特許第6781683号(P6781683)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6781683上敷きマット及び上敷きマットの生産方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6781683
(24)【登録日】2020年10月20日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】上敷きマット及び上敷きマットの生産方法
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/04 20060101AFI20201026BHJP
   A47G 27/02 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
   B60N3/04 A
   B60N3/04 C
   A47G27/02 104
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-202711(P2017-202711)
(22)【出願日】2017年10月19日
(65)【公開番号】特開2018-167821(P2018-167821A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2019年5月17日
(31)【優先権主張番号】特願2017-67683(P2017-67683)
(32)【優先日】2017年3月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000182454
【氏名又は名称】寿屋フロンテ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072718
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 史旺
(74)【代理人】
【識別番号】100097319
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100151002
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 剛之
(74)【代理人】
【識別番号】100201673
【弁理士】
【氏名又は名称】河田 良夫
(72)【発明者】
【氏名】村上 利雄
(72)【発明者】
【氏名】福本 昌弘
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 実公平04−054024(JP,Y2)
【文献】 特開2010−115420(JP,A)
【文献】 特開2006−008081(JP,A)
【文献】 特開平08−141233(JP,A)
【文献】 特開平06−002870(JP,A)
【文献】 特開平08−309765(JP,A)
【文献】 特開平11−225846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/04
A47G 27/00−27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面にパイル糸を備えた第一基布と、
前記第一基布の下面側に設けられた第二基布と、
前記第一基布及び前記第二基布の端部をロックするロック糸と、
前記第二基布の下面側から前記ロック糸を絡げて前記第一基布及び前記第二基布を縫合する第一縫製糸と、
前記ロック糸と前記第一縫製糸とを、前記第一基布の上面よりも低く、前記第二基布の下面よりも高い位置であり、かつ、前記第一縫製糸が前記第一基布を貫通している箇所から前記第一基布の端部側に離れた位置で絡げる第二縫製糸と、
を有することを特徴とする上敷きマット。
【請求項2】
前記ロック糸が前記第一縫製糸及び前記第二縫製糸とともに前記第一基布及び前記第二基布の端部をロックする幅が4mm以下であること
を特徴とする請求項1に記載の上敷きマット。
【請求項3】
前記第一縫製糸は、
前記第二縫製糸よりも弱い張力がかけられていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の上敷きマット。
【請求項4】
前記第一縫製糸及び前記第二縫製糸とともに前記ロック糸が包む前記パイル糸の単位面積当たりの量は、前記第一基布が備える前記パイル糸の単位面積当たりの量よりも少ないこと
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の上敷きマット。
【請求項5】
上面にパイル糸を備えた第一基布と、前記第一基布の下面側に設けられた第二基布との端部をロックするロック糸を、前記第二基布の下面側から第一縫製糸により絡げて、前記第一基布及び前記第二基布を縫合する工程と、
前記ロック糸と前記第一縫製糸とを、前記第一基布の上面よりも低く、前記第二基布の下面よりも高い位置であり、かつ、前記第一縫製糸が前記第一基布を貫通している箇所から前記第一基布の端部側に離れた位置で第二縫製糸により絡げる工程と、
を含むことを特徴とする上敷きマットの生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上敷きマット及び上敷きマットの生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車の床敷設材の上に敷かれる上敷きマットは、外周の端部をオーバーロック加工されたものが知られている。このオーバーロック加工は、上敷きマットの端部のパイル糸がほつれることを防止し、外観の見栄えを向上させることを目的として行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4614665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、オーバーロック糸は太いものが用いられることが多いため、従来のオーバーロック加工を行った上敷きマットは、上面のオーバーロック糸が見える幅が広く、自動車の床敷設材の上に敷かれた場合に、オーバーロック糸が目立ってしまうという問題があった。このように、オーバーロック糸が見える幅が広い上敷きマットは、自動車の床敷設材との一体感が損なわれ、高級感を醸し出すことができずに、意匠性が低下してしまうことがあった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、パイル糸がほつれることを防止しつつ、オーバーロック糸が見える幅を小さくして目立たなくすることにより、意匠性の低下を防止することができる上敷きマット及び上敷きマットの生産方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一実施形態にかかる上敷きマットは、上面にパイル糸を備えた第一基布と、前記第一基布の下面側に設けられた第二基布と、前記第一基布及び前記第二基布の端部をロックするロック糸と、前記第二基布の下面側から前記ロック糸を絡げて前記第一基布及び前記第二基布を縫合する第一縫製糸と、前記ロック糸と前記第一縫製糸とを、前記第一基布の上面よりも低く、前記第二基布の下面よりも高い位置であり、かつ、前記第一縫製糸が前記第一基布を貫通している箇所から前記第一基布の端部側に離れた位置で絡げる第二縫製糸と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一実施形態にかかる上敷きマットの生産方法は、上面にパイル糸を備えた第一基布と、前記第一基布の下面側に設けられた第二基布との端部をロックするロック糸を、前記第二基布の下面側から第一縫製糸により絡げて、前記第一基布及び前記第二基布を縫合する工程と、前記ロック糸と前記第一縫製糸とを、前記第一基布の上面よりも低く、前記第二基布の下面よりも高い位置であり、かつ、前記第一縫製糸が前記第一基布を貫通している箇所から前記第一基布の端部側に離れた位置で第二縫製糸により絡げる工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、パイル糸がほつれることを防止しつつ、意匠性の低下を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態にかかる上敷きマットの構成例を模式的に示す図である。
図2】一実施形態にかかる上敷きマットのオーバーロックを模式的に示す図である。
図3】一実施形態にかかる上敷きマットのオーバーロックの実施例を上方から写した写真である。
図4】一実施形態にかかる上敷きマットのオーバーロックの実施例を側方から写した写真である。
図5】一実施形態にかかる上敷きマットの生産方法を例示するフローチャートである。
図6】比較例の上敷きマットのオーバーロックを模式的に示す図である。
図7】(a)は、一実施形態にかかる上敷きマットのオーバーロックを上方から写した写真である。(b)は、比較例の上敷きマットのオーバーロックを上方から写した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を用いて上敷きマットの一実施形態を詳細に説明する。
図1は、一実施形態にかかる上敷きマット1の構成例を模式的に示す図である。上敷きマット1は、例えば自動車床敷設材上に敷かれて使用される。また、上敷きマット1には、耐久性、遮水性、遮音性、吸音性、風貫通性及びすべり防止などの機能の少なくともいずれかが付与されている。なお、上敷きマット1は、自動車内で使用されるものに限定されることなく、例えば住居用のタフテッドカーペットであってもよい。
【0011】
図1に示すように、上敷きマット1は、上面にパイル糸10を備えた第一基布12の下面に第二基布14が接着材16により接着されることによって構成されている。また、上敷きマット1は、端部(例えば周縁部)にオーバーロック2が施されている。ここでは、上敷きマット1が、パイル糸10、第一基布12、第二基布14、接着材16及びオーバーロック2を有する場合を例に説明するが、第一基布12及び第二基布14は、接着材16が用いられることなく、直接貼り合わされてもよい。
【0012】
パイル糸10は、例えばポリプロピレン又はナイロンの繊維などによって形成されており、カットパイル又はループパイルとして第一基布12の上面全体に設けられている。パイル糸10は、第一基布12に植え付けられて固定されてもよいし、第一基布12にニードリングされて接着材16により固定されてもよい。
【0013】
第一基布12は、例えばポリエステル繊維からなる不織布などであり、パイル糸10を上方に向けて支持する。第二基布14は、例えばポリエステル繊維からなる不織布、又はゴムを主成分とする部材などである。そして、第二基布14は、接着材16によって第一基布12の下面に接着される。上述したように、第二基布14は、接着材16が用いられることなく、第一基布12に直接貼り合わされてもよい。接着材16は、例えばスチレンブタジエンラテックスであり、第一基布12の下面にスプレー塗布されて、第一基布12と第二基布14とを接着させる。
【0014】
オーバーロック2は、例えばロック糸(オーバーロック糸)20、第一縫製糸22、及び第二縫製糸24を用いるオーバーロックミシン(図示せず)によって上敷きマット1の端部に施されている。そして、オーバーロック2は、上敷きマット1の端部に位置するパイル糸10を巻き込んで上敷きマット1の端部を包むようにロックし、パイル糸10がほつれることを防止する。ロック糸20は、第一基布12及び第二基布14を貫通する第一縫製糸22、及び第二縫製糸24によって固定されている。
【0015】
ここで、図1及び図2を用いてオーバーロック2の構成について詳述する。
図2は、一実施形態にかかる上敷きマット1のオーバーロック2を模式的に示す図である。なお、図2においては、上敷きマット1のオーバーロック2を構成する各糸が絡げられている位置が模式的に示されている。
【0016】
ロック糸20は、例えばポリプロピレン又はナイロンなどを素材として製造されており、上敷きマット1の端部を保護する太さと強度を備えている。ロック糸20は、図示しないオーバーロックミシンによって上敷きマット1の端部を包み込むように第一基布12の上面側又は端部(側面)と、第二基布14の下面側とを往復させられる。ロック糸20は、2本にされてもよい。
【0017】
そして、ロック糸20は、上敷きマット1の端部に位置するパイル糸10の一部を巻き込むように包み、上敷きマット1の端部をロックする。ロック糸20は、包み込んだパイル糸10、並びに第一基布12及び第二基布14の端部の体積が小さくなるように、張力(テンション)が強められている。
【0018】
第一縫製糸22は、例えばポリエチレンなどを素材として製造されている。第一縫製糸22は、オーバーロックミシンの針先が第二基布14の下面側から上方へ引き上げられるときに、ロック糸20を第二基布14の下面側で絡げて固定する。そして、第一縫製糸22は、オーバーロックミシンの針先が第一基布12の上面側に上げられることによってパイル糸10側に引き上げられ、第二縫製糸24によってロック糸20とともに絡げられる。その後、第一縫製糸22は、オーバーロックミシンの針先が第一基布12の上面側から刺されて下方へ下げられることにより、第二基布14の下面側に戻される。このように、第一縫製糸22は、第一基布12と第二基布14とを縫合する。
【0019】
第二縫製糸24は、例えばポリエチレンなどを素材として製造されている。第二縫製糸24は、オーバーロックミシンによってロック糸20と第一縫製糸22とを少なくとも第一基布12及び第二基布14いずれかの端部、又は第一基布12の端部近傍上面側で絡げる。
【0020】
第一縫製糸22及び第二縫製糸24は、第二縫製糸24がロック糸20及び第一縫製糸22を絡げる位置A(図1)が、例えば第一基布12及び第二基布14の端部となるようにそれぞれ張力がかけられている。第二縫製糸24がロック糸20及び第一縫製糸22を絡げる位置Aは、第一基布12の上面側に設定されてもよい。ここで、第一縫製糸22の張力は、第二縫製糸24の張力よりも低くなるように設定されている。なお、第一縫製糸22及び第二縫製糸24は、パイル糸10及び第一基布12(表皮の原反)、第二基布14(裏面材)の材質、並びに目付量に応じて張力が調整されてもよい。
【0021】
そして、ロック糸20が第一縫製糸22及び第二縫製糸24とともに例えば第一基布12及び第二基布14の端部をロックし、ロックされた幅E1が4mm以下となるようにされている。幅E1は、2mm以下にされてもよい。なお、上敷きマット1は、幅E1が4mm以下である領域が外周の一部のみに施されてもよい。
【0022】
また、ロック糸20、第一縫製糸22及び第二縫製糸24の張力は、上敷きマット1の厚さ、材質、層数及びパイル糸10の長さなどに応じて異なるように調整されてもよい。さらに、ロック糸20、第一縫製糸22及び第二縫製糸24は、上敷きマット1の使用用途に応じて、任意の化学繊維や天然繊維が用いられてもよい。
【0023】
図3は、一実施形態にかかる上敷きマット1のオーバーロック2の実施例を上方から写した写真である。図4は、一実施形態にかかる上敷きマット1のオーバーロック2の実施例を側方から写した写真である。図3,4に示すように、第二縫製糸24がロック糸20及び第一縫製糸22を絡げる位置Aは、ロック糸20、第一縫製糸22及び第二縫製糸24にかけられる張力の調整により、上敷きマット1の側面(略真横)にされてもよい。
【0024】
このように、第二縫製糸24がロック糸20及び第一縫製糸22を絡げる位置Aが上敷きマット1の側面に設定されると、上敷きマット1の上面にパイル糸10が備えられている領域の端部から第二縫製糸24までの幅E1がより狭められる。また、第二縫製糸24は、より強度の高い素材からなるものに変えられてもよい。例えば、第二縫製糸24は、芯部に強度を向上させる素材が用いられたものであってもよい。
【0025】
次に、上敷きマット1の生産方法について説明する。
図5は、一実施形態にかかる上敷きマット1の生産方法を例示するフローチャートである。図5に示すように、ステップS100において、パイル糸10を備えた第一基布12の下面に接着材16を塗布し、第一基布12と第二基布14を接着させる。第一基布12及び第二基布14は、接着材16が用いられることなく、直接貼り合わされてもよい。上敷きマット1の形状を変える場合には、裁断等を行う。
【0026】
ステップS102において、上敷きマット1の端部のパイル糸10を例えば斜めに切断し、オーバーロック2が巻き込んで包むパイル糸10の総量を削減する。つまり、ロック糸20が包むパイル糸10の単位面積当たりの量は、第一基布12が上方に向けて支持するパイル糸10の単位面積当たりの量よりも少ない。
【0027】
ただし、パイル糸10の長さが所定の長さよりも短い場合などには、オーバーロック2が包み込むパイル糸10の体積が小さくなるため、ステップS102の処理を行わないようにされてもよい。例えば、パイル糸10の長さが4mm以下である場合には、ステップS102の処理を行わないようにされてもよい。また、治具などによりパイル糸10を避けさせてオーバーロック2を施す場合にも、オーバーロック2が包み込むパイル糸10の体積が小さくなるため、ステップS102の処理を行わないようにされてもよい。
【0028】
ステップS104において、ロック糸20、第一縫製糸22及び第二縫製糸24の張力を、オーバーロックミシンを用いてそれぞれ設定する。
【0029】
ステップS106において、ロック糸20を第二基布14の下面側から第一縫製糸22により絡げて第一基布12と第二基布14を縫合する。
【0030】
ステップS108において、ロック糸20と第一縫製糸22とを第一基布12及び第二基布14の端部(又は第一基布12の上面側)で第二縫製糸24により絡げる。
【0031】
ステップS110において、上敷きマット1の外周の全てのオーバーロックが完了したか否かを判定する。外周の全てのオーバーロックが完了していない場合には、ステップS106の処理に戻り、オーバーロックを施す工程を繰り返す。外周の全てのオーバーロックが完了している場合には、処理を終了する。
【0032】
次に、オーバーロックの比較例について説明する。
図6は、比較例の上敷きマット1a(図7参照)のオーバーロック2aを模式的に示す図である。なお、図6においては、比較例の上敷きマット1aのオーバーロック2aを構成する各糸が絡げられている位置が模式的に示されている。また、図6に示した構成のうち、図2に示した構成と実質的に同一のものには、同一の符号が付してある。
【0033】
比較例のオーバーロック2aにおいて、ロック糸20は、図示しないオーバーロックミシンによって上敷きマット1aの端部を包み込むように第一基布12の上面側と第二基布14の下面側とを往復させられる。
【0034】
そして、ロック糸20は、上敷きマット1aの端部に位置するパイル糸10の一部を巻き込むように包み、上敷きマット1aの端部をロックする。
【0035】
第一縫製糸22は、オーバーロックミシンの針先が第一基布12の上面側から刺されて下方へ下げられることにより、ロック糸20を第一基布12の上面側で絡げて固定する。そして、第一縫製糸22は、オーバーロックミシンの針先が第二基布14の下面側に下げられることによって引き下げられ、第二縫製糸24によってロック糸20とともに絡げられる。その後、第一縫製糸22は、オーバーロックミシンの針先が第二基布14の下面側から上方へ引き上げられることにより、第一基布12の上面側に戻される。このように、第一縫製糸22は、第一基布12と第二基布14とを縫合する。
【0036】
第二縫製糸24は、オーバーロックミシンによってロック糸20と第一縫製糸22とを第二基布14の下面側で絡げる。
【0037】
第一基布12の上面側で第一縫製糸22によって固定されているロック糸20は、オーバーロックを施すために太くされている。そして、上敷きマット1aのオーバーロック2aが施された端部から、上方に向けて第一基布12に支持されているパイル糸10の端部までの幅E2は、6mm〜10mm程度となっている。
【0038】
図7(a)は、一実施形態にかかる上敷きマット1のオーバーロック2を上方から写した写真である。図7(b)は、比較例の上敷きマット1aのオーバーロック2aを上方から写した写真である。
【0039】
図7(a)に示すように、一実施形態にかかる上敷きマット1のオーバーロック2は、上方から見た幅が2〜4mmとされており、上敷きマット1において目立たないようになっている。
【0040】
一方、図7(b)に示すように、比較例のオーバーロック2aは、上方から見える幅が6mm〜10mmとなっており、オーバーロック2aが目立ってしまって見栄えが悪くなり、意匠性が低下することがある。
【0041】
以上説明したように、一実施形態にかかる上敷きマット1は、第二基布14の下面側からロック糸20を絡げて第一基布12及び第二基布14を縫合する第一縫製糸22と、ロック糸20と第一縫製糸22とを少なくとも第一基布12及び第二基布14いずれかの端部、又は第一基布12の上面側で絡げる第二縫製糸24とを有するので、パイル糸10がほつれることを防止しつつ、意匠性の低下を防止することができる。つまり、一実施形態にかかる上敷きマット1は、オーバーロック2の上面側の見える部分を小さくし、カーペット面を広く見せることができる。また、上敷きマット1は、自動車の床敷設材の上に敷かれたときに、床敷設材との一体感を容易に出すことを可能にする。
【0042】
また、上敷きマットの生産方法には、以下のような特徴が含まれていてもよい。
【0043】
第一縫製糸及び第二縫製糸の少なくともいずれかは、当該上敷きマットの厚さに応じて異なる張力がかけられていることを特徴とする。
【0044】
また、パイル糸を切断又は避けさせることにより、ロック糸が包むパイル糸の量を削減させる工程をさらに含むことを特徴とする。
【符号の説明】
【0045】
1,1a・・・上敷きマット、2,2a・・・オーバーロック、10・・・パイル糸、12・・・第一基布、14・・・第二基布、16・・・接着材、20・・・ロック糸、22・・・第一縫製糸、24・・・第二縫製糸、E1,E2・・・幅

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7