特許第6780371号(P6780371)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6780371
(24)【登録日】2020年10月19日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】吸気装置
(51)【国際特許分類】
   F02B 27/02 20060101AFI20201026BHJP
   F02M 35/104 20060101ALI20201026BHJP
   F02M 35/108 20060101ALI20201026BHJP
   F02M 35/112 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
   F02B27/02 C
   F02M35/104 R
   F02M35/104 Y
   F02M35/108 B
   F02M35/112
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-165913(P2016-165913)
(22)【出願日】2016年8月26日
(65)【公開番号】特開2018-31359(P2018-31359A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 まなほ
(72)【発明者】
【氏名】石井 正人
(72)【発明者】
【氏名】二宮 京平
【審査官】 家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−087736(JP,A)
【文献】 特開2009−127620(JP,A)
【文献】 特開2006−070720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 31/00 − 31/08
F02M 27/02
F02M 35/00 − 35/12
F16K 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動軸と、
回動軸線方向の端部に設けられ、前記回動軸の圧入時に前記回動軸をガイドする回動軸圧入ガイド孔と、前記回動軸圧入ガイド孔よりも回動軸線方向の内側に設けられ、前記回動軸圧入ガイド孔を介して挿入された前記回動軸が圧入されている回動軸圧入孔と、前記回動軸圧入孔に圧入された前記回動軸の外側面を露出させる窓部とを含み、吸気ポート内で前記回動軸の回動とともに回動されて吸気を変化させる樹脂製の吸気バルブと、
前記吸気ポート側に配置され、前記吸気バルブを回動可能に支持する軸受部品と、を備え、
前記吸気バルブは、前記軸受部品に回動可能に挿入され、内部に前記回動軸圧入ガイド孔が形成されている回動軸部をさらに含み、
前記回動軸圧入ガイド孔は、回動軸線方向から見て、前記回動軸圧入孔に向かって断面積が徐々に小さくなる先細り形状部と、回動軸線方向における前記軸受部品と前記回動軸部とが接触する範囲において回動軸線方向から見て円形状を有する内周面とを有し、
前記回動軸部の前記内周面は、回動軸線方向に平行に延びており、
前記回動軸部の前記内周面の中心線は、前記回動軸の中心線と一致しており、
前記回動軸部の内径は、回動軸線方向に垂直な方向における前記回動軸の長さの最大値より大きい、吸気装置。
【請求項2】
記回動軸圧入孔は、前記回動軸部よりも回動軸線方向の内側に設けられるとともに、回動軸線方向から見て、矩形形状の断面を有する前記回動軸に対応した矩形形状の断面を有しており、
回動軸線方向から見て円形状を有する前記回動軸圧入ガイド孔の前記内周面は、前記先細り形状部を介して、前記矩形形状の断面を有する前記回動軸圧入孔の内側面に滑らかに接続されている、請求項1に記載の吸気装置。
【請求項3】
前記回動軸部は、前記吸気バルブの回動軸線方向の両端部に設けられており、
前記回動軸圧入孔は、一方側の前記回動軸部に対応した前記回動軸圧入ガイド孔と前記窓部との間に設けられている第1回動軸圧入孔と、他方側の前記回動軸部に対応した前記回動軸圧入ガイド孔と前記窓部との間に設けられている第2回動軸圧入孔とを含む、請求項2に記載の吸気装置。
【請求項4】
前記回動軸圧入孔は、前記回動軸圧入孔の内側面に設けられた複数の凸部を有し、
前記吸気バルブは、前記回動軸圧入孔の前記複数の凸部が前記回動軸の外側面に当接することにより前記回動軸に固定されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸気装置。
【請求項5】
前記回動軸圧入孔の前記内側面は、回動軸線方向から見て、互いに対向するとともに矩形形状の長辺を構成する一対の第1内側面と、互いに対向するとともに矩形形状の短辺を構成する一対の第2内側面とを有し、
前記複数の凸部は、前記第1内側面に設けられた複数の第1凸部と、前記第2内側面に設けられた複数の第2凸部とを含み、
前記第1内側面に設けられた隣接する前記第1凸部間の間隔は、前記第2内側面に設けられた隣接する前記第2凸部間の間隔よりも大きい、請求項4に記載の吸気装置。
【請求項6】
互いに隣接する前記第1内側面の前記第1凸部と前記第2内側面の前記第2凸部とは、前記回動軸圧入孔の丸みを帯びた前記内側面の部分により接続されている、請求項5に記載の吸気装置。
【請求項7】
前記回動軸圧入孔は、前記第2内側面に設けられるとともに前記第2凸部に沿って延びる溝部をさらに有する、請求項5または6に記載の吸気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気装置に関し、特に、回動軸と、吸気ポート内で回動軸の回動とともに回動されて吸気を変化させる吸気バルブとを備えた吸気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回動軸と、吸気ポート内で回動軸の回動とともに回動されて吸気を変化させる吸気バルブとを備えた吸気装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、4つの吸気管部(吸気ポート)の各々に配置され、開位置と閉位置との間で回動される樹脂製の吸気制御弁(吸気バルブ)と、各吸気制御弁を一斉に回動させる共通のシャフト(回動軸)と、シャフトを回動させるアクチュエータとを備えた吸気装置が開示されている。この特許文献1に記載の吸気装置における個々の吸気制御弁は、シャフトが挿入されるシャフト貫通部を有している。また、シャフト貫通部の回動軸線方向に沿った両端部には、断面が矩形形状を有する貫通孔(回動軸圧入孔)が形成されている。なお、シャフト貫通部の両端部は、吸気ポート側に配置された軸受部品に対して回動可能な摺動部(回動軸部)として構成されており、摺動部(回動軸部)の内部に上記貫通孔が形成されている。また、断面形状が角型(矩形形状)のシャフトがシャフト貫通部の両端部に設けられた一対の貫通孔(回動軸圧入孔)に圧入されることによって、吸気制御弁がシャフトに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−1847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の吸気装置では、シャフトの圧入位置(固定位置)がシャフト貫通部の両端部に配置されているため、樹脂製の吸気制御弁(吸気バルブ)の回動軸線方向に沿った反りに起因して、圧入後のシャフト(回動軸)自体も湾曲変形しやすくなる。このため、吸気制御弁の両端部が互いに軸ずれを起こしやすくなり、軸受部品に対する摺動部(回動軸部)の回動抵抗が増加するという問題点がある。また、摺動部(回動軸部)の軸ずれに起因して軸受部品に対する偏摩耗が発生した場合には、摺動部と軸受部品との間の隙間を介して、隣接する吸気管部(吸気ポート)間に吸気の漏れが生じやすくなる。このため、吸気制御弁(吸気バルブ)のシール性が低下することに起因して吸気脈動(吸気慣性効果)を効果的に得ることができず、エンジン性能が低下するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、吸気ポート側の軸受部品に対する吸気バルブ側の回動軸部の回動抵抗が増加するのを抑制するとともに、吸気バルブのシール性を向上させることによって、吸気脈動を効果的に得てエンジン性能を向上させることが可能な吸気装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における吸気装置は、回動軸と、回動軸線方向の端部に設けられ、回動軸の圧入時に回動軸をガイドする回動軸圧入ガイド孔と、回動軸圧入ガイド孔よりも回動軸線方向の内側に設けられ、回動軸圧入ガイド孔を介して挿入された回動軸が圧入されている回動軸圧入孔と、回動軸圧入孔に圧入された回動軸の外側面を露出させる窓部とを含み、吸気ポート内で回動軸の回動とともに回動されて吸気を変化させる樹脂製の吸気バルブと、吸気ポート側に配置され、吸気バルブを回動可能に支持する軸受部品と、を備え、吸気バルブは、軸受部品に回動可能に挿入され、内部に回動軸圧入ガイド孔が形成されている回動軸部をさらに含み、回動軸圧入ガイド孔は、回動軸線方向から見て、回動軸圧入孔に向かって断面積が徐々に小さくなる先細り形状部と、回動軸線方向における軸受部品と回動軸部とが接触する範囲において回動軸線方向から見て円形状を有する内周面とを有し、回動軸部の内周面は、回動軸線方向に平行に延びており、回動軸部の内周面の中心線は、回動軸の中心線と一致しており、回動軸部の内径は、回動軸線方向に垂直な方向における回動軸の長さの最大値より大きい
【0008】
この発明の一の局面による吸気装置は、上記のように、回動軸線方向の端部に設けられ、回動軸の圧入時に回動軸をガイドする回動軸圧入ガイド孔と、回動軸圧入ガイド孔よりも回動軸線方向の内側に設けられ、回動軸圧入ガイド孔を介して挿入された回動軸が圧入されている回動軸圧入孔とを含む樹脂製の吸気バルブを備える。これにより、樹脂製の吸気バルブが単体の状態で回動軸線方向に沿った反りを有していても、たとえば、吸気バルブの両端部で回動軸を吸気バルブに圧入した場合に吸気バルブの反り形状に沿って回動軸が容易に湾曲変形するのと異なり、吸気バルブが端部の回動軸圧入ガイド孔よりも回動軸線方向内側(中心寄り)に位置する回動軸圧入孔の部分で回動軸に固定(保持)される分、圧入箇所を複数設けた場合の圧入位置の間隔(圧入位置間距離)をより短くすることができる。したがって、回動軸がより短い圧入位置間距離を隔てて複数の回動軸圧入孔の部分で拘束される分、短距離における回動軸の剛性を利用して吸気バルブの反りを矯正することができる。すなわち、吸気バルブの両端部の同芯度が向上される(軸ずれ量が低下される)ので、吸気バルブを回動可能に支持する軸受部品に対する吸気バルブの回動軸部の回動抵抗を低下させることができる。
【0009】
また、回動軸圧入ガイド孔において回動軸は圧入された状態にならないので、吸気バルブの回動軸部の外径が拡大(膨張)しない分、これによっても、吸気バルブの回動軸部の回動抵抗を低下させることができる。また、吸気バルブの回動軸部の回動抵抗が低下される分、回動軸部の軸受部品に対する偏摩耗の発生が抑制されるので、回動軸部と軸受部品との間に過剰な隙間が生じず、隣接する吸気ポート同士での吸気の漏れが発生するのを抑制することができる。これらの結果、吸気ポート側の軸受部品に対する吸気バルブ側の回動軸部の回動抵抗が増加するのを抑制することができるとともに、吸気バルブのシール性を向上させることによって、吸気脈動を効果的に得てエンジン性能を向上させることができる。また、吸気バルブの回動軸部の回動抵抗が低下される分、回動軸を回動させるためのアクチュエータが小型化された吸気装置を得ることができる。
【0010】
また、上記一の局面による吸気装置では、回動軸線方向の端部に設けられた回動軸圧入ガイド孔が、回動軸線方向から見て、回動軸圧入孔に向かって断面積が徐々に小さくなる先細り形状部を有することによって、回動軸を吸気バルブに組み付ける際に、挿入中の回動軸を回動軸圧入ガイド孔の緩やかな先細り形状部をガイドとして回動軸圧入孔に導くことができる。したがって、挿入中の回動軸の先端部が回動軸圧入孔の樹脂からなる内面を直接的に削るのが防止されるので、回動軸圧入孔の内寸法が成形時のままに維持される分、回動軸圧入後の締結力(保持力)を容易に得ることができる。その結果、回動軸に対する吸気バルブのガタツキ(吸気バルブ動作時の吸気ポート内面への物理的な干渉)が抑制されて、吸気バルブの動作不良を抑制することができる。また、回動軸圧入ガイド孔に先細り形状部を設けることによって、回動軸側に樹脂の削れ防止のための加工(面取り加工やテーパ加工など)を施す必要もないので、その分、回動軸の製造工程を簡素化させることができる。
【0011】
上記一の局面による吸気装置において、好ましくは、回動軸圧入孔は、回動軸部よりも回動軸線方向の内側に設けられるとともに、回動軸線方向から見て、矩形形状の断面を有する回動軸に対応した矩形形状の断面を有しており、回動軸線方向から見て円形状を有する回動軸圧入ガイド孔の内周面は、先細り形状部を介して、矩形形状の断面を有する回動軸圧入孔の内側面に滑らかに接続されている。
【0012】
このように構成すれば、円形状を有する回動軸圧入ガイド孔が内側に形成されている回動軸部の厚み(肉厚)を回動軸線まわりに一定にして吸気バルブを製造することができるので、吸気バルブの樹脂成形した場合であっても、樹脂成形後の樹脂部材の収縮を回動軸線まわりに均一かつ最小限に留めることができ、回動軸部の真円度を維持することができる。また、回動軸圧入ガイド孔の内周面を先細り形状部を介して矩形形状の断面を有する回動軸圧入孔の内側面に滑らかに接続することによって、回動軸圧入ガイド孔を介して回動軸を回動軸圧入孔に圧入する際に、緩やかに先細りする回動軸圧入ガイド孔により導かれた回動軸の先端部が、矩形形状の断面を有する回動軸圧入孔の樹脂からなる内側面を直接的に削るのを効果的に防止することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、回動軸部は、吸気バルブの回動軸線方向の両端部に設けられており、回動軸圧入孔は、一方側の回動軸部に対応した回動軸圧入ガイド孔と窓部との間に設けられている第1回動軸圧入孔と、他方側の回動軸部に対応した回動軸圧入ガイド孔と窓部との間に設けられている第2回動軸圧入孔とを含む。
【0014】
このように構成すれば、吸気バルブの回動軸線方向に沿った両端部に回動軸圧入孔が設けられる場合と比較して、第1回動軸圧入孔から第2回動軸圧入孔までの回動軸線方向の距離(圧入位置の間隔)を短くすることができる。すなわち、樹脂製の吸気バルブが単体の状態で回動軸線方向に沿った反りを有していても、第1回動軸圧入孔と第2回動軸圧入孔との2箇所で固定(支持)される回動軸は、第1回動軸圧入孔から第2回動軸圧入孔までの距離(圧入位置の間隔)が短い分、剛性が保たれる。したがって、回動軸の圧入後に回動軸自身の剛性を有効に利用して吸気バルブの反りを確実に矯正することができる。
【0015】
上記一の局面による吸気装置において、好ましくは、回動軸圧入孔は、回動軸圧入孔の内側面に設けられた複数の凸部を有し、吸気バルブは、回動軸圧入孔の複数の凸部が回動軸の外側面に当接することにより回動軸に固定されている。
【0016】
このように構成すれば、回動軸圧入孔の内側面の全領域に回動軸の外側面からの圧入荷重が加わる場合と異なり、回動軸の外側面からの圧入荷重の作用点を回動軸圧入孔の内側面における複数の凸部の部分にのみ限定することができる。すなわち、回動軸の回動軸圧入孔(吸気バルブ)に対する圧入荷重を減少させることができるので、圧入後の回動軸圧入孔に割れが生じるのを回避することができる。この結果、樹脂製の吸気バルブの破損に起因して吸気バルブの生産性が低下するのを抑制しつつ、圧入による吸気バルブの固定力を適切に維持することができる。
【0017】
上記回動軸圧入孔が回動軸圧入孔の内側面に設けられた複数の凸部を有する構成において、好ましくは、回動軸圧入孔の内側面は、回動軸線方向から見て、互いに対向するとともに矩形形状の長辺を構成する一対の第1内側面と、互いに対向するとともに矩形形状の短辺を構成する一対の第2内側面とを有し、複数の凸部は、第1内側面に設けられた複数の第1凸部と、第2内側面に設けられた複数の第2凸部とを含み、第1内側面に設けられた隣接する第1凸部間の間隔は、第2内側面に設けられた隣接する第2凸部間の間隔よりも大きい。
【0018】
このように構成すれば、互いに寸法の異なる第1内側面および第2内側面の各々に対応させて、第1内側面に対する回動軸の外側面からの圧入荷重の作用点および第2内側面に対する回動軸の外側面からの圧入荷重の作用点をそれぞれ制御(調整)することができる。これにより、回動軸圧入後の回動軸圧入孔の内側面(第1内側面および第2内側面)に割れが生じるのを容易に回避することができる。
【0019】
上記第1凸部間の間隔が第2凸部間の間隔よりも大きい構成において、好ましくは、互いに隣接する第1内側面の第1凸部と第2内側面の第2凸部とは、回動軸圧入孔の丸みを帯びた内側面の部分により接続されている。
【0020】
このように構成すれば、回動軸を回動軸圧入孔に圧入した際の第1内側面および第2内側面における応力を、回動軸圧入孔の互いに隣接する第1内側面の第1凸部と第2内側面の第2凸部との間の丸みを帯びた内側面の部分(内側面の4隅の部分)によって均一に分散させることができる。これにより、回動軸を回動軸圧入孔に圧入した際の応力集中に起因する吸気バルブの破損を回避することができる。
【0021】
上記第1凸部間の間隔が第2凸部間の間隔よりも大きい構成において、好ましくは、回動軸圧入孔は、第2内側面に設けられるとともに第2凸部に沿って延びる溝部をさらに有する。
【0022】
このように構成すれば、吸気バルブの製造プロセス上、第2凸部および溝部を有する第2内側面を含むとともに回動軸線方向に延びる回動軸圧入孔を樹脂成形するための第1の金型と、回動軸圧入孔に圧入された回動軸の外側面を露出させる窓部を樹脂成形するための第2の金型とを組み合わせる際に、上記した第2の金型に対する第1の金型の突き当て部分に関して溝部を形成する分だけ「突出しろ」(金型の逃がししろ)を確保することができる。すなわち、第1の金型に溝部を形成するための突出しろを設ける分だけ、第1の金型のサイズ(金型の厚み)を厚肉化する(大きくする)ことができる。これにより、繰り返し使用される第1の金型の寿命を延ばすことができるので、1セットの金型(第1の金型および第2の金型の組み合わせ)から製造される吸気バルブの個数を増加させることができる。
【0023】
なお、上記一の局面による吸気装置において、以下の構成も考えられる。
【0024】
(付記項1)
すなわち、上記回動軸圧入孔の内側面が一対の第1内側面および一対の第2内側面を有する吸気装置において、吸気バルブは、内部に回動軸圧入孔が形成されている回動軸部と、回動軸部から回動軸に直交する吸気バルブの長手方向に延びる翼部とをさらに含み、回動軸線方向から見て、翼部の延びる吸気バルブの長手方向に沿って第1内側面が延びている。
【0025】
(付記項2)
また、上記吸気バルブが回動軸部と翼部とをさらに含む吸気装置において、回動軸圧入孔の第1内側面に沿った中心線は、翼部の吸気バルブの長手方向に沿った中心線に一致しており、一対の第1内側面の対向間隔と、翼部の厚みとは、ほぼ等しい。
【0026】
(付記項3)
また、上記回動軸圧入孔が複数の凸部を有する吸気装置において、複数の凸部は、それぞれ、回動軸圧入孔の延びる方向に沿って延びている。
【0027】
(付記項4)
また、上記回動軸圧入孔が複数の凸部を有する吸気装置において、複数の凸部の各々は、回動軸の外側面に沿って延びる平坦面状の当接面を有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態による吸気装置の構成を示した分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による吸気装置の吸気ポートに沿った模式的な断面図である。
図3】本発明の一実施形態による吸気装置の吸気制御弁の回動軸に沿った断面図である。
図4】本発明の一実施形態による吸気制御弁を構成する弁体の構造を示した斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による吸気制御弁を構成する弁体の構造を示した斜視図である。
図6図3に示した構造の一部分を拡大して示した図である。
図7】本発明の一実施形態による吸気制御弁を構成する弁体を回動軸線方向に沿って見た場合の構造を示した図である。
図8図5に示した弁体の窓部から内部の回動軸圧入孔の構造を拡大して示した図である。
図9】本発明の一実施形態による吸気制御弁を構成する弁体の製造プロセスを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
図1図9を参照して、本発明の一実施形態による吸気装置100について説明する。
【0031】
(吸気装置の構造)
吸気装置100は、図1に示すように、ガソリン機関からなる車両(自動車)用の直列4気筒型のエンジン110(図2参照)に搭載されている。吸気装置100は、X軸方向に延びるサージタンク1と、サージタンク1の下流に接続された4本の吸気ポート2a〜2dと、吸気ポート2a〜2dの内部に設けられた吸気制御弁3とを備える。また、吸気装置100では、サージタンク1と吸気ポート2a〜2dとが一体化されて吸気装置本体101が構成されている。
【0032】
吸気装置本体101は、樹脂製の本体部101aに吸気制御弁3が装着された状態で本体部101aと樹脂製のカバー部材101bとが振動溶着により互いに接合されている。したがって、吸気装置本体101の内部に吸気制御弁3が動作可能に設けられている。また、吸気装置100は、シリンダヘッド90(図2参照)に接続されており、吸気ポート2a〜2dは、シリンダヘッド90を介してエンジン110の各気筒とそれぞれ接続されている。なお、図1においては、吸気装置本体101の背後(紙面奥側)にエンジン110(図2参照)が配置されるようになる。
【0033】
サージタンク1には、入口部1aから吸気が流入される。また、サージタンク1の底面に接続された吸気ポート2a〜2dは、中間隔壁11を介して互いに隣接するようにX軸方向に並んで配置されている。なお、最も外側の吸気ポート2aを構成する中間隔壁11とは反対側(X1側)、および、最も外側の吸気ポート2dを構成する中間隔壁11とは反対側(X2側)には、それぞれ、端部隔壁12が形成されている。
【0034】
また、図2に示すように、吸気ポート2a〜2dの各々は、相対的に長い第1ポート部21および相対的に短い第2ポート部22と、第1ポート部21および第2ポート部22の下流側に配置された出口ポート部23とを含む。第1ポート部21は、サージタンク1の下方(Z2側)を旋回しながら上方(矢印Z1方向)へ延びて、対応する出口ポート部23に接続されている。一方、第2ポート部22は、サージタンク1と、対応する出口ポート部23とを、吸気制御弁3を介して接続するように構成されている。
【0035】
吸気制御弁3は、各々の第2ポート部22と出口ポート部23との接続部分に位置する4箇所の開口部24を開閉する機能を有する。吸気制御弁3が閉じた状態(実線で示す)では、第1ポート部21および出口ポート部23により吸気経路長の大きいロングポートが形成される。また、吸気制御弁3が開いた状態(二点鎖線で示す)では、第2ポート部22および出口ポート部23により吸気経路長の小さいショートポートが形成される。これにより、吸気装置本体101は、吸気制御弁3による開口部24の開閉とともに吸気経路長が変更される。すなわち、吸気制御弁3は、エンジン110の各気筒への吸気経路長を変更する可変吸気バルブとして機能する。したがって、吸気装置100は、エンジン回転数やエンジン負荷に応じて吸気経路長が変更されるとともに、適量の吸気がシリンダヘッド90を介してエンジン110の各気筒に供給されるように構成されている。
【0036】
(吸気制御弁の構造)
吸気制御弁3は、図3に示すように、シャフト31(回動軸の一例)と、4つの弁体40(吸気バルブの一例)と、駆動力によりシャフト31を回動させるアクチュエータ33と、アクチュエータ33の駆動力をシャフト31に伝達するリンク部材34とを備える。
【0037】
シャフト31は、金属製(ステンレス鋼やアルミニウム合金など)であり、断面が矩形形状(長方形形状)を有する。この場合、図7に示すように、シャフト31は、矩形形状の断面の長辺を構成する一対の外側面31aと、矩形形状の断面の短辺を構成する一対の外側面31bとにとって囲まれた断面形状を有している。また、シャフト31は、吸気ポート2a〜2dが横に並ぶX軸方向(回動軸線方向の一例)に直線的に延びて4連の第2ポート部22(図1参照)を貫通している。アクチュエータ33は、直動型の負圧アクチュエータであり、リンク部材34を介して駆動力をシャフト31に伝達することによってシャフト31が挿入(圧入)されている4つの弁体40を一斉に回動させる駆動源の役割を有している。
【0038】
また、シャフト31は、X軸方向に並ぶ4つの弁体40の後述する回動軸本体部42を順次貫通した状態で固定されている。そして、シャフト31が内部に配置された4つの弁体40は、端部隔壁12に形成された凹状の保持部81および82(2箇所)に各々配置される軸受部品61および62によって両端を回動可能に支持されている。また、これと同時に、中間隔壁11に形成された凹状の保持部70(3箇所)に配置される3つの軸受部品51および52によってシャフト31の中間部分に対応する弁体40の部分が回動可能に支持されている。なお、軸受部品62および中央に位置する軸受部品52には、環状のベアリング65がそれぞれ嵌め込まれている。これにより、4つの弁体40のうち2つの弁体40の一端の回動軸部43は、ベアリング65を介して軸受部品62および軸受部品52に回動可能に支持されている。また、残りの2つの弁体40の両端の回動軸部43は、ベアリング65を介することなく軸受部品61および軸受部品51に対して直接的に摺動(回動)可能に支持されている。
【0039】
(弁体の詳細な構造)
個々の弁体40は、図4および図5に示すように、樹脂製(たとえば6,6−ナイロン)であり、若干円弧状(図2参照)に反っている翼部41と、翼部41が延びる長手方向(矢印A方向)の中央部をX軸方向に延びる回動軸本体部42とを含む。すなわち、図2に示すように、弁体40は、X軸方向から見て左右対称(矢印A方向)な形状を有している。また、図4および図5に示すように、翼部41は、開口部24(図1参照)の内側面の形状に対応して4隅に丸みを帯びたR形状が設けられている。
【0040】
また、弁体40における回動軸本体部42のX軸方向の両端部分には、翼部41から矢印X1方向および矢印X2方向に突出するとともに、円筒形状を有する一対の回動軸部43が形成されている。なお、個々の回動軸部43は、弁体40の側方に配置された軸受部品51、52、61および62(図3参照)のいずれかにより摺動(回動)可能に支持される。これにより、4つの弁体40は、軸受部品51、52、61および62によって摺動(回動)可能に支持されている。なお、弁体40を背面(翼部41の湾曲外側)から見た場合の構造を図4に示すとともに、弁体40を内面(翼部41の湾曲内側)から見た場合の構造を図5に示している。また、一対の回動軸部43間は、距離L1を有している。
【0041】
また、図4に示すように、弁体40は、回動軸本体部42のX軸方向の中央部において紙面手前側に開口する1つの窓部42aが形成されている。また、図5に示すように、弁体40は、回動軸本体部42の中央部と両端部との間に一対の窓部42b(X1側)および窓部42c(X2側)が形成されている。窓部42a〜42cは、製造プロセス上、弁体40における後述する回動軸圧入孔45を成形する際の金型202(図9参照)の抜き穴に相当する。また、窓部42a〜42cは、樹脂成形後の弁体40にシャフト31を圧入する際にも、シャフト31をX軸方向に沿って歪みなく直線的に貫通させるためのジグ(図示せず)が挿入されるためにも使用される。なお、窓部42a〜42cは、シャフト31の矩形形状の断面の長辺を構成する一対の外側面31aの幅(矢印A方向)を有してX軸方向に沿って所定距離だけ延びた開口形状を有している。
【0042】
ここで、本実施形態では、図3および図6に示すように、弁体40の回動軸本体部42は、X軸方向(回動軸線方向)の端部に設けられ、シャフト31の圧入時にシャフト31の挿入動作をガイドする回動軸圧入ガイド孔44と、回動軸圧入ガイド孔44よりもX軸方向の内側(回動軸本体部42の中央側)に設けられ、回動軸圧入ガイド孔44を介して挿入されたシャフト31が圧入されている回動軸圧入孔45とを含む。また、回動軸本体部42にシャフト31が固定(圧入)された状態では、窓部42a〜42cから、シャフト31の外側面31aが露出される。そして、図6に示すように、回動軸圧入ガイド孔44は、X軸方向から見て、回動軸圧入孔45に向かって断面積が徐々に小さくなるような先細り形状部44aを有している。
【0043】
また、弁体40の回動軸部43は、弁体40のX軸方向の両端部に設けられており、回動軸圧入孔45は、一方側(X1側)の回動軸部43に対応した回動軸圧入ガイド孔44と窓部42bとの間に設けられた第1回動軸圧入孔45aと、他方側(X2側)の回動軸部43に対応した回動軸圧入ガイド孔44と窓部42cとの間に設けられた第2回動軸圧入孔45bとを含んでいる。なお、第1回動軸圧入孔45aと第2回動軸圧入孔45bとは、同じ構造を有している。
【0044】
また、第1回動軸圧入孔45aは、X1側の回動軸部43よりもX軸方向の内側(X2側)に設けられるとともに、第2回動軸圧入孔45bは、X2側の回動軸部43よりもX軸方向の内側(X1側)に設けられている。この場合、図5に示すように、第1回動軸圧入孔45aと第2回動軸圧入孔45bとは、圧入位置間距離L2を有して互いに隔てられている。また、図7に示すように、第1回動軸圧入孔45aおよび第2回動軸圧入孔45bは、X軸方向から見て、矩形形状の断面を有するシャフト31(ハッチング領域内)に対応するように矩形形状の断面を有している。そして、X軸方向から見て円形状を有する回動軸圧入ガイド孔44の内周面44b(図6および図7参照)は、先細り形状部44aを介して、矩形形状の断面を有する第1回動軸圧入孔45aの内側面46および第2回動軸圧入孔45bの内側面46に対して、それぞれ、滑らかに接続されている。
【0045】
また、第1回動軸圧入孔45aおよび第2回動軸圧入孔45bは、それぞれ、各々の内側面46に設けられた複数の凸部(後述する第1凸部47および第2凸部48)を有している。そして、弁体40は、回動軸圧入孔45の複数の凸部(第1凸部47および第2凸部48)がシャフト31の外側面31aおよび31bに当接することによってシャフト31に固定されている。
【0046】
また、図7に示すように、第1回動軸圧入孔45a(第2回動軸圧入孔45b)の内側面46は、X軸方向から見て、矢印B方向に互いに対向するとともに矩形形状の長辺を構成する一対の第1内側面46aと、矢印A方向に互いに対向するとともに矩形形状の短辺を構成する一対の第2内側面46bとを有する。同様に、第2回動軸圧入孔45bも、一対の第1内側面46aと、一対の第2内側面46bとを有する。また、上記した複数の凸部は、各々の第1内側面46aに設けられた2つ(2本)の第1凸部47と、各々の第2内側面46bに設けられた2つ(2本)の第2凸部48とを含んでいる。
【0047】
そして、第1内側面46aに設けられた隣接する第1凸部47間の形成間隔L3は、第2内側面46bに設けられた隣接する第2凸部48間の形成間隔L4よりも大きい(L3>L4)。また、第1回動軸圧入孔45a(第2回動軸圧入孔45b)においては、X軸方向から見て、翼部41の延びる弁体40の長手方向(矢印A方向)に沿って第1内側面46aが延びている。また、第1回動軸圧入孔45a(第2回動軸圧入孔45b)の第1内側面46aに沿った中心線は、翼部41の弁体40の長手方向に沿った中心線150(一点鎖線)に一致しており、一対の第1内側面46aの対向間隔L5と、翼部41の厚みT1(一般肉厚)とは、ほぼ等しい(L1≒T1)。
【0048】
また、第1凸部47は、シャフト31の外側面31aに沿って延びる平坦面状の当接面47aを有している。また、第2凸部48は、シャフト31の外側面31bに沿って延びる平坦面状の当接面48aを有している。また、第1凸部47および第2凸部48の各々は、シャフト31側に若干突出するような台形形状を有している。
【0049】
したがって、シャフト31の矢印A方向に延びる外側面31aの部分と第1回動軸圧入孔45aにおける第1凸部47の当接面47a(合計4箇所)とが当接するとともに、シャフト31の矢印B方向に延びる外側面31bの部分と第1回動軸圧入孔45aにおける第2凸部48の当接面48a(合計4箇所)とが当接している。同様に、シャフト31の矢印A方向に延びる外側面31aの部分と第2回動軸圧入孔45bにおける第1凸部47の当接面47a(合計4箇所)とが当接するとともに、シャフト31の矢印B方向に延びる外側面31bの部分と第2回動軸圧入孔45bにおける第2凸部48の当接面48a(合計4箇所)とが当接している。そして、図3および図6に示すように、個々の弁体40は、第1回動軸圧入孔45aおよび第2回動軸圧入孔45bの2箇所によって1本のシャフト31の外側面31aおよび31bに対して固定されている。
【0050】
また、本実施形態では、図7に示すように、互いに隣接する第1内側面46aの第1凸部47と第2内側面46bの第2凸部48とは、回動軸圧入孔45の丸みを帯びたR形状からなる内側面46の部分(4箇所の隅部46c)により接続されている。そして、第1凸部47および第2凸部48は、それぞれ、回動軸圧入孔45の延びるX軸方向に沿って延びている。この場合、2本の第1凸部47はX軸方向に沿って互いに平行に延びており、2本の第2凸部48はX軸方向に沿って互いに平行に延びている。
【0051】
また、第1回動軸圧入孔45aおよび第2回動軸圧入孔45bの各々は、第2内側面46bに設けられるとともに第2凸部48に沿って延びる溝部49を有している。具体的には、図7および図8に示すように、第2内側面46bにおいては、隣接する2本の第2凸部48の間に1本の溝部49aが形成されているとともに、第2凸部48の溝部49aとは反対側に一対の溝部49bが形成されている。なお、第1内側面46aにおいては、溝部49は形成されていない。この溝部49aおよび49bが設けられている理由を以下に説明する。溝部49aおよび49bは、弁体40の製造プロセス上、必要になる。
【0052】
具体的には、図9に示すように、弁体40を樹脂成形する際に、回動軸本体部42の内部に回動軸圧入孔45を成形するために、2種類の金型201および202が用いられる。すなわち、金型201が図中X2側に配置され、かつ、金型202が図中X1側に配置された状態で、金型201と金型202とが互いに接触される状態にセットされる。また、回動軸本体部42の外部から翼部41にかけての外形を形成するために、金型201の外側に別な金型(図示せず)がセットされる。そして、この状態で樹脂が射出成形される。その後、金型201を矢印X2方向に抜くとともに、金型202を矢印B1方向に抜くことによって、弁体40(図5参照)における回動軸圧入孔45の部分が形成される。
【0053】
ここで、金型201は、X1側の先端部に金型202に対する突き当て部分201aを形成しておく必要がある。また、突き当て部分201aにおいては、矢印A方向に突出長さL6だけ突出する一対のリブ201b(X軸方向に見た場合3箇所)を設けるようにしておく。そして、金型201と金型202とを互いに接触させることによって、窓部42c(42b、42a)を含む回動軸圧入孔45の内面が構成され、樹脂の射出成形が行われる。
【0054】
金型201に上記した一対のリブ201bを設けておくことによって、リブ201bを設けない場合と異なり、リブ201bを設ける分だけ金型201の矢印A方向の幅W(金型の厚み)を増加させることができる。したがって、突き当て部分201aの幅W(金型の厚み)が厚肉化される分だけ、金型202に対して突き当てる型合わせを繰り返し行った場合であっても、金型201における突き当て部分201aの摩耗および損傷が起きにくくなる。換言すると、1つの金型201を用いてより多くの個数の弁体40を製造することが可能になる。したがって、このようなリブ201bを有する金型201を除去することによって、リブ201bであった部分が、第2内側面46bにおける溝部49aおよび49bになる。
【0055】
また、図7に示すように、シャフト31を第1回動軸圧入孔45a(第2回動軸圧入孔45b)に圧入する際、矩形形状の長辺を構成する外側面31aが第1内側面46aに対向して第1凸部47に当接する。また、外側面31aは、窓部42a〜42cからも露出する。この際、窓部42a〜42c(図4および図5参照)には、シャフト31をX軸方向に沿って歪みなく直線的に貫通させるためのジグ(図示せず)が予め挿入される。そして、挿入中のシャフト31が窓部42a〜42cを介してジグにより挿入動作をガイドされる際、矩形形状の長辺を構成する外側面31aがジグからの矯正力を確実に受け止めることになる。したがって、十分な開口面積を有する窓部42a〜42cを介してシャフト31の外側面31aからジグへの受圧面積が確保される分、シャフト31の第1回動軸圧入孔45aおよび第2回動軸圧入孔45bに対する圧入に伴う応力が低減されて弁体40の破損が回避される。
【0056】
また、図1に示すように、弁体40の周縁部にはゴム製のシール部材35が設けられており、弁体40の閉状態(図2参照)での開口部24のシール面24aに対するシール性が向上されている。また、吸気制御弁3は、シャフト31を回動させて4つの弁体40を同じ位相で回動させることにより、4つの吸気ポート2a〜2dの全てにおいて、各々に対応する開口部24の開閉動作が同期されるように構成されている。本実施形態における吸気装置100は、上記のように構成されている。
【0057】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0058】
本実施形態では、上記のように、X軸方向(回動軸線方向)の端部に設けられ、シャフト31の圧入時にシャフト31をガイドする回動軸圧入ガイド孔44と、回動軸圧入ガイド孔44よりも回動軸線方向の内側に設けられ、回動軸圧入ガイド孔44を介して挿入されたシャフト31が圧入されている回動軸圧入孔45とを含む樹脂製の弁体40を備える。これにより、樹脂製の弁体40が単体の状態でX軸方向に沿った反りを有していても、たとえば、弁体40の両端部(一対の回動軸部43)の保持位置(圧入位置間距離:距離L1)でシャフト31を弁体40に圧入した場合に弁体40の反り形状に沿ってシャフト31が容易に湾曲変形するのと異なり、弁体40が端部の回動軸圧入ガイド孔44よりもX軸方向内側(中心寄り)に位置する回動軸圧入孔45(第1回動軸圧入孔45aおよび第2回動軸圧入孔45b)の部分でシャフト31に固定(保持)される分、圧入位置の間隔(圧入位置間距離L2)をより短くすることができる。したがって、金属製のシャフト31がより短い圧入位置間距離L2を隔てて第1回動軸圧入孔45aおよび第2回動軸圧入孔45bの部分で拘束される分、短距離におけるシャフト31の剛性を利用して樹脂製の弁体40の反りを矯正することができる。すなわち、弁体40の両端部の同芯度が向上される(軸ずれ量が低下される)ので、弁体40を回動可能に支持する軸受部品51、52、61および62に対する弁体40の回動軸部43の回動抵抗を低下させることができる。
【0059】
また、回動軸圧入ガイド孔44においてシャフト31は圧入された状態にならないので、弁体40の回動軸部43の外径が拡大(膨張)しない分、これによっても、弁体40の回動軸部43の回動抵抗を低下させることができる。また、弁体40の回動軸部43の回動抵抗が低下される分、回動軸部43の軸受部品51、52、61および62に対する偏摩耗の発生が抑制されるので、回動軸部43と軸受部品51、52、61および62との間に過剰な隙間が生じず、隣接する吸気ポート2a〜2d同士での吸気の漏れが発生するのを抑制することができる。これらの結果、吸気ポート2a〜2d側の軸受部品51、52、61および62に対する弁体40側の回動軸部43の回動抵抗が増加するのを抑制することができるとともに、弁体40のシール性を向上させることによって、吸気脈動を効果的に得てエンジン110の性能を向上させることができる。また、弁体40の回動軸部43の回動抵抗が低下される分、シャフト31を回動させるためのアクチュエータ33が小型化された吸気装置100を得ることができる。
【0060】
また、本実施形態では、回動軸線方向の端部に設けられた回動軸圧入ガイド孔44が、X軸方向から見て、回動軸圧入孔45に向かって断面積が徐々に小さくなる先細り形状部44aを有することによって、シャフト31を弁体40に組み付ける際に、挿入中のシャフト31を回動軸圧入ガイド孔44の緩やかな先細り形状部44aをガイドとして回動軸圧入孔45に導くことができる。したがって、挿入中のシャフト31の先端部が回動軸圧入孔45の樹脂からなる内面を直接的に削るのが防止されるので、回動軸圧入孔45の内寸法が成形時のままに維持される分、シャフト31圧入後の締結力(保持力)を容易に得ることができる。その結果、シャフト31に対する弁体40のガタツキ(弁体40動作時の吸気ポート2a〜2dの内面への物理的な干渉)が抑制されて、弁体40の動作不良を抑制することができる。また、回動軸圧入ガイド孔44に先細り形状部44aを設けることによって、シャフト31側に樹脂の削れ防止のための加工(面取り加工やテーパ加工)を施す必要もないので、その分、シャフト31の製造工程を簡素化させることができる。
【0061】
また、本実施形態では、回動軸圧入孔45を回動軸部43よりもX軸方向の内側(X2側およびX1側)に設けるとともに、X軸方向から見て、矩形形状の断面を有するシャフト31に対応した矩形形状の断面を有するように構成する。そして、X軸方向から見て円形状を有する回動軸圧入ガイド孔44の内周面44bを、先細り形状部44aを介して、矩形形状の断面を有する回動軸圧入孔45の内側面46に滑らかに接続するように構成する。これにより、円形状を有する回動軸圧入ガイド孔44が内側に形成されている回動軸部43の厚み(肉厚)を回動軸線(X軸)まわりに一定にして弁体40を製造することができるので、弁体40を樹脂成形した場合であっても、樹脂成形後の樹脂部材の収縮を回動軸線まわりに均一かつ最小限に留めることができ、回動軸部43の真円度を維持することができる。また、回動軸圧入ガイド孔44の内周面44bを先細り形状部44aを介して矩形形状の断面を有する回動軸圧入孔45の内側面46に滑らかに接続することによって、回動軸圧入ガイド孔44を介してシャフト31を回動軸圧入孔45に圧入する際に、緩やかに先細りする回動軸圧入ガイド孔44により導かれたシャフト31の先端部が、矩形形状の断面を有する回動軸圧入孔45の樹脂からなる内側面46を直接的に削るのを効果的に防止することができる。
【0062】
また、本実施形態では、回動軸部43は、弁体40のX軸方向の両端部(X1側およびX2側)に設けられており、回動軸圧入孔45を、一方側の回動軸部43に対応した回動軸圧入ガイド孔44と窓部42bとの間に設けられている第1回動軸圧入孔45aと、他方側の回動軸部43に対応した回動軸圧入ガイド孔44と窓部42cとの間に設けられている第2回動軸圧入孔45bとによって構成する。これにより、弁体40のX軸方向に沿った両端部に回動軸圧入孔45が設けられる場合(圧入位置間距離:距離L1)と比較して、第1回動軸圧入孔45aから第2回動軸圧入孔45bまでのX軸方向の距離(圧入位置間距離L2)を短くすることができる。すなわち、樹脂製の弁体40が単体の状態でX軸方向に沿った反りを有していても、第1回動軸圧入孔45aと第2回動軸圧入孔45bとの2箇所で固定(支持)されるシャフト31は、第1回動軸圧入孔45aから第2回動軸圧入孔45bまでの距離(圧入位置間距離L2)が短い分、剛性が保たれる。したがって、シャフト31の圧入後にシャフト31自身の剛性を有効に利用して弁体40の反りを確実に矯正することができる。
【0063】
また、本実施形態では、回動軸圧入孔45の内側面46に設けられた複数の凸部(第1凸部47および第2凸部48)がシャフト31の外側面31aおよび31bに当接することにより弁体40をシャフト31に固定する。これにより、回動軸圧入孔45の内側面46の全領域にシャフト31の外側面31aおよび31bからの圧入荷重が加わる場合と異なり、シャフト31の外側面31aおよび31bからの圧入荷重の作用点を回動軸圧入孔45の内側面46における第1凸部47および第2凸部48の部分にのみ限定することができる。すなわち、シャフト31の回動軸圧入孔45(弁体40)に対する圧入荷重を減少させることができるので、圧入後の回動軸圧入孔45に割れが生じるのを回避することができる。この結果、樹脂製の弁体40の破損に起因して弁体40の生産性が低下するのを抑制しつつ、圧入による弁体40の固定力を適切に維持することができる。
【0064】
また、本実施形態では、回動軸圧入孔45の内側面46は、X軸方向から見て、互いに対向するとともに矩形形状の長辺を構成する一対の第1内側面46aと、互いに対向するとともに矩形形状の短辺を構成する一対の第2内側面46bとを有し、第1内側面46aに2本の第1凸部47を設けるとともに、第2内側面46bに2本の第2凸部48を設ける。そして、隣接する第1凸部47間の形成間隔L3を、隣接する第2凸部48間の形成間隔L4よりも大きく構成する。これにより、互いに寸法の異なる第1内側面46aおよび第2内側面46bの各々に対応させて、第1内側面46aに対するシャフト31の外側面31aからの圧入荷重の作用点、および、第2内側面46bに対するシャフト31の外側面31bからの圧入荷重の作用点をそれぞれ制御(調整)することができる。これにより、シャフト31圧入後の回動軸圧入孔45の内側面46(第1内側面46aおよび第2内側面46b)に割れが生じるのを容易に回避することができる。
【0065】
また、本実施形態では、互いに隣接する第1内側面46aの第1凸部47と第2内側面46bの第2凸部48とを、回動軸圧入孔45の丸みを帯びた内側面46の部分(4箇所の隅部46c)により接続する。これにより、シャフト31を回動軸圧入孔45に圧入した際の第1内側面46aおよび第2内側面46bにおける応力を、回動軸圧入孔45の互いに隣接する第1内側面46aの第1凸部47と第2内側面46bの第2凸部48との間の丸みを帯びた内側面46の部分(内側面46の4隅の部分)によって均一に分散させることができる。これにより、シャフト31を回動軸圧入孔45に圧入した際の応力集中に起因する弁体40の破損を回避することができる。
【0066】
また、本実施形態では、第2内側面46bに設けられるとともに第2凸部48に沿って延びる溝部49を回動軸圧入孔45に設ける。これにより、弁体40の製造プロセス上、第2凸部48および溝部49を有する第2内側面46bを含むとともにX軸方向に延びる回動軸圧入孔45(45a、45b)を樹脂成形するための金型201と、回動軸圧入孔45に圧入されたシャフト31の外側面31aを露出させる窓部42a〜42cを樹脂成形するための金型202とを組み合わせる際に、金型202に対する金型201の突き当て部分201aに関して溝部49を形成する分だけ「突出しろ」(金型201の逃がししろとなるリブ201b)を確保することができる。すなわち、金型201に溝部49を形成するための突出しろ(リブ201b)を設ける分だけ、金型201のサイズ(金型の厚み)を厚肉化する(大きくする)ことができる。これにより、繰り返し使用される金型201の寿命を延ばすことができるので、1セットの金型201および202から製造される弁体40の個数を増加させることができる。
【0067】
また、本実施形態では、X軸方向から見て、翼部41の延びる弁体40の長手方向(矢印A方向)に沿って第1内側面46aが延びるように構成する。これにより、一対の第1内側面46aの延びる方向が翼部41の延びる方向に揃う分、矩形形状の短辺を構成する一対の第2内側面46bの延びる方向を、弁体40の翼部41の厚み方向に揃えることができる。これにより、弁体40の翼部41の厚みT1(一般肉厚)を小さくすることができるので、吸気ポート2a〜2d内において弁体40まわりを流れる吸気の圧損を低減させることができる。
【0068】
また、本実施形態では、回動軸圧入孔45の第1内側面46aに沿った中心線150は、翼部41の弁体40の長手方向に沿った中心線150に一致しており、一対の第1内側面46aの対向間隔L5と、翼部41の厚みT1とを、おおよそ等しく構成する。これにより、シャフト31の外側面31aによって回動軸圧入孔45の一対の第2内側面46bが弁体40の長手方向(矢印A方向)に沿って押圧される場合であっても、第2内側面46bの背後に一対の第1内側面46aの対向間隔と等しい厚みT1(肉厚)を有する中実構造の翼部41が存在するので、翼部41側の剛性を利用してシャフト31の圧入に伴う翼部41の変形(反り)を最小限に留めることができる。
【0069】
また、本実施形態では、複数の凸部(4本の第1凸部47および4本の第2凸部48)を、それぞれ、回動軸圧入孔45の延びるX軸方向に沿って延びるように構成する。これにより、X軸方向に延びる複数の凸部(4本の第1凸部47および4本の第2凸部48)の形成領域に亘って、複数の凸部(4本の第1凸部47および4本の第2凸部48)を介してシャフト31を支持することができるので、回動軸圧入孔45の形成領域に亘って、シャフト31を均一に支持(保持)することができる。
【0070】
また、本実施形態では、複数の凸部(4本の第1凸部47および4本の第2凸部48)の各々は、シャフト31の外側面31aに沿って延びる平坦面状の当接面47a、および、外側面31bに沿って延びる平坦面状の当接面48aを有する。これにより、第1凸部47の平坦面状に延びる当接面47aおよび第2凸部48の平坦面状に延びる当接面48aを介して、シャフト31の外側面31aおよび31bに弁体40の回動軸圧入孔45を確実に面接触させることができる。また、このような面接触による固定により、シャフト31の外側面31aおよび31bに弁体40を安定して固定することができる。
【0071】
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0072】
たとえば、上記実施形態では、第1内側面46aに2本の第1凸部47を設けるとともに、第2内側面46bに2本の第2凸部48を設けたが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1内側面46aに1本の第1凸部47を設けるとともに、第2内側面46bに1本の第2凸部48を設けてもよい。すなわち、第1回動軸圧入孔45a(第2回動軸圧入孔45b)において、シャフト31の圧入箇所を4箇所にしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、互いに隣接する第1内側面46aの第1凸部47と第2内側面46bの第2凸部48とをR形状からなる内側面46の部分(4箇所の隅部46c)により接続したが、本発明はこれに限られない。隅部46cを直線的な傾斜面(45°の面取り部)により構成してもよい。これによっても、シャフト31を回動軸圧入孔45に圧入した際の応力集中に起因した弁体40の破損を回避することができる。
【0074】
また、上記実施形態では、第1凸部47および第2凸部48の各々を当接面47aおよび当接面48aをそれぞれ有する台形形状に形成したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1凸部47および第2凸部48を台形形状よりも幅の小さい筋状(細長状)でかつ丸みを帯びた当接面を有するように構成してもよいし、台形形状ではない矩形形状を有するように構成してもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、弁体40を、吸気経路長を変更する吸気制御弁3に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。弁体40を、縦渦を発生させるTCV(タンブルコントロールバルブ)や横渦を発生させるSCV(スワールコントロールバルブ)など、吸気経路長を変更する吸気制御弁以外の吸気バルブに適用してもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、4つの弁体40のうち2つの弁体40の一端の回動軸部43にベアリング65を介在させて回動可能に支持したが、本発明はこれに限られない。すなわち、ベアリング65を用いることなく、弁体40の回動軸部43を軸受部品に対して直接的に摺動させて回動可能に支持するように吸気制御弁3を構成してもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、4つの弁体40に共通のアクチュエータ33をシャフト31の一方端に接続する例を示したが、本発明はこれに限られない。複数の弁体40に共通のアクチュエータを複数の弁体40の間に配置してシャフト31の中央部に接続してもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、アクチュエータ33として直動型の負圧アクチュエータを用いたが、本発明はこれに限られない。たとえば、電動型のアクチュエータを用いてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、吸気装置100を、自動車用の直列4気筒型のエンジン110に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明の吸気装置を、自動車用のエンジン110以外の内燃機関に適用してもよいし、直列4気筒型以外のエンジン(内燃機関)110に適用してもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、ガソリン機関からなるエンジン110を備えた車両(自動車)に搭載される吸気装置100に本発明を適用したが、本発明はこれに限られない。すなわち、ガソリンエンジン以外のディーゼルエンジンおよびガスエンジンなどに搭載される吸気装置100に対して本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 サージタンク
2a〜2d 吸気ポート
3 吸気制御弁
31 シャフト(回動軸)
31a、31b 外側面
40 弁体(吸気バルブ)
41 翼部
42 回動軸本体
42a、42b、42c 窓部
43 回動軸部
44 回動軸圧入ガイド孔
44a 先細り形状部
45 回動軸圧入孔
45a 第1回動軸圧入孔
45b 第2回動軸圧入孔
46 内側面
46a 第1内側面
46b 第2内側面
46c 隅部
47 第1凸部
47a、48a 当接面
48 第2凸部
49、49a、49b 溝部
51、52、61、62 軸受部品
90 シリンダヘッド
100 吸気装置
110 エンジン
150 中心線
201、202 金型
201a 突き当て部分
201b リブ
L2 圧入位置間距離
L3、L4 形成間隔
L5 対向間隔
L6 突出長さ
T1 厚み
W 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9