認識文字列を受信し、受信した認識文字列をユーザが正しい文字列に修正した登録文字列をサーバに送信し、サーバは、携帯端末からデータと登録文字列とを受信し、常用文字認識エンジンから認識文字列を受信し、受信したデータと認識文字列と登録文字列とを対応付けて格納する文字認識データベースを含み、文字認識データベースに格納したデータと認識文字列と登録文字列とに基づいて、ネットワークに接続されてデータを受信し、受信したデータを解析してデータに含まれる文字列を認識し、認識した文字列を認識文字列として送信する候補文字認識エンジン及び常用文字認識エンジンの文字認識精度の指標をそれぞれ算出し、算出した各指標に基づいて、常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとの中から新常用文字認識エンジンを選択し、選択した新常用文字認識エンジンを常用文字認識エンジンに置き換えること、を特徴とする。
【0007】
このように、サーバが常用文字認識エンジンから認識文字列を受信し、携帯端末からデータとユーザが認識文字列を正しい文字列に修正した登録文字列とを受信し、受信したデータと認識文字列と登録文字列とに基づいて常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとの文字認識精度の指標をそれぞれ算出し、算出した各指標に基づいて、常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとの中から新常用文字認識エンジンを選択し、選択した新常用文字認識エンジンを常用文字認識エンジンに置き換えるので、常に文字認識精度の高い文字認識エンジンを用いて文字認識を行うことができる。これにより、設備機器情報収集システムの文字認識精度を向上させて設備機器の情報収集効率を向上させることができる。
【0008】
本開示において、文字認識エンジンとは、画像データを受信し、受信した画像データを解析して画像データに含まれる文字列を認識し、認識した文字列を認識文字列として送信するものと、音声データを受信し、受信した音声データを解析して音声データに含まれる文字列を認識し、認識した文字列を認識文字列として送信するものと含む。
【0009】
本開示の設備機器情報収集システムにおいて、サーバは、文字認識データベースに格納したデータから評価用データを選択し、選択した評価用データを常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとに送信し、常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとから認識文字列をそれぞれ受信し、受信した各認識文字列と評価用データに対応する登録文字列とを対比して常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとの指標をそれぞれ算出してもよい。
【0010】
このように、サーバは常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンが認識した認識文字列と認識文字列をユーザが正しい文字列に修正した登録文字列とを対比して常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとの指標を算出するので、常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとの文字認識精度を正確に評価することができる。
【0011】
本開示の設備機器情報収集システムにおいて、指標は、常用文字認識エンジン又は候補文字認識エンジンから受信した認識文字列と評価用データに対応する登録文字列とを対比して算出した常用文字認識エンジン又は候補文字認識エンジンの誤認識文字数でもよい。
【0012】
これにより、簡便な構成で常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとの文字認識精度を正確に評価することができる。
【0013】
本開示の設備機器情報収集システムにおいて、評価用データは、文字認識データベースに格納したデータから選択した複数の類似パターンデータであり、サーバは、選択した複数の類似パターンデータを常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとにそれぞれ送信し、常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとから複数の類似パターンデータに対応する複数の認識文字列をそれぞれ受信し、指標は、受信した複数の認識文字列と複数の類似パターンデータに対応する複数の登録文字列とを対比して算出した常用文字認識エンジン又は候補文字認識エンジンの誤認識回数としてもよい。
【0014】
これにより、常用文字認識エンジンを誤認識回数の少ないものに置き換えることができる。
【0015】
本開示の設備機器情報収集システムにおいて、サーバは、常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとからそれぞれ受信した認識文字列と評価用データに対応する登録文字列とを対比して常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンの誤認識文字数をそれぞれ算出すると共に、文字認識データベースに格納したデータから複数の類似パターンデータを選択し、選択した複数の類似パターンデータを常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとにそれぞれ送信し、常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとから複数の類似パターンデータに対応する複数の認識文字列をそれぞれ受信し、受信した複数の認識文字列と複数の類似パターンデータに対応する複数の登録文字列とを対比して常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとの誤認識回数をそれぞれ算出し、常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとの各指標は、算出した各誤認識文字数と算出した各誤認識回数とにそれぞれ重み付けをして加算した数値でもよい。
【0016】
これにより、常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンの文字認識精度を総合的に評価し、常用文字認識エンジンを最適化することができる。
【0017】
本開示の設備機器情報収集システムにおいて、サーバは、常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとの文字認識精度の指標を所定の時間間隔でそれぞれ算出し、算出した各指標に基づいて新常用文字認識エンジンの選択を行ってもよい。
【0018】
これにより、常用文字認識エンジンを文字認識精度の高いものに維持することができる。
【0019】
本開示の設備機器情報収集システムにおいて、サーバは、常用文字認識エンジンから受信した認識文字列と携帯端末から受信した登録文字列とを対比して常用文字認識エンジンの誤認識文字数を算出し、常用文字認識エンジンの誤認識文字数の時系列的な変化が所定の閾値に達しない場合に、常用文字認識エンジンと候補文字認識エンジンとの文字認識精度の指標をそれぞれ算出し、算出した各指標に基づいて新常用文字認識エンジンの選択を行ってもよい。
【0020】
通常、常用文字認識エンジンの文字認識精度は時間と共に向上していくので、常用文字認識エンジンの文字認識精度の向上が停滞した際に、常用文字認識エンジンをより文字認識精度の高い文字認識エンジンに置き換えることができる。
【0021】
本開示の設備機器情報収集システムにおいて、サーバが第1国に配置され、携帯端末が第1国と異なる第2国に配置されてもよい。
【0022】
これにより、外国に設置されている設備機器の情報を効果的に収集することができる。
【発明の効果】
【0023】
本開示は、設備機器情報収集システムの文字認識精度の向上を図り、設備機器の情報収集効率を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら実施形態の設備機器情報収集システム100について説明する。
図1に示すように、設備機器情報収集システム100は、サーバ10と、携帯端末20と、常用文字認識エンジン30とを備えている。
【0026】
サーバ10は、CPUを含み情報処理や演算を行う演算部11と、動作プログラム、データ等を格納する記憶部12と、ネットワーク15との通信を行う通信部13とを含むコンピュータである。サーバ10の記憶部12には後で
図4を参照して説明する文字認識データベース50が格納されている。
【0027】
携帯端末20は、画像を撮像するカメラ21と、音声データを取得するマイク22と、画像或いは文字列を表示するディスプレイ23とを備え、ネットワーク15に接続されてネットワーク15に接続された他の機器との間で通信を行うものである。携帯端末20は、例えば、スマートホンやカメラ付き携帯電話で構成してもよい。
【0028】
常用文字認識エンジン30は、ネットワーク15に接続され、ネットワーク15から画像データを受信し、受信した画像データを解析して画像データに含まれる文字列を認識し、認識した文字列を認識文字列としてネットワーク15に送信する。常用文字認識エンジン30は、クラウド上に配置されている。また、クラウド上には、第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38が配置されている。第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38は、常用文字認識エンジン30と同様、ネットワーク15に接続され、ネットワーク15から画像データを受信し、受信した画像データを解析して画像データに含まれる文字列を認識し、認識した文字列を認識文字列としてネットワーク15に送信するものである。なお、候補文字認識エンジンの数は、4つに限らず、1つでも4つ以外の複数でもよい。
【0029】
次に、
図2〜5を参照しながら、実施形態の設備機器情報収集システム100の動作について説明する。以下の説明では、
図1に示すユーザ60が携帯端末20で空調機器40の銘板41の画像を撮像することにより、空調機器40の機器情報を収集する場合について説明する。
【0030】
図2、
図3のステップS101に示すように、ユーザ60は、携帯端末20のカメラ21によって空調機器40の銘板41の画像を撮像する。
図2、
図3のステップS102に示すように、携帯端末20は、カメラ21によって取得した画像データをネットワーク15を介して常用文字認識エンジン30とサーバ10に送信する。
【0031】
図2、
図3のステップS103に示すように、常用文字認識エンジン30は、携帯端末20から受信した画像データを解析して画像データ中に含まれる文字列を認識する。そして、認識した文字列を認識文字列としてネットワーク15を介して携帯端末20とサーバ10とに送信する。
【0032】
携帯端末20は、常用文字認識エンジン30から受信した認識文字列をディスプレイ23に表示する。
図3のステップS105に示すように、ユーザ60はディスプレイ23に表示された認識文字列と銘板41に記載されている文字列とを対比し、認識文字列を銘板41に記載されている文字列と一致する正しい文字列に修正して登録文字列を生成する。
図3のステップS106に示すように、ユーザ60は、生成した登録文字列を携帯端末20からサーバ10に送信する。
【0033】
図2、
図3のステップS107に示すように、サーバ10の通信部13は、携帯端末20から銘板41の画像データと登録文字列を受信し、常用文字認識エンジン30から認識文字列を受信する。そして、サーバ10の演算部11は、通信部13で受信した銘板41の画像データと登録文字列と認識文字列とを
図4に示す文字認識データベース50に格納する。
【0034】
図4に示すように、文字認識データベース50は、携帯端末20から受信した画像データと登録文字列、及び、常用文字認識エンジン30から受信した認識文字列とを対応付けて格納するものである。ここで、画像データAAAAは、ユーザ60が携帯端末20のカメラ21で撮像した銘板41の画像データである。認識文字列「PuHyDP28000SCMEBSGGGG」は、常用文字認識エンジン30が携帯端末20から受信した画像データAAAAを解析し、認識した文字列である。登録文字列「PUHY−DP280SCM−E−BSG」は、ユーザ60が携帯端末20に送信された認識文字列「P
uH
yDP280
00SC
MEBSG
GGG」を銘板41に記載されている文字列と一致するように正しく修正した文字列である。従って、登録文字列は、画像データを正しく認識した場合の文字列となる。
図4の認識文字列中の下線は、常用文字認識エンジン30が誤認識した文字を示している。この様に、文字認識データベース50は、携帯端末20で撮像した銘板41の画像データと、常用文字認識エンジン30が認識した認識文字列と、画像データを正しく認識した場合の文字列である登録文字列とを対応付けて格納したものである。
【0035】
サーバ10は、
図3のステップS108で所定の時間が経過したかどうかを判断し、
図3のステップS108でNOと判断した場合には、
図3のステップS101に戻り、携帯端末20からの画像データと登録文字列を受信し、常用文字認識エンジン30から認識文字列を受信し、受信した画像データと登録文字列と認識文字列とを文字認識データベース50に格納していく。ここで、所定の時間は、例えば、一日でもよいし、一週間でもよいし、一ヶ月でもよい。
【0036】
サーバ10は、
図3のステップS108でYESと判断した場合には、
図3のステップS109〜ステップS112において常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38との文字認識精度を示す指標をそれぞれ算出し、算出した各指標に基づいて常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38の中の1つを新常用文字認識エンジンに選択する。そして、選択した新常用文字認識エンジンを常用文字認識エンジン30に置き換える。
【0037】
以下、
図3、
図5を参照しながら、指標として認識文字列と登録文字列とを対比して算出した誤認識文字数を用いる場合について説明する。
【0038】
図3のステップS109、
図5に示すように、サーバ10の演算部11は、文字認識データベース50に格納した画像データの中から、画像データAAAAを常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38との評価に用いる評価用画像データAAAAとして選択する。そして、演算部11は、評価用画像データAAAAを通信部13から常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38とに送信する。
【0039】
図3のステップS110に示すように、常用文字認識エンジン30と、第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38は、受信した評価用画像データAAAAを解析して評価用画像データAAAAに含まれる文字列を認識し、認識した文字列を認識文字列としてサーバ10に送信する。
図5に示すように、第1候補文字認識エンジン35は、認識文字列「PuHyDP28000SCMEBSGGGG」をサーバ10に送信し、第2候補文字認識エンジン36は、認識文字列「PUHY−DP280SCM−E――BSG−」をサーバ10に送信する。常用文字認識エンジン30、第3、第4候補文字認識エンジン37,38についても同様にそれぞれ認識文字列をサーバ10に送信する。
【0040】
図3のステップS111、
図5に示すように、サーバ10は、常用文字認識エンジン30、第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38の文字認識精度を示す指標である誤認識文字数を算出する。
図5に示すように、サーバ10の演算部11は、文字認識データベース50から評価用画像データAAAAに対応する登録文字列を対応登録文字列「PUHY−DP280SCM−E−BSG」として読み出す。そして、第1候補文字認識エンジン35から受信した認識文字列「PuHyDP28000SCMEBSGGGG」と対応登録文字列「PUHY−DP280SCM−E−BSG」とを対比する。対応登録文字列は、評価用画像データAAAAを正しく認識した場合の文字列であるから、両文字列を対比することにより、第1候補文字認識エンジン35の認識文字列中の誤認識文字数を算出することができる。本例では、
図5に示すように、サーバ10の演算部11は第1候補文字認識エンジン35の誤認識文字数を8と算出する。
【0041】
同様に、サーバ10の演算部11は、第2候補文字認識エンジン36から受信した認識文字列「PUHY−DP280SCM−E――BSG−」と対応登録文字列「PUHY−DP280SCM−E−BSG」とを対比して第2候補文字認識エンジン36の誤認識文字数を2と算出する。常用文字認識エンジン30、第3、第4候補文字認識エンジン37,38についても同様にそれぞれの誤認識文字数を算出する。
【0042】
図3のステップS112、
図5に示すように、サーバ10の演算部11は、常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38の中で誤認識文字数の最も少ない第2候補文字認識エンジン36を新常用文字認識エンジンとして選択する。そして、サーバ10は、新常用文字認識エンジンとして選択した第2候補文字認識エンジン36を常用文字認識エンジン30に置き換える。これ以後、携帯端末20は、新たな常用文字認識エンジン30に画像データを送信し、新たな常用文字認識エンジン30から誤認識文字数の少ない認識文字列を受信するので、ユーザ60の修正の手間が少なくなり、効果的に設備機器の情報を収集することができる。
【0043】
このように、実施形態の設備機器情報収集システム100では、サーバ10は常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38とが評価用画像データから認識した認識文字列と評価用画像データを正しく認識した場合の文字列である対応登録文字列とを対比して、常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38の誤認識文字数を算出し、常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジンの内で誤認識文字数の少ないものを新常用文字認識エンジンとして選択する。そして、選択した新常用文字認識エンジンを常用文字認識エンジン30に置き換える。これにより、設備機器情報収集システム100の文字認識精度の向上を図り、設備機器の情報収集効率を向上させることができる。また、所定の時間間隔で新常用文字認識エンジンの選択を行い、新常用文字認識エンジンを常用文字認識エンジン30に置き換えるので、常用文字認識エンジン30を文字認識精度の高いものに維持することができ、設備機器の情報収集効率を向上させることができる。
【0044】
次に、
図3、
図6を参照しながら、指標として常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38の誤認識回数を用いて新常用文字認識エンジンの選択を行う動作について説明する。
【0045】
図3のステップS109、
図6に示すように、サーバ10の演算部11は、文字認識データベース50から複数の類似パターンデータを選択する。複数の類似パターンデータは、同一の銘板41の異なる画像のセットで、例えば、クリアな画像、少しぼけた部分のある画像、正面からの画像、斜めからの画像等を組み合わせたものである。類似パターンデータは、同一の銘板41の画像データであるから、対応登録文字列は一つとなる。
図6に示す例では、サーバ10の演算部11は、複数の類似パターンデータCCCC,CCCc,cCCCを選択して、常用文字認識エンジン30と、第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38とに送信する。
【0046】
図3のステップS110に示すように、常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38は、受信した複数の類似パターンデータを解析して複数の認識文字列をサーバ10に送信する。
図6に示すように、第1候補文字認識エンジン35は、3つの類似パターンデータCCCC,CCCc,cCCCを解析して3つの認識文字列「PUHY−DP280SCM−E−BSG」、「PUHY−DP280SCM−E−BSG」、「PUHY−DP280SCM−EBSG」をサーバ10に送信する。
【0047】
図3のステップS111、
図6に示すように、サーバ10の演算部11は、第1候補文字認識エンジン35から受信した各認識文字列と対応登録文字列「PUHY−DP280SCM−E−BSG」とを対比して、両者が一致しているかどうかを判断する。
図6に示すように、第1候補文字認識エンジン35が送信した3の認識文字列の内、一番目と二番目の認識文字列は対応登録文字列と一致しており、三番目の認識文字列は対応登録文字列と一致していない。従って、サーバ10の演算部11は、第1候補文字認識エンジン35の誤認識回数を1と算出する。
【0048】
同様に、サーバ10の演算部11は、第2候補文字認識エンジン36から受信した3つの認識文字列と対応登録文字列とを対比して誤認識回数を2と算出する。また、常用文字認識エンジン30、第3、第4候補文字認識エンジン37,38についても同様に誤認識回数を算出する。
【0049】
図3のステップS112、
図6に示すように、サーバ10の演算部11は、常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38の中で誤認識回数の最も少ない第1候補文字認識エンジン35を新常用文字認識エンジンとして選択する。そして、サーバ10は、新常用文字認識エンジンとして選択した第1候補文字認識エンジン35を常用文字認識エンジン30に置き換える。
【0050】
これにより、誤認識回数が少ない文字認識エンジンを常用文字認識エンジン30とすることができる。
【0051】
次に、
図7を参照しながら、誤認識文字数と誤認識回数とを組み合わせて総合指標Sを算出し、算出した総合指標Sに基づいて新常用文字認識エンジンを選択する動作について説明する。
【0052】
先に
図5を参照して説明したように、サーバ10の演算部11は、第1、第2候補文字認識エンジン35,36に評価用画像データを送信し、認識文字列を受信し、受信した認識文字列と対応登録文字列と対比して誤認識文字数を算出する。また、先に
図6を参照して説明したように、サーバ10の演算部11は、第1、第2候補文字認識エンジン35,36に複数の類似パターンデータを送信し、認識文字列を受信し、受信した認識文字列と対応登録文字列と対比して誤認識回数を算出する。そして、
図7に示すように、サーバ10の演算部11は、誤認識文字数と誤認識回数にそれぞれ重みa,bを掛けて重み付けしたものを加算して総合指標Sの数値を算出する。
【0053】
図7に示す例のように、第2候補文字認識エンジン36の総合指標S2が第1候補文字認識エンジン35の総合指標S1よりも小さい場合には、サーバ10の演算部11は総合指標Sの小さい第2候補文字認識エンジン36を常用文字認識エンジン30に選択する。そして、サーバ10は、新常用文字認識エンジンとして選択した第2候補文字認識エンジン36を常用文字認識エンジン30に置き換える。
【0054】
これにより、常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38の文字認識精度を総合的に評価し、常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38の内で最適な文字認識エンジンを新常用文字認識エンジンに選択することができ、常用文字認識エンジン30を最適化することができる。
【0055】
次に、
図8,
図9を参照しながら、設備機器情報収集システム100の他の動作について説明する。先に
図2、
図3を参照して説明した動作と同様の動作には、同様のステップ番号を付して説明は省略する。
【0056】
常用文字認識エンジン30は、AIを適用したものであり、時間経過と共に、文字認識精度が向上してくることが一般的で、時間経過と共に、誤認識文字数は低下傾向を示す。従って、誤認識文字数が減少せず、停滞する場合には、常用文字認識エンジン30の文字認識精度の向上が他の文字認識エンジンよりも低くなっている可能性がある。
【0057】
そこで、本動作は、
図8、
図9に示すように、サーバ10の演算部11が常用文字認識エンジン30の誤認識文字数と誤認識文字数の時系列変化とを算出し、
図8のステップS202で誤認識文字数の時系列的変化が所定の閾値に達しない場合に常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38との文字認識精度の指標を算出して新常用文字認識エンジンを選択するものである。以下、説明する。
【0058】
サーバ10の演算部11は、
図8、
図9のステップS104に示すように常用文字認識エンジン30から認識文字列を受信し、
図8、
図9のステップS106に示すように携帯端末20から登録文字列を受信したら、
図8、
図9のステップS201に示すように、常用文字認識エンジン30の誤認識文字数を算出する。誤認識文字数の算出は、先に
図5を参照して説明したと同様、常用文字認識エンジン30から受信した認識文字列と携帯端末20から受信した登録文字列とを対比して誤認識文字数を算出する。そして、サーバ10の演算部11は、算出した誤認識文字数を記憶部12に格納する。
【0059】
図8に示すように、サーバ10の演算部11は、
図9のステップS202で所定時間、或いは所定回数だけ常用文字認識エンジン30の誤認識文字数を算出したかを判断する。サーバ10の演算部11は、
図9のステップS202でNOと判断した場合には、
図9のステップS101に戻って携帯端末20からの画像データと登録文字列を受信し、常用文字認識エンジン30から認識文字列を受信し、誤認識文字数を算出して記憶部12に格納していく。
【0060】
サーバ10の演算部11は、
図9のステップS202でYESと判断したら
図9のステップS203に進み、記憶部12から誤認識文字数データを読み出して誤認識文字数の時系列的変化を算出する。時系列的変化は、例えば、所定期間における誤認識文字数の低減数、或いは低減割合である。
【0061】
そして、サーバ10の演算部11は、
図9のステップS204で算出した時系列的変化が所定の閾値に達しているかどうかを判断する。例えば、時系列的変化が所定期間における誤認識文字数の低減数が所定の閾値に達していない場合、或いは、低減割合が所定の閾値に達していない場合、サーバ10の演算部11は、
図9のステップS204でYESと判断して
図3のステップS109に進む。
【0062】
そして、サーバ10は、
図8、
図3のステップS109〜ステップS112に示すように、評価用画像データを常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38とに送信し、常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38とから認識文字列を受信する。そして、
図5を参照して説明したように、受信した認識文字列と対応登録文字列とから常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38の誤認識文字数をそれぞれ算出し、誤認識文字数の少ない第2候補文字認識エンジン36を新常用文字認識エンジンに選択する。そして、サーバ10は、新常用文字認識エンジンとして選択した第2候補文字認識エンジン36を常用文字認識エンジン30に置き換える。
【0063】
これにより、常用文字認識エンジン30の文字認識精度の向上が停滞しているような場合に、文字認識精度の文字認識エンジンに置き換えることができる。
【0064】
以上説明した実施形態の設備機器情報収集システム100において、サーバ10と携帯端末20とは同一の第1国に配置されてもよいし、携帯端末20は第1国と異なる第2国に配置されていてもよい。これにより、外国に設置されている設備機器の情報を収集することができる。
【0065】
また、実施形態の設備機器情報収集システム100では、常用文字認識エンジン30、第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38は、受信した画像データを解析して認識文字列を送信するものとして説明したがこれに限らず、受信した音声データを解析して認識文字列を送信するもでもよい。
【0066】
この場合、例えば、ユーザ60が携帯端末20のマイク22から入力した音声データを常用文字認識エンジン30により解析して認識文字列を抽出し、抽出した認識文字列を携帯端末20に送信し、ユーザ60が認識文字列を修正して登録文字列としてもよい。
【0067】
この場合も、実施形態の設備機器情報収集システム100と同様、サーバ10は、常用文字認識エンジン30と第1〜第4候補文字認識エンジン35〜38に音声データを送信し、受信した認識文字列と登録文字列とに基づいて、各文字認識エンジン30,35〜38の文字認識精度を算出し、文字認識精度の高い文字認識エンジンを新常用文字認識エンジンとして選択する。そして、選択した新常用文字認識エンジンを常用文字認識エンジン30に置き換える。
サーバ(10)と、携帯端末(20)と、受信した画像データから認識文字列を抽出して送信する文字認識エンジン(30,35〜38)と、を備える設備機器情報収集システム(100)であって、サーバ(10)は、評価用画像データを各文字認識エンジン(30,35〜38)に送信し、各文字認識エンジン(30,35〜38)から認識文字列を受信する。そして、受信した認識文字列とユーザ(60)が認識文字列を正しく修正した登録文字列とから各文字認識エンジン(30,35〜38)の誤認識文字数をそれぞれ算出し、誤認識文字数の少ない文字認識エンジンを新常用文字認識エンジンに選択する。そして、選択した新常用文字認識エンジンを常用文字認識エンジン(30)に置き換える。