(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  前記ピラー構造体は、前記バリア層の表面から突出し、前記閉じ込め領域のドーパント濃縮部は、前記バリア層の前記表面にわたり、前記ドーパント濃縮部は、前記ピラー構造体の前記側壁を越えて前記バリア層内で前記中心縦軸に向かって横方向に侵入する、請求項1に記載の発光構造体。
  前記第1のドーパント型は、n型であり、前記第2のドーパント型は、p型であり、前記ドーパント濃縮部は、Mg及びZnからなる群から選択されるドーパントから形成されている、請求項1に記載の発光構造体。
  前記本体の前記側壁、前記ピラー構造体の前記側壁、及び前記本体とは反対側の前記ピラー構造体の表面上に形成されており、前記本体の前記側壁、前記ピラー構造体の前記側壁、及び前記本体とは反対側の前記ピラー構造体の前記表面にわたる共形のパッシベーション層と、
  前記ピラー構造体の前記表面上の前記共形のパッシベーション層内にある開口部と、
  前記ピラー構造体の前記表面上であって、かつ前記共形のパッシベーション層の前記開口部内に形成された導電性接触部と、を更に備える、請求項1に記載の発光構造体。
  前記ドーパント濃縮部は、前記活性層及び前記第1のクラッド層内におけるよりも、前記バリア層内において前記中心縦軸に向かって更に侵入する、請求項1に記載の発光構造体。
  第1の表面を含む基体を更に備え、前記本体は、前記基体の前記第1の表面から突出し、前記基体の前記第1の表面は、前記本体よりも幅広である、請求項5に記載の発光構造体。
  前記ドーパント濃縮部は、前記基体の前記第1の表面にわたり、前記基体の前記第1の表面とは反対側の前記基体の第2の表面に向かって侵入する、請求項6に記載の発光構造体。
  前記ドーパント濃縮部は、前記第1のクラッド層内におけるよりも、前記バリア層及び前記活性層内において前記中心縦軸に向かって更に侵入する、請求項1に記載の発光構造体。
  第1の表面を含む基体を更に備え、前記本体は、前記基体の前記第1の表面から突出し、前記基体の前記第1の表面は、前記本体よりも幅広である、請求項10に記載の発光構造体。
  前記ドーパント濃縮部は、前記基体の前記第1の表面にわたり、前記基体の前記第1の表面とは反対側の前記基体の第2の表面に向かって侵入する、請求項11に記載の発光構造体。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】一実施形態に係る、バルクLED基板の概略側断面図である。
 
【0013】
【
図1B】一実施形態に係る、多重量子井戸(multiple quantum well)(MQW)活性層の概略側断面図である。
 
【0014】
【
図2】一実施形態に係る、ピラー構造体及び表面ドーピングを含むLEDの形成方法を示すフローチャートである。
 
【0015】
【
図3】一実施形態に係る、デバイス層内に形成されたメサ溝及びメサ構造体のアレイの概略側断面図である。
 
【0016】
【
図4】一実施形態に係る、メサ構造体のアレイ上に形成されたピラー構造体の概略側断面図である。
 
【0017】
【
図5A】一実施形態に係る、浅い表面ドーピングプロファイルの概略側断面図である。
 
【0018】
【
図5B】一実施形態に係る、深い表面ドーピングプロファイルの概略側断面図である。
 
【0019】
【
図5C】一実施形態に係る、デバイス層内に形成された溝及び上部基体のアレイの概略側断面図である。
 
【0020】
【
図6】一実施形態に係る、ピラー構造体及びメサ構造体のアレイの上に形成されたパターン化したパッシベーション層の概略側断面図である。
 
【0021】
【
図7】一実施形態に係る、パターン化したパッシベーション層内の開口部内に形成された下部導電性接触部のアレイの概略側断面図である。
 
【0022】
【
図8】一実施形態に係る、ピラー構造体及びメサ構造体のアレイの上に形成されたパターン化した犠牲剥離層の概略側断面図である。
 
【0023】
【
図9】一実施形態に係る、安定化層を有するキャリア基板に接合された、パターン化したバルクLED基板の概略側断面図である。
 
【0024】
【
図10】一実施形態に係る、安定化支柱のアレイによって支持された上部基体、本体及びピラー構造体を含むLEDのアレイの概略側断面図である。
 
【0025】
【
図11】一実施形態に係る、安定化支柱のアレイによって支持された本体及びピラー構造体を含むLEDのアレイの概略側断面図である。
 
【0026】
【
図12A】複数の実施形態に係る、上部基体、本体、ピラー構造体、及び深い表面ドーピングプロファイルを備える閉じ込め領域を有するLEDの概略側断面図である。
 
【
図12B】複数の実施形態に係る、上部基体、本体、ピラー構造体、及び深い表面ドーピングプロファイルを備える閉じ込め領域を有するLEDの概略側断面図である。
 
【0027】
【
図13A】複数の実施形態に係る、上部基体、本体、ピラー構造体、及び浅い表面ドーピングプロファイルを備える閉じ込め領域を有するLEDの概略側断面図である。
 
【
図13B】複数の実施形態に係る、上部基体、本体、ピラー構造体、及び浅い表面ドーピングプロファイルを備える閉じ込め領域を有するLEDの概略側断面図である。
 
【0028】
【
図14】一実施形態に係る、本体、ピラー構造体、及び深い表面ドーピングプロファイルを備える閉じ込め領域を有するLEDの概略側断面図である。
 
【0029】
【
図15】一実施形態に係る、本体、ピラー構造体、及び浅い表面ドーピングプロファイルを備える閉じ込め領域を有するLEDの概略側断面図である。
 
【0030】
【
図16】一実施形態に係る、ウエハレベルのドーピングを含むLEDの形成方法を示すフローチャートである。
 
【0031】
【
図17】一実施形態に係る、バルクLED基板の概略側断面図である。
 
【0032】
【
図18】一実施形態に係る、変調ドーピングを有するクラッド層を含むバルクLED基板の概略側断面図である。
 
【0033】
【
図19A】複数の実施形態に係る、バルクLED基板内に形成されたドーパントウェルの概略側断面図である。
 
【
図19B】複数の実施形態に係る、バルクLED基板内に形成されたドーパントウェルの概略側断面図である。
 
【0034】
【
図19C】一実施形態に係る、変調ドーピングを有するクラッド層を含むバルクLED基板の近接概略側断面図である。
 
【0035】
【
図20A】複数の実施形態に係る、デバイス層内に形成されたメサ溝及びメサ構造体のアレイの概略側断面図である。
 
【
図20B】複数の実施形態に係る、デバイス層内に形成されたメサ溝及びメサ構造体のアレイの概略側断面図である。
 
【0036】
【
図21A】複数の実施形態に係る、ドープされた側壁を含むLEDの概略側断面図である。
 
【
図21B】複数の実施形態に係る、ドープされた側壁を含むLEDの概略側断面図である。
 
【0037】
【
図22A】複数の実施形態に係る、LED側壁に沿ったnp超格子を含むLEDの概略側断面図である。
 
【
図22B】複数の実施形態に係る、LED側壁に沿ったnp超格子を含むLEDの概略側断面図である。
 
【0038】
【
図23】一実施形態に係る、クラッド層の選択的エッチング及び浅いドーピングを含むLEDの形成方法を示すフローチャートである。
 
【0039】
【
図24】一実施形態に係る、デバイス層内に形成されたメサ溝及びメサ構造体のアレイの概略側断面図である。
 
【0040】
【
図25】一実施形態に係る、選択的にエッチングされたクラッド層の概略側断面図である。
 
【0041】
【
図26】一実施形態に係る、浅いドーピングプロファイルの概略側断面図である。
 
【0042】
【
図27A】複数の実施形態に係る、選択的にエッチングされたクラッド層及び浅いドーピングを含むLEDの概略側断面図である。
 
【
図27B】複数の実施形態に係る、選択的にエッチングされたクラッド層及び浅いドーピングを含むLEDの概略側断面図である。
 
【
図27C】複数の実施形態に係る、選択的にエッチングされたクラッド層及び浅いドーピングを含むLEDの概略側断面図である。
 
【
図27D】複数の実施形態に係る、選択的にエッチングされたクラッド層及び浅いドーピングを含むLEDの概略側断面図である。
 
【0043】
【
図28】一実施形態に係る、クラッド層の選択的エッチング及び再成長を含むLEDの形成方法を示すフローチャートである。
 
【0044】
【
図29】一実施形態に係る、デバイス層内に形成されたメサ溝及びメサ構造体のアレイの概略側断面図である。
 
【0045】
【
図30】一実施形態に係る、選択的にエッチングされたクラッド層の概略側断面図である。
 
【0046】
【
図31】一実施形態に係る、再成長層の概略側断面図である。
 
【0047】
【
図32A】複数の実施形態に係る、選択的にエッチングされたクラッド層及び再成長層を含むLEDの概略側断面図である。
 
【
図32B】複数の実施形態に係る、選択的にエッチングされたクラッド層及び再成長層を含むLEDの概略側断面図である。
 
【0048】
【
図33A】一実施形態に係る、選択的にエッチングされた活性領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【
図33B】一実施形態に係る、選択的にエッチングされた活性領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【
図33C】一実施形態に係る、選択的にエッチングされた活性領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【
図33D】一実施形態に係る、選択的にエッチングされた活性領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【0049】
【
図34A】一実施形態に係る、選択的にエッチングされた犠牲領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【
図34B】一実施形態に係る、選択的にエッチングされた犠牲領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【
図34C】一実施形態に係る、選択的にエッチングされた犠牲領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【0050】
【
図35A】一実施形態に係る、選択的にエッチングされた犠牲領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【
図35B】一実施形態に係る、選択的にエッチングされた犠牲領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【
図35C】一実施形態に係る、選択的にエッチングされた犠牲領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【0051】
【
図36A】一実施形態に係る、選択的にエッチングされた犠牲領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【
図36B】一実施形態に係る、選択的にエッチングされた犠牲領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【
図36C】一実施形態に係る、選択的にエッチングされた犠牲領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【0052】
【
図37A】複数の実施形態に係る、メサ溝及びメサ構造体のアレイの形成を含むLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【
図37B】複数の実施形態に係る、メサ溝及びメサ構造体のアレイの形成を含むLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【
図37C】複数の実施形態に係る、メサ溝及びメサ構造体のアレイの形成を含むLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【
図37D】複数の実施形態に係る、メサ溝及びメサ構造体のアレイの形成を含むLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【
図37E】複数の実施形態に係る、メサ溝及びメサ構造体のアレイの形成を含むLEDの形成方法の概略側断面図である。
 
【0053】
【
図38】一実施形態に係る、バックプレーン上に一体化されたLEDの概略側断面図である。
 
【0054】
【
図39】一実施形態に係る、ディスプレイシステムの概略図である。
 
 
【発明を実施するための形態】
【0055】
  実施形態は、LED、及びLEDの側壁において非発光性再結合を低減するための様々な構造的構成を有するLEDの形成方法を記載する。具体的には、実施形態は、マイクロLED、及びLEDの側壁において非発光性再結合を低減するための様々な構造的構成を有するマイクロLEDの形成方法を記載する。複数の実施形態によれば、マイクロLEDは、無機半導体ベースの材料から形成されており、LED横寸法がキャリア拡散長に近づく1〜300μm、1〜100μm、1〜20μm、又はより具体的には5μmなどの1〜10μmの側壁の間の最大横寸法を有することがある。
 
【0056】
  側壁は、発光性LED、特にマイクロLEDにとって、注入キャリアに対する非発光性再結合のシンクになり得ることが観察されている。このことは、不満足な接合、化学的汚染、及び構造上の損傷(特にドライエッチングした場合)によって特徴づけられた側壁が原因の場合がある。注入キャリアは、これらの欠陥に関連する状態で非発光的に再結合する。よって、LEDの外周は光学的に無効となることがあり、LEDの全体的な効率が低下する。この非発光性再結合はまた、表面でバンドが曲がった結果として生じることがあり、このことで電子と正孔が非発光的に結合するまで閉じ込められる状態の密度が生じる。側壁表面効果が生じる特徴的な距離はキャリア拡散長に関係し、これは複数の実施形態によるいくつかの適用では典型的に1〜10μmであり得る。よって、効率の低下は、LED横寸法がキャリア拡散長に近づくマイクロLEDにおいて特に深刻である。
 
【0057】
  かかる非発光性再結合は、特に、電流が欠陥を飽和させることができない特性内部量子効率(IQE)曲線のプレドループ領域にてLEDが低電流密度で駆動される場合、LEDデバイス効率に著しい影響を与える可能性がある。複数の実施形態によれば、側壁の表面改質、電流閉じ込め構造、及びそれらの組み合わせは、活性層の外側又は側面の近傍での非発光性再結合の量を減少させることができ、LEDデバイスの効率を上昇させることができると記載されている。
 
【0058】
  一態様では、実施形態は、ドープされた閉じ込め領域(例えば、p型にドープされた)を含むLED構造体を記載し、この閉じ込め領域は、LED本体の側壁、及びドープされたクラッド層(例えば、p型にドープされた)を含むピラー構造体が突出する下部バリア層の底面にわたるドーパント(例えば、Mg、Zn)濃縮部を含む。したがって、実施形態は、LED表面へのキャリア拡散を低減するためのLED本体側壁の表面改質と、電流注入領域を内部に閉じ込めるためのピラー構造体とを組み合わせるLED構成を記載する。これは、潜在的に、1)側壁表面へのキャリア拡散を低減し、2)フェルミ準位ピン留め効果を遮蔽し、及び/又は3)LED側壁表面へのキャリアドリフトを低減することができる。
 
【0059】
  別の態様では、実施形態は、変調ドーピングプロファイル(例えば、n+、n−)を、ドープされた(例えば、n型)クラッド層内に組み込むLED構造体を記載する。一実施形態では、反対のドーパント型のドーパント(例えば、Znなどのp型ドーパント)が、LED構造体の側壁に拡散される。p型ドーパントがn型クラッド層内で変調n型ドーピングプロファイルに重なり合うnp超格子が形成される。np超格子内に結果として生じるn型及びp型層の厚さ、成長した状態のn型ドーピングプロファイル、及び拡散されたp型ドーパントの濃度を適切に調整することにより、拡張された電流ブロック構造体をLED側壁に沿って形成することができる。np超格子内の背面pn接合(すなわち、拡張された空乏領域)を用いて、1)なんらかの電流閉じ込めを実現し、2)p型ドーパント拡散によって形成された寄生pn接合に関連する漏洩電流を最小化し、3)LED側壁での非発光性再結合を最小化し、及び/又は4)n型接触電極に対する位置調整許容誤差を緩和することができる。
 
【0060】
  別の態様では、実施形態は、選択的にエッチングされたクラッド層を含むLED構造体を記載する。一実施形態では、選択的にエッチングされたクラッド層は、活性層への浅いドーパント(例えば、Znなどのp型ドーパント)拡散のためのエントリ点を形成する。そのような実施形態では、選択的エッチングにより、より低い温度又は時間の割当量によって浅いp型ドーパント拡散を行うことができる。一実施形態では、再成長層は、活性層付近で表面が露出することに起因する表面再結合を低減するために、クラッド層の選択的エッチングの後で形成される。
 
【0061】
  別の態様では、実施形態は、LED本体内で選択的にエッチングされた活性領域又は犠牲層を含むLED構造体を記載する。選択的エッチングにより、メサ溝エッチング中に発生した損傷を除去することができ、及び/又は電流をLED本体内部に閉じ込めることができる。一実施形態では、選択的エッチングは、光電子化学(photo electro chemical)(PEC)エッチング技術を用いて実行される。
 
【0062】
  様々な実施形態では、図を参照して説明する。しかし、特定の実施形態は、これらの特定の詳細の1つ以上がなくても実行することができ、又は他の知られている方法及び構成と組み合わせて実行することができる。以下の説明では、実施形態の徹底的な理解を提供するために、特定の構成、寸法、及びプロセスなど、多数の特定の詳細について述べる。他の場合、実施形態を不必要に曖昧にしないように、よく知られている半導体プロセス及び製造技法について特に詳細には説明しない。本明細書全体にわたって、「一実施形態」への参照は、その実施形態に関連して記載する特定の特徴、構造体、構成、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたって様々な場所における「一実施形態では」という語句への言及は、必ずしも同じ実施形態を参照しているとは限らない。更に、1以上の実施形態において、任意の好適なやり方で、特定の特徴、構造体、構成、又は特性を組み合わせることができる。
 
【0063】
  本明細書で使用される用語「上部(top)」、「下部(bottom)」、「の上に(above)」、「の上に(over)」、「へと(to)」、「の間(between)」、「にわたる(spanning)」、及び「上に(on)」は、他の層に対するある層の相対位置について、言及する場合がある。ある層が別の層「の上に(above)」、「の上に(over)」、「にわたる(spanning)」、若しくは「上に(on)」あること、又は別の層「へと(to)」若しくは「接触(contact)」して接合することは、別の層と直接接触してもよく、又は1つ以上の介在層を有してもよい。層と層の「間」に位置する1つの層は、それらの層に直接接触する場合も、又は1以上の介在層を有する場合もある。更に、「上部(top)」及び「下部(bottom)」層及び表面の呼称は、互いに対する層の相対位置を指すが、この呼称は、例えば、一体化された構造体において、逆転することがある。
 
【0064】
  以下の説明では、LEDを形成するための例示的な処理シーケンス及び構造体を説明する。
図1Aには、本発明の一実施形態に係る、バルクLED基板100の側断面図が示されている。バルクLED基板100の構造体は、様々な組成物及び意図する発光スペクトルに適用可能である。例えば、バルクLED基板100は、II−VI材料、III−V窒化物材料、又はIII−Vリン化物材料を含み、様々な発光スペクトルの発光のために設計することができる。例えば、バルクLED基板100は、AlInGaP材料系又はZnMgBeSSe材料系を用いて製造することができる。特定の実施形態では、バルクLED基板100は、AlInGaP材料系に基づき、赤色発光のために設計される。例えば、バルクLED基板100は、625nmなどの、600nm〜750nmの間のピーク発光波長のために設計することができる。したがって、AlInGaP材料系に関して、以下の構造体を説明するが、この例示的な構造体は、異なる材料系に基づくLED用に使用することができる。
 
【0065】
  一実施形態では、バルクLED基板100の形成は、例えば、250〜1000μmの厚さを有するGaAs成長用基板などの成長用基板101上にデバイス層117を形成することから始まる。成長用基板101は、任意選択的に、例えば、シリコン(Si)又はテルル(Te)などのn型ドーパントでドープすることができる。次に、有機金属化学気相成長(metal organic chemical vapor deposition)(MOCVD)などの好適な技術を使用して、デバイス層117の層102〜114を成長用基板101上に成長させることができる。図に示すように、n型接触層102を、任意選択的に、例えば0.1〜1.0μmの厚さに成長用基板101上で成長させる。一実施形態では、n型接触層102は、ドーパント濃度が0.5〜4×10
18cm
−3であるSi又はTeを有するAlInGaPから形成される。n型接触層102は、すべてのLED適用に対して存在する必要はない。次に、n型クラッド層104を、例えば0.05〜0.5μmの厚さに、任意選択のn型接触層102上で成長させる。n型クラッド層104は、AlInP、AlGaInP、及びAlGaAsなどの材料から形成することができる。一実施形態では、n型クラッド層104は、ドーパント濃度が1×10
18cm
−3であるSiを有するAlInPから形成される。次に、n側(上部)バリア層106を、例えば0.05〜0.5μmの厚さに、n型クラッド層104上で成長させる。n側バリア層106は、AlInP、AlGaInP、及びAlGaAsなどの材料から形成することができる。一実施形態では、n側バリア層106は、AlInGaPから形成され、成長中に意図せずにドープされる。一実施形態では、n側バリア層106は、勾配組成を有さない(例えば、アルミニウム含有率が一定である)。次に、活性領域108を、n側バリア層106上で成長させる。活性領域108は、1つ以上の量子井戸(quantum well)(QW)層又はバルク活性層を含むことができる。
図1Bに示す実施形態では、1つ以上の量子井戸層108A又はバルク活性層は、InGaP又はAlInGaPから形成され、周囲のバリア層と同じ合金(例えば、AlInGaP)のスペーサ層108Bによって分離されている。次に、p側(下部)バリア層110を、任意選択的に、例えば0.05〜0.5μm、又はより具体的には約100nmの厚さに、活性層108上で成長させる。P側バリア層110は、AlInP、AlGaInP、及びAlGaAsなどの材料から形成することができる。一実施形態では、p側バリア層110は、AlInGaPから形成され、成長中に意図せずにドープされる。次に、p型(下部)クラッド層112を、p側バリア層110上で形成することができる。p型クラッド層112は、AlInP、AlGaInP、及びAlGaAsなどの材料から形成することができる。一実施形態では、p型クラッド層112は、ドーパント濃度が5×10
17cm
−3〜1.5×10
18cm
−3であるMgを有するAlInPから形成される。一実施形態では、p型クラッド層112は、実質的に均一なp型ドーパント濃度を有することができ、これは、周囲の層との拡散による濃度勾配よりも小さい。る。一実施形態では、p型ドーパント濃度は、均一ではない。例えば、ドーピングは、例えば100〜200nmの特定のセットバック距離を置いた後、p型クラッド層112内で開始することができる。次に、p型接触層114を、任意選択的に、例えば0.1〜50.0μmの厚さに、LEDがより薄い場合には例えば、0.1〜1.5μmに、p型クラッド層112上で成長させる。一実施形態では、任意選択のp型接触層114は、ドーパント濃度が例えば1×10
18cm
−3〜1×10
19cm
−3であるMg、Zn、又はCを有するGaP又はGaAsから形成される。
 
【0066】
  複数の実施形態によれば、バリア層106、110は、活性層108内の1つ以上の量子井戸層に対して大きな伝導帯オフセットを有する材料から形成することができる。この態様では、量子井戸に対する最大伝導帯オフセットは、量子井戸に電子を閉じ込める。複数の実施形態によれば、ドープされたクラッド層104、112は、注入されたキャリアを閉じ込めるために、高いバンドギャップを有するように選択することができる。例えば、ドープされたクラッド層104、112は、隣接するバリア層よりも高いバンドギャップエネルギを有することができる。一実施形態では、バリア層106、110は、(Al
xGa
1−x)
0.5In
0.5P合金(式中、0.5≦x≦0.8、例えば0.2≦x≦0.8)である。一実施形態では、ドープされたクラッド層104、112は、(Al
xGa
1−x)
0.5In
0.5P合金(式中、0.6≦x≦1.0)である。
 
【0067】
  図2には、一実施形態に係る、ピラー構造体及び表面ドーピングを含むLEDの形成方法のフローチャートが示されている。明瞭にするために、
図2の以下の説明は、本明細書で説明する他の図面に見出される参考の特徴に関して説明する。作業2010で、バルクLED基板100のデバイス層117内に、メサ構造体130のアレイを形成する。作業2020で、メサ構造体130のアレイ上に、ピラー構造体140のアレイが形成される。作業2030で、メサ構造体130のアレイ及び横方向に隣接するメサ構造体の間にあるデバイス層の露出表面にドーパントを注入又は拡散し、閉じ込め領域150を形成する。いくつかの実施形態では、ピラー構造体140のエッチング中に使用されるマスクは、引き続き、作業2030での注入又は拡散中に使用することができる。複数の実施形態によれば、作業2010と2020の順序は、入れ替えることができる。
 
【0068】
  複数の実施形態によれば、閉じ込め領域150のドーパント濃度プロファイルの位置は、LED側壁から侵入する、又はピラー構造体の側壁の上に横方向に侵入するとして説明される。上部導電性接触部はまた、閉じ込め領域のドーパント濃度プロファイルの直上であるとして説明される。注入又は拡散に起因するドーパント濃度プロファイルは、潜在的に、LEDの動作に影響を及ぼすものから影響の無視できるものまでに及び、広範囲のドーパントプロファイルをカバーすることができることを理解されたい。したがって、複数の実施形態によれば、閉じ込め領域150の縁部は、相対的クラッド層104、112の公称イン・シトゥードーパント濃度、又は変調クラッド層内のn型ドーパント濃度に近似する又はこれを上回る濃度のようなドーパント濃度閾値量によって特徴付けることができる。例示的な実施形態では、1×10
17cm
−3のドーパント濃度は、相対的クラッド層104、112のイン・シトゥードーパント濃度に近似することができる。例示的な実施形態では、1×10
18cm
−3より大きなドーパント濃度は、相対的クラッド層104、112のイン・シツゥードーパント濃度を上回ることができる。例示的な実施形態では、5×10
17cm
−3より大きなドーパント濃度は、変調クラッド層内のイン・シトゥーn型ドーパント濃度を上回ることができる。
 
【0069】
  図3は、一実施形態に係る、デバイス層内に形成されたメサ溝120及びメサ構造体130のアレイの概略側断面図である。例示した特定の実施形態では、接触層114、102は、別個に図示されていない。しかし、接触層114、102は、
図1Aに関連して説明したのと同様に存在することができる。
図3〜
図15の以下の説明では、クラッド層112の処理は、接触層114(別個に示さない)の類似の処理を含むことができ、クラッド層104の処理は、接触層102(別個に示さない)の類似の処理を含むことができる。したがって、クラッド層112の処理は、ドープされた(例えば、p型にドープされた)クラッド層112及びドープされた(例えば、p型にドープされた)接触層114の処理を代表することができる。同様に、クラッド層104の処理は、ドープされた(例えば、n型にドープされた)クラッド層104及びドープされた(例えば、n型にドープされた)接触層102の処理を代表することができる。
図3に示す特定の実施形態では、メサ溝120は、クラッド層104を少なくとも部分的に通って形成される。一実施形態では、メサ溝120は、クラッド層104を貫通して接触層102に入り込むように(又はその上で停止するように)形成することができる。あるいは、溝は、接触層102を完全に貫通して形成することができる。以下の説明でより明らかになるように、メサ溝120の幅及び深さは、形成されることになるLED本体132(
図12A〜
図15を参照)の寸法を少なくとも部分的に決定する。
 
【0070】
  エッチングは、ウェットエッチング又はドライエッチング技術などの好適な技術を用いて形成することができる。一実施形態では、メサ溝120は、最初の部分的なドライエッチングによって形成され、次にウエハがMOCVDチャンバに移送され、メサ溝120のエッチングを完了する。このようにして、最終的にエッチングされた表面はMOCVDチャンバ内でエッチングすることで調節され、ドライエッチング作業中に形成された物理的損傷はMOCVDチャンバ内での化学エッチングによって取り除かれる。用いることのできる例示的なドライエッチング法としては、反応性イオンエッチング(reactive ion etching)(RIE)、電子サイクロトロン共鳴(electro-cyclotron resonance)(ECR)、誘導結合プラズマ反応性イオンエッチング(inductively coupled plasma reactive ion etching)(ICP−RIE)、及び化学アシストイオンビームエッチング(chemically assisted ion-beam etching)(CAIBE)が挙げられる。ドライエッチング化学物質は、Cl
2、BCl
3、又はSiCl
4などの化学種を含むハロゲンベースであってもよい。MOCVDチャンバ内のエッチング化学反応は、付加的に、400℃〜700℃などの高温であってもよい。具体的なエッチング化学物質は、腐食性エッチング剤とグループV元素を安定化させ、高いエッチング温度で別途発生し得る分解を抑制するグループV分解抑制剤との組み合わせを含んでもよい。一実施形態では、エッチング用化学物質は、HCl又はCl
2などの腐食性エッチング剤、及びPH
3などのグループV分解抑制剤を含む。一実施形態では、エッチング化学物質は、HCl、Cl
2、若しくはH
2(又はそれらの組み合わせ)等の腐食性エッチング剤、及びNH
3などのグループV分解抑制剤を含む。
 
【0071】
  一実施形態では、
図4に示すように、メサ構造体130のアレイ上にピラー構造体140のアレイが形成される。ピラー構造体140の幅は、LEDデバイス内の電流密度を増大する能力、並びにLEDデバイス内部に電流を閉じ込め、非発光性再結合が生じ得る外側側壁から離しておく能力を、少なくとも部分的に決定することができる。いくつかの実施形態では、ピラー構造体140は、1〜10μm、例えば2.5μm、の幅又は直径を有する。ピラー構造体140は、メサ溝120に使用されるのと同様なエッチング技術を使用して形成することができる。一実施形態では、マスク層142を使用して、ピラー構造体140をパターン化する。マスク層142は、高温及び腐食性エッチング化学物質に耐えられるSiO
2などの誘電材料で形成されてもよい。
 
【0072】
  図5A〜5Bに示すように、メサ構造体130のアレイ及び横方向に隣接するメサ構造体の間にあるデバイス層の露出表面にドーパントを注入又は拡散し、閉じ込め領域150を形成する。
図5Aに示す実施形態では、閉じ込め領域150は、ドーピングプロファイルの垂直深さがメサ構造体130の上面(LED本体132の底面133になることになる)から延びて活性層108に到達する前に停止する浅い表面ドーピングプロファイルを有する。したがって、浅いドーピングプロファイルは、バリア層110内で停止することができる。一実施形態では、バリア層110は、意図せずにドープされた層であり、閉じ込め領域150からのドーピングが少ない。
図5Bに示す実施形態では、閉じ込め領域150は、ドーピングプロファイルの垂直深さがメサ構造体130の上面(LED本体132の底面133になることになる)から活性領域層108を貫通して延びる深い表面ドーピングプロファイルを有する。一実施形態では、ドーピングプロファイルの垂直深さは、バリア層106内で停止する。一実施形態では、バリア層110、106は、意図せずにドープされた層であり、閉じ込め領域150からのドーピングが少ない。特定の実施形態では、閉じ込め領域150のドーパントは、Zn(p型ドーパント)である。
 
【0073】
  複数の実施形態によれば、閉じ込め領域150のドーピングは、n型又はp型とすることができる。一実施形態では、高いドーピング濃度及び低い移動度を引き起こす元素が用いられる。例えば、このことは、アクセプタ又はドナーの局在化が相対的に大きい(例えば、100meVのオーダーの)場合に得ることができる。複数の実施形態によれば、比較的に深いアクセプタレベルに起因する閉じ込め領域150の低い移動度は、大きな電流漏洩を抑制する。結果として、少数のキャリア(例えば、電子)のみが、LED表面に到達することができ、ゆえに、非発光性表面再結合を低減することができる。LED表面付近のp型ドーピングは、付加的に、p型ドーパント濃度が1×10
18cm
−3より大きい場合にフェルミ準位ピン留めを遮蔽することができる。
 
【0074】
  図5Cに示すように、一実施形態では、溝のアレイ及び上部基体160がデバイス層内に形成される。
図5Cに示す特定の実施形態では、溝166は、閉じ込め領域150の(浅い又は深い)ドーピングプロファイルを越えて延びることができる。例えば、
図12B及び
図13Bに示すように、これは、LEDの上部基体160の側壁161に沿ったパッシベーション層170の形成を支援することができる。
 
【0075】
  図6は、一実施形態に係る、ピラー構造体140及びメサ構造体130のアレイの上に任意選択的に形成されたパターン化したパッシベーション層170の概略側断面図である。
図6のパターン化したパッシベーション層170は、
図5Bに示すパターン化したLED基板の上に形成されるが、実施形態は、それに限定されず、パターン化したパッシベーション層170は、
図5A及び
図5Cに示すものを含む様々な構造体の上に形成することができる。明瞭にするために、かつ実施形態を不明瞭にしないために、
図5A又は
図5Cに示す構造体上にパターン化したパッシベーション層170を形成する個別の処理シーケンスは図示しない。
 
【0076】
  一実施形態では、パッシベーション層170は、酸化物又は窒化物などの電気的絶縁材料から形成される。一実施形態では、パッシベーション層170は、約50オングストローム〜3000オングストロームの厚さのAl
2O
3であり、原子層堆積(atomic layer deposition)(ALD)などの高品質薄膜堆積処理を使用して形成することができる。以下の説明で明らかになるであろうように、高品質薄膜は、犠牲剥離層のエッチング作業中に、パッシベーション層170の完全性を保護することができる。開口部172をピラー構造体140の上に形成して、接触層114又はクラッド層112の(底)面などの、ピラー構造体140の(底)面143を露出させることができる。
 
【0077】
  図7に示すように、ピラー構造体140のアレイの底面143上に、下部導電性接触部180のアレイを形成する。任意選択のパッシベーション層170の側壁が存在する場合、下部導電性接触部180は、ピラー構造体の底面143上であって、かつ開口部172内に形成することができる。任意選択のパッシベーション層170は、付加的に、導電性接触部180と、LED本体132になるメサ構造体130等のLEDの他のエリアとの間の短絡を防止することができる。下部導電性接触部180は、複数の積層体を含んでもよい。例示的な層としては、電極層(例えば、接触層114とオーム接触するための)、ミラー層(例えば、ニッケル又は銀)、接着/バリア層(例えば、チタン)、拡散バリア(例えば、プラチナ)、及び完成したLEDを受け入れ基板に接合するための接合層(金などの)を挙げることができる。
 
【0078】
  下部導電性接触部180の形成に続いて、
図8に示すように、パターン化したデバイス層の上に犠牲剥離層190を形成することができる。犠牲剥離層190をパターン化して、下部導電性接触部180の上に開口部192を形成することができる。犠牲剥離層190は、酸化物(例えば、SiO
2)又は窒化物(例えば、SiN
x)から形成することができるが、他の層に対して選択的に除去可能な他の材料を用いてもよい。開口部192の高さ、幅、及び長さは、形成される安定化支柱の高さ、長さ、及び幅に対応し、結果的に生じる接着強度は、安定化支柱のアレイ上でピックアップの態勢にあるLED(例えば、マイクロLED)のアレイのピックアップに耐えなければならない。
 
【0079】
  図9に示すように、成長用基板101の上のパターン化された構造は、キャリア基板220に接着性接合材料を用いて接合されて、安定化層210を形成する。一実施形態では、接着性接合材料は、ベンゾシクロブテン(BCB)又はエポキシなどの熱硬化性材料である。開口部192を充填する安定化材料の部分は、安定化層210の安定化支柱212に相当し、メサ溝(及び任意選択的に基体溝)を充填する安定化材料の部分は、安定化層210の安定化穴側壁214となる。
 
【0080】
  キャリア基板220に接合した後で、成長用基板101をレーザーリフトオフ、エッチング、又は研削などの好適な技術を用いて除去し、デバイス層117を露出してもよい。次に、個別のメサ構造130を接続する(n型にドープされた)クラッド層104又は(n型にドープされた)接触層102の何れかの残余部分をエッチング又は研削を使用して除去し、横方向に別個のpnダイオードを形成してもよい。
図10に示す実施形態では、溝194が、デバイス層117を貫通してエッチングされ、犠牲剥離層190を露出させている。溝194の形成は、まだ形成されていない場合には、結果として上部基体160の形成となる。
図11に示す実施形態では、デバイス層117(例えば、接触層102及び/又はクラッド層104)の厚さは、均一に低減されて、犠牲剥離層190を露出させる。
図11に示す実施形態では、この厚さの低減により、結果として上部基体160を有さないLEDが得られる。溝166が予め形成されている代替の実施形態(例えば、
図5C)では、均一な厚さの低減により、結果として上部基体160を有するLEDが得られる。
 
【0081】
  上部導電性接触部182は、横方向に別個のそれぞれのpnダイオードの上に形成することができ、安定化支柱212によって支持され、かつ犠牲剥離層190内に埋め込まれたLED195が結果として得られる。受け入れ基板への転写の準備が出来たら、犠牲剥離層190は、例えば、蒸気HF剥離作業で、選択的に除去することができる。次に、LED195は、例えば、静電転写ヘッドアレイを含む静電転写ヘッドアセンブリによるピックアップ及び受け入れ基板への転写の態勢を整えることができる。
 
【0082】
  図12A〜
図15は、閉じ込め領域150、ドーパントプロファイル、パッシベーション層170、及び存在する上部基体160構造体の可能な組み合わせを含む、複数の実施形態により得ることができる様々なLED構造体を表す。図示した実施形態では、LED195の構成のそれぞれは、ピラー構造体140と、LEDの側壁に沿って存在するドープされた電流閉じ込め領域150とを含む。より具体的には、
図12A〜
図15に示すそれぞれの実施形態は、LED本体132を含み、このLED本体は、第1のドーパント型(例えば、n型)でドープされた上部クラッド層104と、上部クラッド層104の下の活性層108と、活性層108の下の下部バリア層110と、を含む。ピラー構造体140は、下部バリア層110の底面などの、LED本体132の底面133から突出する。ピラー構造体140は、第1のドーパント型(例えば、n型)とは反対の第2のドーパント型(例えば、p型)でドープされた下部クラッド層112を含む。あるいは、ドーパント型は、入れ替えることができる。ドーパント濃縮部を含む閉じ込め領域150は、LED本体132の側壁135、及びLED本体132の底面133(例えば、下部バリア層110の底面)にわたる。複数の実施形態によれば、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、第2のドーパント型(例えば、Mg、Znなどのp型)から形成され、LED本体の側壁135からLED195の中心縦軸199に向かって、かつLED本体132の底面133(例えば、下部バリア層110の底面)から活性層108に向かって侵入する。図示のように、ドーパント濃縮部はまた、下部バリア層110内のピラー構造体140の側壁141の上でLED195の中心縦軸199に向かって横方向に(かつ直接)侵入する。
 
【0083】
  図示した実施形態のそれぞれでは、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、活性層108及び上部クラッド層104におけるよりも、下部バリア層110内においてLED195の中心縦軸199に向かって更に侵入する。例えば、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、Z字形状(例えば、
図12A〜12B、
図13A〜13B)又はL字形状(例えば、
図14〜
図15)として特徴付けることができる。Z字形状は、L字形状を含むことができる。
 
【0084】
  共形のパッシベーション層170は、任意選択的に、LED本体132の側壁135、ピラー構造体140の側壁141、及びピラー構造体140の底面143の上に形成することができ、これらにわたることができる。開口部172を、ピラー構造体の底面143上の共形のパッシベーション層170内に形成することができ、下部導電性接触部180を、ピラー構造体140の底面143上であって、かつ共形のパッシベーション層170の開口部172内に形成することができる。
 
【0085】
  図12A〜12B、及び
図13A〜13Bに示すように、いくつかの実施形態では、LED195は、上部基体160を含み、LED本体132は、上部基体160の底面163から突出する。図示のように、LED本体132の底面133が底面133から突出するピラー構造体140より幅広であるのと同様に、上部基体160の底面163は、LED本体132より幅広である。一実施形態では、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、上部基体の底面163にわたり、上部基体160の上面165に向かって侵入する。閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、上部基体160の上面165に至るまで完全に侵入しなくてもよい。上部導電性接触部182は、上部基体160の上面165上に形成することができ、下部導電性接触部180は、ピラー構造体140の底面143上に形成することができる。
 
【0086】
  図12A〜12Bに示すように、
図5Bに関連して上述したように、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、ドーピングプロファイルの垂直深さがLED本体132の底面133から活性領域層108を貫通して延びる深い表面ドーピングプロファイルを有することができる。一実施形態では、ドーピングプロファイルの垂直深さは、バリア層106内で停止する。一実施形態では、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、上部クラッド層104におけるよりも、下部バリア層110及び活性層108内においてLED195の中心縦軸199に向かって更に侵入する。一実施形態では、バリア層110、106は、意図せずにドープされた層であり、閉じ込め領域150からのドーピングが少ない。特定の実施形態では、閉じ込め領域150のドーパントは、Zn(p型ドーパント)である。
 
【0087】
  図13A〜13Bに示すように、
図5Aに関連して上述したように、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、ドーピングプロファイルの垂直深さがLED本体132の底面133から延びて活性領域層108に到達する前に停止する浅い表面ドーピングプロファイルを有することができる。したがって、浅いドーピングプロファイルは、バリア層110内で停止することができる。一実施形態では、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、活性層108及び上部クラッド層104におけるよりも、下部バリア層110内においてLED195の中心縦軸199に向かって更に侵入する。一実施形態では、バリア層110は、意図せずにドープされた層であり、閉じ込め領域150からのドーピングが少ない。特定の実施形態では、閉じ込め領域150のドーパントは、Zn(p型ドーパント)である。
 
【0088】
  図12A及び
図13Aに示す実施形態に示すように、共形のパッシベーション層170の側壁は、ピラー構造体140の底面143、LED本体132の側壁135、及び上部基体160の底面163に沿ってわたるように図示されている。
図12B及び
図13Bに示すように、共形のパッシベーション層170の側壁は、上部基体160の側壁161にもわたるように、付加的に図示されている。構造的構成の相違は、いつ上部基体160が形成されるかに起因し得る。例えば、
図12A及び
図13Aの上部基体160は、
図10に関連して上述したように、パッシベーション層170の側壁の形成及びキャリア基板220への接合の後で形成してもよい。
図12B及び
図13Bの上部基体160は、
図5Cに関連して上述したように、パッシベーション層170の側壁の形成前に形成しておいてもよい。
 
【0089】
  上部基体160の形成により、上部導電性接触部182位置調整許容誤差を緩和することができる。例えば、
図12A〜12B及び
図13A〜13Bに示す実施形態では、上部基体160の上面165の面積は、LED本体132及びピラー構造体140の面積より大きい。加えて、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、上部基体160の上面165まで延びなくてもよい。上部基体160がn型にドープされ、ピラー構造体140がp型にドープされ、閉じ込め領域150がp型にドープされた実施形態では、閉じ込め領域150と上部導電性接触部182との間の垂直分離は、LED側壁に沿ったp型にドープされたシャント経路を防止するように機能することができる。
 
【0090】
  図14〜
図15には、LED195が上部基体層160を含まない実施形態が示されている。
図14に示す実施形態では、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、上述したように、深い表面ドーピングプロファイルを有する。
図15に示す実施形態では、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、上述したように、浅い表面ドーピングプロファイルを有する。
図14〜
図15に示す特定の実施形態では、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、LED本体132の上面137にまで延びることができる。図示した実施形態では、上部導電性接触部182は、閉じ込め領域150の上に直接形成されていない。
 
【0091】
  いくつかの実施形態では、閉じ込め領域のドーピングプロファイルは、メサ構造体を形成する前に、ウエハレベルで形成される。
図16は、一実施形態に係る、ウエハレベルのドーピングを含むLEDの形成方法を示すフローチャートである。明瞭にするために、
図16の以下の説明は、本明細書で説明する他の図面に見出される参考の特徴に関して説明する。作業1610で、デバイス層117内に、ドーパントウェル158のアレイを形成する。それぞれのドーパントウェル158は、任意選択的に、変調ドーピングを有するクラッド層104内に延びることができる。作業1620で、デバイス層内のドーパントウェル158のアレイ内にメサ溝120のアレイを形成し、これによりメサ構造体130の側壁131に沿った閉じ込め領域150を含むメサ構造体130のアレイを形成する。一実施形態では、閉じ込め領域150は、変調ドーピングを有するクラッド層104に重なり合い、np超格子159を形成する。
 
【0092】
  図17には、一実施形態に係る、バルクLED基板100の概略側断面図が示されている。
図17に示すバルクLED基板100は、
図1Aに関連して例示して説明したバルクLED基板と実質的に同様なものとすることができる。接触層102、114は、別個に示されていないが、上述したのと同様に存在することができる。
図18は、一実施形態に係る、変調ドーピングを有するクラッド層104を含む、バルクLED基板の概略側断面図である。
図18に示すバルクLED基板100は、
図17に関連して例示して説明したバルクLED基板100と実質的に同様なものとすることができるが、クラッド層104が変調ドーピングを有するという1つの差異がある。接触層102、114は、別個に示されていないが、上述したのと同様に存在することができる。
 
【0093】
  図19A〜19Bは、実施形態に係る、バルクLED基板内に形成されたドーパントウェル158の概略側断面図である。
図19Aに示す実施形態では、ドーパントウェル158は、クラッド層104内に延びてその中で終端する。
図19Bに示す実施形態では、ドーパントウェル158は、クラッド層104を貫通して延びる。ドーパントウェル158は、注入、固体ソース拡散、又は蒸気拡散などの技術を使用して形成することができる。一実施形態では、ドーパントウェル158は、p型であり、Zn又はMgなどのドーパントのドーパントプロファイルを含む。以下の説明で明らかになるように、ドーパントウェル158は、pn接合と置き換えることができる。
 
【0094】
  図19A〜19Bに示す特定の実施形態では、クラッド層104は、変調ドーピングを含む。いくつかの実施形態では、クラッド層104は、
図17に関連して上述したクラッド層104と同様である。
図19Cには、一実施形態に係る、np超格子159の詳細概略側断面図が記載されており、ここでは、ドーパントウェル158が変調ドーピングを有するクラッド層104に重なっている。図示した特定の実施形態では、クラッド層104は、高い値(例えば、n+)と低い値(例えば、n−)との間の変調n型ドーピングを含む。一実施形態では、高い値(例えば、n+)は、ドーパントウェル158の拡散(例えば、Zn拡散)の後でもn型のままであるように十分高く選択されており、その結果、その領域はZnによって完全には補償されない。一方、低い値(例えば、n−)は、ドーパントウェル158の拡散(例えば、Zn拡散)によってp型に変換されるように選択されている。例えば、ドーパントウェル158が約1×10
18cm
−3のドーパント濃度(例えば、Zn)を含む場合、n+型領域は、2×10
18cm
−3以上のようなこれを上回るレベルで、かつ再現性を保証するのに十分に大きな余裕をもってドープすることができる。同様に、n−型領域は、5×10
17cm
−3のような、ドーパントウェル158の(Zn)濃度よりも小さいドナー濃度を有することができる。一実施形態では、これらの例示的なドナー濃度において、Zn拡散は、n−型領域をp型に変換し、一方n+型領域は、n型のままであり、np超格子159が形成される。
 
【0095】
  図20A〜20Bは、複数の実施形態に係る、デバイス層内に形成されたメサ溝120及びメサ構造体130のアレイの概略側断面図である。図に示すように、メサ溝120は、ドーパントウェルを貫通して形成することができ、結果として、メサ構造体130の側壁131に沿った閉じ込め領域150が得られる。複数の実施形態によれば、メサ構造体130は、LED本体132となり、メサ構造体の側壁131は、LED本体132の側壁135となる。
図20Aに示す実施形態では、メサ溝120は、ドーパントウェルの下に垂直に形成することができ、結果として閉じ込め領域150が生じる。
図20Bに示す実施形態では、メサ溝120は、クラッド層104を完全に貫通して形成することができる。
 
【0096】
  メサ構造体130の形成に続いて、
図20A〜20Bのパターン化したバルクLED基板は、
図6〜
図11に関連して例示して上述したのと同様に処理して、ピックアップ及び受け入れ基板への転写の態勢が整ったLED195のアレイを形成することができる。
図21A〜21Bは、複数の実施形態に係る、ドープされた側壁を含むLED195の概略側断面図である。具体的には、
図21A〜21Bに示すLED195は、
図17に示すバルクLED基板100を用いて形成することができる。
図22A〜22Bは、複数の実施形態に係る、LED側壁に沿ったnp超格子159を含むLED195の概略側断面図である。具体的には、
図22A〜22Bに示すLED195は、
図18に示すバルクLED基板100を用いて形成することができる。
 
【0097】
  図示したように、LED195は、LED本体132を含み、このLED本体は、第1のドーパント型(例えば、n型)でドープされた上部クラッド層104と、上部クラッド層104の下の活性層108と、活性層108の下の下部クラッド層112と、を含む。下部クラッド層112は、第1のドーパント型とは反対の第2のドーパント型(例えば、p型)でドープすることができる。ドーパント濃縮部(例えば、Mg又はZnなどのp型ドーパント)を含む閉じ込め領域150は、上部クラッド層104の側壁105、活性層108の側壁109、及び下部クラッド層112の側壁113にわたり、このドーパント濃縮部は、側壁105、109、113からLED195の中心縦軸199に向かって侵入する。一実施形態では、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、上部クラッド層104の上面にまで延びない。
図21Aに示す実施形態では、上部クラッド層104の側壁105に、pn接合が存在することができる。そのような構成では、閉じ込め領域150の上に直接形成することができる上部導電性接触部182に対する位置調整許容誤差が緩和される。
図21Bに示す実施形態では、LED本体132の上面137に、pn接合が存在することができる。そのような実施形態では、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、LED本体132の上面137まで延びることができる。図示した実施形態では、上部導電性接触部182は、LED本体132の側壁に沿ったシャント経路の形成を回避するために、閉じ込め領域150の上に直接形成されない。
 
【0098】
  既存のLEDでは、pn接合は、活性層を横切って活性層/LEDの側壁に横方向に延びる。表面での不十分な接合及び/又は結晶損傷に関連するミッドギャップの電子状態が非発光性再結合及びダイオード漏洩電流の原因となり得ることが観察されている。複数の実施形態によれば、LEDの側壁に隣接する閉じ込め領域150は、非発光性再結合を抑制する。
図21A〜
図22Bに示す実施形態では、閉じ込め領域150のドーパント(例えば、Zn)濃縮部は、n型材料をp型に変換し、活性領域ではpn接合が活性層から変位されている。
図21Aに示す実施形態では、pn接合は、クラッド層104内にシフトされている。
図21Bに示す実施形態では、pn接合は、LED本体132の上面137にシフトされている。露出したpn接合のLED側壁での不十分な接合及び/又は結晶損傷に関連するミッドギャップの電子状態は、依然として
図21A〜21Bの露出したpn接合での非発光性表面再結合及びダイオード漏洩電流の原因であり得る。
 
【0099】
  図22A〜22Bに示す特定の実施形態では、上部クラッド層104は、変調ドーピングを含む。例えば、上部クラッド層104は、交互に互いの上に繰り返すn−型領域及びn+型領域を含むことができる。一実施形態では、n−型領域は、このn−型領域に重なり合う閉じ込め領域150の部分のp型ドーパント濃度よりも小さいn型ドーパント濃度を有する。一実施形態では、このn+型領域は、n+型領域に重なり合う閉じ込め領域150の部分のp型ドーパント濃度よりも大きなn型ドーパント濃度を有する。
 
【0100】
  np超格子159にいくつかの条件を適用することができる。1)一実施形態では、p型及びn型層の両方は、背面pn接合によって自由キャリアが完全に欠乏している。この場合、それぞれの層のドーピング及び厚さは、隣接する層から空乏を完全に吸収するには不十分である。np超格子159では、自由キャリアが欠乏してくる。2)一実施形態では、np超格子159内の層のうちの一方又は両方が欠乏しており、第2の型は欠乏していない。この場合、層のうちの一方は、隣接する層から空乏を吸収するのに十分に厚くない。第2の層の型に対して、厚さは、空乏を吸収するのに十分であり、したがって自由キャリアが第2の層の型内に存在するようになる。3)一実施形態では、両方の層が欠乏していない、すなわち、それぞれが空乏を吸収するのに十分厚い。この場合、np超格子159の交互のnp接合は、電流を遮断するように機能する。
 
【0101】
  したがって、変調ドーピング構造体は、LED側壁のキャリア濃度プロファイルを変更することができる。LED側壁に沿って存在する拡張された空乏領域又は背面pn接合を用いて、1)電気的に注入される領域のサイズを調整することができ、すなわち、なんらかの電流閉じ込めを実現することができ、2)閉じ込め領域150によって形成された、露出した寄生pn接合に関連する漏洩電流を最小化することができ、3)LED側壁での非発光性再結合を最小化することができ、4)上部導電性接触部182に対する位置調整許容誤差を緩和することができる。
 
【0102】
  図22Aに示す実施形態では、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、LED本体132の上面137にまで延びない。そのような構成では、閉じ込め領域150の上に直接形成することができる上部導電性接触部182に対する位置調整許容誤差が緩和される。
図22Bに示す実施形態では、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、任意選択的に、LED本体132の上面137にまで延びることができる。そのような実施形態では、上部導電性接触部182を、閉じ込め領域150の上に直接形成することもでき、np超格子がLED側壁に沿ったシャント経路を抑制する。いくつかの実施形態では、上部導電性接触部182は、閉じ込め領域150の上に直接形成されない。
 
【0103】
  ここまで、バルクLED基板100及びLEDは、特にAlInGaP材料系に関して説明してきたが、これに限定されない。他の実施形態では、バルクLED基板及びLEDは、例えば、青色発光(例えば、450〜495nmの波長)、緑色発光(例えば、495〜570nmの波長)系、又は藍色発光系に対応することができる。
図37A〜37Eに示すように、複数の実施形態に係る、メサ溝及びメサ構造体のアレイの形成を含むLEDの形成方法の概略側断面図が記載されている。
 
【0104】
  図37Aは、図示した層より多くの層が存在し得る、簡略化したバルクLED基板400の側断面図である。図に示すように、バルクLED基板400は、成長用基板401と、ドープされた半導体層404(例えば、n型にドープされた)と、ドープされた半導体層404上の活性領域408と、活性領域408上のドープされた半導体層412(例えば、p型にドープされた)と、を含む。例示的に、一実施形態では、バルクLED基板400は、青色又は緑色の光を発光するように設計されており、材料は窒化物ベースである。以下の青色又は緑色発光のための以下の材料の列挙は例示を意図するものであり、限定する意図はない。例えば、ドープされた半導体層404、412を形成する層は、GaN、AlGaN、InGaNを含んでもよい。活性領域408は、InGaNなどの多種多様な材料から形成されてもよいが、これらに限定されない。かかる実施形態では、好適な成長用基板401は、シリコン及びサファイアを含んでもよいが、これらに限定されない。
 
【0105】
  明瞭にするために、バルクLED基板400に関する以下の説明では、バルクLED基板100の処理に関して説明したのと同様な特徴を、同様な参照番号を使用して、例えば、参照番号100に実質的に対応する参照番号400を用いて、参照することになる。加えて、図示したバルクLED基板400は簡略化されていることが理解される。例えば、ドープされた半導体層404は、接触層、クラッド層、及び/又はバリア層などの複数の層を含むことができる。同様に、ドープされた半導体層412は、バリア層、クラッド層、及び接触層などの複数の層を含むことができる。
 
【0106】
  図37B〜37Cに示すように、下部導電性接触部480は、ドープされた半導体層412の上に形成され、その後、マスク層442の形成及びイオンの注入が続き、ドーパントウェル458のアレイが形成される。例示的なイオンとしては、Al、Mg、及びSiが挙げられるが、他の元素も好適であり得る。
 
【0107】
  ドーパントウェル458の形成に続いて、
図37Dに示すようにマスク層442を除去することができ、
図37Eに示すようにメサ溝420がドーパントウェル458を貫通して形成され、閉じ込め領域450を形成する。複数の実施形態によれば、閉じ込め領域450は、メサ溝420のエッチング(例えば、プラズマエッチング)中に発生することがある高損傷領域から電流を離しておくための電流開口として機能することができる。付加的処理の後、得られるLEDは、
図21A〜
図22Bに関連して例示して説明したものと同様とすることができる。
 
【0108】
  一実施形態では、LED構造体は、LED本体を含み、このLED本体は、第1のドーパント型(例えば、n型)でドープされたドープされた上部半導体層404と、ドープされた上部半導体層404の下の活性領域408と、第1のドーパント型とは反対の第2のドーパント型(例えば、p型)でドープされたドープされた下部半導体層412と、ドープされた上部半導体層404、活性領域408、及びドープされた下部半導体層412の側壁にわたるドーパント濃縮部を含む閉じ込め領域450と、を有し、ここでドーパント濃縮部は、ドープされた上部半導体層404、活性領域408、及びドープされた下部半導体層412の側壁からLEDの中心縦軸に向かって侵入する。一実施形態では、ドーパント濃縮部は、Al、Mg、及びSiなどのドーパントから形成される。一実施形態では、ドーパント濃縮部は、ドープされた上部半導体層404の上面にまで延びない。
 
【0109】
  一実施形態では、LEDは、ドープされた上部半導体層404の側壁上にpn接合を付加的に含む。一実施形態では、ドープされた上部半導体層404は、交互に互いの上に繰り返すn−型領域とn+型領域を交互に含む。例えば、n−型領域は、このn−型領域に重なり合うドーパント濃縮部の部分のドーパント濃度(例えば、Al、Mg、及びSi)よりも小さいn型ドーパント濃度を有することができる。一実施形態では、n+型領域は、このn+型領域に重なり合うドーパント濃縮部の部分のp型ドーパント濃度より大きなn型ドーパント濃度を有する。
 
【0110】
  図23には、一実施形態に係る、クラッド層の選択的エッチング及び浅いドーピングを含むLEDの形成方法を示すフローチャートが記載されている。明瞭にするために、
図23の以下の説明は、本明細書で説明する他の図面に見出される参考の特徴に関して説明する。作業2310で、バルクLED基板100のデバイス層117内に、メサ構造体130のアレイを形成する。作業2320で、次に、クラッド層104、112を、選択的にエッチングし、メサ構造体130内のクラッド層104、112のそれぞれの幅を低減する。作業2330で、閉じ込め領域150の浅いドーピングプロファイルを、メサ構造体130の側壁131に沿って形成する。
 
【0111】
  図24には、一実施形態に係る、デバイス層117内に形成されたメサ溝120のアレイ及びメサ構造体130のアレイの概略側断面図が示されている。
図24に示すバルクLED基板100は、
図1Aに関連して例示して説明したバルクLED基板と実質的に同様なものとすることができる。図示した特定の実施形態では、メサ溝120は、接触層102の上又はその中で停止する。別の実施形態では、メサ溝120は、接触層102を貫通して形成することができる。
 
【0112】
  図25に示すように、メサ溝120を形成するために使用されるマスク層138(例えば、SiN
x)は、メサ構造体130の上に保持することができ、クラッド層104、112は、選択的にエッチングされ、メサ構造体130内のクラッド層104、112のそれぞれの幅が低減される。図に示すように、上部クラッド層104の横方向縁部105(側壁)及び下部クラッド層112の横方向縁部113(側壁)は、上部バリア層106、活性層108、及び下部バリア層110それぞれの横方向縁部107、109、111よりもメサ構造体の中心縦軸に接近している。
 
【0113】
  一実施形態では、クラッド層104、112の幅は、ウェットエッチング作業で低減される。例えば、ウェットHClのウェットエッチングは、ガリウム組成物とは逆選択的であり、組成物内のより高いガリウムがより遅いエッチング速度に対応する。一実施形態では、クラッド層104、112は、ガリウムを有さない、又は周囲の層より低いガリウム濃度を有する。例えば、クラッド層104、112には、AlInPをドープすることができる。
 
【0114】
  次に、浅いドーピングプロファイルを有する閉じ込め領域150は、
図26に示すように、メサ構造体130の露出した側壁131、及び任意選択的に、下にある何れかの層(例えば、102)内に拡散することができる。メサ構造体130が接触層102の上部に形成される場合、閉じ込め領域150の浅いドーピングプロファイルは、接触層102の厚さを部分的に貫通して又は完全に貫通して延びることができる。図に示すように、閉じ込め領域150のドーピングプロファイルは、活性層108の直上及び直下のバリア層110、106を貫通して拡散することにより、活性層108の一部を貫通することができる。したがって、浅いドーピングプロファイルは、側壁の拡散のみで可能であるよりも大きな体積を、より低い温度又は時間の割当量でカバーすることができる。
 
【0115】
  閉じ込め領域150の形成に続いて、
図26のパターン化したバルクLED基板は、
図6〜
図11に関連して例示して上述したのと同様に処理して、ピックアップ及び受け入れ基板への転写の態勢が整ったLED195のアレイを形成することができる。
図27A〜27Dは、複数の実施形態に係る、選択的にエッチングされたクラッド層104、112及び浅いドーピングを有する閉じ込め領域150を含むLED195の概略側断面図である。
図27Aに示す実施形態では、閉じ込め領域150のドーパント濃縮部は、任意選択的に、LED本体132の上面137(例えば、クラッド層104の上面)にまで延びることができる。そのような実施形態では、上部導電性接触部182は、閉じ込め領域150のドーパントプロファイルの上に、LED側壁に沿ったシャント経路を回避するために直接延びなくてもよい。
図27Bに示す実施形態では、クラッド層112、104の横方向縁部(側壁)113、105からドーパントプロファイルを除去するために、閉じ込め領域150の形成の後で、第2の選択的エッチング処理を実行することができる。このようにして、シャント経路が除去される。
図27C〜27Dは、
図27A〜27Bと実質的に同様であり、上部接触層102が追加されている。図に示すように、上部接触層を含めることにより、上部導電性接触部182に対する位置調整許容誤差を付加的に緩和することができる。
 
【0116】
  一実施形態では、LED195は、LED本体132を含み、このLED本体は、第1のドーパント型(例えば、n型)でドープされた上部クラッド層104と、上部クラッド層の下の上部バリア層106と、上部バリア層106の下の活性層108と、活性層108の下の下部バリア層110と、下部バリア層110の下の下部クラッド層112と、を含む。下部クラッド層112は、第1のドーパント型とは反対の第2のドーパント型(例えば、p型)でドープすることができる。下部接触層114は、任意選択的に、下部クラッド層112の下とすることができ、この場合、下部接触層114もまた第2のドーパント型(例えば、p型)でドープされる。一実施形態では、上部クラッド層104及び下部クラッド層112の横方向縁部(側壁)113、105は、上部バリア層106、活性層108、及び下部バリア層110の横方向縁部(側壁)111、109、107よりも、LED本体132の中心縦軸199に接近している。
 
【0117】
  一実施形態では、p型ドーパント(例えば、Mg、Zn)濃縮部を含む閉じ込め領域150は、n型にドープされた上部クラッド層104、上部バリア層106、活性層108、下部バリア層110、p型にドープされた下部クラッド層112、及びp型にドープされた下部接触114の横方向縁部(側壁)105、107、109、111、113、115にわたる。一実施形態では、p型ドーパント濃縮部は、上部バリア層106よりも大きく活性層108の体積を占め、p型ドーパント濃縮部は、下部バリア層110よりも大きく活性層108の体積を占める。
 
【0118】
  図28には、一実施形態に係る、クラッド層の選択的エッチング及び再成長を含むLEDの形成方法を示すフローチャートが示されている。明瞭にするために、
図28の以下の説明は、本明細書で説明する他の図に見出される参考の特徴に関して説明する。作業2810で、バルクLED基板100のデバイス層117内に、メサ構造体130のアレイを形成する。作業2820で、次に、クラッド層104、112を、選択的にエッチングし、メサ構造体130内のクラッド層104、112のそれぞれの幅を低減する。作業2830で、再成長層175を、メサ構造体130の側壁131に沿って形成する。
 
【0119】
  図29には、一実施形態に係る、デバイス層117内に形成されたメサ溝120のアレイ及びメサ構造体130のアレイの概略側断面図が示されている。
図29に示すバルクLED基板100は、
図1Aに関連して例示して説明したバルクLED基板と実質的に同様なものとすることができる。図示した特定の実施形態では、(下部)バリア層110は、示されていない。他の実施形態では、(下部)バリア層110は、バルクLED基板に含まれている。図示した特定の実施形態では、メサ溝120は、接触層102の上又はその中で停止する。別の実施形態では、メサ溝120は、接触層102を貫通して形成することができる。
 
【0120】
  図25に示すように、メサ溝120を形成するために使用されるマスク層138(例えば、SiN
x)は、メサ構造体130の上に保持することができ、クラッド層104、112が選択的にエッチングされ、メサ構造体130内のクラッド層104、112のそれぞれの幅が低減される。図に示すように、上部クラッド層104の横方向縁部105(側壁)及び下部クラッド層112の横方向縁部113(側壁)は、上部バリア層106、活性層108、及び下部バリア層110それぞれの横方向縁部107、109、111よりもメサ構造体の中心縦軸に接近している。
 
【0121】
  一実施形態では、クラッド層104、112の幅は、ウェットエッチング作業で低減される。例えば、ウェットHClのウェットエッチングは、ガリウム組成物とは逆選択的であり、組成物内のより高いガリウムがより遅いエッチング速度に対応する。一実施形態では、クラッド層104、112は、ガリウムを有さないか、又は周囲の層より低いガリウム濃度を有する。例えば、クラッド層104、112には、AlInPをドープすることができる。
 
【0122】
  次に、再成長層175が、
図31に示すように
、メサ構造体130の露出した側壁131
及びその下にある層(例えば、102)の上に形成される。図に示すように、再成長層175は、選択的エッチング作業の結果として形成された接触層114と活性層108との間にある空隙を少なくとも部分的に直接充填し、又は完全に充填することができる。一実施形態では、再成長層175は、半絶縁層、n型層、又は意図せずにドープされたものである。例えば、再成長層175は、Te又はFeのドーパントを有するAlIPとすることができる。
 
【0123】
  再成長層175の形成に続いて、
図31のパターン化したバルクLED基板は、
図6〜
図11に関連して例示して上述したのと同様に処理して、ピックアップ及び受け入れ基板への転写の態勢が整ったLED195のアレイを形成することができる。
図32A〜32Bは、複数の実施形態に係る、選択的にエッチングされたクラッド層104、112及び再成長層175を含むLED195の概略側断面図である。
図32Aに示す実施形態では、再成長層175は、LED本体132の上面137(例えば、クラッド層104の上面)で露出することができる。そのような実施形態では、上部導電性接触部182は、LED側壁に沿ったシャント経路を回避するために再成長層175と直接接触しなくてもよい。
図32Bに示す実施形態では、上部接触層102が含まれている。例えば、上部接触層102は、
図10に関して説明したのと同様にパターン化することができる。このようにして、シャント経路は、LED本体132の上面137から除去される。図に示すように、上部接触層102を含めることにより、上部導電性接触部182に対する位置調整許容誤差を付加的に緩和することができる。
 
【0124】
  一実施形態では、LED195は、LED本体132を含み、このLED本体は、第1のドーパント型(例えば、n型)でドープされた上部クラッド層104と、上部クラッド層104の下の上部バリア層106と、上部バリア層106の下の活性層108と、活性層108の下の下部クラッド層112とを含む。下部クラッド層112は、第1のドーパント型とは反対の第2のドーパント型(例えば、p型)でドープすることができる。下部接触層114は、下部クラッド層112の下とすることができる。下部接触層114は、第2のドーパント型(例えば、p型)でドープすることもできる。一実施形態では、上部クラッド層104及び下部クラッド層112の横方向縁部(側壁)105、113は、上部バリア層106及び活性層108の横方向縁部107、109よりも、LED本体132の中心縦軸199に接近している。
 
【0125】
  一実施形態では、再成長層175は、上部クラッド層104、上部バリア層106、活性層108、下部クラッド層112、及び下部接触層114の横方向縁部(側壁)105、107、109、113、115の上に直接形成される。一実施形態では、再成長層175は、Te及びFeからなる群から選択されるドーパントによりドープされる。一実施形態では、再成長層175は、下部接触層114と活性層108との間にあり、かつ下部クラッド層112に横方向に隣接する容積を直接充填する。
 
【0126】
  図34A〜
図36Cに、選択的にエッチングされた層を有するLEDの形成方法に関する様々な処理フローを示す。
図34A〜
図36Cに示す特定の実施形態は、
図37Aに関連して説明するものと同様のバルクLED基板400において用いることができる。加えて、
図34A〜
図36Cに示す実施形態は、バルクLED基板400がエッチング溶液(KOH、HCLなどの)内に浸漬される光電子化学(PEC)エッチング技術を用いて実行することができ、光を照射するか又はバイアスを適用することにより、(他の可能性の中でも)バンドギャップ、ドーパント、配向、及び材料選択性とすることができるエッチングが開始される。一実施形態では、バルクLED基板400上での光の照射は、構造体内の他の層に対して選択的にエッチングするために、特定の層のバンドギャップをターゲットとしている。一実施形態では、バンドギャップが最小の材料をエッチングのために選択する。一実施形態では、(活性領域、例えば、量子井戸以外の)バンドギャップが最小の材料をエッチングのために選択する。
 
【0127】
  図33A〜33Dは、一実施形態に係る、選択的にエッチングされた活性領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
図33Aに示すバルクLED基板400は、
図37Aに示すものと実質的に同様とすることができる。次に、
図33Bに示すように、メサ溝420を形成することができ、
図33Bに示すように、活性領域408の選択的エッチングが続き、結果として、活性領域408の横方向縁部(側壁)409の幅が低減される。一実施形態では、活性領域408の選択的エッチングは、PECエッチングで実行される。一実施形態では、活性領域408は、構造体内で最小のバンドギャップを含み、活性領域を上回り、かつ構造体内の他の層を下回る波長を有するレーザーによって、活性領域408がエッチング溶液内で選択的にエッチングされる。一実施形態によれば、PECエッチングは、付加的に、メサ溝420のエッチング中(例えば、プラズマエッチング中)に損傷した活性領域408の材料を除去する。これにより、デバイス特性を向上することができる。一実施形態では、
図33Dに示すように、次に、下部接触層480(下部接触層180と同様とすることができる)が、ドープされた半導体層412の上に形成される。次に、追加の処理を実行して、上述したようにLEDデバイスの製造を完了することができる。
 
【0128】
  一実施形態では、LED構造体は、LED本体を含み、このLED本体は、第1のドーパント型(例えば、n型)でドープされたドープされた上部半導体層404と、ドープされた上部半導体層404の下の活性領域408と、第1のドーパント型と反対の第2のドーパント型(例えば、p型)でドープされたドープされた下部半導体層412とを有する。ここで活性領域408の横方向縁部409は、ドープされた上部半導体層404及びドープされた下部半導体層412のそれぞれの横方向縁部405、413よりもLED本体の中心縦軸に接近している。一実施形態では、ドープされた上部及び下部半導体層は、クラッド層及びバリア層などの1つ以上の層を含む。
 
【0129】
  図34A〜34Cは、一実施形態に係る、選択的にエッチングされた犠牲領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
図34Aに示すバルクLED基板400は、
図33Aに示すものと同様であるが、ドープされた半導体層412内に犠牲層486を追加している。複数の実施形態によれば、犠牲層486は、薄いバルク層(例えば、厚さ5〜50nm)又は超格子型構造体とすることができる。一実施形態では、犠牲層486は、InGaNを含む。ドープされた半導体層412がp型にドープされた実施形態では、犠牲層486は、同様にp型にドープすることができる。
 
【0130】
  図34Bに示すように、下部接触層480は、ドープされた半導体層412の上に形成され、メサ溝420が形成される。下部接触層480は、メサ溝420の時間的に前又は後に形成することができる。
図34Cに示すように、犠牲層486は、例えば、PECエッチングにより選択的にエッチングされ、結果として、犠牲層486の横方向縁部(側壁)487の幅が低減される。次に、追加の処理を実行して、上述したようにLEDデバイスの製造を完了することができる。結果として得られるLEDデバイス構造体では、犠牲層486は、LEDデバイス内部に電流を閉じ込め、キャリアが側壁へ、そして損傷した側壁材料に沿ったシャント経路へ漏洩するのを防止するように機能することができる。複数の実施形態によれば、犠牲層は、原則として活性領域408の上若しくは下、又はその両方に配置することができる。一実施形態では、p型GaNは、n型GaNより高い抵抗率を有することができ、p型ドープ半導体層412内に犠牲層486を配置することにより、潜在的に、結果としてより良好に電流を閉じ込めることができる。しかし、実施形態は、そのように限定されない。
 
【0131】
  一実施形態では、LED構造体は、LED本体を含み、このLED本体は、第1のドーパント型(例えば、n型)でドープされたドープされた上部半導体層404と、ドープされた上部半導体層404の下の活性領域408と、第1のドーパント型と反対の第2のドーパント型(例えば、p型)でドープされたドープされた下部半導体層412と、ドープされた下部半導体層412内の犠牲層486と、を有する。犠牲層486の横方向縁部487は、ドープされた下部半導体層412の横方向縁部413、活性領域
408の横方向縁部409、ドープされた上部半導体層404の横方向縁部413などの、LED本体内の層のうちの1つ以上の横方向縁部よりも中心縦軸に接近することができる。一実施形態では、犠牲層
486は、ドープされた下部半導体層412及びドープされた上部半導体層404を形成する材料よりも低いバンドギャップを有する。
 
【0132】
  図35A〜35Cは、一実施形態に係る、選択的にエッチングされた犠牲領域を有するLEDの形成方法の概略側断面図である。
図35A〜35Cは、犠牲層488がドープされた半導体層404内に形成されることを除き、
図34A〜34Cと実質的に同様である。複数の実施形態によれば、犠牲層488は、薄いバルク層(例えば、厚さ5〜50nm)又は超格子型構造体とすることができる。一実施形態では、犠牲層488は、InGaNを含む。ドープされた半導体層404がn型にドープされた実施形態では、犠牲層488は、同様にn型にドープすることができる。
図35Cに示すように、例えば、PECエッチングでの犠牲層488の選択的エッチングにより、結果として、犠牲層488の横方向縁部(側壁)489の幅を低減することができる。次に、追加の処理を実行して、上述したようにLEDデバイスの製造を完了することができる。
 
【0133】
  一実施形態では、LED構造体は、LED本体を含み、このLED本体は、第1のドーパント型(例えば、n型)でドープされたドープされた上部半導体層404と、ドープされた上部半導体層404の下の活性領域408と、第1のドーパント型と反対の第2のドーパント型(例えば、p型)でドープされたドープされた下部半導体層412と、ドープされた上部半導体層404内の犠牲層488と、を有する。犠牲層488の横方向縁部489は、ドープされた下部半導体層412の横方向縁部413、活性領域
408の横方向縁部409、ドープされた上部半導体層404の横方向縁部405などの、LED本体内の層のうちの1つ以上よりも中心縦軸に接近することができる。一実施形態では、犠牲層488は、ドープされた下部半導体層412及びドープされた上部半導体層404を形成する材料よりも低いバンドギャップを有する。
 
【0134】
  図36A〜36Cに示すように、複数の実施形態に係る、選択的にエッチングされた犠牲層486、488を有するLEDの形成方法の概略側断面図が記載されている。したがって、犠牲層486、488は、活性領域408の両面上に配置することができる。次に、追加の処理を実行して、上述したようにLEDデバイスの製造を完了することができる。
 
【0135】
  一実施形態では、LED構造体は、ドープされた下部半導体層412内の犠牲層486と、ドープされた上部半導体層404内の犠牲層488とを含む。犠牲層486の横方向縁部487及び犠牲層488の横方向縁部489は、ドープされた下部半導体層412、活性領域
408、及びドープされた上部半導体層404などの、LED本体内の層のうちの1つ以上よりも中心縦軸に接近することができる。
 
【0136】
  図38は、一実施形態に係る、受け入れ基板300に接合されたLED195の概略側断面図である。LED195は、本明細書で説明するLEDのうちの任意のものとすることができる。受け入れ基板300は、ディスプレイバックプレーンとすることができる。図に示すように、LED195は、下部導電性接触部180が電極(例えば、アノード)310にはんだ材料などの接合材料312で接合された垂直型LEDである。LED195の側壁は、誘電材料330によって囲むことができる。誘電材料は、LED195を受け入れ基板300に固定すること、並びに上部導電性接触部182を電極(例えば、カソード)320に電気的に接続するために使用される導電性酸化物又は導電性ポリマーなどの上部導電層340に対してステップカバレッジを提供することなどの、いくつかの機能を果たすことができる。例えば、誘電材料330は、酸化物、又はポリマー材料とすることができる。誘電材料330、及び任意選択的にパッシベーション層170の側壁は、単独で又は組合わせて、上部導電層340とLEDの側壁との間の電気的短絡に対して付加的に保護することができる。
 
【0137】
  図39は、一実施形態に係るディスプレイシステム3900を示す。ディスプレイシステムは、プロセッサ3910と、データ受信器3920と、バックプレーン(例えば、300)に接合されたLED195のアレイを含むことができる1つ以上のディスプレイパネル3930と、を収容する。ディスプレイパネル3930は、付加的に、スキャンドライバIC及びデータドライバICなどの1つ以上のディスプレイドライバICを含むことができる。データ受信器3920は、データを無線又は有線で受信するように構成することができる。無線は、複数の無線規格又はプロトコルのうちの任意のもので実現することができる。
 
【0138】
  ディスプレイシステム3900は、その用途に応じて、他の構成要素を含んでもよい。これら他の構成要素としては、メモリ、タッチスクリーンコントローラ及びバッテリが挙げられるが、これらに限定されない。種々の実装形態においては、ディスプレイシステム3900は、ウェアラブルデバイス(例えば、携帯時計)、テレビ、タブレット、電話機、ノート型パソコン、コンピュータモニタ、キオスク、デジタルカメラ、手持ち式ゲームコンソール、メディアディスプレイ、電子書籍ディスプレイ、又は大面積標識ディスプレイであってもよい。
 
【0139】
  実施形態の様々な態様を利用する際、1つ以上の電流閉じ込め構造体を含むLEDを製造するために、上記の実施形態の組み合わせ又は変形が可能であることが、当業者には明らかになるであろう。実施形態について、構造上の特徴及び/又は方法論的な動作に特定の言語で説明したが、添付の特許請求の範囲は、必ずしも上述した特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。開示した特定の特徴及び行為は、むしろ、説明上有用な特許請求の範囲の実施形態として理解されたい。