(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
画像の画素信号を生成する通常画素と、像面位相差AF機能を制御するための位相差信号算出に用いられる画素信号を生成する位相差検出画素とが混載された固体撮像素子において、
前記位相差検出画素には、隣接する複数の前記位相差検出画素毎に、前記位相差信号の算出に用いられる画素信号を生成する光電変換部に対して入射光を集光するための共有型オンチップレンズが形成されており、
3種類以上の異なる波長に対して選択的な感度を有するカラーフィルタを画素毎に有し、
前記共有型オンチップレンズを共有する複数の前記位相差検出画素は、同じ波長に対して選択的な感度を有する前記カラーフィルタを有する
固体撮像素子。
前記通常画素に形成されている前記個別型オンチップレンズと、前記位相差検出画素に形成されている前記共有型オンチップレンズとの境界は、略四角形または略六角形である
請求項2に記載の固体撮像素子。
前記通常画素に形成されている前記個別型オンチップレンズと、隣接する複数の前記位相差検出画素に形成されている前記共有型オンチップレンズとの間には、ダミー集光素子構造が形成されている
請求項2に記載の固体撮像素子。
画像の画素信号を生成する通常画素と、像面位相差AF機能を制御するための位相差信号算出に用いられる画素信号を生成する位相差検出画素とが混載された固体撮像素子を備える電子装置において、
前記位相差検出画素には、隣接する複数の前記位相差検出画素毎に、前記位相差信号の算出に用いられる画素信号を生成する光電変換部に対して入射光を集光するための共有型オンチップレンズが形成されており、
3種類以上の異なる波長に対して選択的な感度を有するカラーフィルタを画素毎に有し、
前記共有型オンチップレンズを共有する複数の前記位相差検出画素は、同じ波長に対して選択的な感度を有する前記カラーフィルタを有する
電子装置。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本開示を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0036】
<本開示を適用した固体撮像素子における通常画素の構成例>
始めに、本開示は主に固体撮像素子に配置される位相差検出画素に関するものであるが、位相差検出画素との比較のために、位相差検出画素とともに本開示を適用した固体撮像素子に配置される通常画素の構成例について説明する。
【0037】
図1は、本開示を適用した固体撮像素子における通常画素30のみを4×4画素の範囲で抜き出した斜視模式図であり、
図2は、
図1のA−A’における断面模式図である。
【0038】
通常画素30は、上面側(入射面側)から順に、個別型オンチップレンズ31、カラーフィルタ層32、画素間遮光構造33、光電変換部34、および信号配線層35から成る。
【0039】
個別型オンチップレンズ31は、下層の光電変換部34に対して入射電磁波(以下、入射光と称する)をより効率的に入射させるために画素毎に形成される。カラーフィルタ層32は、入射光のうちの特定波長を下層側に透過させるため、例えばベイヤ配列等に従って配置されたR,G,Bいずれかの色に着色されたカラーフィルタが各画素を覆うように形成されている。
【0040】
画素間遮光構造33は、隣接する画素間の光学的な混色を低減するために金属材料などにより形成される。光電変換部34は、個別型オンチップレンズ31およびカラーフィルタ層32を介して入射する入射光に応じて電荷を発生して蓄積するフォトダイオードからなる。信号配線層35は、光電変換部34により発生、蓄積された信号電荷を読み出して後段に出力する。
【0041】
<本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第1の構成例>
次に、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第1の構成例について説明する。
図3は、本開示を適用した固体撮像素子における16(=4×4)画素の範囲を抜き出して図示した斜視模式図であり、このうちの2画素が第1の構成例としての位相差検出画素40であって、その他の14画素が通常画素30である。
図4は、
図3のA−A’における断面模式図であり、中央の2画素が位相差検出画素40である。なお、位相差検出画素40と通常画素30で共通する構成要素については同一の符号を付しているので、その説明は適宜省略する。以降に説明する第2の構成例などについても同様とする。
【0042】
位相差検出画素40は、上面側(入射面側)から順に、共有型オンチップレンズ41、カラーフィルタ層32、画素間遮光構造33、光電変換部34、および信号配線層35から成る。
【0043】
図5は、共有型オンチップレンズ41の上面図を示している。同図に示されるように、共有型オンチップレンズ41は、隣接する複数(同図の場合、2)の位相差検出画素40を覆うように形成される。すなわち、
図3および
図4に示された第1の構成例は、2つの位相差検出画素40が共有型オンチップレンズ41を共有する構成を有している。
【0044】
なお、共有型オンチップレンズ41を共有する複数の位相差検出画素40の間には、通常画素30どうしの間、および通常画素30と位相差検出画素40の間に形成される画素間遮光構造33が形成されない。ただし、共有型オンチップレンズ41を共有する複数の位相差検出画素40の間に画素間遮光構造33を形成してもよい。
【0045】
図示したように、通常画素30と位相差検出画素40が配置される固体撮像素子では、通常画素30により撮像画像の高解像度化、高画質化が実現できる。また、位相差検出画素40では、光を遮光構造でブロックすることなく共有型オンチップレンズ41の集光力で位相差検出するため、感度が高く、分離比特性が良い位相差検出が可能となる。さらに、光を散乱したり、回折したりする障害物が光路中にないことから光の散乱、回折により生じ得る隣接画素の混色が抑止されるので、画質劣化も防ぐことができる。
【0046】
<本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第2の構成例>
次に、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第2の構成例について説明する。
図6は、本開示を適用した固体撮像素子における隣接する4画素の断面模式図であり、中央の2画素が第2の構成例としての位相差検出画素50である。
【0047】
第2の構成例である位相差検出画素50は、第1の構成例である位相差検出画素40の共有型オンチップレンズ41を、共有型オンチップレンズ51に置換したものである。すなわち、
図6に示された第2の構成例は、2つの位相差検出画素50が共有型オンチップレンズ51を共有する構成を有している。
【0048】
図6は、2つの位相差検出画素50を覆う共有型オンチップレンズ51と、隣接する通常画素30の個別型オンチップレンズ31の上面図を示している。
【0049】
共有型オンチップレンズ51を個別型オンチップレンズ31と同様の製造方法により形成した場合、個別型オンチップレンズ31は隣接画素間でほぼギャップなく平面充填されており、その形状が略四角形となるのに対して、共有型オンチップレンズ51はその形状が略6角形形状となる。これにより通常画素30と位相差検出画素50の集光素子構造(オンチップレンズ)の間にギャップが生じることなく、位相差検出画素50の感度を高くすることが可能になる。
【0050】
<本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第3の構成例>
次に、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第3の構成例について説明する。
図8は、本開示を適用した固体撮像素子における隣接する4画素の断面模式図であり、中央の2画素が第3の構成例としての位相差検出画素60である。
【0051】
第3の構成例である位相差検出画素60は、第1の構成例である位相差検出画素40の共有型オンチップレンズ41を、共有型オンチップレンズ52およびダミー集光素子構造53に置換したものである。すなわち、
図8に示された第3の構成例は、2つの位相差検出画素50が共有型オンチップレンズ52およびダミー集光素子構造53を共有する構成を有している。
【0052】
図9は、2つの位相差検出画素60を覆う共有型オンチップレンズ52およびダミー集光素子構造53と、隣接する通常画素30の個別型オンチップレンズ31の上面図を示している。
【0053】
ダミー集光素子構造53は、位相差検出画素60を覆う共有型オンチップレンズ52と隣接する通常画素30を覆う個別型オンチップレンズ31との間に形成される。ダミー集光素子構造53を設けることにより、個別型オンチップレンズ31および共有型オンチップレンズ52は隣接画素間でほぼギャップなく平面充填することができ、さらにその構造変形を最小限に留め光学混色の少ない位相差検出画素を実現することができる。
【0054】
<第3の構成例である位相差検出画素60におけるダミー集光素子構造53の位置と、瞳補正の補正量との関係>
次に、
図10乃至
図12は、
図8に示された第3の構成例である位相差検出画素60におけるダミー集光素子構造53の位置と、瞳補正の補正量との関係を説明するための図である。なお、各
図Aは、共有型オンチップレンズ52およびダミー集光素子構造53と、隣接する通常画素30の個別型オンチップレンズ31の上面図、各
図Bは断面図、各
図Cは、各位相差検出画素における入射光の入射角に対するデバイス感度の関係を示している。
【0055】
図10は、隣接する位相差検出画素60A,60Bを覆う共有型オンチップレンズ52の中心を位相差検出画素60A側に偏心した位置に形成し、ダミー集光素子構造53を共有型オンチップレンズ52と、位相差検出画素60Bの図中右側に隣接する通常画素30の個別型オンチップレンズ31との間に形成した場合を示している。この場合、垂直方向(入射角0)からの光に対しては位相差検出画素60Aの方が位相差検出画素60Bよりも感度が高くなる。よって結果として、垂直方向に近い入射角での光に対しては位相差検出画素60Aが高感度となり、図中左側からの斜め方向からの入射光に対しては位相差検出画素60Bの感度が相対的に高くなる角度応答を有する位相差検出画素対(位相差検出画素60A,60B)を実現できる。
【0056】
図11は、隣接する位相差検出画素60A,60Bを覆う共有型オンチップレンズ52の中心を両画素の中心と一致させた位置に形成し、ダミー集光素子構造53を、共有型オンチップレンズ52と、位相差検出画素60A,60Bそれぞれと隣接する通常画素30の個別型オンチップレンズ31との間に形成した場合を示している。この場合、垂直方向(入射角0)からの光に対しては位相差検出画素60Aと60Bの感度は等しくなる。よって結果として、垂直方向に近い入射角での光に対しては位相差検出画素60Aが高感度となり、図中の左右斜め方向からの入射光に対しては、入射角0を基準として左右対照的な角度応答を有する位相差検出画素対(位相差検出画素60A,60B)を実現できる。
【0057】
図12は、隣接する位相差検出画素60A,60Bを覆う共有型オンチップレンズ52の中心を位相差検出画素60B側に偏心した位置に形成し、ダミー集光素子構造53を、共有型オンチップレンズ52と、位相差検出画素60Aの図中左側に隣接する通常画素30の個別型オンチップレンズ31との間に形成した場合を示している。この場合、垂直方向(入射角0)からの光に対しては位相差検出画素60Bの方が位相差検出画素60Aよりも感度が高くなる。よって結果として、垂直方向に近い入射角での光に対しては位相差検出画素60Bが高感度となり、図中右側からの斜め方向からの入射光に対しては位相差検出画素60Aの感度が相対的に高くなる角度応答を有する位相差検出画素対(位相差検出画素60A,60B)を実現できる。
【0058】
図10乃至
図12に示された位相差検出画素対を固体撮像素子の適切な位置に配置することにより、CRAレンジが広いズームレンズなどにも対応できる固体撮像素子を実現できる。
【0059】
<本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第3の構成例の変形例>
次に、
図13は、
図10のB乃至
図12のBに示された第3の構成例である位相差検出画素60の変形例を示している。具体的には、位相差検出画素60A,60Bを覆う共有型オンチップレンズ52およびダミー集光素子構造53を隣接する通常画素30上にまでずらして形成し、これに伴い、隣接する通常画素30の個別型オンチップレンズ31もずらして形成するようにしたものである。
【0060】
図13のAの変形例は、
図10のBに示された状態からさらに、個別型オンチップレンズ31、共有型オンチップレンズ52およびダミー集光素子構造53を、図中右側にずらして形成したものである。この場合、通常画素30Cの個別型オンチップレンズ31は右側に偏心しており、その瞳補正をレンズ光学系の主光線と同等に設計することができる。一方で位相差検出画素60A,60Bは、その右側にダミー集光素子構造53を形成していることにより、相対的に左側からの光に対して位相差が0になるか、または位相差検出画素60A,60Bの出力を同等にすることができる。
【0061】
図13のBの変形例は、
図11のBに示された状態からさらに、個別型オンチップレンズ31、共有型オンチップレンズ52およびダミー集光素子構造53を、図中右側にずらして形成したものである。この場合、通常画素30Cの個別型オンチップレンズ31は右側に偏心しており、その瞳補正をレンズ光学系の主光線と同等に設計することができる。一方で位相差検出画素60A,60Bは、その左右にダミー集光素子構造53を均等に形成していることにより、通常画素30Cで感度最大になる入射角方向と同等の角度で、位相差検出画素60A,60Bの出力を同等にすることができる。
【0062】
図13のCの変形例は、
図12のBに示された状態からさらに、個別型オンチップレンズ31、共有型オンチップレンズ52およびダミー集光素子構造53を、図中右側にずらして形成したものである。この場合、通常画素30Cの個別型オンチップレンズ31は右側に偏心しており、その瞳補正をレンズ光学系の主光線と同等に設計することができる。一方で位相差検出画素60A,60Bは、その左側にダミー集光素子構造53を形成していることにより、相対的に右側からの光に対して位相差が0になるか、または位相差検出画素60A,60Bの出力を同等にすることができる。
【0063】
図13に示されたように、ダミー集光素子構造53の大きさ、幅、その配置を変更することにより、通常画素30と位相差検出画素60の瞳補正の補正量を異なる大きさに設計すれば、例えば光学ズームレンズなどのような焦点距離に応じて主光線角度が大きく変化するような場合でも、高精度の位相差検出が可能となる。
【0064】
<本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第4の構成例>
次に、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第4の構成例について説明する。
図14は、本開示を適用した固体撮像素子における16(=4×4)画素を抜き出して図示した斜視模式図であり、このうちの3画素が第4の構成例としての位相差検出画素80であって、その他の13画素が通常画素30である。
図15は、
図14のA−A’における断面模式図であり、左側の3画素が位相差検出画素80である。
【0065】
位相差検出画素80は、上面側(入射面側)から順に、共有型オンチップレンズ81、カラーフィルタ層32、画素間遮光構造33、光電変換部34、および信号配線層35から成る。
【0066】
図16は、共有型オンチップレンズ81の上面図を示している。同図に示されるように、共有型オンチップレンズ81は、2つの共有型オンチップレンズ81−1,81−2によって、隣接する3つの位相差検出画素80を覆うように形成される。すなわち、
図14および
図15に示された第4の構成例は、3つの位相差検出画素80が2つの共有型オンチップレンズ81−1,81−2を共有する構成を有している。
【0067】
なお、2つの共有型オンチップレンズ81−1,81−2を共有する3つの位相差検出画素80のうち、中央の位相差検出画素80は画素開口のほぼ半分が覆われて遮光されているものとする。
【0068】
<本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第5の構成例>
次に、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第5の構成例について説明する。
図17は、本開示を適用した固体撮像素子における隣接する4画素の断面模式図であり、左側の3画素が第5の構成例としての位相差検出画素90である。
【0069】
第5の構成例である位相差検出画素90は、第4の構成例である位相差検出画素80の共有型オンチップレンズ81を、共有型オンチップレンズ91に置換したものであり、共有型オンチップレンズ81と同様に、共有型オンチップレンズ91は、2つの共有型オンチップレンズ91−1,91−2によって、隣接する3つの位相差検出画素90を覆うように形成される。
【0070】
図18は、3つの位相差検出画素90を覆う2つの共有型オンチップレンズ91−1,91−2と、隣接する通常画素30の個別型オンチップレンズ31の上面図を示している。
【0071】
共有型オンチップレンズ91を個別型オンチップレンズ31と同様の製造方法により形成した場合、個別型オンチップレンズ31は隣接画素間でほぼギャップなく平面充填されており、その形状が略四角形となるのに対して、共有型オンチップレンズ91はその形状が略6角形形状となる。これにより通常画素30と位相差検出画素90の集光素子構造(オンチップレンズ)の間にギャップが生じることなく、位相差検出画素の感度を高くすることが可能になる。
【0072】
<隣接する3つの位相差検出画素を2つの共有型オンチップレンズで覆う場合の入射光の入射角に対するデバイス感度の関係>
図19は隣接する3つの位相差検出画素を2つの共有型オンチップレンズで覆う場合の入射光の入射角に対するデバイス感度の関係を説明するためのものである。
【0073】
同図上段には、金属遮光膜を用いて画素開口の左半分が遮光された従来型の位相差検出画素Aと、右半分が遮光された従来型の位相差検出画素Bのデバイス感度の入射角依存性を示している。位相差検出画素Aは入射角度+側からの光に対して高感度であり、反対に、位相差検出画素Bは−側の角度から入射する光に対して高感度である。AFに用いられる位相差情報は、両者の信号レベルの差異から算出される。
【0074】
同図中段には、本開示の第1の構成例である、1つの共有型オンチップレンズ41によって覆われた2つの位相差検出画素40A,40Bのデバイス感度の入射角依存性を示している。位相差検出画素40Aは入射角度+側からの光に対して高感度であり、反対に、位相差検出画素40Bは−側の角度から入射する光に対して高感度である。なお、グラフ中の点線は比較のために、同図上段に示された従来の位相差検出画素A,Bに対応するものである。同図に示されるように、第1の構成例である位相差検出画素40A,40Bでは、遮光に起因する感度低下がないので、全ての入射角度で従来に比較して高い感度を得ることができる。
【0075】
同図下段には、本開示の第4の構成例である、2つの共有型オンチップレンズ81によって覆われた3つの位相差検出画素80A,80B,80Cと、2つの共有型オンチップレンズ81によって覆われた3つの位相差検出画素80D,80E,80Fのデバイス感度の入射角依存性を示している。ただし、位相差検出画素80Bは画素開口の左半分が遮光され、位相差検出画素80Eは画素開口の右半分が遮光されている。
【0076】
位相差検出画素80Aは入射角度+側からの光に対して高感度であり、反対に、位相差検出画素80Cは入射角度−側からの光に対して高感度である。また、位相差検出画素80Bは画素開口の中央から左側が遮光されているので、相対的に感度が低く、さらに、位相差検出画素80Cよりも大きな−側からの入射に対してピーク感度を有する。
【0077】
位相差検出画素80Fは入射角度−側からの光に対して高感度であり、反対に、位相差検出画素80Dは入射角度+側からの光に対して高感度である。また、位相差検出画素80Eは画素開口の中央から右側が遮光されているので、相対的に感度が低く、さらに、位相差検出画素80Dよりも大きな+側からの入射に対してピーク感度を有する。
【0078】
像面位相差AFに用いられる位相差情報は、これら複数位相差検出画素80の信号レベルの差異から算出されるが、各々の位相差検出画素80がピーク感度を有する角度範囲が広がることで、広い主光線レンジの光に対して位相差を検出することができる。
【0079】
<画素配列のバリエーション>
図20は、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素40の配置例を示している。ただし、同図は固体撮像素子の36画素を6×6の画素範囲を抜き出したものであり、図中のR,G,Bはそれぞれカラーフィルタ層32の各画素の色を表している。なお、位相差検出画素40以外の通常画素30におけるカラーフィルタ層32の色の配置は4(=2×2)画素で1ユニットを構成するベイヤ配列とされている。なお、ユニット内におけるR,G,Bの各色フィルタの配置は図示するものに限定されるものではなく変更可能である。または、カラーフィルタ層32の各画素の色の構成についてもR,G,Bに限定されるものではなく、変更可能である。以降の図面においても同様である。
【0080】
同図の配置例では、図中上側から3行目の全てに位相差検出画素40が配置されており、共有型オンチップレンズ41により同色(いまの場合、G)の位相差検出画素40が2画素毎に覆われている。
【0081】
1行の全ての画素を位相差検出画素40とすることで、高精度、高感度な位相差検出とベイヤ配列による高解像度画像の両立が可能になる。
【0082】
図21は、
図20の配置例における位相差検出画素40を1列ずらした配置例を示している。1つの固体撮像素子には、
図20の配置例と
図21の配置例のように、位相を半位相ずらした位相差検出画素40を混在させることが好ましい。
図22は、
図20の配置例に対し、さらに、図中上側から5行目の全ての画素にも位相差検出画素40を配置したものであり、2×4画素でFD加算を想定した配置例を示している。FD加算に対応して同位相の位相差検出画素の出力信号の加算を可能にした配置を採用することにより、高精度、高感度な位相差検出とベイヤ配列による高解像度画像の両立が可能になる。
【0083】
図23は、図中中央の4(=2×2)画素に位相差検出画素40が配置され、横長の共有型オンチップレンズ41により同色(いまの場合、G)の位相差検出画素40が2画素毎に覆われた配置例を示している。
【0084】
図24は、
図23の配置例における位相差検出画素40を1列ずらした配置例を示している。1つの固体撮像素子には、
図23の配置例と
図24の配置例のように、位相を半位相ずらした位相差検出画素40を混在させることが好ましい。
図25は、図中中央の4(=2×2)画素に位相差検出画素40が配置され、縦長の共有型オンチップレンズ41により同色(いまの場合、G)の位相差検出画素40が2画素毎に覆われた配置例を示している。
【0085】
図26は、図中中央の4(=2×2)画素に位相差検出画素40が配置され、1つの共有型オンチップレンズ41により同色(いまの場合、G)の4つの位相差検出画素40が覆われた配置例を示している。
【0086】
図27は、図中中央の4(=2×2)画素に、色の配置がベイヤ配列の位相差検出画素40が配置され、横長の共有型オンチップレンズ41により異色(いまの場合、RとG、GとB)の位相差検出画素40が2画素毎に覆われた配置例を示している。
【0087】
図28は、
図27の配置例おける位相差検出画素40を1列ずらした配置例であり、横長の共有型オンチップレンズ41により異色(いまの場合、GとR、BとG)の位相差検出画素40が2画素毎に覆われた配置例を示している。1つの固体撮像素子には、
図27の配置例と
図28の配置例のように、位相を半位相ずらした位相差検出画素40を混在させることが好ましい。
図29は、図中中央の8(=2×4)画素に、色の配置がベイヤ配列の位相差検出画素40が配置され、横長の共有型オンチップレンズ41により異色(いまの場合、GとB、RとG)の位相差検出画素40が2画素毎に覆われており、2×4画素でのFD加算を想定した配置例を示している。
【0088】
図30は、図中中央の4(=2×2)画素に、色の配置がベイヤ配列の位相差検出画素40が配置され、縦長の共有型オンチップレンズ41により異色(いまの場合、RとG、GとB)の位相差検出画素40が2画素毎に覆われた配置例を示している。
【0089】
図31は、図中上側から3行目と4行目の全ての画素の色の配置がベイヤ配列の位相差検出画素40が配置され、横長の共有型オンチップレンズ41により異色(いまの場合、RとG、GとB)の位相差検出画素40が2画素毎に覆われた配置例を示している。
【0090】
図32は、
図31の配置例における位相差検出画素40の位相を半位相ずらした配置例を示している。1つの固体撮像素子には、
図31の配置例と
図32の配置例のように、位相を半位相ずらした位相差検出画素40を混在させることが好ましい。
図33は、図中上側から2乃至5行目の全ての画素に、色の配置がベイヤ配列の位相差検出画素40が配置され、横長の共有型オンチップレンズ41により異色(いまの場合、GとB、RとG)の位相差検出画素40が2画素毎に覆われており、2×4画素でのFD加算を想定した配置例を示している。
【0091】
図34は、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素40の配置例であり、固体撮像素子の16(=4×4)画素または24(=6×4)画素を抜き出して図示したものである。
【0092】
同
図Aの配置例は、位相差検出画素40については、Gに対して選択的な感度を有する(Gのカラーフィルタで覆われた)2画素が1つの共有型オンチップレンズ41で覆われ、かつ、各行で隣接しないように市松模様状に配置されている。通常画素30については、同じ色に対して選択的な感度を有する(同じ色のカラーフィルタで覆われた)2画素が行方向に隣接して配置されている。
【0093】
同
図Bの配置例は、位相差検出画素40については、Gに対して選択的な感度を有する2画素が1つの共有型オンチップレンズ41で覆われ、かつ、各行で隣接しないように市松模様状に配置されている。通常画素30については、N行目にはR,Bの順に配置され、N+1行目にはB,Rの順に配置されている。
【0094】
同
図Cの配置例は、位相差検出画素40については、Gに対して選択的な感度を有する2画素が1つの共有型オンチップレンズ41で覆われ、かつ、各行で隣接しないように市松模様状に配置されている。通常画素30については、各行にR,Bの順に配置されている。
【0095】
同
図Dの配置例は、位相差検出画素40については、Gに対して選択的な感度を有する2画素が1つの共有型オンチップレンズ41で覆われ、かつ、各行で隣接しないように市松模様状に配置されている。通常画素30については、全ての行と列にR,Bが存在し、対となる2つの位相差検出画素40の両脇は常に同色が配置されている。
【0096】
図35は、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素40の配置例であり、固体撮像素子の16(=4×4)画素を抜き出して図示したものである。同
図A乃至同
図Dに示される配置例では、Gに対して選択的な感度を有する位相差検出画素40が横(行)ストライプ状に連続して配置されており、その位相は全ての行で共通である。
【0097】
同
図Aの場合、通常画素30については、行方向に見た場合、各行のR,Bの配置が同一であって、同じ色が連続しないように配置されている。
【0098】
同
図Bの場合、通常画素30については、行方向に見た場合、同じ色の連続を許容して配置されている。
【0099】
同
図Cの場合、通常画素30については、行方向に見た場合、各行のR,Bの配置が異なり、かつ、同じ色が連続しないように配置されている。
【0100】
同
図Dの場合、通常画素の配置が同
図Bに示された配置例から1列だけずらして配置されている。
【0101】
図36は、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素40の配置例であり、固体撮像素子の16(=4×4)画素を抜き出して図示したものである。同
図A乃至同
図Dに示される配置例では、Gに対して選択的な感度を有する位相差検出画素40が横(行)ストライプ状に連続して配置されており、その位相は行毎に半位相だけずらして配置されている。
【0102】
同
図Aの場合、通常画素30については、行方向に見た場合、各行のR,Bの配置が同一であって、同じ色が連続しないように配置されている。
【0103】
同
図Bの場合、通常画素30については、行方向に見た場合、同じ色の連続を許容して配置されている。
【0104】
同
図Cの場合、通常画素30については、行方向に見た場合、各行のR,Bの配置が異なり、かつ、同じ色が連続しないように配置されている。
【0105】
同
図Dの場合、通常画素の配置が同
図Bに示された配置例から1列だけずらして配置されている。
【0106】
図37は、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素40の配置例であり、固体撮像素子の16(=4×4)画素を抜き出して図示したものである。ただし、同図の配置例では、位相差検出画素40のカラーフィルタ層の色はRまたはBとされている。
【0107】
すなわち、同
図Aに示される配置例は、Rに対して選択的な感度を有する位相差検出画素40が横ストライプ状に連続して配置されており、その位相が行毎に半位相だけずらして配置されている。通常画素30については、行方向に見た場合、各行のG,Bの配置が同一であって、同じ色が連続しないように配置されている。
【0108】
同
図Bに示される配置例は、Bに対して選択的な感度を有する位相差検出画素40が横ストライプ状に連続して配置されており、その位相が行毎に半位相だけずらして配置されている。通常画素30については、行方向に見た場合、各行のR,Gの配置が同一であって、同じ色が連続しないように配置されている。
【0109】
図示されたように、位相差検出画素40のカラーフィルタ層の色はGに限らず、RまたはBとしてもよい。この場合、位相差検出画素40を覆うカラーフィルタの色をGとした場合に比較して感度は1/2程度であるが、位相差検出画素40を覆う共有型オンチップレンズ41の面積が、通常画素30を覆う個別型オンチップレンズ31の2倍あるので、同等出力となり、感度比は良好となる。
【0110】
図38は、
図36のAに示された配置例における位相差検出画像40の構成を変形したものである。同
図Aは、2画素分の位相差検出画像40の領域を不均等(1:3)に2分割したものを示している。同
図Bは、2画素分の位相差検出画像40の領域を均等に3分割して多視点化したものを示している。同図に示されたように、2画素分の位相差検出画像40の領域を1:1とは異なる割合で適切に複数に分割すれば、斜入射特性の改善が期待できる。なお、
図38に示された変形例をさらに変形し、
図37に示されたように、位相差検出画素40を覆うカラーフィルタの色をRまたはBとしてもよい。
【0111】
図39は、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素40の配置例であり、固体撮像素子の16(=4×4)画素を抜き出して図示したものである。同
図A乃至同
図Dに示される配置例では、位相差検出画素40については、Gに対して選択的な感度を有する4画素が1つの共有型オンチップレンズ41によって覆われている。通常画素30については、RまたはBに対して選択的な感度を有し、1画素ずつ個別型オンチップレンズ31により覆われている。
【0112】
同
図Aの場合、Gの位相差検出画素40以外の2×2画素領域には、Rの通常画素30のみ、またはBの通常画素30のみが配置されている。
【0113】
同
図Bの場合、Gの位相差検出画素40以外の2×2画素領域には、RまたはBの同色の通常画素30が列方向に隣接して配置されている。ただし、各2×2画素領域におけるRおよびBの通常画素30の配置は異なる。
【0114】
同
図Cの場合、Gの位相差検出画素40以外の2×2画素領域には、RまたはBの同色通常画素30が列方向に隣接して配置されている。ただし、各2×2画素領域におけるRおよびBの通常画素30の配置は共通である。
【0115】
同
図Dの場合、Gの位相差検出画素40以外の2×2画素領域には、RまたはBの同色通常画素30が斜め方向に隣接して配置されている。ただし、各2×2画素領域におけるRおよびBの通常画素30の配置は共通である。
【0116】
図40は、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素40の変形例の配置例であり、固体撮像素子の18(=6×3)画素を抜き出して図示したものである。この変形例は、位相差検出画素対のサイズを通常画素のサイズよりも大きく形成したものであり、位相差検出画素対は市松模様状に配置される。
【0117】
同
図Aの場合、Gに対して選択的な感度を有するGl,Grが位相差検出画素対であり、そのサイズが、RまたはBに対して選択的な感度を有する通常画素のサイズよりも大きく形成されている。
【0118】
同
図Bの場合、Rに対して選択的な感度を有するRl,Rrと、Bに対して選択的な感度を有するBl,Brが位相差検出画素対であり、そのサイズがGに対して選択的な感度を有する通常画素のサイズよりも大きく形成されている。
【0119】
<位相差検出画素の出力を色信号として用いる場合の問題について>
ところで、例えば
図20等に示された配置例のように、特定の色(
図20の場合はG)について通常画素30と位相差検出画素40が固体撮像素子上に配置されている場合、位相差検出画素40の位置に対応する色信号は同じ色の近傍の通常画素30の出力を用いて補間できるので、位相差検出画素40の出力は位相検出信号を算出する用途だけに用いればよい。
【0120】
しかしながら、例えば
図34等に示された配置例のように、特定の色(
図34の場合はG)の全ての画素が位相差検出画素40とされている場合、同じ色の通常画素30は存在しないので、位相差検出画素40の出力は位相検出信号を算出する用途だけでなく色信号としても用いる必要がある。
【0121】
ただし、位相差検出画素40の出力を色信号としても用いた場合、該特定の色とは異なる色(
図34の場合、R,B)の通常画素30とオンチップレンズの形状が異なることから斜入射特性に違いがあって以下の問題が生じてしまう。この問題について
図41を参照して説明する。
【0122】
図41のAは、同じ色の2画素の位相差検出画素40からなる位相差検出画素対が共有型オンチップレンズ41を共有する場合を示しており、一方を位相差検出画素40l(light)、他方を位相差検出画素40r(right)と称する。
【0123】
図41のBは、位相差検出画素40l,40rのCRA=0degにおける斜入射特性を示しており、横軸は入射角、縦軸は感度である。また、
図41のBにおける曲線lは位相差検出画素40lの、曲線rは位相差検出画素40rの、曲線nは位相差検出画素40と色が異なる通常画素30の斜入射特性をそれぞれ示しており、曲線l+rは曲線lと曲線rを加算したもの、曲線2nは曲線nを2倍したものである。
【0124】
位相差検出画素40lと位相差検出画素40rの感度の加算値を表す曲線l+rが、通常画素30の感度の2倍値を表す曲線2nと一致すれば、位相差検出画素40l,40rと通常画素30の斜入射特性は一致することになるが、
図41のBから明らかなように両者は一致しない。
【0125】
このように、位相差検出画素40l,40rと通常画素30の斜入射特性が異なる固体撮像素子は、スマートフォンなどに採用されている固定焦点カメラに搭載する分には支障ない。しかしながら、絞りF値や焦点距離fが可変とされている撮像装置(一眼レフカメラ、コンパクトカメラなど)に搭載すると、位相差検出画素40l,40rと通常画素30の感度比が変化してWB(ホワイトバランス)ずれが生じるという不都合が発生してしまう。
【0126】
そこで以下では、そのような不都合の発生を抑止できる、斜入射特性が通常画素と一致するようにした位相差検出画素の構成例(本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第4の構成例)を説明する。
【0127】
<本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第4の構成例>
図42のAは、位相差検出画素の第4の構成例を示している。この位相差検出画素100は、通常画素30の2画素分のサイズとされており、光電変換部については通常画素30の2画素分のサイズが横方向に略0.5:0.5:0.5:0.5に4分割されていて、それぞれで生成された電荷が個別に出力できるようになっている。以下、通常画素30の2画素分のサイズが4等分されている位相差検出画素100を図中左側から順に、位相差検出画素100ll、位相差検出画素100l、位相差検出画素100r、位相差検出画素100rrと称する。位相差検出画素100ll乃至100rrは1つの共有型オンチップレンズに覆われており、カラーフィルタ層の色は共通とされている。
【0128】
図42のBは、位相差検出画素100ll,100l,100r,100rrのCRA=0degにおける斜入射特性を示しており、横軸は入射角、縦軸は感度である。また、
図42のBにおける曲線llは位相差検出画素100llの、曲線lは位相差検出画素100lの、曲線rは位相差検出画素100rの、曲線rrは位相差検出画素100rrの、曲線nは位相差検出画素100と色が異なる通常画素30の斜入射特性をそれぞれ示しており、曲線l+rは曲線lと曲線rを加算したもの、曲線2nは曲線nを2倍したものである。
【0129】
同
図Bから明らかなように、位相差検出画素100lと位相差検出画素100rの感度の加算値を表す曲線l+rは、通常画素30の感度の2倍値を表す曲線2nとほぼ一致する。したがって、位相差検出画素100の出力を色信号として用いる場合には、位相差検出画素100lと位相差検出画素100rの出力を加算して用いるようにし、位相差検出画素100llと位相差検出画素100rrの出力については、位相差検出信号の算出に用いるようにする。
【0130】
位相差検出画素100と通常画素30を含む固体撮像素子を搭載した撮像装置では、両者の斜入射特性の不一致に起因する上述した不都合の発生を抑止することが可能となる。
【0131】
図43は、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素100の配置例であり、固体撮像素子から通常画素30の24(=4×6)画素分の領域を抜き出して図示したものである。同図の配置例では、位相差検出画素100のカラーフィルタ層の色はGとされており、1行毎に全画素が位相差検出画素100とされ、位相差検出画素100の行は交互に位相が半位相ずつずらして配置されている。
【0132】
ところで、位相差検出画素100llと位相差検出画素100rrの出力を、位相差検出信号の算出にのみ用いて色信号に用いないと、斜入射範囲が広いレンズ(F値が小さいレンズ)では、一部の信号が常時位相差検出画素100llと位相差検出画素100rrに集光して感度ロスが発生してしまう。そこで、位相差検出画素100llと位相差検出画素100rrの出力も色信号として用いるようにしてよい。
【0133】
具体的には、
図43のAに示される位相差検出画素100
0の位置に対応するG成分の色信号100Gを、位相差検出画素100
0とその周囲の同色の位相差検出画素100
1乃至100
6の出力を用いて演算するようにする。
100G=100S(100B/100A)
【0134】
ここで、100S,100A,100Bは以下のとおりである。
100S=100
0ll+100
0l+100
0r+100
0rr
【0135】
100A=(z0(100
0ll+100
0l+100
0r+100
0rr)+z1(100
1ll+100
1l+100
1r+100
1rr)+z2(100
2ll+100
2l+100
2r+100
2rr)+z3(100
3ll+100
3l+100
3r+100
3rr)+z4(100
4ll+100
4l+100
4r+100
4rr)+z5(100
5ll+100
5l+100
5r+100
5rr)+z6(100
6ll+100
6l+100
6r+100
6rr))/(z0+z1+z2+z3+z4+z5+z6)
【0136】
100B=(z0(100
0l+100
0r)+z1(100
1l+100
1r)+z2(100
2l+100
2r)+z3(100
3l+100
3r)+z4(100
4l+100
4r)+z5(100
5l+100
5r)+z6(100
6l+100
6r))/(z0+z1+z2+z3+z4+z5+z6)
【0137】
なお、100A,100Bにおけるz0乃至z6は所定の係数であり、例えば全て1であってもよいし、中心の画素からの空間的な距離に応じて、重み付けを行ってもよいし、位相差検出画素100の4つの出力ll,l,r,rrに対してさらに細分化した係数を設定するようにしてもよく、解像度とSN比のバランスを考慮して設定すればよい。
【0138】
このようにして算出される色信号100Gは、斜入射特性を通常画素に一致させながらノイズレベルを圧縮させたものとなり、画像のSN比を改善することができる。
【0139】
図44は、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素100の他の配置例であり、固体撮像素子から通常画素30の18(=6×3)画素分の領域を抜き出して図示したものである。同図の配置例では、位相差検出画素100のカラーフィルタ層の色はBまたはRとされており、Gの2画素の通常画素30と、Bの位相差検出画素100ll乃至100rrと、Rの位相差検出画素100ll乃至100rrがベイヤ配列に従って配置されている。
【0140】
図45は、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素100のさらに他の配置例であり、固体撮像素子から通常画素30の16(=4×4)画素分の領域を抜き出して図示したものである。同図の配置例では、位相差検出画素100のカラーフィルタ層の色はBまたはRとされており、1行毎に全画素が位相差検出画素100とされ、位相差検出画素100の行は交互に位相が半位相ずつずらして配置されている。位相差検出画素100の各行には、Bの位相差検出画素100ll乃至100rrとRの位相差検出画素100ll乃至100rrが交互に配置されている。
【0141】
なお、固体撮像素子における位相差検出画素100の色や配置は、上述した配置例に限定されるものではない。
【0142】
<本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第5の構成例>
図46のAは、位相差検出画素の第5の構成例を示している。この位相差検出画素110は、通常画素30の2画素分のサイズとされており、光電変換部については通常画素30の2画素分のサイズが横方向に略0.5:1:0.5に3分割されていて、それぞれで生成された電荷が個別に出力できるようになっている。以下、通常画素30の2画素分のサイズが3分割されている位相差検出画素110を図中左側から順に、位相差検出画素110l、位相差検出画素110c、位相差検出画素110rと称する。位相差検出画素110l,110c,110rは1つの共有型オンチップレンズに覆われており、カラーフィルタ層の色は共通とされている。
【0143】
図46のBは、位相差検出画素110l,110c,110rのCRA=0degにおける斜入射特性を示しており、横軸は入射角、縦軸は感度である。また、
図46のBにおける曲線lは位相差検出画素110lの、曲線cは位相差検出画素110cの、曲線rは位相差検出画素110rの、曲線nは位相差検出画素110と色が異なる通常画素30の斜入射特性をそれぞれ示しており、曲線2nは曲線nを2倍したものである。
【0144】
同
図Bから明らかなように、位相差検出画素110cの感度を表す曲線cは、通常画素30の感度の2倍値を表す曲線2nとほぼ一致する。したがって、位相差検出画素110の出力を色信号として用いる場合には、位相差検出画素110cの出力を用いるようにし、位相差検出画素110lと位相差検出画素110rの出力については、位相差検出信号の算出に用いるようにする。
【0145】
位相差検出画素110と通常画素30を含む固体撮像素子を搭載した撮像装置では、両者の斜入射特性の不一致に起因する上述した不都合の発生を抑止することが可能となる。
【0146】
図47は、本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素110の配置例であり、固体撮像素子から通常画素30の24(=4×6)画素分の領域を抜き出して図示したものである。同図の配置例では、位相差検出画素110のカラーフィルタ層の色はGとされており、1行毎に全画素が位相差検出画素110とされ、位相差検出画素110の行は交互に位相が半位相ずつずらして配置されている。
【0147】
ところで、位相差検出画素110lと位相差検出画素110rの出力を、位相差検出信号の算出にのみ用いて色信号に用いないと、斜入射範囲が広いレンズ(F値が小さいレンズ)では、一部の信号が常時位相差検出画素110lと位相差検出画素110rに集光して感度ロスが発生してしまう。そこで、位相差検出画素110lと位相差検出画素110rの出力も色信号として用いるようにしてよい。
【0148】
具体的には、
図47のAに示される位相差検出画素110
0の位置に対応するG成分の色信号100Gを、位相差検出画素110
0とその周囲の同色の位相差検出画素110
1乃至110
6の出力を用いて演算するようにする。
110G=110S(110B/110A)
【0149】
ここで、110S,110A,110Bは以下のとおりである。
110S=110
0l+110
0l+110
0r
【0150】
110A=(z0(110
0l+110
0c+110
0r)+z1(110
1l+110
1c+110
1r)+z2(110
2l+110
2c+110
2r)+z3(110
3l+110
3c+110
3r)+z4(110
4l+110
4c+110
4r)+z5(110
5l+110
5c+110
5r)+z6(110
6l+110
6c+110
6r))/(z0+z1+z2+z3+z4+z5+z6)
【0151】
110B=(z0(110
0l+110
0r)+z1(110
1l+110
1r)+z2(110
2l+110
2r)+z3(110
3l+110
3r)+z4(110
4l+110
4r)+z5(110
5l+110
5r)+z6(110
6l+110
6r))/(z0+z1+z2+z3+z4+z5+z6)
【0152】
なお、110A,110Bにおけるz0乃至z6は所定の係数であり、例えば全て1であってもよいし、中心の画素からの空間的な距離に応じて、重み付けを行ってもよいし、位相差検出画素110の3つの出力l,c,rに対してさらに細分化した係数を設定するようにしてもよく、解像度とSN比のバランスを考慮して設定すればよい。
【0153】
このようにして算出される色信号110Gは、斜入射特性を通常画素に一致させながらノイズレベルを圧縮させたものとなり、画像のSN比を改善することができる。
【0154】
なお、固体撮像素子における位相差検出画素110の色や配置は、上述した配置例に限定されるものではない。例えば、
図43乃至
図45と同様の色や配置を適用できる。
【0155】
<本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第6の構成例>
図48は、位相差検出画素の第6の構成例と、固体撮像素子におけるその配置例を示している。この位相差検出画素120は、通常画素30の4倍のサイズとされており、光電変換部については通常画素30の4画素分のサイズが縦、横方向それぞれに、0.5:0.5:0.5:0.5に4等分されていて、それぞれで生成された電荷が個別に出力できるようになっている。位相差検出画素120は、1つの共有型オンチップレンズに覆われており、区分けられた各領域のカラーフィルタ層の色は共通とされている。また、同図の配置例では、位相差検出画素120はカラーフィルタ層の色がGとされており、固体撮像素子において、Gの位相差検出画素120と、BまたはRの通常画素30はベイヤ配列に従って配置されている。
【0156】
なお、図示は省略するが、位相差検出画素120の斜入射特性は、
図42のBと同様となる。したがって、位相差検出画素120の出力を色信号として用いる場合には、16区画に分割された位相差検出画素120の中心の4つの区画の出力を用いるようにし、その他の区画の出力については、位相差検出信号の算出にのみ用いて色信号には用いないようにする。
【0157】
図49は、位相差検出画素120の固体撮像素子における配置例を示している。同図の配置例では、位相差検出画素120はカラーフィルタ層の色がBまたはRとされており、固体撮像素子において、BまたはRの位相差検出画素120と、Gの通常画素30はベイヤ配列に従って配置されている。
【0158】
なお、固体撮像素子における位相差検出画素120の色や配置は、上述した配置例に限定されるものではない。
【0159】
位相差検出画素120と通常画素30を含む固体撮像素子を搭載した撮像装置では、両者の斜入射特性の不一致に起因する上述した不都合の発生を抑止することが可能となる。
【0160】
<本開示を適用した固体撮像素子における位相差検出画素の第7の構成例>
図50は、位相差検出画素の第7の構成例と、固体撮像素子におけるその配置例を示している。この位相差検出画素130は、通常画素30の4倍のサイズとされており、光電変換部については通常画素30の4画素分のサイズが縦、横方向それぞれに、0.5:1:0.5に3分割されていて、それぞれで生成された電荷が個別に出力できるようになっている。位相差検出画素130は、1つの共有型オンチップレンズに覆われており、区分けられた各領域のカラーフィルタ層の色は共通とされている。また、同図の配置例では、位相差検出画素130はカラーフィルタ層の色がGとされており、固体撮像素子において、Gの位相差検出画素130と、BまたはRの通常画素30はベイヤ配列に従って配置されている。
【0161】
なお、図示は省略するが、位相差検出画素130の斜入射特性は、
図46のBと同様となる。したがって、位相差検出画素130の出力を色信号として用いる場合には、9区画に分割された位相差検出画素120の中心の1区画の出力を用いるようにし、その他の区画の出力については、位相差検出信号の算出にのみ用いて色信号には用いないようにする。
【0162】
図51は、位相差検出画素130の固体撮像素子における配置例を示している。同図の配置例では、位相差検出画素130はカラーフィルタ層の色がBまたはRとされており、固体撮像素子において、BまたはRの位相差検出画素130と、Gの通常画素30はベイヤ配列に従って配置されている。
【0163】
なお、固体撮像素子における位相差検出画素130の色や配置は、上述した配置例に限定されるものではない。
【0164】
位相差検出画素130と通常画素30を含む固体撮像素子を搭載した撮像装置では、両者の斜入射特性の不一致に起因する上述した不都合の発生を抑止することが可能となる。
【0165】
<本開示の適用した固体撮像素子の使用例>
【0166】
図52は、上述の固体撮像素子を使用する使用例を示す図である。
【0167】
該固体撮像素子は、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々なケースに使用することができる。
【0168】
・デジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等の、鑑賞の用に供される画像を撮影する装置
・自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置
・ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、TVや、冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置
・内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置
・防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置
・肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置
・スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される装置
・畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置
【0169】
本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0170】
本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)
画像の画素信号を生成する通常画素と、像面位相差AF機能を制御するための位相差信号算出に用いられる画素信号を生成する位相差検出画素とが混載された固体撮像素子において、
前記位相差検出画素には、隣接する複数の前記位相差検出画素毎に、前記位相差信号の算出に用いられる画素信号を生成する光電変換部に対して入射光を集光するための共有型オンチップレンズが形成されている
固体撮像素子。
(2)
前記通常画素には、前記通常画素毎に、前記画像の画素信号を生成する光電変換部に対して入射光を集光するための個別型オンチップレンズが形成されている
前記(1)に記載の固体撮像素子。
(3)
前記通常画素と前記通常画素の間、および前記通常画素と前記位相差検出画素の間には画素間遮光構造を有する
前記(1)または(2)に記載の固体撮像素子。
(4)
前記位相差検出画素と前記位相差検出画素の間にも画素間遮光構造を有する
前記(1)から(3)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(5)
前記位相差検出画素は、前記光電変換部の開口を制限する開口遮光構造を有する
前記(1)から(4)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(6)
前記位相差検出画素には、隣接する2画素毎に1つの前記共有型オンチップレンズが形成されている
前記(1)から(5)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(7)
前記位相差検出画素には、隣接する3画素毎に2つの前記共有型オンチップレンズが形成されている
前記(1)から(5)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(8)
前記通常画素に形成されている前記個別型オンチップレンズと、前記位相差検出画素に形成されている前記共有型オンチップレンズとの境界は、略四角形または略六角形である
前記(1)から(7)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(9)
前記通常画素に形成されている前記個別型オンチップレンズと、隣接する複数の前記位相差検出画素に形成されている前記共有型オンチップレンズとの間には、ダミー集光素子構造が形成されている
前記(1)から(6)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(10)
前記ダミー集光素子構造は、前記共有型オンチップレンズを共有する複数の前記位相差検出画素に対して非対称に形成されている
前記(9)に記載の固体撮像素子。
(11)
前記共有型オンチップレンズを共有する複数の前記位相差検出画素は、市松模様状に配置されている
前記(1)から(10)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(12)
前記位相差検出画素は、行方向または列方向の少なくとも一方に直線状に配置されている
前記(1)から(10)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(13)
前記位相差検出画素は、行方向または列方向の少なくとも一方にストライプ状に配置されている
前記(1)から(10)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(14)
前記ストライプ状の隣り合うストライプに配置されている前記位相差検出画素どうしは、位相がずれている
前記(13)に記載の固体撮像素子。
(15)
3種類以上の異なる波長に対して選択的な感度を有するカラーフィルタを画素毎に有し、
前記共有型オンチップレンズを共有する複数の前記位相差検出画素は、同じ波長に対して選択的な感度を有する前記カラーフィルタを有する
前記(1)から(14)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(16)
3種類以上の異なる波長に対して選択的な感度を有するカラーフィルタを画素毎に有し、
前記共有型オンチップレンズを共有する複数の前記位相差検出画素は、異なる波長に対して選択的な感度を有する前記カラーフィルタを有する
前記(1)から(14)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(17)
前記位相差検出画素は、前記通常画素に比較して画素サイズが大きい
前記(1)から(16)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(18)
3種類以上の異なる波長のうちの特定の波長に対して選択的な感度を有するカラーフィルタを有する全ての画素は、前記位相差検出画素であり、
前記位相差検出画素の出力は、画像の画素信号としても用いられる
前記(1)から(15)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(19)
前記共有型オンチップレンズを共有する前記位相差検出画素は、前記通常画素の整数倍のサイズを有し、
前記位相差検出画素の前記光電変換部は、前記通常画素の光電変換部と同じ斜入射特性が得られる中心領域を含む複数の領域に分割されており、前記中心領域の出力が画像の画素信号としても用いられる
前記(18)記載の固体撮像素子。
(20)
前記共有型オンチップレンズを共有する前記位相差検出画素は、前記通常画素の2倍のサイズを有し、
前記位相差検出画素の前記光電変換部は、略0.5:1:0.5に3分割されており、前記比の1に対応する領域の出力が画像の画素信号としても用いられる
前記(19)に記載の固体撮像素子。
(21)
前記共有型オンチップレンズを共有する前記位相差検出画素は、前記通常画素の2倍のサイズを有し、
前記位相差検出画素の前記光電変換部は、略0.5:0.5:0.5:0.5に4分割されており、前記比の中央の0.5と0.5にそれぞれ対応する領域の出力の加算値が画像の画素信号としても用いられる
前記(19)に記載の固体撮像素子。
(22)
画像の画素信号を生成する通常画素と、像面位相差AF機能を制御するための位相差信号算出に用いられる画素信号を生成する位相差検出画素とが混載された固体撮像素子を備える電子装置において、
前記位相差検出画素には、隣接する複数の前記位相差検出画素毎に、前記位相差信号の算出に用いられる画素信号を生成する光電変換部に対して入射光を集光するための共有型オンチップレンズが形成されている
電子装置。