【実施例1】
【0010】
実施例1では、スマートフォン(無線端末)のテレビ会議アプリケーションを用いて遠隔地とのテレビ会議を行う際に、スマートフォンがプロジェクタに内蔵された複数人での利用に適したテレビ会議用のカメラ、マイク、スピーカによる映像と音声を用いてテレビ会議を行う構成について説明する。
【0011】
図1は本実施例に係るテレビ会議システムの構成の一例を示す図である。本実施例のテレビ会議システムは、例えば、プロジェクタ100、スマートフォン110、ネットワーク120、テレビ会議サーバ130から構成される。また、プロジェクタ100は、映像を投写して多人数で見ることができるようにする装置であり、プロジェクタ100には、テレビ会議用のカメラ101とマイク102とスピーカ112が内蔵される。
【0012】
なお、
図1の例ではカメラ101とマイク102とスピーカ112はプロジェクタ100に内蔵されているが、必要に応じてカメラ101とマイク102とスピーカ112がプロジェクタ100の外付けであってもよく、カメラ101やマイク102やスピーカ112を複数備えてもよい。
【0013】
プロジェクタ100とスマートフォン110は、それぞれに内蔵された所定の機器間通信手段を介して通信を行う。機器間通信手段は、Wi−Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)により通信するものでもよいし、有線LANで通信するものであってもよい。また、USBやBluetooth(登録商標)、IrDA(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等、他の有線あるいは無線の通信であってもよい。
【0014】
ここで、Wi−Fiは、IEEE(米国電気電子学会)の規格で策定された無線LANの標準規格である。USBは、USB−IF(USB Implementers Forum)で策定された標準規格である。BluetoothはBluetooth SIG(Bluetooth Special Interest Group)で策定された標準規格である。
【0015】
ネットワーク120は、インターネットや社内ネットワーク等の遠隔地あるいは社内の機器間で通信ができるネットワークである。ネットワーク120の一部または全てに、Wi−Fi等の無線LANが含まれてもよいし、有線LANが含まれてもよい。また、ネットワーク120に携帯電話等に用いられる移動体通信網が含まれてもよい。
【0016】
テレビ会議サーバ130は、スマートフォン110等のネットワーク120に接続している端末からテレビ会議開始の要求を受け、同じテレビ会議に参加する複数の端末間で映像や音声等を送受信できるようにするため、端末間の接続の管理や各端末から送られてくる映像や音声等のデータの転送を行う。また、テレビ会議サーバ130は、テレビ会議で配布する資料の映像情報を蓄積し、同じテレビ会議に参加する複数の端末へ配信してもよい。配布する資料の情報に音声が含まれてもよい。
【0017】
図2はテレビ会議システムをユーザが利用する様子の一例を示す図である。
図2の例では、複数人で囲む会議テーブルにプロジェクタ100に置き、スマートフォン110のテレビ会議アプリケーションを用いてテレビ会議を行っている様子を示している。スマートフォン110はプロジェクタ100に映像と音声を送信しており、プロジェクタ100に送信された映像として、プロジェクタ100の投写映像201にはテレビ会議の相手先のカメラ映像が映し出されている。また、プロジェクタ100に送信された音声として、プロジェクタ100のスピーカ112からはテレビ会議の相手先のマイクで収集された音声が出力される。
【0018】
図2の例では、投写映像201に相手先のカメラ映像が映し出されているが、これに限定されるものではなく、テレビ会議サーバ130に蓄積された資料の映像が映し出されてもよく、図示を省略したスイッチにより切り替え可能であってもよい。また、投写映像201が2分割されて、相手先のカメラ映像と資料の映像とが同時に映し出されてもよい。
【0019】
プロジェクタ100が内蔵するカメラ101で撮像された映像とマイク102で集音された音声は、スマートフォン110に送信され、スマートフォン110のテレビ会議アプリケーションに入力される。カメラ101はテレビ会議の参加者を対象とした撮像範囲202を撮像してもよく、多くの参加者の一部ずつを撮像するように撮像範囲202が複数であってもよい。
【0020】
また、カメラ101は、投写映像201を含む撮像範囲203を撮像してもよい。投写映像201に資料の映像が映し出されて、参加者がその資料の特定の部分を指し示して説明したり、その資料の一部を上書き等したりすることにより、テレビ会議の相手先へ説明の内容が伝わりやすくなる。カメラ101の撮像範囲202と撮像範囲203は、図示を書略したスイッチにより切り替え可能であってもよいし、カメラ101が物理的に可動であってもよいし、撮像範囲202と撮像範囲203の両方を同時に撮像可能であってもよい。
【0021】
さらに、カメラ101は、会議テーブルの上に置かれた紙の資料やサンプル品等を撮像範囲として撮像してもよい。
【0022】
図3は、プロジェクタ100の構成の一例を示す図である。プロジェクタ100は、例えば、カメラ101、マイク102、映像音声入力部103、制御部104、メモリ105、映像復号・出力部107、表示部109、音声復号・出力部111、スピーカ112、通信部113、アンテナ114、操作入力部115、映像入力・符号化部116、音声入力・符号化部117、入力端子118等を有し、各部は
図3に示すようにバスを介して接続される。
【0023】
制御部104は、例えばプロセッサを含み、メモリ105に格納された各種プログラム106を実行することにより、操作入力部115を介してユーザの入力操作の情報を受け取り、プロジェクタ100のバスに接続された各部を制御する。例えば、制御部104は、各種プログラム106の中のプログラムをメモリ105から読み出し、読み出したプログラムにしたがって、映像入力・符号化部116と通信部113を制御し、カメラ101で撮像した映像を映像入力・符号化部116が入力して符号化し、通信部113から送信するように制御する。
【0024】
また、制御部104は、SoC(System−on−a−Chip)であって、プロセッサ以外に、映像音声入力部103から入力された映像や音声の情報を音声情報と映像情報に分離し、音声復号・出力部111と映像復号・出力部107にそれぞれ出力する回路を有してもよい。各種プログラム106を実行することによる制御部104のプロジェクタ100の各部の制御の説明の詳細は省略し、
図5、7を用いてプロジェクタ100の動作として説明する。
【0025】
メモリ105は、制御部104で実行される各種プログラム106や制御部104により書き込まれて読み出されるデータ等が格納される。プロジェクタ100の設定情報と映像データと音声データが格納されてもよい。メモリ105に格納される各種プログラム106は、プロジェクタ100が出荷時点で予めメモリ105に格納されていてもよいし、半導体メモリ等の記録媒体に格納されて、図示を省略した媒体接続部を介してメモリ105に格納され、インストールされてもよい。
【0026】
また、各種プログラム106は、通信部113を介して外部ネットワークからダウンロードされてメモリ105に格納され、インストールされてもよい。なお、各種プログラム106を制御部104が実行することによる動作は、同じ動作をする回路としてハードウェアで実現されてもよい。
【0027】
通信部113は、予め定められた規格やプロトコルに準じてスマートフォン110とアンテナ114経由で通信を行う。通信部113の使用する規格は、Wi−Fi等の無線LANや有線LANであってもよい。また、USBやBluetooth、IrDA、NFC等、他の有線あるいは無線の通信であってもよく、ネットワーク120を介さずに直接通信するように構成されてもよい。さらに、通信部113は、異なる規格の通信をサポートするチップが複数実装されてもよいし、複数の規格の通信をサポートする1つのチップが実装されてもよい。
【0028】
通信部113は、アンテナ114で受信した映像と音声の情報を映像音声入力部103へ出力し、映像入力・符号化部116と音声入力・符号化部117から入力した映像と音声の情報をアンテナ114から送信する。アンテナ114で受信した映像と音声の情報をバスへ出力してもよい。
【0029】
映像音声入力部103は、入力端子118からプロジェクタ100で投写する映像や音声の情報を入力する。これは、テレビ会議としての利用ではなく、プロジェクタ100の入力映像を投写するという本来の利用のためのものであってもよいし、テレビ会議で参照される資料をパソコン等から入力するためのもととして利用されてもよい。このために、映像音声入力部103は映像や音声の情報を制御部104へ出力する以外にバスへ出力してもよい。
【0030】
入力端子118は、例えば、コンポジット端子、S端子、D端子、コンポーネント端子、VGA端子、DVI端子、HDMI端子等である。入力端子118からの入力がアナログ信号の場合、映像音声入力部103はアナログ信号をデジタル信号に変換してもよい。また、映像音声入力部103は、入力端子118からの入力と通信部113からの入力を選択してもよいし、合成してもよい。
【0031】
映像音声入力部103は映像や音声の情報をバスへ出力する場合、通信部113はバス経由で入力してアンテナ114から送信してもよい。このとき、映像の情報か音声の情報かが選択されてもよく、例えば、映像音声入力部103から資料の映像情報が通信部113へ転送されるとともに、マイク102から音声入力・符号化部117を介して会議参加者の音声の情報が通信部113へ転送されてもよい。
【0032】
映像復号・出力部107は、制御部104から入力された映像情報を、必要に応じて復号し、表示部109へ出力する。例えば、通信部113により受信された映像情報は、圧縮/符号化されていて復号して出力し、入力端子118から入力された映像情報は、圧縮/符号化されておらず、そのまま出力してもよい。復号するか否かは制御部104により制御されてもよい。なお、映像復号・出力部107の出力する映像情報の一部は、各種プログラム106の実行により制御部104が生成した映像情報であってもよい。
【0033】
表示部109は、例えば液晶パネル、光学レンズ等によって構成され、スクリーン等に映像を投写する。映像投写の構造は、DLP(登録商標:Digital Light Processing)、レーザ光源等であってもよく、他の映像投写構造であってもよい。また、表示部109は、映像を投写しない液晶パネル等を含んでもよい。
【0034】
音声復号・出力部111は、制御部104から入力された音声情報を、必要に応じて復号し、スピーカ112へ出力する。例えば、通信部113により受信された音声情報は、圧縮/符号化されていて復号して出力し、入力端子118から入力された音声情報は、圧縮/符号化されておらず、そのまま出力してもよい。復号するか否かは制御部104により制御されてもよい。なお、音声復号・出力部111が出力する音声情報は、スピーカ112の代わりに図示を省略した外部機器へ出力されてもよい。
【0035】
スピーカ112は、無指向性であって会議に十分な音量の音を発生するものが望ましい。マイク102は、無指向性であって会議テーブルの参加者の音声を集音する感度のものが望ましい。スピーカ112とマイク102は、音声の周波数帯域に重点のおかれたものであってもよい。また、スピーカ112とマイク102は、無指向性等にするために複数備えられてもよい。音声入力・符号化部117は、マイク102が電気信号に変換した音声情報を入力し、情報量を圧縮するために符号化し、通信部113へバスを介して出力する。
【0036】
カメラ101は、撮像範囲202、203を撮像し、撮像した映像を電気信号に変換して、映像入力・符号化部116へ入力する。撮像範囲202、203等に応じてカメラ101は複数備えられ、映像入力・符号化部116に複数のカメラ101が接続されてもよい。また、カメラ101は、物理的に可動な構造でプロジェクタ100に装着されてもよい。
【0037】
映像入力・符号化部116は、カメラ101が電気信号に変換した映像情報を入力し、情報量を圧縮するために符号化し、通信部113へバスを介して出力する。映像入力・符号化部116は、複数のカメラ101に接続され、複数のカメラ101のそれぞれから映像情報を入力する場合、複数のカメラ101の入力を選択してもよいし、合成してもよい。
【0038】
操作入力部115は、ユーザからのプロジェクタ100に対する入力操作を受け付ける入力デバイスであり、例えば、リモコン、キーボード、マウスやタッチパネル等のポインティングデバイス等である。
【0039】
なお、
図3の例では、プロジェクタ100の構造を説明したが、表示部109として映像を投写する代わりに映像表示のディスプレイを用い、テレビ受信機やディスプレイ装置に
図3を用いて説明した各構造を備えてもよい。すなわち、
図2に示した投写映像201がテレビ受信機であり、プロジェクタ100がテレビ受信機に含まれる構成であってもよい。このテレビ受信機の構成では、撮像範囲202を撮像するカメラ101を備え、撮像範囲203を撮像するカメラ101を備えなくてもよいし、撮像範囲203を撮像するカメラ101の代わりにテレビ受信機にタッチパネル等を備えてもよい。
【0040】
また、
図3に示した構成から表示部109とスピーカ112を取り除いて、代わりにそれぞれ出力端子を備え、映像の表示や音声の出力を直接行わないSTB(セットトップボックス)やレコーダー等で構成してもよい。さらに、プロジェクタ100の代わりに、
図3に示した各構成を備えたパソコン、モニター装置、タブレット端末等であってもよい。
【0041】
図4は、スマートフォン110の構成の一例を示す図である。スマートフォン110は、例えば、カメラ405、マイク406、制御部400、メモリ403、表示部401、操作入力部402、通信部407、通信アンテナ408、移動体通信部409、移動体通信アンテナ410等有し、
図4に示すように各部がバスを介して接続される。
【0042】
制御部400は、プロセッサを含み、メモリ403に格納された各種プログラム412を読み出して実行し、スマートフォン110の各部をハス経由で制御する。制御部400は、SoCであって、映像や音声の処理に関する回路を含んでもよい。表示部401は液晶パネルや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等でもよく、操作入力部402のタッチパネルと一体化されていてもよい。カメラ405は、スマートフォン110の特定の方向を撮像し、マイク406はスマートフォン110の周囲の音声を集音し、スピーカ411は音声を出力する。
【0043】
通信部407は、予め定められた規格やプロトコルに準じてプロジェクタ100と通信アンテナ408経由で通信を行う。通信の規格は、プロジェクタ100と通信できる規格である。移動体通信部409は、移動体通信アンテナ410と図示を省略した移動体通信用の基地局等を介してネットワーク120と通信を行うため、3G,4G,LTE等のモバイル通信用の規格に準じた通信を行ってもよい。
【0044】
また、移動体通信部409は、移動体通信アンテナ410と図示を省略したアクセスポイント等を介してネットワーク120と通信を行うため、Wi−Fi等の無線LANの規格に準じた通信を行ってもよい。さらに、移動体通信部409は、移動体通信アンテナ410の代わりに図示を省略した端子を介して、有線LANでネットワーク120と通信を行ってもよく、異なる規格の通信をサポートするチップが複数実装されてもよいし、複数の規格の通信をサポートする1つのチップが実装されてもよい。
【0045】
メモリ403に格納された各種プログラム412には、テレビ会議アプリケーションが含まれる。テレビ会議アプリケーションは、テレビ電話(ビデオ電話)等のプログラムであってもよく、表示部401とカメラ405とマイク406等を使用する電話のアプリケーションプログラムであってもよい。また、各種プログラム412には、OS(Operating System)やプレゼンテーション用アプリケーションが含まれてもよい。
【0046】
以下、スマートフォン110を用いてテレビ会議を開始し、プロジェクタ100のカメラ101とマイク102とスピーカ112をテレビ会議に利用する際の動作例について、
図5及び
図6を用いて説明する。
【0047】
図5は、実施例1に係るテレビ会議開始の動作の一例を示すシーケンス図である。テレビ会議開始の動作とは、スマートフォン110のテレビ会議アプリケーションを用いて、テレビ会議サーバ130を介したテレビ会議を開始し、テレビ会議サーバ130から受信する映像と音声にプロジェクタ100の表示部109とスピーカ112を用い、テレビ会議サーバ130へ送信する映像と音声にプロジェクタ100のカメラ101とマイク102を用いるまでのシーケンスである。
【0048】
また、
図6A、
図6B、
図6Cは、それぞれスマートフォン110の画面表示の一例を示す図である。
図5を用いて説明するシーケンスの中でスマートフォン110は
図6A、
図6B、
図6Cを用いて説明する画面を表示する。なお、
図6A、
図6B、
図6Cにおけるカメラ405とマイク406と表示部401は、
図4を用いて説明したとおりであり、操作入力部402は表示部401と一体化されて、表示部401の表示がタッチされることにより操作が入力される。
【0049】
ステップ500:スマートフォン110は、
図6Aに示すように複数のアイコンを表示部401に表示し、ユーザによりテレビ会議アプリのアイコン601が選択(タッチ)されたことを検出して、テレビ会議アプリケーションを起動する。
【0050】
ステップ501:スマートフォン110は、参加するテレビ会議のための会議IDやアカウント・パスワード(認証情報)等の入力を促す画面を表示部401に表示し、ユーザにより会議IDやアカウント・パスワード等が入力されて、入力された会議IDやアカウント・パスワード等をテレビ会議サーバ130へ送信し、テレビ会議への接続を要求する。
【0051】
ステップ502:テレビ会議サーバ130は、スマートフォン110からの要求を受信し、受信した会議IDやアカウント・パスワード等に基づいて、同じテレビ会議に参加する端末との接続処理を開始する。
ステップ503:テレビ会議サーバ130は、スマートフォン110の要求したテレビ会議と同じテレビ会議に参加する端末との接続を確立し、接続が確立したことをスマートフォン110に通知する。
【0052】
ステップ504:スマートフォン110は、スマートフォン110のカメラ405とマイク406とスピーカ411を用いたテレビ会議の処理を開始する。
ステップ505:スマートフォン110は、カメラ405で撮像された映像とマイク406で集音された音声をテレビ会議サーバ130へ送信する。また、テレビ会議サーバ130から送られてくる他の端末の映像と音声の受信し、映像を表示部401に表示して音声をスピーカ411で出力する。
【0053】
ステップ506:テレビ会議サーバ130は、スマートフォン110から受信した映像と音声を同じ会議に参加する端末に転送する。また、同じ会議に参加した端末から受信した映像と音声をスマートフォン110に転送する。
ステップ507:スマートフォン110は、
図6Bに示すように映像出力先設定メニュー602を表示部401に表示し、ユーザにより「プロジェクタ」が選択(タッチ)されたことを検出して、通信部407でプロジェクタ100に表示画面の送信を開始する。映像出力先設定メニュー602は、テレビ会議アプリケーションが起動されると表示されてもよいし、テレビ会議アプリケーションの特定のメニューが選択されると表示されてもよい。
【0054】
ステップ508:プロジェクタ100は、通信部113でスマートフォン110からの表示画面の受信を検出すると、受信した表示画面の表示を開始してステップ509へ進む。
ステップ509:プロジェクタ100は、プロジェクタ100のカメラ101とマイク102とスピーカ112が利用可能であることを、通信部113でスマートフォン110に通知する。
【0055】
ステップ510:スマートフォン110は、プロジェクタ100からステップ509の通知を受けると、
図6Cに示すようにカメラ・マイク・スピーカ利用確認メニュー603を表示部401に表示し、ユーザにより「はい」が選択(タッチ)されたことを検出するとステップ511へ進み、「いいえ」が選択(タッチ)されたことを検出すると、テレビ会議の開始動作としては終了する。
【0056】
ステップ511:カメラ・マイク・スピーカ利用確認メニュー603において「はい」が選択されているので、スマートフォン110は、プロジェクタ100にカメラ101とマイク102とスピーカ112の利用を通信部407で通知する。
ステップ512:プロジェクタ100は、スマートフォン110からステップ511の通知を通信部113で受けると、プロジェクタ100のカメラ101とマイク102を利用した撮像と集音を開始する。
【0057】
ステップ513:プロジェクタ100は、通信部113でスマートフォン110にプロジェクタ100のカメラ101とマイク102で撮像した映像と集音した音声の送信を開始し、スマートフォン110からの音声の受信を開始してスピーカ112で出力できるようにする。
ステップ514:スマートフォン110は、通信部407でプロジェクタ100から映像と音声の受信を開始し、プロジェクタ100へ音声の送信を開始する。
【0058】
ステップ515:スマートフォン110は、テレビ会議サーバ130に送信する映像と音声を、スマートフォン110のカメラ405とマイク406で得られるのものから、プロジェクタ100から受信した映像と音声に切替え、テレビ会議サーバ130から受信する音声を、スマートフォン110のスピーカ411の出力から、プロジェクタ100への音声の送信に切替える。
【0059】
以上で説明したように、スマートフォン110で利用しているアプリケーションを用いてテレビ会議を開始し、スマートフォン110がプロジェクタ100へ映像出力することをきっかけにして、プロジェクタ100がプロジェクタのカメラ101とマイク102とスピーカ112が利用可能なことをスマートフォン110に通知し、簡単に連携できる。
【0060】
そして、スマートフォン110がプロジェクタ100のカメラ101とマイク102で得られる映像と音声をテレビ会議に用い、テレビ会議の音声にスピーカ112を用いることにより、ユーザが日常的に利用しているスマートフォン110とそのアプリケーションを用いて、テレビ会議に適したカメラとマイクとスピーカを利用できるようになり、ユーザの利便性を高めることができる。
【0061】
また、テレビ会議に参加するための情報(認証情報、パスワード等)として、スマートフォン110の情報を利用できるため、情報の入力が容易であるとともに、特別で専用の情報が不要となり、普及している参加の手順を利用しやすくなる。
【0062】
図5に示したシーケンスの例では、スマートフォン110でテレビ会議を開始(ステップ504)した後に、プロジェクタ100への映像出力とプロジェクタ100のカメラ101とマイク102とスピーカ112の利用を始めたが、このシーケンスに限定されるものではない。
【0063】
例えば、
図7に示すように、スマートフォン110でテレビ会議を開始(ステップ714)する前に、スマートフォン110からプロジェクタ100への映像出力をし(ステップ701)、テレビ会議アプリケーションが起動(ステップ705)された時点では、プロジェクタ100のカメラ101とマイク102とスピーカ112が利用可能とされてもよい。
【0064】
図7のステップ701からステップ703は、
図5のステップ507からステップ509に対応し、スマートフォン110は、ステップ704にて通知を受信する。その後、ステップ705にてスマートフォン110のテレビ会議アプリケーションが起動されると、スマートフォン110は、ステップ704で予め受信した通知をもとにステップ706を実行する。ステップ707からステップ710は、ステップ511からステップ514に対応し、ステップ711からステップ714は、ステップ501からステップ504に対応する。
【0065】
ステップ715からステップ716は、ステップ505からステップ506に対応するが、ステップ505ではスマートフォン110のカメラ405等が用いられるのに対し、ステップ715では既にステップ710が実行されていると、プロジェクタ100のカメラ101等が用いられる。
【0066】
また、スマートフォン110がプレゼンテーション用アプリケーション等のカメラとマイクとスピーカの利用が不要なアプリケーションの画面をプロジェクタ100に出力している際には、
図6Cに示すようなカメラ・マイク・スピーカ利用確認メニュー603が表示されず、テレビ会議アプリケーション等のカメラとマイクの利用が必要となるアプリケーションを起動したときのみ、カメラ・マイク・スピーカ利用確認メニュー603が表示されるため、メニュー表示の煩わしさがなくユーザの利便性を高めることができる。
【0067】
なお、プロジェクタ100の通信部113とスマートフォン110の通信部407とは、例えばBluetoothのペアリングあるいはこれに相当する動作により、予め通信可能となっていてもよい。また、スマートフォン110からプロジェクタ100への映像出力は、スマートフォン110のOSの実行による映像出力であってもよい。
【0068】
ステップ701において、OSの実行により出力できる映像であれば、どのような映像であるかは限定されるものではないが、例えばスマートフォン110の表示部401に表示された映像と同じ映像の出力であってもよい。このため、スマートフォン110の表示部401のミラー画像が、プロジェクタ100により投写されてもよい。
【0069】
テレビ会議システムとして、テレビ会議サーバ130と通信することによりテレビ会議に参加する構成を説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、テレビ会議サーバ130が存在せず、スマートフォン110はテレビ会議に参加する端末とネットワーク120を介して直接に通信するP2P(ポイント・ツー・ポイント)接続による通信であってもよい。
【実施例2】
【0070】
以下、本発明に係る実施例2を、
図8から
図10を用いて説明する。実施例1ではスマートフォン110を経由してプロジェクタ100が映像と音声を送信したが、実施例2ではテレビ会議の参加にスマートフォン110を利用し、スマートフォン110を経由せずにプロジェクタ100が映像と音声を送信する。実施例1と同じ構成は詳細な説明を省略し、特に異なる構成について説明する。
【0071】
図8は、実施例2に係るテレビ会議システムの一例を示す図である。実施例1と異なる点は、プロジェクタ100がネットワーク120と直接通信できることである。これにより、プロジェクタ100はカメラ101で撮像した映像やマイク102で集音した音声を、ネットワーク120を介してテレビ会議サーバ130に送信する。
【0072】
プロジェクタ100の構成は
図3を用いて説明したとおりであるが、プロジェクタ100の通信部113は、スマートフォン110の通信部407と通信する以外にアクセスポイント等を介してネットワーク120と通信してもよい。また、プロジェクタ100は、図示を省略した移動体通信部あるいは有線通信部を備えてネットワーク120と通信してもよい。スマートフォン110の構成は
図4を用いて説明したとおりである。
【0073】
図9は、実施例2に係るテレビ会議開始の動作の一例を示すシーケンス図である。
図9のステップ900からステップ910は、
図5のステップ500からステップ510に対応する。以下、
図5のシーケンス図と動作が異なるステップ911以降を説明する。
【0074】
ステップ911:カメラ・マイク利用確認のメニューにおいて「はい」が選択されているので、スマートフォン110は、テレビ会議サーバ130に送信中のスマートフォン110のカメラ405とマイク406を用いた映像と音声の送信を中断する。また、この中断にともない、テレビ会議サーバ130におけるスマートフォン110から受信する映像と音声の他の端末への転送が中断される。
【0075】
ステップ912:スマートフォン110は、プロジェクタ100にテレビ会議サーバ130の接続先と会議IDやアカウント・パスワード(認証情報)等のテレビ会議への接続に必要な情報を送信し、映像と音声をテレビ会議サーバ130に送信するように指示する。なお、テレビ会議サーバ130の接続先は、IPアドレスやURL等で表される情報であってもよい。
【0076】
ステップ913:プロジェクタ100は、テレビ会議サーバ130の接続先と会議IDやアカウント・パスワード等のテレビ会議への接続に必要な情報を受信し、プロジェクタ100のカメラ101とマイク102を利用した撮像と集音を開始する。
【0077】
ステップ914:プロジェクタ100は、スマートフォン110から受信したテレビ会議サーバ130の接続先と会議IDやアカウント・パスワード等のテレビ会議への接続に必要な情報を用いて、テレビ会議サーバ130に接続し、プロジェクタ100のカメラ101とマイク102で撮像した映像と集音した音声の送信を開始する。
ステップ915:テレビ会議サーバ130は、プロジェクタ100から受信した映像と音声を用いて、同じ会議に参加する他の端末に対して、映像と音声の転送を再開する。
【0078】
以上で説明したように、スマートフォン110等で利用しているアプリケーションを用いてテレビ会議を開始し、スマートフォン110がプロジェクタ100に映像出力することをきっかけにして、プロジェクタ100がプロジェクタ100のカメラ101とマイク102が利用可能なことをスマートフォン110に通知し、簡単に連携できる。
【0079】
そして、スマートフォン110がプロジェクタ100のカメラ101とマイク102で得られる映像と音声をテレビ会議サーバ130に送信するようにプロジェクタ100に指示することにより、ユーザが日常的に利用しているスマートフォン110とそのアプリケーションを用いて、テレビ会議に適したカメラ101とマイク102を利用できるようになり、ユーザの利便性を高めることができる。
【0080】
また、テレビ会議中の映像と音声をプロジェクタ100からテレビ会議サーバ130に直接送信することにより、スマートフォン110のモバイル通信網を介した通信データ量を削減できる等、ユーザの利便性を高めることができる。
【0081】
図9に示したシーケンスの例では、スマートフォン110でテレビ会議を開始(ステップ904)した後に、プロジェクタ100への映像出力とプロジェクタ100のカメラ101とマイク102の利用を始めたが、このシーケンスに限定されるものではない。
【0082】
例えば、
図10に示すように、スマートフォン110でテレビ会議を開始(ステップ1009)する前に、スマートフォン110からプロジェクタ100への映像出力をし(ステップ1001)、テレビ会議アプリケーションが起動(ステップ1005)された時点では、プロジェクタ100のカメラ101とマイク102が利用可能とされてもよい。
【0083】
図10のステップ1001からステップ1003は、
図9のステップ907からステップ909に対応し、スマートフォン110は、ステップ1004にて通知を受信する。その後、ステップ1005にてスマートフォン110のテレビ会議アプリケーションが起動される。ステップ1006からステップ1009は、ステップ901からステップ904に対応し、スマートフォン110は、ステップ1004で予め受信した通知をもとにステップ1010を実行する。
【0084】
ステップ1011からステップ1014は、ステップ912からステップ915に対応する。また、ステップ1015はステップ905に対応し、スマートフォン110は、スマートフォン110のカメラ405とマイク406を用いる。
【0085】
また、スマートフォン110がプレゼンテーション用アプリケーション等、カメラとマイクの利用が不要なアプリケーションの画面をプロジェクタ100に出力している際には、
図6Cに示すようなカメラ・マイク利用確認のメニューが表示されず、テレビ会議アプリケーション等のカメラとマイクの利用が必要となるアプリケーションを起動したときのみ、カメラ・マイク利用確認のメニューが表示されるため、メニュー表示の煩わしさがなくユーザの利便性を高めることができる。
【0086】
なお、以上で説明した各実施例の構成の一部を削除したり、他の実施例の構成の一部で置き換えたりしてもよく、各実施例の構成へ他の実施例の構成の一部を追加したりしてもよい。