特許第6780270号(P6780270)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6780270
(24)【登録日】2020年10月19日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/14 20060101AFI20201026BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
   H01H13/14 B
   H01H13/14 Z
   G06F3/041 662
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-56667(P2016-56667)
(22)【出願日】2016年3月22日
(65)【公開番号】特開2017-174528(P2017-174528A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2019年1月18日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高野 裕
【審査官】 北岡 信恭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−173855(JP,A)
【文献】 特開2006−107962(JP,A)
【文献】 特開2007−184174(JP,A)
【文献】 実開平03−074428(JP,U)
【文献】 特開2006−075222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00−13/88
B60K 35/00−37/06
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
この表示パネルを囲うように保持する枠状のホルダと、
前記表示パネルによる表示面を臨むように設けられる開口部と設け、前記ホルダを固定するハウジングと、
前記開口部の隣に、キートップを有する押圧操作可能なスイッチと、を備え、
前記ハウジングは、前記キートップの背面側であり、かつ前記ホルダの隣にスイッチ素子を実装したプリント基板を保持するとともに、
前記キートップを前記押圧操作によって前記ホルダの枠状箇所に突き当たるように変形可能に保持する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記表示パネルの上面側に透明なタッチパネルを備え、
前記タッチパネルは、前記キートップと前記ホルダとの突き当り箇所を避けるように設けられることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記キートップは、利用者の指先に触れる操作面と、前記ホルダ及び前記プリント基板に突き当て可能に設けられる当接部と、この当接部による突き当て状態の際に、前記スイッチ素子を押圧操作するシャフト部と、前記ハウジングと前記プリント基板との間に挟まれて保持される固定部と、前記キートップを移動させる弾性変形可能なアーム部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関し、例えば、タッチパネル及びプッシュスイッチを有する電子機器に好適である。
【背景技術】
【0002】
従来の電子機器において、入出力インターフェースとして、タッチパネルを有するものがあり、例えば、特許文献1に開示されている。
これらの電子機器にあっては、通常、タッチパネルだけでなく、ブッシュスイッチ等の入力インターフェースも同一面に併設して用意し、用途に応じた使い分けを行うことが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−132470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら電子機器にあっては、機能の多様化にともなって表示画面(タッチパネル)も大きくなりつつあり、限られたスペースでの配置が難しくなってきている。また、表示とプッシュスイッチとが離れている場合には、利用者の視線移動が大きくなるため、特に表示との関連性や利用頻度の高いスイッチは、表示画面の近くに配置することが望ましい。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題に着目し、表示画面とプッシュスイッチとをより近くに配置でき、操作性の良好な電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、
表示パネルと、
この表示パネルを囲うように保持する枠状のホルダと、
前記表示パネルによる表示面を臨むように設けられる開口部と設け、前記ホルダを固定するハウジングと、
前記開口部の隣に、キートップを有する押圧操作可能なスイッチと、を備え、
前記ハウジングは、前記キートップの背面側であり、かつ前記ホルダの隣にスイッチ素子を実装したプリント基板を保持するとともに、
前記キートップを前記押圧操作によって前記ホルダの枠状箇所に突き当たるように変形可能に保持する
ことを特徴とする。
【0007】
また、前記表示パネルの上面側に透明なタッチパネルを備え、
前記タッチパネルは、前記キートップと前記ホルダとの突き当り箇所を避けるように設けられることを特徴とする。
【0009】
また、前記キートップは、利用者の指先に触れる操作面と、前記ホルダ及び前記プリント基板に突き当て可能に設けられる当接部と、この当接部による突き当て状態の際に、前記スイッチ素子を押圧操作するシャフト部と、前記ハウジングと前記プリント基板との間に挟まれて保持される固定部と、前記キートップを移動させる弾性変形可能なアーム部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、操作性の良好な電子機器となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態による操作パネルの正面を示す図。
図2】同上実施形態における操作パネルの要部を拡大した平面図。
図3】同上実施形態における図2のV−V断面図。
図4】同上実施形態におけるキートップを背面側から示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の電子機器についての実施形態として、複写機や送信機等に搭載される操作パネルに適用したものを例に挙げて説明する。
【0013】
図1から図3に示すように、操作パネル(電子機器)Aは、タッチパネル1と、液晶表示ユニット(表示パネル)2と、プッシュスイッチ(スイッチ)3と、ハウジング4と、ホルダ5と、プリント基板6と、を備えている。
【0014】
タッチパネル1は、例えば、静電容量方式や抵抗膜方式のタッチパネルを適用でき、背面側に設けられる液晶表示ユニットからの出力画像を透過可能に略透明なものを適用できる。タッチパネル1は、利用者によって、ハウジング4の開口部41から触れて操作可能なように設けられる。
【0015】
また、この場合、タッチパネル1は、導電性シートからなる枠部11に張り付けられ、この枠部11とガスケット12とを、ハウジング4との間に介在して設けている。この枠部11及びガスケット12は、ハウジング4によって隠れる位置で操作領域の周りを囲んで設けられる。枠部11は、接地接続することでタッチパネル1の静電気を逃がす作用があり、ガスケット12は、開口部41からの埃などが、ハウジング4内部へ入り込むことを防ぐ作用がある。
【0016】
液晶表示ユニット2は、詳細に図示しないが、液晶表示素子や光源、駆動回路等を設けて筐体内にユニット化したもので、タッチパネル1の背面側(操作面と反対側)に設けられる。液晶表示ユニット2は、文字や操作釦などの画像を表示するものであり、図示しないコンピュータの制御によって生成された表示画像信号に基づいて所望の表示出力を行うことができる。なお、本実施形態では、液晶表示素子及び光源を適用するが、他に有機EL素子をこれらと置き換えて適用することもできる。
【0017】
プッシュスイッチ3は、キートップ31と、スイッチ素子32とを有しており、利用者の指先によるキートップ31の押圧操作によって、プリント基板6に実装されるスイッチ素子32を作動させるように、それぞれ配置される。このプッシュスイッチ3は、タッチパネル1や液晶表示ユニット2の隣に設けられ、使用頻度や表示関連性が高い操作機能が割り当てられる。なお、操作パネルAには、この他にも複数のスイッチ7が設けられる。
【0018】
ハウジング4は、開口部41と、プッシュスイッチ3のキートップ31を備える孔部42が形成されており、合成樹脂等の材料からなる。ハウジング4は、固定部材43によって挟むようにして、液晶表示ユニット2やタッチパネル1等を保持する。また、ハウジング4は、プリント基板6と挟むようにして、キートップ31を保持している。なお、固定部材43やプリント基板6は、図示しない箇所でビス止め保持される。
【0019】
ホルダ5は、この場合、合成樹脂材からなり、液晶表示ユニット2を囲うように枠状に設けられ、ハウジング4の開口部41に対する液晶表示ユニット2の位置を定めるために介在する。表示面と垂直方向において、ホルダ5と液晶表示ユニット2との間には、隙間を埋めるための弾性部材51を設けており、ハウジング4へ固定する際の応力集中による液晶表示の不具合を防止している。なお、弾性部材51は、液晶表示ユニット2の表示面へ埃等が入り込むことを防止するため、液晶表示ユニット2の表示領域を囲うように一周設けられる。
【0020】
プリント基板6は、ホルダ5の隣で、キートップ31の背面側に設けられ、キートップ31に押圧されるスイッチ素子32を実装している。この場合、スイッチ素子32は、プリント基板6に表面実装されるタクトスイッチを適用できる。
【0021】
次に、プッシュスイッチ3について図3図4を用いて説明する。なお、図4はキートップを背面側(表示面と反対側)からみた図である。
【0022】
キートップ31は、利用者の指先に触れる操作面31aと、ホルダ5に突き当て可能に設けられる当接部31b及びプリント基板6に突き当て可能に設けられる当接部31cと、この当接部31b,31cによる突き当て状態の際に、スイッチ素子32を押圧操作するシャフト部31dと、ハウジング4とプリント基板6との間に挟まれて保持される固定部31eと、この固定部31eを作用点としてキートップ31を移動させる弾性変形可能なアーム部31fと、を備える。
【0023】
この当接部31b,31cは、シャフト部31dの周りの四方に設けられており、操作面31aが多様な角度から押圧操作されてもストローク、または利用者に与える感触を一様にできるため、商品性の高いプッシュスイッチ3となる。
【0024】
また、キートップ31は、液晶表示ユニット2に一部重なる位置に設けることができるため、液晶表示ユニット2の表示領域やタッチパネル1の操作領域の近くに配置でき、これら操作や表示の関連性や操作性を高めることができる。
【0025】
キートップ31の当接部31bは、押圧操作によってホルダ5に突き当たるため、タッチパネル1や液晶表示ユニット2への応力影響を小さくできる。特に、弾性部材51の作用によって、液晶表示ユニット2への応力影響を更に小さくできる。
【0026】
また、図3や,図4の点線に示すように、タッチパネル1は、キートップ31の当接部31bとホルダ5との突き当り箇所を避けるように設けられるため、タッチパネル1を挟み込むことなく、当接部31bとホルダ5とが対向でき、キートップ31とタッチパネル1とをより近い位置に配置できる。
【0027】
斯かる操作パネルAは、液晶表示ユニット2と、この液晶表示ユニット2を保持するホルダ5と、液晶表示ユニット2による表示面を臨むように設けられる開口部41と設け、ホルダ5を固定するハウジング4と、開口部41の隣に、キートップ31を有する押圧操作可能なプッシュスイッチ3と、を備え、キートップ31は、前記押圧操作によって、ホルダ5に突き当たるように、ハウジング4に保持される。
【0028】
従って、液晶表示ユニット2による表示画面とプッシュスイッチ3とをより近くに配置でき、操作性の良好な電子機器となる。
【0029】
なお、本発明の電子機器を上述した実施の形態の構成にて例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構成においても、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良、並びに表示の変更が可能なことは勿論である。例えば、当接部31bが突き当たる対象のホルダとして液晶表示素子の金属筐体を適用することも可能であり、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、電子機器に関し、特に画像表示する表示パネルやタッチパネルと、プッシュスイッチを同一面に併設する操作パネルとして好適である。
【符号の説明】
【0031】
1 タッチパネル
2 液晶表示ユニット(表示パネル)
3 プッシュスイッチ(スイッチ)
31 キートップ
31a 操作面
31b 当接部
31c 当接部
31d シャフト部
31e 固定部
31f アーム部
4 ハウジング
41 開口部
5 ホルダ
6 プリント基板
図1
図2
図3
図4