特許第6780283号(P6780283)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6780283
(24)【登録日】2020年10月19日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20201026BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
   G03G21/16 138
   G03G21/16 133
   G03G15/00 405
   G03G15/00 445
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-84113(P2016-84113)
(22)【出願日】2016年4月20日
(65)【公開番号】特開2017-194543(P2017-194543A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2019年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】早川 裕二
(72)【発明者】
【氏名】川又 邦正
(72)【発明者】
【氏名】高橋 昂平
【審査官】 三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−278200(JP,A)
【文献】 特開平02−248962(JP,A)
【文献】 特開平10−077132(JP,A)
【文献】 特開2006−232536(JP,A)
【文献】 特開2001−130759(JP,A)
【文献】 特開2008−056466(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0291348(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送する搬送路を開放する開放位置と、前記搬送路を閉じる閉塞位置との間で装置本体に支持された回転軸を中心として移動可能に支持された開閉部材と、
前記用紙を収容し前記装置本体に離接可能に保持された収容装置と、を備え、
前記収容装置は、前記装置本体に設けられた係合凸部と係合可能な傾斜面が形成された係合凹部を有し、前記傾斜面が、所定の水平衝撃力以下では前記係合凸部との係合が維持される垂直分力となる傾斜角度を有し、前記収容装置が水平方向に押圧された際に、前記係合凸部が前記傾斜面に接触しながら前記係合凹部が相対移動して前記係合凸部との係合が解除されて移動可能となり、
前記開閉部材が前記開放位置に移動する場合に、前記開閉部材の外面が前記収容装置の側面の一端に接触して前記収容装置を前記装置本体から離間させ、前記収容装置が前記装置本体に向って移動する場合に、前記収容装置の側面の一端が前記開閉部材の外面と接触して前記開閉部材を前記閉塞位置へ移動させる、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
上下方向に多段に配置された用紙トレイから送り出された用紙を前記装置本体に向かって搬送する第2の搬送路を開放する開放位置と、前記第2の搬送路を閉じる閉塞位置との間で移動可能に支持された第2の開閉部材を更に備え
前記収容装置が、前記装置本体から離間するように移動する場合に、前記第2の開閉部材の前記装置本体への係合を解除する解除手段を備えた、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2の開閉部材は、回転可能に設けられ前記装置本体の被係合部に係合する係合部と、前記係合部を係合方向と反対方向へ移動させる操作部と、を有し、
前記解除手段は、先端R形状を有し前記操作部に係合する係合位置と前記操作部から離間する離間位置との間で回転可能なフック部材と、前記フック部材を前記操作部から離間させる方向に付勢する付勢手段と、前記フック部材の回転を阻止する阻止位置と前記フック部材の回転を許容する許容位置との間で移動可能に支持されたリンク部材と、からなり、
前記収容装置が前記装置本体から離間するように移動する場合に、前記係合部の前記被係合部との係合が解除された後、前記リンク部材が前記許容位置に移動して、前記フック部材の前記操作部との係合が解除される、
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記収容装置が前記装置本体に向って移動する場合に、前記リンク部材が前記フック部材に接触して、前記フック部材が前記操作部に係合する、
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
搬入搬送ユニットを底部に備える装置本体の下部に大容量デッキ装置を配置するとともに、該大容量デッキ装置の側部にサイド給紙装置を配置し、大容量デッキ装置の上面に、装置本体の下面に開口する搬入口に連通する排出口を開口せしめ、装置本体のサイド給紙装置が配置される側の側部に、排出口へと用紙をガイドする搬送ガイドを備えた垂直搬送カバーを開閉可能に設けて成る画像形成装置において、垂直搬送ユニットを水平移動可能に構成し、垂直搬送カバーの搬送ガイドを垂直搬送ユニットの水平移動に連動して回動させ、大容量デッキ装置の排出口に連通する垂直搬送路を開くよう構成した画像形成装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−144841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、外付けの収容装置を付けた際に使用者が容易にジャム紙を除去することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の画像形成装置は、
用紙を搬送する搬送路を開放する開放位置と、前記搬送路を閉じる閉塞位置との間で装置本体に支持された回転軸を中心として移動可能に支持された開閉部材と、
前記用紙を収容し前記装置本体に離接可能に保持された収容装置と、を備え、
前記収容装置は、前記装置本体に設けられた係合凸部と係合可能な傾斜面が形成された係合凹部を有し、前記傾斜面が、所定の水平衝撃力以下では前記係合凸部との係合が維持される垂直分力となる傾斜角度を有し、前記収容装置が水平方向に押圧された際に、前記係合凸部が前記傾斜面に接触しながら前記係合凹部が相対移動して前記係合凸部との係合が解除されて移動可能となり、
前記開閉部材が前記開放位置に移動する場合に、前記開閉部材の外面が前記収容装置の側面の一端に接触して前記収容装置を前記装置本体から離間させ、前記収容装置が前記装置本体に向って移動する場合に、前記収容装置の側面の一端が前記開閉部材の外面と接触して前記開閉部材を前記閉塞位置へ移動させる、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項に記載の画像形成装置において、
上下方向に多段に配置された用紙トレイから送り出された用紙を前記装置本体に向かって搬送する第2の搬送路を開放する開放位置と、前記第2の搬送路を閉じる閉塞位置との間で移動可能に支持された第2の開閉部材を更に備え
前記収容装置が、前記装置本体から離間するように移動する場合に、前記第2の開閉部材の前記装置本体への係合を解除する解除手段を備えた、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の画像形成装置において、
前記第2の開閉部材は、回転可能に設けられ前記装置本体の被係合部に係合する係合部と、前記係合部を係合方向と反対方向へ移動させる操作部と、を有し、
前記解除手段は、先端R形状を有し前記操作部に係合する係合位置と前記操作部から離間する離間位置との間で回転可能なフック部材と、前記フック部材を前記操作部から離間させる方向に付勢する付勢手段と、前記フック部材の回転を阻止する阻止位置と前記フック部材の回転を許容する許容位置との間で移動可能に支持されたリンク部材と、からなり、
前記収容装置が前記装置本体から離間するように移動する場合に、前記係合部の前記被係合部との係合が解除された後、前記リンク部材が前記許容位置に移動して、前記フック部材の前記操作部との係合が解除される、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の画像形成装置において、
前記収容装置が前記装置本体に向って移動する場合に、前記リンク部材が前記フック部材に接触して、前記フック部材が前記操作部に係合する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、外付けの収容装置を付けた際に開閉部材を開閉する操作力を軽減して使用者が容易にジャム紙を除去することができる。
請求項に記載の発明によれば、使用者が容易にジャム紙を除去することができる。
請求項に記載の発明によれば、収容装置を装置本体から離間させる操作で用紙搬送路を開放することができる。
請求項に記載の発明によれば、収容装置を装着方向へ移動する操作で第2の開閉部材を閉鎖することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】画像形成装置の内部構成を示す断面模式図である。
図2】画像形成装置における収容装置を離間させた状態を示す斜視図である。
図3】収容装置の固定方法を説明する模式図である。
図4】開閉部材を開放する際の収容装置の移動を示す断面模式図である。
図5】収容装置の画像形成装置への装着面側の構成を示す斜視図である。
図6】解除装置の構成を示す斜視図である。
図7】解除装置と第2の開閉部材との係合状態を収容装置を不図示にして示す斜視図である。
図8】収容装置と第2の開閉部材が連結した状態を示す断面模式図である。
図9】収容装置が離間方向に移動を開始したときの第2の開閉部材とトレイモジュールとの係合が解除される状態を示す断面模式図である。
図10】収容装置が離間方向に移動して第2の開閉部材の操作ハンドルからフック部材が抜ける状態を示す断面模式図である。
図11】収容装置が離間方向に移動して第2の開閉部材が開放位置に移動した状態を示す断面模式図である。
図12】収容装置が装着方向に移動して第2の開閉部材の操作ハンドルの裏面側にフック部材が入り込む状態を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【0015】
「第1実施形態」
(1)画像形成装置の全体構成及び動作
図1は画像形成装置1の内部構成を示す断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、画像形成装置1の全体構成及び動作を説明する。
【0016】
画像形成装置1は、制御装置10、給紙装置20、感光体ユニット30、現像装置40、転写装置50、定着装置60、トレイモジュール70、収容装置80を備えて構成されている。画像形成装置1の上面(Z方向)には、画像が記録された用紙が排出・収容される排紙トレイ部TRが形成されている。
【0017】
制御装置10は、画像形成装置1の動作を制御するコントローラ11と、コントローラ11により作動を制御される画像処理部12、電源装置13等を有する。電源装置13は、感光体ユニット30、現像装置40、転写装置50等に電圧を印加する。
画像処理部12は、外部の情報送信装置(例えばパーソナルコンピュータ等)から入力された印刷情報を潜像形成用の画像情報に変換して予め設定されたタイミングで、駆動信号を露光装置LHに出力する。
【0018】
画像形成装置1本体の底部には、2段で構成された用紙トレイ21、22を有する給紙装置20が設けられ、用紙トレイ21、22に積載された用紙Pは、規制板(不図示)で幅方向位置が決められ、上側から1枚ずつ用紙引き出し部23により前方(−X方向)に引き出される。用紙引き出し部23から引き出された用紙Pは、第1の用紙搬送路S1を介してレジストローラ対24のニップ部まで搬送される。
【0019】
給紙装置20の下方には、上下方向に多段(本実施形態においては2段)に配置されて、用紙Pを収容する複数の用紙トレイT1、T2からなるトレイモジュール70が接続されている。用紙トレイT1、T2から送り出された用紙Pは、第2の用紙搬送路S2を介して第1の用紙搬送路S1からレジストローラ対24のニップ部に向かって搬送される。
【0020】
画像形成装置1本体の側方には収容装置80が接続されている。収容装置80は、いわゆる大容量給紙装置であり、2000枚ないし3000枚の用紙を収容し、一対のレール81により支持されて画像形成装置1本体に脱着可能に構成されている。
収容装置80には用紙Pを積載し上下動が可能であるボトムプレート82が配置され、このボトムプレート82はワイヤ(不図示)を介して、図示しないリフトアップモータにより給紙位置まで上昇して給紙可能な状態となる。
【0021】
感光体ユニット30は、給紙装置20の上方(Z方向)に、それぞれが並列して設けられ、回転駆動する感光体ドラム31を備えている。それぞれの感光体ドラム31上にはそれぞれの現像装置40によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像が形成される。
【0022】
各感光体ユニット30の感光体ドラム31に形成された各色トナー像は、転写装置50の中間転写ベルト51上に順次静電転写(一次転写)され、各色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。中間転写ベルト51上の重畳トナー像は、レジストローラ対24から送り出され、搬送ガイドにより案内された用紙Pに二次転写ローラ52によって一括転写される。
【0023】
定着装置60は一対の加熱モジュール61と加圧モジュール62の圧接領域によって定着ニップ部(定着領域)が形成される。
転写装置50においてトナー像が一括転写された用紙Pは、トナー像が未定着の状態で搬送ガイド53を介して定着装置60の定着ニップ部に搬送され、一対の加熱モジュール61と加圧モジュール62により、圧着と加熱の作用でトナー像が定着される。定着トナー像が形成された用紙Pは、排出ローラ対63から画像形成装置1上面の排紙トレイ部TRに排出・収容される。
【0024】
(2)収容装置の移動と開閉部材の開閉
図2は画像形成装置1における収容装置80を離間させた状態を示す斜視図、図3は収容装置80の固定方法を説明する模式図、図4は開閉部材100を開放する際の収容装置80の移動を示す断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、画像形成装置1の開閉部材100の開閉と収容装置80の移動について説明する。
【0025】
(2.1)開閉部材の構成
図2に示すように、収容装置80は、支持台83の上に左右一対のレール81により水平移動可能に支持されて画像形成装置1本体の側方に脱着されるように構成されている。
【0026】
画像形成装置1本体の側方(図1における−X方向)には、開閉部材100が設けられている。開閉部材100は、給紙装置20の第1の用紙搬送路S1から排出ローラ対63までの用紙搬送路を一体に外部に開放する開放位置と、給紙装置20の第1の用紙搬送路S1から排出ローラ対63までの用紙搬送路を一体に閉じる閉塞位置との間で開閉可能に回転支持されている。
【0027】
開閉部材100の外面側には、収容装置80から繰り出される用紙Pを受け入れる用紙受入口101が設けられている。開閉部材100の上方(図1におけるZ方向)には、開閉操作を行う操作ハンドル102が回転操作可能に設けられ、画像形成装置1本体との係合を解除する。
【0028】
開閉部材100の下方(図1における−Z方向)には、第2の開閉部材110が設けられている。第2の開閉部材110は、トレイモジュール70の第2の用紙搬送路S2を一体に外部に開放する開放位置と、第2の用紙搬送路S2を一体に閉じる閉塞位置との間で開閉可能に回転支持されている。第2の開閉部材110には操作ハンドル111が回転操作可能に設けられ、トレイモジュール70との係合を解除する。
【0029】
(2.2)開閉部材の開閉操作と収容装置の移動
図3(a)に示すように、収容装置80は画像形成装置1本体に固定された支持台83に設けられた係合凸部の一例としての係合ボス84に上下方向(Z方向)に移動可能なリンク部材85の一端に形成された係合凹部86が係合することで水平方向に固定されている。用紙搬送装置80の支持台83への固定を解除する場合には、リンク部材85に回転可能に連結された操作ハンドル87を回転操作することで、リンク部材85の係合凹部86と支持台83の係合ボス84との係合が解除されて水平移動可能な状態となる。
【0030】
開閉部材100の開放操作によって、画像形成装置1本体から離間する水平方向に押圧(図中 矢印Rh参照)された収容装置80には、図3(b)に示すように、リンク部材85の係合凹部86を構成する傾斜面86aに水平方向(X方向)の押圧力Fhが作用すると同時に、リンク部材85を上方(Z方向)に持ち上げようとする垂直分力Fvが作用する。
【0031】
傾斜面86aは、地震等が発生して収容装置80に水平衝撃力が作用した場合であっても、安全性の要請から所定の水平衝撃力以下ではリンク部材85の支持台83の係合ボス84との係合が維持される垂直分力Fvとなる傾斜角度とされている。
【0032】
図4に示すように、開閉部材100の回転中心103は、収容装置80の上面80aよりも画像形成装置1本体の下方に設けられている。そのために、開閉部材100の操作ハンドル102を操作して開放位置に移動する際(図3中 矢印R参照)には、開閉部材100の外面100aが収容装置80の側面の一端8abと接触する。
【0033】
収容装置80の側面の一端8abと接触した開閉部材100は、回転軸103を支点とし、開閉部材100の外面100aが収容装置80の側面の一端8abとの接触部をてこの原理の作用点として収容装置80を画像形成装置1本体から離間する水平方向に押圧する(図3中 矢印Rh参照)。
【0034】
その結果、開閉部材100の操作ハンドル102と回転軸103との距離をL1、収容装置80の側面の一端85abと回転軸103との距離をL2として、収容装置80には使用者が開閉部材100の操作ハンドル102を操作して開閉部材100を開放する操作力のL1/L2倍の押圧力Fhが作用する。
係る操作力に基づくリンク部材85に作用する垂直分力Fvが所定の水平衝撃力に基づく垂直分力Fvよりも大きい場合には、リンク部材85の支持台83への固定が解除され(図3(c)参照)て水平移動が可能になる。そのために、開閉部材100の開放操作によって、第1の用紙搬送路S1から排出ローラ対63までの用紙搬送路を軽い操作力で開放して容易にジャム除去を行うことができる。
【0035】
開閉部材100を閉鎖位置に閉じる場合には、画像形成装置1本体から離間した状態の収容装置80を画像形成装置1本体に向って移動させることで、収容装置80の側面の一端8abが開閉部材100の外面100aに接触して開閉部材100を閉鎖位置に移動させることができる。
【0036】
「第2実施形態」
図5は本実施形態に係る収容装置80の画像形成装置1への装着面側の構成を示す斜視図、図6は解除装置90の構成を示す斜視図、図7は解除装置90と第2の開閉部材110との係合状態を収容装置80を不図示にして示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら解除装置90の構成と動作について説明するが、第1実施形態に係る画像形成装置1と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
(1)解除装置の構成
図5に示すように、収容装置80の画像形成装置1への装着面側には、収容装置80が画像形成装置1本体に対して脱着する際に、第2の開閉部材110の開閉を行う解除装置90を構成するフック部材91とリンク部材96の一部が突出して設けられている。解除装置90は、図7に示すように収容装置80が画像形成装置1本体に装着された状態では、フック部材91のフック部93が第2の開閉部材110の操作ハンドル111の裏面側に潜り込んだ状態で位置している。
【0037】
図6に示すように、解除装置90はフック部材91と、フック部材91を操作ハンドル111から離間させる方向に付勢する付勢手段としてのトーションバネ95と、リンク部材96から構成されている。
【0038】
フック部材91は、回転軸92の一端側に全体形状が鉤型のフック部93が固定され、他端側にはアーム部94が固定されている。フック部93は先端部93aが断面視大きなR形状とされ、第2の開閉部材110の操作ハンドル111の裏面側に潜り込む際の誘い込み部を形成している。アーム部94は、リンク部材96と接触している状態ではトーションバネ95によって回転付勢されているフック部材91の回転を阻止している。
【0039】
リンク部材96は、画像形成装置1本体に向って移動可能に支持され、コイルスプリング97で常に画像形成装置1本体側へ付勢されている。その結果、収容装置80が画像形成装置1に装着された状態では、収容装置80側に移動した状態で位置してフック部材91のアーム部94と接触してフック部材91の回転を阻止する。
【0040】
(2)第2の開閉部材の開閉
図8は収容装置80と第2の開閉部材110が連結した状態を示す断面模式図、図9は収容装置80が離間方向に移動を開始したときの第2の開閉部材110とトレイモジュール70との係合が解除される状態を示す断面模式図、図10は収容装置80が離間方向に移動して第2の開閉部材110の操作ハンドル111からフック部材91が抜ける状態を示す断面模式図、図11は用紙搬送装置80が離間方向に移動して第2の開閉部材110が開放位置に移動した状態を示す断面模式図、図12は収容装置80が装着方向に移動して第2の開閉部材110の操作ハンドル111の裏面側にフック部材91が入り込む状態を示す断面模式図である。
以下、図面を参照しながら収容装置80の移動に伴う第2の開閉部材110の開閉動作について説明する。
【0041】
(2.1)第2の開閉部材の開放位置への移動
図8に示すように、収容装置80が画像形成装置1本体に装着された状態では、第2の開閉部材110の係合部112がトレイモジュール70の被係合部71に係合した状態で、解除装置90のフック部材91が第2の開閉部材110の操作ハンドル111の裏面側に入り込んでいる。
係る状態から、例えば、開閉部材100を開放位置へ移動させると、図9に示ように、収容装置80が画像形成装置1本体から離間する方向に移動(図中 R参照)を開始して、操作ハンドル111がフック部材91のフック部93により回転力を受けて、第2の開閉部材110の係合部112とトレイモジュール70の被係合部71との係合が解除される。
【0042】
図10に示すように、収容装置80の画像形成装置1本体からの離間に伴って、画像形成装置1本体(図中 二点鎖線で示す)に向って移動可能に付勢されたリンク部材96が画像形成装置1本体側へ移動して、フック部材91のアーム部94との接触が解除され、フック部材91のフック部93は、トーションバネ95の付勢力によって操作ハンドル111から抜けるように回転する(図中 矢印R1参照)。
【0043】
フック部材91のフック部93が操作ハンドル111から抜けて、収容装置80が更に画像形成装置1本体からの離間するように移動すると、第2の開閉部材110は図11に示すように、開放位置まで移動してトレイモジュール70の第2の用紙搬送路S2が開放されてジャム除去が可能な状態となる。
このように、トレイモジュール70が接続された画像形成装置1において、画像形成装置1本体の側部に収容装置80が接続された状態で、開閉部材100の開放操作を行うことで、収容装置80が離間するように移動しながら、トレイモジュール70の第2の開閉部材110を開放位置へ移動させ、容易にジャム除去を行うことができる。
【0044】
(2.2)第2の開閉部材の閉鎖位置への移動
開放された第2の開閉部材110を閉塞位置に移動させる場合には、図12に示すように、収容装置80を画像形成装置1本体側へ向って移動(図中 矢印R参照)させると、収容装置80が第2の開閉部材110の外面110aと接触して第2の開閉部材110をトレイモジュール70に向って移動させる。
【0045】
係る状態で、コイルスプリング97の付勢力で画像形成装置1本体側へ突出したリンク部材96が画像形成装置1本体(図中 二点鎖線で示す)に接触して移動する収容装置80側へ移動(図中 矢印R2参照)して、アーム部94と接触して、トーションバネ95で操作ハンドル111とは離間する方向に付勢されたフック部材91を上方(Z方向)に回転させる(図中 矢印R1参照)。その結果、先端部93aが断面視大きなR形状とされたフック部93は操作ハンドル111の裏面側へ入り込む状態となる。
【0046】
更に収容装置80が画像形成装置1本体側へ移動すると、図9に示すような第2の開閉部材110の係合部112がトレイモジュール70の被係合部71に係合する直前の状態を経て、図8に示すように、第2の開閉部材110の係合部112がトレイモジュール70の被係合部71に係合する。
そして、収容装置80が画像形成装置1本体に装着された状態では、解除装置90のフック部93は操作ハンドル111の裏面側に入り込んで係合した状態となる。
【0047】
尚、第2の開閉部材110の開閉に際しては、開閉部材100の開放操作は行わず、収容装置80のみを画像形成装置1本体から離間するように移動させ、また、離間した収容装置80のみを画像形成装置1本体側へ移動させて接続してもよい。
【0048】
本実施形態に係る画像形成装置1によれば、給紙装置20の下方にトレイモジュール70が接続されている場合であっても、用紙搬送装置80の移動操作に連動して第2の開閉部材110の開閉を行い、容易にジャム除去を行うことができる。
【符号の説明】
【0049】
1・・・画像形成装置
10・・・制御装置
20・・・給紙装置
30・・・感光体ユニット
40・・・現像装置
50・・・転写装置
60・・・定着装置
70・・・トレイモジュール
71・・・被係合部(トレイモジュール70)
80・・・収容装置
81・・・レール
83・・・支持台
84・・・係合ボス
85・・・リンク部材
86・・・係合凹部
86a・・・斜面部
87・・・操作ハンドル(収容装置)
90・・・解除装置
91・・・フック部材
93・・・フック部
94・・・アーム部
95・・・トーションバネ
96・・・リンク部材
100・・・開閉部材
102・・・操作ハンドル
103・・・回転軸
110・・・第2の開閉部材
111・・・操作ハンドル
112・・・係合部(第2の開閉部材110)
T1、T2・・・用紙トレイ(トレイモジュール70)
P・・・用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12