(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の構成では、燃料ポンプをメンテナンスする際に、燃料ポンプを車体から外す必要があり、メンテナンス性での課題が残っていた。
【0005】
本発明に係る態様は、このような事情を考慮してなされたものであり、燃料タンクに外付けされる燃料ポンプのメンテナンス性を向上させる燃料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係る燃料供給装置は、鞍乗り型車両(1)のエンジン(2)の燃料を貯留する燃料タンク(31)と、前記燃料タンク(31)の外部に設けられ、前記燃料タンク(31)内の燃料を前記燃料タンク(31)外へ吐出する燃料ポンプ(40)と、を備え、前記燃料ポンプ(40)は、ポンプ本体(41)を収容する筐体(43)を備え、前記筐体(43)は、第一の方向の端部に、前記筐体(43)内の機能部品(53)をメンテナンス可能とする開口部(47b)を有するとともに、前記第一の方向の端部を避けた外周部に、前記ポンプ本体(41)に対して燃料を給排させるノズル部(46)を有している。
上記態様(1)によれば、燃料ポンプの筐体における第一の方向の端部に、ポンプ本体に対して燃料を給排させるノズル部を避けた上で、機能部品のメンテナンス用の開口部を設けている。これにより、燃料ポンプを車両に取り付けた状態であっても、燃料ポンプおよびこれに接続される燃料ホース等を取り外すことなく、燃料ポンプのメンテナンスを行うことができる。また、ノズル部が第一の方向の端部に無いため、燃料ポンプの長手方向の寸法を抑えることができる。
(2)上記態様(1)において、前記燃料ポンプ(40)は、前記筐体(43)の第一の方向である長手方向を車幅方向に向けて車載され、前記ノズル部(46)は、前記長手方向に対して垂直な方向に延びるように形成されてもよい。
上記態様(2)によれば、燃料ポンプが車幅方向に長く形成されているのに対し、ノズル部が燃料ポンプの長手方向に対して垂直な方向に延びるように形成されている。これにより、車両前後方向および上下方向への燃料ラインの導出および取り回しを容易にすることができる。
(3)上記態様(1)又は(2)において、前記開口部(47b)は、前記筐体(43)内の機能部品(53)である燃料フィルタ(53)をメンテナンス可能としてもよい。
上記態様(3)によれば、メンテナンス用の開口部を通じて筐体内の燃料フィルタをメンテナンス可能とすることで、定期的なメンテナンスを容易に行うことができる。
(4)上記態様(1)から(3)の何れか一つにおいて、前記ノズル部(46)は、前記ポンプ本体(41)が吐出した燃料の余剰分を前記燃料タンク(31)に戻すリターンノズル(46b)を備え、前記リターンノズル(46b)には、前記燃料タンク(31)から前記ポンプ本体(41)への燃料の逆流を規制するチェックバルブ(46d)が設けられてもよい。
上記態様(4)によれば、リターンノズルに燃料の逆流を規制するチェックバルブを設けることで、リターンノズルを通じてポンプ本体が燃料タンクから直接燃料を吸引してしまうことを抑止することができる。つまり、ポンプ本体が燃料フィルタを経ない燃料を吸引してしまうことを抑止し、ポンプ本体やプレッシャーレギュレータ等への異物の浸入を防ぐことができる。
(5)上記態様(1)から(4)の何れか一つにおいて、前記筐体(43)は、前記ポンプ本体(41)の下流側に、前記ポンプ本体(41)による加圧空間(48a)を形成する膨出部(48)を有してもよい。
上記態様(5)によれば、ポンプ本体の下流側にポンプ本体による加圧空間を形成することで、ポンプ本体の始動時における圧縮容量を十分に確保し、効率よくポンプ本体の始動を行うことができる。
(6)上記態様(5)において、前記筐体(43)の中央部(45)よりも前記第一の方向の一側に、前記ノズル部(46)が配置され、前記中央部(45)よりも前記第一の方向の他側に、前記膨出部(48)が配置されてもよい。
上記態様(6)によれば、ノズル部と膨出部とを、筐体の前記第一の方向の中央部を挟んで反対側にレイアウトすることで、ノズル部に対するホースの取り付け等で膨出部が障害となることを防ぐことができる。
(7)上記態様(1)から(6)の何れか一つにおいて、前記筐体(43)の第一の方向である長手方向の中央部(45)が挿通される環状のホルダ(60)をさらに備え、前記ホルダ(60)は、周方向の少なくとも一箇所に、前記中央部(45)に対して前記ホルダ(60)を着脱可能とする分割部(61)を有し、前記分割部(61)における一対の分割端部(61a)は、車両構成部材(36)から延びるステー(62a)に係止されて前記ホルダ(60)を環状に保持するとともに、前記一対の分割端部(61a)が前記ステー(62a)に係止された状態で、前記燃料ポンプ(40)が前記車両構成部材(36)に支持されてもよい。
上記態様(7)によれば、筐体の長手方向の中央部にて燃料ポンプが支持されることで、燃料ポンプの振動を効果的に抑えることができる。また、筐体の長手方向の両側にノズル部および膨出部が形成された構成において、筐体の中央部にホルダを着脱可能とし、かつホルダを環状に閉じることと併せて燃料ポンプを車両構成部材に支持することで、簡単な構造でかつ容易に燃料ポンプを支持することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る態様によれば、燃料タンクに外付けされる燃料ポンプのメンテナンス性を向上させる燃料供給装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、車両左右中心を示す線CLが示されている。
【0010】
図1は本発明の実施形態が適用されたスクータ型の自動二輪車(鞍乗り型車両)1を示している。
この
図1に示すように、自動二輪車1は、エンジン2と伝動機構3とを一体化したスイングユニット4を備えている。スイングユニット4は、その後部で後輪5を回動可能に支持している。
【0011】
自動二輪車1の車体フレーム10は、前輪6を操向可能に支持するヘッドパイプ11と、ヘッドパイプ11から下方に延びた後に後方に屈曲して延びるメインフレーム部12と、メインフレーム部12の後端部近傍から上後方に延びた後に後方へ屈曲して延びる左右一対のリヤフレーム14と、を備えている。
【0012】
図中符号7は操向ハンドル、符号8は車体前部を覆うフロントカバー、符号9はステップフロア、符号15は車体後部を覆うリヤカバー、符号25はリヤフレーム14にスイングユニット4を連結するリヤクッション、符号16はシート、符号17は車体を直立状態で支持するメインスタンド、符号18は車体を左右一側(例えば左側)に傾けた状態で支持するサイドスタンドをそれぞれ示している。
【0013】
エンジン2は、不図示のクランクシャフトの回転中心軸線を左右方向に沿わせた単気筒エンジンである。エンジン2の不図示のクランクケースの前端部には、シリンダ19が略水平に(詳細にはやや前上がりに)前方へ突出するように設けられている。クランクケースの左側部には、後方へ延出する伝動ケース21が一体に設けられている。伝動ケース21は、内部に収容したベルト式無段変速機等とともに伝動機構3を構成している。エンジン2の駆動力は、伝動機構3を介して後輪5に伝達される。
【0014】
シリンダ19の上側(吸気側)には、吸気通路部材22の下流端が接続されている。吸気通路部材22の上流端は、伝動ケース21の上方に支持されたエアクリーナケース23に接続されている。吸気通路部材22は、不図示のスロットルボディを含み、このスロットルボディにインジェクタ(燃料噴射弁)24が取り付けられている。
【0015】
図2〜
図4を併せて参照し、左右リヤフレーム14の上部(後方延出部)の間には、エンジン2の燃料を貯留する燃料タンク31が配置されている。燃料タンク31は、例えば鋼板製の中空のタンク本体32を備えている。タンク本体32は、上方に開放する比較的深い下タンク体32aと、下方に開放する比較的浅い上タンク体32bと、を有している。上下タンク体32a,32bは、互いに開放部分を対向させ、各開放部分に形成された接合フランジ32c同士を接合することで、一体のタンク本体32を形成している。図中符号33はタンク本体32内の残燃料量を検出するフロート式残量センサ、符号34はタンク本体32の後部で上後方に給油口を向けた給油管をそれぞれ示している。
【0016】
図1、
図2を参照し、燃料タンク31の下方には、リヤフェンダ35Aの上部の前方に一体形成されたタンクカバー35が配置されている。タンクカバー35は、燃料タンク31の下部を下方から覆うように、上方に開放する容器形状をなしている。タンクカバー35の前部左側には、前下方に延出して燃料ポンプモジュール40を収容可能とするトレー部36が形成されている。タンクカバー35の右側内にはキャニスタ37が配置されている。
【0017】
図3、
図4を参照し、キャニスタ37は、軸方向を前後方向に向けた円筒状の外観をなし、後端部にチャージホース38aおよびパージホース38bを接続する。キャニスタ37の前端部には、タンクカバー35内に臨む大気導入ノズル38cおよびドレンノズル38dが突設される。
【0018】
燃料ポンプモジュール40は、燃料タンク31内の燃料をインジェクタ24に供給するもので、燃料タンク31の外部に別体として設けられている。これらインジェクタ24、燃料タンク31および燃料ポンプモジュール40を主に、自動二輪車1の燃料供給装置30が構成されている。
以下、説明中で「上流側」、「下流側」と称する場合は、特に記載がなければ、燃料タンク31からインジェクタ24に至る燃料通路の上流側および下流側を意味する。すなわち、燃料通路の燃料タンク31側を「上流側」、インジェクタ24側を「下流側」と称する。
【0019】
図6、
図7を併せて参照し、燃料ポンプモジュール40は、ポンプ本体41を駆動する電動モーター42の回転中心軸線C1を車幅方向に沿わせて配置されている。この状態(車載状態)において、燃料ポンプモジュール40(筐体43)は、車幅方向の外形寸法x1が車幅方向と直交する方向(車両前後方向および上下方向)の外形寸法y1,z1(
図10参照)に比して大きい。すなわち、燃料ポンプモジュール40は、車載状態において、全体的に車幅方向に長く、長手方向(軸方向)を車幅方向に向けている。
【0020】
燃料ポンプモジュール40は、ポンプ本体41および電動モーター42等を収容する筐体43を備えている。筐体43は、長手方向の一側(右側)から順に、ポンプ形成部44、胴部45、ノズル部46およびフィルタ収容部47を備えている。燃料ポンプモジュール40は、長手方向の中央部である胴部45が挿通される環状のホルダ60を介して、トレー部36内に支持されている。
【0021】
図5を併せて参照し、ポンプ形成部44は、筐体43の右端部に長手方向の寸法を抑えた偏平のポンプ室44aを形成している。ポンプ室44a内には、電動モーター42の駆動軸を接続したインペラ(不図示)が収容され、これらポンプ室44aおよびインペラを含んでポンプ本体41が形成されている。ポンプ本体41は、電動モーター42の駆動によりインペラが回転すると、燃料タンク31から燃料を吸入してポンプ室44a内で圧縮し、昇圧した燃料をインジェクタ24に向けて吐出する。
【0022】
胴部45は、断面略一定をなして車幅方向に沿って直線状に延びている。胴部45の内側には、電動モーター42が収容されている。
胴部45の前部の右方には、胴部45の前部と連続するように、ポンプ形成部44に向けて直線状に延びる右前延出部45aが形成されている。右前延出部45aは、内部に電動モーター42の右側部を収容している。右前延出部45aの上面には、電動モーター42への電力供給配線を接続するカプラ45cが突設されている。
【0023】
胴部45の後部の右方には、胴部45の後部に対して後方へ段差状に膨出した後に、ポンプ形成部44に向けて直線状に延びる膨出部48が形成されている。膨出部48は、内部にプレッシャーレギュレータ49を収容している。膨出部48は、ポンプ本体41の下流側に、ポンプ室44aに連通する加圧空間(加圧室)48aを形成している。この加圧空間48aにより、ポンプ本体41の始動時における圧縮容量が十分に確保される。
【0024】
ノズル部46は、長手方向と直交するように延びる吸入ノズル(フィードライン)46、リターンノズル(リターンライン)46bおよび吐出ノズル(高圧ライン)46cを備えている。
吸入ノズル46aは、吸入ホース51aを介して燃料タンク31の燃料供給口に接続されている。
リターンノズル46bは、リターンホース51bを介して燃料タンク31のリターン口に接続されている。
吐出ノズル46cは、吐出ホース51cを介してインジェクタ24(
図1参照)に接続されている。
各ノズル46a〜46cは、長手方向の右側の外周部から長手方向と直交する方向に沿って突設されている。
【0025】
リターンノズル46bは、ポンプ本体41からプレッシャーレギュレータ49を介して放出された燃料を燃料タンク31に戻すとともに、ポンプ本体41内に浸入したベーパー(気泡)を燃料タンク31内に戻す。リターンノズル46bにはチェックバルブ46dが設けられ(
図8参照)、燃料タンク31側からポンプ本体41側への燃料の逆流を規制している。図中符号49aはプレッシャーレギュレータ49におけるポンプ室44a内に臨む燃料入口を示す。
【0026】
ノズル部46は、胴部45の左側に隣接する左拡大部52を有している。左拡大部52は、長手方向の寸法を抑えた偏平状をなし、各ノズルに至る流路を形成している。左拡大部52は、車幅方向から見て、膨出部48周辺を除き、ポンプ形成部44と同様の外形状を有している。すなわち、左拡大部52とポンプ形成部44とは、車幅方向から見て互いに重なるように延びる外縁部を形成している。これら左拡大部52とポンプ形成部44とによって、燃料ポンプモジュール40を平面上に安定して載置可能である。
【0027】
フィルタ収容部47は、燃料フィルタ53を着脱可能に収容している。燃料フィルタ53は、ポンプ本体41よりも上流側に位置し、ポンプ本体41に吸引される前に燃料をろ過する。燃料フィルタ53は、車幅方向に軸方向を向けた円筒状をなしている。図中線C2は燃料フィルタ53の中心軸線を示している。フィルタ収容部47は、燃料フィルタ53と同軸の円筒状のケース47aを形成している。ケース47aは、軸方向外側の端部(筐体43の左端部)を開口部47bとし、燃料フィルタ53を着脱可能としている。
【0028】
開口部47bには、有底円筒状のキャップ47cが着脱可能に取り付けられている。ケース49aは、開口部47bの近傍に凸部47dを有している。キャップ47cには、凸部47dに対応した位置に、弾性変形可能な片部47eと、片部47eに形成された凹部47fと、が設けられている。開口部47bにキャップ47cを接続する際には、片部47eが弾性変形して凸部47dを乗り越え、凹部47fが凸部47dに係合することによって、開口部47bに対するキャップ47cの固定を可能とする。開口部47bからキャップ47cを外す際には、片部47fが弾性変形して凸部47dを乗り越え、凹部47fと凸部47dとの係合を解除することよって、開口部47bからキャップ47cを外すことを可能とする。すなわち、凹部47fと凸部47dとの係合とその解除とを可能とする、いわゆるスナップフィット機構によって、開口部47bには、有底円筒状のキャップ47cが着脱可能に取り付けられている。このキャップ47cの着脱により、開口部47bが開閉し、ケース47aに対して燃料フィルタ53を出し入れ可能となる。
【0029】
図7を参照し、吸入ノズル46aから筐体43内に吸入された燃料は、左拡大部52を経てフィルタ収容部47内に至る。フィルタ収容部47内に至った燃料は、燃料フィルタ53をその外周側から内周側へ通過してろ過される。燃料フィルタ53でろ過された燃料は、燃料フィルタ53の内側から右方に流れてポンプ室44aに至り、ポンプ本体41で昇圧される。ポンプ本体41で昇圧された燃料は、胴部45の外周に形成された第一軸方向流路54a(
図6、
図9参照)を左側に流れる。第一軸方向流路54aを流れた燃料は、左拡大部52を経て吐出ノズル46cに至る。
【0030】
ポンプ本体41で過剰に昇圧された燃料は、プレッシャーレギュレータ49を経てリターンノズル46bに至り、燃料タンク31に戻される。ポンプ本体41内に浸入したベーパー(気泡)は、胴部45の外周に形成された第二軸方向流路54b(
図6、
図9参照)を左側に流れてリターンノズル46bに至り、燃料タンク31に戻される。
【0031】
図3、
図4を参照し、ホルダ60は、例えば合成ゴム等の弾性体からなり、このホルダ60を介して、燃料ポンプモジュール40が車体にラバーマウントされている。ホルダ60は、胴部45の外周に沿う環状をなし、その周方向の一部が分割部61とされている。
この分割部61を開くことで、ホルダ60が胴部45に対して着脱可能となる。
【0032】
図5を併せて参照し、筐体43の長手方向において、筐体43の中央部である胴部45の右側にはポンプ形成部44および膨出部48が配置され、胴部45の左側にはノズル部46およびフィルタ収容部47が配置されている。換言すれば、胴部45を挟んだ軸方向の両側に、ポンプ形成部44および膨出部48と、ノズル部46およびフィルタ収容部47と、が振り分けて配置されている。胴部45の軸方向の両側には、軸方向から見て胴部45よりも外側に張り出す左拡大部52および膨出部48がそれぞれ設けられている。
このように、胴部45の軸方向の両側に、軸方向から見て胴部45よりも外側に張り出す左拡大部52および膨出部48を有する構成でも、ホルダ60が分割部61を有することで、胴部45にホルダ60を装着することが可能である。
【0033】
図2、
図3を参照し、分割部61における一対の分割端部61aは、タンクカバー35のトレー部36に立設されたステー62aを挿入可能な保持部62とされている。ホルダ60における径方向で分割部61と反対側となる部位には、トレー部36に立設された第二ステー63aを挿入可能な第二保持部63が設けられている。これら両保持部62,63にそれぞれステー62a,63aを挿入することで、燃料ポンプモジュール40が車体に保持される。また、分割部61である保持部62にステー62aを挿入することで、ホルダ60が胴部45を挿通保持した環状に保持される。
【0034】
重量のある電動モーター42を胴部45に収容し、この胴部45を車体に支持することで、燃料ポンプモジュール40が安定して車体に支持される。また、燃料ポンプモジュール40の長手方向の中央部である胴部45を支持することで、少ない支持位置でも安定して燃料ポンプモジュール40を支持することが可能である。
【0035】
以上説明したように、上記実施形態における燃料供給装置30は、自動二輪車1のエンジン2の燃料を貯留する燃料タンク31と、燃料タンク31の外部に設けられ、燃料タンク31内の燃料を燃料タンク31外へ吐出する燃料ポンプモジュール40と、を備え、燃料ポンプモジュール40は、ポンプ本体41を収容する筐体43を備え、筐体43は、第一の方向(長手方向)の端部に、筐体43内の機能部品(燃料フィルタ53)をメンテナンス可能とする開口部47bを有するとともに、第一の方向の端部を避けた外周部に、ポンプ本体41に対して燃料を給排させるノズル部46を有している。
この構成によれば、燃料ポンプモジュール40の筐体43における第一の方向の端部に、ポンプ本体41に対して燃料を給排させるノズル部46を避けた上で、機能部品のメンテナンス用の開口部47bを設けている。これにより、燃料ポンプモジュール40を車両に取り付けた状態であっても、燃料ポンプモジュール40およびこれに接続される燃料ホース等を取り外すことなく、燃料ポンプモジュール40のメンテナンスを行うことができる。また、ノズル部46が第一の方向(長手方向)の端部に無いため、燃料ポンプモジュール40の長手方向の寸法を抑えることができる。
【0036】
上記燃料供給装置30において、燃料ポンプモジュール40は、筐体43の第一の方向である長手方向を車幅方向に向けて車載され、ノズル部46は、長手方向に対して垂直な方向に延びるように形成されている。
この構成によれば、燃料ポンプモジュール40が車幅方向に長く形成されているのに対し、ノズル部46が燃料ポンプモジュール40の長手方向に対して垂直な方向に延びるように形成されている。これにより、車両前後方向および上下方向への燃料ラインの導出および取り回しを容易にすることができる。
【0037】
上記燃料供給装置30において、開口部47bは、筐体43内の機能部品である燃料フィルタ53をメンテナンス可能とする。
この構成によれば、メンテナンス用の開口部47bを通じて筐体43内の燃料フィルタ53をメンテナンス可能とすることで、定期的なメンテナンスを容易に行うことができる。
【0038】
上記燃料供給装置30において、ノズル部46は、ポンプ本体41が吐出した燃料の余剰分を燃料タンク31に戻すリターンノズル46bを備え、リターンノズル46bには、燃料タンク31からポンプ本体41への燃料の逆流を規制するチェックバルブ46dが設けられている。
この構成によれば、リターンノズル46bに燃料の逆流を規制するチェックバルブ46dを設けることで、リターンノズル46bを通じてポンプ本体41が燃料タンク31から直接燃料を吸引してしまうことを抑止することができる。つまり、ポンプ本体41が燃料フィルタ53を経ない燃料を吸引してしまうことを抑止し、ポンプ本体41やプレッシャーレギュレータ49等への異物の浸入を防ぐことができる。
【0039】
上記燃料供給装置30において、筐体43は、ポンプ本体41の下流側に、ポンプ本体41による加圧空間48aを形成する膨出部48を有している。
この構成によれば、ポンプ本体41の下流側にポンプ本体41による加圧空間48aを形成することで、ポンプ本体41の始動時における圧縮容量を十分に確保し、効率よくポンプ本体41の始動を行うことができる。
【0040】
上記燃料供給装置30において、筐体43の中央部(胴部45)よりも第一の方向の一側に、ノズル部46が配置され、中央部よりも第一の方向の他側に、膨出部48が配置されている。
この構成によれば、ノズル部46と膨出部48とを、筐体43の前記第一の方向の中央部を挟んで反対側にレイアウトすることで、ノズル部46に対するホースの取り付け等で膨出部48が障害となることを防ぐことができる。
【0041】
上記燃料供給装置30において、筐体43の第一の方向である長手方向の中央部(胴部45)が挿通される環状のホルダ60を備え、ホルダ60は、周方向の少なくとも一箇所に、中央部に対してホルダ60を着脱可能とする分割部61を有し、分割部61における一対の分割端部61aは、車両構成部材(トレー部36)から延びるステー62aに係止されてホルダ60を環状に保持するとともに、一対の分割端部61aがステー62aに係止された状態で、燃料ポンプモジュール40が車両構成部材に支持されている。
この構成によれば、筐体43の長手方向の中央部にて燃料ポンプモジュール40が支持されることで、燃料ポンプモジュール40の振動を効果的に抑えることができる。また、筐体43の長手方向の両側にノズル部46および膨出部48が形成された構成において、筐体43の中央部にホルダ60を着脱可能とし、かつホルダ60を環状に閉じることと併せて燃料ポンプモジュール40を車両構成部材に支持することで、簡単な構造でかつ容易に燃料ポンプモジュール40を支持することができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、筐体の開口部を介してメンテナンス可能となる機能部品は、燃料フィルタに限らず、ポンプ本体やその駆動源等であってもよい。また、筐体の第一の方向の両端部に開口部を有してもよい。燃料フィルタを一体に保持した燃料ポンプモジュールに限らず、燃料フィルタを別体とした燃料ポンプを採用してもよい。
燃料ポンプモジュールは、タンクカバーに形成されたトレー部に支持される構成に限らず、例えば、他のカバー部材に支持されたり、燃料タンクに直接設けたステー等に支持されたり、車体フレームに設けたステー等に支持される等、種々の車両構成部材に支持される構成でもよい。
前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。