(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリアクリレート(A1)、ワックス(B)、並びに(D)及び(E)の少なくとも1つを含む第一の成分(I)と、ポリアクリレート(A2)を含む第二の成分(II)とを含む組成物であって、
(D)は有機ポリシロキサンであり、
(E)はメラミン樹脂であり、
ポリアクリレート(A1)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(M1)及び(M2)に由来する部位からなるか、又は(M1)、(M2)及び(M3)に由来する部位からなり、
(M1)はCH2=CR3COO−R1であり、
(M2)はCH2=CR3COO−R2であり、
(M3)はCH2=CR3−X−R4であり、
R1は、1〜8個の炭素原子を含む、モノマー(M1)におけるアルコール部位であり;
R2は、9〜40個の炭素原子を含む、モノマー(M2)におけるアルコール部位であり;
R3は独立して、H、CH3、又はC2H5から選択され;
Xは、COO又はCONHであり;
R4はグリシジル又はCH2(CH2)n−OR5であり、ここでnは1〜10の整数であり、そして
R5はH又は1〜6個の炭素原子を含む残基であり;そして
ポリアクリレート(A2)はフッ素含有ポリアクリレートであり、
前記組成物は溶媒として水及び/又は有機溶媒を含み、そして
前記ワックス(B)は、50〜130℃の範囲の融点を有する、組成物。
(A1)は、(A1)の全量(=100重量%)に対して、5〜44重量%のモノマー(M1)と、55〜94重量%のモノマー(M2)と、0.1〜20重量%のモノマー(M3)との重合で得られる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
ポリアクリレート(A2)は、モノマー(M4)と、追加のモノマー(M1)、(M2)、(M3)、(M4)、(V1)及び/又は(V2)の1種以上との重合で得られ、ここで(M1)、(M2)及び(M3)は、請求項1で定義した意味を有し、(V1)は塩化ビニルであり、(V2)は塩化ビニリデンである、請求項10又は11に記載の組成物。
前記組成物は、前記組成物の全量(=100重量%)に対して、5〜90重量%の第一の成分(I)と、90〜5重量%の第二の成分(II)とを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
前記組成物は、前記成分(I)及び(II)の全量(=100重量%)に対して、10〜90重量%の第一の成分(I)と、90〜10重量%の第二の成分(II)とを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
前記基材は、縫い糸、紡績糸、布地、編物地、節のある布地、不織布、フェルト、ホース並びに女性、男性及び子供用アウトウェアからなる群から選択されるか、あるいは前記基材は、テキスタイル、繊維、布地、紙、不織布、革、又はそれらの2種以上の組み合わせである、請求項20又は21に記載の基材。
縫い糸、紡績糸、布地、編物地、節のある布地、不織布、フェルト、ホース並びに女性、男性及び子供用アウトウェアからなる群から選択される任意のテキスタイルの仕上げ時における、又は仕上げとしての、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【発明の概要】
【0010】
発明の目的
産業界においては、テキスタイルのような基材に対して耐久性ある撥水性特性を付与するための新規撥水性組成物を開発する継続的ニーズが存在する。
【0011】
発明の概要
この目的は、少なくとも第一の成分(I)と第二の成分(II)とを含む組成物であって、前記第一の成分(I)は、ポリアクリレート(A1)及びワックス(B)を含み、そして前記第二の成分(II)は、フッ素含有ポリアクリレート(A2)、好ましくはパーフルオロアルキル基を含むアクリレート由来のポリアクリレートを含む組成物を用いて達成される。第一の成分(I)は少なくともポリアクリレート(A1)及びワックス(B)から製造され、ここでポリアクリレート(A1)は、2種の異なる(メタ)アクリレートを重合することによって、好ましくは水及び/又は有機溶媒中で重合することによって製造されるポリアクリレートである。
【0012】
したがって、第一の態様において、本発明は、第一の成分(I)と第二の成分(II)とを少なくとも含む組成物であって、ここで前記第一の成分(I)はポリアクリレート(A1)及びワックス(B)を含み、
前記第二の成分(II)はポリアクリレート(A2)を含み、
ここでポリアクリレート(A1)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(M1)及び(M2)、並びに場合により(M3)に由来する部位を含み、
(M1)はCH
2=CR
3COO−R
1であり、
(M2)はCH
2=CR
3COO−R
2であり、
(M3)はCH
2=CR
3−X−R
4であり、
ここでR
1は、1〜8個の炭素原子を含む、モノマー(M1)におけるアルコール部位であり;
R
2は、9〜40個の炭素原子を含む、モノマー(M2)におけるアルコール部位であり;
R
3は独立して、H、CH
3、又はC
2H
5から選択され;
Xは、COO又はCONHであり;
R
4はグリシジル又はCH
2(CH
2)
n−OR
5であり、ここでnは1〜10の整数であり、そしてR
5はH又は1〜6個の炭素原子を含む残基であり、そして
ポリアクリレート(A2)はフッ素含有ポリアクリレートであり、
前記組成物は水及び/又は有機溶媒に基づく、組成物に関する。
【0013】
一実施形態では、R
1は1〜6個の炭素原子を含み、R
2は12〜40個の炭素原子を含む。
【0014】
一実施形態では、R
1は、分岐又は未分岐又は環状のC
1〜C
6アルキルであり、R
2は、分岐又は未分岐又は環状のC
12〜C
40アルキルである。
【0015】
一実施形態では、R
1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル及びその異性体、n−ヘキシル及びその異性体、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルからなる群の1種以上から選択され;そしてR
2は、n−ドデシル(ラウリル)及びその異性体、n−トリデシル及びその異性体、n−テトラデシル(ミリスチル)及びその異性体、n−ペンタデシル及びその異性体、n−ヘキサデシル(セチル)及びその異性体、n−ヘプタデシル及びその異性体、n−オクタデシル(ステアリル)及びその異性体、n−ノナデシル及びその異性体、n−エイコシル及びその異性体、n−ヘネイコシル及びその異性体、n−ドコシル(ベヘニル)及びその異性体、n−トリコシル及びその異性体、n−テトラコシル及びその異性体、n−ペンタコシル及びその異性体、n−ヘキサコシル(セリル)及びその異性体、n−ヘプタコシル及びその異性体、n−オクタコシル及びその異性体、n−ノナコシル及びその異性体、n−トリアコンチル(ミリシル)及びその異性体からなる群の1種以上から選択される。
【0016】
一実施形態では、ポリアクリレート(A)は、(A1)の全量(=100重量%)に対して、5〜45重量%のモノマー(M1)と、55〜95重量%のモノマー(M2)との重合により得られる。
【0017】
一実施形態では、ポリアクリレート(A)は、(A1)の全量(=100重量%)に対して、5〜44重量%のモノマー(M1)と、55〜94重量%のモノマー(M2)と、0.1〜20重量%の(M3)との重合で得られる。
【0018】
一実施形態では、ワックス(B)は、50〜130℃、又は60〜90℃の範囲の融点を有する。
【0019】
一実施形態では、ワックス(B)はパラフィンワックスである。
【0020】
一実施形態では、第一の成分(I)は、第一の成分(I)の全量(=100重量%)に対して、
10〜90重量%の(A1);
10〜90重量%の(B);
0〜40重量%の(C);
0〜40重量%の(D);
0〜40重量%の(E);
を含み、そして第二の成分(II)は、第二の成分(II)の全量に対して10〜100重量%の(A2)を含む。
【0021】
一実施形態において、第二の成分のポリアクリレート(A2)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(M4)由来の部位を含み、
(M4)はCH
2=CR
6COO−Y−R
Fであり、
ここでR
F−Yは、(メタ)アクリレートモノマー(M4)におけるアルコール部位であり、
ここで、Yは、−(CH
2)
m−であり、ここでmは1〜10の範囲の整数であり;そして
R
Fは、C
xF
2x+1であり、ここでxは1〜12の範囲の整数であり、好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは4〜6の整数であり;
R
6は、H、CH
3、Cl、又はFから選択される。
【0022】
一実施形態において、ポリアクリレート(A2)は、モノマー(M4)CH
2=CR
6COO−Y−R
Fの重合で得られる。
【0023】
一実施形態において、ポリアクリレート(A2)は、モノマー(M4)と、モノマー(M1)、(M2)、(M3)、(M4)、(V1)及び(V2)の1種以上との重合で得られ、ここで(V1)は塩化ビニルであり、(V2)は塩化ビニリデンである。
【0024】
一実施形態において、本組成物は、組成物の全量(=100重量%)に対して、5〜90重量%の第一の成分(I)と、90〜5重量%の第二の成分(II)とを含む。
【0025】
別の実施形態において、本願発明の組成物は、成分(I)及び(II)の全量(=100重量%)に対して、10〜90重量%の第一の成分(I)と、90〜10重量%の第二の成分(II)とを含む。
【0026】
一実施形態において、本組成物の固体含量 (solids content)は、本組成物の全量(=100重量%)に対して、1〜60重量%の範囲である。
【0027】
第二の態様において、本発明は、少なくとも工程(C3):
(C3) 第一の成分(I)を第二の成分(II)と混合すること
を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物の製造方法に関する。
【0028】
一実施形態において、当該方法は、工程(C3)よりも前に、少なくとも工程(C1)及び(C2):
(C1) 少なくともモノマー(M1)及び(M2)、並びにワックス(B)、並びに水及び/又は有機溶媒を含む混合物を均一化する工程;
(C2) 工程(C1)で得られた混合物を重合して、第一の成分を提供する工程
をさらに含む。
【0029】
第三の態様において、本発明は、少なくとも工程(S1):
(S1) 基材を、第一の態様で定義された組成物と接触させるか、又は第二の態様で定義された方法に従って製造された組成物と接触させる工程
を含む、基材の処理方法に関する。
【0030】
一実施形態において、当該基材は、直線形態(例えば縫い糸 (thread)及び紡績糸(yarn))、平面形態(例えば布地 (fabric)、編物地 (knitted fabric)、節のある布地 (knotted fabric)、不織布 (non-woven fabric)、フェルト (felt))、又は立体的形態(例えばホース並びに女性、男性及び子供用アウトウェア(outwear))であり、あるいは前記基材は、テキスタイル (textile)、繊維 (fiber)、布地、紙、不織布、革、又はそれらの2種以上の組み合わせである。
【0031】
第四の態様において、本発明は、第一の態様で定義された、ポリアクリレート(A1)、ワックス(B)及びポリアクリレート(A2)を少なくとも含む、基材に関する。
【0032】
一実施形態において、当該基材は、第三の態様で定義された方法によって処理される、又は処理されている。
【0033】
一実施形態において、当該基材は、直線形態(例えば縫い糸及び紡績糸)、平面形態(例えば布地、編物地、節のある布地、不織布、フェルト)、又は立体的形態(例えばホース並びに女性、男性及び子供用アウトウェア)であり、あるいは前記基材は、テキスタイル、繊維、布地、紙、不織布、革、又はそれらの2種以上の組み合わせである。
【0034】
第四の態様では、本発明は第一の態様で規定される組成物を、直線形態 (linear formation)(例えば縫い糸(thread)及び紡績糸(yarn))、平面形態 (planar formation)(例えば布地(fabric)、編物地(knitted fabric)、節のある布地(knotted fabric)、不織布、フェルト)、又は立体的形態(spatial formation)(例えばホース並びに女性、男性及び子供用アウトウェア(outwear))の、任意のテキスタイルの仕上げ時における、又は仕上げとして使用することに関する。
【0035】
本発明は更に、ワックスの全重量に対して、75〜95重量%のn−パラフィンと、5〜25重量%の、イソパラフィン、シクロパラフィン又は芳香族化合物の1種以上を含む、又はそれらから成るワックス(B)の使用であって、ここで前記n−パラフィンは20〜60個の炭素原子を有し、好ましくは、前記n−パラフィンは300〜600の分子量を有し、直線形態(例えば縫い糸(thread)及び紡績糸(yarn))、平面形態(例えば布地(fabric)、編物地(knitted fabric)、節のある布地(knotted fabric)、不織布、フェルト)、又は立体的形態(spatial formation)(例えばホース並びに女性、男性及び子供用アウトウェア(outwear))の任意のテキスタイルの仕上げ時における、又は仕上げとしての、使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0036】
発明の詳細な説明
以下において、括弧(「」)で括られた用語は本発明の意味で規定される。例えば、「(メタ)アクリレート」はアクリレートとメタクリレートを含む。
【0038】
本発明は、少なくとも二種の異なる成分、すなわち第一の成分(I)と第二の成分(II)とを含む組成物に関する。第一の成分(I)はポリアクリレート(A1)及びワックス(B)に基づき、そして第二の成分(II)はフッ素含有ポリアクリレート(A2)を含む。
【0040】
第一の成分(I)は、少なくともポリアクリレート(A1)及びワックス(B)、並びに場合により、成分(C)〜(E)の少なくとも1つを含む:
(A1)
モノマー(M1)CH
2=CR
3COO−R
1と、
モノマー(M2)CH
2=CR
3COO−R
2と、そして場合により
モノマー(M3)CH
2=CR
3−X−R
4と
の重合で得られるポリアクリレート;
(B)ワックス;
(C)ブロック化イソシアネート;
(D)有機ポリシロキサン;
(E)メラミン樹脂;
ここで、
R
1は、1〜8個の炭素原子を含む残基であり;
R
2は、9〜40個の炭素原子を含む残基であり;
R
3は独立して、H、CH
3、又はC
2H
5から選択され;
Xは、COO又はCONHであり;
R
4はグリシジル又はCH
2(CH
2)
n−OR
5であり、ここでnは1〜10の範囲の整数であり、R
5はH又は1〜6個の炭素原子を含む残基である。
【0042】
ポリアクリレート(A1)は、モノマー(M1)とモノマー(M2)との重合反応で得られる反応産物である。場合により、追加的にモノマー(M3)を、モノマー(M1)及び(M2)に反応させても良い。
【0043】
用語「ポリアクリレート(A1)は、モノマー(M1)とモノマー(M2)と、場合によりモノマー(M3)との重合反応で得られる反応産物である」は、ポリアクリレート(A1)が、モノマー(M1)及びモノマー(M2)、並びにモノマー(M3)由来の部位を含む、またはそれらから成ることを意味する。
【0044】
モノマー(M1)と(M2)は、互いに異なるアクリル酸エステルである。用語「互いに異なる」は、(M1)と(M2)のモノマーの少なくともエステル部位の構造が異なることを意味する。
【0046】
本発明では、モノマー(M1)はアクリル酸エステルCH
2=CR
3COO−R
1であり、ここでR
1は、1〜8個の炭素原子を含む残基を表す。R
3は独立して、H、CH
3、又はC
2H
5から成る群より選択される。
【0047】
本明細書において定義される任意のモノマー、例えばモノマー(M1)[又はモノマー(M2)又は(M3)又は(M4)]の定義で用いられる用語「残基」は、エステルのアルコール部位もしくはモノマー(M1)(又は他の各々のモノマー)を示す。
【0048】
一実施形態では、R
1は、分岐又は未分岐又は環状のC
1〜C
8アルキル基であり、飽和或いは不飽和いずれでもよい。
【0049】
好ましくは、R
1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル及びその異性体、n−ヘキシル及びその異性体、n−ヘプチル及びその異性体、n−オクチル及びその異性体、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルからなる群から選択される。
【0050】
さらに異なるモノマー群(M1)の混合物を使用することができる。
【0051】
R
1に関して、「異性体」は、位置異性体を包含する。
【0052】
一実施形態ではR
1は残基、即ち1〜6個の炭素原子を有するエステルのアルコール部位を表す。
【0053】
一実施形態では、R
1は、分岐又は未分岐又は環状のC
1〜C
6アルキル基であり、飽和或いは不飽和いずれでもよい。
【0054】
好ましくは、R
1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル及びその異性体、n−ヘキシル及びその異性体、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルからなる群の1種以上から選択される。
【0056】
本発明によれば、モノマー(M2)はアクリル酸エステルCH
2=CR
3COO−R
2であり、ここでR
2は残基、即ち9〜40個の炭素原子を含むエステルのアルコール部位を表す。R
3はH、CH
3、又はC
2H
5からなる群より選択される。
【0057】
一実施形態では、R
2は、分岐又は未分岐又は環状のC
9〜C
40アルキル基であり、飽和或いは不飽和いずれでもよい。
【0058】
好ましくは、R
2は、n−ノニル及びその異性体、n−デシル及びその異性体、n−ウンデシル及びその異性体、n−ドデシル(ラウリル)及びその異性体、n−トリデシル及びその異性体、n−テトラデシル(ミリスチル)及びその異性体、n−ペンタデシル及びその異性体、n−ヘキサデシル(セチル)及びその異性体、n−ヘプタデシル及びその異性体、n−オクタデシル(ステアリル)及びその異性体、n−ノナデシル及びその異性体、n−エイコシル及びその異性体、n−ヘネイコシル及びその異性体、n−ドコシル(ベヘニル)及びその異性体、n−トリコシル及びその異性体、n−テトラコシル及びその異性体、n−ペンタコシル及びその異性体、n−ヘキサコシル(セリル)及びその異性体、n−ヘプタコシル及びその異性体、n−オクタコシル及びその異性体、n−ノナコシル及びその異性体、n−トリアコンチル(ミリシル)及びその異性体からなる群から選択される。
【0059】
異なるモノマー群(M2)の混合物もまた、使用されてもよい。
【0060】
R
2に関して、用語「異性体」は、位置異性体を包含する。
【0061】
一実施形態ではR
2は残基、例えば12〜40個の炭素原子を有するエステルのアルコール部位を表す。
【0062】
一実施形態では、R
2は、分岐又は未分岐又は環状のC
12〜C
40アルキル基であり、飽和或いは不飽和いずれでもよい。
【0063】
好ましくは、R
2は、n−ドデシル(ラウリル)及びその異性体、n−トリデシル及びその異性体、n−テトラデシル(ミリスチル)及びその異性体、n−ペンタデシル及びその異性体、n−ヘキサデシル(セチル)及びその異性体、n−ヘプタデシル及びその異性体、n−オクタデシル(ステアリル)及びその異性体、n−ノナデシル及びその異性体、n−エイコシル及びその異性体、n−ヘネイコシル及びその異性体、n−ドコシル(ベヘニル)及びその異性体、n−トリコシル及びその異性体、n−テトラコシル及びその異性体、n−ペンタコシル及びその異性体、n−ヘキサコシル(セリル)及びその異性体、n−ヘプタコシル及びその異性体、n−オクタコシル及びその異性体、n−ノナコシル及びその異性体、n−トリアコンチル(ミリシル)及びその異性体からなる群の1種以上から選択される。
【0064】
一実施形態では、モノマー(M1)のR
1は分岐又は未分岐又は環状のC
1〜C
6アルキル基であり、R
2は分岐又は未分岐又は環状のC
12〜C
40アルキル基であり、各々飽和或いは不飽和いずれでもよい。
【0065】
好ましくは、R
1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル及びその異性体、n−ヘキシル及びその異性体、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルからなる群の1種以上から選択され;そしてR
2は、n−ドデシル(ラウリル)及びその異性体、n−トリデシル、及びその異性体、n−テトラデシル(ミリスチル)及びその異性体、n−ペンタデシル及びその異性体、n−ヘキサデシル(セチル)及びその異性体、n−ヘプタデシル及びその異性体、n−オクタデシル(ステアリル)及びその異性体、n−ノナデシル及びその異性体、n−エイコシル及びその異性体、n−ヘネイコシル及びその異性体、n−ドコシル(ベヘニル)及びその異性体、n−トリコシル及びその異性体、n−テトラコシル及びその異性体、n−ペンタコシル及びその異性体、n−ヘキサコシル(セリル)及びその異性体、n−ヘプタコシル及びその異性体、n−オクタコシル及びその異性体、n−ノナコシル及びその異性体、n−トリアコンチル(ミリシル)及びその異性体からなる群から選択される。
【0066】
一実施形態では、モノマー(M1)のR
1は分岐又は未分岐又は環状のC
1〜C
5アルキル基であり、モノマー(M2)のR
2は分岐又は未分岐又は環状のC
14〜C
40アルキル基であり、各々飽和或いは不飽和いずれでもよい。
【0067】
好ましくは、R
1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル及びその異性体、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルからなる群の1種以上から選択され;そしてR
2は、n−テトラデシル(ミリスチル)及びその異性体、n−ペンタデシル及びその異性体、n−ヘキサデシル(セチル)及びその異性体、n−ヘプタデシル及びその異性体、n−オクタデシル(ステアリル)及びその異性体、n−ノナデシル及びその異性体、n−エイコシル及びその異性体、n−ヘネイコシル及びその異性体、n−ドコシル(ベヘニル)及びその異性体、n−トリコシル及びその異性体、n−テトラコシル及びその異性体、n−ペンタコシル及びその異性体、n−ヘキサコシル(セリル)及びその異性体、n−ヘプタコシル及びその異性体、n−オクタコシル及びその異性体、n−ノナコシル及びその異性体、n−トリアコンチル(ミリシル)及びその異性体からなる群から選択される。
【0068】
ポリアクリレート(A1)は、好ましくは、(A1)の全量(=100重量%)に対して、5〜45重量%のモノマー(M1)と、55〜95重量%のモノマー(M2)との重合で得られるか、又は、(A1)の全量(=100重量%)に対して、20〜40重量%のモノマー(M1)と、60〜80重量%のモノマー(M2)との重合で得られる。
【0070】
本発明によれば、前記組成物はモノマー(M3)、即ちモノマーCH
2=CR
3−X−R
4の存在下で調製される。
【0071】
一実施形態では、モノマー(M3)はアクリル酸(X=COO及びR
4=グリシジル)のグリシジルエステルである。
【0072】
別の実施形態ではモノマー(M3)は、エステル部位がエーテル基(X=COO及びR
4=CH
2(CH
2)
n−OR
5)を有し、ここでnは1〜10の範囲の整数であり、R
5は水素(H)又は1〜6個の炭素原子を含む残基であり、好ましくは分岐もしくは未分岐もしくは環状のアルキルである。好ましくは、nは1〜4の範囲であり、R
5はH又は1〜4個の炭素原子を含む残基であり、好ましくは分岐又は線状又は環状のアルキルである。
【0073】
好ましい実施形態では、もしR
4=CH
2(CH
2)
n−OR
5である場合、nは1から4の範囲の整数であり、R
5はH、或いはn−ブチル、或いはイソブチルである。
【0074】
一実施形態では、モノマー(M3)は(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルである。
【0075】
別の実施形態では、モノマー(M3)はアクリル酸アミド(X=CONH及びR
4=グリシジル)のグリシジルエステルである。
【0076】
別の実施形態では、モノマー(M3)はアクリル酸アミドのエステルであり、ここでエステル部位がエーテル基(X=CONH及びR
4=CH
2(CH
2)
n−OR
5)を有し、ここでnは1から10の範囲の整数であり、R
5はH、もしくは1〜6個の炭素原子を有する残基であり、好ましくは分岐もしくは未分岐もしくは環状のアルキルである。好ましくは、nは1から4の範囲の整数であり、R
5はH、もしくは1〜4個の炭素原子を有する残基であり、好ましくは分岐もしくは未分岐もしくは環状のアルキルである。
【0077】
さらに異なるモノマーの混合物(M3)を用いることができる。
【0078】
アクリル酸エステルもしくは、アクリル酸アミドの好ましい実施形態においては、R
4=CH
2(CH
2)
n−OR
5)の場合、nは1〜4であり、R
5はH、あるいはn−ブチル、あるいはイソブチルである。
【0079】
グリシジル基を有するモノマー(M3)は、ヒドロキシル基或いはアミノ基のようなグリシジル基と反応する基を有する基材に対して、より高い接着性を付与してもよい。
【0080】
もしもモノマー(M3)が存在する場合、(A1)は好ましくは、(A1)の全量(=100重量%)に対して、5〜44重量%の(M1)と、55〜94重量%の(M2)と、0.1〜20重量%のモノマー(M3)との反応で得られる。
【0082】
本発明によれば、(B)はワックスであり、好ましくは疎水性、例えば撥水性を有するワックスである。
【0083】
本発明によれば、基本的に疎水性を有するものであれば全ての既知のワックス、即ち天然ワックス、化学的に変性されたワックス、合成ワックスを本組成物に用いることができる。ここで用いられる用語「ワックス」は、刊行物「Rompp Chemielexikon」第9版、第6巻、4972頁に示される定義に従う。
【0084】
従って、天然ワックスは野菜ワックス、動物ワックス、鉱物ワックス、石油化学ワックスに基づいてよい。
【0085】
野菜ワックスは例えば、カルナウバワックス、及び例えば蜜ろうなどの動物ワックスである。
【0086】
鉱物ワックスは、例えばセレシンである。
【0087】
ワセリン、パラフィンワックス、微結晶ろうのような石油化学ワックスも用いることができる。
【0088】
化学的に変性されたワックスは、モンタンエステルワックスやサゾール (sasol)ワックスのようなワックスである。
【0089】
合成ワックスは、ポリアルキレン及びポリエチレングリコールに基づくワックス類である。
【0090】
好ましい実施形態においては、前記ワックスは50〜100℃、より好ましくは60〜90℃、更により好ましくは60〜80℃の範囲の融点を有するように選択される。前記融点はASTM D938-05/DIN ISO2207:1983により決定される。
【0091】
50℃より低い溶融域を有するワックスを含む本発明による組成物は、本発明による水性分散液で処理されるテキスタイルに撥水性を付与するためには、不適切なこともある。100℃を超える溶融域を有するワックス類は、撥水性及び布地の耐洗濯性については満足できる結果になるかもしれないが、それらは水性分散液の粘度上昇をもたらし、その結果これらの分散液が工業的により扱いにくくなる可能性がある。したがって、基本的に、100〜130℃の範囲の融点を有するワックスもまた、本発明による組成物として適している。
【0092】
このように、一般的に構成要素(B)に従う前記ワックスの融点の範囲は50〜130℃である。
【0093】
好ましくは、前記ワックスはパラフィンワックスである。
【0094】
前記パラフィンワックスは、20〜60個の炭素原子を有するn−パラフィンを主成分として、及び少量のイソパラフィン、及び/又はシクロパラフィン、及び/又は芳香族化合物を含む混合物である。前記n−パラフィンは好ましくは300〜600の分子量を有する。
【0095】
前記分子量はゲル浸透クロマトグラフィーにより決定される。n−パラフィン、イソパラフィン、シクロパラフィン、及び芳香族化合物の配分は、
13C−NMR分光法を用いて決定されてもよい。
【0096】
一実施形態では、前記ワックスはワックスの全量(=100重量%)に対して75〜95重量%のn−パラフィンワックス、及び5〜25重量%の一種或いはそれ以上のイソパラフィン、シクロパラフィン、或いは芳香族化合物を含む、或いはそれらより成る。
【0097】
例えば融点範囲が68〜74℃のパラフィンワックスが商業的に入手可能である(CAS No. 8002-74-2)。
【0098】
そのような適切なワックスが市販されており、例えばサゾールワックス8775、サゾールワックス7040、サゾールワックス3971、サゾールワックス6805、サゾールワックス2222である。
【0099】
一実施形態では、1個超のワックス(B)を用いてもよい。
【0100】
ブロック化イソシアネート(C)(任意)
【0101】
本発明によれば成分(I)は、場合により、組成物中にブロック化イソシアネート(blocked isocyanate)、或いは部分ブロック化イソシアネート(partially blocked isocyanate)を含むことができる。
【0102】
前記用語「ブロック化イソシアネート」は、イソシアネート基が、加熱によりイソシアネートとブロッキング剤を放出するブロッキング剤と反応している、モノイソシアネート、ジイソシアネート、及びポリイソシアネートを包含する。適切なブロッキング剤としては、アミン、アミド等、活性水素原子或いはアルコールを有する化合物が当技術分野で周知である。前記加熱が、前記イソシアネート基と反応し得る、繊維のような適当な基材のヒドロキシル或いはアミノ基などの官能基を有する化合物の存在下で行われれば、接着性を向上させるかもしれない。
【0103】
従って本発明による組成物に存在するブロック化イソシアネート、とりわけブロック化ポリイソシアネートは、該ブロック化イソシアネートと反応し得るアミンやヒドロキシル基を有する基材に対して、高い接着性が得られるかもしれない。
【0104】
構成要素(C)は組成物中の成分(I)の全量(100重量%)に対して0〜40重量%含まれてもよい。
【0105】
そのような適切なブロック化イソシアネートは、Arkophob DAN, Arkophob SR, 及び Cassurit FF (all Archroma); Phobol XAN (Huntsman) 及び Ruco-Guard WEB (Rudolf)などの商品名で市販されている。
【0107】
本発明によれば成分(I)は、場合により有機ポリシロキサン樹脂(D)を含んでいてもよい。
【0108】
用語「有機ポリシロキサン」は、少なくともケイ素原子の一部分が、後に置換され得るアルキルもしくはアリール基を有する化合物を包含する。このポリシロキサンは環状、線状、或いは分岐していてもよい。
【0109】
基材に撥水性を付与するために、当技術分野で周知の如何なるポリシロキサン樹脂を用いてもよい。これに適した製品は、例えばドイツ特許10,2013,209,170号及び欧州特許2,152,957号に参照される。
【0110】
ポリシロキサン(D)は組成物中の成分(I)の全量(100重量%)に対して、0〜40重量%で存在してもよい。
【0111】
そのようなポリシロキサン処方は、Ceraperm SFC (Archroma), Powersoft FE 55 或いは Wacker Finish WR 210 (共にヴァッカー化学、ドイツ)など、市販されている。
【0113】
本発明によれば、成分(I)は、場合によってメラミン樹脂(E)を含んでもよい。
【0114】
適切なメラミン樹脂は例えば、メラミン部位のアミノ基の水素原子が部分的に或いは完全に、CH
2−Oアルキル或いはCH
2O
2C−アルキル基で置換されている樹脂である。そのような製品は米国特許3,480,579号で知られている。
【0115】
更に適切なメラミン樹脂は、メラミン部位のアミノ基の水素原子が部分的に或いは完全に、飽和或いは不飽和の、線状、分岐、及び/又は環状の炭化水素基で置換されている樹脂である。そのような製品は例えばドイツ特許10,2013,209,170号で知られている。
【0116】
構成要素(E)は組成物中の成分(I)の全量(100重量%)に対して、0〜40重量%存在してもよい。
【0117】
そのような適切なメラミン樹脂を含有する処方は、Cerol EX (Archroma) 或いは Freepel 1225 (Emerald Performance Materials)、或いは Phobotex JVA (Huntsman)などの名で市販されている。そのようなメラミン樹脂は成分(B)のようなパラフィンワックスを含んでいてもよい。
【0118】
構成要素(A)〜(E)は、当該技術分野において周知であるか、又は、既知の方法に従って調製されてもよい。
【0119】
ポリアクリレート(A)は、本発明の第二の態様で規定された方法に従って調製されても良い。
【0120】
成分(I)の構成要素は通常、前記成分(I)を形成するために、水中及び/又は有機溶媒中で提供される。
【0121】
用語「構成要素(ingredient)」は、成分(I)又は(II)中に含まれる化合物又は物質を意味する。
【0123】
第二の成分は、フッ素含有ポリアクリレート(A2)を含み、特に、パーフルオロアルキル基を含むポリアクリレートを含む。
【0125】
一実施形態において、ポリアクリレート(A2)は、
(M4)CH
2=CR
6COO−Y−R
F由来の重合で得られ、
ここでR
F−Yは、(メタ)アクリレートモノマー(M4)におけるアルコール部位であり、
ここで、Yは、−(CH
2)
m−であり、ここでmは1〜10の範囲の整数であり;そして
R
Fは、C
xF
2x+1であり、ここでxは1〜12の範囲の整数であり、好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは4〜6の整数であり;
R
6は、H、CH
3、Cl、又はFから選択される。
【0126】
一実施形態において、C
xF
2x+1は分岐している。
【0127】
別の実施形態において、C
xF
2x+1は未分岐である。
【0128】
好ましい実施形態において、R
FはC
xF
2x+1であり、xは4、5又は6である。
【0129】
さらに好ましい実施形態において、R
FはC
xF
2x+1であり、xは6である。
【0130】
用語「ポリアクリレート(A2)はモノマー(4)の重合で得られる」は、ポリアクリレート(A2)がモノマー(M4)由来の部位を含む、またはそれから成ることを意味する。
【0131】
別の実施形態において、ポリアクリレート(A2)は、モノマー(M4)と、モノマー(M1)、(M2)、(M3)、(V1)及び(V2)の少なくとも1種との重合で得られ、ここで(M1)、(M2)及び(M3)は、成分(I)に関して定義した意味を有し、(V1)は塩化ビニルであり、(V2)は塩化ビニリデンである。
【0132】
用語「ポリアクリレート(A2)は、モノマー(M4)と、モノマー(M1)、(M2)、(M3)、(V1)及び(V2)の少なくとも1種との重合で得られる」は、ポリアクリレート(A2)が、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(M4)由来の部位と、追加で、モノマー(M1)、(M2)、(M3)、(V1)及び/又は(V2)の1種以上由来の部位を含む、またはそれらから成ることを意味する。
【0133】
一実施形態において、ポリアクリレート(A2)は、モノマー(M4)と、(M1)、(M2)又は(M3)の少なくとも1種と、(V1)又は(V2)とのコポリマーである。
【0134】
別の実施形態において、ポリアクリレートは、モノマー(M4)と、(M1)、(M2)又は(M3)の少なくとも1種とのコポリマーである。
【0135】
一実施形態において、ポリアクリレート(A2)は、2-パーフルオロヘキシルエチルメタクリレート C
6F
13C
2H
4OCOC(CH
3)=CH
2 と、少なくともステアリルアクリレート又はステアリルメタクリレートと、塩化ビニル又は塩化ビニリデンとのコポリマーである。
【0136】
別の実施形態において、ポリアクリレート(A2)は、2-パーフルオロヘキシルエチルメタクリレートと、少なくともステアリルアクリレート又はステアリルメタクリレートとのコポリマーである。
【0137】
ポリアクリレート(A2)は、例えば国際公開第2008/022985号 (欧州特許第2 057 201号)から既知であり、あるいは、既知の方法に従って調製されてもよい。通常、前記ポリアクリレート(A2)は、既知の方法に従って、乳化重合で製造される。
【0138】
一実施形態において、ポリアクリレート(A2)の他に、成分(II)は、ブロック化イソシアネート、及び/又は有機ポリシロキサン、及び/又はメラミン樹脂をさらなる構成要素として追加で含んでも良く、それは成分(I)において場合により使用されるものと同一であっても良いし、異なっても良い。
【0139】
成分(II)の構成要素は通常、前記成分(II)を形成するために、水中及び/又は有機溶媒中で提供される。
【0141】
一実施形態では、本発明の組成物は水及び/もしくは有機溶媒に基づいている。
【0142】
前記用語「水及び/もしくは有機溶媒に基づいている (based on water and/ or an organic solvent)」は、水及び/もしくは有機溶媒中の組成物に含まれる、固体及び/もしくは液体化合物の溶液、乳濁液、分散液を包含する。用語「溶液」、「乳濁液」、及び「分散液」は互換的に使用される。
【0143】
前記用語「水」は蒸留水同様、水道水も包含する。
【0144】
前記用語「有機溶媒」は、好ましくは水と相溶する、或いは部分的に水に溶ける溶媒を包含する。水と相溶する好ましい溶媒は、C
1-2アルコール類、エチレングリコール及びプロピレングリコールのようなグリコール類、ジプロピレングリコール、或いはポリプロピレングリコール類、N−メチルホルムアミド及びN,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類である。
【0145】
部分的に水溶性の溶媒もまた、適している。好ましい有機溶媒は、ジプロピレングリコール、ジメチルエーテル、酢酸メトキシプロピル、酢酸メトキシブチル(ブトキシル)、及び酢酸メトキシメチルブチルである。
【0146】
好ましくは、本発明の組成物は主に水に基づいている。用語「主に」は水と有機溶媒の全量(100重量%)に対して、有機溶媒の量が50重量%未満であることを意味する。好ましい実施形態では、有機溶媒の量は40重量%未満、より好ましくは30重量%未満、更に好ましくは20重量%未満、更により好ましくは10重量%未満である。一実施形態では、前記組成物は有機溶媒を含まない。
【0147】
本発明による組成物は、組成物の全量(100重量%)に対して、0.1〜90重量%の水及び/もしくは有機溶媒を各々含んでいてもよい。
【0148】
一実施形態では、本発明による水及び/もしくは有機溶媒中の組成物の固体含量 (solids content)は組成物全量(100重量%)に対して1〜60重量%、又は10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%、更に好ましくは25〜35重量%の範囲である。
【0149】
更に、本発明の一実施形態では、前記組成物は基材に対し撥水性をも付与するために度々用いられる以下の化合物:N−メチロールアクリルアミドなどのN−メチロール化合物、或いはN−メチロール基を有するメラミン樹脂、特に塩化ビニル或いは二塩化ビニリデンなどのモノマーから派生する塩素含有製品の1種以上を含んでも良い。
【0150】
一実施形態において、本発明の組成物は、当該組成物の全量(=100重量%)に対して、5〜90重量%の第一の成分(I)と、90〜5重量%の第二の成分(II)とを含む。
【0151】
別の実施形態において、本発明の組成物は、成分(I)及び(II)の全量(=100重量%)に対して、10〜90重量%の第一の成分(I)と、90〜10重量%の第二の成分(II)とを含む。
【0153】
本発明の組成物は、本技術分野で既知の混合方法に従って、第一の成分(I)と第二の成分(II)を混合することによって調製されてもよい。例えば成分(I)を成分(II)に添加し、または成分(II)を成分(I)に添加し、それらを撹拌して、好ましくは均一の混合物が得られる。
【0154】
したがって、本発明の組成物は、少なくとも工程(C3):
(C3) 第一の成分(I)を第二の成分(II)と混合すること
を含む方法によって調製され得る。
【0155】
一実施形態において、当該方法は、工程(C3)よりも前に、少なくとも工程(C1)〜(C2):
(C1) 少なくともモノマー(M1)及び(M2)、並びに場合によりワックス(B)、並びに水及び/又は有機溶媒を含む混合物を均一化する工程;
(C2) 工程(C1)で得られた混合物を重合して、第一の成分を提供する工程
を含む。
【0156】
一実施形態において、工程(C2)は、モノマー(M1)及び(M2)を、並びに場合により(M3)を水及び/又は有機溶媒中で重合し、そして成分(B)を追加混合することを含む。
【0157】
必要に応じて、テキスタイル処理組成物として既知の1種以上の(C)〜(E)を、好ましくは重合停止後に添加してもよい。
【0158】
好ましい実施形態においては、成分(I)は、モノマー(M1)、(M2)、及び場合により(M3)を水及び/もしくは有機溶媒中で、ワックス(B)の存在下にて重合し調製され、好ましくは水中、乳化重合にて重合し調製される。必要に応じ、テキスタイル処理組成物として既知の1種以上の(C)〜(E)を、好ましくは重合が終了した後に添加してもよい。
【0159】
好ましい実施形態においては、重合に先立ち、(M1)及び(M2)、及び場合により(M3)及びワックス(B)の水及び/もしくは有機溶媒中の混合物は、均質化される。その方法は以下に説明する通りである。
【0160】
ワックス(B)及びモノマー(M1)及び(M2)、及び場合により(M3)を、分散剤[成分(F)のような]の存在下で溶解する。得られた混合物を熱水、例えば85℃の熱水中で、例えばTurrax分散機を用いて、撹拌により分散させる。続いて、例えば400バール、80〜85℃の温度で高圧均質化する。このためには、得られた加熱混合物をホモジナイザーのノズルもしくはオリフィスを通してもよい。これに適する装置は当該分野で公知である。均質化に続いて前記分散液を冷却してもよく、重合触媒を好ましくは水中で分散或いは溶解して添加する。更に前記分散液を80℃といった高温で重合してもよい。例えば50〜80℃で数時間の反応時間の後、重合を停止する。
【0161】
好適な分散剤(F)としては、エトキシル化アルコール、エトキシル化カルボン酸のようなエトキシル化物の非イオン系界面活性剤などの公知の市販品から選択することができる。市販の陽イオン活性剤製品は四級アンモニウム塩、或いはそれら陽イオン活性剤製品とモノプロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの非イオン製品との混合物であってもよい。更に適した分散剤は、例えばベタイン及び/もしくはアミンN−オキシド官能基のような両性構造の化合物である。
【0162】
ポリアルキレート(A1)は好ましくは、ポリアルキレート(A1)の全量(100重量%)に対して0.1〜3重量%、好ましくは0.5〜3重量%、の分散剤或いは分散剤混合物を含む。
【0163】
通常、前記共重合は、重合触媒を用いたフリーラジカル重合で行われる。ラジカル重合の触媒としては、フリーラジカル開始剤として提供される、一般に公知の市販品が用いられる。本発明においては触媒として、とりわけ、アゾ化合物が用いられる。好適な触媒は、例えば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩である。
【0164】
好ましくは、均質化は、圧力100〜1,000バール、及び温度50〜100℃の範囲で、好ましくは前記混合物をノズルもしくはオリフィスを通過させて行われる。
【0165】
好ましくは、均質化は、圧力200〜600バール、及び温度60〜90℃の範囲で行われる。
【0166】
好適なホモジナイザーは当該分野で公知である。
【0167】
一実施形態において、成分及び成分(II)は、水及び/又は有機溶媒に基づく。
【0168】
本発明にしたがって、本組成物は、水及び/又は有機溶媒に基づく。
【0169】
用語「水及び/又は有機溶媒に基づく」は、水及び/又は有機溶媒中の組成物に含まれる、固体及び/又は液体化合物の溶液、エマルジョン及び分散液を含む。用語「溶液」、「エマルジョン」及び「分散液」は、相互交換可能に使用される。
【0170】
用語「水」は、蒸留水及び水道水を含む。
【0171】
用語「有機溶媒」は、好ましくは、水混和性又は部分的に水溶性である溶媒を含む。好ましい水混和性有機溶媒は、C
1-2アルコール、グリコール類、例えばエチレングリコール及びプロピレングリコール、ジプロピレングリコール又はポリエチレングリコール、アミド、例えばN−メチルホルムアミド及びN,N-ジメチルホルムアミドである。
【0172】
部分的に水溶性の溶媒も好適である。好ましい有機溶媒は、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、メトキシプロピルアセテート、メトキシブチルアセテート (ブトキシル)、及びメトキシメチルブチルアセテートである。
【0173】
好ましくは、成分(I)及び/又は成分(II)、したがって本発明の組成物は主に水に基づく。用語「主に (mainly)」は、有機溶媒の量が、水及び有機溶媒の全量(=100重量%)に対して、50重量%未満であることを意味する。好ましい実施例において、有機溶媒の量は、40重量%未満であり;より好ましくは30重量%未満であり、さらにより好ましくは20重量%未満であり、さらにより好ましくは10重量%未満である。一実施形態において、本組成物は有機溶媒を含まない。一実施形態において、成分(I)及び/又は成分(II)は、水及び/又は有機溶媒の分散液として提供される。
【0174】
一実施形態において、成分(I)及び(II)の混合の前に、成分(I)は、成分(I)の全重量(=100重量%)に対して、
5〜90重量%の(A1);
5〜90重量%の(B);
0〜40重量%の(C);
0〜40重量%の(D);
0〜40重量%の(E);
0.1〜90重量%の水及び/又は有機溶媒
を含む。
【0175】
一実施形態において、成分(II)は、成分(II)の全重量(=100重量%)に対して、10〜90重量%の(A2);
10〜90重量%の水及び/又は有機溶媒
を含む。
【0176】
本発明の組成物は、本組成物の全重量(=100重量%)に対して、0.1〜90重量%の水及び/又は有機溶媒を含んでもよい。
【0177】
一実施形態において、本発明の組成物は、本組成物の全重量(=100重量%)に対して、5〜90重量%の第一の成分(I)と、90〜5重量%の第二の成分(II)とを含み、又は、10〜80重量%の第一の成分(I)と、80〜10重量%の第二の成分(II)とを含み、又は、70〜15重量%の第一の成分(I)と、15〜70重量%の第二の成分(II)とを含む。
【0178】
別の実施形態において、本発明の組成物は、成分(I)及び(II)の全量(=100重量%)に対して、10〜90重量%の第一の成分(I)と、90〜10重量%の第二の成分(II)とを含み、又は、15〜85重量%の第一の成分(I)と、85〜15重量%の第二の成分(II)とを含み、又は、20〜80重量%の第一の成分(I)と、80〜20重量%の第二の成分(II)とを含む。
【0179】
第三の態様:本発明による組成物の使用
【0180】
本発明による組成物は、特に撥水性、撥油性、及び/または撥土性を基材に付与するのに有用である。
【0181】
用語「撥水性」は、AATCC Test Method 11-2010に規定されるような、繊維、紡績糸、布地が濡れに対して抵抗する特性を規定する。
【0182】
用語「撥油性」は、AATCC Test Method 118-2002に規定されるような、繊維、紡績糸、布地が炭化水素に対して抵抗する特性を規定する。
【0183】
用語「撥土性 (soil-repellency)」は、AATCC Test Method 130に規定されるような、繊維、紡績糸、布地が土壌に対して抵抗するか、又は油を放出する特性を規定する。
【0184】
従って本発明は、少なくとも工程(S1)を含む、基材を処理する方法に関する:
(S1)第一の態様で規定される組成物もしくは第二の態様で規定される方法で製造される組成物と基材を接触させる
【0185】
用語「基材を処理する」は、「基材を仕上げる」、「基材に親油性を付与する」、「基材を撥水性にする」、「基材を泥抵抗性にする」、或いは「基材を塗工する」などの用語を包含する。
【0186】
前記基材の接触は、例えば基材を本発明の組成物に浸す(dunking)又はつける(dipping)、或いは本発明の組成物を基材の上に吹き付ける、或いははけ塗り、スポンジで塗る、或いは押しつけ塗工(forced application)、或いは抽出法などの一般に良く行われている方法であってもよい。接触に続いて基材を乾燥し、必要な場合には140〜190℃の温度範囲で養生する。より低い温度或いは雰囲気温度、例えば100℃未満の温度、或いは50℃という低い温度ですら優れた特性が得られる。
【0187】
好ましくは、前記基材は、テキスタイル、繊維、布地、紙、不織布、革、或いはそれらの2種以上の組合せである。
【0188】
前記テキスタイルは好ましくは、綿、ポリエステル、或いは綿/ポリエステル混合、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリ塩化ビニル、ポリアクリルニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ四フッ化エチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エラステイン、炭素繊維、ケイ酸塩繊維、ガラス繊維、玄武岩繊維、金属繊維、或いはこれらの2種以上の混合物でできている。テキスタイルは通常織布、編み物或いは不織布である。
【0189】
従って一般に本発明による前記組成物は、テキスタイル布地のような基材の仕上げ時において、又は仕上げとして用いられてもよい。好ましくは、前記基材は直線形態、平面形態、又は立体形態で提供される。
【0190】
用語「仕上げる (finish)」或いは「仕上げ (finishing)」は、これらの手段により撥水性が基材に付与された組成物を包含する。前記仕上げは基材の洗浄前、もしくは洗浄後に基材に適用されてもよい。
【0191】
一実施形態では、本発明による組成物は、如何なるテキスタイル(=基材)の仕上げとして、或いは仕上げ時に用いてもよい。前記テキスタイルは、縫い糸や紡績糸など直線形態、布地、編物地、節のある布地、不織布、フェルトなどの平面形態、又はホース並びに女性、男性及び子供用アウトウェアなどの立体形態のいずれでもよい。
【0192】
一実施形態では本発明は、ワックスの全重量に対して、75〜95重量%の量のn−パラフィンと、5〜25重量%の量のイソパラフィン及び/またはシクロパラフィン及び/または芳香族化合物とを含む、又はそれらから成るワックスの、テキスタイル布地の仕上げとして、或いは仕上げ時に用いられる使用に関し、ここでn−パラフィンは20〜60個の炭素原子を有し、好ましくはn−パラフィンは300〜600の分子量を有する。好ましくは、前記基材は直線形態、平面形態、または立体形態で提供される。
【0193】
用語「直性形態」、「平面形態」、及び「立体的形態」はテキスタイル業界で公知である。
【0194】
本発明による組成物を、洗濯すべきアウトウェアの仕上げ剤として使用してもよい。
【0195】
第四の態様では、本発明は第一の態様で規定されたポリアクリレート(A1)、ワックス(B)、及びポリアクリレート(A2)を少なくとも含む基材に関する。
【0196】
一実施形態では、前記基材は第三の態様で規定された方法で処理される、或いは処理済みである。
【実施例】
【0197】
実施例#1〜#6:成分(I)の調製
【0198】
メタクリル酸t−ブチル5g、及びアクリル酸ステアリル15gを、4.8gのGenapol ID 100(エトキシ化脂肪族アルコール(クラリアント社))、及び塩化セチルトリメチルアンモニウム0.4g、及びジプロピレングリコール10g、及び約80℃の水120gの熱い混合物に添加し、撹拌により分散した。別の容器において、40gのパラフィンワックス(融点範囲68〜74℃)を溶解した。上述のモノマーの分散液を、溶解したパラフィンワックスに添加した。2分間の更なる分散の後、前記混合物をManton-Gaulin装置(400バール85℃において)により、安定なエマルジョンが得られるまで、結果として2回均質化した。温度は75〜80℃に保たれ、1.8gの水に希釈された2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩開始剤(和光V−50)0.2gを添加し、前記混合物を、ジャケット付き還流凝縮器で窒素雰囲気下75℃にて6時間処理した。これにより約33重量%の固体含量の生成物約200gが得られた(120℃、2時間の乾燥後に測定)
【0199】
実施例#1記載の工程と同様に、他のモノマーの組合せ及び異なるパラフィンワックスの種類を用い、安定な分散液を作成した。詳細を表1に示す。
【0200】
【表1】
【0201】
実施例#7及び#8:成分(II)の調製
【0202】
実施例#7:
欧州特許2057201号の実施例1に従う、パーフルオロアルキル基を含むポリ(メタ)アクリレート 分散液の調製
【0203】
以下の化合物を、不活性気体雰囲気下、スターラーと還流凝縮器と内部温度計とを備えるオートクレーブ中で激しく撹拌することにより分散液を調製した:
60.0 g 2-パーフルオロヘキシルエチル メタクリレート C
6F
13C
2H
4O
2CC(CH
3)=CH
2
22.5 g ステアリルアクリレート
15.5 g 塩化ビニリデン
1.0 g N−メトキシメチルアクリルアミド
1.0 g ヒドロキシエチルメタクリレート
30.0 g ジプロピレングリコール
0.5 g ドデカンチオール
4.0 g ラウリルアルコール/16 エチレンオキシド付加物
3.5 g N,N-ジメチルドデシルアンモニウムアセテート
200.0 g 水
【0204】
エマルジョン60℃まで加熱し、そして0.6gの開始剤である2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩を添加した。6時間60℃で重合を行った。反応後、未反応の塩化ビニルを蒸発留去した。生じた分散液は固体含量が約33%であった。
【0205】
実施例#8:パーフルオロアルキル基を含むポリ(メタ)アクリレート分散液の調製
【0206】
以下の化合物を、不活性気体雰囲気下、スターラーと還流凝縮器と内部温度計とを備えるオートクレーブ中で激しく撹拌することにより分散液を調製した:
60.0 g 2-パーフルオロヘキシルエチル メタクリレート C
6F
13C
2H
4OCOC(CH
3)=CH
2
22.5 g ステアリルアクリレート
1.0 g ヒドロキシエチルメタクリレート
30.0 g ジプロピレングリコール
0.5 g ドデカンチオール
4.0 g ラウリルアルコール/16 エチレンオキシド付加物
3.5 g N,N-ジメチルドデシルアンモニウムアセテート
200.0 g 水
【0207】
エマルジョン60℃まで加熱し、そして0.6gの開始剤である2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩を添加した。6時間60℃で重合を行った。反応後、生じた分散液は固体含量が約30%であった。
【0208】
表2は、実施例#7及び#8によって示される組成物M19及びM20との対比で、本発明の組成物M1〜M18を特定する。組成物M1〜M18は、実施例#1〜#7に従って調製された成分(I)と、成分(II)とを実施例#7及び#8に従って混合することにより調製される。
【0209】
【表2】
【0210】
応用例
【0211】
以下の実施例は、組成物M1〜M20と同様にして調製された分散液によるテキスタイル布地の処理について記載する。
【0212】
100%ポリエステル布地(100g/m
2)の織布及び100%綿布地(200g/m
2)の織布を処理した。
【0213】
前記綿布地を、1g/lの酢酸、20g/lのセルロース架橋剤、及び70g/lの分散液M1〜M20を含む液体と共に、パッダ(pad-mangle)中で処理した。前記液体の典型的な重量増加は80%であった。
【0214】
ポリエステル布地を、1g/lの酢酸、1g/lの湿潤剤、及び40g/lの組成物M1〜M20を含む液体を用いてパッドした。パッド後の典型的な重量増加は60%であった。パッド後、前記布地を160℃で3分間乾燥した。
【0215】
仕上げのなされた布地を、AATCC 22-2010, ISO 4920 (EN 24920)に従って水吹き付け試験 (water spray test)を、及びAATTC試験法 118-2002に従って撥油性試験を、AATTC試験法193-2005に従って水滴試験 (water droplet test)を、オリジナル(初期品)で、及び40℃で20回の洗濯サイクル(DIN ISO 6330)後に実施した。洗濯サイクル後、前記布地を吹き付け試験に先立ちタンブル乾燥した。典型的なタンブル乾燥温度は60〜65℃で30分間であった。
【0216】
ポリエステルに関する結果を表3に示し、綿に関する結果を表4に示す。
【表3】
【表4】
【0217】
これらの実施例から、ポリエステルに関し、低付加量にもかかわらず洗濯後でも良好な撥水性、撥油性及び撥アルコール性効果が得られることが(水滴試験から)分かった。綿に関しては大変良好な初期効果が達成された。
【0218】
適用浴へ架橋剤(例えばCassurit FF)を更に添加すると、ポリエステルに対する撥水性、撥油性及び撥アルコール性効果の耐久性、特に綿布地に対する撥水性、撥油性及び撥アルコール性効果の耐久性を更に改善することができる。綿に対する結果を表5に示し、ポリエステルに関する結果を表6に示す。
【0219】
【表5】
【表6】
【0220】
同様の撥水性、撥油性及び撥アルコール性効果の耐久性の改善は、20g/lのメラミン樹脂処方(例えばCerol EX 或いは、Freepel 1225)を適用浴に添加することでも達成された。
【0221】
M1〜M18の処方で処理された布地が既に手に対する良好な感触をもたらしているという事実にもかかわらず、時として手に対する特別な追加の柔軟な感触を処理布地に付与することが望ましいことがある。これはCeraperm SFCのような有機ポリシロキサンに基づく柔軟剤処方を更に適用浴に添加することにより達成することができる。ポリエステルに関する結果を表7に示す。
【0222】
【表7】
【0223】
極めて柔軟で心地よい手に対する感触性の他に、大変良好で耐久性ある撥水性が達成される。