【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社MICINが、同社が運営するオンライン診療サービスcuron上にて、飯田悠祐らが発明した遠隔での診療及び服薬指導を支援するサーバを利用した機能の提供を開始した。また、それに伴い、株式会社MICINのウェブサイト上(https://micin.jp/news/1827)にて、当該サーバのリリースについて紹介した。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、以下のような構成を備える。
[項目1]
遠隔診療を支援するサーバであって、
患者端末と第一の医師側端末との間で通信を行う通信部と、
前記サーバに処方箋画像データをアップロードするための位置情報を二次元コード化する二次元コード生成部と、
前記二次元コードを前記第一の医師側端末に提示する二次元コード提示部とを備える、サーバ。
[項目2]
二次元コード読取機能を備える第二の医師側端末から処方箋画像データを受け付ける画像データ受付部をさらに備える、項目1に記載のサーバ。
[項目3]
前記位置情報は前記サーバのURLである、項目1または2に記載のサーバ。
[項目4]
前記位置情報は、特定の診察識別情報に関連付けられている、項目1〜3のいずれかに記載のサーバ。
[項目5]
前記位置情報は、現在通信が実行されている診察に係る診察識別情報に関連付けられている、項目1〜4のいずれかに記載のサーバ。
[項目6]
前記二次元コード提示部は、所定期間経過後に提示した前記二次元コードを無効化することを特徴とする、項目1〜5のいずれかに記載のサーバ。
[項目7]
少なくとも前記患者端末及び前記第一の医師側端末のいずれかに、複数の薬局の情報を提示する薬局情報提示部と、
前記患者端末若しくは前記第一の医師側端末によって選択された薬局の宛先情報を取得し、前記宛先に、前記処方箋画像データを送信するための処理を行う情報共有部をさらに備える、項目1〜6のいずれかに記載のサーバ。
[項目8]
前記情報共有部は、前記処方箋画像データとともに、前記患者の情報を送信する、項目7に記載のサーバ。
[項目9]
前記薬局情報提示部は、前記患者若しくは前記医師について登録された情報に基づいて、複数の薬局情報が格納された薬局情報記憶部から所定数の薬局を選択して提示する、項目7又は8に記載のサーバ。
[項目10]
選択された前記薬局の住所を集荷先情報とし、
前記患者の受取希望住所を配送先情報として含む配送依頼情報を作成する配送依頼部をさらに有する、項目1〜9のいずれかに記載のサーバ。
[項目11]
前記通信部は、選択された前記薬局の端末と、前記患者端末との間で通信を接続する、項目7に記載のサーバ。
【0011】
<実施の形態の詳細>
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
<概要>
図1は、本発明の実施の形態による遠隔診療システムの概略を説明する図である。図示のように、遠隔診療システムは、患者端末2、医師側端末3、4、薬局側端末5、及び各端末がネットワークであるインターネット網を介して接続されるサーバ1を備える。医師側端末は第一の医師側端末3及び第二の医師側端末4が存在してもよい。また、患者端末2、医師側端末3、4、及び薬局側端末5は、それぞれ複数のユーザの端末が接続されうる。
【0013】
本発明の実施の形態による遠隔診療システムは、医療機関において院内サーバで運用されるオンプレミス型の電子カルテシステムが使用されている場合に特に有用である。すなわち、電子カルテシステムはデータ保護の観点から外部ネットワークと遮断されているケースが多い。医師は、本発明のシステムにより遠隔診療を行いながら、別端末で起動する電子カルテシステムにカルテ情報を入力し、処方箋も当該電子カルテシステム上で作成する必要がある。しかしながら、電子カルテシステム上で作成した処方箋は、患者や薬局に対して直接共有することができない。そこで、本発明は、紙で印刷された処方箋の原本を簡便に画像で取り込み、患者や薬局と共有することができるものである。
【0014】
患者端末2、医師側端末3、4、薬局側端末5は、本実施の形態では、携帯型情報端末であるスマートフォン、パーソナルコンピュータやタブレット型端末といったインターネット網に接続可能な機器である。特に、第一の医師側端末3は、多くの場合パーソナルコンピュータであり、第二の医師側端末4は、カメラ機能及び二次元コード読取機能付きの端末であり、例えばスマートフォンなどの携帯端末である。
【0015】
図2は、サーバ1の構成の概略を説明する図である。図示のように、サーバ1は、制御部10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、及び入出力部14を主要構成として備え、これらが互いにバス15を介して電気的に接続される。
【0016】
制御部10は、サーバ1の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、アプリケーションプログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0017】
この制御部10は、本実施の形態では例えばCPU(Central Proce
ssing Unit)であり、後述するストレージ12に格納されてメモリ11に展開されたアプリケーションプログラムを実行して各処理を行う。
【0018】
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置、及びフラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶装置を備える。
【0019】
このメモリ11は、制御部10の作業領域として使用される一方、コンピュータの起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output Syste
m)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0020】
ストレージ12は、プログラムや各種の処理に用いられるデータ等が格納されている。
このストレージ12に格納されるプログラム等の詳細については、後述する。なお、ストレージ12は、クラウドコンピューティング技術を利用して利用可能に接続されていてもよい。
【0021】
送受信部13は、サーバ1をインターネット網に接続する。この送受信部13は、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0022】
入出力部14には、必要に応じて、キーボードやマウスといった情報入力機器やディスプレイ等の出力機器が接続される。
【0023】
バス15は、接続した制御部10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13及び入出力部14の間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝
達する。
【0024】
図3は、本発明の実施の形態におけるサーバ1のソフトウェア構成例を示す図である。
本発明のサーバ1は、通信部120、二次元コード生成部121、二次元コード提示部122、画像データ受付部123、画像データ編集部124、薬局情報提供部125、情報共有部126、配送依頼部127、表示部128、決済部129、予約管理部130、問診部131、患者情報記憶部111、医師情報記憶部112、薬局情報記憶部113、診察情報記憶部114を備える。なお、通信部120、二次元コード生成部121、二次元コード提示部122、画像データ受付部123、画像データ編集部124、薬局情報提供部125、情報共有部126、配送依頼部126、表示部128、決済部128、予約管理部130、問診部131は、サーバ1が備える制御部10がストレージ12に記憶されているプログラムをメモリ11に読み出して実行することにより実現され、患者情報記憶部111、医師情報記憶部112、薬局情報記憶部113、診察情報記憶部114は、メモリ11およびストレージ12の少なくともいずれかにより提供される記憶領域の一部として実現される。
【0025】
患者情報記憶部111は、患者の情報を記憶する。
図4は、患者情報記憶部111に記憶される患者情報の一例である。患者情報は、患者識別情報(ID)に紐づけられて、記憶される。患者情報としては、氏名、住所、電話番号、決済手段に関する情報(クレジットカード情報等)、及び、薬の配送を希望する住所に関する情報等を含むことができる。また、患者の生年月日、性別、保険証番号、保険証画像、ログイン認証のためのパスワードなどを含んでもよい。
【0026】
医師情報記憶部112は、医師の情報を記憶する。
図5は、医師情報記憶部112に記憶される医師情報の一例である。医師情報は、医師識別情報(ID)に紐づけられて、記憶される。医師情報としては、氏名、所属する医療機関、医療機関の住所、電話番号などを含むことができる。必要に応じて、医師の専門領域(内科、外科、循環器科、皮膚科などの診療科目)、学歴や職歴などの経歴、顔写真、ログイン認証のためのパスワード、病院の写真、メッセージなどの情報を含んでもよい。
【0027】
薬局情報記憶部113は、薬局の情報を記憶する。
図6は、薬局情報記憶部113に記憶される薬局情報の一例である。薬局情報は、薬局識別番号(ID)に紐づけられて、記憶される。薬局情報としては、薬局名、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス、集荷可能時間などを含むことができる。
【0028】
診察情報記憶部114は、個別の診察情報を記憶する。
図7は、診察情報記憶部114に記憶される診察情報の一例である。診察情報は、診察識別番号(ID)に紐付けられて、記憶される。診察情報は、患者ID等の患者の情報、医師IDなどの医師の情報(および必要に応じて医療機関の情報)、実施日時、決済の情報(金額、支払ステータスなど)、処方箋の情報(処方箋の有無、及び処方箋画像)、問診の情報(問診の回答、問診表の画像)などを含むことができる。
【0029】
通信部120は、遠隔診療を行う患者端末2と第一の医師側端末3との間、及び、遠隔服薬指導を行う患者端末2と薬局側端末5との間での通信を接続する。通信を開始するまでのフローは適宜知られた処理を採用することができる。例えば、遠隔診療の場合で説明すると、患者は、患者端末2で自身の患者IDとパスワードを入力する等の処理を行うことによってサーバ1と通信する。また、医師は、医師側端末で自身の医師IDとパスワードを入力するなどの処理を行うことによってサーバ1と通信する。サーバ1は、入力されたIDとパスワードが、患者情報記憶部111及び医師情報記憶部112に登録されたものと一致するか否かを照合し、一致する場合はログインを許可する。そして、両者のログインが完了し、通話の開始のための入力がなされた場合に、通信部120は両者の端末の間での通信を開始する。通信部120は、サーバ1を介して、両者が入力したテキストデータ、画像データ、動画データ(音声及び画像)、をリアルタイムで送受信する。遠隔服薬指導の場合も同様であってよい。
【0030】
二次元コード生成部121は、医師が処方箋画像をアップロードするための二次元コードを生成する。医師は、薬を処方する場合に、電子カルテシステムで処方情報を入力して処方箋を作成し、処方箋を印刷し、紙の原本が発行される。ここで、医師は、遠隔診療中の患者に対して発行した処方箋を提示し、また薬局に共有するために、遠隔診療システムに処方箋の画像をアップロードする必要がある。
【0031】
二次元コード生成部121は、画像をアップロードする先のサーバ1の位置情報を含む情報を、二次元コード化する。位置情報は、サーバ上の仮想位置情報であり、例えばURLである。URLなどの情報を二次元コード化する方法は、既知の手段を用いればよい。二次元コードに含まれる情報は、実行中の診察IDとのリレーションを持っていることが望ましく、当該診察IDに係る情報を格納する場所を特定した位置情報であってもよいし、診察IDが単に情報として含まれていてもよい。
【0032】
二次元コード提示部122は、二次元コード生成部121が生成した二次元コードを、第一の医師側端末3に提供する。二次元コードは、第一の医師側端末3において表示されるので、医師は、第二の医師側端末4(スマートフォンなどのカメラ付き携帯端末など)を用いて、二次元コードを読み取る。二次元コードを読み取ると、第二の医師側端末4でブラウザが起動する。そして、第二の医師側端末4のカメラで印刷した処方箋を撮影し、処方箋画像データを二次元コードから取得した位置情報に基づいてサーバ1にアップロードすることができる。位置情報は、特定の診療ID情報に関連付けられているため、アップロードされた画像は、所定の診療IDに紐づけて格納される。すなわち、サーバにおける診察情報記憶部114の所定の診察IDの格納データに追加されて格納されてもよいし、別の記憶部において診察IDに紐づけられた状態で格納されてもよい。診察IDに紐づけられて格納されることによって、その後の処理において、特定の診察に係る処方箋画像データを読み出すことができればよい。二次元コードの生成及び提示は、例えば遠隔診療の終了後において、行われることができる。
【0033】
二次元コード提示部122は、生成した二次元コードを、所定条件に基づいて無効化させる。所定条件とは、例えばあらかじめ定めた時間(10分、30分など)が経過した場合や、医師が別の患者との次の診察を開始した場合、等である。無効化は、例えば無効になった二次元コードの表示を端末画面上から削除するなどの処理やその他既知の方法であってよい。二次元コードを所定条件において失効させることによって、別の診療で発行した処方箋を誤ってアップロードしてしまうなどのミスを防止することができる。発行した二次元コードが無効化した場合は、必要に応じて新たな二次元コードを生成し、表示する。二次元コードの再発行には、医師の入力操作を必要としてもよい。例えば、第一の医師側端末3に「二次元コード再発行」の旨の入力ボタンを表示させ、入力ボタンが操作された場合に新たな二次元コードを発行することとしてもよい。また、医師の操作に関係なく、失効した後速やかに新たな二次元コードを生成し、表示させてもよい。
【0034】
画像データ受付部123は、第二の医師側端末4から送信された処方箋画像データを受付ける。受け付けた画像データは、診察IDに紐付けて診察情報記憶部114などの記憶部に格納する。
【0035】
画像データ編集部124は、受け付けた画像データを、必要に応じて編集する。例えば、画像のゆがみ補正や明るさ補正、トリミングなどの補正を行う。補正の方法は既知の方法を採用することができる。表示部128は、受け付けた画像データや、補正後の画像データを診療中の第一の医師端末3及び患者端末2に表示させてもよい。
【0036】
薬局情報提供部125は、患者が薬の調剤を依頼することのできる薬局の選択肢を提供するものである。薬局情報提供部125は、薬局情報記憶部113に登録されている薬局の中から、所定の条件に基づいて、所定数の薬局を抽出することが望ましい。所定の条件とは、例えば患者の住所と薬局の住所との間の距離若しくは移動距離が短いこと、医療機関の住所と薬局の住所との間の距離若しくは移動距離が短いこと、過去に患者が選択したことがある、あらかじめ患者によって指定されている、などがありえるが、これに限られない。また、条件は1つだけに限らず、複数の条件に基づいてそれぞれ所定数の薬局を抽出してもよい。所定数は、例えば3〜5程度であり、複数の条件に基づいてそれぞれ薬局を抽出する場合は、合計6〜10程度であってもよい。
【0037】
また、薬局情報提供部125は、所定数の薬局に絞ることなく、登録されたすべての薬局情報を提供してもよい。その場合は、上記の条件に基づいて優先順位づけをし、並び替えて提供することが好ましい。そのほか、地図上に薬局をプロットして表示するなど、患者が薬局を選択するうえで役に立つ情報を適宜追加することができる。
【0038】
薬局情報は、遠隔診療中の第一の医師側端末3及び/又は患者端末2に提供され、表示される。患者は、提示された複数の薬局情報の中から、処方を依頼する薬局を選択する。患者が患者端末2を介して選択情報を入力してもよいし、口頭で医師に希望を伝え、医師が入力してもよい。
【0039】
情報共有部126は、アップロードされた処方箋画像及び患者情報(以下、処方箋データという)を、選択された薬局に送信するための処理を行う。薬局に送信する患者情報は、患者の氏名、住所、電話番号などの情報である。情報共有部126は、これらの患者情報を、患者情報記憶部111から読み出す。また、情報共有部126は、薬局に送信するための画像を生成してもよい。たとえば、アップロードされた処方箋画像(補正済のものを含む)に、患者情報を記入するための枠を付加したものを一つのデータとして生成し、さらに、当該枠の中に、読み出した患者情報を挿入する処理を行うことによって、患者情報付きの処方箋画像データを生成する。データ形式は、特に問わず、例えばPDFデータとして送付用の処方箋画像データを生成してもよい。
【0040】
FAXで処方箋データを送信する場合、情報共有部126は、薬局情報記憶部113から薬局のFAX番号を読み出す。FAX送信の手段は特に制限はなく、クラウド上のFAXアプリケーションのAPIに送付用処方箋画像データとFAX番号の情報を流すことによってFAXを送信してもよい。また、FAX送信機能を持つデバイスに処方箋データ及びFAX番号とを含む情報を送信してもよいし、インターネット経由でFAXを送信する場合は所定のアドレスに処方箋データ及びFAX番号とを含む情報を送信する。また、FAX送信サービス事業者へ所定の形式で処方箋データとFAX番号とを含む情報とを提供し、FAXを送信させてもよい。その他、メールで送る場合は、薬局のメールアドレスを読み出し、処方箋画像をメール送信してもよい。これにより、医師がアップロードした処方箋の画像データが、患者情報とともに薬局に送信され、薬局は処方箋をもとに薬を準備することができる。
【0041】
また、情報共有部126は、薬局側端末に対し、送信した処方箋に係る共有情報を提供する。共有情報は、例えば、患者情報(氏名、電話番号、性別、住所、メールアドレス、保険証番号、保険証画像など)、医療機関情報(名称、住所、電話番号、担当医師など)、診察情報(診察日時、疾患名など)であるが、これに限られない。さらに、医師からのコメントなどを追加してもよい。また、処方箋画像データを送信してもよい。情報共有部は、これらの情報を各記憶部から読み出して共有情報を生成することができる。
【0042】
配送依頼部127は、上記のように処方箋を受け取った薬局から、薬を患者に郵送する場合に、薬の配送を配送業者などに依頼するための処理を行う。配送依頼部127は、配送依頼情報を生成する。配送依頼情報は、少なくとも配送先情報を含む。配送先情報は、配送先住所と、受取人氏名、電話番号、受取希望日時などの情報を含む。配送先住所情報として、患者情報記憶部111から郵送先住所情報を取得する。郵送先住所は患者住所でもよいし、患者の住所とは別に患者があらかじめ指定した郵送希望住所であってもよい。患者情報記憶部111に双方が登録されている場合は、郵送希望住所を郵送先住所とする。また、受取人氏名は、患者本人であってもよいし、あらかじめ指定されている場合は別の受取人の氏名を受取人氏名とする。
【0043】
また、薬局への集荷依頼も行う場合は、配送依頼情報に集荷情報も含める。集荷情報は、集荷先住所、集荷先名称、集荷希望日時などの情報を含む。集荷先住所及び集荷先名称は、患者が指定した薬局の住所及び名称とする。集荷希望日時は、薬局側端末5により入力されてもよいし、あらかじめ薬局ごとに登録された日時としてもよく、または処方箋発行日時から所定期間経過後の日時を指定してもよい。また、配送依頼情報には、荷物の大きさ又は重さ、若しくはその双方の情報を含んでもよい。荷物の大きさや重さは、処方した薬の種類及び分量から自動で推定してもよい。その場合は、各薬の種類ごとに、あらかじめ単位当たり重量と体積を登録したデータベースを用意しておき、処方された個数をもとに総重量、総体積を推定すればよい。配送依頼部127は、生成した配送依頼情報を、所定の手段によって配送業者に提供することによって、配送依頼処理を行う。配送業者への依頼の方法は、特に制限されないが、配送業者の依頼受付アプリケーションのAPIに連携させることによって依頼してもよい。配送依頼は、薬剤師による服薬指導が完了したタイミングやその他薬局側端末で配送(集荷)を依頼する旨の入力操作があった時であってよいし、その他、医師による診察が行われている最中や、診察が完了時したタイミングであって、医師側端末に配送を依頼する旨の入力操作があったときに実施されてもよい。
【0044】
表示部128は、患者端末2及び第一の医師側端末3、第二の医師側端末4、薬局側端末5において、所定の画像を表示させる。患者端末2には、患者用画面を生成し、表示させる。第一の医師側端末3には、医者用画面を生成し、薬局側端末5には、薬局用画面を表示させる。
【0045】
本発明の実施の形態におけるサーバ1は、その他、遠隔診療システムを実行するための処理部を適宜備えることができる。例えば、決済部129、予約管理部130、問診部131などを備えることができるが、これに限られない。
【0046】
決済部129は、患者に診察料や薬代金、送料などを請求する処理を行う。決済部129は、診察内容や処方内容から所定の方法により診察料や薬代金、送料を計算し、患者に請求する。請求処理方法は、公知の手法を用いるものとする。薬を配送する場合、薬代及び配送料の請求を患者に対して行う。その他、決済部129は、決済に必要な処理を行うよう機能を有していてよい。決済部129は、患者から病院へ、若しくは患者から薬局への直接の支払を決済してもよいし、遠隔診療支援を行う第三者に仲介させてもよい。すなわち、患者から第三者への各種料金の支払いを請求する一方で、当該第三者が病院又は薬局に対して代金の支払いを行うように決済処理を行うようにしてもよい。
【0047】
予約管理部130は、遠隔診療の予約を管理する。例えば、医師ごとに既予約時間および予約可能時間を登録するスケジュールデータを管理し、所定の記憶部に記憶する。患者端末2において、患者が選択した医師のスケジュールを表示し、希望日時で予約依頼を入力することができる。若しくは、患者が入力した希望日時で予約可能な医師の一覧を表示し、医師の選択を受付けてもよい。予約を受け付けると、医師のスケジュールデータの更新を行う。また、予約管理部130は、薬局側端末5と患者端末2との間の遠隔服薬指導の予約を管理することもできる。その他、予約管理部130は、予約管理に必要な処理を行うよう機能を有していてよい。
【0048】
問診部131は、患者に対して事前の問診を行う。予約をした患者端末2に対し、診療日時の所定時間前において、所定の問診事項を送付する。問診事項は、医師や医療機関ごとにあらかじめ決められた質問事項であってもよく、予約時に患者が入力した情報に基づいて質問事項が編集されてもよい。患者端末2から問診事項に対する回答の入力を受け付け、回答情報を所定の記憶部に記憶する。問診情報は、診療時に医師側端末に提供されてもよい。その他、問診部131は、問診に必要な処理を行うよう機能を有していてよい。
【0049】
以下に、サーバ1により実行される処理について説明する。
図8は、処理フローを示す図である。各ステップは、特に制限のない場合、順番が入れ替わる場合があり得る。
【0050】
まず、患者が患者端末2にログインし、医師が第一の医師側端末3にログインし、遠隔診療を開始する旨の所定の入力が行われると、通信部120は両端末の間での通信を開始する(S101)。患者端末2と第一の医師側端末3との間では、テキストデータ、画像データ、動画データ等を互いに同期させて共有し、医師による診察を行うことができる
(S102)。なお、診察中、医師は、本遠隔診療システムとは別の電子カルテシステムにおいてカルテ情報の入力を行う。
【0051】
診察により、薬を処方する場合(S103=Yes)、S104の処理に進む。薬の処方がない場合(S103=No)、診察が完了するとともに処理を終了する。なお、医師は、薬を処方する場合、本遠隔診療システムとは別の電子カルテシステムにおいて、処方情報を入力し、処方箋を作成し、紙に印刷する。
【0052】
薬の処方がある場合、薬局情報提供部125は、薬局情報記憶部113から薬局情報を読み出す。好ましくは、患者住所若しくは医療機関住所との間での距離又は移動距離が短い薬局を所定数選択する。また、患者が過去に選択した薬局を優先して選択してもよい。薬局情報提供部125は、選択した薬局情報を患者端末2及び第一の医師側端末3に表示する。
図9は、患者端末2及び第一の医師側端末3に表示される薬局情報の提示画面の一例である。ここでは、医療機関から近い薬局の上位3つ、及び患者住所から近い薬局の上位3つの名称、住所、FAX番号などをそれぞれ表示している。また、希望する薬局が選択肢にない場合に薬局を検索できる検索ボックスを表示させてもよい。薬局の提示方法はこれに限られない。
【0053】
患者は提示された複数の薬局の中から、処方を依頼する薬局を選択する(S105)。選択情報入力は、医師が患者から口頭で聞いて行ってもよいし、患者自身が入力してもよい。
図9の例においては、ラジオボタンで選択を受け付けるようになっている。
【0054】
次に、二次元コード生成部121は、URLなどのサーバ1の位置情報を含む情報を二次元コード化する(S106)。位置情報は、現在通信が行われている診察中の診療IDに関連づけられた情報であると好ましい。二次元コード提示部122は、生成された二次元コードを、第一の医師側端末3に表示する(S107)。
図10は、第一の医師側端末3に表示される二次元コードの表示画面の一例である。第一の医師側端末3にすでに処方箋画像データが格納されている場合は、左側の「スキャンした処方箋を選択」により、ファイルを選択してアップロードしてもよい。第二の医師側端末4により画像の撮影を行う場合は、右側の「スマートフォンで処方箋を撮影」により、二次元コードを利用して画像を撮影・アップすることができる。二次元コードは、有効期限とともに表示することができる。例えば、10分で無効化される設定の場合、表示してからの経過時間、若しくは有効期限の残り時間を表示することができる。
【0055】
二次元コードは、所定の条件を満たした場合に無効化されることが望ましい。例えば、所定時間経過により無効化する場合、二次元コード提示部122は二次元コードを表示してから経過した時間を計測する(S108)。そして、所定時間経過した場合(S108=Yes)、二次元コードを無効化する(S109)。二次元コードが無効化された場合、二次元コード生成部121は、必要に応じて新たな二次元コードを生成する(S106に戻る)。
【0056】
医師は、遠隔診療を行っている第一の医師側端末3とは別の第二の医師側端末4に搭載された二次元コード読取装置によって、第一の医師側端末3に表示された二次元コードを読み取る。
図11は、二次元コードを読み取った後に第二の医師側端末4に表示される画面の一例である。二次元コードを読み取ると、第二の医師側端末4のカメラが起動する。所定の操作(例えば、撮影ボタンをタップする等)によって、処方箋の画像を撮影する。送信ボタンをタップすることにより、二次元コードに含まれていたサーバ1の位置情報に基づいて、画像をアップロードすることができる。また、処方箋画像は複数枚撮影し、まとめてアップロードすることもできる。その場合は、1枚目の処方箋画像を撮影したのちに、「+処方せん写真を追加」ボタンをタップすると、再びカメラが起動し、処方箋を撮影することができる。撮影済みの処方箋画像のサムネイルを画面上に表示させてもよい。
【0057】
画像受付部は、第二の医師側端末4から画像データを受け付ける(S110)。受け付けた画像データは、診察情報記憶部114において所定の診療IDに紐づけて格納される。また、遠隔診療中の第一の医師側端末3及び患者端末2に、アップロードされた画像を表示させることができる。
図12は、第一の医師側端末3及び患者端末2の表示例である。ファイル名、アップロード日時などの情報とともに、処方箋画像を表示させる。これにより、電子カルテシステムで作成された処方箋を、患者に見せて確認してもらうことができる。
【0058】
次に、情報共有部126は、処方箋画像データ及び患者情報を薬局に送付する(S111)。S105で選択された薬局のFAX番号を薬局情報記憶部113から読み出し、FAX番号と処方箋画像、患者情報とを含む情報をFAX送信アプリケーションのAPIに提供するか、またはFAX送信機能のあるデバイスに送信するなどしてFAXを送信するための処理を行う。また、情報共有部126は、患者情報、医療機関情報、診察情報等の共有情報を生成し、薬局側端末5に提供する。薬局は、FAXで受け取った処方箋画像と受け取った共有情報をもとに、薬の準備をすることができる。薬局への処方箋データの送付は、医師が第一の医師側端末3において、処方箋データを送付する旨の入力指示をした場合(例えば、「送付」ボタンをクリックした場合)に行われてもよく、診察中若しくは診察後であってもよい。また、遠隔診療が終了したことをもって自動的に送付が行われてもよい。
【0059】
本発明に係るサーバは、さらに、薬剤師による服薬指導・フォローアップをオンラインで行うための機能を備えてもよい。すなわち、患者端末2と薬局側端末5との間でテレビ電話などの通信を接続し、薬剤師が患者に服薬指導やフォローアップを行うことができるものである。通信を行うにあたっては、遠隔診療と同じく、予約管理部130によって服薬指導の予約を患者から受け付けてもよい。
【0060】
S112以降は、服薬指導を行う場合のフローである。
図13は、共有情報が送信されたときの薬局側端末5の画面例である。画面には、共有情報(患者情報、医療機関情報、診察情報)などが表示される。また、
図14は、薬局側端末5において薬局が受け付けた処方箋の受付一覧を表示する画面例である。例えば受付順に、患者氏名などの情報が表示される。薬局は、受け付けた順番に、若しくは予約に基づいて患者との間で服薬指導を行えばよい。薬局に処方箋画像及びその他共有情報が送信された後、通信部120は、当該薬局側端末5と患者側端末2との間で通信を接続することができる(S112)。そして、薬剤師が薬局側端末5を介して、患者に対して服薬指導を行う(S113)。
【0061】
服薬指導が終わると、決済を行う。
図15は、薬局側端末5に表示される決済画面の一例である。配送手配の有無を入力させるとともに請求金額を表示する。配送依頼がある場合は、S114に進む。
【0062】
配送依頼部127は、患者が薬の郵送を希望する場合に、薬を薬局から患者の指定住所に配送するための配送依頼を行う(S114)。配送依頼及び集荷依頼に必要な情報を患者情報記憶部111若しくは薬局情報記憶部113などから読み出し、配送依頼情報を生成し、所定の配送業者に提供する。薬局から患者のもとへ薬が配送され、患者は自宅から出ることなく、診察を受け、さらに薬を受け取ることができるようになる。
【0063】
本発明によれば、医師は印刷した処方箋を簡単な操作でサーバにアップロードすることができる。特に、遠隔診療において通信を行う第一の医師側端末3がカメラ機能を有していないデスクトップコンピュータなどの端末である場合に、手持ちのスマートフォン(第二の医師側端末4)により二次元コードを読み取ることによって、簡単にサーバにアップロードすることができる。また、薬局を選択するだけで、アップロードした処方箋と患者情報とを薬局にFAXなどで送信することができる。処方箋の原本は、追って医療機関から薬局へ郵送されてもよいし、後日、患者が来院した際に手渡ししてもよい。また、配送依頼までを自動で行うことができるため、患者が病院にも薬局にも足を運ぶことなく、薬を受け取ることが可能である。
【0064】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【解決手段】本発明は遠隔診療を支援するサーバであって、患者端末と第一の医師側端末との間で通信を行う通信部と、前記サーバに処方箋画像データをアップロードするための位置情報を二次元コード化する二次元コード生成部と、前記二次元コードを前記第一の医師側端末に提示する二次元コード提示部とを備える、サーバである。本発明によれば、よりスムーズに遠隔診療を行うことができる。