(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6780519
(24)【登録日】2020年10月19日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】ピストンリング
(51)【国際特許分類】
F16J 9/12 20060101AFI20201026BHJP
F16J 9/22 20060101ALI20201026BHJP
F02F 5/00 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
F16J9/12
F16J9/22
F02F5/00 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-12015(P2017-12015)
(22)【出願日】2017年1月26日
(65)【公開番号】特開2018-119623(P2018-119623A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2019年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東 泰弘
【審査官】
的場 眞夢
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2016/202485(WO,A1)
【文献】
特開平11−201283(JP,A)
【文献】
実開平03−067760(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02F 5/00
11/00
F16J 1/00−1/24
7/00−10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンのリング溝に嵌り合うピストンリングであって、
合口部を有し、
リング内周面、リング外周面、ならびに前記リング内周面と前記リング外周面とを接続するピストン頂面側のリング上面およびピストンスカート側のリング下面を有し、
前記リング下面には円周方向に沿って延在する溝が設けられており、
前記リング上面または前記リング内周面と、前記溝と、を接続して前記リング上面または前記リング内周面に開口する、前記溝の幅より小径の孔が複数個設けられており、
前記溝の内周側端面は前記リング内周面よりも径方向外側に位置し、
前記リング下面は前記リング溝の下面と対向する下面側対向領域を有し、前記溝の外周側端面は前記下面側対向領域内に位置し、
前記溝の円周方向の端部は前記合口部から離隔し、
前記溝は前記リング外周面に開口しておらず、前記溝は前記下面側対向領域に向かって開口しており、燃焼ガスが前記孔から前記溝に導入されることにより前記溝および前記ピストンリングを前記リング上面側に押し上げ、摩擦損失を低減する、ピストンリング。
【請求項2】
前記リング上面は前記リング溝の上面と対向する上面側対向領域を有し、前記孔の開口は、前記上面側対向領域内に位置する、請求項1に記載のピストンリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンリングに関し、より特定的には、内燃機関のピストン外周面に嵌合するピストンリングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のピストンリングは、たとえば、特表2006−527320号公報(特許文献1)に開示されている。
【0003】
特許文献1では、ピストンリング下面にリセスを設けて、ピストンリング下面とピストンリング溝との接触面積を減らし、ピストンリング溝の摩耗を低減している。さらに、リセスは、ピストンリング内周面側に開口している。この開口部を介してピストンリングのリセスに燃焼ガスの圧力を導入することで、燃焼ガスがピストンリングを下方に押付ける押付け圧力を低減して、より効果的にピストンリング溝の摩耗を低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006−527320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、リセスの一部にピストンリングの内周側と外周側とを接続する通路が形成されているため、ピストンリングの上側の領域から内周側を経由してリセスに入り込んだ燃焼ガスがピストンリングの外周側へと流れる。これにより、燃焼ガス中の炭素成分に起因するデポジットがリセス内に堆積してしまうという問題が発生する。
【0006】
そこで、この発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、燃焼ガスがピストンリングを下方へ押し付ける押付け圧力を低減してピストンリング溝の摩耗を抑制しつつ、ピストンリング内へのデポジットの堆積を抑制することができるピストンリングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に従ったピストンリングは、ピストンのリング溝に嵌り合うピストンリングであって、合口部を有し、リング内周面、リング外周面、ならびにリング内周面とリング外周面とを接続するピストン頂面側のリング上面およびピストンスカート側のリング下面を有し、リング下面には円周方向に沿って延在する溝が設けられており、リング上面またはリング内周面と、溝と、を接続してリング上面またはリング内周面に開口する、溝より小径の孔が複数個設けられており、溝の内周側端面はリング内周面よりも径方向外側に位置し、リング下面はリング溝の下面と対向する下面側対向領域を有し、溝の外周側端面は下面側対向領域内に位置し、溝の円周方向の端部は合口部から離隔している。
【0008】
このように構成されたピストンリングでは、溝の外周側端部は下面側対向領域内、すなわちリング溝内に位置しているため、溝の外周側端部がピストンリングの外側と連通していない。その結果、燃焼ガスが溝内を経由して溝外へ流れることが少なくなるため、溝内にデポジットが堆積することを抑制できる。溝の円周方向端部は合口部から離隔しているため、溝は合口部に開口していない。その結果、合口部よりも静圧の高いピストンリングの上面または内周面から燃焼ガスの圧力を複数の孔および溝に導入することができる。溝の内周側端面はリング内周面よりも径方向外側に位置し、かつ溝の外周側端部は下面側対向領域内、すなわちリング溝内に位置するため、溝はリング内周面およびリング外周面に開口していない。そのため高圧の燃焼ガスが複数の孔から溝に導入されると溝内の圧力が高まる。この圧力が溝およびピストンリングを上面側へ押し上げる力となる。これによりピストンリングの下面とリング溝表面との摩擦力が小さくなり、摩擦損失を低減できる。
【0009】
好ましくはリング上面はリング溝の上面と対向する上面側対向領域を有し、孔の開口は、上面側対向領域内に位置する。この場合、ピストンの挙動に応じてピストンリングがリング溝の上面に押付けられると孔の開口はリング溝の上面によって塞がれる。その結果、リング下面からリング上面へのオイル上がりを抑制できる。さらに、ピストンリングがリング溝の下面に押付けられているとリング上面の複数の開口から燃焼室側の高圧の燃焼ガスが導入されることにより、溝内の圧力が均一になり溝の各部分において摩擦損失を低減できる。その結果、ピストンリングの張力の周方向での分布を均一化することができる。
【発明の効果】
【0010】
この発明に従えば、燃焼ガスがピストンリングを下方へ押し付ける押付け圧力を低減してピストンリング溝の摩耗を抑制しつつ、ピストンリング内へのデポジットの堆積を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に従ったピストンリングの底面図である。
【
図2】
図1中のII−II線に沿った断面図である。
【
図3】リング溝に嵌め合わせられたピストンリングの断面図である。
【
図4】実施の形態2に従ったピストンリングの断面図である。
【
図5】実施の形態3に従ったピストンリングの底面図である。
【
図6】実施の形態4に従ったピストンリングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態に係る内燃機関について図を参照して説明する。以下の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0013】
(実施の形態1)
(全体構成)
図1は、実施の形態1に従ったピストンリングの底面図である。
図1で示すように、実施の形態1に従ったピストンリング1は、円環の一部分が合口部3により切りかかれた形状、所謂、C字形状に形成されている。
【0014】
C字形状のピストンリング1は、内周側に位置するリング内周面14、外周側に位置するリング外周面13、リング内周面14とリング外周面13とを接続して径方向に延びるリング下面12を有する。リング内周面14およびリング外周面13は
図1では円弧形状である。
【0015】
リング下面12には周方向に延びる溝21が設けられている。溝21の周方向の両方の端部211a,211bは合口部3付近にまで延びているが、溝21は合口部3に開口していない。ピストンリング1には溝21に連通する複数の孔22が設けられている。
【0016】
溝21は内周側端面212から外周側端面213までピストンリング1の円周方向に沿って延在するリング下面12に設けられた凹部として形成されている。この実施の形態では、溝21の内周側端面212から外周側端面213までの距離(溝21の幅)は、ピストンリング1の円周方向に沿って一定となっているが、溝21の幅をピストンリング1の円周方向に沿って部分的に異ならせてもよい。
【0017】
図2は、
図1中のII−II線に沿ったピストンリングの断面図である。
図2で示すように、ピストンリング1は、リング上面11とリング下面12とが略平行になるように形成されている。リング上面11には溝21に連通する孔22の開口221が設けられている。孔22は、その径が溝21の幅よりも小径となるように形成されている。溝21はリング内周面14側にもリング外周面13側にも開口していない。矢印rで示す方向が径方向外側である。
【0018】
(リング溝33とピストンリング1との関係)
図3は、リング溝に嵌め合わせられたピストンリングの断面図である。
図3で示すようにピストンリング1は、ピストン31のリング溝33に嵌め合わせられる。リング溝33は下面331および上面332を有する。ピストンリング1のリング上面11はピストン頂面側、リング下面12はピストンスカート側に位置する。ピストン31は矢印31uで示す上昇方向と、矢印31dで示す下降方向とに動く。
【0019】
ピストン31の側面31aはシリンダボア32と対向している。溝21は、ピストンリング1のリング下面12におけるリング溝33の下面331とオーバーラップする範囲(対向領域内)に設けられる。すなわち、リング下面12はリング溝33の下面331と対向する下面側対向領域12Aを有し、溝21の外周側端面213は下面側対向領域12A内に位置する。本実施形態では孔22の開口221がリング上面11に設けられている。リング上面11はリング溝33の上面332と対向する上面側対向領域11Aを有し、上面側対向領域11Aに孔22が設けられている。溝21はリング内周面14側には開口していない。膨張工程において燃料室の燃焼ガスが矢印220で示すように流れ、孔22を介してピストンリング1の溝21に導入される。この時、燃焼ガスの圧力によってピストンリング1の溝21には矢印21aで示すような力が作用して、ピストンリング1はリング上面11側に押し上げられる。
【0020】
ピストンリング1は、リング内周面14、リング外周面13、ならびにリング内周面14からリング外周面13向かう径方向へ延びる、ピストン頂面側のリング上面11およびピストンスカート側のリング下面12を有し、リング下面12には溝21が設けられており、リング上面11またはリング内周面14と溝21とを接続するように溝21より小径の孔22が設けられており、溝21の内周側端面212はリング内周面14よりも径方向外側に位置し、溝21の外周側端面213はリング溝33内に位置し、孔22のリング上面11またはリング内周面14の開口221はリング溝33内に位置し、溝21の円周方向の端部211a,211bは合口部3から離隔している。
【0021】
(効果)
ピストンリング1が下面331に接触している場合において、燃焼室内の圧力(燃焼ガス)が開口221、孔22を経由して溝21内に導入されると、矢印21aで示すように、ピストンリング1の溝21内にピストンリング1を上方向に押し上げようとする力が作用する。その結果、ピストンリング1のリング下面12とリング溝33の下面331との間の摩擦力が小さくなる。ピストン31が矢印31d,31uで示す方向に上下運動すると、シリンダボア32の変形に追従してピストンリング1が矢印5で示す径方向に移動しようとする。この際、リング下面12と下面331との摩擦力が小さいため、容易にピストンリング1が径方向に移動する。その結果、摩擦損失が小さくなる。
【0022】
さらに、溝21は、ピストンリング1のリング外周面13、およびリング溝33よりもピストンスカート側の空間と連通していないため、孔22を介して溝21に導入された燃焼ガスが、溝21から外部に流出することがない。その結果、溝21内のデポジットの堆積を抑制できる。
【0023】
ピストンリング1の円周方向に沿って延在する溝21に連通する複数の孔22を、ピストンリング1の円周方向に沿って略等間隔となる位置に配置することで、燃焼ガス導入時の溝21内の円周方向の圧力分布を均一化できる。その結果、ピストンリング1の各部分において上記の摩擦力低減の効果を奏することができる。これにより、ピストンリング1の張力を均等に分散させることができる。
【0024】
ピストンリング1の合口部3よりも静圧の高くなるピストンリング1のリング上面11に孔22の開口を設けているので、溝21に高い圧力が導入されて、矢印21aで示す、ピストンリング1の溝21に作用する力を大きくすることができる。そのため、ピストンリング1のリング下面12とリング溝33の下面331との摩擦力を小さくすることができる。
【0025】
例えば、特開平6−159135号公報には、ピストンリングの下面に形成された溝が合口部の端面で開口しており、その合口部の端面に設けられた開口部から燃焼ガスの圧力を溝内に導入する構成が開示されている。この構造では、ピストンリングの下面の溝に燃焼ガスの圧力を導入するための開口部がピストンリングの合口部の端面に設けられているため、燃焼ガスの押付け圧力を十分に低減することはできない。つまり、燃焼ガスのエネルギーは、運動エネルギー(流速)と静圧を含み、流速が大きくなると静圧のエネルギーは小さくなる。ピストンリングの合口部は燃焼ガスの流速が速い(静圧が低い)部分であり、そのような燃焼ガスの静圧のエネルギーが小さくなる合口部から燃焼ガスの圧力をピストンリング下面の溝に導入する構造では、溝内の圧力を高くすることができない。その結果、燃焼ガスがピストンリングを下方へ押し付ける押付け圧力を低減する効果は非常に小さくなってしまうのである。
【0026】
(孔22の位置と効果との関係)
点線22aから点線22dは、仮想的な孔の位置を示している。孔22は点線22aで示すように、リング内周面14と溝21とを連通していてもよい。また、点線22b,22cで示すようにリング上面11に開口していてもよい。これらの場合には、燃焼ガスを点線22a,22b,22cの孔から溝21へ導入して溝21内の圧力を高くすることができる。その結果、膨張工程において、ピストンリング1のリング下面12とリング溝33の下面331との摩擦力を小さくすることができる。さらに、溝21から燃焼ガスが流れ出ることを抑制できるため、溝21および孔内にデポジットが堆積することを抑制できる。
【0027】
点線22dで示すように、リング外周面13に開口するように孔が設けられている場合には、シリンダボア32により開口が塞がれる。そのため、点線22dの孔から溝21に燃焼ガスを導入することが困難となる。
【0028】
孔は、上面側対向領域11Aに開口していることが好ましい。この場合には、オイル上がりの防止、張力の均一化の効果をさらに奏することができる。
【0029】
ピストン31が矢印31uで示す方向に上昇している圧縮工程および排気工程では、下死点でピストン31の上向きの加速度が最大となり、下死点と上死点との中間点でピストンの加速度がゼロとなり、上死点でピストンの下向きの加速度が最大となる。ピストン31が矢印31dで示す方向に下降している吸気工程および膨張工程では、上死点でピストン31の下向きの加速度が最大となり、上死点と下死点との中間点でピストンの加速度がゼロとなり、下死点でピストンの上向きの加速度が最大となる。慣性力のみを考慮すれば、ピストン31の上昇過程の下死点から中間点まではピストンリング1はリング溝33の下面331に押付けられ、中間点で下面331および上面332に接触せず、中間点から上死点まではリング溝33の上面332に押付けられる。ピストン31の下降過程の上死点から中間点まではピストンリング1はリング溝33の上面332に押付けられ、中間点で下面331および上面332に接触せず、中間点から下死点まではリング溝33の下面331に押付けられる。
【0030】
実際には、オイルからピストンリング1に与えられる力、燃焼室内のガスからピストンリング1に与えられる力、ピストンリング1とリング溝33との間の摩擦力などにより、ピストンリング1の動きは上記の慣性力のみを考慮する場合のように単純ではないが、上記の通り、ピストンリング1がリング溝33の下面331から離れて上面332に押付けられることがある。この場合であっても、点線22bで示すように孔が設けられて上面側対向領域11Aに孔が開口している場合にはピストンリング1が上面332に押付けられた場合には孔が上面332により塞がれる。そのため、リング上面11とリング下面12とが連通しない。その結果、たとえば圧縮工程における圧縮漏れ、排気工程における排気漏れを防止できる。さらに、ピストン31が下降する吸気工程においても、リング上面11とリング下面12とが連通しないため、リング下面12側からリング上面11側へオイルが流れるオイル上がりを防止できる。
【0031】
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2に従ったピストンリングの断面図である。
図4で示すように、実施の形態2に従ったピストンリング1では、溝21が径方向において複数に分かれた小溝40から構成されている点において、実施の形態1に従ったピストンリング1と異なる。
【0032】
このように構成された実施の形態2に従ったピストンリング1でも、実施の形態1に従ったピストンリング1と同様の効果がある。
【0033】
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3に従ったピストンリングの底面図である。
図5で示すように、実施の形態3に従ったピストンリング1では、溝21が円周方向において複数の分かれている点で、実施の形態1に従ったピストンリング1と異なる。1つの溝には1つの孔22が設けられている。
図5では同じ形状の溝21が複数設けられている。互いに異なる形状の溝21が複数設けられていてもよい。さらに、各溝21に複数の孔22が設けられていてもよい。
【0034】
このように構成された実施の形態3に従ったピストンリング1でも、実施の形態1に従ったピストンリング1と同様の効果がある。
【0035】
(実施の形態4)
図6は、実施の形態4に従ったピストンリングの断面図である。
図6で示すように、実施の形態3に従ったピストンリング1では、溝21の上側が半円形状である点において、実施の形態1に従ったピストンリング1と異なる。
【0036】
このように構成された実施の形態4に従ったピストンリング1でも、実施の形態1に従ったピストンリング1と同様の効果がある。
【0037】
以上、実施の形態について説明したが、ここで示した実施の形態はさまざまに変更することが可能である。溝21は円周方向だけでなく、径方向に延びるものであってもよい。孔22の半径は均一なものに限定されず、不均一であってもよい。
【0038】
上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明は、たとえば内燃機関のピストンリングにおいて用いることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 ピストンリング、2 延長線、3 合口部、11 リング上面、12 リング下面、13 リング外周面、14 リング内周面、21 溝、22 孔、31 ピストン、31a 側面、32 シリンダボア、33 リング溝、40 小溝、211a,211b 端部、212 内周側端面、213 外周側端面、221 開口、331 下面、332 上面。