特許第6780256号(P6780256)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6780256
(24)【登録日】2020年10月19日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/06 20060101AFI20201026BHJP
   C09D 175/16 20060101ALN20201026BHJP
【FI】
   C08F290/06
   !C09D175/16
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-22389(P2016-22389)
(22)【出願日】2016年2月9日
(65)【公開番号】特開2017-141333(P2017-141333A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2018年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】特許業務法人雄渾
(74)【代理人】
【識別番号】100197022
【弁理士】
【氏名又は名称】谷水 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100102635
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 保男
(72)【発明者】
【氏名】田中 将啓
(72)【発明者】
【氏名】楠本 光司
【審査官】 佐藤 のぞみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−314779(JP,A)
【文献】 特開2017−088681(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/116704(WO,A1)
【文献】 特開平11−035657(JP,A)
【文献】 特開平11−286531(JP,A)
【文献】 特開2000−219712(JP,A)
【文献】 特開2004−035599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 290/00−290/14
C09D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のウレタン(メタ)アクリレート(A)、および、下記の単官能または二官能(メタ)アクリレート(B)を含有し、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)と前記単官能または二官能(メタ)アクリレート(B)の質量比が(A)/(B)=50/50〜95/5である活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
<ウレタン(メタ)アクリレート(A)>
数平均分子量400〜700のポリカプロラクトンポリオール(a1)、数平均分子量50〜300のジオール(a2)、脂肪族または脂環式ジイソシアネート(a3)、および水酸基含有(メタ)アクリレート(a4)のウレタン化反応物であり、
前記ジオール(a2)に対する前記ポリカプロラクトンポリオール(a1)のモル比(a1)/(a2)が0.2〜10.0であり、
前記ポリカプロラクトンポリオール(a1)と前記ジオール(a2)の水酸基の合計と、前記脂肪族または脂環式ジイソシアネート(a3)のイソシアネート基の当量比((a1)+(a2))/(a3)が0.65〜0.85であり、
重量平均分子量が2,000〜30,000であるウレタン(メタ)アクリレート
<単官能または二官能(メタ)アクリレート(B)>
脂環式構造、芳香族環、複素環構造の内少なくとも一つの構造を有する、単官能または二官能(メタ)アクリレート
【請求項2】
請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を活性エネルギー線で硬化させて得られる硬化物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線の照射により直ちに硬化し、強度や耐薬品性に優れた硬化膜を形成することから、各種基材の表面を保護する目的で用いられている。
近年では、携帯電話やパソコン、テレビなどの液晶ディスプレイ等の画像表示装置用保護フィルム、反射防止フィルム、プリズムシート等の光学フィルムまたはシートや、電子機器や家電製品の筐体、表示パネル、スイッチボタンなどに使用されるインサート成形またはインモールド転写フィルムへの利用が拡大している。
このような用途で用いられる硬化性樹脂組成物には、良好な美観を長期間維持するための耐傷つき性、耐薬品性、耐候性、密着性や、成型加工を容易にし、生産性を向上させるための伸張性などの物性が求められる。これらの物性を良好なものとすべく、様々な検討がなされている。
【0003】
例えば特許文献1では、特定範囲の分子量のポリカプロラクトンポリオールを用いてウレタンアクリレートを合成し、さらに単独でポリマーとしたときに高いTgを示すアクリレートモノマーを配合する方法が開示されている。この組成物はポリオレフィン系フィルムに対して良好な密着性を示すが、高分子量のポリオールを用いるために硬化膜の強度が低く、傷付きやすいという課題があった。
特許文献2では、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体とポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレートを用いて合成したウレタンアクリレートが開示されている。また、特許文献3では、ポリカプロラクトン変性ポリオールと、ポリイソシアネートと、水酸基含有アクリレートを用いて合成したウレタンアクリレートが開示されている。これらの組成物は剛直な構造と柔軟な構造をバランス良く有し、硬化膜表面についた凹み傷を経時的に修復する自己修復性を示すことで、高い耐傷つき性を実現している。しかし、用途はレンズシートを想定しているためにPETフィルムへの密着性にのみ言及しており、ABSに対する密着性は十分でなかった。また、伸張性も未だ十分ではない。
特許文献4では、ポリカプロラクトン変性ポリオールと、ポリイソシアネートと、水酸基含有アクリレートを用いて合成したウレタンアクリレートと、これ以外のウレタンジアクリレート、およびアクリレートモノマーを配合する方法が開示されている。この組成物は良好な硬度を示すものの、硬度を上げるためにウレタンジアクリレートの割合を増やすと伸張性が著しく低下するため、耐傷つき性と伸張性の両立が困難であった。
このように、従来の方法では、指触り性、耐傷つき性、硬度、伸張性、基材への密着性、および耐カール性を同時に満たすことが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−219821号公報
【特許文献2】特開2003−302501号公報
【特許文献3】特開2004−35599号公報
【特許文献4】特開2005−23194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、良好な指触り性、自己修復性、表面硬度、伸張性、各種プラスチック基材への密着性、耐カール性を示す硬化物を得ることのできる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定構造のウレタン(メタ)アクリレートと特定構造の単官能(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が上記の課題を解決することの知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の〔1〕〜〔2〕である。
【0007】
〔1〕下記のウレタン(メタ)アクリレート(A)、および、下記の単官能または二官能(メタ)アクリレート(B)を含有し、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)と前記単官能または二官能(メタ)アクリレート(B)の質量比が(A)/(B)=50/50〜95/5である活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
<ウレタン(メタ)アクリレート(A)>
数平均分子量300〜900のポリカプロラクトンポリオール(a1)、数平均分子量50〜300のジオール(a2)、脂肪族または脂環式ジイソシアネート(a3)、および水酸基含有(メタ)アクリレート(a4)のウレタン化反応物であり、
前記ジオール(a2)に対する前記ポリカプロラクトンポリオール(a1)のモル比(a1)/(a2)が0.2〜10.0であり、
前記ポリカプロラクトンポリオール(a1)と前記ジオール(a2)の水酸基の合計と、前記脂肪族または脂環式ジイソシアネート(a3)のイソシアネート基の当量比((a1)+(a2))/(a3)が0.65〜0.85であり、
重量平均分子量が2,000〜30,000であるウレタン(メタ)アクリレート
<単官能または二官能(メタ)アクリレート(B)>
脂環式構造、芳香族環、複素環構造の内少なくとも一つの構造を有する、単官能または二官能(メタ)アクリレート
【0008】
〔2〕前記の〔1〕に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を活性エネルギー線で硬化させて得られる硬化物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物によれば、良好な指触り性、自己修復性、硬度、伸張性を有し、かつ基材への密着性と耐カール性が良好な硬化物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)および単官能または二官能(メタ)アクリレート(B)を含有する。以下に、各成分について説明する。
【0011】
<ウレタン(メタ)アクリレート(A)>
本発明に用いるウレタン(メタ)アクリレート(A)は、次の(a1)〜(a4)の成分のウレタン化反応物である。
・数平均分子量300〜900のポリカプロラクトンポリオール(a1)、
・数平均分子量50〜300のジオール(a2)、
・脂肪族または脂環式ジイソシアネート(a3)、および
・水酸基含有(メタ)アクリレート(a4)
【0012】
[ポリカプロラクトンポリオール(a1)]
ポリカプロラクトンポリオール(a1)は、本発明の組成物に柔軟性を付与し、良好な伸張性を持たせるために用いる。ポリカプロラクトンポリオールとしてはポリカプロラクトンジオールまたはポリカプロラクトントリオールなどが挙げられ、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。ポリカプロラクトンポリオールの数平均分子量が300未満の場合、伸張性が十分でなく、自己修復性も損なわれる。一方、数平均分子量が900を超えると伸張性は十分であるが、柔らかくなりすぎるために表面硬度が低下する。傷付きに弱くなるために自己修復性が不十分となる。以上の傾向から、ポリカプロラクトンポリオール(a1)の数平均分子量は300〜900であり、好ましくは400〜700である。ポリカプロラクトンポリオールの入手可能な市販品としては、(株)ダイセル製の「プラクセル205」、「プラクセル205H」、「プラクセル205U」、「プラクセル205UC」、「プラクセルL205AL」、「プラクセル208」、「プラクセル303」、「プラクセル305」、「プラクセル305T」、「プラクセル308」などが挙げられる。
【0013】
[数平均分子量50〜300のジオール(a2)]
数平均分子量50〜300のジオール(a2)は、本発明の組成物に強靭性を付与し、良好な伸張性と硬度を両立して発揮させるために用いる。数平均分子量50〜300のジオール(a2)としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用して用いることもできる。
【0014】
[脂肪族または脂環式ジイソシアネート(a3)]
本発明に用いるイソシアネートとしては、耐黄変性に優れることから、脂肪族ジイソシアネート、または脂環式ジイソシアネートを用いることが好ましい。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、1,4−ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。これらの中でも、より強靭性に優れた硬化膜が得られることから、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートが好ましい。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用して用いることもできる。
【0015】
[水酸基含有(メタ)アクリレート(a4)]
水酸基含有(メタ)アクリレート(a4)は、ウレタンプレポリマーの末端に重合性基を付加し、成分(A)にラジカル反応性を付与する成分であり、1分子中に少なくとも1個以上の水酸基と、1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレートである。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステルのε−カプロラクトン付加物(平均付加モル数1〜10)、ポリエチレングリコール(平均付加モル数1〜10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(平均付加モル数1〜10)モノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどが挙げられる。これら水酸基含有(メタ)アクリレートは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせても良い。自己修復性、硬度、伸張性に優れる硬化物が得られるという観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物(平均付加モル数1〜10)が好ましく、特に伸張性に優れるという観点から2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物(平均付加モル数1〜10)がより好ましい。
【0016】
本発明に用いるウレタン(メタ)アクリレート(A)の重量平均分子量は2,000〜30,000である。重量平均分子量が2,000未満では自己修復性と伸張性が不十分であり、30,000を超えると自己修復性と硬度が不十分である。好ましくは3,000〜20,000であり、より好ましくは4,000〜10,000である。
【0017】
ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造において、ポリカプロラクトンポリオール(a1)成分と、分子量50〜300のジオール(a2)のモル比は、(a1)/(a2)で表したとき、0.2〜10.0であり、好ましくは0.3〜8.0である。この範囲内であれば、(a1)成分および(a2)成分は十分量となり、本願特有の配合の効果が得られる。10.0を超えると、すなわち(a1)成分が極端に多い場合、(a2)成分を配合したことによる効果がほとんど得られない。0.2未満、すなわち(a2)成分が極端に多い場合、伸張性が低下する上、生成するウレタン結合による増粘の影響が大きくなりすぎ、ウレタン(メタ)アクリレート(A)の取扱いが困難になる。
【0018】
ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造において、(a1)成分と(a2)成分の水酸基の合計と(a3)成分のイソシアネート基の当量比は、((a1)+(a2))/(a3)で表したとき、0.65〜0.85であり、好ましくは0.75〜0.85である。この範囲内であれば、ウレタン化反応における分子量が過大にならずウレタン(メタ)アクリレート(A)の取扱いに問題が生じないし、自己修復性を十分に発揮することができ、硬度も十分となる。0.85を超えると、すなわち(a1)成分と(a2)成分の合計が多い場合、ウレタン化反応において分子量が大きくなりすぎ、自己修復性が低下し、ウレタン(メタ)アクリレート(A)の取扱いが困難になる。0.65未満、すなわち(a3)成分の量が多い場合、ウレタン化反応において分子量が小さくなり、自己修復性を十分に発揮することが出来ず、硬度も不十分となる。
【0019】
ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造において、(a1)成分、(a2)成分および(a4)成分の水酸基の合計と(a3)成分のイソシアネート基の当量比は、((a1)+(a2)+(a4))/(a3)で表したとき、好ましくは0.9〜1.1であり、より好ましくは0.95〜1.05である。この範囲内であれば、製造物の貯蔵安定性が高くなり、長期間安定的に保管することができる。
【0020】
[ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造]
上記の(a1)〜(a4)の成分を公知の常法によってウレタン化反応を行うことによって、本発明に用いるウレタン(メタ)アクリレート(A)が得られる。例えば、反応容器中に成分(a1)〜(a4)を一括で投入し、ウレタン化触媒、重合禁止剤、黄変防止剤、有機溶剤を投入して反応させることができる。また、反応中の温度制御をし易くし、さらに得られるウレタン(メタ)アクリレート(A)の分子量分布を制御しやすくなることから、まず成分(a1)〜(a3)、およびウレタン化触媒、重合禁止剤、黄変防止剤、有機溶剤を投入して、30〜100℃にて反応させたのち、さらに成分(a4)を投入して30〜100℃にて反応させる方法が好ましい。
【0021】
ウレタン化反応において、反応時間を短縮できることから、ウレタン化触媒を用いることが好ましい。ウレタン化触媒としては、ジブチルスズジラウレートなどの有機スズ化合物、ジブチルビスマスジラウレートなどの有機ビスマス化合物、トリエチルアミンなどの3級アミン、テトラアルキルアンモニウムブロマイドなどの4級アンモニウムなどを用いることができる。これらのウレタン化触媒は、反応原料の総量に対して0.005〜1.0重量%の量で用いられる。
【0022】
<単官能または二官能(メタ)アクリレート(B)>
本発明に用いる単官能または二官能(メタ)アクリレート(B)は、脂環式構造、芳香族環、複素環構造の内少なくとも一つの構造を有する、単官能または二官能(メタ)アクリレートであり、樹脂組成物の基材に対する密着性を付与し、さらに硬化後の樹脂組成物の伸張性を高める目的で用いられる。
【0023】
前記(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環式構造を有する(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、エトキシ化o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカノールジ(メタ)アクリレートなどの芳香族環を有する(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、イミド(メタ)アクリレートなどの複素環構造を有する(メタ)アクリレートを用いることができる。
【0024】
これらの中でも、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシ化o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートは、本発明の硬化物が良好な硬度と自己修復性を示すことから好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートは、より優れた自己修復性と硬度、および良好な伸張性を示すため、さらに好ましい。
【0025】
<活性エネルギー線硬化型樹脂組成物>
本発明の活性エネルギー線樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)と単官能または二官能(メタ)アクリレート(B)の質量比が(A)/(B)=50/50〜95/5であることを特徴とし、好ましくは60/40〜90/10である。50/50未満では硬化性、硬化物の硬度、伸張性が十分でなく、95/5を超えると硬化物の密着性が不十分となる。
【0026】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、光重合開始剤を配合しても良い。前記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインまたはベンゾインアルキルエーテル;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸等の芳香族ケトン;ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等のベンジルケタール;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド等のアシルフォスフィンオキシドが挙げられる。
【0027】
さらに、任意成分として、本発明の効果を損なわない範囲で(メタ)アクリル重合体、表面調整剤、レベリング剤、充填剤、顔料、シランカップリング剤、帯電防止剤、消泡剤、防汚剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、有機溶剤等を配合することができる。
【0028】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を基材上に塗布硬化することによって、本発明の塗布硬化層を表面に有する硬化物を得ることができる。本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させる方法としては、赤外線、可視光線、紫外線、X線、γ線、および電子線などの活性エネルギー線の群より選ばれる光線を選択することが出来る。活性エネルギー線の照射方法は、通常の硬化性樹脂組成物の硬化方法を用いることが出来る。活性エネルギー線照射装置として紫外線を用いる場合、波長が200〜450nmの領域にスペクトル分布を有するフュージョンUVシステムズ(株)製Hバルブ等の無電極ランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ガリウムランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。活性エネルギー線の照射量は、積算光量として通常10〜3,000mJ/cm2であり、100〜2,500mJ/cm2が好ましく、200〜2,000mJ/cm2がより好ましい。照射時の雰囲気は空気中でも良く、窒素やアルゴン等の不活性ガス中で硬化しても良い。
【0029】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、ディスプレイ画面、モバイル機器の筐体、加飾フィルム等の各種コーティング剤として有用である。
【実施例】
【0030】
以下に実施例を示す。なお、以下において特に規定しない限り、「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
<合成例1:ウレタン(メタ)アクリレート(UA−1)の製造>
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量530のポリカプロラクトンジオール((株)ダイセル製プラクセル205U)を89.7g、ジエチレングリコール((株)日本触媒製)を12.0g、イソホロンジイソシアネート(住化コベストロウレタン(株)製デスモジュールI)を83.5g、酢酸ブチルを50.0g、ジブチルスズジラウレートを0.037g投入し、空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して4時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有量が3.50%以下であることを確認した。次に、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート((株)ダイセル製プラクセルFA2D)を64.7g、メトキシハイドロキノンを0.05g投入した。空気を吹き込みながら内温を75℃に保持して5時間反応させた後、イソシアネート基含有量が0.2%以下であることを確認し、重量平均分子量4,240のウレタンアクリレート(UA−1)を293.7g得た。
【0031】
<合成例2:ウレタン(メタ)アクリレート(UA−2)の製造>
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量530のポリカプロラクトンジオール((株)ダイセル製プラクセル205U)を34.0g、ジエチレングリコール((株)日本触媒製)を20.4g、イソホロンジイソシアネート(住化コベストロウレタン(株)製デスモジュールI)を71.3g、酢酸ブチルを85.7g、ジブチルスズジラウレートを0.032g投入し、空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して4時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有量が2.66%以下であることを確認した。次に、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート((株)ダイセル製プラクセルFA5)を88.5g、メトキシハイドロキノンを0.043g投入した。空気を吹き込みながら内温を75℃に保持して5時間反応させた後、イソシアネート基含有量が0.2%以下であることを確認し、重量平均分子量4,490のウレタンアクリレート(UA−2)を295.5g得た。
【0032】
<合成例3:ウレタン(メタ)アクリレート(UA−3)の製造>
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量530のポリカプロラクトンジオール((株)ダイセル製プラクセル205U)を55.5g、ジエチレングリコール((株)日本触媒製)を16.7g、イソホロンジイソシアネート(住化コベストロウレタン(株)製デスモジュールI)を69.8g、酢酸ブチルを85.7g、ジブチルスズジラウレートを0.032g投入し、空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して4時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有量が2.02%以下であることを確認した。次に、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート((株)ダイセル製プラクセルFA5)を72.2g、メトキシハイドロキノンを0.043g投入した。空気を吹き込みながら内温を75℃に保持して5時間反応させた後、イソシアネート基含有量が0.2%以下であることを確認し、重量平均分子量6,540のウレタンアクリレート(UA−3)を294.3g得た。
【0033】
<合成例4:ウレタン(メタ)アクリレート(UA−4)の製造>
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量530のポリカプロラクトンジオール((株)ダイセル製プラクセル205U)を122.3g、ジエチレングリコール((株)日本触媒製)を3.5g、イソホロンジイソシアネート(住化コベストロウレタン(株)製デスモジュールI)を73.2g、酢酸ブチルを85.7g、ジブチルスズジラウレートを0.032g投入し、空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して4時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有量が2.03%以下であることを確認した。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート((株)日本触媒製HEA)を15.3g、メトキシハイドロキノンを0.043g投入した。空気を吹き込みながら内温を75℃に保持して5時間反応させた後、イソシアネート基含有量が0.2%以下であることを確認し、重量平均分子量5,200のウレタンアクリレート(UA−4)を294.6g得た。
【0034】
<合成例5:ウレタン(メタ)アクリレート(UA−5)の製造>
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量830のポリカプロラクトンジオール((株)ダイセル製プラクセル208)を136.2g、ジエチレングリコール((株)日本触媒製)を11.6g、イソホロンジイソシアネート(住化コベストロウレタン(株)製デスモジュールI)を81.0g、酢酸ブチルを50.0g、ジブチルスズジラウレートを0.037g投入し、空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して4時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有量が2.87%以下であることを確認した。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート((株)日本触媒製HEA)を21.2g、メトキシハイドロキノンを0.05g投入した。空気を吹き込みながら内温を75℃に保持して5時間反応させた後、イソシアネート基含有量が0.2%以下であることを確認し、重量平均分子量4,380のウレタンアクリレート(UA−5)を292.8g得た。
【0035】
<比較合成例1:ウレタン(メタ)アクリレート(UA’−1)の製造>
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量530のポリカプロラクトンジオール((株)ダイセル製プラクセル205U)を120.7g、ジエチレングリコール((株)日本触媒製)を1.6g、イソホロンジイソシアネート(住化コベストロウレタン(株)製デスモジュールI)を71.9g、酢酸ブチルを50.0g、ジブチルスズジラウレートを0.037g投入し、空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して4時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有量が2.82%以下であることを確認した。次に、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート((株)ダイセル製プラクセルFA2D)を55.7g、メトキシハイドロキノンを0.05g投入した。空気を吹き込みながら内温を75℃に保持して5時間反応させた後、イソシアネート基含有量が0.2%以下であることを確認し、重量平均分子量5,070のウレタンアクリレート(UA’−1)を292.8g得た。
【0036】
<比較合成例2:ウレタン(メタ)アクリレート(UA’−2)の製造>
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量2,000のポリカプロラクトンジオール((株)ダイセル製プラクセル220)を158.3g、ジエチレングリコール((株)日本触媒製)を8.4g、イソホロンジイソシアネート(住化コベストロウレタン(株)製デスモジュールI)を46.9g、酢酸ブチルを50.0g、ジブチルスズジラウレートを0.037g投入し、空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して4時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有量が1.75%以下であることを確認した。次に、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート((株)ダイセル製プラクセルFA2D)を36.3g、メトキシハイドロキノンを0.05g投入した。空気を吹き込みながら内温を75℃に保持して5時間反応させた後、イソシアネート基含有量が0.2%以下であることを確認し、重量平均分子量7,580のウレタンアクリレート(UA’−2)を288.9g得た。
【0037】
<比較合成例3:ウレタン(メタ)アクリレート(UA’−3)の製造>
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量530のポリカプロラクトンジオール((株)ダイセル製プラクセル205U)を88.6g、ジエチレングリコール((株)日本触媒製)を14.2g、イソホロンジイソシアネート(住化コベストロウレタン(株)製デスモジュールI)を74.2g、酢酸ブチルを100.0g、ジブチルスズジラウレートを0.030g投入し、空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して4時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有量が1.06%以下であることを確認した。次に、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート((株)ダイセル製プラクセルFA2D)を23.0g、メトキシハイドロキノンを0.04g投入した。空気を吹き込みながら内温を75℃に保持して5時間反応させた後、イソシアネート基含有量が0.2%以下であることを確認し、重量平均分子量9,570のウレタンアクリレート(UA’−3)を295.5g得た。
【0038】
<比較合成例4:ウレタン(メタ)アクリレート(UA’−4)の製造>
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量700のポリプロピレングリコール((株)日油製ユニオールD−700)を97.8g、ジエチレングリコール((株)日本触媒製)を9.9g、イソホロンジイソシアネート(住化コベストロウレタン(株)製デスモジュールI)を68.9g、酢酸ブチルを50.0g、ジブチルスズジラウレートを0.037g投入し、空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して4時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有量が3.00%以下であることを確認した。次に、ポリオキシプロピレンモノアクリレート((株)日油製ブレンマーAP−400)を73.3g、メトキシハイドロキノンを0.05g投入した。空気を吹き込みながら内温を75℃に保持して5時間反応させた後、イソシアネート基含有量が0.2%以下であることを確認し、重量平均分子量5,150のウレタンアクリレート(UA’−4)を292.5g得た。
【0039】
【表1】
【0040】
<実施例1〜11、比較例1〜7>
合成例1〜5、および比較合成例1〜4で得られたウレタンアクリレート、表2記載のアクリレートモノマーおよび表3または表4に記載の添加剤、溶剤を表3または表4記載の重量で50mL褐色スクリュー管に量りとり、ボルテックスミキサーにて1分間混合させ活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を得た。
【0041】
【表2】
【0042】
指触り性、自己修復性、硬度、耐カール性の評価を行う試験片を、以下の方法で作製した。得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、100μmPETフィルム(東洋紡績(株)製コスモシャインA4300)上に乾燥膜厚が25μmとなるよう塗工し、80℃の恒温槽内に5分間静置し、有機溶剤を蒸発させた。続いて、80W/cmの無電極UVランプ(Hバルブ)を用いて積算光量1,000mJ/cm2のエネルギー量を照射することで硬化物を得た。
【0043】
伸張性の評価を行う試験片を、以下の方法で作製した。得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、脱脂処理を行ったガラス基板上に乾燥膜厚が100μmとなるよう塗工し、80℃の恒温槽内に5分間静置し、有機溶剤を蒸発させた。続いて、80W/cmの無電極UVランプ(Hバルブ)を用いて積算光量1,000mJ/cm2のエネルギー量を照射することで硬化物を得た。得られた硬化物を静かにガラス基板から剥離したのち、型抜き器を用いてダンベル型試験片を作製した。
【0044】
密着性の評価を行う試験片を、以下の方法で作製した。得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、2mmABS樹脂上に乾燥膜厚が25μmとなるよう塗工し、80℃の恒温槽内に5分間静置し、有機溶剤を蒸発させた。続いて、80W/cmの無電極UVランプ(Hバルブ)を用いて積算光量1,000mJ/cm2のエネルギー量を照射することで硬化物を得た。
【0045】
<指触り性>
得られた硬化物の表面を指でなぞり、タック感の有無で判定した。
○: タック感なし
×: タック感あり
<自己修復性>
【0046】
温度25℃、相対湿度60RH%の雰囲気下、真鍮ブラシを用いて硬化物表面を1kg荷重で10往復擦り、硬化物表面に入った傷が復元するか否か、または傷が復元するまでの時間を測定し、下記の基準により判定した。
◎: 傷が5秒未満で復元する
○: 傷が5秒以上10秒未満で復元する
△: 傷が10秒以上5分未満で復元する
×: 5分経過後も傷が復元しない
【0047】
<硬度>
JIS K 5600に準拠して、荷重750gの条件で引掻き硬度(鉛筆法)を測定し、傷がつかない中で最も硬い鉛筆硬度を結果とし、下記の基準で評価した。
◎: 鉛筆硬度がH以上
○: 鉛筆硬度がHB〜F
△: 鉛筆硬度がB
×: 鉛筆硬度が2B以下
【0048】
<伸張性>
引張速度50mm/min、チャック間距離50mmの条件で引張試験を行い、測定した破断伸度を下記の基準で評価した。
◎: 破断伸度が200%以上
○: 破断伸度が150%以上200%未満
△: 破断伸度が100%以上150%未満
×: 破断伸度が100%未満
【0049】
<密着性>
JIS K 5600に準拠して、碁盤目剥離試験を行い、下記の基準で評価した。
◎: 残存面積が100%
○: 残存面積が80%以上100%未満
×: 残存面積が80%未満
【0050】
<耐カール性>
PET基材ごと10cm×10cmの試験片を切り出し、水平な台の上に静置したときの4辺の浮き上がり高さを測定し、その平均値を下記の基準で評価した。
◎: 浮き上がり高さが2mm未満
○: 浮き上がり高さが2mm以上10mm未満
×: 浮き上がり高さが10mm以上
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
表3に示すように、実施例1〜11は指触り性、自己修復性、硬度、伸張性、密着性、耐カール性がいずれも良好な樹脂組成物である。
【0054】
一方、表4に示すように、本発明の範囲外となる比較例1〜7のような場合には、いずれかの物性を十分に満足することが出来ない。
【0055】
比較例1は(a2)成分を用いていないために架橋密度が低下し、硬度が不十分である。比較例2は(a1)成分の分子量が範囲を超えて大きく、架橋密度が低下し、硬度が不十分である。比較例3は((a1)+(a2))/(a3)の比が範囲を超えて高く、自己修復速度が低下する。また、アクリロイル基濃度が低下するため、タックが生じる。比較例4はウレタン(メタ)アクリレート(A)の原料にポリプロピレングリコールを用いているために指触り性、自己修復性、硬度が不十分であり、また強度が著しく低下することから伸張性も不十分となる。さらにABSとの密着性が低下する。
【0056】
比較例5はアクリレートモノマー(B)の構造中に環状構造を保有していないことから、硬度が不十分となり、伸びに対しても脆くなるため伸張性が低下し、さらに密着性も低下する。比較例6はアクリレートモノマー(B)を使用していないために、密着性が不十分である。比較例7はアクリレートモノマー(B)の割合が範囲を超えて多いために硬化不良が起き、タックが残る。また硬度と伸張性が低下する。