特許第6781104号(P6781104)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6781104予測装置、予測方法、及び予測プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6781104
(24)【登録日】2020年10月19日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】予測装置、予測方法、及び予測プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20201026BHJP
【FI】
   G06Q10/08 300
【請求項の数】13
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-99846(P2017-99846)
(22)【出願日】2017年5月19日
(65)【公開番号】特開2018-195174(P2018-195174A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2017年10月18日
【審判番号】不服2019-10437(P2019-10437/J1)
【審判請求日】2019年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敏之
【合議体】
【審判長】 渡邊 聡
【審判官】 佐藤 聡史
【審判官】 松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−322707(JP,A)
【文献】 特開2010−039961(JP,A)
【文献】 特開2012−190411(JP,A)
【文献】 特開2013−114392(JP,A)
【文献】 特開平11−208827(JP,A)
【文献】 特開2011−150700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品配送プロセスで構成される商品配送処理に関する業者の実績の情報であって少なくとも商品の受注から発送までの複数の商品配送プロセスそれぞれの処理時間の情報が含まれる実績情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得した実績情報に基づいて、ユーザが複数の商品の中から指定した指定商品を該ユーザが注文したと仮定した場合に該注文を受けた業者が前記指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間を予測する予測部と、を備え、
前記取得部は、前記業者が使用する配送会社の実績の情報を取得し、
前記予測部は、前記取得部で取得した実績情報に基づいて前記ユーザが前記指定商品を注文したと仮定した場合に該注文を受けた業者が前記指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間を予測するとともに、前記業者が使用する配送会社の実績の情報に基づいて前記指定商品の発送から前記指定商品の到達までにかかる期間を予測し、これらの予測の結果に基づいて、前記業者が前記指定商品を現時点で受注したと仮定した場合に前記指定商品が到達すると想定されるタイミングである到達タイミングを予測
前記予測部は、前記指定商品が在庫のある商品か否かに基づいて、前記注文を受けた業者が該指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間の予測方法を変更する、
ことを特徴とする予測装置。
【請求項2】
前記予測部は、前記指定商品が在庫のある商品か否かに基づき前記複数の商品配送プロセスの中から選択された商品配送プロセスの処理時間の情報に基づいて、前記注文を受けた業者が該指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間を予測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記ユーザから前記指定商品の希望配達エリアの情報を取得し、
前記予測部は、希望配達エリアの情報に基づいて前記指定商品の発送から前記指定商品の到達までにかかる期間を予測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記ユーザから前記指定商品の希望到達タイミングの情報を取得し、
前記予測部は、前記取得部で取得した実績情報に基づいて前記ユーザが前記指定商品を注文したと仮定した場合に該注文を受けた業者が前記指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間を予測するとともに、前記指定商品の発送から前記指定商品の到達までにかかる期間を予測し、これらの予測の結果に基づいて、前記希望到達タイミングに前記指定商品が到達可能か否かを判別する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の予測装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記ユーザから前記指定商品の希望到達タイミングが複数含まれた情報を取得し、
前記予測部は、前記取得部で取得した実績情報に基づいて前記ユーザが前記指定商品を注文したと仮定した場合に該注文を受けた業者が前記指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間を予測するとともに、前記指定商品の発送から前記指定商品の到達までにかかる期間を予測し、これらの予測の結果に基づいて前記希望到達タイミングを満たす複数のタイミングを予測し、予測した該複数のタイミングのうち最も早いタイミングを前記指定商品の到達タイミングとして予測する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の予測装置。
【請求項6】
前記予測部の予測結果を出力する出力制御部、をさらに備え、
前記取得部は、前記指定商品を取り扱う複数の業者の前記実績情報を取得し、
前記予測部は、前記複数の業者の前記実績情報に基づいて、前記ユーザが前記指定商品を注文したと仮定した場合に該注文を受けた前記複数の業者それぞれの前記指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間を予測し、該予測の結果に基づいて、前記業者が前記指定商品を現時点で受注したと仮定した場合に前記指定商品を発送すると想定される発送タイミングであって前記複数の業者それぞれの前記指定商品の前記発送タイミングを予測し、
前記出力制御部は、前記複数の業者の情報を、前記複数の業者それぞれの前記指定商品の前記発送タイミングとともに並べて出力する、
ことを特徴とする請求項2に記載の予測装置。
【請求項7】
前記出力制御部は、前記複数の業者の情報を前記発送タイミングが早い順或いは遅い順に並べて出力する、
ことを特徴とする請求項6に記載の予測装置。
【請求項8】
前記予測部の予測結果を出力する出力制御部、をさらに備え、
前記取得部は、前記指定商品を取り扱う複数の業者の前記実績情報を取得し、
前記予測部は、前記複数の業者の前記実績情報に基づいて前記複数の業者それぞれの前記指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間を予測するとともに、前記指定商品の発送から前記指定商品の到達までにかかる期間を予測し、これらの予測の結果に基づいて、前記複数の業者それぞれの前記指定商品の前記到達タイミングを予測し、
前記出力制御部は、前記複数の業者の情報を、前記複数の業者それぞれの前記指定商品の前記到達タイミングとともに並べて出力する、
ことを特徴とする請求項1又は3に記載の予測装置。
【請求項9】
前記出力制御部は、前記複数の業者の情報を前記到達タイミングが早い順或いは遅い順に並べて出力する、
ことを特徴とする請求項8に記載の予測装置。
【請求項10】
前記実績情報には、業者の商品配送に関する処理能力の情報が含まれ、
前記取得部は、前記実績情報に加えて、前記業者の現在の受注件数の情報を取得し、
前記予測部は、前記実績情報に含まれる前記処理能力の情報と前記受注件数の情報とに基づいて、前記業者が前記指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間を予測する、
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の予測装置。
【請求項11】
前記予測部は、前記指定商品が未だ発売されていない商品であった場合には、前記実績情報と前記指定商品が発売されるまでの期間の情報とに基づいて、前記業者が前記指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間を予測する、
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の予測装置。
【請求項12】
予測装置が実行する予測方法であって、
複数の商品配送プロセスで構成される商品配送処理に関する業者の実績の情報であって少なくとも商品の受注から発送までの複数の商品配送プロセスそれぞれの処理時間の情報が含まれる実績情報を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得した実績情報に基づいて、ユーザが複数の商品の中から指定した指定商品を該ユーザが注文したと仮定した場合に該注文を受けた業者が前記指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間を予測する予測工程と、を含み、
前記取得工程では、前記業者が使用する配送会社の実績の情報を取得し、
前記予測工程は、前記取得工程で取得した実績情報に基づいて前記ユーザが前記指定商品を注文したと仮定した場合に該注文を受けた業者が前記指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間を予測するとともに、前記業者が使用する配送会社の実績の情報に基づいて前記指定商品の発送から前記指定商品の到達までにかかる期間を予測し、これらの予測の結果に基づいて、前記業者が前記指定商品を現時点で受注したと仮定した場合に前記指定商品が到達すると想定されるタイミングである到達タイミングを予測
前記予測工程では、前記指定商品が在庫のある商品か否かに基づいて、前記注文を受けた業者が該指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間の予測方法を変更する、
ことを特徴とする予測方法。
【請求項13】
複数の商品配送プロセスで構成される商品配送処理に関する業者の実績の情報であって少なくとも商品の受注から発送までの複数の商品配送プロセスそれぞれの処理時間の情報が含まれる実績情報を取得する取得手順と、
前記取得手順で取得した実績情報に基づいて、ユーザが複数の商品の中から指定した指定商品を該ユーザが注文したと仮定した場合に該注文を受けた業者が前記指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間を予測する予測手順と、をコンピュータに実行させ、
前記取得手順では、前記業者が使用する配送会社の実績の情報を取得し、
前記予測手順は、前記取得手順で取得した実績情報に基づいて前記ユーザが前記指定商品を注文したと仮定した場合に該注文を受けた業者が前記指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間を予測するとともに、前記業者が使用する配送会社の実績の情報に基づいて前記指定商品の発送から前記指定商品の到達までにかかる期間を予測し、これらの予測の結果に基づいて、前記業者が前記指定商品を現時点で受注したと仮定した場合に前記指定商品が到達すると想定されるタイミングである到達タイミングを予測
前記予測手順では、前記指定商品が在庫のある商品か否かに基づいて、前記注文を受けた業者が該指定商品の受注から発送までにかけると想定される期間の予測方法を変更する、
ことを特徴とする予測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予測装置、予測方法、及び予測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の配送に関する予測技術が知られている。従来の予測技術は、予め記憶した地域ごとの商品配送に要する期間の情報に基づいて、商品の配送に要する期間(すなわち、商品がユーザに向けて発送されてから商品がユーザに到達するまでの期間)を予測する。そして、商品の配送に要する期間の予測に基づいて、商品の到達日を予測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−91668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の予測技術は、結局のところ商品の発送から到達までにかかる期間の予測を行っているにすぎず、必ずしもユーザに精度の高い予測を提供できるとは言えない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、精度の高い配送予測を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る予測装置は、業者の商品配送処理に関する実績情報を取得する取得部と、取得部で取得した実績情報に基づいて、ユーザが指定する指定商品の受注から発送までにかかる期間である発送前期間を予測する予測部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、精度の高い配送予測を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る予測装置の動作の概要を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る予測装置の構成例を示す図である。
図3図3は、指定情報記憶部の構成例を示す図である。
図4図4は、商品情報記憶部の構成例を示す図である。
図5図5は、業者情報記憶部の構成例を示す図である。
図6図6は、業者情報の一例を示す図である。
図7図7は、実績情報記憶部の構成例を示す図である。
図8図8は、実績情報の一例を示す図である。
図9図9は、商品配送プロセスを説明するための図である。
図10図10は、制御部の機能ブロック図である。
図11図11は、予測処理のフローチャートである。
図12図12は、ユーザが指定情報を入力するための指定画面の一例を示す図である。
図13図13は、予測結果の出力例を示す図である。
図14図14は、複数の業者の情報を到達タイミングの情報とともに並べて出力した様子を示す図である。
図15図15は、予測装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る予測装置、予測方法、及び予測プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本願に係る予測装置、予測方法、及び予測プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.予測装置の動作の概要〕
最初に、本実施形態の予測装置10の動作の概要を説明する。予測装置10は、ユーザに対して、商品購入のための判断材料となる情報を提供する装置である。具体的には、予測装置10は、ユーザに対して、指定商品の配送予測(例えば、ユーザが現時点で商品をオンライン注文したときの商品の到達日時の予測)を提供する装置である。ここで「配送」とは、商品の「配達」(到達)のみならず、商品の「発送」(出荷)も含む概念である。予測装置10は、商品を取り扱う業者(例えば、オンラインストア)の過去の商品の配送に関する実績に基づいて、指定商品の配送予測を行う。ユーザは、予測装置10の配送予測に基づいて商品を購入するか否かを決定する。
【0011】
図1は、実施形態に係る予測装置10の動作の概要を示す図である。予測装置10は、ネットワークを介して端末装置1及びサーバ2と接続されている。予測装置10に接続される端末装置及びサーバは、それぞれ複数であってもよい。端末装置1は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等のユーザ端末である。また、サーバ2は、クライアント端末に対して各種サービスを提供するサーバ用ホストコンピュータである。サーバ2は、例えば、EC(Electronic Commerce)サイトとして機能する。サーバ2は、端末装置1を操作するユーザに対し、オンラインショッピングサービス等の各種サービスを提供する。
【0012】
また、サーバ2は、商品の配送処理に関する管理機能(注文管理機能)を有している。そして、サーバ2は、複数の業者に対して商品配送処理に関する管理サービス(注文管理サービス)を提供している。商品配送処理は、出荷待ちプロセス、出荷処理中プロセス等の複数の商品配送プロセスで構成されている。サーバ2は、業者の指定商品に関する商品配送処理が現在どの商品配送プロセスにあるかをフラグ等によりステータス管理する。ステータスの変更は、サーバ2が備えるユーザインタフェースを使って、業者自身が行ってもよい。また、ステータスは、商品購入者、銀行等の入力に基づいて、サーバ2が変更してもよい。サーバ2は、ステータスが変わったタイミング(例えば、ステータスが新規注文から出荷処理中に変わったタイミング)の情報に基づいて業者が各商品配送プロセスにかけた時間を判別する。サーバ2は、判別した時間の情報を業者の実績情報として蓄積する。なお、商品配送プロセスについては後に詳述する。以下、図1を参照しながら、予測装置10の動作の概要を説明する。
【0013】
まず、予測装置10は、サーバ2を介して端末装置1を操作するユーザから指定情報を取得する(ステップS1)。指定情報は、ユーザが購入を予定している商品の指定に関する情報である。指定情報は、例えば、「指定商品」、「希望到達タイミング」、及び「希望配達エリア」等の情報である。「指定商品」は、例えば、“本棚:2つ”といった、ユーザが購入を予定する商品及びその商品数の情報である。「希望到達タイミング」は、例えば、“第1希望:木曜午後3時〜”、“第2希望:土曜午前中”、“第3希望:月曜午後7時〜”といった、ユーザが配達を希望するタイミング(日時)の情報である。「希望配達エリア」は、例えば、“東京都千代田区”といったユーザが配達を希望するエリアの情報である。ユーザはサーバ2のサイトに用意されたユーザインタフェースを介して予測装置10に指定情報を送信する。ユーザインタフェースは、ECサイトの専用ホームページであってもよいし、端末装置1にインストールされたアプリ(例えば、オンラインショッピング用のアプリ)が用意する専用入力画面であってもよい。
【0014】
次に、予測装置10は、商品を配送する業者の実績情報を取得する。実績情報は、業者の商品配送処理に関する実績の情報である。商品配送処理は、新規注文プロセス、・・・、出荷待ちプロセス、出荷処理中プロセス、注文完了待ちプロセス等の複数の商品配送プロセスで構成される。予測装置10は、例えば、各商品配送プロセスにかかった時間の長さの情報を実績情報として取得する。例えば、予測装置10は、過去、対象の業者が“新規注文プロセス”、“出荷待ちプロセス”、“出荷処理中プロセス”、“注文完了待ちプロセス”等かけた時間がそれぞれ4.3時間、5.1時間、2.5時間、28.3時間等であるとの情報をサーバ2から取得する。時間は、過去一定期間の平均であってもよい。
【0015】
そして、予測装置10は、実績情報に基づいて、指定商品の発送前期間を予測する(ステップS2)。「発送前期間」とは、指定商品の受注から発送までにかかる期間のことである。例えば、発送前期間は、ステータスが新規注文となってから注文完了待ちとなるまでにかかる時間である。予測装置10は、“新規注文プロセス”、“出荷待ちプロセス”、“出荷処理中プロセス”それぞれの平均時間の合計を発送前期間として予測してもよい。図1の例では、予測装置10は、11.9時間を発送前期間として予測している。
【0016】
続いて、予測装置10は、発送前期間の情報に基づいて、ユーザが、現在、指定商品を注文した場合の、指定商品の到達タイミングを予測する。例えば、予測装置10は、発送後期間を予測し、現在の日時に発送前期間と発送後期間を加えた日時を指定商品の到達タイミングとして予測する。発送後期間は、商品の発送から商品の到達までにかかる時間である。このとき、予測装置10は、業者が使用する配送会社の実績の情報に基づいて発送後期間を予測してもよい。
【0017】
なお、予測装置10は、ユーザの希望到達タイミングを満たすよう到達タイミングを予測してもよい。例えば、現在の日時が6月19日(月)午後10時26分であり、発送前期間と発送後期間を加えた時間が30時間であるとする。この場合、業者は指定商品を6月21日(水)の午前中には配達可能である。しかし、ユーザの希望が“木曜午後3時〜”となっているのであれば、予測装置10は翌日の6月22日(木)午後3時を商品の到達タイミングとして予測する。
【0018】
予測装置10は、予測結果に基づいて配達予測情報を生成する(ステップS3)。図1の例では、予測装置10は、“6月22日(木)午後3時配達”との配達予測情報を生成している。そして、予測装置10は、生成した配達予測情報をユーザに出力する(ステップS4)。例えば、予測装置10は、サーバ2を介して端末装置1に配達予測情報を送信する。
【0019】
以上のように、予測装置10は、商品の発送前期間の予測を行い、その予測結果に基づいて商品の配送の予測を行っている。すなわち、予測装置10は、商品の配送予測にあたり、“発送前期間”の情報を使用している。そのため、予測装置10は、精度の高い配送予測を可能にすることができる。例えば、予測装置10は、発送前期間の予測情報を使用することで、業者毎の発送前期間の違いを考慮に入れた精度の高い配達タイミングを予測できる。
【0020】
〔2.予測装置の構成例〕
次に、本実施形態の予測装置10の構成を詳細に説明する。予測装置10は、各種情報を処理するコンピュータである。例えば、予測装置10は、クライアント端末(例えば、端末装置1或いはサーバ2)からの要求を処理するサーバ用ホストコンピュータ(以下、単に「サーバ」という。)である。予測装置10は、PCサーバであってもよいし、ミッドレンジサーバであってもよいし、メインフレームサーバであってもよい。また、予測装置10は、1つのサーバにより構成されていてもよいし、協同して処理を実行する複数のサーバにより構成されていてもよい。予測装置10を複数のサーバで構成する場合、これらサーバの設置場所は離れていてもよい。設置場所が離れていたとしても、協同して処理を実行するのであれば、これらサーバは1つの予測装置10とみなすことができる。
【0021】
図2は、実施形態に係る予測装置10の構成例を示す図である。予測装置10は、通信部11と、出力部12と、記憶部13と、制御部14と、を備える。なお、図2に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。
【0022】
(通信部11)
通信部11は、外部の装置と通信する通信インタフェースである。通信部11は、ネットワークインタフェースであってもよいし、機器接続インタフェースであってもよい。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)等のLANインタフェースであってもよいし、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、通信部11は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。通信部11は、予測装置10の通信手段として機能する。通信部11は、制御部14の制御に従って外部の装置と通信する。
【0023】
(出力部12)
出力部12は、ユーザに情報を通知するための出力装置である。出力部12は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等の表示装置である。勿論、出力部12は表示装置に限定されない。例えば、出力部12は、スピーカー、ブザー等の音響発生装置であってもよいし、LED(Light Emitting Diode)ランプ等の点灯装置であってもよい。出力部12は、予測装置10の出力手段(通知手段)として機能する。出力部12は、制御部14の制御に基づいて、ユーザに対し各種情報を出力する。
【0024】
(記憶部13)
記憶部13は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部13は、予測装置10の記憶手段として機能する。記憶部13は、指定情報記憶部131と、商品情報記憶部132と、業者情報記憶部133と、実績情報記憶部134と、を有している。
【0025】
(指定情報記憶部131)
指定情報記憶部131は、ユーザの指定情報を記憶する記憶領域である。上述したように、指定情報は、ユーザが購入を予定している商品の指定に関する情報である。指定情報は、例えば、後述の取得部141が端末装置1(或いはサーバ2)から取得し保存する。図3は、指定情報記憶部131の構成例を示す図である。指定情報記憶部131には、指定情報として、指定商品、希望到達タイミング、及び希望配達エリア等の情報が保存されている。
【0026】
指定商品は、ユーザが購入を予定する商品及びその商品数の情報である。図3の例では、ユーザが購入を予定する商品の識別情報(例えば、“商品A”)とその商品の商品数の情報(例えば、“2”)とが関連付けられて保存されている。なお、図3の例では、商品は1つとなっているが、複数の商品が指定されていてもよい。
【0027】
希望到達タイミングは、ユーザが配達を希望するタイミングの情報である。タイミングは日時であってもよいし、曜日であってもよい。図3の例では、“第1希望:木曜日:午後3時〜午後7時”、“第2希望:土曜日:午前中”、“第3希望:月曜日:午後7時〜午後10時”の情報が希望到達タイミングとして保存されている。なお、図3の例では、3つの希望が指定されているが、希望は3つより少なくてもよいし、3つより多くてもよい。また、希望到達タイミングは、“6月20日午前中”といった具体的日時であってもよい。
【0028】
希望配達エリアは、ユーザが配達を希望するエリアの情報である。図3の例では、“東京都千代田区”の情報が希望配達エリアとして保存されている。なお、希望配達エリアの指定に使用されるエリア区分は、予測装置10の開発者が任意に設定可能である。希望配達エリアのエリア区分は、市区町村単位であってもよいし、都道府県単位であってもよい。また、エリア区分は、関東エリア等の都道府県より広い範囲の区分であってもよい。勿論、エリア区分は行政区画に限定されず、予測装置10の開発者が任意に定めた区分であってもよい。
【0029】
なお、図3に示した例は、あくまで一例である。指定情報には、指定商品、希望到達タイミング、及び希望配達エリア以外の情報が含まれていてもよい。また、指定情報には、必ずしも、指定商品、希望到達タイミング、及び希望配達エリアの3つ全ての情報が含まれていなくてもよい。例えば、指定情報には、希望到達タイミング及び/又は希望配達エリアの情報が含まれていなくてもよい。
【0030】
(商品情報記憶部132)
商品情報記憶部132は、商品情報を記憶する記憶領域である。商品情報は、ユーザが指定対象とすることが可能な商品(或いは、ユーザが指定した商品)に関する情報である。商品情報は、例えば、後述の取得部141がサーバ2から取得して保存する。或いは、商品情報は、予測装置10の設計者或いは運用者が予め商品情報記憶部132に保存する。図4は、商品情報記憶部132の構成例を示す図である。商品情報記憶部132には、商品情報として、商品の識別情報とその商品の発売日の情報とを関連付けた情報が保存されている。図4の例では、識別情報“商品A”と発売日“2015/1/27”とを関連付けた情報と、識別情報“商品B”と発売日“2016/10/18”とを関連付けた情報と、識別情報“商品C”と発売日“2018/3/24”とを関連付けた情報と、識別情報“商品D”と発売日“2016/11/23”とを関連付けた情報等が商品情報記憶部132に保存されている。
【0031】
後述の予測部142は、発売日の情報に基づいて、ユーザが指定した指定商品が現在発売されているか否かを判別する。例えば、現在が2017年であるとする。この場合、予測部142は、“2018/3/24”が発売日の商品Cは未だ発売されていないと判別する。なお、商品情報は、識別情報と発売日の情報とに限定されない。例えば、商品情報には、商品種別やメーカーの情報が含まれていてもよい。
【0032】
(業者情報記憶部133)
業者情報記憶部133は、業者情報を記憶する記憶領域である。業者情報は、ユーザが指定対象とすることが可能な商品(或いは、ユーザが指定した商品)を扱う業者(例えば、オンラインストア)の情報である。業者情報は、例えば、後述の取得部141がサーバ2から取得して保存する。或いは、業者情報は、予測装置10の設計者或いは運用者が予め予測装置10に保存する。図5は、業者情報記憶部133の構成例を示す図である。業者情報記憶部133には、複数の業者それぞれの業者情報が保存されている。例えば、業者情報記憶部133には、業者Aの業者情報、業者Bの業者情報、業者Cの業者情報等が保存されている。
【0033】
図6は、業者情報の一例を示す図である。業者情報には、所在地情報と、取扱商品情報と、が含まれている。所在地情報は、業者の所在地の情報である。所在地情報は、商品の発送元となる場所の情報である。所在地情報は、業者の倉庫の所在地の情報であってもよい。取扱商品情報は、業者が取り扱う商品の情報である。取扱商品情報には、商品の識別情報とその商品の在庫数の情報とを関連付けた情報が複数格納されている。図6の例では、識別情報“商品A”と在庫数“3”とを関連付けた情報と、識別情報“商品B”と在庫数“0”とを関連付けた情報と、識別情報“商品D”と在庫数“8”とを関連付けた情報等が取扱商品情報に格納されている。なお、商品Cは未だ発売されていないため、図6の例では、取扱商品に含まれていない。
【0034】
(実績情報記憶部134)
実績情報記憶部134は、実績情報を記憶する記憶領域である。実績情報は、業者の商品配送処理に関する実績を記録した情報である。実績情報は、例えば、後述の取得部141がサーバ2から取得して保存する。なお、実績情報は、業者自身が実績情報記憶部134に保存してもよいし、予測装置10の設計者若しくは運用者が予め実績情報記憶部134に保存してもよい。図7は、実績情報記憶部134の構成例を示す図である。実績情報記憶部134には、複数の業者それぞれの実績情報が保存されている。例えば、実績情報記憶部134には、業者Aの実績情報、業者Bの実績情報、業者Cの実績情報等が保存されている。図8は、実績情報の一例を示す図である。実績情報には、処理能力情報と、処理時間情報と、が含まれている。
【0035】
処理能力情報は、業者の商品配送に関する処理能力の実績の情報である。例えば、処理能力情報は、業者の一日あたりの発送可能な商品の数の情報である。なお、図8の例では、処理能力情報として、“568商品/日”が格納されているが、業者の処理能力が判別できるのであれば処理能力情報は図8に示した形式に限定されない。例えば、処理能力を示す数値は、正規化されたものであってもよい。また、ストアの営業日や稼動日を考慮に入れたストアの配送能力がわかるよう、処理能力情報には、ストアの営業日や稼動日の要素が含まれていてもよい。
【0036】
処理時間情報は、業者が商品配送処理にかかった過去の実績の情報である。例えば、処理時間情報は、商品配送プロセスごとの処理時間の長さの情報である。処理時間の長さは過去所定の期間の平均時間であってもよい。例えば、処理時間情報には、新規注文プロセス、新規予約プロセス、予約中プロセス、入金待ちプロセス、出荷待ちプロセス、出荷処理中プロセス、注文完了待ちプロセス、注文完了プロセス、保留プロセス、にかかった時間の平均がそれぞれ、4.3時間、4.1時間、278.6時間、73.5時間、5.1時間、2.5時間、18.3時間、1.4時間、17.3時間であるとの情報が格納されている。
【0037】
ここで、商品配送処理を構成する商品配送プロセスについて説明する。図9は、商品配送プロセスを説明するための図である。商品配送処理は、商品配送プロセスとして、新規注文プロセスP1と、新規予約プロセスP2、予約中プロセスP3と、入金待ちプロセスP4と、出荷待ちプロセスP5と、出荷処理中プロセスP6と、注文完了待ちプロセスP7と、注文完了プロセスP8と、を有している。なお、図9に示した各商品配送プロセスは、商品配送処理の分類の一例を示したものである。商品配送処理の分類は図9に示した分類に限定されるものではない。例えば、図9の例では保留プロセスの図示は省略されているが、商品配送処理に商品配送プロセスとして保留プロセスが含まれていてもよい。サーバ2は、商品配送処理が現在どの商品配送プロセスにあるのかを管理する機能を有している。業者は、保有する端末を使って、該当の商品の配送処理が現在どのステータスにあるのか(すなわち、該当の商品の配送処理に関して自身が現在どの商品配送プロセスを実行しているのか)をサーバ2に入力する。なお、一部のステータス(例えば、“新規注文”、“新規予約”)に関しては、商品購入者の商品購入に関する入力(注文)に基づいてサーバ2が自動的に入力を行ってもよい。
【0038】
新規注文プロセスP1は、業者がユーザから在庫のある商品の注文を受けた場合に実行されるプロセスである。このプロセスでは、業者は、例えば、客の注文内容の確認処理を行う。業者は、注文を受けた商品が他の客に販売されてしまわないように社内システム等を使って在庫の商品を確保する処理を行ってもよい。なお、ユーザの注文がサーバ2のオンラインショッピングサービスを使って行われた場合、ステータスの新規注文への変更(或いは、該当の商品の配送処理に関するステータスの新規立ち上げ)は、サーバ2が行ってもよい。新規注文プロセスP1が終了したら、業者は商品配送処理を出荷待ちプロセスP5或いは出荷処理中プロセスP6に移行させるとともに、サーバ2で管理されているステータスを“出荷待ち”或いは“出荷処理中”に変更する。客からの入金が確認できない場合、業者は商品配送処理を入金待ちプロセスP4に移行させるとともに、サーバ2で管理されているステータスを“入金待ち”に変更してもよい。客からの入金が確認できない場合とは、例えば、決済方法が銀行振り込みの場合(クレジット決済或いは代引きでない場合)である。サーバ2は、ステータスが“新規注文”へ変更されてから他のステータスに変更されるまでの時間(図9に示す処理時間T1)を算出して記憶する。サーバ2が算出する処理時間T1は、過去一定期間の新規注文プロセスP1の平均時間であってもよい。
【0039】
新規予約プロセスP2は、在庫のない商品の注文を業者がユーザから受けた場合に実行されるプロセスである。このプロセスでは、業者は、例えば、客の注文内容の確認処理を行う。注文を受けた商品がすでに発売されている商品の場合には、業者は商品をメーカー等に発注する処理を行う。なお、ユーザの注文がサーバ2のオンラインショッピングサービスを使って行われた場合、ステータスの新規予約への変更(或いは、該当の商品の配送処理に関するステータスの新規立ち上げ)は、サーバ2が行ってもよい。新規予約プロセスP2が終了したら、業者は商品配送処理を出荷待ちプロセスP5に移行させるとともに、サーバ2で管理されているステータスを“出荷待ち”に変更する。注文を受けた商品が未だ発売されていない商品の場合には、業者は商品配送処理を予約中プロセスP3に移行させるとともに、サーバ2で管理されているステータスを“予約待ち”に変更してもよい。サーバ2は、ステータスが“新規予約”へ変更されてから他のステータスに変更されるまでの時間(図9に示す処理時間T2)を算出して記憶する。サーバ2が算出する処理時間T2は、過去一定期間の新規予約プロセスP2の平均時間であってもよい。
【0040】
予約中プロセスP3は、客から注文(予約注文)を受けた商品が未だ発売されていない商品であった場合に実行されるプロセスである。このプロセスでは、業者は、例えば、商品の発売日までの期限管理を行う。業者は、メーカーへ商品の予約注文を行ってもよい。予約中プロセスP3が終了したら(例えば、商品の発売日が到来したら)、業者は商品配送処理を出荷待ちプロセスP5或いは出荷処理中プロセスP6に移行させるとともに、サーバ2で管理されているステータスを“出荷待ち”或いは“出荷処理中”に変更する。客からの入金が確認できない場合、業者は商品配送処理を入金待ちプロセスP4に移行させるとともに、サーバ2で管理されているステータスを“入金待ち”に変更してもよい。サーバ2は、ステータスが“予約中”へ変更されてから他のステータスに変更されるまでの時間(図9に示す処理時間T3)を算出して記憶する。サーバ2が算出する処理時間T3は、過去一定期間の予約中プロセスP3の平均時間であってもよい。
【0041】
入金待ちプロセスP4は、客からの入金が確認できない場合に実行されるプロセスである。このプロセスでは、業者は、例えば、指定口座へ客から入金があったか否かの確認処理を行う。入金待ちプロセスP4が終了したら(例えば、入金が確認できたら)、業者は商品配送処理を出荷待ちプロセスP5或いは出荷処理中プロセスP6に移行させるとともに、サーバ2で管理されているステータスを“出荷待ち”或いは“出荷処理中”に変更する。サーバ2は、ステータスが“入金待ち”へ変更されてから他のステータスに変更されるまでの時間(図9に示す処理時間T4)を算出して記憶する。サーバ2が算出する処理時間T4は、過去一定期間の入金待ちプロセスP4の平均時間であってもよい。
【0042】
出荷待ちプロセスP5は、商品の出荷(発送)準備のためのプロセスである。このプロセスでは、業者は、出荷準備のための各種処理(例えば、伝票処理等)を行う。客から注文を受けた商品が在庫のない商品であった場合には、業者は、メーカーから商品の入庫があったか否かの確認処理を行う。出荷待ちプロセスP5が終了したら、業者は商品配送処理を出荷処理中プロセスP6に移行させるとともに、サーバ2で管理されているステータスを“出荷処理中”に変更する。サーバ2は、ステータスが“出荷待ち”へ変更されてから他のステータスに変更されるまでの時間(図9に示す処理時間T5)を算出して記憶する。サーバ2が算出する処理時間T5は、過去一定期間の出荷待ちプロセスP5の平均時間であってもよい。
【0043】
出荷処理中プロセスP6は、商品の出荷(発送)処理のためのプロセスである。このプロセスでは、業者は、商品の梱包や発送(例えば、配送会社への配送指示等)を行う。出荷処理中プロセスP6が完了したら(例えば、商品の発送が完了したら)、業者は商品配送処理を注文完了待ちプロセスP7に移行させるとともに、サーバ2で管理されているステータスを“注文完了待ち”に変更する。サーバ2は、ステータスが“出荷処理中”へ変更されてから他のステータスに変更されるまでの時間(図9に示す処理時間T6)を算出して記憶する。サーバ2が算出する処理時間T6は、過去一定期間の出荷処理中プロセスP6の平均時間であってもよい。
【0044】
注文完了待ちプロセスP7は、商品の到達完了の確認のためのプロセスである。このプロセスでは、業者は、例えば、商品が客へ到達したか否かの確認処理を行う。注文完了待ちプロセスP7が終了したら(例えば、商品の到達が確認できたら)、業者は商品配送処理を注文完了プロセスP8に移行させるとともに、サーバ2で管理されているステータスを“注文完了”に変更する。なお、商品の配送を配送会社が行っているのであれば、ステータスの変更は配送会社の配送完了情報に基づいてサーバ2が行ってもよい。サーバ2は、ステータスが“注文完了待ち”へ変更されてから他のステータスに変更されるまでの時間(図9に示す処理時間T7)を算出して記憶する。サーバ2が算出する処理時間T7は、過去一定期間の注文完了待ちプロセスP7の平均時間であってもよい。
【0045】
注文完了プロセスP8は、注文完了処理のためのプロセスである。注文完了処理は、商品配送処理をクローズするための処理(例えば、商品配送が完了したことを社内の各部へ知らせるための社内システムへの入力)である。注文完了プロセスP8が終了したら、業者は該当の注文に関するステータスをクローズする。サーバ2は、ステータスが“注文完了”へ変更されてからクローズされるまでの時間(図9に示す処理時間T8)を算出して記憶する。サーバ2が算出する処理時間T8は、過去一定期間の注文完了プロセスP8の平均時間であってもよい。
【0046】
保留プロセスは、イレギュラーが発生した場合のプロセスである。保留プロセスは、例えば、上記商品配送プロセスのいずれか(例えば、新規注文プロセスP1等)から移行する。このプロセスでは、業者は、例えば、商品の在庫があるか否かを確認したり、注文内容を客に問い合わせたりする。問題が解決したら、業者は商品配送処理を基の商品配送プロセスに戻すとともに、サーバ2で管理されているステータスを基のステータスに戻す。サーバ2は、ステータスが“保留”へ変更されてから元のステータスに戻るまでの時間を算出して記憶してもよい。サーバ2が算出する時間は、過去一定期間の保留プロセスの平均時間であってもよい。
【0047】
(制御部14)
制御部14は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、予測装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(予測プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部14は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0048】
図10は、制御部14の機能ブロック図である。制御部14は、取得部141と、予測部142と、出力制御部143と、を備える。制御部14を構成するブロック(取得部141〜出力制御部143)はそれぞれ制御部14の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ或いは1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、「予測処理」が実現されるのであれば、制御部14はこれら機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。
【0049】
(取得部141)
取得部141は、業者の商品配送処理に関する実績情報を取得する。また、取得部141は、ユーザから指定商品の希望配達エリアの情報を取得する。また、取得部141は、ユーザから指定商品の希望到達タイミングの情報を取得する。取得部141の動作は、後述の予測処理の説明の箇所で詳述する。
【0050】
(予測部142)
予測部142は、取得部141で取得した実績情報に基づいて、ユーザが指定する指定商品の受注から発送までにかかる期間である発送前期間を予測する。また、予測部142は、発送前期間に基づいて、指定商品の発送タイミング或いは到達タイミングを予測する。例えば、予測部142は、複数の業者の実績情報に基づいて、複数の業者それぞれの発送前期間を予測する。そして、予測部142は、その予測結果に基づいて、複数の業者それぞれの発送タイミング或いは到達タイミングを予測する。予測部142の動作は、後述の予測処理の説明の箇所で詳述する。
【0051】
(出力制御部143)
出力制御部143は、予測部142の予測結果を出力する。例えば、出力制御部143は、複数の業者の情報を、複数の業者それぞれの発送タイミング或いは到達タイミングとともに並べて出力する。出力制御部143の動作は、後述の予測処理の説明の箇所で詳述する。
【0052】
〔3.予測装置の動作の詳細〕
次に、予測装置10の動作を詳細に説明する。図11は予測処理のフローチャートである。予測処理は、指定商品の配送の予測(例えば、指定商品の発送タイミング或いは到達タイミングの予測)を行う処理である。予測装置10の制御部14は、サーバ2及び通信部11を介して、端末装置1を操作するユーザから処理開始指示を受け取ると、予測処理を開始する。以下、図11を参照しながら予測処理を説明する。
【0053】
まず、取得部141は、指定情報記憶部131から指定情報を取得する(ステップS11)。指定情報は、ユーザが購入を予定している商品の指定に関する情報である。ユーザは、例えば、端末装置1にインストールされたアプリを使って指定情報を予測装置10に送信する。図12は、ユーザが指定情報を入力するための指定画面の一例を示す図である。図12に示す指定画面は、希望到達タイミングを入力するための画面の一例である。図12に示す指定画面では、配達希望の曜日・時間帯を希望順位とともに指定可能になっている。図中“AM”は午前中、“PM1”は午後最初の時間帯(例えば、午後0時〜午後3時まで)、“PM2”は午後2番目の時間帯(例えば、午後3時〜午後7時まで)、“PM3”は午後3番目の時間帯(例えば、午後7時〜午後10時まで)を示している。曜日・時間帯を示す28の枠1つ1つにはテキストボックスが配置されている。このテキストボックスに入力された数字が希望順位となる。例えば、図12の例では、“木曜日:午後3時〜午後7時”が第1希望となり、“土曜日:午前中”が第2希望となり、“月曜日:午後7時〜午後10時”が第3希望となる。端末装置1は、指定画面に入力された情報を所定のフォーマットのデータに変換して予測装置10に送信する。
【0054】
続いて、取得部141は、実績情報記憶部134から実績情報を取得する(ステップS12)。実績情報は、業者の商品配送処理に関する実績を記録した情報である。このとき、取得部141は、ユーザが指定した商品を扱う複数の業者の実績情報を取得してもよい。業者がユーザ指定の商品を扱うか否かは業者情報に基づき判別可能である。例えば、取得部141は、業者情報記憶部133から複数の業者の業者情報を取得する。そして、取得部141は、業者情報に含まれる取扱商品情報に基づいて業者がユーザ指定の商品を扱うか否かを判別する。なお、指定情報で業者が指定されているのであれば、取得部141は、ユーザが指定する業者の実績情報を取得する。
【0055】
次に、予測部142は、実績情報に基づいて、指定商品の発送前期間を予測する(ステップS13)。ステップS12で複数の業者の実績情報を取得した場合には、予測部142は、複数の業者それぞれの発送前期間を予測する。発送前期間は、指定商品の受注から発送までにかかる期間である。図9の例であれば、商品配送処理の開始(新規注文プロセスP1或いは新規予約プロセスP2の開始)から出荷処理中プロセスP6の完了(注文完了待ちプロセスP7の開始)までの期間TAが発送前期間である。
【0056】
予測部142は、指定商品が在庫のある商品か否かで発送前期間の算出方法を変更してもよい。例えば、指定商品が在庫のある商品の場合、予測部142は、新規注文プロセスP1の処理時間T1と、出荷待ちプロセスP5の処理時間T5と、出荷処理中プロセスP6の処理時間T6と、の合計を発送前期間として予測してもよい。入金待ちプロセスP4の処理時間T4は、発送前期間の計算に入れてもよいし入れなくてもよい。業者が指定商品の在庫を持っているか否かは、業者情報の取扱商品情報に基づき判別してもよい。また、指定商品が在庫のない商品の場合、予測部142は、新規予約プロセスP2の処理時間T2と、出荷待ちプロセスP5の処理時間T5と、出荷処理中プロセスP6の処理時間T6の合計を発送前期間として予測してもよい。
【0057】
なお、指定商品が未だ発売されていない商品(以下、予約商品という。)であった場合には、予測部142は、実績情報と指定商品が発売されるまでの期間の情報とに基づいて、発送前期間を予測してもよい。指定商品が予約商品か否かは商品情報に基づき判別可能である。例えば、取得部141は、商品情報記憶部132から指定商品の発売日の情報を取得する。そして、予測部142は、現在の日付と指定商品の発売日とを比較し、発売日が未だ到来していなければ、指定商品が予約商品であると判別する。その後、予測部142は、現在の日付と指定商品の発売日とに基づき、指定商品が発売されるまでの期間を算出する。そして、指定商品が発売されるまでの期間に、出荷待ちプロセスP5の処理時間T5及び出荷処理中プロセスP6の処理時間T6を加えた期間を発送前期間として予測する。
【0058】
なお、実績情報は、業者の商品配送に関する処理能力情報が含まれる場合は、予測部142は、実績情報に含まれる処理能力情報に基づいて、発送前期間を予測してもよい。例えば、取得部141は、実績情報に加えて、業者の現在の受注件数の情報を取得する。そして、予測部142は、業者の現在の受注件数が業者の一定期間(例えば、1日)の処理能力を超えている場合は、各商品配送プロセスにかかる時間に基づき算出された時間に所定期間を加えた期間を発送前期間とする。所定期間は、受注件数と処理能力に基づき算出する。例えば、業者の1日の処理能力が568商品であり、業者の現在の受注件数が現在852商品であるとする。この場合、予測部142は、1.5日(=852/568)を所定期間として算出する。そして、各商品配送プロセスにかかる時間に基づき算出された時間が30時間なのであれば、予測部142は、30時間に1.5日(=36時間)を加えた66時間を発送前期間として予測する。
【0059】
続いて、予測部142は、発送後期間を予測する(ステップS14)。「発送後期間」とは、指定商品の発送から指定商品の到達までにかかる時間のことである。図9の例であれば、出荷処理中プロセスP6の終了(注文完了待ちプロセスP7の開始)から注文完了待ちプロセスP7の終了(注文完了プロセスP8の開始)までの期間TBが発送後期間である。予測部142は、実績情報に含まれる注文完了待ちプロセスP7の処理時間T7をそのまま発送後期間としてもよい。或いは、予測部142は、指定情報に含まれる希望配達エリアの情報に基づいて発送後期間を予測してもよい。例えば、予測部142は、業者情報に含まれる業者の所在地情報と、指定情報に含まれるユーザの希望配達エリアの情報と、に基づき、配送会社が商品の配送にかかる配送時間を予測する。配送時間は、配送会社が提供する地域ごとの配送時間の情報であってもよい。そして、予測部142は、配送会社の配送時間を発送後期間として予測する。なお、指定情報に希望配達エリアの情報が含まれていないのであれば、予測部142は、希望配達エリアの情報の代替としてサーバ2が保持するユーザの住所の情報を使用してもよい。ユーザの住所の情報も取得できないのであれば、予測部142は、配達エリアが配達可能エリア(例えば、日本国内)のどこであってもよいように、発送後期間を8時間〜24時間といった幅のある期間としてもよい。
【0060】
続いて、予測部142は、指定商品の配送に関する予測情報を生成する(ステップS15)。例えば、予測部142は、指定商品の発送タイミング或いは到達タイミングの予測情報を生成する。発送タイミングは、指定商品が業者から発送されると予想されるタイミング(例えば、日時)である。また、到達タイミングは、指定商品がユーザの元に到達すると予想されるタイミング(例えば、日時)である。発送タイミング及び到達タイミングは、6月22日(木)午後3時〜午後7時といった幅のあるタイミングであってもよい。予測部142は、発送前期間に基づいて指定商品の発送タイミング或いは到達タイミングを予想する。例えば、予測部142は、現在の日時に、ステップS13で予測した発送前期間を加えた日時を発送タイミングとして予測する。また、予測部142は、現在の日時に、ステップS13で予測した発送前期間と、ステップS14で予測した発送後期間と、を加えた日時を到達タイミングとして予測する。予測部142は、配送会社の配達可能時間帯の情報に基づいて、予測した到達タイミングを補正してもよい。配達可能時間帯の情報は、取得部141が別途配送会社のサーバ等から取得してもよいし、予測装置10が予め保持しておいてもよい。
【0061】
なお、指定情報に希望到達タイミングの情報が含まれる場合、予測部142は、ステップS13で予測した発送前期間に基づいて、希望到達タイミングに指定商品が到達可能か否かを判別してもよい。例えば、希望到達タイミングが“6月21日午前中”であり、現在が6月19日午後10時26分であるとする。発送前期間と発送後期間を加えた時間が30時間であるとすれば、予測部142は、希望到達タイミングに指定商品が到達可能であると判別する。また、発送前期間と発送後期間を加えた時間が60時間であるとすれば、予測部142は、希望到達タイミングに指定商品が到達できないと判別する。指定情報に複数の希望到達タイミングが含まれている場合は、予測部142は、複数の希望到達タイミングそれぞれ指定商品が到達可能か否かを判別してもよい。また、予測部142は、複数の希望到達タイミングのうち優先順位が最も高い希望到達タイミング(第1希望の希望到達タイミング)について指定商品が到達可能か否かを判別してもよい。また、指定商品を取り扱う業者が複数ある場合は、予測部142は、複数の業者それぞれについて希望到達タイミングに指定商品が到達可能か否かを判別してもよい。
【0062】
また、指定情報に複数の希望到達タイミングが含まれている場合、予測部142は、ステップS13で予測した発送前期間に基づいて、ユーザの希望到達タイミングを満たす複数のタイミングのうち最も早いタイミングを到達タイミングとして予測してもよい。例えば、ユーザの希望到達タイミングが“木曜日:午後3時〜午後7時”、“土曜日:午前中”、“月曜日:午後7時〜午後10時”の3つであり、現在が6月19日(月)午後10時であるとする。発送前期間と発送後期間を加えた時間が30時間であるとすれば、業者は指定商品を6月21日(水)の午前中には配達可能である。この場合、ユーザの希望到達タイミングを満たす到達タイミングは、6月22日(木)午後3時〜午後7時、6月24日(土)午前中、6月26日(月)午後7時〜午後10時の3つとなる。これら3つの到達タイミングうち最も早いタイミングは、6月22日(木)午後3時〜午後7時である。よって、予測部142は、6月22日(木)午後3時〜午後7時を到達タイミングとして予測する。予測部142は、この予測結果を予測情報としてもよい。
【0063】
次に、出力制御部143は、予測部142の予測結果を出力する。例えば、出力制御部143は、予測部142が生成した予測情報を出力する(ステップS16)。出力制御部143は、通信部11を制御して端末装置1に向けて予測情報を出力してもよいし、出力部12に予測情報を出力してもよい。図13は、予測結果の出力例を示す図である。例えば、現在の日時が午後10時26分であり、予測部142がユーザの希望到達タイミングに従って6月22日(木)午後3時〜午後7時を到達タイミングとして予測したとする。この場合、出力制御部143は、“あなたが現在午後10時26分に、このストアでこの商品を購入した場合、ご希望優先曜日・時間に従って6月22日午後3時〜午後7時に配達される可能性が高いです。”との情報を出力する。
【0064】
なお、予測部142が複数の業者それぞれの到達タイミングを予測したのであれば、出力制御部143は、複数の業者の情報(例えば、業者の名称)を、複数の業者それぞれの到達タイミングの情報とともに並べて出力してもよい。図14は、複数の業者の情報を到達タイミングの情報とともに並べて出力した様子を示す図である。図14の例では、出力制御部143は、複数の業者の情報“業者B”、“業者C”、“業者A”等を、到達タイミング(配達予定日時)の情報“6月22日午後3時”、“6月23日午前10時”、“6月24日午後3時”等とともに表示している。なお、予測部142は、例えば図14に示すように、複数の業者の情報を到達タイミングが早い順に並べて出力してもよい。勿論、予測部142は、複数の業者の情報を到達タイミングが遅い順に並べて出力してもよい。
【0065】
なお、予測部142が複数の業者それぞれの発送タイミングを予測したのであれば、出力制御部143は、複数の業者の情報(例えば、業者の名称)を、複数の業者それぞれの発送タイミングの情報とともに並べて出力してもよい。このとき、予測部142は、複数の業者の情報を発送タイミングが早い順に並べて出力してもよい。勿論、予測部142は、複数の業者の情報を発送タイミングが遅い順に並べて出力してもよい。
【0066】
予測情報の出力が完了したら、制御部14は、予測処理を終了する。
【0067】
〔4.効果〕
本実施形態によれば、予測装置10は、業者の商品配送処理に関する実績情報を取得する取得部141と、取得部141で取得した実績情報に基づいて、ユーザが指定する指定商品の受注から発送までにかかる期間である発送前期間を予測する予測部142と、を備える。発送前期間は業者によって異なる。そのため、発送前期間の情報を使用すれば、配送予測を行う装置は、精度の高い配送予測ができる。予測装置10は、発送前期間を予測するよう構成されているので、配送予測を行う装置等が精度の高い配送予測を行うことを可能にすることができる。
【0068】
また、予測部142は、発送前期間に基づいて、指定商品の発送タイミング或いは到達タイミングを予測する。また、予測部142は、指定商品の発送から指定商品の到達までにかかる期間である発送後期間を予測し、発送前期間及び発送後期間に基づいて、指定商品の到達タイミングを予測する。予測装置10は、発送前期間の情報を使用して発送タイミング或いは到達タイミングを予測するよう構成されているので、精度の高い配送予測を行うことができる。
【0069】
また、取得部141は、ユーザから指定商品の希望配達エリアの情報を取得する。予測部142は、希望配達エリアの情報に基づいて発送後期間を予測する。予測装置10は、発送後期間を予測にあたり希望配達エリアの情報を使用しているので、精度よく発送後期間を予測できる。
【0070】
また、取得部141は、ユーザから指定商品の希望到達タイミングの情報を取得する。予測部142は、発送前期間に基づいて、希望到達タイミングに指定商品が到達可能か否かを判別する。これにより、予測装置10は、希望到達タイミングに到達可能か否かの予測をユーザに知らせることができる。
【0071】
また、取得部141は、ユーザから指定商品の希望到達タイミングが複数含まれた情報を取得する。予測部142は、発送前期間に基づいて、希望到達タイミングを満たす複数のタイミングのうち最も早いタイミングを到達タイミングとして予測する。これにより、予測装置10は、希望到達タイミングを満たす最も早いタイミングをユーザに知らせることができる。
【0072】
また、予測装置10は、予測部142の予測結果を出力する出力制御部143、をさらに備える。そして、取得部141は、指定商品を取り扱う複数の業者の実績情報を取得する。予測部142は、複数の業者の実績情報に基づいて、複数の業者それぞれの発送前期間を予測し、予測結果に基づいて、複数の業者それぞれの発送タイミング或いは到達タイミングを予測する。出力制御部143は、複数の業者の情報を、複数の業者それぞれの発送タイミング或いは到達タイミングとともに並べて出力する。これにより、予測装置10は、複数の業者をユーザに比較可能に知らせることができる。
【0073】
また、出力制御部143は、複数の業者の情報を発送タイミング或いは到達タイミングが早い順或いは遅い順に並べて出力する。これにより、ユーザは、複数の業者の比較が容易になる。
【0074】
また、実績情報には、業者の商品配送に関する処理能力の情報が含まれ、取得部141は、実績情報に加えて、業者の現在の受注件数の情報を取得する。予測部142は、実績情報に含まれる処理能力の情報と受注件数の情報とに基づいて、発送前期間を予測する。これにより、予測装置10は、業者の処理能力の情報を考慮にいれた精度の高い予測が可能になる。
【0075】
また、予測部142は、指定商品が未だ発売されていない予約商品であった場合には、実績情報と指定商品が発売されるまでの期間の情報とに基づいて、発送前期間を予測する。これにより、予測装置10は、予約商品の配送予測が可能になる。
【0076】
〔5.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0077】
例えば、上述の実施形態では、商品を取り扱う“業者”としてオンラインストアを例示したが、業者はオンラインストアに限定されない。例えば、業者は店舗を構えて客と対面して商品の売買を行う現実のストアであってもよい。勿論、業者は商取引を行う個人であってもよい。
【0078】
また、上述の実施形態(ステップS14)では、予測部142は、指定情報に希望配達エリアの情報が含まれていない場合に、ユーザの住所の情報を使用して発送後期間を予測した。或いは、予測部142は、指定情報に希望配達エリアの情報が含まれていない場合に、発送後期間を10時間〜20時間といった幅のある期間とした。しかし、予測部142は、指定情報に希望配達エリアの情報が含まれていない場合には、発送後期間を予測しなくてもよい。この場合、予測部142は、発送前期間の情報に基づいて発送タイミングのみ予測してもよい。そして、出力制御部143は、到達タイミングを出力せず、発送タイミングを出力するよう構成されていてもよい。
【0079】
また、上述の実施形態(ステップS16)では、出力制御部143は、ユーザに発送タイミング或いは到達タイミングの情報を出力した。しかし、出力制御部143が出力する情報は発送タイミング及び到達タイミングの情報に限られない。例えば、出力制御部143は、ユーザが実際に商品を購入した場合に、配送会社のシステムと連携して、商品の配送に関する詳細情報を出力するよう構成されていてもよい。例えば、出力制御部143は、注文日時、発送作業開始日時、発送完了日時、到達日時を出力してもよい。これらの情報は、発送伝票の問い合わせ番号等に基づき、配送会社のサーバから取得してもよい。
【0080】
本実施形態の予測装置10を制御する制御装置は、専用のコンピュータシステムによって実現してもよいし、通常のコンピュータシステムにより実現してもよい。例えば、上述の動作を実行するためのプログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって制御装置を構成してもよい。制御装置は、予測装置10の外部の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であってもよいし、内部の装置(例えば、制御部14)であってもよい。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
【0081】
〔6.ハードウェア構成〕
実施形態及び変形例に係る予測装置10は、例えば図15に示すような構成のコンピュータ1000によっても実現可能である。図15は、予測装置10の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU(Central Processing Unit)1100、RAM1200、ROM1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インタフェース(I/F)1500、入出力インタフェース(I/F)1600、及びメディアインタフェース(I/F)1700を有する。
【0082】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0083】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インタフェース1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0084】
CPU1100は、入出力インタフェース1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インタフェース1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インタフェース1600を介して出力装置へ出力する。
【0085】
メディアインタフェース1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインタフェース1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0086】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る予測装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部14の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0087】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0088】
〔7.その他〕
また、上記各実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0089】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0090】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0091】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、予測部は、予測手段や予測回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0092】
1…端末装置
2…サーバ
10…予測装置
11…通信部
12…出力部
13…記憶部
131…指定情報記憶部
132…商品情報記憶部
133…業者情報記憶部
134…実績情報記憶部
14…制御部
141…取得部
142…予測部
143…出力制御部
図1
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