特許第6781036号(P6781036)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6781036
(24)【登録日】2020年10月19日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】パネル体
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/01 20060101AFI20201026BHJP
   E04H 17/16 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
   E06B9/01 B
   E04H17/16 101
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-252471(P2016-252471)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2018-104990(P2018-104990A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090206
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 信道
(72)【発明者】
【氏名】井上 泰平
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 一郎
【審査官】 鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−222954(JP,A)
【文献】 特開2011−074635(JP,A)
【文献】 実開昭56−061648(JP,U)
【文献】 特開平08−199518(JP,A)
【文献】 実開昭61−127298(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/01
E06B 11/00−11/08
E04H 17/00−17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦桟と、横桟と、目板と、目板カバーを備え、縦桟は、端部に溝が設けてあり、横桟は、前後方向及び上下方向の寸法が、溝の前後方向及び上下方向の寸法に各々略等しく、縦桟の溝に呑み込ませてあり、目板は、溝の開口を塞ぎ、縦桟の側壁端部にネジ止めされており、目板カバーは、目板に取り付けてあることを特徴とするパネル体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア、門扉、フェンスなどに使用するパネル体に関する。
【背景技術】
【0002】
門扉等に用いられるパネル体として、左右方向に配置した縦桟を横桟によって連結する際に、横桟を縦桟端部に設けた溝に呑み込ませ、意匠性を高めたものがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来のパネル体は、図6に示すように、縦桟に設けた溝の底部において横桟をネジ止めした後、目板によって溝の開口を塞ぐ構成であったため、縦桟の側壁端部がばたつくという問題があった。
本発明は上記実情に鑑み、縦桟のばたつきを防止したパネル体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、縦桟と、横桟と、目板と、目板カバーを備え、縦桟は、端部に溝が設けてあり、横桟は、前後方向及び上下方向の寸法が、溝の前後方向及び上下方向の寸法に各々略等しく、縦桟の溝に呑み込ませてあり、目板は、溝の開口を塞ぎ、縦桟の側壁端部にネジ止めされており、目板カバーは、目板に取り付けてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、横桟は縦桟の溝に呑み込ませてあり、目板は縦桟の端部にネジ止めされているため、縦桟の側壁端部のばたつきが防止される。また、ネジ止めされる位置が溝の底部ではなく縦桟の側壁端部であるため、作業性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図2のA―A線断面である。
図2】門扉の正面図である。
図3図2のB―B線断面図である。
図4】縦桟を示す図であり、(a)は平面図、(b)は長手方向端部のC―C線断面図である。
図5】パネル体上面の目板を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
図6】従来のパネル体の一部を示す縦断面である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明のパネル体は、ドアやフェンス、間仕切りなど種々の実施形態に用いられるものであるが、ここでは図2に示す門扉に用いた場合を実施形態例として示す。なお、以下において、図2のように門扉を正面視した際の左右を左右方向とし、奥行方向を前後方向とする。
【0008】
この門扉は、両開きの門扉であって、左右に立設した門柱2,2には夫々上下二つのヒンジ3,3が取り付けてあり、左右のパネル体1,1はヒンジ3によって回動可能に門柱2,2に取り付けてある。
【0009】
パネル体1は、戸先框4、吊元框5、縦桟10、横桟20、目板30,50及び目板カバー40、60から構成される。図1乃至図3に示すように、戸先框4と吊元框5との間に、複数の縦桟10が所定の間隔をあけて左右方向に並べて配置され、戸先框4と縦桟10と吊元框5は上下両端部において、横桟20と目板30,50によって連結してある。
【0010】
戸先框4と吊元框5は、図3に示すように断面略矩形の中空材であり、左右方向からのネジ止めによって横桟20と連結される。
戸先框4は、見付面に取手6が取り付けてあり、縦桟10と対向する側面には、前後の見付面を吊元側に延長し、その端部が対向するように折り曲げられた係止部4a,4aが長手方向全長に渡って設けてある。戸先框4の内周面には、吊元側に目板30,50を上下方向からネジ止めするためのタッピングホール4h,4hが前後に二つ設けてある。
吊元框5は、ヒンジ3によって門柱2に取り付けられる。吊元框5も戸先框4と同様に、縦桟10と対向する側面には、前後の見付面を戸先側に延長し、その端部が対向するように折り曲げられた係止部5a,5aが長手方向全長に渡って設けてある。吊元框5の戸先側の内周面と、吊元側の外側面には、目板30,50を上下方向からネジ止めするためのタッピングホール5h,5hが前後に二つずつ設けてある。
戸先框4及び吊元框5に設けた二つの係止部4a,4a,5a,5aの間に夫々形成される横桟取付溝4b,5bには、上方及び下方に横桟20の長手方向端部が挿入され、二つの横桟20,20間の横桟取付溝4b,5bには付子7が嵌め込まれる。
【0011】
縦桟10は、前後の側壁12,12及び左右の側壁13,13からなる断面略矩形の中空材である。図4において、(a)は縦桟10の平面図を示し、(b)は長手方向の一端部の断面図を示す。縦桟10は、長手方向両端部において、左右の側壁13,13に横桟20を呑み込むための溝11が設けてあり、前後の側壁12,12の左右方向中央部に目板30,50を上下方向からネジ止めするためのタッピングホール10h,10hが形成してある。溝11の前後方向及び上下方向の寸法は、横桟20の前後方向及び上下方向の幅と略等しい。
【0012】
横桟20は、図1乃至図3に示すように、左右方向に長い断面略矩形の中空材であり、前後方向の幅は縦桟10よりも短く、前方と後方の見付面をパネル体1の外周側へ延長した立設片23,23を有する。横桟20は、パネル体1において、同一形状のものが二つ上下対称に用いてある。上下の見込面の中央部には、内側面に横桟20を戸先框4又は吊元框5へ左右方向からネジ止めするためのタッピングホール20h,20hが設けてある。
【0013】
目板30,50は、矩形板状の長尺材であり、長手方向の寸法は、パネル体1の左右の寸法に略等しい。目板30,50には、戸先框4、吊元框5及び縦桟10にネジ止めするための取付穴31が前後方向に2箇所ずつ、長手方向に沿って複数設けてある。取付穴31は、戸先框4に設けたタッピングホール4h,4h、縦桟10に設けたタッピングホール10h,10h及び吊元框5に設けたタッピングホール5h,5hの位置に対応している。目板30,50は、図1に示すように、戸先框4と複数の縦桟10と吊元框5に跨って、それらの開口を塞ぐように上面に配置され、上下方向からネジ8によって戸先框4、吊元框5及び縦桟10に取り付けられて、横桟20を縦桟10の溝11内へ固定する。図1及び図5に示すように、パネル体1の上面に取り付ける目板30は、戸先框4、吊元框5及び縦桟10の端部に対向する面は略平坦であるが、その反対面には、目板カバー40を取付けるための二つの係合部32,32が長手方向に亘って立設している。パネル体1の下面に取り付ける目板50は、上面の目板30と略同様の構成であるが、図1下方に示すように、係合部32を備えず、目板カバー60をネジ9で固定するための取付穴が前後方向の中央部に設けてある。
【0014】
目板カバー40,60は、目板30,50を覆うほどの寸法の矩形板状の長尺材であり、目板30,50の上から取り付けることにより、目板30,50を戸先框4、吊元框5及び縦桟10に取り付けるネジを隠すことができる。図1に示すように、パネル体1の上面に取り付ける目板カバー40は、目板30に取り付ける側の面の目板30の係合部32,32に対向する位置に被係合部42,42が設けてある。パネル体1の下面に取り付ける目板カバー60は、被係合部42を備えず、目板50にネジ9で固定するための取付穴が前後方向の中央部に設けてある。
【0015】
パネル体1の上面を構成する目板30及び目板カバー40は、パネル体1の意匠性を高めるため、目板カバー40の上からネジ止めする必要がないよう係合可能に形成されている。パネル体1の下面においても、係合可能に形成された目板30及び目板カバー40を用いても良いが、パネル体1の下面は外観上見え難いため、ネジ止め可能に形成された目板50と目板カバー60を用いてもよい。
【0016】
このパネル体1は、例えば次のように組み付けられる。
まず、縦桟10を左右方向に配置し、横桟20を上下方向から縦桟10の溝11内に呑み込ませ、戸先框4の横桟取付溝4b、吊元框5の横桟取付溝5bへ左右方向から挿入する。そして、横桟20の長手方向両端部を、戸先框4と吊元框5の中空部内に設けた裏板を介してネジ止めする。横桟20の端部が挿入されていない横桟取付溝4b,5bには、付子7を嵌め込む。次に、目板30,50を戸先框4、縦桟10及び吊元框5の見込面に被せ、上下の開口を塞ぐように配置する。目板30,50の取付穴31と、戸先框4、縦桟10及び吊元框5のタッピングホール4h,10h,5hの位置を合わせ、目板30,50の上からネジ8を挿入することにより、目板30,50を固定する。そして、パネル体1の上面には、被係合部42を有する目板カバー40を、目板30を覆うように配置し、目板30に係合させて取り付け、パネル体1の下面には、目板カバー60を、目板50を覆うように配置し、目板カバー60の上からネジ9で固定する。
【0017】
このように構成したパネル体1によれば、縦桟10の端部に設けた溝11に横桟20が呑み込ませてあり、縦桟10の前後の側壁12,12の端部に目板30,50がネジ止めされ、目板30,50は、縦桟10の溝11の開口を塞ぐとともに、横桟20を溝11内へ固定するので、縦桟10の側壁12端部がばたつくのを防止することができる。
目板30,50を縦桟10へネジ止めする位置は、縦桟10の側壁12の端部、言い換えれば、溝11の入口部分であるため、作業性が良い。
パネル体1の上面においては、目板カバー40が目板30を覆うことによりネジ8を隠し、目板カバー40は被係合部42を備えるためネジ止めする必要がなく、意匠性が良い。
【0018】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。一つのパネル体は、横桟を呑み込む溝を設けた縦桟を少なくとも一つ有していればよく、縦桟の配置数は任意である。
【符号の説明】
【0019】
1 パネル体
8 ネジ
10 縦桟
11 溝
12,13 側壁
20 横桟
30,50 目板
40,60 目板カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6