(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Nが2以上の整数であり、第1から第Nまでの温度センサーをそれぞれ備え、前記第1から第Nまでの温度センサーが第1から第Nまでの内部温度をそれぞれ検出する第1から第Nまでの色測定機器と、
前記第1から第Nまでの色測定機器が接続され、前記第1から第Nまでの内部温度からそれぞれ取得される第1から第Nまでの温度変動量の一部でも許容値を超えた場合に前記第1から第Nまでの色測定機器の全部において同時に校正が行われるように前記第1から第Nまでの色測定機器を制御する制御装置と、
を備える色測定システム。
【発明を実施するための形態】
【0020】
1 第1実施形態
1.1 序
第1実施形態は、光源色測定システムに関する。
【0021】
1.2 光源色測定システム
図1は、第1実施形態の光源色測定システムを図示するブロック図である。
【0022】
図1に図示される光源色測定システム1000は、N個の光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nおよび制御装置1020を備える。Nは、2以上の整数である。光源色測定システム1000がこれらの構成物以外の構成物を備えてもよい。
【0023】
光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nの各々は、受光プローブ等であり、光源からの光を受光し光源色を測定する。光源色の測定とは、光源からの光の強度および色に関する情報を取得し光源の輝度および色を特定することである。光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
NがN個の物体色測定機器に置き換えられ光源色測定システム1000が物体色測定システムに置き換えられることも許される。N個の物体色測定機器の各々は、光源からの光を反射する反射体または光源からの光を透過する透過体からの光を受光し物体色を測定する。
【0024】
制御装置1020には、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nが電気的に接続される。制御装置1020は、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nに電力を供給し、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nを制御し、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nから光源色の測定値を収集する。
【0025】
制御装置1020は、コマンド、データーおよび信号を光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nの各々に送信し、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nの各々は、送信されたコマンド、データーおよび信号を制御装置1020から受信する。光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nの各々は、コマンド、データーおよび信号を制御装置1020に送信し、制御装置1020は、送信されたコマンド、データーおよび信号を光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nの各々から受信する。コマンドおよびデーターが信号の形態をとってもよい。
【0026】
1.3 測定例
図2は、第1実施形態の光源色測定システムによる測定例を図示する模式図である。
【0027】
図2に図示される測定例は、Nが4である場合のものである。
【0028】
図2に図示される測定例においては、ディスプレイ1030の生産の途上においてディスプレイ1030の表示面の4点の光源色が4個の光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4によりそれぞれ測定される。4点が測定されるのは、表示面が大きいためである。3点以下または5点以上が測定されてもよい。光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4による測定は、同時に行われる。測定が同時に行われるのは、ディスプレイ1030を駆動する信号が周期性を有するためである。測定により得られる測定値は、ディスプレイ1030の表示面における輝度および色度の均一性および時間変化を検査するために用いられる。
【0029】
このように4点同時測定が行われる場合は、例えば1個の光源色測定機器P
1において校正を行う必要が生じたときに、残余の3個の光源色測定機器P
2,P
3およびP
4において校正を行う必要が生じていなくても、4個の光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4の全部において光源色測定が中断され、当該1個の光源色測定機器P
1において校正が行われなければならない。したがって、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4における校正が互いに異なるタイミングで行われる場合は、各校正が行われるたびに連続測定が中断され、ディスプレイ1030の生産性が低下する。
【0030】
このため、光源色測定システム1000においては、1個の光源色測定機器P
1において校正を行う必要が生じたときは、残余の3個の光源色測定機器P
2,P
3およびP
4において校正を行う必要が生じていなくても、4個の光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4の全部において校正が行われる。これにより、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4における校正が行われるタイミングが時間的に分散されることにより懸念される連続測定が中断される頻度が抑制される。
【0031】
1.4 光源色測定機器
図3は、第1実施形態の光源色測定システムに備えられる光源色測定機器の構成を示す図である。
【0032】
図3に図示される光源色測定機器Pは、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nの各々であり、シャッター1040、モーター1041、光センサー1042、温度センサー1043、取得部1044および記憶素子1045を備える。
【0033】
光源色測定機器Pの動作は、光源色測定機器Pのモードにより変化する。光源色測定機器Pのモードには、通常測定モード、校正モードおよび温度情報出力モードがある。
【0034】
光源色測定機器Pのモードが通常測定モードである場合は、光源色測定機器Pが、通常測定の光源色測定を実行し、通常測定の光源色測定値を示すデーターを制御装置1020に送信し、温度測定を実行し、温度変動量を示すデーターを制御装置1020に送信する。通常測定の光源色測定においては、光源色測定に使用される光センサー1042に入射する光の光路1060がシャッター1040により開放され、光源色測定の対象となる光が光センサー1042に入射し、入射した光の強度および色に応じた信号が光センサー1042から出力される。通常測定の光源色測定においては、例えば液晶パネル等の発光体の輝度および色が特定される。温度測定においては、温度センサー1043が光センサー1042の温度を検出し、取得部1044が検出された温度から温度変動量を取得する。取得部1044は、取得した温度変動量を示すデーターを制御装置1020に送信する。温度変動量は、記憶素子1045に記憶されている前回校正時に検出された光センサー1042の温度からの新たに検出された光センサー1042の温度の変動である。光センサー1042の温度以外の光源色測定機器Pの内部温度が検出されてもよい。
【0035】
光源色測定機器Pのモードが校正モードである場合は、光源色測定機器Pが、校正のための光源色測定を実行し、校正のための光源色測定の測定値を示すデーターを記憶素子1045に記憶させる。校正のための光源色測定においては、光路1060がシャッター1040により遮断され、光源色測定の対象となる光が光センサー1042に入射しないようにされ、光源色測定の対象となる光が光センサー1042に入射しない場合の信号が光センサー1042から出力され、温度変動量がリセットされる。したがって、校正のための光源色測定が実行される前には、シャッター1040が光路1060を遮断するようにモーター1041がシャッター1040を駆動する事前の駆動動作が実行される。事前の駆動動作は、校正のための光源色測定の準備のための駆動動作である。また、校正のための光源色測定が実行され測定値を示すデーターが記憶された後には、シャッター1040が光路1060を開放するようにモーター1041がシャッター1040を駆動する事後の駆動動作が実行される。したがって、事前の駆動動作、光源色測定および事後の駆動動作は、シリアルに実行される。校正時に温度変動量がリセットされるのは、校正時は温度変動量の計測が開始される開始点であるためである。
【0036】
光源色測定機器Pのモードが温度情報出力モードである場合は、光源色測定機器Pが温度測定を実行する。温度測定においては、温度センサー1043が光センサー1042の温度を検出し、取得部1044が検出された温度から温度変動量を取得する。取得部1044は、取得した温度変動量を示すデーターを制御装置1020に送信する。
【0037】
1.5 温度変動量を検出する意義
光センサー1042の特性は、温度依存性を有する。例えば、光センサー1042がシリコン素子である場合は、光センサー1042の感度は極めて小さい温度係数しか有しないが、光センサー1042のオフセット電圧は約−2mV/℃のやや大きい温度係数を有する。また、光源色測定の対象となる光の輝度の範囲は概ね10
−3から10
6cd/m
2であり、光源色測定の対象となる光の輝度が当該範囲の下限である10
−3cd/m
2である場合は、光センサー1042から出力される信号の信号レベルは電圧変換された時点で数mVにしかならない。したがって、温度が変化する環境下において微弱光に対して十分な測定精度を維持するためには、取得された温度変動量が要求される測定精度を維持できる温度変動量を超えた場合に、オフセット成分が測定値に基づく演算により取り除かれる。なお、オフセット成分を取り除く手段は演算だけではなく回路による補償も含まれる。
【0038】
1.6 制御装置
制御装置1020は、
図1に図示されるように、本体1080および電源1081を備える。本体1080は、インターフェース1100、制御部1101および判定部1102を備える。
【0039】
インターフェース1100には、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nが接続される。
【0040】
制御部1101は、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nを制御する。
【0041】
判定部1102は、1台のモーター1041を駆動するのに必要な電力と電源1081の容量との比率から、同時に駆動できるモーター1041の数を判定する。第1実施形態においては、同時に駆動できるモーター1041の数が1個であると判定されている。
【0042】
電源1081は、ACアダプター、電池等であり、本体1080に電力を供給し、本体1080を経由して光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nに電力を供給する。したがって、本体1080は、電源1081により駆動され、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nに電力を供給する。
【0043】
1.7 制御装置と光源色測定機器との間の通信
図4は、第1実施形態の光源色測定システムにおける電力および情報の流れを図示するブロック図である。
【0044】
光源色測定機器Pのモードが通常測定モードである場合は、制御部1101が通常測定のための測定コマンドを光源色測定機器Pに送信する。光源色測定機器Pは、送信された通常測定のための測定コマンドを制御部1101から受信し、通常測定のための測定コマンドの受信に応答して光源色測定を実行し、光源色測定の測定値を示すデーターを制御部1101に送信する。
【0045】
光源色測定機器Pのモードが校正モードである場合は、制御部1101が校正のための測定コマンドを光源色測定機器Pに送信する。光源色測定機器Pは、送信された校正のための測定コマンドを制御部1101から受信し、校正のための測定コマンドの受信に応答して光源色測定を実行し、校正が完了したことを示す完了信号を制御部1101に送信する。光源色測定の測定値を示すデーターが制御装置1020に送信されてもよい。また、制御部1101は、モーター1041にシャッター1040を駆動させるタイミングで制御信号を光源色測定機器Pに送信する。光源色測定機器Pは、送信された制御信号を制御部1101から受信し、制御信号の受信に応答してモーター1041にシャッター1040を駆動させる駆動動作を実行し、駆動動作が完了した時に完了信号を制御部1101に送信する。制御部1101は、送信された完了信号を光源色測定機器Pから受信する。
【0046】
光源色測定機器Pのモードが温度情報出力モードである場合は、制御部1101が温度変動量を要求するコマンドを光源色測定機器Pに送信する。光源色測定機器Pは、送信された温度変動量を要求するコマンドを制御部1101から受信し、温度変動量を要求するコマンドの受信に応答して温度測定を実行し、温度変動量を示すデーターを制御部1101に送信する。制御部1101は、送信された温度変動量を示すデーターを光源色測定機器Pから受信する。温度変動量に代えてまたは温度変動量に加えて、あらかじめ設定された許容値と温度変動量との比較の結果を示す比較情報を示すデーターが比較情報を要求するコマンドの受信に応答して送信されてもよい。温度変動量に代えて温度そのものを示すデーターが送信されてもよい。この場合は、制御装置1020が光源色測定機器Pから受信した互いに異なる複数の時刻における複数の温度から温度変動量を取得する。
【0047】
光源色測定機器Pにおいては、光センサー1042の温度が連続的に検出される。このため、温度変動量が許容値を超えた場合に、光源色測定機器Pが任意のタイミングで校正を推奨する信号を制御部1101に送信してもよい。
【0048】
制御部1101は、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nにおける校正が連続測定を阻害しないタイミングで行われるように、温度変動量を取得するタイミングを制御する。例えば、先の測定と当該先の測定の次に行われる後の測定との間の時間間隔が十分である場合は、先の測定の前後および後の測定の待ち時間に温度変動量が取得され、後の測定までに校正が完了させられる。
【0049】
1.8 校正タイミング制御
制御部1101は、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nにおける温度変動量の一部でも許容値を超えた場合に光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nの全部において同時にゼロ校正が行われるように光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nを制御する。
【0050】
1.9 校正タイミング制御の第1実施例
図5Aおよび
図5Bは、第1実施形態の光源色測定システムにおける温度変動量の時間変化および校正が実行されるタイミングの第1実施例を図示するタイミングチャートである。
【0051】
図5Aおよび
図5Bに図示される温度変動量の時間変化および校正が実行されるタイミングは、Nが4であり、事前の駆動動作、光源色測定および事後の駆動動作の実行に要する時間がそれぞれ約0.25秒、3秒および約0.25秒であり、校正を行うのに要する時間が約3.5秒である場合のものである。この時間は、送受信処理等を除く、校正を行うのに要する最短の時間である。また、
図5Aおよび
図5Bに図示される温度変動量の時間変化および校正が実行されるタイミングは、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4が設置される環境の温度が数℃だけ変化した場合のものである。
【0052】
光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4が同じ温度環境下において使用される場合は、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4に備えられる光センサー1042の温度は、概ね同様に時間変化する。このため、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4が同じ温度環境下において使用される場合は、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4における温度変動量は、
図5Aに図示されるように、概ね同様に時間変化する。
【0053】
しかし、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4が同じ温度環境下において使用される場合であっても、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4に備えられる光センサー1042の温度の時間変化は、わずかではあるが互いに相違する。このため、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4が同じ温度環境下において使用される場合であっても、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4における温度変動量の時間変化は、
図5Aに図示されるように、わずかではあるが互いに相違する。
【0054】
したがって、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4が同じ温度環境下において使用される場合であっても、
図5Aに図示されるように、光源色測定機器P
1における温度変動量が許容値である3℃を超えたタイミングT
1で、光源色測定機器P
2,P
3およびP
4における温度変動量が許容値である3℃をまだ超えていないことが起こりうる。
【0055】
第1実施例においては、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4において校正が必要になるタイミングが互いに近接していることが想定されるため、
図5Aおよび
図5Bに図示されるように、光源色測定機器P
1における温度変動量が許容値である3℃を超えるタイミングT
1で光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4においてそれぞれ行われる校正C
1,C
2,C
3およびC
4が同時に開始される。このため、校正C
1,C
2,C
3およびC
4が同時に行われる。したがって、校正C
1,C
2,C
3およびC
4を行うのに要する時間は、約3.5秒である。
【0056】
1.10 校正タイミング制御の第1比較例
図6Aおよび
図6Bは、温度変動量の時間変化および校正が実行されるタイミングの第1比較例を図示するタイミングチャートである。
【0057】
第1実施例と対比される第1比較例においては、
図6Aおよび
図6Bに図示されるように、光源色測定機器P
1における温度変動量が許容値である3℃を超えるタイミングT
1で光源色測定機器P
1において行われる校正C
1が開始され、光源色測定機器P
2における温度変動量が許容値である3℃を超えるタイミングT
2で光源色測定機器P
2において行われる校正C
2が開始され、光源色測定機器P
3における温度変動量が許容値である3℃を超えるタイミングT
3で光源色測定機器P
3において行われる校正C
3が開始され、光源色測定機器P
4における温度変動量が許容値である3℃を超えるタイミングT
4で光源色測定機器P
4において行われる校正C
4が開始される。このため、校正C
1,C
2,C
3およびC
4が同時に行われない。したがって、例えばタイミングT
1,T
2,T
3およびT
4における隣接する2個のタイミングの間の間隔が3から4秒であり校正C
1,C
2,C
3およびC
4が時間をほとんどおかずにシリアルに実行される場合は、校正C
1,C
2,C
3およびC
4を行うのに要する時間は、約14秒である。
【0058】
1.11 校正タイミング制御の第2実施例
図7Aおよび
図7Bは、第1実施形態の光源色測定システムにおける温度変動量の時間変化および校正が実行されるタイミングの第2実施例を図示するタイミングチャートである。
【0059】
図7Aおよび
図7Bに図示される温度変動量の時間変化および校正が実行されるタイミングは、Nが4であり、事前の駆動動作、光源色測定および事後の駆動動作の実行に要する時間がそれぞれ約0.25秒、3秒および約0.25秒であり、校正を行うのに要する時間が約3.5秒である場合のものである。また、
図7Aおよび
図7Bに図示される温度変動量の時間変化および校正が実行されるタイミングは、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4が設置される環境の温度が数℃だけ変化した場合のものである。
【0060】
光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4が同じ温度環境下において使用される場合は、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4における温度変動量は、
図7Aに図示されるように、概ね同様に時間変化する。しかし、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4が同じ温度環境下において使用される場合であっても、光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4における温度変動量の時間変化は、
図7Aに図示されるように、わずかではあるが互いに相違する。
【0061】
第2実施例においては、
図7Aおよび
図7Bに図示されるように、光源色測定機器P
1における温度変動量が許容値である3℃を超えるタイミングT
1で光源色測定機器P
1,P
2,P
3およびP
4においてそれぞれ行われる校正C
1,C
2,C
3およびC
4が同時に開始される。このため、校正C
1,C
2,C
3およびC
4が同時に行われる。校正C
1,C
2,C
3およびC
4を行うのに要する時間は、約3.5秒である。
【0062】
第2実施例によれば、生産工程において連続測定が行われる場合に、校正C
1,C
2,C
3およびC
4のために約3.5秒だけ連続測定が中断された後は光源色測定機器P
1,P
2,P
3またはP
4における温度変動量が許容値を超えるまで連続測定が継続される。したがって、校正C
1,C
2,C
3およびC
4が生産工程に与える影響は小さい。
【0063】
1.12 校正タイミング制御の第2比較例
図8Aおよび
図8Bは、温度変動量の時間変化および校正が実行されるタイミングの第2比較例を図示するタイミングチャートである。
【0064】
第2実施例と対比される第2比較例においては、
図8Aおよび
図8Bに図示されるように、光源色測定機器P
1における温度変動量が許容値である3℃を超えるタイミングT
1で光源色測定機器P
1において行われる校正C
1が開始され、光源色測定機器P
2における温度変動量が許容値である3℃を超えるタイミングT
2で光源色測定機器P
2において行われる校正C
2が開始され、光源色測定機器P
3における温度変動量が許容値である3℃を超えるタイミングT
3で光源色測定機器P
3において行われる校正C
3が開始され、光源色測定機器P
4における温度変動量が許容値である3℃を超えるタイミングT
4で光源色測定機器P
4において行われる校正C
4が開始される。このため、校正C
1,C
2,C
3およびC
4が同時に行われず断続的に行われる。
【0065】
第2比較例によれば、生産工程において連続測定が行われる場合に、校正C
1のために連続測定が中断された後に校正C
2,C
3およびC
4の各々のために連続測定がさらに中断される。したがって、校正C
1,C
2,C
3およびC
4が生産工程に与える影響は大きい。生産工程がディスプレイ1030の生産工程等である場合は、連続測定の中断が作業のやり直しを強いることがあり、校正C
1,C
2,C
3およびC
4が生産工程に与える影響はさらに大きい。
【0066】
1.13 校正が同時に行われることの利点
第1実施形態の校正タイミング制御によれば、光センサー1042の温度の変動の影響を解消するために行われる光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nにおける校正が同時に行われ、当該校正に要する時間が短縮される。
【0067】
また、第1実施形態の校正タイミング制御によれば、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nが同じ温度環境下において使用され光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nの特性が同じ温度係数を有する場合には、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nにおいて校正が同時に行われた後に、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nにおける温度変動量の時間変化がほぼ均一になり、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nにおいてほぼ同時に再び校正が必要になり、連続測定が阻害されにくい。このような状況は、ディスプレイの検査等において同じ型の光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nが使用される場合に生じる。
【0068】
これに対して、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nにおける温度変動量が許容値を超えるタイミングが時間的に分散し校正が行われるタイミングが時間的に分散する場合は、連続測定が阻害されやすい。
【0069】
1.14 駆動/測定タイミング制御
図9A〜
図9Dおよび
図10は、第1実施形態の光源色測定システムにおける諸動作が実行されるタイミングおよび電源電流の時間変化を図示するタイミングチャートである。
【0070】
図9A〜
図9Dおよび
図10に図示される諸動作が実行されるタイミングおよび電源電流の時間変化は、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nのモードが校正モードであり光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nにおいてゼロ校正が同時に行われる場合のものである。
図10に図示される電源電流は、事前の駆動動作および事後の駆動動作のために電源1081から光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nに供給される電流の時間変化である。
【0071】
図9A〜
図9Dおよび
図10に図示されるように、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nにおいて同時にゼロ校正が行われる場合には、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nが、事前の駆動動作B
1,B
2,B
3,・・・,B
Nをそれぞれ実行し、ゼロ校正のための光源色測定M
1,M
2,M
3,・・・,M
Nをそれぞれ実行し、事後の駆動動作A
1,A
2,A
3,・・・,A
Nをそれぞれ実行する。事前の駆動動作B
1,B
2,B
3,・・・,B
Nは、光源色測定M
1,M
2,M
3,・・・,M
Nの前にそれぞれ実行される。事後の駆動動作A
1,A
2,A
3,・・・,A
Nは、光源色測定M
1,M
2,M
3,・・・,M
Nの後にそれぞれ実行される。したがって、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nは、事前の駆動動作B
1,B
2,B
3,・・・,B
N、光源色測定M
1,M
2,M
3,・・・,M
Nおよび事後の駆動動作A
1,A
2,A
3,・・・,A
Nをそれぞれシリアルに実行する。
【0072】
事前の駆動動作B
iは、光源色測定機器P
iに備えられるモーター1041の駆動を含む。光源色測定機器P
iに備えられるシャッター1040は、事前の駆動動作B
iにおいて光源色測定機器P
iに備えられるモーター1041の駆動が行われる場合に、光源色測定機器P
iにおいて光路1060を遮断するように光源色測定機器P
iに備えられるモーター1041より駆動される。iは、整数1,2,3,・・・,Nの各々である。
【0073】
事後の駆動動作A
iは、光源色測定機器P
iに備えられるモーター1041の駆動を含む。光源・BR>F測定機器P
iに備えられるシャッター1040は、事後の駆動動作A
iにおいて光源色測定機器P
iに備えられるモーター1041の駆動が行われる場合に、光源色測定機器P
iにおいて光路1060を開放するように光源色測定機器P
iに備えられるモーター1041より駆動される。iは、整数1,2,3,・・・,Nの各々である。
【0074】
事前の駆動動作B
1,B
2,B
3,・・・,B
Nは、互いに異なるタイミングTB
1,TB
2,TB
3,・・・,TB
Nでそれぞれ実行される。光源色測定M
1,M
2,M
3,・・・,M
Nは、タイミングTMで同時に実行される。事後の駆動動作A
1,A
2,A
3,・・・,A
Nは、互いに異なるタイミングTA
1,TA
2,TA
3,・・・,TA
Nでそれぞれ実行される。
【0075】
したがって、制御部1101は、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nにおいてゼロ校正が同時に行われ光源色測定M
1,M
2,M
3,・・・,M
Nが同時に実行される場合に、事前の駆動動作B
iが実行されるタイミングTB
iが、事前の駆動動作B
1,・・・,B
i−1,B
i+1,・・・,B
Nがそれぞれ実行されるタイミングTB
1,・・・,TB
i−1,TB
i+1,・・・,TB
Nと異なるように、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nを制御する。iは、整数1,2,3,・・・,Nの各々である。事前の駆動動作B
iは、事前の駆動動作B
1,B
2,B
3,・・・,B
Nに含まれる。事前の駆動動作B
1,・・・,B
i−1,B
i+1,・・・,B
Nは、事前の駆動動作B
1,B
2,B
3,・・・,B
Nに含まれるが、事前の駆動動作B
iと異なる。これにより、制御部1101は、事前の駆動動作B
iが実行される場合に電源1081から供給される電力が電源1081の容量を超えないように光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nを制御する。
【0076】
制御部1101は、事前の駆動動作B
1,B
2,B
3,・・・,B
N、および事後の駆動動作A
1,A
2,A
3,・・・,A
Nにおいて同時に実行される駆動動作の数を、判定部1102により判定された同時に駆動できるモーター1041の数に一致させる。したがって、同時に実行される駆動動作の数は、電源1081から供給される電力が電源1081の容量を超えないように変化させられる。第1実施形態においては、同時に実行される駆動動作の数は1個である。しかし、同時に実行される駆動動作の数が2個以上であってもよい。
【0077】
第1実施形態の駆動/測定タイミング制御によれば、事前の駆動動作B
1,B
2,B
3,・・・,B
N、および事後の駆動動作A
1,A
2,A
3,・・・,A
Nが実行される場合に、電源電流の最大値が1個のモーター1041を駆動するのに必要な電源電流に制限され、電源電流が時間的に均一化され、電源電流に大きなピークが生じない。このことは、光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nにおいてゼロ校正が同時に行われる場合に、事前の駆動動作B
1,B
2,B
3,・・・,B
N、および事後の駆動動作A
1,A
2,A
3,・・・,A
Nが実行されるときに光源色測定機器P
1,P
2,P
3,・・・,P
Nに供給される電力により電源1081から供給される電力が電源1081の容量を超えないようにすることに寄与する。この利点は、電源1081がACアダプター、電池等であり電源1081の容量が限定されている場合に特に顕著になり、そのような場合に電源電圧の低下を抑制し回路を安定して動作させることに寄与する。
【0078】
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。