(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
【0012】
〔第1実施形態〕
先ず、
図1から
図8を用いて第1実施形態を説明する。
図8に示すように、本実施形態に係る液剤吐出容器100は、液剤150を貯留する容器本体10と、容器本体10に装着される装着部52と、装着部52に対して一方向及び一方向に対する反対方向に移動可能に装着部52に保持され装着部52に対して相対的に上記一方向に押し込まれることにより液剤150が通過するヘッド部30と、ヘッド部30を通過した液剤150を吐出する吐出口41と、を備えている。
ここで、一方向とは、装着部52に対するヘッド部30の押し込み方向である。
更に、液剤吐出容器100は、装着部52に対して相対的に揺動可能に軸支部75において軸支されるとともに押し込み力を受ける力点部61(
図3、
図4等参照)を有する揺動部60を備えている。ここで、軸支部75の軸の方向は、上記一方向に対して直交する方向であることが好ましい一例であるが、装着部52に対する揺動部60の揺動の方向が上記一方向の成分を持つ方向及びその反対方向になる限りにおいて、上記一方向に対して直交する方向に対して交差する方向であっても良い。本実施形態の場合、軸支部75の軸の方向は、上記一方向に対して直交する方向である。
更に、液剤吐出容器100は、ユーザーの操作により装着部52に対して相対的に押し込まれる操作部20を備えている。操作部20は、当該操作部20が押し込まれる際に力点部61を押し込む押込部(例えば押下部21)を有する。
更に、液剤吐出容器100は、力点部61と軸支部75との間に位置する作用部であって、力点部61が押し込まれることにより揺動部60が上記一方向の成分を持つ方向に揺動する際に、揺動部60からヘッド部30に対して押し込み力を伝達する作用部(例えば揺動部60の作用面65aとヘッド部30の突起部33とにより構成される)を備えている。
揺動部60が軸支部75に軸支されていない非軸支状態(
図1、
図2の状態)で操作部20及びヘッド部30が装着部52に対して押し込まれることによって、揺動部60が操作部20又はヘッド部30の少なくとも一方により押されて上記一方向に移動し揺動部60が軸支部75に連結されることで軸支される(
図3の状態)。
これにより軸支部75を支点として揺動部60が上記一方向の成分を持つ方向及びその反対方向に装着部52に対して相対的に揺動可能となるように、液剤吐出容器100は構成されている。
【0013】
本実施形態の場合、上記一方向は下方向であり、上記一方向に対する反対方向は上方向である。
なお、本発明は、この例に限らず、上記一方向は、下方向に限定されない。例えば、上記一方向は、水平方向であってもよいし、その他の方向であってもよい。
【0014】
本実施形態の場合、装着部52に取り付けられる部材(後述するストッパ部材70)が軸支部75を有している。すなわち、揺動部60が装着部52に対し(ストッパ部材70を介して)間接に軸支される。
ただし、後述する第4実施形態のように、装着部52が軸支部75を有していてもよい。すなわち、揺動部60が装着部52に対して直接軸支されてもよい。
【0015】
上記のように、
図1及び
図2に示す状態は、揺動部60が軸支部75に軸支されていない非軸支状態である。なお、
図1及び
図2に示す状態は、装着部52に対するストッパ部材70(後述)の取付状態が第2取付状態となっていることによって、装着部52に対する操作部20及びヘッド部30の押し込みが許容された状態である。
また、
図3に示す状態は、揺動部60が軸支部75に軸支された状態である。なお、
図3に示す状態は、操作部20及びヘッド部30が下限位置(下死点)まで押し下げられた状態(以下、単に押下状態という場合がある)でもある。
また、
図4及び
図8に示す状態は、操作部20及びヘッド部30が押し下げられていない通常時の状態(通常状態)であり、操作部20及びヘッド部30が上死点に位置する状態である。
また、
図7に示す状態は、装着部52に対するストッパ部材70(後述)の取り付け状態が第1取付状態となっていることによって、装着部52に対する操作部20及びヘッド部30の押下げが規制された状態(以下、押下規制状態という場合がある)である。
なお、
図1〜
図4及び
図8に示す状態は、装着部52に対するストッパ部材70の取り付け状態が第2取付状態となっていることによって、装着部52に対する操作部20及びヘッド部30の押下げが許容された状態(以下、押下許容状態という場合がある)である。
図1〜
図4において、左方向が前方、右方向が後方、紙面の奥側方向が左方、紙面の手前側方向が右方であるものとする。
なお、軸支部75の軸の方向(以下、軸方向と称する:後述する軸部64の延在方向)は、例えば左右方向となっている。
【0016】
図8に示すように、本実施形態に係る液剤吐出容器詰め品200は、本実施形態に係る液剤吐出容器100と、容器本体10に充填された液剤150と、を備えて構成されている。
【0017】
本実施形態では、液剤150として、泡状にして吐出されるものを例示する。このような液剤としては、ハンドソープを代表例として挙げることができるが、これに限られず、洗顔料、クレンジング剤、食器用洗剤、整髪料、ボディソープ、髭剃り用クリーム、ファンデーションや美容液等の肌用化粧料、染毛剤、消毒薬など、泡状で用いられる種々のものを例示することができる。
ただし、本発明における液剤150としては、泡状にして吐出されるものに限られず、流動性の液剤のまま吐出されるものも含まれ、そのような液剤150としては、ハンドソープ、洗顔料、クレンジング剤、食器用洗剤、整髪料、ボディソープ、髭剃り用ジェル、ファンデーションや美容液等の肌用化粧料、染毛剤、消毒薬などを例示することができる。
【0018】
容器本体10には、常圧で、または加圧されて、液剤150が貯留される。液剤吐出容器100は、常圧で貯留された液剤150を空気と接触させることにより、または加圧下で貯留された液剤150を吐出時に大気圧に解放させることにより、液剤150を泡状に変化させる。本明細書では、泡状の液剤150を泡体と呼称して、容器本体10に貯留されている非泡状の液剤150と区別する。
液剤吐出容器100は、例えば、機械式のポンプ容器であり、操作部20を介して間接的にヘッド部30を押下操作することにより、液剤150を泡体として吐出する。
ただし、本実施形態とは異なり、ボンベ等に貯留された高圧ガスなどを用いて液剤150(泡体)を吐出するように、液剤吐出容器が構成されていても良い。
【0019】
容器本体10の形状は特に限定されないが、例えば、
図8に示すように、容器本体10は、筒状の胴部11と、胴部11の上側に連接されていて上方に向けて内腔の平断面積が縮小する肩部12と、肩部12の上側に連接されている円筒状の口頸部13と、胴部11の下端を閉塞している底部14と、を有する形状となっている。容器本体10の材料は特に限定されないが、容器本体10は、例えば、合成樹脂により成形されている。口頸部13の上端には開口が形成されている。
【0020】
本実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50は、液剤吐出容器100の構成のうち容器本体10を除く部分により構成されている。
すなわち、液剤吐出器付きキャップ50は、液剤150を貯留する容器本体10に装着される装着部52と、装着部52に対して一方向及び一方向に対する反対方向に移動可能に装着部52に保持され装着部52に対して相対的に上記一方向に押し込まれることにより液剤150が通過するヘッド部30と、ヘッド部30を通過した液剤150を吐出する吐出口41と、装着部52に対して相対的に揺動可能に軸支部75において軸支されるとともに押し込み力を受ける力点部61を有する揺動部60と、ユーザーの操作により装着部52に対して相対的に押し込まれる操作部20であって押し込まれる際に力点部61を押し込む押込部(押下部21)を有する操作部20と、力点部61と軸支部75との間に位置する作用部であって力点部61が押し込まれることにより揺動部60が上記一方向の成分を持つ方向に揺動する際に揺動部60からヘッド部30に対して押し込み力を伝達する作用部(例えば揺動部60の作用面65aとヘッド部30の突起部33とにより構成される)と、を備え、揺動部60が軸支部75に軸支されていない非軸支状態で操作部20及びヘッド部30が装着部52に対して押し込まれることによって、揺動部60が操作部20又はヘッド部30の少なくとも一方により押されて上記一方向に移動し揺動部60が軸支部75に連結されることで軸支され、軸支部75を支点として揺動部60が上記一方向の成分を持つ方向及びその反対方向に装着部52に対して相対的に揺動可能となる。
【0021】
図8に示すように、装着部52は、例えば螺合等の止着方法によって口頸部13に対して着脱可能に装着されている。これにより、口頸部13には、装着部52、ヘッド部30、操作部20、揺動部60等を含む液剤吐出器付きキャップ50の全体が装着されている。口頸部13に液剤吐出器付きキャップ50が装着されることにより、液剤吐出器付きキャップ50によって口頸部13の開口が閉塞されている。
【0022】
装着部52は、口頸部13に対して着脱可能に装着される筒状部52aと、筒状部52aの上端を当該上端の中央部を除いて閉塞している天面部52bと、筒状部52aよりも細径で天面部52bから上方に向けて起立している管状の管状部52cと、を備えている。
管状部52cと筒状部52aとは互いに同軸に配置されている。管状部52c及び筒状部52aの軸方向は上下に延在している。
筒状部52aは、例えば、二重筒構造となっており、筒状部52aにおける内側の筒部の内周面には、口頸部13の外周面に形成されたねじ山と螺合するねじ山が形成されている。
管状部52cの上端部には、径方向外方に(周囲に)向けてフランジ状に張り出したフランジ部52d(
図2等参照)が形成されている。
【0023】
図2等に示すように、ヘッド部30は、例えば、ヘッド本体部31と、ヘッド本体部31から水平方向成分を持つ方向に突出し、吐出口41が形成されているノズル部40と、を備えている。
ヘッド本体部31は、後述する昇降部によって保持されている。この昇降部は、管状部52cの軸方向(つまり上下方向)において管状部52cに対して相対移動可能となっている。したがって、ヘッド本体部31、ひいてはヘッド部30の全体も、管状部52cの軸方向において管状部52cに対して相対移動可能である。
【0024】
図2に示すように、ヘッド本体部31は、例えば、外筒部32と、外筒部32と同軸に外筒部32の内側に配置されている内筒部34と、を有する二重筒構造となっている。本実施形態の場合、外筒部32と内筒部34とは、ヘッド本体部31の上端部において相互に連結されている。内筒部34及び外筒部32の上端面は閉塞されている。なお、内筒部34は、例えば、外筒部32の下端よりも下方に突出している。
ヘッド部30は、内筒部34の内部に昇降部が嵌入することにより、昇降部によって保持されている。
外筒部32及び内筒部34は、管状部52cと同軸に配置されている。平面視において、管状部52cの外方に外筒部32が配置され、管状部52cの内方に内筒部34が配置されており、外筒部32及び内筒部34、ひいてはヘッド本体部31の全体は、管状部52cにより上下方向にガイドされている。
【0025】
ノズル部40は、筒状に形成され、ヘッド本体部31の上端部から前方に向けて水平に突出している。ノズル部40の基端部の内部空間は、内筒部34の上端部の内部空間と連通している。吐出口41は、例えば、前向きに開口する状態でノズル部40の先端に形成されている。
ノズル部40の基端部における下面には、それぞれ前後に延在する左右一対のリブ42が形成されている。リブ42の後端は外筒部32の前面に達している。
【0026】
ここで、液剤吐出器付きキャップ50は、以下に説明する泡ポンプ機構を備えている。泡ポンプ機構の各構成については適宜に図示を省略している。泡ポンプ機構は、それぞれ以下に説明する昇降部、コイルスプリング等のバネ体、ピストン、弁体、ハウジング、ディップチューブ53、泡生成部等を備えている。
なお、以下に説明する泡ポンプ機構の構造および動作は一例であり、その他の広く知られている構造のものを本実施形態に適用しても何ら差し支えが無い。
【0027】
ヘッド部30が操作部20により押し下げられていない通常の状態(通常状態)においては、バネ体の作用により、管状部52cに対する昇降部及びヘッド部30の上下方向位置が上限位置となる(
図4、
図8)。
一方、ユーザーが操作部20に対して押下操作を行うことにより、揺動部60を介してヘッド部30に押下力が伝達され、ヘッド部30はバネ体の付勢に抗して昇降部と一体に押し下げられる。その結果、ヘッド本体部31が管状部52cに対して相対的に下降して外筒部32が装着部52の天面部52bに近づき、例えば、外筒部32により管状部52cが覆われた状態となる(
図3)。
操作部20に対する押下操作が解除されると、バネ体の付勢に従って昇降部と一体にヘッド部30が上昇し、通常状態に復帰する。その際、操作部20も押下操作前の位置に復帰する。
【0028】
ここで、操作部20が押し下げられる際には、操作部20の押下部21によって、揺動部60の力点部61が押し下げられるため、揺動部60が軸支部75を支点として下向き成分を持つ方向に揺動する。その際に、作用部が揺動部60からヘッド部30に対して押下力を伝達することにより、ヘッド部30が押し下げられる。
作用部は力点部61と軸支部75との間に位置しているため、テコの原理によって、押下部21が力点部61を押す力が、揺動部60がヘッド部30を押す力よりも小さくなる。
よって、ユーザーが軽い力で操作部20を押し下げることにより、ヘッド部30を下方に押し込むことができる。
【0029】
泡ポンプ機構のハウジングは、ピストン及びバネ体を収容しているとともに、管状部52c、内筒部34、及びノズル部40の内部を介して吐出口41と連通している。
ディップチューブ53は、容器本体10内の液剤150を吸い上げる管であり、ハウジングの内部と連通しているとともに、ハウジングから下方に垂下している。
液剤吐出器付きキャップ50が口頸部13に装着された状態で、ハウジング及びディップチューブ53は容器本体10の内部に位置する。
泡ポンプ機構のピストンは、ハウジング内において上下方向に往復動が可能となっている。ピストンの下端には球状の弁体が形成されている。弁体は、ハウジングおよびディップチューブ53に貯留された液剤150の流下を抑止する。
ユーザーが操作部20を押し下げることによって揺動部60を介してヘッド部30が押し下げられると、ピストンによりその下端の弁体の上昇(開放)が規制された状態で、ハウジングの内部の空気圧が上昇する。ピストンには、ハウジングとヘッド部30とを連通させる小孔の液流路(不図示)が設けられている。液流路の開口面積は十分に小さいため、ヘッド部30を押し下げることによってハウジングの空気圧が上昇し、その後に液剤150はハウジングからヘッド部30に押し上げられる。ヘッド部30には、外部と連通する空気流路(不図示)が設けられている。
液剤吐出器付きキャップ50の内部には液剤150の流路上に泡生成部が設けられている。泡生成部では、液剤150に対して空気が吹き付けられることにより、液剤150が粗い泡になる。この粗い泡が泡生成部における後段部分に配置されたメッシュを通過することにより、きめ細かく均一な泡体となる。そして、この泡体が、内筒部34の内部からノズル部40内に導入され、ノズル部40を介して吐出口41から吐出される。
操作部20の押下操作が解除されると、バネ体が弾性復帰することによってピストンが上方位置に復帰する。これによりハウジングの内部は低圧となり、弁体が開放されて新たな液剤150がディップチューブ53を介してハウジングに吸い上げられる。なお、空気流路を通じて液剤吐出器付きキャップ50の内部に外部の空気が取り込まれることによって液剤吐出器付きキャップ50の内部は大気圧に維持される。
泡生成部は、例えば、昇降部内に保持されている(
図6参照)。昇降部は、ピストンとともに昇降可能となっている。
【0030】
なお、
図1〜
図4及び
図7の各図においては、液剤吐出器付きキャップ50の構成のうち、装着部52よりも下側に位置する構成の図示を省略している。
同様に、後述する他の実施形態においても、液剤吐出器付きキャップ50を示す各図においては、装着部52よりも下側に位置する構成の図示を省略している。
【0031】
ここで、
図5(a)〜
図5(d)はヘッド部30を示す図であり、このうち
図5(a)は平面図、
図5(b)は右前方上側からヘッド部30を視た斜視図、
図5(c)は左前方上側からヘッド部30を見た斜視図、
図5(d)は右後方上側からヘッド部30を視た斜視図である。
ヘッド部30の外筒部32の左右の側面の各々には、操作部20を上下にガイドするガイド部38と、作用部を構成する突起部33とが形成されている。
より詳細には、ガイド部38は、例えば、上下に直線状に延在する第1ガイドリブ38aと、第1ガイドリブ38aの前側において上下に直線状に延在する第2ガイドリブ38bと、を含んで構成されている。
例えば、第2ガイドリブ38bの下端は、第1ガイドリブ38aの下端よりも高い位置に配置されている。
突起部33は、第2ガイドリブ38bの下端の下側に隣接する位置に配置されており、外筒部32から側方に突出している。したがって、突起部33は、ヘッド部30の上面30aよりも下方に配置されている。外筒部32の外周面からの突起部33の突出高さは、外筒部32の外周面からの第2ガイドリブ38bの突出高さよりも高い。
ヘッド部30の外筒部32の後面には、ガイド部38とともに操作部20を上下にガイドする第2ガイド部39が形成されている。第2ガイド部39は、蟻ほぞ状に形成されており、外筒部32の上端から外筒部32の下端部に亘って、上下に直線状に延在している。
第2ガイド部39の上端部の後面には、操作部20がヘッド部30から上方に脱落することを規制する突起部39aが形成されている。
【0032】
外筒部32の外周面の下端部には、押下規制状態(つまりストッパ部材70は第1取付状態)において装着部52に対するヘッド部30の押下げを規制する第1押下規制部35及び第2押下規制部36が形成されている。
例えば、第1押下規制部35は、外筒部32の前部から右側部に亘って周回状に形成されたフランジ状の部分である。
また、第2押下規制部36は、外筒部32の右側部から後部に向けて周回状に形成されたフランジ状の部分である。
ここで、第1押下規制部35の一端部(後端部)は、第1押下規制部35における他部と比べて外筒部32の径方向における突出長が大きく設定された突起部35aとなっている。第2押下規制部36の前端部は、突起部35aから後方に離間しており、突起部35aと第2押下規制部36との間隙には操作部20の後述する被ガイド部24の下端部が入り込み可能となっている(
図1、
図3参照)。
【0033】
更に、外筒部32の外周面の下端部には、押下規制状態(ストッパ部材70は第1取付状態)においてストッパ部材70と係合する第1位置決め用突起37aと、押下許容状態(ストッパ部材70は第2取付状態)においてストッパ部材70と係合する第2位置決め用突起37bと、が形成されている。
【0034】
液剤吐出器付きキャップ50は、軸支部75を有しているとともに装着部52に取り付けられる(例えば着脱可能に取り付けられる)ストッパ部(ストッパ部材70)を備えている。
ここで、
図6(a)〜
図6(d)はストッパ部材70を示す図であり、このうち
図6(a)は平面図、
図6(b)は平断面図(
図6(c)のB−B断面図)、
図6(c)は縦断面図(
図6(a)のC−C断面図)、
図6(d)は斜視図である。
装着部52に対するストッパ部材70の取り付け状態は、装着部52に対する操作部20又はヘッド部30の少なくとも一方の押し込みを当該ストッパ部材70により規制する第1取付状態(
図7)と、装着部52に対する操作部20及びヘッド部30の押し込みを許容する第2取付状態(
図1、
図2)とに切り替え可能である。
上記非軸支状態で且つ上記第2取付状態の状態(
図1、
図2)において、操作部20及びヘッド部30が装着部52に対して押し込まれることによって、揺動部60が操作部20又はヘッド部30の少なくとも一方により押されて上記一方向に移動し揺動部60が軸支部75に軸支される(
図3)。
より詳細には、軸支部75は、軸部64の軸方向が水平方向(例えば左右方向)となるように、軸部64を軸受けする。
ここで、第1取付状態において、ストッパ部材70が操作部20の押し込みを規制する場合は、操作部20を押し下げようとしても押し下げが規制されるため、ヘッド部30が押し下げられることもない。また、第1取付状態において、ストッパ部材70がヘッド部30の押し込みを規制する場合は、やはり、操作部20を押し下げようとしても、ヘッド部30の押し下げが規制される。
本実施形態の場合、ストッパ部材70は、第1取付状態においてヘッド部30の押し下げを規制する。
【0035】
ストッパ部(ストッパ部材70)は、装着部52に取り付けられる取付部(例えば
図6(a)等に示す内周壁部71、外周壁部72及び連結部73により構成される部分)と、取付部から上記一方向に対する反対方向(つまり上方)に起立している支持部74(
図1等)と、を備えている。
図1等に示すように、支持部74の起立方向における先端部(つまり上端部)に軸支部75が設けられている。軸支部75は、上記一方向(つまり下方)に向けて湾曲した返し部75aを有するフック形状に形成されている。
揺動部60は、返し部75aに係合する軸部64を有し、軸部64が返し部75aに係合することで揺動部60が軸支部75に連結される(
図3)。
【0036】
より詳細には、例えば、軸支部75は、支持部74の上端部から、ストッパ部材70の軸心側に湾曲し、更に、軸支部75の返し部75aが下方に向けて湾曲している。
また、返し部75aの上面は、ストッパ部材70の軸心側に向けて下り傾斜した傾斜面75bとなっている。
【0037】
また、ストッパ部(ストッパ部材70)は、装着部52に取り付けられる筒状部(
図6(a)等に示す内周壁部71、外周壁部72及び連結部73により構成される部分)を有し、装着部52は、筒状部が外嵌されることでストッパ部が取り付けられる管状部52cを有する。
筒状部が管状部52cに外嵌された状態でストッパ部が管状部52cに対して当該管状部52cの軸周りに回転させられることによって、ストッパ部が上記第1取付状態(
図7)と第2取付状態(
図1、
図2)とに切り替わるようになっている。
より詳細には、
図7に示す第1取付状態から、ストッパ部材70を平面視において時計回りに回転させることによって、
図1及び
図2に示す第2取付状態となる。
ここで、本実施形態では、ここでいう筒状部と上述の取付部とが同一であるが、本発明は、この例に限らず、筒状部と取付部とは互いに別の部分であってもよい。
【0038】
図6(a)、
図6(b)、
図6(c)及び
図6(d)のいずれかに示すように、ストッパ部材70は、平面視弧状(C環状)の内周壁部71と、内周壁部71と同軸に内周壁部71の外周側に配置された平面視弧状(C環状)の外周壁部72と、ストッパ部材70の下端部において内周壁部71と外周壁部72とを相互に連結している連結部73と、外周壁部72から上方に向けて起立している支持部74と、を備えて構成されている。
内周壁部71の内径は管状部52cの外径と同等の大きさに設定されており、内周壁部71に管状部52cが圧入されて嵌め込まれることにより、ストッパ部材70が装着部52に装着されている(
図1〜
図4、
図7、
図8)。
内周壁部71の内周面は、管状部52cにおいて、天面部52bの上面とフランジ部52dとの間の部位の外周面に対して密着するようになっている。また、上下方向において、ストッパ部材70の下面から内周壁部71の上端までの寸法は、管状部52cの周囲における天面部52bの上面からフランジ部52dまでの距離よりも若干小さい寸法に設定されている。このため、ストッパ部材70が装着部52に装着された状態では、ストッパ部材70が装着部52に対して相対的に上下方向に移動することが規制されている。
【0039】
外周壁部72は、当該外周壁部72が部分的に径方向外方に膨出した膨出部76を有している。
支持部74は、膨出部76の上端から上方に突出している(
図6(c))。
内周壁部71と外周壁部72との間隙は、内周壁部71及び外周壁部72の上端において上方に開放している。
【0040】
図6(a)及び(b)に示すように、外周壁部72の周方向における一部分は第1部分72aであり、外周壁部72の周方向における他の部分は、第1部分72aよりも内周側に位置する第2部分72bである。つまり、第2部分72bは第1部分72aよりも径方向内側に位置している。
なお、膨出部76及び支持部74は、例えば、第1部分72aの周方向における第2部分72b側の端部に配置されている。
【0041】
押下規制状態(ストッパ部材70は第1取付状態)のときに、第2部分72bの一部分が第1押下規制部35の下方に位置してヘッド部30の下降を規制する。また、押下規制状態のときには、第1部分72aの一部分が第2押下規制部36の下方に位置することによっても、ヘッド部30の下降が規制される。
一方、押下許容状態(ストッパ部材70は第2取付状態)のときには、第2部分72bは、平面視において第1押下規制部35と重ならない位置に移動し、第1部分72aは、平面視において第2押下規制部36と重ならない位置に移動する。押下許容状態のときにヘッド部30が押下されると、外筒部32の周壁の一部分と第1押下規制部35の少なくとも一部分とが、内周壁部71と外周壁部72との間隙に入り込むようになっている。すなわち、第1部分72aは第2部分72bよりも径方向外側に位置しているため、外筒部32及び第1押下規制部35の下降が許容される。
【0042】
更に、第2部分72bの内周面には、第1位置決め溝77aと第2位置決め溝77bとが形成されている。第1位置決め溝77aは、例えば、第2部分72bの周方向において第1部分72aから遠い側の端部に配置されている。第2位置決め溝77bは、例えば、第2部分72bの周方向において第1部分72aに近い側の端部に配置されている。
第1位置決め溝77aは、
図7に示す押下規制状態(ストッパ部材70は第1取付状態)においてヘッド部30の第1位置決め用突起37aと係合する一方で、押下許容状態(ストッパ部材70は第2取付状態)においてヘッド部30の第2位置決め用突起37bと係合する。
第2位置決め溝77bは、押下規制状態においては第1位置決め用突起37aと第2位置決め用突起37bのいずれとも係合せず、押下許容状態においては第1位置決め用突起37aと係合する。
このように、ストッパ部材70が第1取付状態のときには、第1位置決め溝77aと第1位置決め用突起37aとが係合することによってストッパ部材70が第1取付状態の位置に位置決めされる。
また、ストッパ部材70が第2取付状態のときには、第1位置決め溝77aと第2位置決め用突起37bとが係合するとともに第2位置決め溝77bと第1位置決め用突起37aとが係合することによってストッパ部材70が第2取付状態の位置に位置決めされる。
【0043】
第2部分72bの周方向において第1部分72aから遠い側の端部には、第2部分72bから上方に突出している上方突出部78が形成されている。第1位置決め溝77aは、上方突出部78の上端から第2部分72bの内周面の下端に亘って、上下に延在している。
第2位置決め溝77bは、第2部分72bの上端から当該第2部分72bの内周面の下端に亘って、上下に延在している。
これにより、押下許容状態のときに操作部20及びヘッド部30が押し下げられた際、及び、操作部20の押下げが解除されてヘッド部30が上昇する際に、第1位置決め用突起37aが第2位置決め溝77bにガイドされて上下に摺動するとともに、第2位置決め用突起37bが第1位置決め溝77aにガイドされて上下に摺動するようになっている。
【0044】
揺動部60は、軸支部75に軸受けされる軸部64と、操作部20の押下部21から押下力を受ける力点部61と、を有している。
ここで、
図4に示す通常状態での側面視にて(つまり液剤吐出容器100を軸部64の軸方向に視たときに)、揺動部60は、例えば、軸部64から上方向成分を持つ方向且つ力点部61側に向けて延びる第1部分62と、第1部分62の上端部から力点部61に向けて延びる第2部分63と、を有している。そして、軸部64の軸方向に視たときに、揺動部60は、第1部分62と第2部分63との境界部65において上に凸に屈曲している。境界部65とは、第1部分62における第2部分63側の端部から、第2部分63における第1部分62側の端部にかけての部分である。
より詳細には、揺動部60は、平面視において環状に形成されており、左右対称に形成されている。したがって、揺動部60は、左右一対の第1部分62と左右一対の第2部分63とを有している。したがって、揺動部60は、左右一対の境界部65を有している。
揺動部60は、平面視において、外筒部32を囲んでいる。
力点部61は、例えば、丸棒状に形成されており、左右に延在している。また、軸部64も丸棒状に形成されており、左右に延在している。
また、第1部分62及び第2部分63もそれぞれ棒状に形成されている。
すなわち、軸部64、左右の第1部分62、左右の第2部分63及び力点部61の総体は、環状の棒状となっている。
ただし、揺動部60は、第1部分62及び第2部分63から下側に延びているカバー部66を有している。
このカバー部66は、液剤吐出容器100を軸部64の軸方向に視たときに、突起部33を覆う(
図1〜
図4)。
また、作用部は、揺動部60の境界部65の下面である作用面65aと、上記の突起部33と、により構成されている。
より詳細には、揺動部60は、左右一対の作用面65aを有しており、各作用面65aが、それぞれ対応する突起部33の上に載っている。
【0045】
本実施形態の場合、
図1から
図4に示すように、押下許容状態においては、軸支部75はヘッド部30の外筒部32の前側に配置される一方で、力点部61は外筒部32の後側に配置されるようになっている。すなわち、軸支部75と力点部61とは、平面視において、外筒部32を間に挟んで互いに反対側に配置される。
【0046】
また、操作部20は、例えば、ヘッド部30の上方に位置していて押下操作を受ける操作受部25と、操作受部25の左右両端部からそれぞれ垂下していて各ガイド部38によってガイドされる左右一対の柱状の被ガイド部24と、被ガイド部24の下端部どうしを相互に連結している平面視弧状の連結部27と、連結部27から後方に突出していて操作部20が押し下げられる際に揺動部60の力点部61を押し下げる押下部21と、を備えている。
【0047】
操作受部25の形状は特に限定されないが、本実施形態の場合、操作受部25は、例えば、操作部20の上端部に形成された板状の部分であり、略水平に配置される。より詳細には、操作受部25は、例えば、円板状に形成されている。
【0048】
左右一対の被ガイド部24において、互いに対向する面には、上下に直線状に延在している被ガイド溝24aが形成されている。被ガイド溝24aは、例えば、被ガイド部24の上端から下端に亘って形成されている。
【0049】
左側の被ガイド部24と左側のガイド部38とが相互に係合しているとともに、右側の被ガイド部24と右側のガイド部38とが相互に係合している。より詳細には、第1ガイドリブ38aが被ガイド溝24aに対して嵌入することによって、被ガイド部24とガイド部38とが係合している。
各被ガイド部24、ひいては操作部20の全体は、各ガイド部38によって上下にガイドされている。なお、第2ガイドリブ38bは、被ガイド部24の前面を上下にガイドしている。
各被ガイド部24は、操作部20が押し下げられる際に、対応するガイド部38に沿って摺動する。
操作部20は、ガイド部38によって上下に直線状にガイドされるため、操作部20の天地方向は一定に維持されることとなる。
よって、ヘッド部30を直に押し下げるタイプの液剤吐出容器に近い操作感を実現することができる。
【0050】
連結部27は、平面視において後方に向けて凸の半円弧状に形成されており、連結部27の一端は一方の被ガイド部24の下端に、連結部27の他端は他方の被ガイド部24の下端に、それぞれ固定されている。
連結部27の後端部の前面(内面)には、ヘッド部30の第2ガイド部39によって上下にガイドされる第2被ガイド部29が形成されている。第2被ガイド部29は、ほぞ溝状に形成されており、第2被ガイド部29に対して第2ガイド部39が嵌合している。
第2被ガイド部29の上部には、通常状態(
図4)において第2ガイド部39の上端部の突起部39aを収容する突起部収容溝29aが形成されている。
また、突起部収容溝29aの下端は、通常状態において突起部39aの下面に突き当たる段差部29bとなっている。段差部29bが突起部39aの下面に突き当たることによって、操作部20がヘッド部30に対して上方に脱落することが規制されている(抜け止めされている)。
【0051】
押下部21は、連結部27の後端から後方に突出している。押下部21は、水平な下面21aを有し、当該下面21aで力点部61を押し下げるようになっている。
【0052】
ここで、
図4に示す通常状態において、揺動部60は、軸部64が軸支部75によって軸支されるとともに、作用面65aが突起部33によって支えられることにより、
図4の姿勢に保たれる。
また、操作部20は、押下部21の下面21aが揺動部60の力点部61によって支えられることにより、
図4の位置に配置される。この状態で、被ガイド部24の下端部が揺動部60の第2部分63と外筒部32との間に入り込んでいる。これにより、第2部分63と外筒部32との接触が抑制されているとともに、揺動部60が揺動する際における揺動部60の動作のぐらつきが抑制されている。
【0053】
操作部20が押下されると、押下部21の下面21aによって力点部61が押し下げられることにより、揺動部60が軸支部75を支点として
図4において時計回りに揺動する。その際に、作用面65aが突起部33を押し下げることにより、ヘッド部30が装着部52及びストッパ部材70に対して相対的に押し下げられる(
図3)。
【0054】
押下部21の下面21aが力点部61を押し下げる際に、力点部61は、一旦、下面21aに対して後方に摺動した後、前方に摺動する。これにより、押下状態において、下面21aに対する力点部61の前後位置は、例えば
図3に示すように、通常状態(
図4)と同等の位置となる。
【0055】
また、押下部21が力点部61を押し下げる際に、作用面65aにおいて突起部33と接触する部位は、突起部33に対して摺動する。
ここで、作用面65aにおいて突起部33と接触する部位は、常に水平に維持されるように、作用面65aの形状(傾斜)が設定されていることが好ましい(
図3、
図4参照)。このようにすることにより、揺動部60からヘッド部30に対して伝達される力の損失を抑制できるため、操作部20の押下に必要な力を抑制できる。
また、突起部33の上面には面取り加工が施されていることが好ましい。
【0056】
また、作用部(作用面65a及び突起部33)の配置は、力点部61と軸支部75との間に作用部が位置している限りにおいて、特に限定されない。作用部がこのような配置となっていることにより、操作部20を押下することによって、テコの原理を利用して、ヘッド部30を押し下げることができる。
例えば、側面視において、作用部が力点部61と軸支部75とのおよそ中間位置に配置されている場合には、操作部20を押下することによって、直にヘッド部30を押下する場合と比べておよそ1/2の大きさの力でヘッド部30を押し下げることができる。
【0057】
ここで、ヘッド部30は、装着部52に対して相対的に、装着部52の軸周り(筒状部52a及び管状部52cの軸周り)に回転可能となっている。また、操作部20は、被ガイド部24及び第2被ガイド部29がヘッド部30のガイド部38及び第2ガイド部39と係合していることによって、装着部52の軸周りにおいてヘッド部30に対する相対的な回転が規制されている。また、ストッパ部材70は、第1位置決め溝77a及び第2位置決め溝77bがヘッド部30の第2位置決め用突起37b及び第1位置決め用突起37aと係合していることによって、装着部52の軸周りにおいてヘッド部30に対する相対的な回転が規制されている。また、揺動部60は、軸支部75においてストッパ部材70に支持されているとともに、作用面65aがヘッド部30の突起部33によって支持されている。
これらにより、操作部20、ヘッド部30、揺動部60及びストッパ部材70は、一体的に、装着部52の軸周りに回転可能となっている。
よって、ユーザーが操作部20、ヘッド部30、揺動部60及びストッパ部材70を好みの位置に移動(回転)させて、液剤吐出容器100を用いることができる。
【0058】
なお、液剤吐出器付きキャップ50は、例えば、左右対称に形成されている。
【0059】
液剤吐出器付きキャップ50、液剤吐出容器100及び液剤吐出容器詰め品200は、以上のように構成されている。
【0060】
液剤吐出器付きキャップ50、液剤吐出容器100及び液剤吐出容器詰め品200の流通時においては、液剤吐出器付きキャップ50は、
図7に示すようにストッパ部材70が第1取付状態となっていることにより、押下規制状態となっている。なお、
図7に示す状態を流通状態と称する。
また、流通時には、軸部64が軸支部75に軸支されていない。
軸部64が軸支部75に軸支されていない状態では、揺動部60の軸部64は、外筒部32の前面におけるノズル部40の基端の近傍の部位に近接して、当該部位の前側に配置されており、揺動部60の力点部61は、押下部21の下面21aに係合しているとともに、揺動部60の作用面65aが突起部33の上面に係合している。なお、揺動部60の姿勢については、
図7に示す流通時(押下規制状態)と、
図1及び
図2に示す押下許容状態且つ非軸支状態のときとで同一である。
また、軸部64が軸支部75に軸支されていない状態では、操作部20は、例えば、当該操作部20の下面25aがヘッド部30の上面30aによって支持されているか、又は、当該操作部20の連結部27の下面がヘッド部30の第2押下規制部36の上面によって支持されていることにより、ヘッド部30によって支持されている。なお、操作部20とヘッド部30との位置関係については、
図7に示す流通時(押下規制状態)と、
図1及び
図2に示す押下許容状態且つ非軸支状態のときとで同一である。
【0061】
液剤吐出容器詰め品200の使用時には、先ず、ユーザーがストッパ部材70を装着部52に対して相対的に回転させる操作を行うことによって、
図1及び
図2に示すように、装着部52に対するストッパ部材70の取付状態を第2取付状態にする。この状態では、軸支部75が軸部64の下方に配置される。
【0062】
次に、ユーザーが操作部20を装着部52に対して押し込む(操作部20を押し下げる)。すると、操作部20の下面25aによってヘッド部30の上面30aが下方に押されるか、又は、操作部20の連結部27の下面によって第2押下規制部36の上面が下方に押されることにより、ヘッド部30は操作部20と一体となってバネ体の付勢に抗して押し下げられる。
このように操作部20及びヘッド部30が押し下げられる際には、揺動部60は、例えば、押下部21又はリブ42によって下方に押されること、及び、当該揺動部60の自重に従って、下降する。ここで、揺動部60は、押下部21の下面21a、突起部33、外筒部32の前面及びリブ42によって、姿勢の変化が規制されうる。このため、操作部20の押下げ時に、揺動部60は一定の姿勢で操作部20及びヘッド部30に伴って下降する。なお、揺動部60は、専ら操作部20によって押されることにより下降するようになっていてもよいし、専らヘッド部30によって押されることにより下降するようになっていてもよい。
【0063】
その後、軸部64が軸支部75の返し部75aの上面である傾斜面75bに当接するまで揺動部60が下降し、なおも操作部20が押し下げられると、軸部64又は揺動部60における軸部64の両側の部分がノズル部40のリブ42によって押し下げられる。これにより、軸部64が軸支部75に対して係合する(
図3)。
この際、ストッパ部材70の支持部74等が弾性変形することにより、軸部64が軸支部75に対して容易に係合する。
また、返し部75aの上面である傾斜面75bは、ストッパ部材70の軸心側に向けて下り傾斜しているため、軸部64が返し部75aに対してよりスムーズに係合することができる。
こうして、揺動部60の軸部64が軸支部75の返し部75aに対して係合する。すなわち、揺動部60が軸支部75に連結されることで軸支される。これにより、軸支部75を支点として揺動部60が上方向成分を持つ方向及びその反対方向に装着部52に対して相対的に揺動可能となる。
図3に示す状態は、操作部20及びヘッド部30はそれぞれ下死点の状態である。
【0064】
なお、
図3の状態では、被ガイド部24の下端部が第1押下規制部35の突起部35aと第2押下規制部36との間に入り込むが、突起部35aは、第1押下規制部35における他部と比べて外筒部32の径方向における突出長が大きいため、被ガイド部24の下端部が突起部35aと噛むことなく、より確実に突起部35aと第2押下規制部36との間に入り込むことができる。
よって、外筒部32に第1押下規制部35及び第2押下規制部36が設けられていても、操作部20のストロークを十分に確保することができる。
【0065】
揺動部60が軸支部75に軸支された後、操作部20に対する押下操作が解除されると、
図4に示すように、バネ体の付勢に従ってヘッド部30が上死点に上昇する。
このとき、ヘッド部30の突起部33が揺動部60の作用面65aを押し上げることにより、揺動部60は
図3に示す姿勢から
図4に示す姿勢に変化する。つまり、揺動部60は軸支部75を支点として、
図3において反時計回りに揺動し、
図4の姿勢となる。また、揺動部60の力点部61が操作部20の下面21aを押し上げることにより、操作部20はヘッド部30に対して相対的に上昇する。すなわち、ヘッド部30に対する操作部20の相対的な高さ位置は、
図3に示す位置(操作部20の下死点位置)から
図4に示す位置(操作部20の上死点位置)に変化する。この際、操作部20は、ガイド機構(ガイド部38、第2ガイド部39、被ガイド部24及び第2被ガイド部29)によって、上方にガイドされるため、一定の姿勢に維持される。なお、ヘッド部30に対する操作部20の上昇は、第2被ガイド部29の段差部29bが第2ガイド部39の突起部39aの下面に接する位置(
図4の位置)で規制される。
【0066】
ここで、
図4に示す通常状態では、
図7に示す流通状態と比べて、ヘッド部30の上面30aと操作受部25の下面25aとの距離が拡大する。
換言すれば、
図7に示す流通状態では、
図4に示す通常状態と比べると、ヘッド部30の上面30aと操作受部25の下面25aとの距離が小さい。好ましくは、流通状態では、下面25aの少なくとも一部分が、上面30aに接している(例えば、
図2に示すように、上面30aの周縁部に対して下面25aが接している)。
よって、
図7に示す流通状態では、
図4に示す通常状態と比べると、液剤吐出器付きキャップ50の高さ寸法、ひいては、液剤吐出容器100及び液剤吐出容器詰め品200の高さ寸法が小さくなる。
これにより、液剤吐出器付きキャップ50、液剤吐出容器100及び液剤吐出容器詰め品200の流通時におけるサイズを小型化することが可能であるため、良好な流通効率を実現できる。
同様に、液剤吐出容器詰め品200、液剤吐出容器100又は液剤吐出器付きキャップ50を販売店で陳列する際の高さ寸法も小さくできるため、陳列に必要なスペースも抑制できる。
【0067】
液剤吐出容器100から泡体を吐出するためには、
図4に示す通常状態において、操作部20に対して押下操作を行う。これにより、揺動部60を介してヘッド部30が押下され、ヘッド部30はバネ体の付勢に抗して押し下げられる。ヘッド部30が押し下げられることにより、ノズル部40の吐出口41から泡体が吐出される。なお、操作部20が押し下げられる際には、操作部20は、ガイド機構によって下方にガイドされるため、やはり、一定の姿勢に維持される。
【0068】
以上のような第1実施形態によれば、操作部20を押し込む(例えば押し下げる)ことにより、テコの原理を利用してヘッド部30を押し込むことができる。
また、揺動部60が軸支部75に軸支されていない非軸支状態で操作部20及びヘッド部30が装着部52に対して押し込まれることによって、揺動部60が軸支部75に連結されることで軸支され、軸支部75を支点として揺動部60が装着部52に対して相対的に揺動可能となる。よって、
図7に示す流通状態では、
図4及び
図8に示す通常状態と比べると、液剤吐出器付きキャップ50の寸法(例えば高さ寸法)、ひいては、液剤吐出容器100及び液剤吐出容器詰め品200の寸法(例えば高さ寸法)を小さくすることができるため、良好な流通効率を実現できる。同様に、液剤吐出容器詰め品200、液剤吐出容器100又は液剤吐出器付きキャップ50を販売店で陳列する際の高さ寸法も小さくできるため、陳列に必要なスペースも抑制できる。
また、ストッパ部材70が軸支部75を有しているため、部品点数の増大を抑制することができる。
【0069】
〔第2実施形態〕
次に、
図9(a)から
図11(b)を用いて第2実施形態を説明する。
図9(a)、
図9(b)及び
図11(a)の各々は、流通状態(ストッパ部材70は第1取付状態)の液剤吐出器付きキャップ50を示す図である。
図10(a)、
図10(b)及び
図11(b)の各々は、非軸支状態で且つストッパ部材70が第2取付状態の液剤吐出器付きキャップ50を示す図である。
このうち
図9(a)及び
図10(a)の各々は右前方上側から液剤吐出器付きキャップ50を視た斜視図、
図9(b)及び
図10(b)の各々は右後方上側から液剤吐出器付きキャップ50を視た斜視図、
図11(a)及び
図11(b)の各々は液剤吐出器付きキャップ50の側断面図である。
本実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50と相違し、その他の点では、上記の第1実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50と同様に構成されている。
【0070】
上記の第1実施形態では、ストッパ部材70が装着部52に対して回転することにより第1取付状態と第2取付状態とが切り替わる例を説明したが、本実施形態では、ストッパ部材70を装着部52から取り外して向きを変えて再装着することによって第1取付状態と第2取付状態とが切り替わる。
より詳細には、
図9(a)、
図9(b)及び
図11(a)に示す第1取付状態のストッパ部材70を、一旦、管状部52cから取り外したあと、ストッパ部材70の向きを前後反転させて管状部52cに再装着することにより、
図10(a)、
図10(b)及び
図11(b)に示す第2取付状態となる。
第1取付状態ではヘッド部30の押下げがストッパ部材70によって規制される一方で、第2取付状態ではヘッド部30及び操作部20の押下げが許容されるように、ストッパ部材70及びヘッド部30の形状が設定されている。
【0071】
より詳細には、押下部21には、後方及び下方に向けて開放している凹部21b(
図9(b)、
図10(b))、
図11(a)、
図11(b))が形成されている。
第1取付状態では、支持部74の一部分と軸支部75とが押下部21内に入り込むようになっている。
【0072】
本実施形態の場合、外筒部32の外周面の下端部には、管状部52cに対するストッパ部材70の回転を規制する回転規制突起22aが形成されている。よって、第1取付状態及び第2取付状態の各々において、管状部52cに対するストッパ部材70の回転角度の変化を抑制することができる。
なお、本実施形態の場合、外筒部32には、第1位置決め用突起37a及び第1位置決め用突起37aは形成されておらず、ストッパ部材70には第1位置決め溝77a及び第2位置決め溝77bが形成されていない。
【0073】
なお、本実施形態に係る液剤吐出容器は、全体の図示は省略するが、本実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50と、上記の第1実施形態と同様の容器本体10(
図8参照)と、を備えて構成されている。
また、本実施形態に係る液剤吐出容器詰め品は、全体の図示は省略するが、本実施形態に係る液剤吐出容器と、容器本体10に充填された液剤と、を備えて構成されている。
【0074】
〔第3実施形態〕
次に、
図12から
図15を用いて第3実施形態を説明する。
本実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50と相違し、その他の点では、上記の第1実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50と同様に構成されている。
【0075】
上記の第1実施形態では揺動部60と操作部20とが別部材であったのに対し、本実施形態の場合、揺動部60と操作部20とが一体形成されている。すなわち、操作部20と揺動部60とは1つの部材の一部分ずつにより構成されている。
【0076】
操作部20は、ドーム型のドーム型本体部28を有している。ドーム型本体部28には、開口28aが形成されており、ドーム型本体部28の内部にヘッド部30の一部分が収容されている。また、ドーム型本体部28の全体又は一部分を操作受部25として用いることができる。
【0077】
ドーム型本体部28の内面には、揺動部60が形成されている。揺動部60は、第1実施形態における左右の第1部分62、左右の第2部分63及び軸部64と同様の部分を含んで構成されている。したがって、揺動部60は、第1実施形態における左右の境界部65(作用面65aを含む)と同様の部分を含んで構成されている。
ただし、本実施形態では揺動部60と操作部20とが一体であるため、本実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50は、操作部20から揺動部60に力を伝達する押下部21及び力点部61を有していない。
また、本実施形態の場合、揺動部60は、第1実施形態とは前後が反転した姿勢で配置されている。
【0078】
本実施形態の場合、操作部20と揺動部60とが一体であるため、操作部20は、軸支部75において軸支されていて、装着部52に対して相対的に揺動するようになっている(
図14、
図15参照)。
また、本実施形態の場合、ヘッド部30及び操作部20は、操作部20を直線的にガイドするガイド機構を有していない。すなわち、ヘッド部30にはガイド部38及び第2ガイド部39を有しておらず、操作部20は被ガイド部24及び第2被ガイド部29を有していない。
なお、ヘッド部30の左右両側面には、外筒部32から左右に離間した位置において突起部33を支持するための左右一対のリブ状支持部33aが形成されている。リブ状支持部33aは、上下に延在しており、リブ状支持部33aの下端部にそれぞれ突起部33が設けられている。
【0079】
なお、流通状態(
図12)、非軸支状態でかつ押下許容状態(
図13)、及び、操作部20及びヘッド部30が下死点の状態(
図14)では、例えば、ノズル部40の全体又は大部分がドーム型本体部28の内部に収容されるようになっている。これらの状態では、開口28aは下向きに開放している。
【0080】
一方、操作部20及びヘッド部30が上死点の状態(
図15)では、例えば、ノズル部40の全体又は大部分がドーム型本体部28の外部に位置するようになっている。この状態では、開口28aは前向きに開放している。
【0081】
なお、揺動部60の左右の第2部分63の前端部には、操作部20を上死点で位置決めするための係合部63aが形成されている。
図15に示すように、操作部20が上死点となったときに、係合部63aに対して突起部33が係合し、操作部20が上死点に位置決めされる。
【0082】
本実施形態の場合、ストッパ部材70については、例えば、第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、軸部64が外筒部32の後方に位置することに伴い、管状部52cに対してストッパ部材70を装着する向きが第1実施形態とは180度異なっている。同様に、外筒部32の周方向において第1押下規制部35及び第2押下規制部36(
図5(b)、
図5(d)等参照)が形成されている位置も、第1実施形態とは180度異なっている。
【0083】
ドーム型本体部28において、
図13の状態(非軸支状態で且つ押下許容状態)のときに軸部64の上側に隣接する部位には、係止用開口28bが形成されている。
図13の状態から操作部20及びヘッド部30が下方に押し込まれることにより、操作部20とヘッド部30とが一体に下降し、係止用開口28bを介して軸支部75が軸部64に対して係合する。こうして、軸部64が軸支部75に対して軸支される。
【0084】
軸部64が軸支部75に軸支された後、操作部20を下方に押し込む力が解除されると、ヘッド部30がバネ体の付勢に従って上昇する。これにより、突起部33が作用面65aを押し上げることにより、揺動部60を一体に有する操作部20が軸支部75を支点として上向きに揺動し、
図15に示す上死点の姿勢に変化する。
【0085】
図15に示す通常状態では、
図12に示す流通状態と比べて、操作部20の上端位置が高くなる。
換言すれば、
図12に示す流通状態では、
図15に示す通常状態と比べると、液剤吐出器付きキャップ50の高さ寸法、ひいては、液剤吐出容器100及び液剤吐出容器詰め品200の高さ寸法が小さくなる。
これにより、液剤吐出器付きキャップ50、液剤吐出容器100及び液剤吐出容器詰め品200の流通時におけるサイズを小型化することが可能であるため、良好な流通効率を実現できる。
同様に、液剤吐出容器詰め品200、液剤吐出容器100又は液剤吐出器付きキャップ50を販売店で陳列する際の高さ寸法も小さくできるため、陳列に必要なスペースも抑制できる。
【0086】
なお、本実施形態に係る液剤吐出容器は、全体の図示は省略するが、本実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50と、上記の第1実施形態と同様の容器本体10(
図8参照)と、を備えて構成されている。
また、本実施形態に係る液剤吐出容器詰め品は、全体の図示は省略するが、本実施形態に係る液剤吐出容器と、容器本体10に充填された液剤と、を備えて構成されている。
【0087】
〔第4実施形態〕
次に、
図16を用いて第4実施形態を説明する。
図16は第4実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50(操作部20及びヘッド部30が上死点)の上部を示す側面図である。
本実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50と相違し、その他の点では、上記の第1実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50と同様に構成されている。
【0088】
本実施形態の場合、液剤吐出器付きキャップ50は、ストッパ部材(不図示)には支持部74及び軸支部75が形成されておらず、装着部52と一体的に支持部74及び軸支部75が形成されている。
例えば、
図16に示すように、装着部52の天面部52bの上面から支持部74が立設されており、支持部74の上端部に軸支部75が形成されている。
【0089】
ストッパ部材は、平面視弧状に形成されていて管状部52cに外嵌されることで装着されるようになっている。また、ストッパ部材は、当該ストッパ部材を管状部52cに着脱する際にユーザーに把持される摘まみ部を有していても良い。
【0090】
また、ヘッド部30には、第1押下規制部35(突起部35aを含む)及び第2押下規制部36(
図4参照)、及び、第1位置決め用突起37a及び第2位置決め用突起37b(
図5(c)参照)が形成されていない。
【0091】
本実施形態の場合、流通状態ではストッパ部材が管状部52cに装着されることで、装着部52に対する操作部20及びヘッド部30の押し下げが規制される。
本実施形態の場合、ストッパ部材が管状部52cから取り外されることにより、液剤吐出器付きキャップ50は押下許容状態となる。その状態で操作部20が押し下げられることにより、第1実施形態と同様に軸部64が軸支部75に軸支される。
【0092】
なお、本実施形態に係る液剤吐出容器は、全体の図示は省略するが、本実施形態に係る液剤吐出器付きキャップ50と、上記の第1実施形態と同様の容器本体10(
図8参照)と、を備えて構成されている。
また、本実施形態に係る液剤吐出容器詰め品は、全体の図示は省略するが、本実施形態に係る液剤吐出容器と、容器本体10に充填された液剤と、を備えて構成されている。
【0093】
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。各実施形態において説明された事項は適宜、組み合わせることが可能である。
【0094】
例えば、第1実施形態において、押下規制状態においては、ストッパ部材70と操作部20とが係合することによって、ストッパ部材70に対して相対的に操作部20が上方に移動することが規制されるようになっていてもよい。この場合、
図1〜
図4の状態では、ストッパ部材70と操作部20との係合が解除されるようになっている。
【0095】
また、第1実施形態及び第3実施形態ではストッパ部材70が装着部52に対して回転することにより第1取付状態と第2取付状態とが切り替わる例を説明し、第2実施形態ではストッパ部材70を装着部52から取り外して向きを変え再装着することによって第1取付状態と第2取付状態とが切り替わる例を説明したが、本発明は、この例に限らない。
例えば、ストッパ部材70に形成された長孔の範囲内で装着部52がストッパ部材70に対して相対的にスライド移動可能な状態でストッパ部材70が装着部52に装着されていて、ストッパ部材70を装着部52に対してスライド移動させることによって、第1取付状態と第2取付状態との切り替えが可能となっていてもよい。
【0096】
また、上記においては、液剤吐出容器100から泡体が吐出される例を説明したが、液剤吐出容器100から吐出されるものは、容器本体10内に貯留されているときと同様の液状(非泡状)の液剤150であってもよい。
【0097】
液剤吐出容器100及び液剤吐出器付きキャップ50の各構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0098】
上記実施形態は、以下の技術思想を包含する。
<1>液剤を貯留する容器本体と、
前記容器本体に装着される装着部と、
前記装着部に対して一方向及び前記一方向に対する反対方向に移動可能に前記装着部に保持され、前記装着部に対して相対的に前記一方向に押し込まれることにより前記液剤が通過するヘッド部と、
前記ヘッド部を通過した前記液剤を吐出する吐出口と、
前記装着部に対して相対的に揺動可能に軸支部において軸支されるとともに、押し込み力を受ける力点部を有する揺動部と、
ユーザーの操作により前記装着部に対して相対的に押し込まれる操作部であって、押し込まれる際に前記力点部を押し込む押込部を有する操作部と、
前記力点部と前記軸支部との間に位置する作用部であって、前記力点部が押し込まれることにより前記揺動部が前記一方向の成分を持つ方向に揺動する際に、前記揺動部から前記ヘッド部に対して押し込み力を伝達する作用部と、
を備え、
前記揺動部が前記軸支部に軸支されていない非軸支状態で前記操作部及び前記ヘッド部が前記装着部に対して押し込まれることによって、前記揺動部が前記操作部又は前記ヘッド部の少なくとも一方により押されて前記一方向に移動し前記揺動部が前記軸支部に連結されることで軸支され、前記軸支部を支点として前記揺動部が前記一方向の成分を持つ方向及びその反対方向に前記装着部に対して相対的に揺動可能となる液剤吐出容器。
<2>前記軸支部を有しているとともに、前記装着部に取り付けられるストッパ部を備え、
前記装着部に対する前記ストッパ部の取り付け状態を、前記装着部に対する前記操作部又は前記ヘッド部の少なくとも一方の押し込みを当該ストッパ部により規制する第1取付状態と、前記装着部に対する前記操作部及び前記ヘッド部の押し込みを許容する第2取付状態とに切り替え可能であり、
前記非軸支状態で且つ前記第2取付状態の状態において、前記操作部及び前記ヘッド部が前記装着部に対して押し込まれることによって、前記揺動部が前記操作部又は前記ヘッド部の少なくとも一方により押されて前記一方向に移動し前記揺動部が前記軸支部に軸支される<1>に記載の液剤吐出容器。
<3>前記ストッパ部は、
前記装着部に取り付けられる取付部と、
前記取付部から前記一方向に対する反対方向に起立している支持部と、
を備え、
前記支持部の起立方向における先端部に前記軸支部が設けられており、
前記軸支部は、前記一方向に向けて湾曲した返し部を有するフック形状に形成されており、
前記揺動部は、前記返し部に係合する軸部を有し、
前記軸部が前記返し部に係合することで前記揺動部が前記軸支部に連結される<2>に記載の液剤吐出容器。
<4>前記ストッパ部は、前記装着部に取り付けられる筒状部を有し、
前記装着部は、前記筒状部が外嵌されることで前記ストッパ部が取り付けられる管状部を有し、
前記筒状部が前記管状部に外嵌された状態で前記ストッパ部が前記管状部に対して当該管状部の軸周りに回転させられることによって、前記ストッパ部が前記第1取付状態と前記第2取付状態とに切り替わる<2>又は<3>に記載の液剤吐出容器。
<5>前記揺動部と前記操作部とが一体形成されている<1>から<4>のいずれか一項に記載の液剤吐出容器。
<6>液剤を貯留する容器本体に装着される装着部と、
前記装着部に対して一方向及び前記一方向に対する反対方向に移動可能に前記装着部に保持され、前記装着部に対して相対的に前記一方向に押し込まれることにより前記液剤が通過するヘッド部と、
前記ヘッド部を通過した前記液剤を吐出する吐出口と、
前記装着部に対して相対的に揺動可能に軸支部において軸支されるとともに、押し込み力を受ける力点部を有する揺動部と、
ユーザーの操作により前記装着部に対して相対的に押し込まれる操作部であって、押し込まれる際に前記力点部を押し込む押込部を有する操作部と、
前記力点部と前記軸支部との間に位置する作用部であって、前記力点部が押し込まれることにより前記揺動部が前記一方向の成分を持つ方向に揺動する際に、前記揺動部から前記ヘッド部に対して押し込み力を伝達する作用部と、
を備え、
前記揺動部が前記軸支部に軸支されていない非軸支状態で前記操作部及び前記ヘッド部が前記装着部に対して押し込まれることによって、前記揺動部が前記操作部又は前記ヘッド部の少なくとも一方により押されて前記一方向に移動し前記揺動部が前記軸支部に連結されることで軸支され、前記軸支部を支点として前記揺動部が前記一方向の成分を持つ方向及びその反対方向に前記装着部に対して相対的に揺動可能となる液剤吐出器付きキャップ。
<7><1>から<5>のいずれか一項に記載の液剤吐出容器と、
前記容器本体に充填された前記液剤と、
を備える液剤吐出容器詰め品。