特許第6780881号(P6780881)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6780881着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6780881
(24)【登録日】2020年10月19日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20201026BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20201026BHJP
   B32B 7/06 20190101ALI20201026BHJP
   B32B 3/30 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
   G09F9/00 342
   G09F9/00 366A
   G06F3/041 400
   G06F3/041 495
   G06F3/041 660
   B32B7/06
   B32B3/30
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-517766(P2019-517766)
(86)(22)【出願日】2017年9月23日
(65)【公表番号】特表2019-537049(P2019-537049A)
(43)【公表日】2019年12月19日
(86)【国際出願番号】KR2017010514
(87)【国際公開番号】WO2018066853
(87)【国際公開日】20180412
【審査請求日】2019年4月16日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0127308
(32)【優先日】2016年10月3日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0120935
(32)【優先日】2017年9月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519110238
【氏名又は名称】マックスジェン テクノロジー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン ス
【審査官】 川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/117820(WO,A1)
【文献】 特開2007−047621(JP,A)
【文献】 特開2015−114852(JP,A)
【文献】 特開2008−024887(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/118367(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0109546(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0138699(KR,A)
【文献】 特開2009−227826(JP,A)
【文献】 特開2016−141706(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0060870(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00−43/00
G02F1/1335
1/13363
G09F9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウィンドウ及びディスプレイを含み、タッチスクリーンを選択的に含んでなる、着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置において、
前記ウィンドウ、タッチスクリーン及びディスプレイのうちのいずれか1つに位置し、0.1gf/25mm〜500gf/25mmの接着力を有する着脱層と;
前記ウィンドウ、タッチスクリーン及びディスプレイのうちのいずれか1つに、前記着脱層に対向して位置し、微細突起が形成された着脱調整層と;
を含み、
前記着脱調整層は、前記微細突起を有さない平坦部と、前記微細突起を有する凹凸部とに区分される着脱調整パターンであることを特徴とする、着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置。
【請求項2】
前記ウィンドウ、タッチスクリーン及びディスプレイの間には、接着層または前記着脱層と同一の材質からなる他の着脱層のうちの少なくともいずれか1つが存在することを特徴とする、請求項1に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置。
【請求項3】
前記着脱層は、アクリル系重合体、シリコン系重合体またはウレタン系重合体である熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂に架橋剤を混合した接着剤またはそれらの混合物またはそれらの共重合体のうちから選ばれたいずれか1つであることを特徴とする、請求項1に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置。
【請求項4】
前記着脱層は、前記着脱調整層の微細突起の間に入り込み、前記着脱調整層を透明にすることを特徴とする、請求項1に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置。
【請求項5】
前記着脱調整層は、フッ素系樹脂またはシリコン系樹脂を含むことを特徴とする、請求項1に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置。
【請求項6】
前記着脱調整層は、チタニア(TiO2)またはシリカ(SiO2)からなる蒸着層と、前記蒸着層上に積層された、フッ素系樹脂またはシリコン系樹脂を含有する層と、を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置。
【請求項7】
前記着脱調整層により、前記着脱層の接着力は0.5gf/25mm〜500gf/25mmであることを特徴とする、請求項1に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置。
【請求項8】
前記微細突起の断面は、角を有するか、曲率を有するか、またはそれらの組み合わせを有することを特徴とする、請求項1に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置。
【請求項9】
前記微細突起は、線状、格子状、島状、またはそれらを組み合わせた形状に配列されたことを特徴とする、請求項1に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置。
【請求項10】
前記着脱調整パターンは、帯状、格子状、フェンス状、またはそれらを組み合わせた形状からなることを特徴とする、請求項に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置。
【請求項11】
前記着脱調整パターンは、前記凹凸部が曲面の縁部または屈曲部に対応することを特徴とする、請求項に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置。
【請求項12】
ウィンドウ及びディスプレイを含み、タッチスクリーンを選択的に含んでなる、着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置の製造方法において、
前記ウィンドウ、タッチスクリーン及びディスプレイのうちのいずれか1つに、微細突起が形成された着脱調整層を形成するステップと;
前記着脱調整層には、前記ウィンドウ、タッチスクリーン及びディスプレイのうちのいずれか1つに位置し、0.1gf/25mm〜500gf/25mmの接着力を有する着脱層を付着させるステップと;
を含み、
前記着脱調整層は、前記微細突起を有さない平坦部と、前記微細突起を有する凹凸部とに区分される着脱調整パターンであることを特徴とする、着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置の製造方法。
【請求項13】
前記着脱層は、前記着脱調整層の微細突起の間に入り込み、前記着脱調整層を透明にすることを特徴とする、請求項12に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置の製造方法。
【請求項14】
前記微細突起の断面は、角を有するか、曲率を有するか、またはこれらの組み合わせを有することを特徴とする、請求項12に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置の製造方法。
【請求項15】
前記微細突起は、線状、格子状、島状、またはそれらを組み合わせた形状に配列されたことを特徴とする、請求項12に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置の製造方法。
【請求項16】
前記着脱調整パターンは、帯状、格子状、フェンス状、またはそれらを組み合わせた形状からなることを特徴とする、請求項12に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置の製造方法。
【請求項17】
前記微細突起は、
半透明のビーズと紫外線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂とを混合し、前記着脱調整層に塗布して硬化させて形成する方法、
前記紫外線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂を塗布した前記着脱調整層を、前記微細突起の形状が刻印されたシート状またはロール状の金型を用いて圧着した後、硬化させて形成する方法、
前記紫外線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂を塗布したフィルムまたはシートを転写して形成する方法、
前記微細突起に合わせた形状の金型で成形して形成する方法、
前記着脱調整層の表面にレーザビームを照射して形成する方法、
紫外線硬化型インクまたは熱硬化性インクを用いて前記着脱調整層の表面に印刷して形成する方法、
前記着脱調整層の表面に物理的な衝撃を与えて表面に前記微細突起を形成する方法、
マスキング後に樹脂を塗布して形成する方法、
及び露光またはエッチングを行って形成する方法のうちから選ばれたいずれか1つの方法により形成することを特徴とする、請求項12に記載の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、微細突起を有する着脱調整層を用いて着脱可能なウィンドウ又はタッチスクリーンに適用されるディスプレイ装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置では、液晶表示素子(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、電気泳動表示装置(EPD)などのディスプレイが画面を形成する。このようなディスプレイ装置は、各種の映像画面装置に適用される。一方、前記装置は、操作の利便性を提供するために、タッチスクリーンを採用する。タッチスクリーンの前面には、強化ガラスまたは透明高分子樹脂などからなるウィンドウが配置される。ウィンドウは、その中央部分で画面部とベゼル部、すなわち、縁部とに分けられており、外部の衝撃や接触による損傷からディスプレイ装置を保護する。ウィンドウは、透明接着剤(OCA)または紫外線硬化接着剤などによってタッチスクリーンに接着固定される。最近では、フレキシブルディスプレイ及び曲がったディスプレイの登場と共に、それに応えるウィンドウも出現している。
【0003】
一方、特許文献1には、着脱可能なウィンドウを有するディスプレイ装置及びその着脱方法が開示されている。具体的には、上記特許によれば、破損したウィンドウを簡単に分離して容易に交換することができ、ディスプレイ装置を製造する工程が単純で、製造コストが低く、さらに様々な方法でデザインすることができる。同様に、タッチスクリーンを着脱することができるディスプレイ装置も可能である。しかしながら、上記特許に記載の特徴に加えて、着脱のための接着力の調整、異物の付着防止、指紋防止、容易な気泡除去、曲面ディスプレイへの円滑な適用などの機能を補完する必要がある。すなわち、着脱可能なウィンドウまたはタッチスクリーンをさまざまな用途及び環境に合わせるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10−1574923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ウィンドウまたはタッチスクリーンの着脱に際して、着脱のための接着力の調整、異物の付着防止、指紋防止、容易な気泡除去、曲面ディスプレイへの円滑な適用などの機能を補完した着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置は、ウィンドウ及びディスプレイを含み、タッチスクリーンを選択的に含んでなるディスプレイ装置において、前記ウィンドウ、タッチスクリーン及びディスプレイのうちのいずれか1つに位置し、0.1gf/25mm〜500gf/25mmの接着力を有する着脱層と;前記ウィンドウ、タッチスクリーン及びディスプレイのうちのいずれか1つに、前記着脱層に対向して位置し、微細突起が形成された着脱調整層と;を含む。
【0007】
本発明の装置において、前記ウィンドウ、タッチスクリーン及びディスプレイの間には、接着層または前記着脱層と同一の材質からなる他の着脱層のうちの少なくともいずれか1つが存在してもよい。前記着脱層は、アクリル系重合体、シリコン系重合体またはウレタン系重合体である熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂に架橋剤を混合した接着剤またはそれらの混合物またはそれらの共重合体のうちから選ばれたいずれか1つであってもよい。
前記着脱層は、流動性流体が充填されたポケットからなり、熱または紫外線で硬化されたパターンを有してもよい。前記着脱層は、前記着脱調整層の微細突起の間に入り込み、前記着脱調整層を透明にする。
【0008】
本発明の装置において、前記着脱調整層は、フッ素系樹脂またはシリコン系樹脂を含んでいてもよい。前記着脱調整層は、チタニア(TiO2)またはシリカ(SiO2)からなる蒸着層と、前記蒸着層上に積層された、フッ素系樹脂またはシリコン系樹脂を含有する層と、を含んでなってもよい。前記着脱調整層により、前記着脱層の接着力は、0.5gf/25mm〜500gf/25mmであってもよい。
【0009】
本発明の装置において、前記微細突起の断面は、角を有するか、曲率を有するか、またはこれらの組み合わせを有してもよい。前記微細突起は、線状、格子状、島状、またはそれらを組み合わせた形状に配列されてもよい。前記着脱調整層は、前記微細突起を有さない平坦部と、前記微細突起を有する凹凸部とに区分される着脱調整パターンであってもよい。前記着脱調整パターンは、帯状、格子状、フェンス状、またはそれらを組み合わせた形状からなってもよい。前記着脱調整パターンは、前記凹凸部が曲面の縁部または屈曲部に対応してもよい。
【0010】
本発明の装置において、前記着脱層または前記着脱調整層のうちのいずれか1つは、前記タッチスクリーン上に位置したタッチスクリーンカバー層上に存在していてもよい。
【0011】
本発明の他の課題を解決するための着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置の製造方法によれば、ウィンドウ及びディスプレイを含み、タッチスクリーンを選択的に含んでなるディスプレイ装置の製造方法において、まず、前記ウィンドウ、タッチスクリーン及びディスプレイのうちのいずれか1つに、微細突起が形成された着脱調整層を形成する。その後、前記着脱調整層には、前記ウィンドウ、タッチスクリーン及びディスプレイのうちのいずれか1つに位置し、0.1gf/25mm〜500gf/25mmの接着力を有する着脱層を付着させる。
【0012】
本発明の方法において、前記着脱層は、前記着脱調整層の微細突起の間に入り込み、前記着脱調整層を透明にする。前記微細突起の断面は、角を有するか、曲率を有するか、またはこれらの組み合わせを有してもよい。前記微細突起は、線状、格子状、島状、またはそれらを組み合わせた形状に配列されてもよい。前記着脱調整層は、前記微細突起を有さない平坦部と、前記微細突起を有する凹凸部とに区分される着脱調整パターンであってもよい。前記着脱調整パターンは、帯状、格子状、フェンス状、またはそれらを組み合わせた形状からなってもよい。
【0013】
本発明の方法において、前記微細突起は、シリカなどの半透明のビーズと紫外線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂とを混合し、前記着脱調整層に塗布して硬化させて形成する方法、前記紫外線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂を塗布した前記着脱調整層を、前記微細突起の形状が刻印されたシート状またはロール状の金型を用いて圧着した後、硬化させて形成する方法、前記紫外線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂を塗布したフィルムまたはシートを転写して形成する方法、前記微細突起に合わせた形状の金型で成形して形成する方法、前記着脱調整層の表面にレーザビームを照射して形成する方法、紫外線硬化型インクまたは熱硬化性インクを用いて前記着脱調整層の表面に印刷して形成する方法、前記着脱調整層の表面に物理的な衝撃を与えて表面に前記微細突起を形成する方法、マスキング後に樹脂を塗布して形成する方法、及び露光またはエッチングを行って形成する方法のうちから選ばれたいずれか1つの方法により形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の着脱調整用微細突起を有するディスプレイ装置及びその製造方法によれば、着脱調整層に微細突起を備えることにより、ウィンドウ構造物またはタッチスクリーン構造物の着脱に際して、着脱の接着力の調整、異物の付着防止、指紋防止、容易な気泡の除去、曲面ディスプレイへの円滑な適用などの機能を補完することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る第1のディスプレイ装置を示す分解断面図である。
図2図1の着脱調整層に存在する微細突起の例を示す断面図である。
図3図1の着脱調整層に存在する微細突起の配列に対する例を示す部分斜視図である。
図4】本発明に係る第1のディスプレイ装置に適用された着脱調整層がパターン化された着脱調整パターンの例を示す平面図である。
図5】本発明に係る第2のディスプレイ装置を示す分解断面図である。
図6】本発明に係る第3のディスプレイ装置を示す分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。下記に説明される実施形態は、様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が下記に説明される実施形態に限定されるものではない。本発明の実施形態は、当分野における通常の知識を有する者に、本発明をより完全に説明するために提供されるものである。また、図面において、膜(層、パターン)及び領域の厚さは、明確性のために誇張されてもよい。また、膜(層、パターン)が他の膜(層、パターン)の「上」、「上部」、「下部」、「一面」にあるといわれるとき、それは、他の膜(層、パターン)に直接形成されてもよく、またはそれらの間に他の膜(層、パターン)が介在されてもよい。
【0017】
本発明の実施形態は、着脱調整層に微細突起を備えることにより、ウィンドウ構造物またはタッチスクリーン構造物の着脱に際して、着脱の接着力調整、異物の付着防止、指紋防止、容易な気泡除去、曲面ディスプレイへの円滑な適用などの機能を補完した着脱調整用ディスプレイ装置及びその製造方法を提示する。このとき、ウィンドウ構造物(window structure、以下、「ウィンドウ」という)は、透明シートを有するディスプレイ装置の1つの構成要素であり、タッチスクリーン構造物(touchscreen structure、以下、「タッチスクリーン」という)は、タッチスクリーンを有するディスプレイ装置の他の構成要素である。
【0018】
本発明の実施形態に係るディスプレイ装置のウィンドウまたはタッチスクリーンには、それぞれのタッチスクリーンまたはディスプレイ構造(display structure)に着脱される着脱層が形成される。ここで、ディスプレイ構造物(以下、「ディスプレイ」という)は、液晶表示素子(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、電気泳動表示装置(EPD)などのディスプレイを有するディスプレイ装置のまた他の構成要素である。着脱される被接着機器は、タッチスクリーンまたはディスプレイに関連付けされると言える。ここで、着脱とは、前記着脱層を前記被接着装置に自由に取り付けたり取り外したりすることをいう。本発明の実施形態に係る着脱層は、0.1gf/25mm〜500gf/25mmの接着力を有する。
【0019】
本発明の着脱層は、タッチスクリーン及びディスプレイに着脱されるものに限定され、ウィンドウに着脱される従来のウィンドウ保護フィルムとは明確に区分される。一方、ウィンドウまたはタッチスクリーンがなくディスプレイからなる装置は、完成された形のディスプレイ装置ではない。本発明のウィンドウまたはタッチスクリーンが取り付けられなければディスプレイ装置が完成されない。ところで、ウィンドウ保護フィルムは、前記ウィンドウ上に取り付けられるものであり、ウィンドウ保護フィルムは、既に完成されたディスプレイ装置に取り付けられる。したがって、本発明のウィンドウまたはタッチスクリーンは、ディスプレイ装置を構成する必須構成要素であるが、従来のウィンドウ保護フィルムは、ディスプレイ装置に選択的に適用することができる補助構成要素に該当する。これにより、ウィンドウ保護フィルムは、本発明の範囲から除外する。
【0020】
本発明の実施形態に適用されるディスプレイ装置とは、モバイル機器、情報処理端末及びテレビなど、あらゆる映像処理機器を指す。前記モバイル機器は、携帯電話、スマートフォン、タブレットなどを含み、前記情報処理端末は、ATM、キオスクなどを含む。前記ディスプレイ装置のディスプレイは、平らなまたは曲がったタイプを含み、そしてまたフレキシブル(flexible)なタイプをも含む。前記映像処理機器は、ウィンドウ、タッチスクリーン及びディスプレイを含む。したがって、前記ウィンドウとは、一般に、モバイル機器のウィンドウ、情報処理端末のウィンドウ、テレビなど、全ての映像処理機器のウィンドウを指す。同様に、前記タッチスクリーン及びディスプレイは、全ての映像処理機器に適用されるタッチスクリーン及びディスプレイを指す。
【0021】
一方、本発明の実施形態に適用されるディスプレイ装置は、タッチスクリーンを含まず、ウィンドウとディスプレイとで構成されていてもよい。つまり、本発明のディスプレイ装置は、ウィンドウとタッチスクリーンとディスプレイとで構成されていてもよく、ウィンドウとディスプレイとで構成されていてもよい。以下では、タッチスクリーンを有するディスプレイ装置を例に挙げて説明する。また、後述するディスプレイ装置は、ウィンドウまたはタッチスクリーンに形成された着脱層と、それに対応するタッチスクリーンまたはディスプレイに形成された着脱調整層と、を有するものとして説明する。しかしながら、場合によっては、着脱調整層がウィンドウまたはタッチスクリーンに存在してもよく、着脱層がそれに対応するタッチスクリーンまたはディスプレイに存在してもよい。ここでは、前者の場合が例として挙げられている。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る第1のディスプレイ装置100を示す分解断面図である。図2は、図1の着脱調整層20が有する微細突起の例を示す断面図である。ここでは、厳密な断面図ではなく、説明の便宜のために断面図上に表示されない構成要素があり得る。
【0023】
図1に示すように、第1のディスプレイ装置100は、ディスプレイDと、タッチスクリーンTと、着脱調整層20と、着脱層10と、ウィンドウWとを順次積層して構成されている。ディスプレイDは、液晶表示素子(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、電気泳動表示装置(EPD)などを含む構造物であり、量子ドットを使用する。前述したように、ディスプレイDは、情報が表示される画面を構成するための部品及び機能を含むことができる。本発明の実施形態に係るディスプレイDは、情報が表示される画面を構成する全てのものを含む。
【0024】
タッチスクリーンTは、金属酸化物またはプラスチックからなる絶縁層の一側または両側に導電パターンが形成されている。前記導電パターンには主に金属酸化物が適用される。金属酸化物には、ITO、ATO、ZnO等又はCu、導電性高分子または銀ナノワイヤーなどがある。タッチスクリーンTは、指で触れられたときに対応位置を受信する入力装置であり、指で触れられていなくても対応位置を受信する方法を全て含む。したがって、タッチスクリーンTは、位置を識別するための全ての機能を含む。
【0025】
ウィンドウWは、透明シートを含み、各種の機能を発現させるための印刷層と、飛散防止フィルムなどの機能層とを有することができる。前記透明シートとしては、透明な材質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、透明シートは、ガラス基板またはプラスチック基板を含み得る。具体的には、ガラス基板は強化ガラスであってもよく、プラスチック基板は、ポリエチレンテレフタラート(PET:polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:polyethylene naphthalate)、ポリエーテルスルホン(PES:polyether sulfone)、ポリイミド(PI:polyimide)、ポリアリレート(PAR:polyarylate)、ポリカーボネート(PC:polycarbonate)、ポリメチルメタクリレート(PMMA:polymethyl methacrylate)またはシクロオレフィンコポリマー(COC:cycloolefin copolymer)のうちのいずれか1つ以上を含んでいてもよい。ウィンドウWは、強化ガラス及びプラスチック基板が多層に形成された積層構造であってもよい。
【0026】
ウィンドウWを形成する透明シートがガラス基板である場合、前記ガラス基板を積層して使用してもよい。例えば、透明シートは、ガラス基板/接着層/ガラス基板/接着層…/飛散防止フィルムなどの構造を有してもよい。ガラス基板、特に強化ガラスを積層すると、外部からの衝撃を吸収する能力が高まるため、強化ガラスが破損することはほとんどない。
【0027】
前記印刷層には、透明、半透明またはカラーコーティングなどのうちのいずれか1つ以上のコーティングを適用してもよい。前記印刷層は、シルク印刷またはUVを使用するインクジェット印刷、または熱硬化を使用するインクジェット印刷、または転写を使用して形成することができる。前記透明シート上には、耐指紋性コーティング、抗菌物質コーティングまたはスクラッチ防止コーティングなどの機能性コーティング層を形成することができる。前記機能性コーティング層は、塗布液を塗布する湿式コーティング及び蒸着などの乾式コーティングによって形成することができる。さらに、ウィンドウWのガラス基板またはプラスチック基板の底部には、遮蔽、反射防止、青色光(blue light)遮断、電磁波遮断、プライバシー(privacy)などの特性を付与してもよい。また、ウィンドウWには、ボタン、カメラ、スピーカなどを露出させるための開口部(opening)が形成されていてもよい。
【0028】
ウィンドウWに積層された透明なシートであるガラス基板、プラスチック基板またはそれらを組み合わせて使用する場合には、各層ごとに印刷層を含むことができる。前記組み合わせは、例えば、ガラス基板/接着層が繰り返されるか、プラスチック基板/接着層が繰り返されるか、ガラス基板/接着層/プラスチック基板/接着層が繰り返されてもよい。各層ごとに印刷層があれば、前記印刷層によって表現された文様は、立体的な効果を奏する。すなわち、各層に表現された印刷文様は、光の反射及び干渉によって3次元の立体的な文様として現れる。
【0029】
図示していないが、本発明の第1のディスプレイ装置100は接着層を含んでいてもよい。前記接着層は、ディスプレイDとタッチスクリーンTとの間、前記透明シートと前記飛散防止フィルムとの間、多層の透明シートの間などに配置されてもよい。もちろん、ディスプレイDとタッチスクリーンTとは、接着層によって接合せずに、接着層なしで圧着されてもよい。前記接着層としては、熱硬化型接着剤や紫外線硬化型接着剤を用いることができるが、これらに限定されず、OCAテープなどを用いることができる。このような接着層の活用は公知であり、これに対する詳細な説明は省略する。
【0030】
着脱層10は、0.1gf/25mm〜500gf/25mmの接着力を有する。着脱層10は、本発明の範囲内で様々な物質で作ることができる。例えば、着脱層10は、アクリル系重合体、シリコン系重合体またはウレタン系重合体である熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂に架橋剤が混合された接着剤またはそれらの混合物またはそれらの共重合体のうちから選ばれたいずれか1つであってもよい。着脱層10は、流体を含有するポケット状の着脱流動層であってもよいし、部分的に硬化してパターンを形成する着脱パターンであってもよい。前記着脱流動層は、ポケット状の透明シートに接着される接着面と、ディスプレイ部品に付着する粘着面と、接着面と粘着面との間に位置して側壁を形成する側面とを含む。前記ポケットは、流動性流体が充填される空間を提供する。前記着脱パターンでは、約0.1gf/25mm〜500gf/25mmの接着力を有する粘着層と、前記粘着層が硬化された硬化層とによりパターンが形成される。
【0031】
一方、本発明の実施形態に係る着脱調整層20は、タッチスクリーンT上に位置する。着脱調整層20は、摩擦力を減少させてスリップ性(slip property)を向上させる。着脱調整層20は、ウィンドウWをタッチスクリーンTに容易に着脱させることができる。着脱調整層20としては、フッ素系樹脂またはシリコン系樹脂を含むコーティング剤を使用することができる。着脱調整層20は、タッチスクリーンTにチタニア(TiO2)またはシリカ(SiO2)を蒸着した後、蒸着されたタッチスクリーンT上にフッ素系樹脂またはシリコン系樹脂を塗布することによって形成することができる。このとき、フッ素系樹脂またはシリコン系樹脂は、イージークリーニングコーティング(ECC:Easy Cleaning Coating)方式により形成することができる。着脱調整層20を適用すれば、ウィンドウWを付着させるときの気泡の発生をより効果的に抑制することができる。さらに、着脱調整層20により、消費者は別の道具を用いることなくウィンドウWを容易に着脱することができる。
【0032】
着脱層10は、自己接着力を有する。前記自己接着力は、着脱層10をタッチスクリーンTに載せさえすれば、着脱層10が気泡なしでタッチスクリーンTに自律的に接着する性質である。一方、タッチスクリーンTに着脱調整層20が適用されると、着脱調整層20が存在しない場合と比較して、より一層優れた自己接着力が得られる。本発明の実施形態に係る接着力は、着脱調整層20の有無によって異なり得る。着脱調整層20が存在する場合の接着力は、0.5gf/25mm〜500gf/25mmであるが、着脱調整層20が存在しない場合の接着力は、0.1gf/25mm〜200gf/25mmである。同一の材質及び厚さの着脱層10があるとき、着脱調整層20が存在すると、ウィンドウWを気泡なく容易に付着させることができる。また、着脱調整層20の影響により、ウィンドウWの分離が比較的容易に行われる。
【0033】
図2に示すように、着脱調整層20には、様々な形状の微細突起21が形成される。以下に、そのいくつかの例について説明する。例えば、微細突起21は、断面を、四角形21a、三角形21b、円形21cのうちから選ばれるいずれか1つの形状に形成してもよいし、ビーズ(bead)またはビーズとバインダ21dとから形成してもよい。すなわち、微細突起21の断面は、角度を有していてもよいし、曲率を形成していてもよく、それらの組み合わせであってもよい。着脱調整層20に微細突起21が形成されていると、着脱調整層20が半透明であるため、光の透過率が低下する。透過率の低下した微細突起21を有する着脱調整層20は、透過率が低く、肉眼では微小突起21を含まない透明な着脱制御層20とは区別される。
【0034】
微細突起21は、指紋防止、汚染防止、反射防止などの様々な効果を生み出す。微細突起21が存在すると、指紋や汚染物質が染み込んでいる部分が不連続になるため、指紋の形成や汚染物質の付着が防止される。具体的には、微細突起21の凸部に指紋や汚染物質が付着しているが、微細突起21の凹部には指紋や汚染物質が付着していない。従って、微細突起21は指紋防止、汚染防止効果を奏する。さらに、微細突起21は、乱反射を誘導する。前記乱反射は、第1のディスプレイ装置100の画面部で反射されないように外光を遮断する。さらに、微細突起21は凹部を有するため、気泡を容易に排出することができる。すなわち、微細突起21により、着脱調整層20に対して安定的に着脱層10を着脱することができる。
【0035】
本発明の実施形態に係る微細突起21が形成された着脱調整層20に着脱層10を付着させると、着脱層10の粘着剤が微細突起21の間の隙間に入り込み、画面が半透明から透明に変わる。これにより、微細突起21が形成された着脱調整層20を用いても、透明な状態における画面の明瞭度を維持し続けることができる。図面では、着脱層10の粘着剤が微細突起21の間の隙間に入り込んだ状態を示した。
【0036】
図3は、図1の着脱調整層20に存在する微細突起の配列に対する例を示す部分斜視図である。このとき、微細突起については、図1及び図2を参照する。
【0037】
図3に示すように、微細突起21は、線状(a、21e)、格子状(b、21f)、島状(c、21g)などの配列を有していてもよい。このとき、微細突起21の配列において、微細突起21の断面を四角形21aとした場合を例として挙げたが、断面を三角形21b、円形21cのうちから選ばれるいずれか1つの形状に形成してもよいし、ビーズ(bead)またはビーズとバインダ21dとから形成してもよい。すなわち、微細突起21の断面は、角度を有していてもよいし、曲率を形成していてもよく、それらの組み合わせであってもよい。また、微細突起21は、等間隔で規則的に配列されていてもよいし、等間隔ではなく不規則に配列されていてもよい。
【0038】
図4は、本発明の実施形態に係る第1のディスプレイ装置100に適用される着脱調整層20をパターン化した着脱調整パターン22の例を示す平面図である。ここでは、着脱調整層20のいくつかのパターンの例が示されているだけであり、着脱調整層20のパターンは本発明の範囲内で様々に変更することができる。原理的には、着脱調整層20の全面に微細突起が形成されているが、ここでは一部に微細突起がパターン形状に形成されていることをいう。「e」は微細突起を有しない平坦部、「f」は微細突起を有する凹凸部と言える。凹凸部fは、着脱層10の粘着剤が微細突起21の間の隙間に入り込んでくるため、平坦部eと比較して、着脱層10との結合力が大きい。すなわち、凹凸部fは、着脱層10との結合においてアンカ(anker)効果が伴う。
【0039】
図4(a)に示すように、第1の着脱調整パターン22aでは、平坦部eと硬化性凹凸部fとが帯(stripe)状に配置されている。この場合、全ての平坦部e及び凹凸部fのうち平坦部eが占める割合は、5〜95%であってもよい。平坦部eと凹凸部fとの配列順序は、本発明の第1の着脱調整パターン22aが適用されるウィンドウWの形状によって異なり得る。例えば、ベゼル領域が相対的に大きい場合、ベゼル領域には主に凹凸部fが配置されることがある。このように、第1の着脱調整パターン22aを構成する平坦部e及び凹凸部fのそれぞれの幅は、適切に調整することができる。図中、前記帯形状は一定の厚さの四角形状であるが、場合によっては波状などの形状に変形することができる。
【0040】
図4(b)に示すように、第2の着脱調整パターン22bでは、格子状を有し、それぞれの格子内に平坦部eと凹凸部fとが配置されている。平坦部eと凹凸部fとの配列順序は、本発明の第2の着脱調整パターン22bが適用されるウィンドウWの形状によって異なり得る。例えば、ベゼル領域が大きい場合、ベゼル領域には主に凹凸部fが配置されることがある。このように、第2の着脱調整パターン22bを構成する平坦部e及び凹凸部fのそれぞれの面積を、適宜調整することができる。図中、前記格子の形状は一定の厚さの四角形状であるが、場合によっては、円形、楕円形などの形状を含み得る。
【0041】
図4(c)に示すように、第3の着脱調整パターン22cでは、フェンス状に閉鎖された平坦部eと凹凸部fとが配置されている。平坦部eと凹凸部fとの配列順序は、本発明の第3の着脱調整パターン22cが適用されるウィンドウWの形状によって異なってもよい。例えば、ベゼル領域が大きい場合は、ベゼル領域には主に凹凸部fが配置されてもよい。このように、第3の着脱調整パターン22cを構成する平坦部e及び凹凸部fのそれぞれの面積は、適宜調整することができる。図中、前記フェンス形状は一定の厚さの四角形状であるが、場合によっては、波状などの形状に変形することができる。
【0042】
図4(d)に示すように、第4の着脱調整パターン22では、第3の着脱調整パターン22cの閉鎖されたフェンスの一部が、平坦部e及び凹凸部fのうちのいずれか一方により貫通されている。平坦部eと凹凸部fとの配列順序は、本発明の第4の着脱調整パターン22dが適用されるウィンドウWの形状によって異なり得る。例えば、ベゼル領域が大きい場合、ベゼル領域には主に凹凸部fが配置されることがある。このように、第4の着脱調整パターン22dを構成する平坦部e及び凹凸部fのそれぞれの面積は、適宜調整することができる。図中、前記フェンスの形状は一定の厚さの四角形状であるが、場合によっては、波状などの形状に変形することができる。
【0043】
本発明の実施形態に係る着脱調整パターン22は、曲面の縁部を有する曲面ディスプレイに有用に適用することができる。曲面の縁部における凹凸部fの占める領域が大きくなると、着脱層10と凹凸部fとの間の結合力が強くなるため、曲面の縁部における付着がより強固になる。同様に、第1のディスプレイ装置100の屈曲部に凹凸部fを配置すると、ウィンドウWのタッチスクリーンTへの付着を安定させることができる。
【0044】
本発明の実施形態に係る微細突起21が形成された着脱調整パターン(22;22a〜22d)に着脱層10を付着させると、着脱層10の粘着剤が微細突起21の間の隙間に入り込み、曇った画面が透明になる。これにより、微細突起21が形成された着脱調整パターン22を用いても、透明な状態での画面の明瞭度を維持し続けることができる。着脱調整パターン22の微細突起21の割合を調整することにより、着脱層10の着脱に影響を与える接着力を自由に調整することができる。
【0045】
微細突起21は、様々な方法により形成される。例えば、微細突起21は、シリカなどの半透明ビーズと紫外線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂などと混合し、着脱調整層20上に塗布して硬化させることにより形成することができる。また、微細突起21は、紫外線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂を塗布した着脱調整層20を、微細突起21の形状が刻印されたシート(sheet)状またはロール状の金型を用いて圧着した後、硬化させて形成することができる。紫外線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂などを塗布したフィルムまたはシートを転写することにより、微細突起21を有する着脱調整層20を作製することができる。微細突起21に合わせた形状の金型で成形することにより着脱調整層20を形成することができる。
【0046】
また、微細突起21は、着脱調整層20の表面にレーザビームを照射して形成することができる。微細突起21は、紫外線硬化型インクまたは熱硬化性インクを用いて着脱調整層20の表面に印刷することにより形成することができる。微細突起21は、着脱調整層20の表面に物理的な衝撃を与えることにより、着脱調整層20の表面に形成することができる。着脱調整パターン22の場合、マスキング後に樹脂などを塗布するか、露光またはエッチングなどを行うことにより微細突起21を形成し、マスクを除去して形成することができる。微細突起21を形成する方法としては、前述した方法に加えて、本発明の範囲内で他の方法を適用することができる。
【0047】
本発明の第1のディスプレイ装置100のウィンドウWは、別々に製造されて離型フィルムで保護されている。前記離型フィルムは、ウィンドウWの着脱層10を着脱調整層20に付着させるために除去される。離型フィルムが除去されると、着脱層10が露出される。着脱層10が露出されたウィンドウ構造物Wを着脱調整層20に手作業などにより付着させると、ウィンドウWが取り付けられた第1ディスプレイ100が完成する。また、ウィンドウWが破損したり交換されたりする場合は、手作業などでウィンドウWを分離して新たなウィンドウWを付着させるだけでよい。このとき、微細突起21が形成された着脱調整層20は、それ自体で指紋防止、汚染防止及び反射防止などの効果を有し、且つ、画面の明瞭度を損なうことなく、微細突起21によって着脱層10が安定して着脱できるという効果をもたらす。
【0048】
図5は、本発明の実施形態に係る第2のディスプレイ装置200を示す分解断面図である。この場合、第2のディスプレイ装置200は、タッチスクリーンTと着脱調整層20との間にタッチスクリーンカバー層30が挿入されることを除いては、第1のディスプレイ装置100と同様である。したがって、同一の符号についての詳細な説明は省略する。ここでは、図は厳密な断面図ではなく、説明の便宜のために断面図上に表示されない構成要素があり得る。
【0049】
図5に示すように、第2のディスプレイ装置200は、ディスプレイD、タッチスクリーンT、タッチスクリーンカバー層30、着脱調整層20、着脱層10及びウィンドウWを順次積層して構成することができる。この場合、着脱調整層20には、上述した微細突起が形成されているので、必要に応じて、パターン化された着脱調整パターン22を適用することができる。ここで、カバー層30の上部または下部には、タッチスクリーンTを形成するための導電パターンが配置される。厳密な意味では、カバー層30は、タッチスクリーンTの一部であるといえる。カバー層30は、衝撃または汚染によってタッチスクリーンTが損傷を受けることを防止する。また、第2のディスプレイ装置200では、ディスプレイDに直接導電パターンが形成されてタッチスクリーンTを形成し、このとき、タッチスクリーンカバー層30は、ディスプレイDの上に配置されてもよい。
【0050】
カバー層30は、印刷層または機能性コーティング層を有することができ、様々なデザインまたは半透明などによって第2のディスプレイ装置200を美麗にすることができる。また、カバー層30は、タッチスクリーンTの各種パターンまたは回路などに起因する屈曲及び段差による影響を排除することができる。屈曲や段差の影響がなくなると、着脱層10の着脱調整層20に対する着脱がより容易になる。
【0051】
カバー層30としては、透明な材質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、ガラス基板またはプラスチック基板を含むことができる。具体的には、ガラス基板は強化ガラスまたは非強化ガラスであってもよい。さらに、プラスチック基板は、ポリエチレンテレフタラート(PET:polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:polyethylene naphthalate)、ポリエーテルスルホン(PES:polyether sulfone)、ポリイミド(PI:polyimide)、ポリアリレート(PAR:polyarylate)、ポリカーボネート(PC:polycarbonate)、ポリメチルメタクリレート(PMMA:polymethyl methacrylate)またはシクロオレフィンコポリマー(COC:cycloolefin copolymer)のうちのいずれか1つ以上を含んでいてもよい。プラスチック基板がより好ましい。カバー層30の厚さは、第2のディスプレイ装置200を用いた過程においてタッチスクリーンTを損傷させない程度であれば十分である。
【0052】
第2のディスプレイ装置300は、第1のディスプレイ装置100と同様に、着脱調整層20及びパターン22を備えることができる。着脱調整層20及びパターン22の材質、特徴などは、第1のディスプレイ装置100で説明したものと同様である。本発明の実施形態に係る着脱層10との接着力は、着脱調整層20及びパターン22の存在によって異なることがある。着脱調整層20及びパターン22が存在する場合の接着力は、0.5gf/25mm〜500gf/25mmであるが、着脱調整層20及びパターン22が存在しない場合の接着力は、0.1gf/25mm〜200gf/25mmである。同一の材質及び厚さを有する着脱層10が存在するとき、着脱調整層20及びパターン22が存在すると、ウィンドウWを気泡なく容易に付着させることができる。特に、ウィンドウWの着脱のための接着力を、着脱調整パターン22によって自由に調整することができる。
【0053】
着脱層10の接着力が0.1gf/25mm〜500gf/25mmである場合、着脱層10は自己接着力を有する。前記自己接着力とは、着脱層10を着脱調整層20及びパターン22上に載せさえすれば、着脱層10が気泡なしで自律的に接着する性質である。一方、タッチスクリーンカバー層30に着脱調整層20及びパターン22を適用すると、着脱調整層20及びパターン22が存在しない場合と比較して、より向上した自己接着性を有する。
【0054】
図6は、本発明の実施形態に係る第3のディスプレイ装置300を示す分解断面図である。この場合、第3のディスプレイ装置300は、タッチスクリーンTに着脱層10が位置し、ディスプレイDに着脱調整層20が位置することを除いては、第1のディスプレイ装置100と同様である。したがって、同一の符号の詳細な説明は省略する。ここでは、図は厳密な断面図ではなく、説明の便宜のために断面図上に表示されない構成要素があり得る。
【0055】
図6に示すように、第3のディスプレイ装置300には、ディスプレイD、着脱調整層20、着脱層10、タッチスクリーンT及びウィンドウWが順次積層されてなる。この場合、着脱調整層20は、上述した微細突起21が形成されてなるもので、必要に応じて、パターン化された着脱調整パターン22を適用することができる。着脱層10は、自己接着力を有する。前記自己接着力とは、着脱層10をタッチスクリーンTに載せさえすれば、着脱層10が気泡なしでタッチスクリーンTに自律的に接着する性質である。一方、タッチスクリーンTに着脱調整層20を適用すると、着脱調整層20が存在しない場合よりもさらに向上した自己接着性を有する。
【0056】
本発明の実施形態に係る接着力は、着脱調整層20の有無によって異なり得る。着脱調整層20が存在する場合の接着力は、0.5gf/25mm〜500gf/25mmであり、着脱調整層20が存在しない場合の接着力は、0.1gf/25mm〜200gf/25mmである。同一の材質及び厚さを有する着脱層10が存在するとき、着脱調整層20が存在すると、ウィンドウWを気泡なく容易に付着させることができる。また、着脱調整層20の影響により、ウィンドウWの分離が比較的容易に行われる。本発明の実施形態に係る微細突起21が形成された着脱調整層20及び着脱調整パターン22に着脱層10を付着させると、着脱層10の粘着剤が微細突起21の間の隙間に入り込み、画面が半透明から透明に変わる。これにより、微細突起21が形成された着脱調整層20及び着脱調整パターン22を用いても、透明な状態における画面の明瞭度を維持し続けることができる。
【0057】
本発明の実施形態に係る着脱調整パターン22は、曲面の縁部を有する曲面ディスプレイに有用に適用することができる。曲面の縁部における凹凸部fの占める領域が大きくなると、着脱層10と凹凸部fとの間の結合力が強くなるため、曲面の縁部における付着がより強固になる。同様に、第3のディスプレイ装置300の屈曲部に凹凸部fを配置すると、タッチスクリーンTのディスプレイDへの付着を安定させることができる。
【0058】
本発明の実施形態に係る第1または第3のディスプレイ装置は、ウィンドウWが破損した場合、破損したウィンドウWを交換するために新たなウィンドウWのうちから選択して付着させるだけでよい。具体的には、破損したウィンドウWを分離し、新たなウィンドウWを付着させて交換する。ウィンドウWを交換する過程は、消費者が直接手作業で行ってもよく、交換にかかる時間は非常に短い。また、ウィンドウWのみを除去すればよいため、ディスプレイ装置を容易に再利用することができる。さらに、ウィンドウWは着脱されるので、気泡なく簡単に付着することができる。メーカは、ウィンドウW以外の部分のみを製造すればよく、また、接着工程を行う必要がないので、製造工程が簡略化される。
【0059】
一方、上述した第1〜第3のディスプレイ装置100、200、300は、ウィンドウまたはタッチスクリーンに着脱層10を有し、それに対応するタッチスクリーンまたはディスプレイに着脱調整層20を有すると説明したが、場合によっては、ウィンドウまたはタッチスクリーンに着脱調整層20を有し、それに対応するタッチスクリーンまたはディスプレイに着脱層10を有してもよい。ここでは、前者の場合を例として挙げている。また、接着層及び着脱層は、上述した位置以外にも適切な位置に追加することができる。例えば、ウィンドウWとタッチスクリーンTとの間に接着層または着脱層を有してもよい。
【0060】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で当分野における通常の知識を有する者によって種々の変形が可能である。例えば、ウィンドウ構造物の着脱を容易にするために、ディスプレイ装置の射出物に溝などの別途の手段を設けることができる。
【符号の説明】
【0061】
100、200、300 第1〜第3のディスプレイ装置
10 着脱層
20 着脱調整層
21 微細突起
22 着脱調整パターン
30 タッチスクリーンカバー層
D ディスプレイ
T タッチスクリーン
W ウィンドウ
図1
図2
図3
図4
図5
図6