特許第6780862号(P6780862)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニテック エス.ピー.エー.の特許一覧

<>
  • 特許6780862-園芸生産物を選別するための装置 図000002
  • 特許6780862-園芸生産物を選別するための装置 図000003
  • 特許6780862-園芸生産物を選別するための装置 図000004
  • 特許6780862-園芸生産物を選別するための装置 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6780862
(24)【登録日】2020年10月19日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】園芸生産物を選別するための装置
(51)【国際特許分類】
   B07B 13/04 20060101AFI20201026BHJP
   B07C 5/06 20060101ALI20201026BHJP
   A23N 15/00 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
   B07B13/04 Z
   B07C5/06
   A23N15/00 F
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-559698(P2017-559698)
(86)(22)【出願日】2016年5月24日
(65)【公表番号】特表2018-524148(P2018-524148A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】IB2016053032
(87)【国際公開番号】WO2016189459
(87)【国際公開日】20161201
【審査請求日】2019年4月22日
(31)【優先権主張番号】102015000018551
(32)【優先日】2015年5月28日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】516365943
【氏名又は名称】ユニテック エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ベネデッティ, ルカ
【審査官】 田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−160688(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0193272(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第00704253(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0298565(US,A1)
【文献】 特開昭48−026599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07B 1/00−15/00
B07C 1/00−99/00
A23N 1/00−17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
園芸生産物を選別するための装置であって、園芸生産物のための取り込み区画(2)を備え、前記取り込み区画が、一対の互いに接近した軸(5a、5b)によって画定される少なくとも1つの通路レーン(4)に至っており、前記軸が、それぞれの支持・運動アセンブリ(6)によって回転可能に支持され、前記取り込み区画(2)と放出区画(7)との間に長手方向に配置されており、前記取り込み区画(2)から前記放出区画(7)に向かって下向きに傾斜した状態に保たれている少なくとも一対の前記軸(5a、5b)の間には、長手方向スロット(8)が存在し、前記スロットを、前記スロット(8)の幅よりも小さい寸法を有するごみおよび園芸生産物のみが通ることができる、装置において、
前記アセンブリ(6)、前記軸(5a、5b)の各々において前記取り込み区画(2)に近接する第1の端部に噛み合う駆動ユニット(9)と、前記軸(5a、5b)の各々において前記放出区画(7)に近接する第2の端部を自由支持するための要素(10a、10b)とを備え、
前記各スロット(8)を画定する前記軸(5a、5b)の対の各々が、第1の前記軸(5a)および第2の前記軸(5b)によって構成されており、
前記第1の軸は、前記アセンブリ(6)によって画定される固定されたクロスメンバ(15)に上側領域において固定されている、前記各要素の1つの要素である対応するアームによって、対応する前記第2の端部において、支持されており、
前記第2の軸は、前記クロスメンバ(15)によって摺動して案内されるスライダ(14)に上側領域において固定されている、前記各要素の別の1つの要素である対応するアームによって、対応する前記第2の端部において支持されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記装置が複数の前記レーン(4)を備えており、前記レーンが、前記アセンブリ(6)によって回転可能に支持され、前記区画(2、7)の間に長手方向に配置されている、隣接する前記軸(5a、5b)のそれぞれの対によって画定されており、それぞれの前記長手方向スロット(8)が、前記隣接する軸(5a、5b)の対の間に画定されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記駆動ユニット(9)の出力シャフト(9a)が伝動シャフト(11)に接続されており、前記伝動シャフト(11)が前記軸(5a、5b)の前記第1の端部の各々に結合されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記出力シャフト(9a)は、それぞれのギヤによって、前記伝動シャフト(11)に接続されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記伝動シャフト(11)が間接的に前記軸(5a、5b)の前記第1の端部の各々に結合されている、請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
自由支持のための前記要素(10a、10b)の各々が前記アームによって実質的に構成されており、前記アーム、上側領域において前記アセンブリ(6)に固定されており、下側領域において、対応する前記軸(5a、5b)のそれぞれの前記第2の端部を回転可能に収容するための座部(12)を有することを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記アームの各々、前記通路レーン(4)のそれぞれにおいて前記軸(5a、5b)の前記第2の端部の対応する側面の間にある空間領域に実質的に対応する部分から離間した状態を維持するために、垂直に対して傾斜していることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記装置、前記スロット(8)の形状および/または幅を選択的に変化させるために、少なくとも1つの前記軸(5b)の位置を調整する手段を備えることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記手段、前記スロット(8)の形状および/または幅を結果として変化させるために、対応する前記軸(5b)の前記第2の端部を支持するために少なくとも1つの前記アームと一体化されている前記スライダ(14)の横方向運動を作動させるための第1のユニット(13)を備えていることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記手段、前記スロット(8)の形状および/または幅を結果として変化させるために、前記軸(5a、5b)の前記第1の端部の横方向運動を作動させるための第2のユニット(16)を備えていることを特徴とする、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記軸(5a、5b)の各々が、実質的に円筒形の形状を有することを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記駆動ユニット(9)が間接的に前記第1の端部に噛み合う、請求項1〜11の何れか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、園芸生産物を選別するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、園芸生産物の流通および販売に従事する大企業は、少なくとも部分的に自動化された、単位時間内に大量の対象生産物を輸送、検査および/または包装できるラインを擁することが多い。
【0003】
したがって、既知のラインは、例えば、洗浄、欠陥検査(および/または欠陥品の除去または再処理)、包装および分類(calibration)のようないくつかの作業を実施することがすでに可能である。分類という用語は、園芸生産物を、それらの寸法に応じて選別することを指すために使用される。
【0004】
これに関して、これまでに概説した自動ラインでは分類が主要な役割を果たすことに留意すべきである。なぜなら、自動ラインが単一の特定の園芸生産物(果実または野菜である)を対象とする場合であっても、自動ラインは処理されるべき品目を収穫産地から直に受け取り、したがって、区別されていない相互に異質な大量の生産物が供給されるためである。
【0005】
したがって、ラインに沿って、生産物をそれらのサイズに応じて異なる下流のステーションに割り当て(したがって、相互に均質な生産物が供給される)、かつ/または、それらの生産物を異なるパッケージに包装するために、寸法に応じて生産物を自動的に選別することが可能なステーションが存在する。
【0006】
実際、この機能(機械的または電子的に所望の選別を行うステーションによって行われる)が重要であること、および、品目の異質性のために、最新のラインは、分類ステーションの上流に、園芸生産物の予備選別を行う追加の(「事前分類」)ステーションを有する。
【0007】
より詳細には、チェリーに特化したラインを具体的に参照すると、事前分類ステーションでは、選別されるべきチェリーを随伴する水流が、互いに平行であり、それら自体の軸線を中心として回転する複数の垂下シリンダに作用する。
【0008】
シリンダは(下流側に)傾斜しており、長手方向を向いたスロットが隣接するシリンダの各対の間に形成されるように、適切に相互に離間して輪郭形成されている。
【0009】
このようにして、流れがシリンダに衝突するとすぐに、水、任意の葉、茎および他のごみが直接下方に落ちるが、最小サイズのチェリー(すなわち、小さい寸法のためにスロットを通過できるもののみ)が、さらにわずかに下に落ちる可能性がある。逆に、最大のチェリーは、シリンダの下流に落下するまでシリンダの側面に沿って摺動しながら進行し続ける(実際には前進を容易にするために回転する)。
【0010】
したがって、葉および他のごみを除去することに加えて、ステーションは、2つのグループへの最初の振り分けを実施し、それらのグループは各々、水で満たされたそれぞれのタンク内に集められ、このタンクは無論、シリンダの下に配置されており、それぞれのチェリーを実際の分類ステーションにおいて利用可能にする。
【0011】
しかし、この建設的な解決策には欠点がないわけではない。
【0012】
実際のところ、既知の事前分類ステーションでは、シリンダの回転は、一連のギヤを作動させるモータに委ねられ、それとともに、シリンダの下流に向けて端部から同軸に突出する各ピンが作動される。
【0013】
この構成によって、収集タンクの上縁が位置するレベルよりもはるかに高い垂直レベルにシリンダを保つことが余儀なくされる。
【0014】
このようにしてのみ、シリンダおよびシリンダの移動を担うモータおよびギヤ(実際にはシリンダの下端の下に位置する)は、タンクの水に浸されずに(明らかに容認できない状態)、適切な配置を見出すことができる。
【0015】
しかしながら、これによって、チェリーがスロットまたはシリンダの下端からタンク内に落ちるときに、チェリーがかなり落下(leap)してしまうことになる。
【0016】
これは通常、最小のチェリーの場合(低重量のため)問題ではないが、過剰な落下は、より大きいもの(示されているように、シリンダの全長に沿って滑り、それを超えて落ちるもの)ではむしろ非常に望ましくない欠点である。
【0017】
より大きなチェリーは実際、タンク内に浮かんでいる他のチェリーの上に落ちてぶつかり、互いを傷つけ、または他の様態で損傷して、いずれにしてもここで受け入れられない程度の欠陥を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0018】
本発明の目標は、チェリーまたは他の園芸生産物を最適に事前選別(事前分類)することを可能にする装置を提供することにより、上記の問題を解決することである。
【0019】
この目標の範囲内で、本発明の目的は、チェリーまたは他のものである処理される園芸生産物を損傷または劣化させることなく、事前選別(事前分類)できる装置を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、チェリーまたは他のものである処理される園芸生産物を過剰に落下させることなく、事前選別(事前分類)できる装置を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、高い動作信頼性を保証する装置を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、市販の要素および材料を元にして容易に入手できる装置を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、コストが低く、安全に適用できる装置を提供することである。
【0024】
この目的、および以下にさらに明らかになるこれらの目的および他の目的は、園芸生産物を選別するための装置によって達成され、当該装置は、園芸生産物のための取り込み区画を備え、取り込み区画は、一対の互いに接近した軸(stem)によって画定される少なくとも1つの通路レーンに至っており、軸は、それぞれの支持・運動アセンブリによって回転可能に支持され、取り込み区画と放出区画との間に長手方向に配置されており、取り込み区画から放出区画に向かって下向きに傾斜した状態に保たれている少なくとも一対の軸の間には、長手方向スロットが存在し、スロットを、スロットの幅よりも小さい寸法を有するごみおよび園芸生産物のみが通ることができ、アセンブリが、軸の各々において取り込み区画に近接する第1の端部に、随意により間接的に、噛み合う駆動ユニットと、軸の各々において放出区画に近接する第2の端部の自由支持のためのそれぞれの要素とを備えることを特徴とする。
【0025】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面に非限定的な例として示された、本発明による装置の好ましいが限定的ではない実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による装置の上面図である。
図2】本発明による装置の側立面図である。
図3図1の線III−IIIに沿った断面図である。
図4図2の線IV−IVに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付図面を特に参照すると、参照符号1は、まず園芸生産物のための取り込み区画2を備える、園芸生産物を選別するための装置を全体的に示している。
【0028】
装置1は、実際に、(任意のタイプの)園芸生産物を、寸法に応じて少なくとも2つのサブグループに振り分ける(実際にはそれらを選別する)必要性が生じる、それらの園芸生産物の処理のためのラインの任意の箇所において用途を見出すことができることを明記しておく。
【0029】
さらに、装置1によって画定された経路に沿った園芸生産物の輸送は、もっぱら重力に委ねられるか、または、他の方法で得られ得るが、好ましい応用形態においては、これらの生産物は、圧力下にある(それゆえ、重力と協働する)流体(好ましくは水)によって推進されることに留意すべきである。
【0030】
添付の図では、例えば、取り込み区画2において、生産物が、実際に、分配・移送タンク3(実際、装置1の正確な動作を促進するために、複数の均一な列に園芸生産物を振り分ける)から送達される、建設的な解決策が提案される。
【0031】
さらにここで、本明細書の続きにおいて頻繁に参照される好ましい応用形態において、装置1によって処理(選別)される園芸生産物はチェリーであることを指摘しておく。しかし、これは、異なるタイプの果物または野菜に関して装置1を使用することを排除するものではないことをここでも明記しておくことは有益である。
【0032】
いずれにしても、取り込み区画2は、互いに近接する一対の軸5a、5bによって画定される少なくとも1つの通路レーン4への上側領域に通じている。
【0033】
軸5a、5bは、それぞれの支持・運動アセンブリ6によって回転可能に支持され、取り込み区画2と放出区画7(実質的に図4の区画に対応する)との間に長手方向に配置される。
【0034】
さらに、取り込み区画2から放出区画7に向かって下向きに(したがって、上流から下流に)傾斜している一対の軸5a、5bの間には、長手方向スロット8が存在し、スロットは、そのようなスロット8の幅よりも小さい寸法を有するごみおよび園芸生産物のみが通ることができる。
【0035】
したがって、逆に、より大きなチェリーは、レーン4全体に沿って進行し(またはいずれの場合にも、スロット8のより大きな幅を有する箇所に達するまで継続し)、したがってさらに下流に落下することを余儀なくされる。
【0036】
したがって、上に概説した構成要素および動作は、所望の選別を行うことを可能にする、すなわち水流およびチェリーが軸5a、5bに衝突すると直ちに、葉、茎および他の小さなごみがスロット8を通じて即座に落ち、より小さいチェリーもまたそれらと(またはその直後に)共に落ち、したがって、例えば、第1の収集タンクに落ちることが留意されるべきである。
【0037】
一方、より大きなチェリーは、進行し続け、さらに下流で第2の収集タンクに落下する。
【0038】
2つの収集タンクから、異なる寸法に応じて、種々のデバイスによってチェリーを拾い上げることができ、および/または、異なる処理を意図することができる。
【0039】
実際、装置1は、無秩序な多数のチェリーを少なくとも2つの少なくとも部分的に均質なサブグループに最初に事前に振り分けることとして実際には理解される事前分類機能を実行することが好ましい。
【0040】
本発明によれば、アセンブリ6は、随意により間接的に(すなわち、それぞれの伝達要素によって)、取り込み区画2に近接した各軸5a、5bの第1の端部に噛み合う駆動ユニット9を備える。
【0041】
さらに、アセンブリ6は、放出区画7に向けられた各軸5a、5bの第2の端部を自由支持するためのそれぞれの要素10a、10bを備える。
【0042】
上述した軸5a、5bの運動および支持のための方法は、ここで、意図された目的を達成することを可能にする、すなわち軸5a、5bを動かす役割を果たす(かさばる)要素は、事実、ここで取り込み区画2に近接して配置されており、そこで、軸5a、5b(実際に要素が接続されている第1の端部を有する)が、より高い垂直高さを有することに留意すべきである。
【0043】
逆に、より低い垂直高さに配置される第2の端部において、軸5a、5bは単純に空間占有率の低減した要素10a、10bによって支持されており、加えて、以下で明らかになるように、要素は、軸5a、5bの上に配置することができる。
【0044】
したがって、本発明による装置1では、軸5a、5bの下側フラップの下にかなりの自由空間が必要とされることがなくなり、それによって、下にある収集タンクに近接して軸を維持することができ、したがって、チェリーの落下が効果的に低減され、実際に意図した目的が達成される。
【0045】
特に、装置1は、アセンブリ6によって回転可能に支持され、区画2,7の間に長手方向に(上流から下流に)配置されている、隣接する軸5a、5bのそれぞれの対によって画定される複数のレーン4を備える。添付図面からも推測できるように、それぞれの長手方向スロット8は、それゆえ、隣接する軸5a、5bの対の間に画定される。
【0046】
図1および図4によって明瞭に示されるように、(非限定的な例として)提案されている構成では、5aによって示される各軸は、5bで示されるそれぞれの軸と交互に配置され、レーン4の下流に位置する観察者(図4)にとって、スロット8は、もっぱら各軸5aの右側に(そして対応して各軸5bの左に)画定され、一方で各軸5aのすぐ左側の空間は使用されない。
【0047】
いずれにせよ、ここでも特定の要件に応じて、軸5a、5bの間に画定される様々な隙間を種々の方法で使用することが除外されないことを明記しておくことは有益である。
【0048】
本発明の一例としての添付図面に示す好ましい実施形態では、駆動ユニット9(例えば、電動機)の出力シャフト9aが、随意によりそれぞれのギヤを介して、伝動シャフト11に接続される。
【0049】
伝動シャフト11は、軸5a、5bの各第1の端部に、随意により間接的に(したがって随意により追加のギヤによって)結合され、それによって実際に、それら自体の軸線を中心とした所望の回転運動を軸に付与する(この回転運動は、それぞれの側面に沿って最も大きいチェリーが滑るのを容易にし、したがってそれらを下流に落下させるために必要とされる)。
【0050】
非限定的な例として言及される、相当に実際的な対象となる実施形態において、自由支持のための各要素10a、10bは実質的に、実際にそれぞれの軸5a、5bを上方から支持するように適合されたそれぞれのアームによって構成されている。
【0051】
例えば図4に明瞭に示されているように、各アームは、実際、上側領域で支持・運動アセンブリ6に固定され、下側領域に、対応する軸5a、5bのそれぞれの第2の端部を回転収容するための座部12が設けられる。
【0052】
さらに、有効なことには、各アーム(各要素10a、10b)は垂直に対して傾斜している。この構成では、図3からも推測できるように、各アームは通路レーン4のそれぞれの(端)部分から離間した状態を保ち、この部分は、実際、軸5a、5bの第2の端部の対応する側面間に位置する空間領域に実質的に対応する。
【0053】
このようにして、通過中のチェリーがアームに衝突し、損傷し、および/または、予め設定された軌道からそれる危険が回避される。
【0054】
都合のよいことに、本発明による装置1は、それぞれのスロット8の形状および/または幅を選択的に変えることができるように、少なくとも1つの軸5bの位置を調整する手段を備える。
【0055】
この可能性は、本発明による装置1の汎用性を著しく向上させることに留意すべきである。なぜなら、調整手段に作用することによって(例えば以下に記載されるように)、スロット8を通過できるチェリーと、その代わりにレーン4全体に沿って進行するチェリーとを区別する寸法限界(スロット8の幅)を変更することが可能であるためである。さらに、調整手段を用いて、また、スロット8の形状および寸法を変えることが可能であることによって、異なるタイプの果物(または一般に他の園芸生産物)を選別して異なる寸法基準に従って振り分けるように、本発明による装置1を再構成することも可能である。
【0056】
具体的には、それゆえ、例として添付の図面に提案されている建設的な解決策では、この手段は、対応する軸5bの第2の端部の少なくとも1つの支持アームと一体化されているスライダ14の横方向移動を作動させるための第1の作動ユニット13(ユーザによって操作可能な第1のノブ)を備える。
【0057】
したがって、横方向(すなわち、実質的に水平で、軸5a、5bの長手方向に対して実質的に直角方向)の運動により、軸5bの傾斜を(わずかではあるが)変化させることができ、それゆえ、(例えば、対応する隣接する軸5aを固定したままにして)それぞれのスロット8の形状および/または幅を結果として変更することを達成することができる。
【0058】
特に、それぞれのスロット8を画定する軸5a、5bの各対は、第1の軸5a(下流に位置する観察者にとって左側)と第2の軸5b(下流側の観察者にとって右側)とで構成される。したがって、第1の軸5aは、支持・運動アセンブリ6によって画定された固定されたクロスメンバ15に上側領域において固定された対応するアーム(要素10a)によって、対応する第2の端部において支持される。逆に、第2の軸5bは、クロスメンバ15によって(または、支持・運動アセンブリ6の別の固定された要素によって)摺動して案内される対応するスライダ14に上側領域において固定されており、アーム(要素10b)によって、対応する第2の端部において支持される。
【0059】
したがって、もっぱら軸5bの第2の端部に作用することにより、それぞれのスロット8の形状を変化させ、特定の要件に応じて、下流部分の幅に対して上流部分の幅を増減させることが可能である。
【0060】
この手段は、第2の作動ユニット16(第2のノブ)をさらに備えることができ、これは、それぞれの軸5a、5bの第1の端部の横方向運動ならびにその結果生じるそれぞれのスロット8の形状および/または幅の変更のために使用者によって作動され得る。
【0061】
特定の要件に応じてもっぱら第1の端部に(または他のものにも)作用する調整手段を備えた本発明による装置1の提供は排除されないことにまず留意すべきである。
【0062】
しかしながら、添付の図面に提案された実施形態では、調整手段は、第1の作動ユニット13と第2の作動ユニット16の両方を備えている。これは、明らかに、装置1に対する最大限の汎用性を保証する。
【0063】
第2の作動ユニット16が軸5a、5bの第1の端部の動きを調整する方法は、第1の作動ユニット13に関して説明したものと同様であってもよいし、特定の要件に応じて異なってもよい。
【0064】
有効なことには、異なる形状を有するスロット8を画定するために異なる形状および輪郭、例えば円錐形状を採用することが排除されないが、各軸5a、5bは円筒形状を有する。
【0065】
したがって、軸5a、5bがこのような円筒形状(および互いに平行な軸線)を有する場合、それらは一定の幅を有するスロット8を画定することができる。それゆえ、(ユニット13,16を用いて)第1の端部および第2の端部に同じ変位を課すことによって、そのような幅を長手方向の全長に沿って一様に変えることが可能である。逆に、異なる程度の変位によって、または、ユニット13,16のうちの1つだけに作用することによって、スロット8を、例えば、下流に向かって広げるように、異なる形にすることが可能である。
【0066】
本発明による装置の動作は以下のとおりである。
【0067】
装置1の上流で、チェリーは分配・移送タンク3を介して様々なチャネルに再分配され、それゆえ、そこからチェリーは実質的に取り込み区画2において通路レーン4に落ちて整然とした列に入る。
【0068】
図示されているように、各通路レーン4は、隣接する軸5a、5bによって区切られたそれぞれのスロット8によって、全長に沿って作用を受ける。したがって、随意によりチェリーと共に水によって随伴される様々な種類のごみは、スロット8を通じて即座に落下することができる。
【0069】
最小のチェリーもごみとともに(またはその直後に)落ちるが、より大きいチェリーはレーン4に沿って前進して、スロット8が随意的に広がっているところで、または単に放出区画7および軸5a、5bを越えてさらに下流に落下する。言い換えれば、装置1は、異なる大きさのチェリーをラインの異なる箇所に自動的に落とすことによって選別を行う。
【0070】
駆動ユニット9を各軸5a、5bの第1の端部部分(より高いレベルに配置されている)に接続し、第2の端部を単純な支持要素10a、10bに委ねることによって、特に後者、および一般に軸5a、5b全体を、下にある収集タンクを満たす水の自由表面に近接して保持することができる。
【0071】
この肯定的な効果は、要素10a、10bによって第2の部分の上方からの支持の好ましい選択によって増大され、要素10a、10bは上側領域において支持・運動アセンブリ6に(クロスメンバ15またはスライダ14に)固定される。
【0072】
この構成では、軸5a、5bの第2の部分を、装置1の正しい動作を決して損なうことなく、収集タンクの表面をほぼ覆うまで、実際に収集タンクのより近くに保持することができる。
【0073】
さらに、チェリーの(スロット8から収集タンクまでの)落下が非常に小さくなるが、その程度は、実際に(軸5a、5bの第2の端部の)放出区画7の近くで落下して最も低い垂直高さに保たれる、より大きい果実(ぶつかる危険性がより高いもの)については小さい。
【0074】
したがって、上記で得られた構成は、チェリーまたは他のものである、処理される園芸生産物を、(過度の落下に起因して既知の装置で発生するのとは対照的に)概して衝撃、ぶつかりまたは損傷の危険に曝すことなく、したがって、決して園芸生産物を劣化させることなく選別(分類)することを可能にする。
【0075】
さらに、調整手段は、実際に、選別パラメータ(チェリーを寸法が一様なサブグループに振り分けるための弁別的な寸法限界)を自由に変える可能性を保証するさらなる機能を、本発明による装置1に提供できることを強調しておく。
【0076】
最後に、本発明による装置1は、スロット8およびレーン4を画定する軸5a、5bを(V字型の構成において)一定の角度をなして配置することを選択することによっても、(損傷またはぶつかりを引き起こすことなく)処理される園芸生産物の品質の保全を保証することを再び明記しておく。これは、この構成では、チェリーの前進を妨げないためである。
【0077】
実際には、本発明による装置は、意図された目的を完全に達成することが分かっている。これは、入力区画に近接して、スロットを画定する軸の第1の端部に噛み合う駆動ユニットを備える支持・運動アセンブリ、および、放出区画に近接するこのような軸の第2の端部を自由に支持するための各要素に委ねることによって、チェリーまたは他の園芸生産物の最適な事前選別(事前分類)ができるためである。
【0078】
このようにして考案された本発明は、数多くの修正および変形が可能であり、それらのすべては添付の特許請求項の範囲内にある。すべての詳細は、技術的に等価な他の要素でさらに置き換えてもよい。
【0079】
示されている実施形態の例では、特定の例に関連して与えられた個々の特性は、実際には他の例示的な実施形態に存在する他の異なる特性と交換されてもよい。
【0080】
実際には、使用される材料および寸法は、要求および技術水準に応じて任意であり得る。
【0081】
本出願がその優先権を主張する伊国特許出願第102015000018551号明細書(UB2015A001233)が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
任意の特許請求項に記載された技術的特徴の後に参照符号を付している場合、それらの参照符号は、特許請求項の明瞭性を高める目的のためにのみ含まれており、したがって、そのような参照符号は、例としてそのような参照符号によって識別される各要素の解釈に対してなんら限定効果を有しない。
図1
図2
図3
図4