(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態による浴室カウンターの取付構造について、
図1乃至
図17に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態による浴室カウンターの取付構造1Aは、浴室11の第1壁面12に設けられた浴室カウンター3の取付構造である。本実施形態では、浴室11には、シャワーや水栓が設けられた第1壁面12と、第1壁面12に直交する第2壁面13と、が設けられている。また、浴室11に設けられた浴槽のエプロン14の前面は、第1壁面12と直交する面上に配置され、第2壁面13と間隔をあけて対向している。
【0013】
ここで、第1壁面12に沿った水平方向を幅方向、幅方向に直交する水平方向を奥行き方向とする。奥行き方向のうち第1壁面12に近接する方向を奥行き方向の奥側とし、第1壁面12と離間する方向を奥行き方向の手前側とする。幅方向のうち、第2壁面13に対して浴槽のエプロン14が配置されている側を幅方向の一方側とし、浴槽のエプロン14に対して第2壁面13が配置されている側を幅方向の他方側とする。
また、以下の各部材の説明では、各部材が第1壁面12または第2壁面13に取り付けられた姿勢であるものとする。
【0014】
図2乃至
図5に示すように、浴室カウンターの取付構造1Aは、第1壁面12に幅方向に互いに間隔をあけて固定された3つのブラケット2と、3つのブラケット2に着脱可能な浴室カウンター3と、を有している。
浴室カウンター3は、3つのブラケット2に固定されると上面に洗面器や石けんなどの物品を載置可能に構成されている。
浴室カウンター3は、長尺に形成され、長辺が第1壁面12(
図3および
図4参照)に沿い、短辺が第2壁面13およびエプロン14の前面に沿って配置されている。本実施形態による浴室カウンターの取付構造1Aは、浴室カウンター3と第2壁面との隙間に着脱可能なロックスペーサ4と、第2壁面13(
図3および
図4参照)に固定されロックスペーサ4を支持する2つのステー部材5と、をさらに有している。
【0015】
図6および
図7に示すように、浴室カウンター3は、上側に配置される天板31と、下側に配置される底板32と、を有し、天板31と底板32とが接合されて構成されている。天板31および底板32はそれぞれ樹脂を材料として形成されている。
天板31の上面は、緩い水勾配を有する略水平面に形成され、物品を載置可能な載置面を構成している。浴室カウンター3は、奥行き方向の奥側の縁部が幅方向に直線状に延び、幅方向の両側の縁部がそれぞれ奥行き方向に直線状に延びている。浴室カウンター3の奥行き方向の手前側の縁部は、幅方向の一方側が奥行き方向に凹み幅方向の他方側が奥行き方向の手前側に突出するように緩いS字形状に延びている。
【0016】
天板31は、浴室カウンター3の載置面となる上板部311と、上板部311の奥行き方向の手前側の縁部から下側に延びる前板部312と、上板部311幅方向の一方側の縁部から下側に延びる第1側板部313と、上板部311の幅方向の他方側の縁部から下側に延びる第2側板部314と、上板部311の奥行き方向の奥側の縁部から延びる後板部315と、上板部311の奥行き方向の奥側の縁部に連続して設けられた第1被係止部33と、を有している。
【0017】
第1側板部313および第2側板部314は、奥行き方向の手前側の縁部が前板部312の幅方向の縁部と連続し、奥行き方向の奥側の縁部が後板部315の幅方向の縁部と連続している。第1側板部313、第2側板部314、および後板部315の下縁部は、略同じ高さに配置されている。
上板部311の下側には、上板部311の下面から下側に突出する板状の複数のリブや、これらのリブの間やリブの下側に連続して設けられた補強板などが適宜設けられている。これらのリブや補強板などによって天板31が所定の強度に維持されている。
【0018】
図7に示すように、第1被係止部33は、上板部311の奥行き方向の奥側の全縁部から奥行き方向の奥側に延びる第1板部331と、第1板部331の奥行き方向の奥側の全縁部から下側に延びる第2板部332と、を有している。
第1板部331の上面は、上板部311の上面よりもやや上側に配置されている。
第2板部332は、後板部315の奥行き方向の奥側に後板部315と間隔をあけて略平行に設けられている。
【0019】
底板32は、天板31の上板部311の下側に配置される下板部321と、下板部321の奥行き方向の手前側の縁部に連続して設けられる手掛け部322と、下板部321の幅方向の一方側の縁部から上側に延びる第1側板部323(
図6参照)と、下板部321の幅方向の他方側の縁部から上側に延びる第2側板部324(
図6参照)と、下板部321の奥行き方向の奥側の縁部から上側に延びる後板部325と、を有している。
【0020】
下板部321は、奥行き方向の手前側に配置され、奥行き方向の奥側に向かって漸次下側に向かうように傾斜する傾斜部321aと、傾斜板部の奥行き方向の奥側の縁部から奥行き方向の奥側に略水平に延びる水平部321bと、を有している。
傾斜部321aは、奥行き方向の奥側が手前側よりも傾斜角度が大きく設定され、上側に凸となるように湾曲している。
後板部325は、水平部321bの奥行き方向の奥側の縁部から上側に延びている。後板部325には、高さ方向の中間部に幅方向に間隔をあけて奥行き方向の奥側に突出する規制突出部326が3つ設けられている。
下板部321のうちの傾斜部321aの下端部分(傾斜部における水平部との接続部近傍の部分)、水平部321b、および後板部325の下端部分(後板部325における水平部との接続部近傍の部分)を合せた部分を第2被係止部34とする。
【0021】
手掛け部322は、断面形状が上側に開口する略C字形状に形成されている。手掛け部322は、下板部321の奥行き方向の手前側の縁部から奥行き方向の手前側に向かって漸次下側にのびる第1湾曲板部322aと、第1湾曲板部322aの下縁部から奥行き方向の手前側に略水平に延びる水平板部322bと、水平板部322bの奥行き方向の手前側の縁部から奥行き方向の手前側に向かって漸次上側に延びる第2湾曲板部322cと、を有している。
第1湾曲板部322aは、上側に凸となるように緩く湾曲している。第2湾曲板部322cは、奥行き方向の手前側に凸となるように緩く湾曲している。第2湾曲板部の奥行き方向の手前側の縁部は、下板部321の奥行き方向の手前側の縁部よりも上側に配置されている。
【0022】
第1側板部323および第2側板部324は、奥行き方向の手前側の縁部が手掛け部322の幅方向の縁部と連続し、奥行き方向の奥側の縁部が後板部325の幅方向の縁部と連続している。手掛け部322、後板部325、第1側板部323および第2側板部324の上縁部は、それぞれ略同じ高さに配置されている。
本実施形態では、下板部321は、天板31の上板部311よりも幅方向の寸法が小さく形成されている。そして、第1側板部323および第2側板部324は、下部側が下板部321の幅方向の両縁部から上側に延びていて、上部側が幅方向の外側に向かって延びてから上側に向かって延びている。このため、浴室カウンター3の幅方向の両端部近傍の下面3a(
図5参照)は、底板32の下端部よりも上側に配置されている。この浴室カウンター3の幅方向の両端部近傍の下面3aは、ステー部材5の載置部52(
図10参照)に載置可能に構成されている。
【0023】
下板部321の上側には、下板部321の上面から上側に突出する板状の複数のリブや、これらのリブの間やリブの上側に連続して設けられた補強板などが適宜設けられている。これらのリブや補強板などによって底板32が所定の強度に維持されている。
【0024】
このような天板31と底板32とは、天板31の前板部312の下端部分の奥行き方向の奥側に底板32の手掛け部322の上端部分が配置され、天板31の後板部315の下端部分の奥行き方向の手前側に底板32の後板部325の上端部分が配置され、天板31の第1側板部313の下端部分の幅方向の他方側に底板32の第1側板部323の上端部分が配置され、天板31の第2側板部314の下端部分の幅方向の一方側に底板32の第2側板部324の上端部分が配置された状態となるように嵌合によって連結されている。
天板31および底板32には、互いに連結される際に互いに係合する爪部などが適宜設けられている。
【0025】
3つのブラケット2は、配置される位置以外は略同じ形態に形成されている。
図8および
図9に示すように、ブラケット2は、上側に配置される上側部材21と、上側部材21に連続して下側に配置される下側部材22とを有している。上側部材21と下側部材22とは連結されている。
上側部材21は、樹脂で形成された上側樹脂部材23と、金属で形成された上側金属部材24と、を有している。
【0026】
上側樹脂部材23は、第1壁面12に沿って配置され第1壁面12に固定される第1壁面固定部231と、第1壁面固定部231の上側に連続して形成され浴室カウンター3の第1被係止部33を係止可能な第1浴室カウンター係止部232と、を有している。
第1壁面固定部231は、第1壁面12に沿って第1壁面12と平行に配置される平板状の平板部231aと、平板部231aの幅方向の両縁部からそれぞれ奥行き方向の手前側に突出する一対の側板部231bと、を有している。平板部231aは、板面が略長方形状に形成され、ネジなどの固定具が挿通可能な固定具用孔部231cが複数形成されている。
【0027】
第1浴室カウンター係止部232は、第1壁面固定部231よりも奥行き方向の寸法が大きく設定され、奥行き方向の手前側の端面が第1壁面固定部231よりも奥行き方向の手前側に配置されている。
第1浴室カウンター係止部232には、上部側に幅方向全体にわたって延在し、上側に開口する第1溝部25と、第1溝部25よりも奥行き方向の手前側に配置され下側に開口する係合凹部232aと、が形成されている。
【0028】
本実施形態では、
図10に示すように、第1溝部25は、上側を向く底面251と、底面251の奥行き方向の奥側の縁部から上側に延びて奥行き方向の手前側を向く第1側面252と、底面251の奥行き方向の手前側の縁部から上側に延びて奥行き方向の奥側を向く第2側面253とを有している。
【0029】
底面251は、幅方向中央部が幅方向の両側よりも高い山型に形成され、幅方向の中央部から両端部に向かって漸次下側に向かうように緩く傾斜している。
第1側面252は、幅方向中央部が幅方向の両側よりも奥行き方向の手前側に突出する山型に形成され、幅方向の中央部から両端部に向かって漸次奥行き方向の奥側に向かうように緩く傾斜している。また、第1側面252の上端部近傍には、下側から上側に向かって漸次奥行き方向の奥側に向かうテーパ面252a(
図9参照)が形成されている。
第2側面253は、幅方向中央部が幅方向の両側よりも奥行き方向の奥側に突出する山型に形成され、幅方向の中央部から両端部に向かって漸次奥行き方向の手前側に向かうように緩く傾斜している。また、第2側面253の上端部近傍には、下側から上側に向かって漸次奥行き方向の手前側に向かうテーパ面253a(
図9参照)が形成されている。
【0030】
図8および
図9に示すように、上側金属部材24は、第1壁面固定部231の奥行き方向の手前側の面に沿って配置され第1壁面固定部231とともに第1壁面12に固定される平板状の第2壁面固定部241と、第2壁面固定部241の上側に連続して形成され第1浴室カウンター係止部232の係合凹部に挿入される係合板部242と、を有している。
第2壁面固定部241には、ネジなどの固定具が挿通可能な固定具用孔部241aが複数形成されている。
係合板部242は、断面が略L字形の板状に形成され、第1壁面固定部231の上縁部から奥行き方向の手前側に突出する第1板部242aと、第1板部の奥行き方向の手前側の縁部から上側に突出する第2板部242bと、を有している。
図7に示すように、係合板部242のうちの第2板部242bが係合凹部232aに挿入可能に構成されている。
【0031】
下側部材22は、樹脂で形成された下側樹脂部材26と、金属で形成された下側金属部材27と、下側樹脂部材26および下側金属部材27を第1壁面12に固定する固定具を覆う樹脂製のカバー部材28と、を有している。
下側金属部材27は、第1壁面12に固定された上側部材21の直下に第1壁面12に沿って配置される。下側樹脂部材26は、重なって第1壁面12に固定された上側部材21の第1壁面固定部231および第2壁面固定部241の奥行き方向の手前側、および下側金属部材27の奥行き方向の手前側に配置される。カバー部材28は、下側樹脂部材26の奥行き方向の手前側に配置される。
【0032】
下側樹脂部材26は、第1壁面12に固定される第3壁面固定部261と、第3壁面固定部261の下側に連続して形成され浴室カウンター3の第2被係止部34を係止可能な第2浴室カウンター係止部262と、第2浴室カウンター係止部262の下側に連続して形成され第1壁面12に固定される第4壁面固定部263と、第3壁面固定部261の上側に連続して形成されブラケット2に係止された浴室カウンター3の移動を規制する移動規制部6と、を有している。
【0033】
第3壁面固定部261は、第1壁面12に沿って第1壁面12と平行に配置される平板状の平板部261aと、平板部261aの幅方向の両縁部からそれぞれ奥行き方向の奥側に突出する側板部261bと、平板部261aの上縁部から奥行き方向の手前側に突出する上板部261cと、を有している。平板部261aは、板面が略長方形状に形成され、ネジなどの固定具が挿通可能な固定具用孔部261dが複数形成されている。
第3壁面固定部261には、カバー部材28が取り付けられるように構成されている。
【0034】
第2浴室カウンター係止部262は、第3壁面固定部261および移動規制部6よりも奥行き方向の寸法が大きく、奥行き方向の手前側の端面が第3壁面固定部261および移動規制部6よりも奥行き方向の手前側に配置されている。
第2浴室カウンター係止部262は、第3壁面固定部261の下縁部から奥行き方向の手前側に突出する上板部262aと、上板部262aの幅方向の両縁部から下側に延びる側板部262bと、を有している。側板部262bは、第3壁面固定部261の側板部261bと連続している。側板部262bは、第4壁面固定部263の幅方向の両縁部を覆っている。
上板部262aは、奥行き方向の手前側に幅方向全体にわたって上側に開口する略C字形状に形成されていて、上側に開口する第2溝部29が形成されている。
【0035】
本実施形態では、
図10に示すように、第2溝部29は、上側を向く底面291と、底面291の奥行き方向の奥側の縁部から上側に延びて奥行き方向の手前側を向く第1側面292と、底面291の奥行き方向の手前側の縁部から上側に延びて奥行き方向の奥側を向く第2側面293とを有している。
底面291は、幅方向中央部が幅方向の両側よりも高い山型に形成され、幅方向の中央部から両端部に向かって漸次下側に向かうように緩く傾斜している。
第1側面292は、幅方向中央部が幅方向の両側よりも奥行き方向の手前側に突出する山型に形成され、幅方向の中央部から両端部に向かって漸次奥行き方向の奥側に向かうように緩く傾斜している。また、第1側面292の上端部近傍には、下側から上側に向かって漸次奥行き方向の奥側に向かうテーパ面292a(
図9参照)が形成されている。
第2側面293は、幅方向中央部が幅方向の両側よりも奥行き方向の奥側に突出する山型に形成され、幅方向の中央部から両端部に向かって漸次奥行き方向の手前側に向かうように緩く傾斜している。また、第2側面293の上端部近傍には、下側から上側に向かって漸次奥行き方向の奥側に向かうテーパ面293a(
図9参照)が形成されている。
【0036】
図7に示すように、第4壁面固定部263は、第1壁面12に沿って第1壁面12と平行に配置される板状の固定部263aと、固定部263aの上縁部から奥行き方向の手前側に延びて奥行き方向の手前側が上側に折り曲がり第2浴室カウンター係止部262に接続される接続部263bと、を有している。
固定部263aは、板面が略長方形状に形成され、ネジなどの固定具が挿通可能な固定具用孔部(不図示)が形成されている。下側樹脂部材26には、第2浴室カウンター係止部262の下端面と接続部263bに囲まれた凹部263cが形成されている。
【0037】
移動規制部6は、第3壁面固定部261の上板部262aの上縁部に接続された板面が奥行き方向を向く前板部61と、前板部61の幅方向の両縁部から奥行き方向の奥側に延びる側板部62と、を有している。側板部62は、第3壁面固定部261の側板部261bと連続して形成されている。
前板部61は、高さの中間部に幅方向全体にわたって段部63が形成され、下部側よりも上部側が奥行き方向の手前側に配置されている。段部63は、奥行き方向から見て幅方向の中間部分が幅方向の両側部分よりも下側となるハット状に形成されている。前板部61のうちの段部63よりも上部側を前板部上部64とし、段部63よりも下部側を前板部下部65とし、前板部上部64と前板部下部65とを接続する部分を段板部66とする。
【0038】
図11に示すように、段板部66は、幅方向の中間部に配置され板面が略水平面となる下板部661と、下板部661の幅方向の一方側から上側に延びる第1側板部662と、下板部661の幅方向の他方側から上側に延びる第2側板部663と、第1側板部662の上縁部から幅方向の一方側に延びる第1上板部664と、第2側板部663の上縁部から幅方向の他方側に延びる第2上板部665と、を有している。
本実施形態では、段板部66の第2側板部663と第2上板部665とがなす角部の内側に規制突出部326が配置されるように構成されている。なお、浴室が幅方向に対称に形成されている場合は、第1側板部662と第1上板部664とがなす角部の内側に規制突出部326が配置される。
【0039】
本実施形態では、第1上板部664の下面の幅方向一方側の端部近傍には、幅方向の一方側に向かって漸次上側に向かう傾斜面664aが形成されている。第2上板部665の下面の幅方向他方側の端部近傍には、幅方向の他方側に向かって漸次上側に向かう傾斜面665aが形成されている。
移動規制部6には、奥行き方向の奥側に開口し、上側金属部材24の上側突出板部272が挿入される凹部67(
図7参照)が形成されている。
移動規制部6には、前板部61から奥行き方向の奥側に突出する板状の複数のリブや、これらのリブ間やリブの奥行き方向他方側の端部に連続して設けられた板状の補強板などが設けられている。これらのリブや補強板によって下側樹脂部材26が所定の強度に維持されている。
【0040】
下側金属部材27は、第1壁面12に沿って配置され第3壁面固定部261とともに第1壁面12に固定される平板状の第5壁面固定部271と、第5壁面固定部271の上縁部から奥行き方向の手前側に延びる上側突出板部272と、第5壁面固定部271の下縁部から奥行き方向の手前側に延びる下側突出板部273と、を有している。
第5壁面固定部271には、ネジなどの固定具が挿通可能な固定具用孔部271aが複数形成されている。
【0041】
下側金属部材27は、第5壁面固定部271が下側樹脂部材26の移動規制部6、第3壁面固定部261、および第2浴室カウンター係止部262の奥行き方向の奥側に配置された状態で第1壁面12に固定される。このとき、
図7に示すように、上側突出板部272が移動規制部6の凹部67に挿入されて、下側突出板部273が第2浴室カウンター係止部262と第4壁面固定部263との間の凹部263cに挿入される。
【0042】
カバー部材28は、上側樹脂部材23の第3壁面固定部261の平板部261aの奥行き方向の手前側に配置される。カバー部材28は、奥行き方向から見て略長方形状に形成されている。カバー部材および第3壁面固定部261には、互いに係合可能な爪部や爪部を係止する孔部などが形成されている。
【0043】
このようなブラケット2は、上側金属部材24が上側樹脂部材23の奥行き方向の手前側に配置され、第2壁面固定部241が第1壁面固定部231の一対の側板部231bの間に配置され第1壁面固定部231の平板部231aと重なり、係合板部242が係合凹部232aに挿入された状態で、第1壁面固定部231および第2壁面固定部241の固定具用孔部231c,241aに挿入された固定具(不図示)が第1壁面12に係合することで、上側部材21が第1壁面12に固定される。
【0044】
また、上側樹脂部材23が上側金属部材24および下側金属部材27の奥行き方向の手前側に配置され、第5壁面固定部271の平板部が第3壁面固定部261の平板部261aと重なり、上側突出板部272が移動規制部6の凹部67に挿入され、下側突出板部273が第2浴室カウンター係止部262と第4壁面固定部263との間の凹部に挿入された状態で、第3壁面固定部261および第5壁面固定部271の固定具用孔部271aに挿入された固定具が第1壁面12に係合することで、第1壁面12に固定される。また、下側部材22は、第4壁面固定部263の固定具用孔部263dに挿入された固定具が第1壁面12に係合することで、下側部材22が第1壁面12に固定される。
【0045】
図12および
図13に示すように2つのステー部材5は、配置される位置以外は略同じ形態に形成されている。ステー部材5は、第2壁面13に固定される固定部51と、固定部51から幅方向の一方側に突出し浴室カウンター3(
図2参照)およびロックスペーサ4と、が載置される載置部52と、を有している。
2つのステー部材5は、第2壁面13に同じ高さにおいて奥行き方向に間隔をあけて固定されている。固定部51には、ステー部材5を固定するためのネジなどの固定具が挿通される孔部(不図示)が形成されている。また、固定部51は、下部側の奥行き方向の両端部近傍に第2壁面13と離間する切欠き部53が形成されている。切欠き部53には、ロックスペーサ4の折り返し部43が挿入可能に構成されている。
【0046】
載置部52の上面には、幅方向の中央部に段部54が形成され、幅方向の一方側(先端側)が幅方向の他方側(基端側)よりも上側に配置されている。載置部52の上面のうち、段部54よりも幅方向の一方側を第1載置面55とし、段部54よりも幅方向の他方側を第2載置面56とする。第1載置面55および第2載置面56は、それぞれ略水平面に形成されている。
ステー部材5には、段部54と第2載置面56および固定部51に囲まれた上方に開口する溝部57が奥行き方向全体にわたって形成されている。
【0047】
ロックスペーサ4は、奥行き方向に延びる長尺部41と、長尺部41の奥行き方向の手前側の端部近傍から下側に突出する突出部42と、を有している。ロックスペーサ4は、幅方向から見ると略L字形状に形成されている。
長尺部41は、浴室カウンター3の奥行き方向と略同じ長さで、奥行き方向の奥側が手前側よりも高さ寸法が大きく形成されている。長尺部41は、幅方向の寸法がステー部材5の第2載置面56の幅寸法と略同じ寸法に形成され、溝部57に挿し込み可能に構成されている。
【0048】
図2に示すように、突出部42は、下端部近傍に奥行き方向の奥側に突出する折り返し部43が形成されている。折り返し部43は、ステー部材5の切欠き部53に奥行き方向の手前側から嵌合可能に構成されている。
折り返し部43が切欠き部53に嵌合することでロックスペーサ4がステー部材5に固定される。なお、ステー部材5に固定されたロックスペーサ4は、所定以上の力で奥行き方向の手前側に引き出すことでステー部材5から外れるように構成されている。
【0049】
次に、浴室カウンター3のブラケット2への着脱方法について説明する。
まず、浴室カウンター3をブラケット2に取り付ける方法について説明する。なお、予め3つのブラケット2は第1壁面12に固定され、2つのステー部材5は第2壁面13に固定されている。
まず、浴室カウンター3の奥行き方向の手前側の縁部近傍を把持し、浴室カウンター3を3つのブラケット2およびステー部材5の上方に配置する。このとき、浴室カウンター3の手掛け部322を下側から把持すると浴室カウンター3を把持しやすい。
浴室カウンター3を下降させて、浴室カウンターの第1被係止部33をブラケット2の第1溝部25に挿入させ、浴室カウンター3の第2被係止部34をブラケット2の第2溝部29に挿入させる。
これにより、第1被係止部33が第1浴室カウンター係止部232に下側から支持され、第2被係止部34が第2浴室カウンター係止部262下側から支持される。
【0050】
浴室カウンター3をブラケット2に向かって下降させる際には、浴室カウンター3を第2壁面13に寄せた状態で向かって下降させる。これにより、
図14に示すように、浴室カウンター3の幅方向他方側の縁部がステー部材5の固定部51の幅方向一方側の面と当接し、浴室カウンター3の幅方向の両端部近傍の下面3aがステー部材5の第1載置面55および第2載置面56の上部に配置される。ステー部材5に載置された浴室カウンター3の幅方向の両端部近傍の下面3aは、第1載置面55とは当接し、第2載置面56とは間隔をあけている。
上記のように浴室カウンター3が配置されると、浴室カウンター3の幅方向一方側の縁部と浴槽のエプロン14の前面との間には隙間が形成された状態となる。また、
図15に示すように、浴室カウンター3の後板部625から奥行き方向の奥側に突出する規制突出部326が、ブラケット2と奥行き方向に重ならず、ブラケット2の幅方向の他方側に配置された状態となる。
【0051】
続いて、浴室カウンター3を幅方向の一方側にスライドさせる。浴室カウンター3をスライドさせる際にも、浴室カウンター3はブラケット2の第1浴室カウンター係止部232および第2浴室カウンター係止部262に係止されたままとする。
図16に示すように、浴室カウンター3が幅方向の一方側にスライドすると、浴室カウンター3の規制突出部326が移動規制部6の段部63の第2上板部655の下側に入り込み、規制突出部326の幅方向一方側の端部が段部63の第2側板部653(
図11参照)と当接する。これにより、浴室カウンター3の幅方向一方側への移動が規制される。
浴室カウンター3の規制突出部326が移動規制部の段部の第2側板部と当接すると、浴室カウンター3の幅方向一方側の縁部が浴槽のエプロン14の前面とわずかな隙間をあけて離間し、エプロン14の前面と衝突しないように構成されている。
このように浴室カウンター3が配置されると、
図17に示すように、浴室カウンター3の幅方向他方側の縁部近傍は、ステー部材5の第1載置面55の上に配置され、ステー部材5の固定部と幅方向に離間する。ステー部材5の第2載置面56(溝部57)の上方が開口する。
【0052】
本実施形態では、段部63の第2上板部635の幅方向他方側の縁部には、幅方向の一方側に向かって漸次下側に向かう傾斜面665aが形成されているため、幅方向一方側にスライドしてきた規制突出部326が傾斜面に当接して、第2上板部635の下側に案内されるように構成されている。
【0053】
また、本実施形態では、第1溝部25および第2溝部29それぞれの第1側面252,292、および第2側面253,293の上端部近傍にはテーパ面252a,292a,253a,293aが形成されている。これにより、上方から下降してきた浴室カウンター3の第1被係止部33がテーパ面252a,253aに案内されてスムーズに第1溝部25に入り込むことができるとともに、上方から下降してきた浴室カウンター3の第2被係止部34がテーパ面292a,253aに案内されてスムーズに第2溝部29に入り込むことができる。
【0054】
また、本実施形態では、第1溝部25および第2溝部29それぞれの底面251,291、第1側面252,292、および第2側面253,293が、幅方向の中央部が内側に突出し、幅方向の両端部が外側に向かって傾斜している。これにより、浴室カウンター3は、第1溝部25および第2溝部29の内面の幅方向の中央部と当接し、中央部以外とはほとんど当接しない。これにより、浴室カウンター3と第1溝部25および第2溝部29の内面との摩擦を少なくすることができ、第1溝部25および第2溝部29に挿入された浴室カウンター3をスムーズにスライドさせることができる。
【0055】
続いて、浴室カウンター3の幅方向他方側の縁部とステー部材5の固定部51との間にロックスペーサ4を挿入する。ロックスペーサ4をステー部材5の溝部57に配置し、ロックスペーサ4の折り返し部43をステー部材5の切欠き部53に奥行き方向前側から挿入する。
ロックスペーサ4の折り返し部43がステー部材5の切欠き部53に挿入されることにより、ロックスペーサ4がステー部材5に固定された状態となる。また、浴室カウンター3は、規制突出部326が移動規制部6の段部63の第2上板部665の下側に配置されているため、下側からの衝撃などにより上方に移動しようとすると、規制突出部326が第2上板部665と当接して上側への移動が拘束される。
このようして、浴室カウンター3が第1壁面12に固定される。
【0056】
次に、浴室カウンター3をブラケット2から取り外す方法について説明する。
まず、ロックスペーサ4をステー部材5から取り外し、浴室カウンター3を幅方向の他方側に移動可能な状態とする。
浴室カウンター3をステー部材5の固定部51と当接するまで幅方向の一方側に移動させる。これにより、浴室カウンター3の規制突出部326がブラケット2の規制突出部326から外れた状態となる。
浴室カウンター3を上方に移動させて、ブラケット2の第1溝部25から浴室カウンター3の第1被係止部33を外し、ブラケット2の第2溝部29から浴室カウンター3の第2被係止部34を外して、浴室カウンター3をブラケット2から離間させる。
このようにして、浴室カウンター3がブラケット2から取り外される。
【0057】
次に、上述した第1実施形態による浴室カウンターの取付構造1Aの作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した第1実施形態による浴室カウンターの取付構造1Aでは、ブラケット2には、第1浴室カウンター係止部232および第2浴室カウンター係止部262がそれぞれ異なる高さに設けられていることにより、浴室カウンター3を異なる高さの2箇所それぞれにおいて係止することができる。
これにより、浴室カウンター3に作用する鉛直方向下向きの荷重は、異なる高さの第1浴室カウンター係止部232および第2浴室カウンター係止部262それぞれから分散してブラケット2に伝達することになる。このため、浴室カウンター3に作用した鉛直方向下向きの荷重が浴室カウンター3とブラケット2との連結部分に集中することを防止できる。
その結果、浴室カウンター3に作用した鉛直方向下向きの荷重によって、浴室カウンター3がブラケット2に対して変位したり、浴室カウンター3とブラケット2との連結部分が損傷したり、浴室カウンター3がブラケット2から外れたりすることを防止できる。
【0058】
また、浴室カウンター3は、第1壁面12から突出するようにブラケット2に取り付けられていることにより、浴室カウンター3の見栄えを良くすることができる。また、浴室カウンター3を取り外すことで、浴室11を広く使用することができる。また、浴室カウンター3を取り外すことで、浴室カウンター3や第1壁面12を容易に清掃することができる。
【0059】
また、上側部材21および下側部材22は、それぞれ壁面固定部および浴室カウンター係止部と、を有することにより、壁面固定部および浴室カウンター係止部をブラケットの上部側および下部側のそれぞれに近接して設けることができる。このため、壁面固定部と浴室カウンター係止部とが離間している場合と比べて、浴室カウンター3からブラケット2に伝達した鉛直方向下向きの荷重を第1壁面12に効率よく伝達させることができる。
【0060】
(第2実施形態)
次に、他の実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
図18に示すように、第2実施形態による浴室カウンターの取付構造1Bでは、ブラケット2Bに、第1実施形態のような上側に開口する第1溝部25が形成された第1浴室カウンター係止部232に代わって、下側に開口する第1溝部25Bが幅方向全体に形成された第1浴室カウンター係止部232Bが設けられている。
また、浴室カウンター3Bには、第1実施形態による第1被係止部33に代わって、浴室カウンター3Bの奥行き方向の奥側の縁部から上方に突出する第1被係止部33Bが設けられている。
【0061】
第2実施形態では、浴室カウンター3Bの第1被係止部33Bをブラケット2Bの第1溝部25Bに下側からけんどん式に挿し込み、浴室カウンター3Bの第2被係止部34Bを第2溝部29Bに挿入することで浴室カウンター3Bがブラケット2Bに係止されるように構成されている。また、浴室カウンター3Bがブラケット2Bに取り付けられると、ブラケット2Bの少なくとも第1溝部25Bよりも上側の上端部近傍が浴室カウンター3Bの上方に露出している。
【0062】
第2実施形態による浴室カウンターの取付構造1Bでは、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、浴室カウンター3Bが下側からの衝撃などにより上方に移動しようとすると、第1被係止部33Bが第1溝部25Bと当接するため、浴室カウンター3Bが上側へ移動することを抑制することができる。
【0063】
図19に示すように、第3実施形態による浴室カウンターの取付構造1Cでは、ブラケット2Cが上下方向に離間してそれぞれ第1壁面12に固定された上側部材21Cおよび下側部材22Cを有している。
上側部材21Cは、幅方向に延在するレール状の部材で、浴室カウンター3Cの幅方向全体の長さと略同じ長さに形成されている。上側部材21Cには、幅方向全体にわたって下側に開口する第1溝部25Cが幅方向全体にわたって形成されている。
下側部材22Cは、第1実施形態のブラケット2と同様に幅方向に間隔をあけて3つ設けられている。下側部材22には、それぞれ上方に開口し浴室カウンター3Cの第2被係止部34を係止可能な第2溝部29Cが形成されている。
また、第3実施形態による浴室カウンター3Cには、第2実施形態と同様に浴室カウンター3Cの奥行き方向の奥側の縁部から上方に突出する第1被係止部33Cが設けられている。
【0064】
(第3実施形態)
第3実施形態では、第2実施形態と同様に、浴室カウンター3Cの第1被係止部33Cをブラケット2Cの第1溝部25Cに下側からけんどん式に挿し込み、浴室カウンター3Cの第2被係止部34Cを第2溝部29Cに挿入することで浴室カウンター3Cがブラケット2Cに係止されるように構成されている。また、浴室カウンター3Cがブラケット2Cに取り付けられると、上側部材21Cの少なくとも第1溝部25Cよりも上側の上端部近傍が浴室カウンター3Cの上方に露出している。
【0065】
第3実施形態による浴室カウンターの取付構造1Cでは、第2実施形態と同様の効果を奏するとともに、浴室カウンター3Cの上側に露出する上側部材21Cが浴室カウンター3Cの幅方向の長さ全体にわたって延在していることにより、見栄えを良くすることができる。
【0066】
以上、本発明による浴室カウンターの取付構造1A〜1Cの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、ブラケット2は、上側部材21と下側部材22とを有しているが、浴室カウンターを係止可能な浴室カウンター係止が上下方向に複数配置されていれば、上下に分かれていない一体のブラケットであってもよい。
また、上記の実施形態では、ブラケット2は、樹脂製の部材と金属製の部材とが組み合わされているが、ブラケット2を形成する材料は適宜設定されてよい。
また、上記の実施形態では、ブラケット2に移動規制部6が設けられているが設けられていなくてもよい。
【0067】
また、上記の実施形態では、ロックスペーサ4およびステー部材5が設けられて、浴室カウンターと第2壁面13との隙間を埋めるように構成されているが、浴室カウンターと第2壁面13との隙間を埋めない構成としてもよいし、本実施形態のロックスペーサ4およびステー部材5以外の部材で隙間を埋めるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、浴室カウンター3,3B,3Cの奥行き方向の手前側の縁部が、緩いS字形状に形成されているが、これ以外の形状に形成されていてもよい。例えば、浴室カウンター3,3B,3Cの奥行き方向の手前側の縁部が、直線状に形成されていてもよいし、幅方向の中央部が奥行き方向の奥側に凹み、その両側が奥行き方向の手前側に突出する形状に形成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、ブラケットBの第1浴室カウンター係止部232および第2浴室カウンター係止部262が上下方向に重なる位置に配置されているが、異なる高さに設けられていれば幅方向にずれた位置に配置されていてもよい。
また、上記の実施形態では、第1溝部25および第2溝部29の底面および側面に傾斜面が形成されているが、傾斜面が形成されていなくてもよい。また、第1溝部25および第2溝部29の底面および側面の一部のみに傾斜面が形成されていてもよい。