特許第6780523号(P6780523)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6780523
(24)【登録日】2020年10月19日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】表面実装型インターポーザ及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20201026BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
   H05K1/14 H
   H05K1/02 C
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-17267(P2017-17267)
(22)【出願日】2017年2月2日
(65)【公開番号】特開2018-125446(P2018-125446A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢▲崎▼ 浩和
(72)【発明者】
【氏名】米森 啓人
【審査官】 三森 雄介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/002757(WO,A1)
【文献】 実開昭58−465(JP,U)
【文献】 特開平8−153750(JP,A)
【文献】 特開2015−23040(JP,A)
【文献】 特開平10−294544(JP,A)
【文献】 特開2000−22311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/14,3/36
H05K 1/00−1/02
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセラミック層を積層してなり、互いに対向する第1主面、第2主面及び、前記第1主面と前記第2主面を連接する側面を有する積層体と、
前記第1主面に形成されたフラットケーブル用の第1端子電極と、
前記第2主面に形成されたプリント配線基板用の第2端子電極と、
前記第1端子電極と、前記第2端子電極とを接続する、前記積層体の内部に設けられた配線導体と、
を備え、
前記積層体は、
第1貫通孔と第2貫通孔とを有し、
前記第1貫通孔の一端は、第1端子電極に連接して、前記第1端子電極を貫通し、他端は第1主面または側面に開口し、
前記第2貫通孔の一端は、第2端子電極に連接して、前記第2端子電極を貫通し、他端は第1主面または側面に開口する、
表面実装型インターポーザ。
【請求項2】
前記第1貫通孔と、前記第2貫通孔の内壁面の少なくとも一部が内面電極を備えている、
請求項1に記載の表面実装型インターポーザ。
【請求項3】
前記内面電極は、前記一端から前記他端まで連続している、
請求項2に記載の表面実装型インターポーザ。
【請求項4】
前記表面実装型インターポーザが実装されるプリント配線基板のアライメントマークを、前記積層体を平面視して目視可能とする、切り欠き部または貫通部を備える、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の表面実装型インターポーザ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の表面実装型インターポーザと、
前記表面実装型インターポーザの第1端子電極に第1導電性接合材を介して接続されるフラットケーブルと、
前記表面実装型インターポーザの第2端子電極に第2導電性接合材を介して接続されるプリント配線基板を備える、
電子機器。
【請求項6】
前記第1導電性接合材、前記第2導電性接合材は、半田である、
請求項5に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フラットケーブル等のケーブルを回路基板に接続する際に利用する表面実装型インターポーザおよび該インターポーザを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、携帯通信端末等では、筐体内に複数の回路基板が配置されている。これら複数の回路基板の接続には、フラットケーブルが用いられることがある。
【0003】
特許文献1に記載のフラットケーブルでは、外部端子としてコネクタ部材が用いられている。フラットケーブルのコネクタ部材は、回路基板に実装されたコネクタ部材に嵌合される。これにより、フラットケーブルは、回路基板に接続される。
【0004】
特許文献2、3に示すように、フラットケーブルを直接実装するために、半田を介する技術が用いられることがある。
【0005】
特許文献2、3に記載の技術では、コネクタ部品を必要としないため、ケーブルの数が増えた場合でも、コネクタ部品の数が大幅に増えることがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5842850号明細書
【特許文献2】国際公開公報WO2016/088592A1
【特許文献3】国際公開公報WO2016/088693A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2、3に示した接続構造を用いた場合、半田による接続箇所がフラットケーブルの影に隠れてしまう。これにより、フラットケーブルがインターポーザ等の接続相手に接続されているかどうかが判断しにくくなる。
【0008】
したがって、本発明の目的は、フラットケーブルが接続されているかどうかを容易に確認できる表面実装型インターポーザを提供することである。さらに本発明の目的は、プリント配線基板などの接続相手に接続されているかどうかを容易に確認できる表面実装型インターポーザを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の表面実装型インターポーザは、複数のセラミック層を積層し、互いに対向する第1主面、第2主面及び、第1主面と第2主面を連接する側面を有する積層体を備える。表面実装型インターポーザは、第1主面に形成されたフラットケーブル用の第1端子電極と、第2主面に形成されたプリント配線基板用の第2端子電極と、第1端子電極と、第2端子電極を接続する、積層体の内部に設けられた配線導体と、を備えている。
【0010】
積層体は、第1貫通孔と第2貫通孔を有する。第1貫通孔の一端は、第1端子電極に連接し、第1端子電極を貫通しており、他端は第1主面または側面に開口している。第2貫通孔の一端は、第2端子電極に連接し、第2端子電極を貫通しており、他端は第1主面または側面に開口している。
【0011】
この構成では、第1端子電極とフラットケーブルを接続する導電性接合材が第1貫通孔を通って、第1主面もしくは側面まで達する。同様に、第2端子電極とプリント配線基板を接続する導電性接合材が第2貫通孔を通って、第1主面もしくは側面まで達する。これによりフラットケーブルとインターポーザ、インターポーザとプリント配線基板が接続されているかどうかを目視することができる。
【0012】
また、この発明の表面実装型インターポーザでは、第1貫通孔と、第2貫通孔の内壁面の少なくとも一部が内面電極を備えていることが好ましい。
【0013】
この構成では、第1貫通孔と第2貫通孔を通る導電性接合材の濡れ性が良くなる。
【0014】
また、この発明の表面実装型インターポーザでは、内面電極は、一端から他端まで連続していることが好ましい。
【0015】
この構成では、第1貫通孔と第2貫通孔を通る導電性接合材の濡れ性が一層良くなる。
【0016】
また、この発明の表面実装型インターポーザでは、インターポーザが実装されるプリント配線基板のアライメントマークが、表面実装型インターポーザを平面視して目視可能な切り欠き部、貫通部を積層体に備えていることが好ましい。
【0017】
この構成では、アライメントマークにより、表面実装型インターポーザ、フラットケーブルを所望の位置に配置して、接合することができる。
【0018】
また、この発明の電子機器は、表面実装型インターポーザと、表面実装型インターポーザの第1端子電極に第1導電性接合材を介して接続されるフラットケーブルと、表面実装型インターポーザの第2端子電極に第2導電性接合材を介して接続されるプリント配線基板と、を備えている。
【0019】
この構成では、表面実装型インターポーザにフラットケーブルとプリント配線基板が接続されているかどうかを確実に確認できる。
【0020】
また、この発明の電子機器で接合に使用する第1導電性接合材と第2導電性接合材は、半田であることが好ましい。
【0021】
この構成では、半田の可溶性によって、表面実装型インターポーザにフラットケーブルとプリント配線基板の接続をより容易に確認できる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、インターポーザにフラットケーブルが接続されているかどうかを容易に確認できる。またインターポーザがプリント配線基板などの接続相手に接続されているかどうかを容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1の実施形態に係る表面実装型インターポーザの外観斜視図である。
図2】第1の実施形態に係る電子機器の構成を示す斜視図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る図2の構成を拡大した側面断面図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る表面実装型インターポーザの外観斜視図である。
図5】第2の実施形態に係る電子機器の構成を示す斜視図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る図5の構成を拡大した側面断面図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係る構成を示す側面断面図である。
図8】本発明の第4の実施形態に係る電子機器を天面から見た平面図である。
図9】本発明の第4の実施形態に係る図8の構成を拡大した側面断面図である。
図10】本発明の第4の実施形態に係る実装工程での概略斜視図である。
図11】本発明の第5の実施形態に係る実装工程での概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る表面実装型インターポーザについて、図を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る表面実装型インターポーザの外観斜視図である。図2は、第1の実施形態に係る電子機器の構成を示す斜視図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る図2のA−A断面を示す図である。図1、2、3では、図を見やすくするために、一部の符号の付記を省略している。
【0025】
図1図3に示すように、表面実装型インターポーザ20は、第1主面201、第2主面202、および、第1主面201と第2主面202を連接する側面203を備える。
【0026】
第1主面201には、複数の端子電極41、43を備える。第2主面202には、複数の端子電極42、44を備える。端子電極41、43は、本発明の「第1端子電極」に対応し、端子電極42、44は、本発明の「第2端子電極」に対応する。複数の端子電極41、43は、第1主面201に所定の配列パターンで形成されている。複数の端子電極42、44は、第2主面202に、所定の配列パターンで形成されている。
【0027】
表面実装型インターポーザ20の内部には、複数の配線導体200が形成されている。配線導体200は、ビア導体210とビア導体210に直交する平面を有する平面導体パターン220で構成されている。配線導体200は、端子電極41と端子電極42を接続し、端子電極43と端子電極44を接続している。
【0028】
表面実装型インターポーザ20は、貫通孔31、32、33、34を備えている。貫通孔31は、途中で屈曲する形状であり、両端が第1主面201側に開口している。貫通孔31の一端は端子電極41に連接している。貫通孔31は、端子電極41を貫通しており、この部分が貫通孔31の一端の開口部311である。貫通孔31の他端は、第1主面201における電極が形成されていない領域に開口している。この部分が貫通孔31の他端の開口部312である。また、開口部312は、フラットケーブル60が表面実装型インターポーザ20と接合された時に、フラットケーブル60とは重ならず、フラットケーブル60と重なる領域の外側に位置する。
【0029】
貫通孔33は、貫通孔31と同様の形状であり、端子電極43を貫通しており、この部分が貫通孔33の一端の開口部315である。貫通孔33の他端は、第1主面201における電極が形成されていない領域に開口している。この部分が貫通孔33の他端の開口部316である。また、開口部316は、フラットケーブル60が表面実装型インターポーザ20と接合された時に、フラットケーブル60とは重ならず、フラットケーブル60と重なる領域の外側に位置する。貫通孔31、33は、本発明の「第1貫通孔」に対応する。
【0030】
貫通孔32は直線状であり、一端が第2主面202側に開口している。貫通孔32の他端は、第1主面201の電極が形成されていない領域に開口している。また貫通孔32の他端は、第1主面201におけるフラットケーブル60と重ならない領域に開口している。貫通孔32の一端側は、端子電極42を貫通しており、この部分が貫通孔32の一端の開口部313である。貫通孔32の他端は、第1主面201における電極が形成されていない領域であって第1主面201におけるフラットケーブル60と重ならない領域に開口している。この部分が貫通孔32の他端の開口部314である。また、開口部314は、開口部312よりも平面視で側面側に形成されている。
【0031】
貫通孔34は直線状であり、一端が第2主面202側に開口している。貫通孔34の他端は、第1主面201の電極が形成されていない領域に開口している。また貫通孔34の他端は、第1主面201におけるフラットケーブル60と重ならない領域に開口している。貫通孔34の一端側は、端子電極44を貫通しており、この部分が貫通孔34の一端の開口部317である。貫通孔34の他端は、第1主面201における電極が形成されていない領域であって第1主面201におけるフラットケーブル60と重ならない領域に開口している。この部分が貫通孔34の他端の開口部318である。また、開口部318は、開口部316よりも平面視で側面側に形成されている。貫通孔32、34は、本発明の「第2貫通孔」に対応する。
【0032】
複数の貫通孔31、32、33、34は、それぞれ端子電極41、42、43、44に対応して、所定の配列パターンで形成されている。それに伴い、開口部311、312、314、315、316、318についても、第1主面201に、所定の配列パターンで形成されている。また、開口部313、317についても、第2主面202に、所定の配列パターンで形成されている。
【0033】
表面実装型インターポーザ20は、図2図3に示すような電子機器10に用いられる。電子機器10は、表面実装型インターポーザ20、プリント配線基板50、フラットケーブル60を備える。図2に示すように、表面実装型インターポーザ20は、プリント配線基板50の表面に実装されている。また、フラットケーブル60は、表面実装型インターポーザ20の表面に実装されている。すなわち、プリント配線基板50に対して、表面実装型インターポーザ20、フラットケーブル60の順で実装されている。
【0034】
より具体的には、図3に示すように、表面実装型インターポーザ20の第1主面201に端子電極41、43が配置されている。フラットケーブル60における端子電極801は、表面実装型インターポーザ20の第1主面201の端子電極41に、導電性接合材80によって接続されている。導電性接合材80は、本発明の「第1導電性接合材」に対応する。導電性接合材は例えば半田である。しかしながら、熱を加えることで流動し、冷却されることで固化される接合材となり得るものであれば良い。なお、半田は一般的に入手しやすく、濡れ性が高いので好適である。
【0035】
端子電極801と、端子電極41を、導電性接合材80を介して熱圧着することにより、導電性接合材80が溶け流れ、開口部311から貫通孔31内に流れ込み、内壁面301に沿って貫通孔31を通り、開口部312に到達する。開口部312は、第1主面201にあるので、開口部312に到達した導電性接合材80によって、端子電極41が、端子電極801と接合されていることが目視で確認できる。
【0036】
同様に、端子電極802と、端子電極43を、導電性接合材80を介して熱圧着することにより、導電性接合材80が溶け流れ、開口部315から貫通孔33内に流れ込み、内壁面303に沿って貫通孔33を通り、開口部316に到達する。開口部316は、第1主面201にあるので、開口部316に到達した導電性接合材80によって、端子電極43が、端子電極802と接合されていることが目視で確認できる。
【0037】
これにより、フラットケーブル60と表面実装型インターポーザ20が接続できていることを容易に確認できる。
【0038】
この際、内壁面301は、半田濡れ性のよいNi/Auのめっき膜で構成されている。このため、導電性接合材80はスムーズに流れることができ、より確実に開口部312に達し、接合を確実に目視できる。内壁面303についても同様である。
【0039】
図3に示すように、表面実装型インターポーザ20の第2主面202に端子電極42、44が配置されている。プリント配線基板50における端子電極811は、表面実装型インターポーザ20の第2主面202の端子電極42に、導電性接合材81によって接続されている。導電性接合材81は、本発明の「第2導電性接合材」に対応する。ここで、端子電極811と、端子電極42を、導電性接合材81を介して熱圧着することにより、導電性接合材81が溶け流れ、開口部313から貫通孔32内に流れ込み、内壁面302に沿って貫通孔32を通り、開口部314に到達する。開口部314は、第1主面201にあるので、開口部314に到達した導電性接合材81によって、端子電極42が、端子電極811と接合されていることが目視で確認できる。
【0040】
同様に、端子電極812と、端子電極44を、導電性接合材81を介して熱圧着することにより、導電性接合材81が溶け流れ、開口部317から貫通孔34内に流れ込み、内壁面304に沿って貫通孔34を通り、開口部318に到達する。開口部318は、第1主面201にあるので、開口部318に到達した導電性接合材81によって、端子電極44が、端子電極812と接合されていることが目視で確認できる。
【0041】
この際、内壁面301と同様に、内壁面302は半田濡れ性のよいNi/Auのめっき膜で構成されている。このため、導電性接合材81はスムーズに流れることができ、より確実に開口部314に達し、接合を確実に目視できる。内壁面304についても同様である。
【0042】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る表面実装型インターポーザについて、図を参照して説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係る表面実装型インターポーザの外観斜視図である。図5は、第2の実施形態に係る電子機器の構成を示す斜視図である。図6は、本発明の第2の実施形態に係る図5のA−A断面を示す図である。図4、5、6では、図を見やすくするために、一部の符号の付記を省略している。
【0043】
図4図6に示すように、表面実装型インターポーザ20Aは、第1主面201A、第2主面202A、および、第1主面201Aと第2主面202Aを連接する側面203Aを備える。
【0044】
第1主面201Aには、複数の端子電極41A、43Aを備える。第2主面202Aには、複数の端子電極42A、44Aを備える。端子電極41A、43Aは、本発明の「第1端子電極」に対応し、端子電極42A、44Aは、本発明の「第2端子電極」に対応する。複数の端子電極41A、43Aは、第1主面201Aに所定の配列パターンで形成されている。複数の端子電極42A、44Aは、第1主面201Aに所定の配列パターンで形成されている。
【0045】
表面実装型インターポーザ20Aの内部には、複数の配線導体200Aが形成されている。配線導体200Aは、ビア導体210Aとビア導体210Aに直交する平面を有する平面導体パターン220Aで構成されている。配線導体200Aは、端子電極41Aと端子電極42Aを接続し、端子電極43Aと端子電極44Aを接続している。
【0046】
表面実装型インターポーザ20Aは、貫通孔31A、32A、33A、34Aを備えている。貫通孔31Aは、途中で屈曲する形状であり、一端が第1主面201A側に開口しており、他端が側面203Aに開口している。貫通孔31Aは、端子電極41Aを貫通しており、この部分が貫通孔31Aの一端の開口部311Aである。貫通孔31Aの他端は、側面203Aにおける電極が形成されていない領域に開口している。この部分が貫通孔31Aの他端の開口部312Aである。
【0047】
貫通孔33Aは、貫通孔31Aと同様の形状であり、端子電極43Aを貫通しており、この部分が貫通孔33Aの一端の開口部315Aである。貫通孔33Aの他端は、側面203Aにおける電極が形成されていない領域に開口している。この部分が貫通孔33Aの他端の開口部316Aである。貫通孔31A、33Aは、本発明の「第1貫通孔」に対応する。
【0048】
貫通孔32Aは、途中で屈曲する形状であり、一端が第2主面202A側に開口しており、他端は側面203Aに開口している。貫通孔32Aは、端子電極42Aを貫通しており、この部分が貫通孔32Aの開口部313Aである。貫通孔32Aの他端は、側面203Aにおける電極が形成されていない領域に開口している。この部分が貫通孔32Aの開口部314Aである。また、開口部314Aは、開口部312Aよりも下側に形成されている。
【0049】
貫通孔34Aは、途中で屈曲する形状であり、一端が第2主面202A側に開口しており、他端は側面203Aに開口している。貫通孔34Aは、端子電極44Aを貫通しており、この部分が貫通孔34Aの開口部317Aである。貫通孔34Aの他端は、側面203Aにおける電極が形成されていない領域に開口している。この部分が貫通孔34Aの開口部318Aである。また、開口部318Aは、開口部316Aよりも下側に形成されている。貫通孔32A、34Aは、本発明の「第2貫通孔」に対応する。
【0050】
複数の貫通孔31A、33Aは、それぞれ端子電極41A、43Aに対して、所定の配列パターンで形成されている。複数の貫通孔32A、34Aは、それぞれ端子電極42A、44Aに対して、所定の配列パターンで形成されている。それに伴い、開口部311A、315Aは、第1主面201Aに、所定の配列パターンで形成されている。開口部313A、317Aは、第2主面202Aに、所定の配列パターンで形成されている。開口部312A、314A、316A、318Aは、側面203Aに、所定の配列パターンで形成されている。
【0051】
より具体的には、図6に示すように、表面実装型インターポーザ20Aの第1主面201Aに端子電極41A、43Aが配置されている。フラットケーブル60における端子電極801Aは、表面実装型インターポーザ20Aの第1主面201Aの端子電極41A、43Aに、導電性接合材80Aによって接続されている。導電性接合材80Aは、本発明の「第1導電性接合材」に対応する。ここで、端子電極801Aと、端子電極41Aを、導電性接合材80Aを介して熱圧着することにより、導電性接合材80Aが溶け流れ、開口部311Aから貫通孔31A内に流れ込み、内壁面301Aに沿って貫通孔31Aを通り、開口部312Aに到達する。開口部312Aは、側面203Aにあるので、開口部312Aに到達した導電性接合材80Aによって、端子電極41Aが、端子電極801Aと接合されていることが目視で確認できる。
【0052】
同様に、端子電極802Aと、端子電極43Aを、導電性接合材80Aを介して熱圧着することにより、導電性接合材80Aが溶け流れ、開口部315Aから貫通孔33A内に流れ込み、内壁面303Aに沿って貫通孔33Aを通り、開口部316Aに到達する。開口部316Aは、側面203Aにあるので、開口部316Aに到達した導電性接合材80Aによって、端子電極43Aが、端子電極802Aと接合されていることが目視で確認できる。
【0053】
この際、内壁面301Aは、半田濡れ性のよいNi/Auのめっき膜で構成されているため、導電性接合材80Aはスムーズに流れることができ、より確実に開口部312Aに達し、接合を確実に目視できる。内壁面303Aについても同様である。
【0054】
図6に示すように、表面実装型インターポーザ20Aの第2主面202Aに端子電極42A、44Aが配置されている。プリント配線基板50Aにおける端子電極811Aは、表面実装型インターポーザ20Aの第2主面202Aの端子電極42Aに、導電性接合材81Aによって接続されている。導電性接合材81Aは、本発明の「第2導電性接合材」に対応する。ここで、端子電極811Aと、端子電極42Aを、導電性接合材81Aを介して、熱圧着することにより、導電性接合材81Aが溶け流れ、開口部313Aから貫通孔32A内に流れ込み、内壁面302Aに沿って貫通孔32Aを通り、開口部314Aに到達する。開口部314Aは、側面203にあるので、開口部314Aに到達した導電性接合材81Aによって、端子電極42Aが、端子電極811Aと接合されていることが目視で確認できる。
【0055】
同様に、端子電極812Aと、端子電極44Aを、導電性接合材81Aを介して、熱圧着することにより、導電性接合材81Aが溶け流れ、開口部317Aから貫通孔34A内に流れ込み、内壁面304Aに沿って貫通孔34Aを通り、開口部318Aに到達する。開口部318Aは、側面203Aにあるので、開口部318Aに到達した導電性接合材81Aによって、端子電極44Aが、端子電極812Aと接合されていることが目視で確認できる。
【0056】
この際、内壁面301Aと同様に、内壁面302Aは半田濡れ性のよいNi/Auのめっき膜で構成されているため、導電性接合材81Aはスムーズに流れることができ、より確実に開口部314Aに達し、接合を確実に目視できる。内壁面304Aについても同様である。
【0057】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る表面実装型インターポーザについて、図を参照して説明する。図7は、本発明の第3の実施形態に係る構成を示す側面断面図である。図7に示すように、第3の実施形態に係る表面実装型インターポーザは、第1の実施形態に係る表面実装型インターポーザ20に対して、貫通孔32B、34Bの形状において異なる。電子機器10Bの他の構成は、表面実装型インターポーザ20と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0058】
表面実装型インターポーザ20Bは、貫通孔31B、32B、33B、34Bを備えている。貫通孔31Bは、途中で屈曲する形状であり、両端が第1主面201B側に開口している。貫通孔31Bの一端は端子電極41Bに連接している。貫通孔31Bは、端子電極41Bを貫通しており、この部分が端子電極41Bの開口部311Bである。貫通孔31Bの他端は、第1主面201Bにおける電極が形成されていない領域に開口している。この部分が開口部312Bである。また、開口部312Bは、フラットケーブル60が、表面実装型インターポーザ20Bと接合された時に、フラットケーブル60とは重ならず、フラットケーブル60と重なる領域の外側に位置にする。
【0059】
貫通孔33Bの一端は端子電極43Bに連接している。貫通孔33Bは、端子電極43Bを貫通しており、この部分が端子電極43Bの開口部315Bである。貫通孔33Bの他端は、側面203Bにおける電極が形成されていない領域に開口している。この部分が開口部316Bである。また、開口部316Bは、フラットケーブル60が、表面実装型インターポーザ20Bと接合された時に、フラットケーブル60とは重ならず、フラットケーブル60と重なる領域の外側に位置にする。貫通孔31B、33Bは、本発明の「第1貫通孔」に対応する。
【0060】
貫通孔32Bは、途中で屈曲する形状であり、一端が第2主面202B側に開口しており、他端は側面203Bに開口している。貫通孔32Bは、端子電極42Bを貫通しており、この部分が貫通孔32Bの開口部313Bである。貫通孔32Bの他端は、側面203Bにおける電極が形成されていない領域に開口している。この部分が開口部314Bである。
【0061】
貫通孔34Bは、途中で屈曲する形状であり、一端が第2主面202B側に開口しており、他端は側面203Bに開口している。貫通孔34Bは、端子電極44Bを貫通しており、この部分が貫通孔32Bの開口部317Bである。貫通孔34Bの他端は、側面203Bにおける電極が形成されていない領域に開口している。この部分が開口部318Bである。貫通孔32B、34Bは、本発明の「第2貫通孔」に対応する。
【0062】
複数の貫通孔31B、33Bは、それぞれ端子電極41B、43Bに対して、所定の配列パターンで形成されている。複数の貫通孔32B、34Bは、それぞれ端子電極42B、44Bに対して、所定の配列パターンで形成されている。それに伴い、開口部311B、312B、315B、316Bは、第1主面201Bに、所定の配列パターンで形成されている。開口部313B、317Bは、第2主面202Bに、所定の配列パターンで形成されている。開口部314B、318Bは、側面203Bに、所定の配列パターンで形成されている。
【0063】
より具体的には、図7に示すように、表面実装型インターポーザ20Bの第1主面201Bに端子電極41B、43Bが配置されている。フラットケーブル60における端子電極801Bは、表面実装型インターポーザ20Bの第1主面201Bの端子電極41Bに、導電性接合材80Bによって接続されている。導電性接合材80Bは、本発明の「第1導電性接合材」に対応する。端子電極801Bと、端子電極41Bを、導電性接合材80Bを介して熱圧着することにより、導電性接合材80Bが溶け流れ、開口部312Bから貫通孔31Bに流れ込み、内壁面301Bに沿って貫通孔31Bを通り、開口部312Bに到達する。開口部312Bは、第1主面201Bにあるので、開口部312Bに到達した導電性接合材80Bによって、端子電極41Bが、端子電極801Bと接合されていることが目視で確認できる。
【0064】
同様に、端子電極802Bと、端子電極43Bを、導電性接合材80Bを介して熱圧着することにより、導電性接合材80Bが溶け流れ、開口部315Bから貫通孔33Bに流れ込み、内壁面303Bに沿って貫通孔33Bを通り、開口部316Bに到達する。開口部316Bは、第1主面201Bにあるので、開口部316Bに到達した導電性接合材80Bによって、端子電極43Bが、端子電極802Bと接合されていることが目視で確認できる。
【0065】
これにより、フラットケーブル60と表面実装型インターポーザ20Bが接合できていることを容易に確認できる。
【0066】
この際、内壁面301Bは、半田濡れ性のよいNi/Auのめっき膜で構成されている。このため、導電性接合材80Bはスムーズに流れることができ、より確実に開口部312Bに達し、接合を確実に目視できる。内壁面303Bについても同様である。
【0067】
図7に示すように、表面実装型インターポーザ20Bの第2主面202Bに端子電極42B、44Bが配置されている。プリント配線基板50Bにおける端子電極811Bは、表面実装型インターポーザ20Bの第2主面202Bの端子電極42Bに、導電性接合材81Bによって接続されている。導電性接合材81Bは、本発明の「第2導電性接合材」に対応する。ここで、端子電極811Bと、端子電極42Bを、導電性接合材81Bを介して熱圧着することにより、開口部313Bから貫通孔32B内に流れ込み、導電性接合材81Bが溶け流れ、内壁面302Bに沿って貫通孔32Bを通り、開口部314Bに到達する。開口部314Bは、側面203Bにあるので、開口部314Bに到達した導電性接合材81Bによって、端子電極42Bが、端子電極811Bと接合されていることが目視で確認できる。
【0068】
同様に、端子電極812Bと、端子電極44Bを、導電性接合材81Bを介して熱圧着することにより、開口部317Bから貫通孔34B内に流れ込み、導電性接合材81Bが溶け流れ、内壁面304Bに沿って貫通孔34Bを通り、開口部318Bに到達する。開口部318Bは、側面203Bにあるので、開口部318Bに到達した導電性接合材81Bによって、端子電極44Bが、端子電極812Bと接合されていることが目視で確認できる。
【0069】
これにより、表面実装型インターポーザ20Bとプリント配線基板50Bが接合できていることを容易に確認できる。
【0070】
この際、内壁面301Bと同様に、内壁面302Bは半田濡れ性のよいNi/Auのめっき膜で構成されている。このため、導電性接合材81Bはスムーズに流れることができ、より確実に開口部314Bに達し、接合を確実に目視できる。内壁面304Bについても同様である。
【0071】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る表面実装型インターポーザについて、図を参照して説明する。図8は、本発明の第4の実施形態に係る電子機器を天面から見た平面図である。図9は、本発明の第4の実施形態に係る図8のA−A断面を示す図である。図10は、本発明の第4の実施形態に係る実装工程での概略斜視図である。図8、9、10に示すように、第4の実施形態に係る表面実装型インターポーザ20Cは、第1の実施形態に係る表面実装型インターポーザ20に対して、貫通部701を備えている点において異なる。また、第4の実施形態におけるプリント配線基板50Cは、第1の実施形態におけるプリント配線基板50に対して、アライメントマーク70を備えている点において異なる。なお、電子機器10Cの他の構成は、電子機器10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0072】
図8図9に示すように、プリント配線基板50Cに対して、表面実装型インターポーザ20C、フラットケーブル60の順で実装されている。表面実装型インターポーザ20Cは、貫通部701を備えている。
【0073】
プリント配線基板50Cには、アライメントマーク70が形成されている。アライメントマーク70は、プリント配線基板50Cにおける、表面実装型インターポーザ20Cの実装領域内に形成されている。より具体的には、表面実装型インターポーザ20Cの実装領域の各角部の内側に形成されている。
【0074】
貫通部701は、電子機器10Cを平面視して、アライメントマーク70の形状を完全に目視できる大きさであり、四隅に1つずつ形成されている。また、貫通部701は、表面実装型インターポーザ20Cの角部20Rから等しい間隔で配置されている。貫通部701は、一端が第1主面201C側に開口しており、他端が第2主面202Cに開口している。
【0075】
図10に示すように、プリント配線基板50Cに表面実装型インターポーザ20Cを実装する際、および、表面実装型インターポーザ20Cにフラットケーブル60を実装する際、カメラC1でアライメントマーク70を認識し、アライメントマーク70を基準にして位置調整を行う。これにより、プリント配線基板50Cに対して、表面実装型インターポーザ20Cを精度良く実装できる。
【0076】
さらに、アライメントマーク70が表面実装型インターポーザ20Cで隠れないため、表面実装型インターポーザ20Cにフラットケーブル60を実装する際に、アライメントマーク70を利用できる。よって、表面実装型インターポーザ20Cに対して、フラットケーブル60を精度良く実装できる。
【0077】
また、この構成では、アライメントマーク70をプリント配線基板50Cにおける表面実装型インターポーザ20Cの実装領域外に配置しなくても良いので、プリント配線基板50Cを有効活用できる。例えば、プリント配線基板50Cを小型にできる。
【0078】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る表面実装型インターポーザについて、図を参照して説明する。図11は、本発明の第5の実施形態に係る実装工程での概略斜視図である。図11に示すように、第5の実施形態に係る表面実装型インターポーザは、第1の実施形態に係る表面実装型インターポーザ20に対して、切り欠き部701Dを備えている点、プリント配線基板50に対して、アライメントマーク70を備えている点において異なる。なお、電子機器10Dの他の構成は、電子機器10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0079】
切り欠き部701Dは、電子機器10Dを平面視して、アライメントマーク70の形状を完全に目視できる大きさであり、表面実装型インターポーザ20Dの四隅に1つずつ形成されている。切り欠き部701Dは、第1主面201D側から第2主面202Dに向けて、切り欠いた形状である。
【0080】
図11に示すように、プリント配線基板50Dに表面実装型インターポーザ20Dを実装する際、および、表面実装型インターポーザ20Dにフラットケーブル60を実装する際、カメラC2でアライメントマーク70を認識し、アライメントマーク70を基準にして位置調整を行う。これにより、プリント配線基板50Dに対して、表面実装型インターポーザ20Dを精度良く実装できる。
【0081】
さらに、アライメントマーク70が表面実装型インターポーザ20Dで隠れないため、表面実装型インターポーザ20Dにフラットケーブル60を実装する際に、アライメントマーク70を利用できる。よって、表面実装型インターポーザ20Dに対して、フラットケーブル60を精度良く実装できる。
【0082】
また、この構成では、アライメントマーク70をプリント配線基板50Dにおける表面実装型インターポーザ20Dの実装領域外に配置しなくても良いので、プリント配線基板50Dを有効活用できる。例えば、プリント配線基板50Dを小型にできる。すなわち、第4の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0083】
なお、上述の各実施形態において、各貫通孔の端子電極を貫通する側の端部と反対側の端部は、第1主面、または、側面に開口していれば、上述の作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0084】
C1、C2…カメラ
10、10B、10C、10D…電子機器
20、20A、20B、20C、20D…表面実装型インターポーザ
20R…角部
31、31A、31B、32、32A、32B、33、33A、33B、34、34B…貫通孔
41、41A、41B、42、42A、42B、43、43A、43B、44、44A、44B…端子電極
50、50A、50B、50C、50D…プリント配線基板
60…フラットケーブル
70…アライメントマーク
80、80A、80B、81、81A、81B、82B…導電性接合材
200、200A…配線導体
201、201A、201B、201C、201D…第1主面
202、202A、202B、202C、202D…第2主面
203、203A、203B…側面
210、210A…ビア導体
220、220A…平面導体パターン
301、301A、301B、302、302A、302B、303、303A、303B、304、304A、304B…内壁面
311、311A、311B、312、312A、312B、313、313A、313B、314、314A、314B、315、315A、315B、316、316A、316B、317、317A、317B、318、318A、318B…開口部
701…貫通部
801、801A、801B、802、802A、802B、811、811A、811B、812、812A、812B…端子電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11