(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
打球面を画定するボディであって、該ボディが、該打球面から離れて延びる第一の脚部と該打球面から離れて延びる第二の脚部とをさらに有し、空隙が該第一の脚部と該第二の脚部との間に画定され、該空隙がゴルフクラブヘッドの後部に開放され、かつ
該ボディが該第一の脚部および該第二の脚部に近接した境界区域をさらに画定し、該第一の脚部が第一の側面を画定し、該第二の脚部が第二の側面を画定し、側面が概して直面関係にあり、該第一の側面及び該第二の側面はV字形空隙の側面であり、該第一の側面、該第二の側面、該第一の脚部及び該第二の脚部が境界区域に集合し、該ボディが該空隙の上に延びて該ゴルフクラブヘッドのクラウンを形成するカバーをさらに有し、該カバーの下面が該ゴルフクラブヘッドのソールから見え、内部キャビティが該打球面の内面から、該第一の脚部、該第二の脚部及び該カバーによって画定される内部区域の端部へ延びるボディ;および
該境界区域に操作可能に備えられた単一のウェイト
を含むゴルフクラブヘッドであって、
該ボディが、収容部を該境界区域において画定し、該ウェイトが該収容部に収容され、
該収容部が第一の収容管を含み、該第一の収容管が、該カバーに近接した閉鎖端、および該ボディのソールに近接した開放端を有し、該第一の収容管が垂直構成を有し、
該ウェイトが第一の端部および第二の端部を有し、該第一の端部が該第二の端部よりも重く、該ウェイトが、第一のウェイト配置を与える第一の位置と第二のウェイト配置を与える第二の位置との間で移動可能であり、該ウェイトが、該第一の端部が該閉鎖端に位置する該ウェイトの第一の位置と、該第二の端部が該閉鎖端に位置する該ウェイトの第二の位置とを有する、
ゴルフクラブヘッド。
第二のウェイトが第二のウェイトの第一の端部および第二のウェイトの第二の端部を有し、該第二のウェイトの第一の端部が該第二のウェイトの第二の端部よりも重く、該第二のウェイトが、第一のウェイト配置を与える第一の位置と第二のウェイト配置を与える第二の位置との間で移動可能であり、該第二のウェイトが、該第二のウェイトの第一の端部が第二の収容管の閉鎖端に位置する第二のウェイトの第一の位置と、該第二のウェイトの第二の端部が該第二の収容管の該閉鎖端に位置する第二のウェイトの第二の位置とを有する、請求項3記載のゴルフクラブヘッド。
収容部が第一の収容管を含み、ウェイトが開口端を通って該第一の収容管に置かれ、ねじ込みファスナが該開口端に収容されることで該ウェイトが該第一の収容管において包囲される、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
ウェイトが第一の端部および第二の端部を有し、該第一の端部が該第二の端部よりも重く、該第一の端部が、第一のウェイト配置を与えるべく該第一の端部がクラウンに近接するように該垂直な収容管に置かれ、該第一の端部が、第二のウェイト配置を与えるべく該第一の端部がソールに近接するように該垂直な収容管に置かれる、請求項7記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の概要】
【0007】
概要
本開示の少なくともいくつかの局面は、クラブヘッドに関する向上したウェイト配分を有するゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドに関する。一つの局面において、ゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッドに形成された空隙の形態の幾何学的ウェイト特徴を利用する。ゴルフクラブヘッドは、空隙がアドレス位置においてゴルフクラブヘッドの上部から見えないように空隙の上に延びるカバーを含みうる。いくつかの例において、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッドのパフォーマンス特性を向上させる特定の支持構造を含みうる。いくつかのさらなる例において、ゴルフクラブヘッドは一つまたは複数の調節可能なウェイト配置をさらに含みうる。
【0008】
本明細書に開示されるこれらのおよびさらなる特徴および利点は、特定の態様の以下の詳細な開示からさらに理解されよう。
[本発明1001]
以下を含む、ゴルフクラブヘッド:
打球面とボディの中心領域に近接した境界区域とを画定するボディであって、該ボディが、該境界区域から離れて延びる第一の脚部と該境界区域から離れて延びる第二の脚部とをさらに有し、空隙が該第一の脚部と該第二の脚部との間に画定され、該ボディが該空隙の上に延びるカバーをさらに画定する、ボディ。
[本発明1002]
カバーが第一の脚部および第二の脚部の上に延びる、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1003]
空隙がアドレス位置において見えないように、カバーが寸法決めされる、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1004]
空隙がクラブヘッドの下面から見える、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1005]
カバーがボディに取り外し可能に接続されている、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1006]
ボディが一体的なピースである、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1007]
カバーが、打球面の近くから第一の脚部および第二の脚部の遠位端まで延びる、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1008]
カバーが、第一の脚部と第二の脚部と空隙とを完全に覆う、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1009]
カバーが、クラブヘッドの最外周を有するクラブヘッドの後部を画定する、本発明1008のゴルフクラブヘッド。
[本発明1010]
ボディが、該ボディの上表面に形成された陥凹を画定し、カバーが該陥凹に収容される、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1011]
空隙が概してV字形である、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1012]
空隙が、ボディの上部からボディの下部へボディにわたって延びる、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1013]
ボディが後部を画定し、空隙が、境界区域近位での第一の幅と後部近位での第二の幅とを有し、該第二の幅が該第一の幅よりも大きい、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1014]
第一の脚部および第二の脚部がボディの境界区域において互いの方へ集まる、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1015]
ボディがベース部材を有し、第一の脚部が該ベース部材から離れて延び、第二の脚部が該ベース部材から離れて延びる、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1016]
ベース部材が境界区域に近接し、第一の脚部が該境界区域から外方に延び、第二の脚部が該境界区域から外方に延び、空隙がV字形である、本発明1015のゴルフクラブヘッド。
[本発明1017]
第一の脚部および第二の脚部がカバーから垂下している、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1018]
第一の脚部が、該第一の脚部に沿って延びる複数の第一の隆起部を有する、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1019]
第二の脚部が、該第二の脚部に沿って延びる複数の第二の隆起部を有する、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1020]
ボディが内部キャビティを画定し、第一の脚部が内面を有し、ゴルフクラブヘッドが、該第一の脚部の該内面に近接して置かれる第一のガセット部材をさらに含む、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1021]
第一のガセット部材が、第一の脚部の内面に近接して接続された第一の面、およびソール内面上で接続された第二の面を有する、本発明1020のゴルフクラブヘッド。
[本発明1022]
第二の脚部が内面を有し、ゴルフクラブヘッドが、該第二の脚部の該内面に近接して置かれる第二のガセット部材をさらに含む、本発明1021のゴルフクラブヘッド。
[本発明1023]
第二のガセット部材が、第二の脚部の内面に近接して接続された第一の面、およびソール内面上で接続された第二の面を有する、本発明1022のゴルフクラブヘッド。
[本発明1024]
クラブヘッドが奥行寸法を画定し、境界区域が、打球面から測定される該奥行寸法の30%〜60%の範囲に位置する、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1025]
境界区域が、打球面から測定される奥行寸法の約44%に位置する、本発明1024のゴルフクラブヘッド。
[本発明1026]
境界区域が打球面から約1.875インチに位置する、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1027]
第一の脚部に移動可能に支持されたウェイト部材をさらに含む、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1028]
境界区域が収容体をその中に画定し、ウェイト部材が該収容体に置かれる、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1029]
ゴルフクラブを形成するようにゴルフクラブヘッドに連結されたシャフトをさらに含む、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1030]
ボディが内部キャビティを画定し、クラブヘッドの重心が該クラブヘッドの該内部キャビティ内に位置する、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1031]
第一の脚部が第一の外側面を画定し、第二の脚部が第二の外側面を画定し、該第一の外側面および該第二の外側面が、該第一の外側面および該第二の外側面の各遠位端における高さよりも大きな、境界区域近位での高さを有する、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1032]
以下を含む、ゴルフクラブヘッド:
打球面とクラウンとを画定するボディであって、該ボディが、該クラウンから垂下している第一の脚部と該クラウンから垂下している第二の脚部とをさらに有し、該第一の脚部が該打球面から離れて延び、該第二の脚部が該打球面から離れて延び、空隙が該第一の脚部と該第二の脚部との間に画定され、該クラウンが、該第一の脚部と該第二の脚部と該空隙とを覆うように寸法決めされ、該ボディが内部キャビティを画定し、該第一の脚部が内面を有し、該第一の脚部の該内面に近接して置かれる第一のガセット部材をさらに含む、ボディ。
[本発明1033]
以下を含む、ゴルフクラブヘッド:
打球面とクラウンと後部とを画定するボディであって、該ボディが該クラウンの下に幾何学的ウェイト付け特徴を画定し、該幾何学的ウェイト付け特徴が概してV字形であり、後部に近接した該幾何学的ウェイト付け特徴の幅が、該打球面により近い該幾何学的ウェイト付け特徴の幅よりも大きい、ボディ。
[本発明1034]
幾何学的ウェイト付け特徴が、ボディの中心領域に近接した境界区域に集合する、本発明1033のゴルフクラブヘッド。
[本発明1035]
以下を含む、ゴルフクラブヘッド:
打球面を画定するボディであって、該ボディが、該打球面から離れて延びる第一の脚部と該打球面から離れて延びる第二の脚部とをさらに有し、空隙が該第一の脚部と該第二の脚部との間に画定され、該ボディが該空隙の上に延びるカバーをさらに有する、ボディ;および
該第一の脚部および該第二の脚部のうち一方に操作可能に備えられた第一の移動可能なウェイトであって、該打球面により近い第一の位置と、該第一の脚部および該第二の脚部のうち該一方の遠位端に近接した第二の位置との間で移動可能である、第一の移動可能なウェイト。
[本発明1036]
第一の移動可能なウェイトがスロットをその中に有し、第一の脚部および第二の脚部のうち一方が、そこを通してファスナを収容する開口部を有し、該ファスナが第一の位置と第二の位置との間に該ウェイトを固着可能である、本発明1035のゴルフクラブヘッド。
[本発明1037]
第一の脚部および第二の脚部のうち一方が通路をその中に画定し、第一の移動可能なウェイトが該通路に置かれる、本発明1035のゴルフクラブヘッド。
[本発明1038]
第一の脚部に第一の移動可能なウェイトが移動可能に支持されており、第二の脚部に移動可能に支持された第二の移動可能なウェイトをさらに含む、本発明1035のゴルフクラブヘッド。
[本発明1039]
第一の移動可能なウェイトが、打球面により近い第一の位置と第一の脚部の遠位端に近接した第二の位置との間で移動可能であり、第二の移動可能なウェイトが、該打球面により近い第一の位置と第二の脚部の遠位端に近接した第二の位置との間で移動可能である、本発明1037のゴルフクラブヘッド。
[本発明1040]
第一の脚部と第二の脚部との間で画定された空隙が概してV字形であり、該第一の脚部が、ヒールに近接したボディの後部に向かって延び、該第二の脚部が、トウに近接した該ボディの該後部に向かって延びる、本発明1038のゴルフクラブヘッド。
[本発明1041]
第一の移動可能なウェイトが第一の脚部の側面に支持されており、第二の移動可能なウェイトが第二の脚部の側面に支持されており、該第一の脚部の該側面が該第二の脚部の該側面に直面している、本発明1039のゴルフクラブヘッド。
[本発明1042]
第一の脚部に第一の移動可能なウェイトが支持されており、ゴルフクラブヘッドが、第二の脚部に支持された第二の移動可能なウェイトをさらに含み、該第一の移動可能なウェイトが第一のスロットをその中に有し、該第一の脚部が、そこを通して第一のファスナを収容する開口部を有し、該第一のファスナが該第一の移動可能なウェイトの第一の位置と第二の位置との間の該第一のスロットに置かれ、かつ該第一のスロットに沿って移動可能であり、該第二の移動可能なウェイトが第二のスロットをその中に有し、該第二の脚部が、そこを通して第二のファスナを収容する開口部を有し、該第一のファスナが該第二の移動可能なウェイトの第一の位置と第二の位置との間の該第二のスロットに置かれ、かつ該第二のスロットに沿って移動可能である、本発明1035のゴルフクラブヘッド。
[本発明1043]
第一の脚部が第一の通路をその中に画定し、第二の脚部が第二の通路をその中に画定し、第一の移動可能なウェイトが該第一の通路に置かれ、第二の移動可能なウェイトが該第二の通路に置かれる、本発明1038のゴルフクラブヘッド。
[本発明1044]
以下を含む、ゴルフクラブヘッド:
打球面を画定するボディであって、該ボディが、該打球面から離れて延びる第一の脚部と該打球面から離れて延びる第二の脚部とをさらに有し、空隙が該第一の脚部と該第二の脚部との間に画定され、該ボディが該空隙の上に延びるカバーをさらに有し、該ボディがその中に画定されるトラックをさらに有する、ボディ;および
該トラックに移動可能に支持されたウェイト部材。
[本発明1045]
トラックが第一の脚部および第二の脚部のうち一方の上に画定される、本発明1043のゴルフクラブヘッド。
[本発明1046]
ボディが境界区域を概して第一の脚部と第二の脚部との間に画定し、トラックが該境界区域において画定される、本発明1044のゴルフクラブヘッド。
[本発明1047]
トラックが複数のトラックを含み、ウェイト部材が各トラック内に移動可能に支持されている、本発明1044のゴルフクラブヘッド。
[本発明1048]
ボディが、ソールの近くからクラウンの近くまで延びる傾斜面を画定し、トラックが該傾斜面に位置し、ウェイト部材が、該ソールに近接した位置と該クラウンに近接した位置との間で該トラックに沿って移動可能である、本発明1044のゴルフクラブヘッド。
[本発明1049]
以下を含む、ゴルフクラブヘッド:
前部、後部、上部、ソール、トウおよびヒールを有するゴルフクラブヘッドボディ;
該ゴルフクラブヘッドボディの該後部に形成されたV字形空隙であって、該ゴルフクラブヘッドボディの該後部から該ゴルフクラブヘッドボディの中心領域に向かって延び、かつ該ゴルフクラブヘッドボディの該中心領域における幅よりも広い該ゴルフクラブヘッドボディの後縁に沿った幅を有し、該ゴルフクラブヘッドボディの該ソールから該ゴルフクラブヘッドボディの該上部に向かって延びる、V字形空隙;および
該V字形空隙内に配置される調節可能なウェイトであって、第一のウェイト配置を与える第一の位置および第二のウェイト配置を与える第二の位置に置くことが可能である、調節可能なウェイト。
[本発明1050]
調節可能なウェイトにV字形空隙を介してアクセス可能である、本発明1048のゴルフクラブヘッド。
[本発明1051]
V字形空隙が第一の脚部および第二の脚部を画定し、調節可能なウェイトが該第一の脚部上の第一のウェイトおよび該第二の脚部上の第二のウェイトを含み、該第一のウェイトが該第二のウェイトとは異なる、本発明1048のゴルフクラブヘッド。
[本発明1052]
以下を含む、ゴルフクラブヘッド:
打球面を画定するボディであって、該ボディが、該打球面から離れて延びる第一の脚部と該打球面から離れて延びる第二の脚部とをさらに有し、空隙が該第一の脚部と該第二の脚部との間に画定され、該ボディが該空隙の上に延びるカバーをさらに画定し、該ボディが該ボディ内に延びる収容体を画定し、ウェイト部材が該収容体に置かれる、ボディ。
[本発明1053]
収容体が雌ねじを有し、ウェイト部材が、該収容体に螺入されるように寸法決めされたねじ込み部材である、本発明1051のゴルフクラブヘッド。
[本発明1054]
収容体が縦軸を有し、ウェイト部材が該縦軸に沿って該収容体によって収容される、本発明1051のゴルフクラブヘッド。
[本発明1055]
縦軸が打球面に対して概して横向きである、本発明1053のゴルフクラブヘッド。
[本発明1056]
縦軸が打球面に対して概して平行である、本発明1053のゴルフクラブヘッド。
[本発明1057]
縦軸が打球面に対してある角度で位置する、本発明1053のゴルフクラブヘッド。
[本発明1058]
以下を含む、ゴルフクラブヘッド:
打球面を画定するボディであって、該ボディが、該打球面から離れて延びる第一の脚部と該打球面から離れて延びる第二の脚部とをさらに有し、空隙が該第一の脚部と該第二の脚部との間に画定され、該ボディが該第一の脚部および該第二の脚部に近接した境界区域をさらに画定し、該ボディが該空隙の上に延びるカバーをさらに有する、ボディ;および
該境界区域に操作可能に備えられたウェイト。
[本発明1059]
ウェイトが、第一のウェイト配置を与える第一の位置と第二のウェイト配置を与える第二の位置との間で移動可能である、本発明1057のゴルフクラブヘッド。
[本発明1060]
ウェイトが複数の位置の間で移動可能であり、各位置が対応するウェイト配置を与える、本発明1057のゴルフクラブヘッド。
[本発明1061]
ウェイトが第一のウェイトおよび第二のウェイトを含み、各ウェイトが、第一のウェイト配置を与える第一の位置と第二のウェイト配置を与える第二の位置との間で移動可能である、本発明1057のゴルフクラブヘッド。
[本発明1062]
ウェイトが、カバーにより近い第一の位置と該カバーから離れた第二の位置との間で移動可能である、本発明1057のゴルフクラブヘッド。
[本発明1063]
ボディが収容部を境界区域において画定し、ウェイトが該収容部に収容される、本発明1057のゴルフクラブヘッド。
[本発明1064]
収容部が第一の収容管を含み、該管が、カバーに近接した閉鎖端、およびボディのソールに近接した開放端を有する、本発明1062のゴルフクラブヘッド。
[本発明1065]
ウェイトが開放端を通って前記管に収容されるように寸法決めされている、本発明1063のゴルフクラブヘッド。
[本発明1066]
ウェイトが第一の端部および第二の端部を有し、該第一の端部が該第二の端部よりも重く、該ウェイトが、該第一の端部が閉鎖端に位置する第一の位置と、該第二の端部が該閉鎖端に位置する第二の位置とを有する、本発明1064のゴルフクラブヘッド。
[本発明1067]
ウェイトが、解放可能に一緒に接続された複数のウェイト部材を含む、本発明1065のゴルフクラブヘッド。
[本発明1068]
ウェイト部材が異なるウェイト値を有する、本発明1066のゴルフクラブヘッド。
[本発明1069]
ゴルフクラブヘッドが、ボディによって支持された第二の収容管をさらに含み、該第二の収容管が、前記第一の収容管の開放端に近接した閉鎖端を有し、該第二の収容管が、クラブの後部に近接した開放端をさらに有し、第二のウェイトが該第二の収容管に収容されている、本発明1064のゴルフクラブヘッド。
[本発明1070]
第二のウェイトが第一の端部および第二の端部を有し、該第一の端部が該第二の端部よりも重く、該第二のウェイトが、該第一の端部が第二の収容管の閉鎖端に位置する第一の位置と、該第二の端部が該第二の収容管の該閉鎖端に位置する第二の位置とを有する、本発明1068のゴルフクラブヘッド。
[本発明1071]
第二のウェイトが、解放可能に一緒に接続された複数の第二のウェイト部材を含む、本発明1069のゴルフクラブヘッド。
[本発明1072]
第二のウェイト部材が異なるウェイト値を有する、本発明1070のゴルフクラブヘッド。
[本発明1073]
収容部が第一の収容管を含み、ウェイトが開口端を通って該収容管に置かれ、ねじ込みファスナが該開口端に収容されることで該ウェイトが該第一の収容管において包囲される、本発明1063のゴルフクラブヘッド。
[本発明1074]
収容部が、境界区域に位置する第一の収容管を含み、該第一の収容管の一部分が空隙において見える、本発明1063のゴルフクラブヘッド。
[本発明1075]
第一の収容管が窓をその中に有する、本発明1073のゴルフクラブヘッド。
[本発明1076]
以下を含む、ゴルフクラブヘッド:
前部、後部、クラウン、ソール、トウおよびヒールを有するゴルフクラブヘッドボディ;
該ゴルフクラブヘッドボディの該後部に形成されたV字形空隙であって、該ゴルフクラブヘッドボディの該後部から該ゴルフクラブヘッドボディの中心領域に向かって延び、かつ該ゴルフクラブヘッドボディの該中心領域における幅よりも広い該ゴルフクラブヘッドボディの後縁に沿った幅を有し、該ゴルフクラブヘッドの該ソールから該ゴルフクラブヘッドボディの該クラウンに向かって延びる、V字形空隙;および
該V字形空隙に近接して置かれる調節可能なウェイトであって、第一のウェイト配置を与える第一の位置および第二のウェイト配置を与える第二の位置に置くことが可能である、調節可能なウェイト。
[本発明1077]
調節可能なウェイトにV字形空隙を介してアクセス可能である、本発明1075のゴルフクラブヘッド。
[本発明1078]
ボディが、ゴルフクラブヘッドの中心領域に近接して位置する収容管を画定し、該収容管が該ゴルフクラブヘッドのクラウンの近くから該ゴルフクラブヘッドのソールの近くまで延び、ウェイトが該収容管に置かれる、本発明1076のゴルフクラブヘッド。
[本発明1079]
ウェイトが第一の端部および第二の端部を有し、該第一の端部が該第二の端部よりも重く、該第一の端部が、第一のウェイト配置を与えるようにクラウンに近接して収容管に置かれ、該第一の端部が、第二のウェイト配置を与えるようにソールに近接して収容管に置かれる、本発明1077のゴルフクラブヘッド。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
本発明の様々な例示的構造に関する以下の説明においては、本明細書の一部を形成し、一つまたは複数のゴルフクラブ構造またはゴルフクラブヘッド構造を含む様々な例示的物品が実例として示されている添付図面を参照する。さらには、本発明の範囲を逸脱することなく、パーツおよび構造の他の具体的配設を利用することができ、構造的および機能的変更を加えることができることが理解されよう。また、本明細書においては、本発明の様々な例示的特徴および要素を説明するために「上」、「下」、「前」、「後」、「後方」、「側方」、「下面」、「頭上」という語が使用されることがあるが、これらの語は、本明細書中、たとえば図に示す例示的向きおよび/または通常の使用における向きに基づいて便宜上使用される。本明細書におけるいかなる記載も、本発明の範囲に入るために構造の特定の三次元的または空間的向きを要するものと解釈されるべきではない。さらには、本発明は概して、ウッドタイプゴルフクラブに関するものとして記載される。特に、例示的態様において、本明細書に開示されるクラブヘッドはドライバおよびフェアウェイウッドである。しかし、本発明の局面は、ハイブリッドタイプゴルフクラブ、ユーティリティクラブ、パターなどを含むいくつかの種類のゴルフクラブのいずれかで使用可能であり、本明細書または図面におけるいかなる記載も、記載されるウッドタイプゴルフクラブでの使用に本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0012】
図1は概して、本発明の例示的ゴルフクラブ100および/またはゴルフクラブヘッド102を示す。この例のゴルフクラブ構造100全体は、ゴルフクラブヘッド102に加えて、ホーゼル104と、ホーゼル104に収容されかつ/またはホーゼル104におよび/もしくはそこを通って挿入されるシャフト106と、シャフト106に取り付けられるグリップまたはハンドル108とを含む。場合によっては、望むならば、外部ホーゼル104を除くことができ、シャフト106をヘッド102に直接挿入しかつ/または他のやり方で取り付けることができる(たとえばクラブヘッド102の上部に設けられる開口を通るか、内部ホーゼル(たとえばクラブヘッド102によって規定される内部チャンバ内に設けられる)を通るなどして)。ホーゼル104は、ゴルフクラブヘッド102の一体的な部分とみなされてもよく、または、ゴルフクラブヘッド102に取り付けられる別途の構造であってもよい。
【0013】
本発明を逸脱することなく、当技術分野において公知であり、使用される従来のやり方を含む任意の好適なまたは所望のやり方で、シャフト106をクラブヘッド102に収容し、係合させかつ/または取り付けることができる。より具体的な例としては、シャフト106を、ホーゼル104を介してクラブヘッド102に係合させることができ、かつ/または、たとえば、接着剤、セメント、溶接、はんだ付け、機械的コネクタ(ねじ山、保定要素などの)、さらには解放可能で調節可能な部材もしくはコネクタなどを介するか、クラブヘッド102のボディ内に延びるシャフト収容スリーブもしくは要素などを通るなどして、クラブヘッド構造102に直接取り付けることができる。また、シャフト106は、グラファイト系材料、複合材料または他の非金属材料、鋼材(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム材料、他の金属合金材料、ポリマー材料、様々な材料の組み合わせなどの、当技術分野において公知であり、使用される従来の材料を含む任意の好適なまたは所望の材料から作製することができる。また、当技術分野において公知であり、使用される従来のやり方を含む任意の好適なまたは所望のやり方で、たとえば、接着剤またはセメントを使用するか、溶接、はんだ付け、接着剤などを介するか、機械的コネクタ(ねじ山、保定要素などの)を介するなどして、グリップまたはハンドル108を、シャフト106に取り付け、係合させかつ/またはそこから延ばすことができる。別の例としては、望むならば、グリップまたはハンドル108を、単体1ピース構成としてシャフト106と一体に形成することができる。さらには、本発明を逸脱することなく、ゴム材料、革材料、その中に埋め込まれるひも材料または他の布材料を含むゴム材料または他の材料、ポリマー材料などをたとえば含む任意の所望のグリップまたはハンドル108用材料を使用することができる。
【0014】
クラブヘッド102それ自体も、本発明を逸脱することなく、任意の好適なもしくは望ましいやり方でおよび/または任意の好適なもしくは望ましい材料から、たとえば、当技術分野において公知でありかつ使用される従来の材料からおよび/または従来のやり方で、構築することができる。たとえば、
図1に示す例示的クラブヘッド102において、クラブヘッド102は前面102aを含み、前面は打球面102b(打球面プレートおよびフレームが一緒に打球面102a全体を構築するように、打球面102aと一体的に形成されるかまたはクラブヘッドに取り付けられる、打球面プレートを場合によって含む)を概して含む。前面102aは打球面102aと考えられうる。クラブヘッド102は、上部またはクラウン102c、ソール102d、トウ107およびヒール109をさらに含みうる。クラブヘッド102は後部111を含んでもよい(
図1B)。
【0015】
多種多様なクラブヘッド構成全体が、本発明を逸脱することなく可能である。たとえば、望むならば、上記のクラブヘッド102の様々な個々のパーツの一部または全部を、(たとえば溶接、接着剤または他の融着技術、機械的コネクタなどによって)一緒に接続される複数のピースから作製することができる。軽量金属材料を含む金属材料などの、当技術分野において従来公知であり、使用される材料を含む、任意の所望の材料および異なる材料の組み合わせから、様々なパーツ(たとえばクラウン、ソール、前面、後部など)を作製することができる。好適な軽量金属材料のより具体的な例としては、鋼、チタンおよびチタン合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金、マグネシウムおよびマグネシウム合金などが挙げられる。さらにまたは代わりに、クラブヘッドの様々なパーツを一つまたは複数の複合材で形成することができる。射出成形パーツも可能である。クラブヘッド102は、鍛造、鋳造、または当技術分野において従来公知であり、使用されるクラブヘッド形成プロセスを含む他の所望のプロセスによって作製することもできる。さらには、ゴルフクラブヘッド102は単一の一体的なピース中で形成されることがある。
【0016】
クラブヘッド構造102を構成する様々な個々のパーツは、複数のピースから作製されている場合、当技術分野において公知でありかつ使用される従来のやり方を含む任意の好適なまたは望ましいやり方で、互いに係合させかつ/または一緒に保持することができる。たとえば、前面102a、打球面102b、上部102c、ソール102dなどの、クラブヘッド構造102の様々なパーツを、接着剤、セメント、溶接、はんだ付けまたは他の結合もしくは仕上げ技術、(ねじ山、ねじ、ナット、ボルトもしくは他のコネクタなどの)機械的コネクタなどで(直接的にまたは中間部材を介して間接的に)一緒に接合および/または固定することができる。望むならば、クラブヘッド構造102の様々なパーツの嵌め合い縁部は、それが接合される対向側縁部の中または上に設けられる対応する溝、スロット、表面、レッジ、開口または他の構造の中または上に嵌合される、一つまたは複数の隆起リブ、タブ、レッジまたは他の係合要素を含みうる。セメント、接着剤、機械的コネクタ、仕上げ材料などを上記の隆起リブ/溝/レッジ/縁部または他の接続構造との組み合わせで使用することで、クラブヘッド構造102の様々なパーツを一緒に固着することをさらに支援することができる。
【0017】
本発明の例のゴルフクラブヘッド構造の寸法および/または他の特性は、本発明を逸脱することなく著しく変動してもよく、寸法は、当技術分野において同様のクラブヘッドおよびクラブに一般的に使用される寸法と一致してもよい。
【0018】
ゴルフクラブヘッドのいくつかの態様を本明細書に開示する。
図1Aおよび1Bに関する上記のクラブヘッドおよび様々なコンポーネントの記述が、本明細書に記載される他の態様に当てはまることが理解されよう。いくつかの異なる態様が幾何学的ウェイト付け特徴を利用可能であることが認識されよう。幾何学的ウェイト付け特徴は、所望のパフォーマンスを実現するために減少したヘッドウェイトおよび/または再配分されたウェイトを与えることができる。たとえば、クラブヘッドのヒールおよびトウの後端に向かってより多くのウェイトが置かれうる。本明細書に開示される様々な態様において、ゴルフクラブヘッドは、離間した脚部を有するボディを有しうるものであり、離間した脚部は、この脚部の間に空隙、空間または間隙を画定する。本明細書のクラブヘッドは、空隙、空間または間隙を画定するように一部分が除去されたと考えられうる。ボディはカバーを含みうるものであり、カバーは、空隙および/または脚部の上に位置しており、ボディの一体的なコンポーネントであっても、別途取り付けられてもよい。特定の態様について、さらなる支持部材および/またはウェイトアセンブリを利用してもよい。
【0019】
図2A〜2Cは、本発明の少なくともいくつかの局面の一つの例示的ゴルフクラブヘッドを示す。ゴルフクラブヘッドには参照番号200が一般的に割り当てられる。ゴルフクラブヘッド200は概して、ゴルフクラブヘッドボディ202およびカバー250を含む。以下でさらに詳細に説明するように、ボディ202はいくつかの構造を有し、様々な表面を画定する。カバー250がボディ202に接続されることでゴルフクラブヘッド102が形成される。本明細書に記載されるように、ボディ202およびカバー250が一体的な構造としても同様に形成されうることが認識されよう。
【0020】
図2Aにさらに示すように、ゴルフクラブヘッドボディ202は前部210、後部212、上部214、トウ216、ヒール218およびソール(
図2A〜2Cに示さず)をさらに含みかつ画定する。前部210は概して打球面を画定する。打球面は様々な形態をとることができ、例示的態様においては、可変性のフェース厚の設計、たとえば、参照により本明細書に組み入れられ、本明細書の一部とされる米国特許出願第13/211,961号に開示される設計を利用することができる。打球面は一定の厚さをさらに有しうる。打球面210がたとえば溶接プロセスにおいて別途ゴルフクラブヘッドボディ202に接続されうることがさらに理解されよう。ゴルフクラブヘッド200は、いくつかの配置において幾何学的ウェイト付け特徴を含みうる。一つの例示的態様において、クラブヘッド200は、ゴルフクラブヘッドボディ202の後部212に概して形成された空隙230、間隙または空間を有する。空隙230は、いくつかの例において実質的にV字形であってもよく、ゴルフクラブヘッド200に完全にわたって(たとえば上部214からソールまで)延びてもよい。ゴルフクラブヘッドボディ202はベース部220ならびに第一の脚部222および第二の脚部224をさらに有する。第一の脚部222は前部210または打球面210から離れて延び、第二の脚部224は打球面210から離れて延びる。空隙230が第一の脚部222と第二の脚部224との間に画定される。空隙230はゴルフクラブヘッドの後部に開放されている。ボディ202は、ボディ202のヒール218においてホーゼルを形成することができる。ボディ202の様々な構造が、内部ボリュームを有する内部キャビティを画定しうることが理解されよう。
【0021】
図2Aに示すように、空隙230はゴルフクラブヘッド200の後縁212aから内方に、ゴルフクラブヘッド200の中心または中心領域に向かってかつ打球面210に向かって延びうる。空隙230は、ゴルフクラブヘッド200の中心近くよりもゴルフクラブヘッドの後縁212a近くにおいて幅広であり得、それによってV字形が形成される。ゴルフクラブヘッド200に形成された空隙230は、ゴルフクラブヘッドに関連するウェイト全体を減少させ、クラブのウェイトを再配分することができ、ゴルフクラブヘッド200のパフォーマンス特性を調節する上で役立ちうる。いくつかの例において、第一の脚部222は第一の側面207を画定し、第二の脚部は第二の側面209を画定する。側面207、209は概して直面関係にある。V字形間隙230の側面207、209は概して直線的でありうる。すなわち、側面207、209は概して平坦な表面を与えることができる。側面207、209がさらに、非直線的であり、断続的な表面または平坦ではない表面を画定することがあることが理解されよう。
図2Aにさらに示すように、空隙230がV字形である場合、脚部222、224および側面207、209は打球面210に向かって境界区域226に集合する。境界区域226はクラブヘッド200の中心区域にまたはそれに近接して位置してもよく、この位置は本明細書にさらに記載のように変動してもよい。以下でさらに詳細に説明するように、側面207、209および境界区域226は、それらに関連する特定のパフォーマンス向上構造を、クラブヘッドボディ202によって画定される内部キャビティ中の内面、および側面207、209の外面に有しうる。やはり以下でさらに詳細に説明するように、脚部222、224および境界区域226は、ゴルフクラブヘッド200のパフォーマンス性能をさらに向上させるために操作可能にそれらに関連する移動可能なウェイトアセンブリを有しうる。また、脚部を構成する材料を含む、ゴルフクラブヘッドボディを形成する材料の厚さは、所望に応じて変動しうる。また、脚部のボリュームを含む内部キャビティのボリュームを、所望であれば充填材料で充填してもよい。
【0022】
いくつかの例において、ゴルフクラブヘッド200は単一のピースとして形成されうる。たとえば、前部210、後部212、上部214、トウ216、ヒール218およびソールは単一のピースユニットでありうる。ゴルフクラブヘッド200は、公知の製造方法、たとえば鋳造、成形、鍛造など、およびそれらの様々な組み合わせを使用して形成することができる。したがって、ゴルフクラブヘッドボディ202をチタンなどの金属材料で鋳造することができる。空隙230は、ゴルフクラブヘッドの初期製造プロセス中(たとえば鋳造中)にゴルフクラブヘッドに形成してもよく、さらなるプロセス(たとえば切断による)を使用してゴルフクラブヘッド200中に形成してもよい。
【0023】
いくつかの配置において、ゴルフクラブヘッドボディ202の上部214に陥凹203を形成してもよい。陥凹203はゴルフクラブヘッド200の周囲または実質的に周囲に、隆起部またはリップ205を形成しうる。陥凹はその深さが変動してもよく、深さ0.1〜0.3インチでありうる。陥凹203は、以下でさらに充分に説明するカバー250などのカバーを収容するように構成されうる。さらには、陥凹203がカバー250を収容するように構成された例において、陥凹203はカバー250に対応するように成形されうる。
【0024】
上記で言及したように、かつ
図2Aおよび2Bに示すように、ゴルフクラブヘッド200はカバー250をさらに含む。いくつかの例において、カバー250は、ゴルフクラブヘッド200が使用中である際には、特に、ゴルフクラブヘッド200がアドレス位置にあってゴルファーがゴルフクラブヘッド200の上方に立つ際に、空隙230が見えないようにゴルフクラブヘッドボディ202の後部212または後部212の一部分を覆うことができる。すなわち、カバー250が定位置にあるとき、ゴルフクラブヘッド200は、ゴルフクラブヘッド200の後部212における空隙230を含まない従来のゴルフクラブヘッドと同様の外観である。しかし、パフォーマンス上の利点(たとえば減少したウェイト、再配分されたウェイトなど)が与えられるであろう。いくつかの例において、カバー250は、ゴルフクラブヘッド200をソールから見る際に空隙230が見えるがクラブ200の上部から見る際に空隙230が視界から遮られるように、ゴルフクラブヘッドボディ202の上部214の上に延びうる。さらにまたは代わりに、カバー250は、ゴルフクラブヘッドを任意の角から見る際に空隙が見えないように、ゴルフクラブヘッド200の後部212全体の上に延びてもよく、ゴルフクラブヘッドの上部およびソールを覆ってもよい。
【0025】
いくつかの配置において、カバー250は、ゴルフクラブヘッド200の上部214に形成された陥凹203に収容されうる。いくつかの例において、陥凹203の深さおよび/または形状は、カバー250の厚さおよび/または形状に対応しうる。たとえば、カバー250がゴルフクラブヘッド200上に設置される際に、カバー250の上表面は、陥凹203によって形成された隆起部またはリップ205の上部と面一になりうる。
【0026】
カバー250は軽金属、合金、複合材、プラスチックなどの任意の好適な材料で形成されうる。ポリマー系のカバー250は、金属型の仕上げを施すための、またはそのような外観を設ける何らかの他の処理を施すための、ナノコーティングをさらに有しうる。カバー250はゴルフクラブヘッドに、機械的ファスナ、スナップ嵌合、ねじ、接着剤、摩擦嵌合などをはじめとする公知の接続方法を使用して接続されうる。いくつかの例においては、ゴルフクラブヘッド200の上部214の陥凹203によって形成された隆起部またはリップ205との摩擦嵌合によって、カバー250をゴルフクラブヘッド200に接続することができる。
【0027】
いくつかの配置において、カバー250は取り外し可能で、かつ/または他のカバーと交換可能でありうる。たとえば、
図2Aは、カバー250が取り外されたゴルフクラブヘッド200を示す。
図2Bは、カバー250が部分的に定位置にあるゴルフクラブヘッド200を示し、一方、
図2Cは、カバー250が定位置にあるゴルフクラブヘッド200を、ゴルフクラブヘッド200の上部に沿って示す。カバー250は概してゴルフクラブヘッド200のクラウンを形成する。
図2A〜2Cに示すように、カバー250が定位置にある際に、空隙230はゴルフクラブヘッド200の上部214から見えない。すなわち、アドレス位置において、ユーザは、ゴルフクラブヘッド200に形成された間隙230を見ることができないであろう。むしろ、ゴルフクラブヘッド200は従来のゴルフクラブヘッドの外観を有するであろう。
図2Cに示すように、ゴルフクラブヘッド200は、カバー250が定位置にある上部から見る際に、従来のゴルフクラブヘッドと同様の外観である。
【0028】
いくつかの配置において、カバー250は、異なるパフォーマンス特性を有する他のカバーと交換可能でありうる。たとえば、カバーを異なるウェイト付け特性を有する他のカバーと交換することができる。代替カバーは、異なる美的特性をさらに有してもよく、異なるトレーニングガイドを組み込んでもよい。
【0029】
図3A〜3Dは、ゴルフクラブヘッドボディと、このクラブヘッドボディの一部であると考えられうるカバーとを有する、ゴルフクラブヘッド300の別のゴルフクラブヘッド配置を示す。ゴルフクラブヘッド300は、ゴルフクラブヘッド300の後部312に形成された空隙302を有する。
図2A〜2Cのゴルフクラブヘッド200と同様に、ゴルフクラブヘッド300は前部、後部、上部、ソール、トウおよびヒールを含む。ゴルフクラブヘッド300は、ゴルフクラブヘッド300の後部312に形成された空隙302の形態の幾何学的ウェイト付け特徴を画定する一対の離間した脚部をさらに含む。
図3Aおよび3Bに示すように、いくつかの例において空隙302は実質的にV字形でありうる。空隙302は所望に応じて他の形状であってもよい。たとえば、本発明を逸脱することなく正方形、長方形、三角形などの空隙を使用してもよい。
【0030】
ゴルフクラブヘッドボディの上部は複数の傾斜面320a〜320cを含みうる。いくつかの例において、傾斜面320a〜320cは概して平面状であり得、ゴルフクラブヘッド300の前部の上縁321からV字形空隙302の上縁323まで下方に延びうる。すなわち、ゴルフクラブヘッド300の上部はゴルフクラブヘッドの前部の上縁321から空隙の上縁323まで下方に徐々に傾斜しうる。いくつかの例において、上部は複数の傾斜面320a〜320cで形成されうる。たとえば、
図3Aは、ゴルフクラブヘッドの上部からソールへと下方に延びる3つの傾斜面320a〜320cを示す。3つの傾斜面は、ゴルフクラブヘッド300の上表面を形成するように異なる方向(たとえば前部から後部まで、トウからヒールまで、ヒールからトウまでなど)に延びうる。
【0031】
ゴルフクラブヘッド300の上部を形成する傾斜面320a〜320cは、ゴルフクラブヘッド300の重心を調節するために、ゴルフクラブヘッドに関連するウェイトを減少させかつ/またはウェイトを再配分することにさらに役立ちうる。すなわち、傾斜面320a〜320cは、従来のゴルフクラブヘッドを形成するであろうさらなる材料の除去を可能にする。さらなる材料は、ゴルフクラブヘッドの上方部分にさらなるウェイトを加えることによって重心を上方に移動させることがあり、これは望ましくない場合がある。したがって、傾斜面320a〜320cを設けることは、重心をゴルフクラブヘッド300のソールに向かって下方に移動させることに役立つ。クラブヘッドボディの脚部は異なって寸法決めすることが可能であり、ここで傾斜面の表面積も異なるということがさらに理解されよう。脚部のそのような差によってゴルフクラブのパフォーマンス特性をさらに調節することができる。
【0032】
さらに、空隙302はゴルフクラブヘッドの後部に完全にわたってボディの上部からゴルフクラブヘッドのソールまで延びうる。
図3Aおよび3Bに示すように、空隙302はゴルフクラブヘッドの後縁からゴルフクラブヘッドの中心部分に向かって内方に延びてもよく、空隙はゴルフクラブヘッドの中心近くよりも後縁近くにおいてより幅広であり得、脚部は境界区域に集合することが理解されよう。
【0033】
上記で説明した配置と同様に、ゴルフクラブヘッド300は、ゴルフクラブヘッド300の上表面に収容されうるカバー350をさらに含みうる。
図3Cおよび3Dは、カバー350が定位置にあるゴルフクラブヘッドを示す。上記で説明した配置と同様に、カバー350は、ゴルフクラブヘッド300のボディの上部に形成された陥凹303に収容されうる。いくつかの例においては、
図3Cに示すように、カバー350は、ゴルフクラブヘッド300の一つまたは複数の外面上に延びうる。
【0034】
カバー350はゴルフクラブヘッドに、機械的ファスナ、接着剤、摩擦嵌合、スナップ嵌合などの公知の接続方法を使用して接続されうる。さらに、カバー350はプラスチック、複合材、金属などの公知の材料で形成されうる。
【0035】
上記で説明した配置と同様に、カバーは、ゴルフクラブヘッド300上部の傾斜面320a〜320c、およびV字形間隙302が見えないようにしうる。したがって、上部からまたはアドレス位置において見る際に、カバー350が設置される場合にはゴルフクラブヘッド300は従来のゴルフクラブヘッドの外観を有しうる。
【0036】
図4Aおよび4Bは、本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、別の例示的ゴルフクラブヘッドを示す。ゴルフクラブヘッド400は、ゴルフクラブヘッド400の後部に陥凹領域403を含みうる。陥凹403は、ゴルフクラブヘッドの上部近くのウェイトを減少させることで、ゴルフクラブに関連するウェイト全体を減少させることに役立ち得、ゴルフクラブヘッド上で重心をより低く移動させることに役立ちうる。陥凹領域403は側壁420によって形成されうる。側壁420はゴルフクラブヘッドの上部からゴルフクラブヘッドのソールに向かって下方に延びてもよく、実質的に垂直でありうる。いくつかの例において、少なくとも一つの側壁はゴルフクラブヘッドの前部に実質的に平行、または打球面に概して平行でありうる。他の例において、側壁420は傾斜しうる。
【0037】
ゴルフクラブヘッド400は、陥凹領域403の下表面に形成された空隙402の形態の幾何学的ウェイト付け特徴をさらに含みうる。いくつかの例において、空隙402は実質的にV字形であってもよく、ゴルフクラブヘッドに関連するウェイトを減少させることに役立ちうるか、またはヒールおよびトウの後部に向かってウェイトをさらに再配分することもある。空隙402はゴルフクラブヘッドの後縁からゴルフクラブヘッドの中心に向かって内方に延びうる。いくつかの例において、空隙はゴルフクラブヘッドの後部に完全にわたって(たとえば陥凹領域の下表面からゴルフクラブヘッドのソールまで)延びてもよく、ゴルフクラブヘッドの中心よりもゴルフクラブヘッドの後縁近くにおいてより幅広でありうる。いくつかの配置において、空隙は、実質的に平面状の側面を含みうる。
【0038】
上記で説明した配置と同様に、ゴルフクラブヘッド400の配置は、ゴルフクラブヘッドに関連するウェイト全体を減少させること、および/またはウェイトを再配分することに役立ち得、ゴルフクラブヘッドのパフォーマンス特性を改変しうる。しかし、ゴルフクラブヘッド400は従来のゴルフクラブヘッドのように見えないことがあり、このことは、プレーヤの気を散らすことがあり、ゴルフクラブ設計要件の一つまたは複数の要件に合致しないことがある。したがって、上記で説明した空隙を有するゴルフクラブヘッドのパフォーマンス上の利点をなお与えながらも、従来のゴルフクラブヘッドの外観が示されるように、カバーを設けることができる。
【0039】
図5Aおよび5Bは、従来のゴルフクラブヘッドの外観を示すようにゴルフクラブの後部の少なくとも一部分の上に延びるカバー550を含む、ゴルフクラブヘッド400を示す。
図5Aおよび5Bのカバー配置は、本明細書に記載される他のゴルフクラブヘッド(ゴルフクラブヘッド200、ゴルフクラブヘッド300および他の態様などの)で使用してもよい。カバー550は、ゴルフクラブヘッドの空隙および/または陥凹領域が見えないようにして従来のゴルフクラブヘッドの外観を与えるように、ゴルフクラブヘッド400の上部の上に延びうる。カバー550はゴルフクラブヘッド300または400に、機械的ファスナ、スナップ嵌合、摩擦嵌合、接着剤などの公知の接続方法を使用して接続されうる。
【0040】
いくつかの配置においては、
図5Bに示すように、カバー550はゴルフクラブヘッドの上縁にわたりかつゴルフクラブヘッドの側面に沿って延びうる。したがって、カバー550は垂下周囲スカート551を含みうる。これは、ゴルフクラブヘッドに従来の外観を与えることに役立ちうる。ゴルフクラブヘッドカバー550は、ゴルフクラブヘッドのすべてのアングルから見て空隙が見えないようにするために、ゴルフクラブヘッド400の後部全体を覆いうる(たとえば、トウからヒールまでゴルフクラブヘッドの上部およびソールの上に延びうる)。あるいは、カバー550は、ゴルフクラブヘッド400を上部から(たとえばアドレス位置において)見る際に空隙402および/または陥凹領域が見えないようにするために、ゴルフクラブヘッドの上部の上に(たとえばゴルフクラブヘッドの上部に沿って後部から前部までおよびトウからヒールまで)延びうる。しかし、この配置においては、ゴルフクラブヘッドを下部またはソールから見る際に、空隙がなお見えることがある。
【0041】
図6Aおよび6Bは、ゴルフクラブヘッド600に形成された空隙602がゴルフクラブヘッドの上部から見る際には見えないが、下部またはソールから見る際には見えるように、カバー650がゴルフクラブヘッド600の上部の上に延びる、一つの配置を示す。
図6Aはゴルフクラブヘッド600のソール615を示す。図示するように、ゴルフクラブヘッド600は実質的にV字形の空隙602を含み、空隙は、ゴルフクラブヘッド600の後部に形成されており、概してゴルフクラブヘッドの後縁からゴルフクラブヘッド600の中心に向かって内方に延びる。空隙602は本明細書に記載される他の空隙と同様でありうる。空隙602は、ゴルフクラブヘッド600を下部またはソールから見る際には見える。しかし、
図6Bに示すように、上部から見る際には、ゴルフクラブヘッドは従来のゴルフクラブヘッドの外観を有する。
【0042】
図6Aおよび6Bのカバー650は、ゴルフクラブヘッド600の上部を概して覆ってもよく、(上記で説明したいくつかの配置と同様に)ゴルフクラブヘッドの側面の一部分を覆うようにゴルフクラブヘッドの上部を多少包み込んでもよい。したがって、カバー650は垂下スカート651を有することもある。
【0043】
図7Aおよび7Bは、カバー750を有するゴルフクラブヘッド700(
図6Aのゴルフクラブヘッド600と同様)を示し、カバーは、ゴルフクラブの上表面の上に延びるが、ゴルフクラブヘッドの側面の一部分を覆うように包み込むことはない。したがって、ゴルフクラブヘッドに形成された空隙702は、ゴルフクラブヘッド700のソールからは見えるが、ゴルフクラブヘッド700の上部からは見えない。
図7Aおよび7Bの配置において、カバー750の下面はゴルフクラブヘッド700のソールから(たとえば空隙702を通して)見える。
【0044】
いくつかの例において、カバー750は、ゴルフクラブヘッドの上部に形成された陥凹(
図2の陥凹203と同様)に収容されうる。さらには、陥凹は、カバー750の厚さおよび/または形状に対応する深さおよび/または形状を有しうるものであり、これにより、カバー750の上表面は、ゴルフクラブヘッド700における陥凹によって形成されたリップまたは隆起部の上部と面一になる。
【0045】
図8A〜8Dは、本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、別の例示的ゴルフクラブヘッドを示す。ゴルフクラブヘッド800は空隙802を含みうるものであり、空隙は、ゴルフクラブヘッドの後部に配置され、ゴルフクラブヘッドの上部からソールまで延びる(上記の配置と同様)。空隙802はゴルフクラブヘッドの後縁804からゴルフクラブヘッドの中心または中心領域806に向かって内方に延びてもよく、実質的にV字形でありうる。いくつかの例において、空隙802は実質的に正方形、長方形、三角形などの他の形状を有しうる。上記で説明した配置と同様に、空隙は、中心領域806近くの幅よりも大きな、ゴルフクラブヘッド800の後部804における幅を有しうる。すなわち、空隙802は、V字形を形成するように後部804から中心領域806まで延びるに従って狭くなりうる。いくつかの例において、空隙802は、空隙802の平滑で実質的に平坦な内面を形成する概して平面状の側面を有してもよく、境界区域と呼ばれることがある中心区域806近くのV字形のベース部において、概して曲線形の部分を含みうる。
【0046】
上記で説明した配置と同様に、ゴルフクラブヘッド800は、ゴルフクラブヘッド800を上部から(たとえばアドレス位置において)見る際に空隙または空隙の一部分が見えないように構成されたカバー850を含みうる。
図8Bは、空隙802を覆うようにゴルフクラブヘッド800の上部に沿って配置されたカバー850を有するゴルフクラブヘッド800の上面図を示す。図示される配置において、カバー850は、空隙802の形状に対応するように成形されてもよく、いくつかの例においては空隙802のみを覆うようにゴルフクラブヘッド800に接続されてもよい。すなわち、カバー850は空隙802のみを覆うことができ、ゴルフクラブヘッド800の後部のいかなる部分も覆うことができない(本明細書において説明される他のカバーは、やはり空隙のみを覆うことができるか、またはゴルフクラブヘッドの後部、側面などの他の部分を覆うことができる)。
図8Cは、ゴルフクラブヘッド800から部分的に取り外されたカバー850を示す。カバー850は、ゴルフクラブヘッド800の上部に嵌合されかつゴルフクラブヘッドの上部に沿って空隙802を覆うために、空隙802の形状に対応するように成形される。カバーはゴルフクラブヘッド800に、接着剤、機械的ファスナ、スナップ嵌合、摩擦嵌合などの公知の取付け方法を使用して接続されうる。いくつかの例において、カバーは、空隙802の概して平面状の側壁の上部分に沿って配置されたスロット中に摺動しうる。スロットは、カバー850をゴルフクラブヘッド800に固着するために、摩擦嵌合を行うことができ、かつ/またはさらなるファスナを含むことができる。
【0047】
図8Dは、ゴルフクラブヘッド800を下部またはソールから示す。ゴルフクラブヘッド800をこの面から見る場合、空隙802が見え、カバー850の下表面も見える。いくつかの例において、カバー850は、取り外し可能、および/または異なるパフォーマンス特性を有する他のカバーと置換可能でありうる。さらなる代替態様において、クラブヘッドの所望の特性を与えるために、さらなる構造が、カバー850の一部分でありうるかまたはこのカバーと関連しうることが理解されよう。
【0048】
図9Aおよび9Bは、本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、さらに別のゴルフクラブヘッド配置を示す。
図9Aは、カバー950を有するゴルフクラブヘッド900のトウ側斜視図を示し、一方、
図9Bは、クラブヘッドボディを示す、カバー950が取り外された
図9Aのゴルフクラブヘッド900のトウ側斜視図を示す。
【0049】
図9Bに示すように、ゴルフクラブヘッド900は、ゴルフクラブヘッド900の後部の上部および側面の一部分が除去された、開放後部配置を含みうる。すなわち、ゴルフクラブヘッド900の後部は、ゴルフクラブヘッド900の下部またはソールの近くに位置する実質的に平面状の部分908を含みうる。いくつかの配置において、実質的に平面状の部分908はゴルフクラブヘッドのソールでありうる。ゴルフクラブヘッド900の後部は、ゴルフクラブヘッド900のボディのベース部の上部から実質的に平面状の下方部分908まで延びる複数の側面915a〜915cをさらに含みうる。いくつかの例において、側面915a〜915cは実質的に垂直でありうる。さらには、一つまたは複数の側面915a〜915cは別の側面915a〜915cに対して傾斜しうる(たとえば、側面915aは915bに対して傾斜しており、側面915cは915bに対して傾斜している)。
【0050】
この開放後部配置は、ゴルフクラブヘッドに関連するウェイトを減少させることに役立ち得、ゴルフクラブヘッド900の重心を低下させることに役立ちうる。さらには、クラブヘッドのヒールおよびトウの後方にウェイトをより多く配分することもできる。
【0051】
いくつかの例において、ゴルフクラブヘッド900は、ゴルフクラブヘッド900の実質的に平面状の下方部分908に形成された空隙902をさらに含みうる。上記で説明した配置と同様に、空隙902は、いくつかの例において実質的にV字形であってもよく、ゴルフクラブヘッドの後縁904からゴルフクラブヘッドの中心または中心領域906に向かって内方に延びてもよい。そのような幾何学的ウェイト付け特徴は、クラブヘッドのヒールおよびトウの後方にウェイトを配分することに役立つ。
【0052】
図9Aに示すように、ゴルフクラブヘッド900はカバー950を含みうる。カバー950は、ゴルフクラブヘッド900を上部から見る際に従来のゴルフクラブヘッドの外観を与えるように、ゴルフクラブヘッド900の実質的に開放された後部配置の上に延びうる。いくつかの配置において、カバー950の一部分952はゴルフクラブヘッド900の側面の一部分の上に延びうる。これは、ゴルフクラブヘッド900の空力特性を維持することに役立ち得、従来のゴルフクラブヘッドの外観を与えることにも役立つ。いくつかの例において、間隙954がゴルフクラブヘッドのカバー950と下部またはソール908との間に形成されうる。この間隙954は、ゴルフクラブヘッド900に関連するウェイト全体をさらに減少させることができる。
【0053】
図10Aおよび10Bは、本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、別のゴルフクラブヘッド配置を示す。
図10Aのゴルフクラブヘッド1000は、ゴルフクラブヘッド内に配置された一つまたは複数のセンサ1020aを含みうる。いくつかの例において、センサ1020aは、ゴルフクラブヘッドの後部に形成された空隙と共に配置されてもよく、かつ/または空隙の一部分を覆うカバー1050aに接続されてもよい。特に、クラブヘッドのカバーの下側表面は、センサを収容するための開口部を有する。開口部は、開口部に収容されるセンサ1020aにサイズが一致するように寸法決めされている。センサ1020aは締まり嵌合または摩擦嵌合で開口部内に固着されてもよく、他の機械的締結機構が利用されてもよい。センサ1020aはパフォーマンスデータを、記録しかつ/または計算装置(図示せず)に送信することができる。たとえば、センサ1020aは、スイングスピードなどのパフォーマンスデータを検出し、そのデータを計算装置に送信することができ、ユーザは様々なパフォーマンス特性を追跡するために計算装置にアクセスすることができる。データは公知のデータ送信方法を使用して無線送信することができ、あるいは、いくつかの例では、センサ1020aを取り外してたとえばUSBポートを介して計算装置に接続することができる。
図10Aから認識できるように、センサ1020aはクラブヘッドのソールから空隙を通ってアクセス可能である。
【0054】
いくつかの例において、カバーまたはその一部分は、センサ1020aにアクセスするために取り外し可能である。たとえば、
図10Bはゴルフクラブヘッド1000bを示し、ゴルフクラブヘッドはまた、パフォーマンスデータを追跡および/または送信するためにそこに(たとえばカバー1050bに)接続されたセンサ1020bを含みうる。カバー1050bは、センサ1020aが所望のようにアクセス、取り外しなどされうることを示すために、ゴルフクラブヘッド1000bから部分的にはずされて示される。
【0055】
いくつかの配置において、上記のゴルフクラブヘッドおよび以下に記載されるゴルフクラブヘッドは、一つまたは複数のウェイト、ウェイトアセンブリ、ウェイト機構またはウェイト付け特徴を含みうる。以下でさらに完全に説明するように、ウェイト付け特徴は取り外し可能、調節可能などでありうる。本明細書に記載されるウェイト付け特徴は、単独でまたは本明細書に記載される他のウェイト付け特徴との組み合わせで、本明細書に記載される任意のゴルフクラブヘッドで使用することができ、このウェイト付け特徴はそれと共に記載されるゴルフクラブヘッドに限定されない。
【0056】
図11は、本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、別の例示的ゴルフクラブヘッドを示す。ゴルフクラブヘッド1100は、ゴルフクラブヘッド1100のソールに形成された一つまたは複数の陥凹を含みうる。一つまたは複数のインサート1130が陥凹に挿入されうる。インサート1130は、ゴルフクラブヘッド1100の一つまたは複数のパフォーマンス特性を調節するために取り外し可能および/または他のインサートと交換可能でありうる。たとえば、インサート1130は、ゴルフクラブヘッド1100の慣性モーメントまたは重心を調節するために、異なる性質を有しうる。インサート1130は軽金属、金属合金、複合材料、プラスチックなどの任意の好適な材料で形成されうる。いくつかの配置において、インサート1130は陥凹内に摺動して摩擦によって定位置に保持されうる。さらにまたは代わりに、インサート1130はゴルフクラブヘッド1100に、一つもしくは複数のねじ、または機械的ファスナ、スナップ嵌合、接着剤などによって接続されうる。
【0057】
いくつかの例において、インサート1130は、ゴルフクラブヘッド1100のパフォーマンスを調節するために異なるウェイト付け特性を有しうる。インサート1130は、互いに同じウェイト、または異なるウェイトでありうる。さらに他の例において、インサート1130は、このインサートと異なるウェイト付け特性または他の特徴を有するインサートとの置換を可能にするために、ゴルフクラブヘッドに取り外し可能に接続されうる。
【0058】
図12A〜12Cは、本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、別の例示的ゴルフクラブヘッドを示す。ゴルフクラブヘッド1200は、空隙1202がゴルフクラブヘッドの後部に形成された、上記の配置と同様の配置を含みうる。さらに、ゴルフクラブヘッド1200は、ゴルフクラブヘッド1200内に配置された一つまたは複数のウェイト1240を含みうる。ウェイトは、ゴルフクラブヘッド1200のパフォーマンス特性を調節するために設けることができる。たとえば、ウェイト1240はゴルフクラブヘッド1200の重心、慣性モーメントなどを調節しうる。いくつかの配置において、ウェイトは、ゴルフクラブヘッド1200のパフォーマンス特性を調節するために取り外し可能および/または他のウェイトと交換可能でありうる。すなわち、ゴルフクラブヘッド1200の後部に設けられた開放空隙1202はウェイト1240へのアクセスを可能にしうる(
図12Bに示すように)。したがって、ウェイト1240をゴルフクラブヘッド1200から取り外しかつ/または他のウェイト部材と交換することができる。
【0059】
いくつかの例において、ウェイト1240aおよび1240bは異なるウェイト特性を有しうる。たとえば、ヘッド1200上でゴルフクラブヘッドの重心をより低く調節するために、ウェイト1240aはウェイト1240bよりも軽いことがある。また、ゴルフクラブヘッド1200のパフォーマンス特性を調節するためにウェイト1240aおよび1240bを交換することができ、あるいは、ゴルフクラブヘッド1200のパフォーマンス特性をさらに調節するためにこれらのウェイトを他のウェイト部材(
図12A〜12Cに示さず)と交換することができる。
図12Bおよび12Cから認識できるように、ウェイトポートは、伝統的なクラブヘッドでは概して不可能なクラブヘッドの区域に置かれてもよい。クラブヘッドに空隙を画定する構造が理由で、ウェイトポートはより容易にアクセス可能になる。
【0060】
図13Aおよび13Bは、ゴルフクラブヘッドの後部に形成された空隙1302、および一つまたは複数のウェイト1340を有する、別のゴルフクラブヘッド配置を示す。上記で説明した配置と同様に、空隙1302は実質的にV字形でもよく、上記で説明した他の形状を有してもよい。ウェイト1340は調節可能、取り外し可能、交換可能、置換可能などであり得、いくつかの例においては、ゴルフクラブヘッド1300の後部に形成された空隙1302を介してアクセスすることができる。たとえば、
図13Aおよび13Bに示すように、ウェイト1340bは境界区域、または空隙のベース部(たとえばV字形の下部)からアクセスすることができる。ウェイト1340a、1340bはゴルフクラブヘッドに、機械的ファスナ、接着剤、スナップ嵌合などを使用して接続されうる。いくつかの例において、ウェイト1340はゴルフクラブヘッド1300に、ねじによって接続されうる。したがって、ウェイト1340bを取り外すために空隙1302を介してねじにアクセスし、それを取り外すことができる。
【0061】
さらには、空隙1302は、そこを通ってウェイト1340aにアクセス可能な間隙1317を備えうる。したがって、ウェイト1340aを接続するねじまたは他のファスナは間隙1317を介して取り外し可能であり、ウェイトは調節、取り外し、置換などが可能である。
【0062】
図12Aおよび12Bに関する上記の配置と同様に、ウェイト1340aおよび1340bは、ゴルフクラブヘッド1300のパフォーマンスを調節するために、異なるウェイトまたはウェイト特性を有しうる。ウェイトは任意の好適な材料で形成されうる。
【0063】
図14A〜14Cは、本明細書に記載される一つまたは複数の局面の、別のゴルフクラブヘッド配置を示す。ゴルフクラブヘッド1400は、ゴルフクラブヘッド1400の後部に形成された空隙1402を含みうる。さらには、ゴルフクラブヘッド1400は、ゴルフクラブヘッド1400の後部に配置されたウェイト1440を含みうる。いくつかの例において、ウェイト1440は、それぞれ異なる性質を有する二つの側面1440a、1440bを有しうる。たとえば、ウェイト1440の一方の側面1440aはウェイト1440の第二の側面1440bよりも重いことがある。ウェイト特性のこの差は、ウェイト1440を形成する上で使用される異なる材料、使用される材料の密度などが理由でありうる。移動可能なウェイト1440はゴルフクラブヘッドのパフォーマンス特性を改変可能である。
【0064】
さらにまたは代わりに、各側面の構造は異なりうる。たとえば、
図14Cに示すように、ウェイトの一方の側面1440bが、その側面に関連するウェイトを減少させるように中空でありうる一方、他方の側面1440aはより重くなるように中実でありうる。
【0065】
ウェイトは、ねじまたは他の機械的ファスナなどを介してゴルフクラブヘッドに取り外し可能に接続されうる。すなわち、ユーザは、ウェイト1440を取り外し、調節などするために、ゴルフクラブヘッド1400の後部における空隙1402を介してウェイト1440のファスナにアクセスすることができる。ゴルフクラブヘッドのパフォーマンス特性を調節するために、ウェイト1440をゴルフクラブヘッド1400から取り外すことができ、ユーザはウェイト1440を回転または反転させて異なる構成で接続することができる。すなわち、ウェイト1440の調節によって、ウェイト特性(したがってパフォーマンス特性)を高位から低位にまたは上部からソールに調節する(たとえば、ゴルフクラブヘッド1400の重心をゴルフクラブヘッド1400上でより高くまたはより低く調節する)ことができる。
【0066】
図15Aおよび15Bは、ゴルフクラブヘッド1500がたとえば調節可能、取り外し可能なウェイト1540を有しうる、調節可能なウェイト配置の別の例を示す。図示される配置において、ウェイト1540はやはり二つの側面または端部を有しうるものであり、それぞれ、ウェイト1540の調節によるゴルフクラブヘッド1500のパフォーマンス特性の調節を可能にする異なったウェイト付け特性を有する。
図15Bに示すように、ウェイトは、
図14A〜14Cに示す一つの地点というよりは、この配置では二つの地点において接続されうる。しかし、本発明を逸脱することなく、単一の接続点をこの配置で使用してもよい。
【0067】
上記で説明した配置と同様に、ウェイト1540は実質的にV字形であり得(
図15Bに示すように)、空隙1502のベース部の上に延びうる。空隙1502における境界区域において、クラブヘッドボディは、打球面から離れるようにかつ空隙1502に向かってまたはその中に延びる突起部1510を有しうる。
図15Bに示すように、ウェイト1540は、突起部1510を収容するように寸法決めされたキャビティを画定する。固着されると、ウェイト1540は突起部1510の周りに嵌合および適合される。ウェイト1540は、異なるウェイト特性などの特性を有する複数の端部を含みうる。たとえば、一方の端部1540aが他方の端部1540bよりも重いことがある。これは、ウェイト、またはいくつかの例においては端部1540a、1540bの構造を構築するために使用される材料の差が理由でありうる。たとえば、一方の端部、たとえば端部1540aが他方の端部1540bよりも厚いことがある。材料の厚さを追加することで、ゴルフクラブヘッド1500のパフォーマンス特性を調節するために使用可能なさらなるウェイトを得ることができる。端部1540a、1540bはさらなるウェイト要素をその上に支持することもある。
図15Bから認識できるように、ウェイト1540の比較的重い端部が、クラブヘッド1500のクラウンに向かってまたはソールに向かって位置するように、ウェイト1540を回転させるかまたは調節することができる。
【0068】
図14A〜14Cの配置と同様に、ゴルフクラブヘッドのパフォーマンス特性を調節するために、ウェイトに空隙1502を介してアクセスすることができ、ウェイトを代替構成で取り外しおよび置換することができる(第二の側面が下方の構成対第二の側面が上方の構成など)。いくつかの例において、ウェイト1540が単一ピース部材でありうる一方、他の例において、ウェイト1540は、一緒に接合されたかまたは別々にゴルフクラブヘッド1500に接続された複数のピースで形成されうる。
図15Bにさらに示すように、ウェイト1540をクラブヘッド1500に固着するために一対のねじ込みファスナが使用される。クラブヘッド1500の構造によって、空隙1502は、ウェイト1540の取り外しまたは調節のためのファスナへの容易なアクセスを提供する。
図15Aにさらに示すように(
図15Bには示さないが)、クラブヘッド1500はチャネル1550を有しうるものであり、チャネルは、ヒールからトウまでクラブヘッド1500のソールを横切って、かつ打球面に概して隣接して延びる。チャネルは、ボール衝突時にクラブヘッドの特定の量の圧縮を可能にする。この特徴は、クラブのパフォーマンスをさらに向上させるために、他のクラブヘッド構造およびウェイト付け特性と協働しうる。
【0069】
図16は、本発明のさらに別のゴルフクラブヘッド1600を示す。他の態様について説明するように、ゴルフクラブヘッド1600は、空隙1630によって離間された第一の脚部1622と第二の脚部1624とを有するボディ1602を有する。空隙1630は他の態様と同様の概してV字形である。ゴルフクラブヘッド1600は境界区域1626をさらに画定する。カバー1604はボディ1602と一体化されているかまたは接続されている。第一の脚部1622および第二の脚部1624は境界区域1626に向かって互いの方に集まる。
【0070】
ゴルフクラブヘッド1600は、クラブヘッド1600のパフォーマンスをさらに向上させるようにウェイトアセンブリを利用する。ウェイトアセンブリまたはウェイトは境界区域1626に操作可能に備えられている。例示的態様において、ヘッド1600の境界区域1626は、例示的態様において収容管1642の形態である収容体または収容部1642を支持する。ウェイトアセンブリのウェイト1640は、収容管1642によって収容されるように構成されている。
図16は、管1642内のさらには分解構成のウェイト1640を示す。ウェイト1640は、いくつかの例においては、ゴルフクラブヘッド1600に組み込まれた収容管1642に収容され得、いくつかの配置においては、ゴルフクラブヘッド1600に形成されたV字形空隙1602のベース部に配置されうる。したがって、
図16に示すように、境界区域1626は、概して第一の脚部1622および第二の脚部1624の接合部において収容管1642を支持する。第一の脚部1622および第二の脚部1624は収容管1642に集合する。収容管1642は概して、カバー1604の下面からクラブヘッドボディ1602のソール面近くまで延びる高さを有する。収容管1642は、所望に応じて変動する高さを有してもよく、一方または両方の端部がクラウンまたはソールの下面から離間するように装着されてもよい。ウェイト1640が、反対側の端部1640bよりも重い一方の端部1640aを有し得、ウェイト1640が所望に応じて反転しうることが理解されよう。したがって、クラブヘッド1600のパフォーマンス特性を改変するために、異なるウェイト付けの特性および配置が可能である。また、ウェイト1640を収容管1642内に固着するために、収容管1642中の雌ねじと嵌合するねじ込みファスナ1644を設けることができる。
【0071】
収容管1642およびウェイト1640は、ウェイト1640が収容管1642中に摺動しうるように対応する形状を有しうる。いくつかの例において、ウェイト1640および収容管1642は円柱状、正方形、長方形などでありうる。収容管1642は縦軸を有し得、ウェイトは縦軸を有しうる。ウェイト1640が管1642に収容される際に、これらの縦軸は概して対応する。
図16に示す態様において、打球面が特定の量のロフト角を有しうるとの理解に基づけば、管1642の縦軸は概して垂直および概して打球面と水平である。収容管1642は、ゴルフクラブヘッド1600の一つまたは複数の部分と一体的に形成されてもよく、別個の部分として形成されて接着剤、機械的ファスナ、スナップ嵌合などの公知の接続方法を使用してゴルフクラブヘッド1600に接続されてもよい。
【0072】
図16に示す例において、収容管1642は配置が概して垂直である(たとえばゴルフクラブヘッドがアドレス位置にある場合に垂直位置にある)。しかし、本発明を逸脱することなく、様々な他の管の配置、位置などを使用することができる。いくつかの他の配置、位置などを以下でさらに充分に説明する。
【0073】
収容管1642はウェイト1640を収容しうるものであり、ウェイトは単一のウェイト部材であってもよく、異なるウェイト付け特性またはウェイト値を有する端部を有してもよい。たとえば、ウェイト1640は、反対側の端部1640bよりも重い一方の端部1640aを有することがある。いくつかの配置において、比較的重い端部は、第一のウェイト配置を与えるようにゴルフクラブヘッドの上部近くに位置してもよく、あるいは、第二のウェイト配置を与えるようにゴルフクラブヘッドの下部近くに位置してもよい。異なるウェイト配置はクラブヘッド1600のパフォーマンスに影響しうる。V字形空隙1630は、高い位置から低い位置にウェイトをより容易に調節するための、ゴルフクラブヘッド1600のボディ、ウェイト1640などへのより容易なアクセスを可能にしうる。他の構造は、ウェイト部材をその上で取り外し可能に支持するように、空隙1630における境界区域に操作可能に備えられうる。
【0074】
さらにまたは代わりに、ウェイト部材1640は、解除可能に互いに締結されうるウェイト1640の複数のウェイトまたは部分、たとえば、一つのピースが最も重い三つのピース(
図16に二点鎖線で示す)を含みうる。また、異なるウェイトは異なるウェイト値を有しうる。いくつかの例において、比較的重い部材は本部材のいずれかの端部または中央に存在しうる。本発明を逸脱することなく、ウェイト部材の様々な他の組み合わせを使用することができる。ウェイト1640が管1642にぴったりと嵌合して使用中に管内で摺動しないように、ねじ込みファスナ1644の長さを伴うウェイト部材1640の全高は、収容管1642の高さに概して対応しうる。所望であれば管1642および/またはウェイト1640がショック吸収特徴を有しうることが理解されよう。
【0075】
いくつかの配置において、V字形空隙のベース部は傾斜していてもよく、収容管1642はその角度に適合しうる。したがって、ウェイト1640を収容管1642内で調節することで、ウェイト部材をハイブリッドに、たとえば高低方向、前後方向に調節することができる。複数の収容管1642を垂直、水平または傾斜構成で利用してもよい。また、収容管は、第一の脚部1622および第二の脚部1624の表面沿いを含む境界区域1626から離間した場所に位置しうる。
【0076】
V字形空隙のベース部におけるウェイト1640および収容管1642の位置は、ゴルフクラブヘッド1600の中心領域に近い重心を調節することに役立ちうる。低い重心または高い重心を与えるように、管1642中のウェイトを管1642において集中させることができる。比較的中立的な重心を与えるようにウェイト1640を構成してもよい。ウェイト1640の挿入または取り外しによって、ゴルフクラブヘッド1600の全重量にさらなるウェイトを追加するかまたはそこからウェイトを取り外すことができ、中心領域にウェイトを追加するかまたはそこからウェイトを取り外すことができ、それによりゴルフクラブヘッド1600のパフォーマンス特性が調節される。管1642中のウェイト1640によって与えられるそのようなウェイト付け特徴は、ボールスピンの変化を与えることでゴルフボールの弾道にさらに影響しうる。このウェイト付け特徴が約500〜600rpmというボールスピンの変化を与えうると特定された。ボールスピンに影響するように、かつ打ち出し角およびボール速度を考慮して、管1642中の調節可能なウェイト1640を利用することで、ゴルファーは、所望のボールの弾道、距離および他の特性を実現するようにゴルフクラブをカスタマイズすることができる。さらに、使用される特定のゴルフボールに望まれるボールスピンを生成するようにクラブヘッド1600をカスタマイズするために、調節可能なウェイト付け特徴を使用することができる。
【0077】
図16において利用されるウェイトアセンブリは特定の代替形態をとることもある。たとえば、第一の脚部および第二の脚部がそれらの間にV字形空隙を画定するようにクラブヘッドボディを形成することができる。この態様において、空隙はクラブヘッドのクラウンからクラブヘッドのソールまで完全に延びる。空隙中で対向する脚部の側面は、側面を画定する材料によって閉鎖されてもよく、あるいは、脚部の側面は開放構成を有してもよい。V字形空隙に対応するようにやはりV字形であるカバー部材を設けることができる。カバー部材は上部分および垂下脚部、ならびに収容管をその中に画定する構造を有する。収容管は上記のウェイトを収容するように構成されている。カバー部材はV字形空隙に位置しており、カバー部材の上部分はクラブヘッドボディに取り付けられている。カバー部材の垂下脚部はクラブヘッドボディの脚部に直面しており、クラブヘッドボディの脚部に接続されてもよい。したがって、クラブヘッドボディが
図16に示すクラブヘッドと同様に形成される。一つの例示的態様において、クラブヘッドボディはチタンなどの鋳造金属ボディである。カバー部材はプラスチック射出成形操作において形成される。プラスチックカバー部材は、やはりチタンなどの金属から作製される対応する構造に比べて、クラブヘッドの全重量を減少させる。金属状の外観を与えかつプラスチックカバー部材をさらに強化するために、コーティング操作をその部材上で利用することがある。さらなるウェイト部材を利用する本明細書に記載される様々な態様において、ウェイト部材がゴルフクラブヘッドの残りまたはそのヘッドの一部分よりも重い材料に由来しうることがさらに理解されよう。他の例示的態様において、ウェイト部材は、ゴルフクラブヘッドの残りまたはヘッドの一部分と同じ材料で作製されうる。特定の例示的態様において、ウェイト部材は鋼、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、黒鉛または複合材料、ならびにそれらの合金および/または組み合わせから形成されうる。
【0078】
図17Aおよび17Bは、
図16と類似した別のウェイト配置を示す。ゴルフクラブヘッド1700は、ゴルフクラブヘッド1700の後部にV字形空隙1702を画定するクラブヘッドボディを含みうる。クラブヘッドボディは、空隙1702を画定する離間した脚部の対を有し、脚部は集合し、境界区域がクラブヘッドボディに画定される。さらには、ゴルフクラブヘッド1700は、境界区域にまたは概してゴルフクラブヘッドの中心領域もしくはその近くに(たとえばV字形空隙1702のベース部に)配置されたウェイト1740を含みうる。ウェイトアセンブリまたはウェイトは境界区域に操作可能に備えられている。例示的態様においては、
図16の配置と同様に、ウェイトは円柱状であってもよく、収容管1742などの収容部に収容されうる。
【0079】
上記で説明した配置と同様に、ウェイトは、異なるウェイト付け特性またはウェイト値を有する端部を有しうる。たとえば、一方の端部1740aが他方の端部1740bよりも重いことがある。さらなるウェイトは、端部1740aがウェイト1740の比較的大きな部分であること(
図17Bに示すように)、またはウェイトを形成するために使用される材料が各端部で異なりうることが理由でありうる。ウェイト1740に関連するウェイト配分を調節するために、ウェイト1740を収容管1742から取り外して回転または反転させることができる。すなわち、比較的重い端部が収容管1742の上方部分の近く(たとえばゴルフクラブヘッドのソールの近く)に存在してもよく、あるいは、比較的重い端部がゴルフクラブヘッド1740の上部またはクラウンの近くに存在するようにウェイト1740を逆転させてもよい。
【0080】
さらにまたは代わりに、上記のように、ウェイトは、異なるウェイト特性を有する複数のウェイト部分で構成されうる。たとえば、ウェイト配分を調節してそれによりゴルフクラブヘッド1700のパフォーマンス特性を調節するために、部分1740aおよび1740bは、複数の構成で一緒に接続可能なウェイト1740の別々の部分であってもよい。
図17Bには二つのウェイト部分が示されるが、所望のようにウェイト1740を形成するために三つ以上の部分を使用してもよい。
【0081】
いくつかの例において、収容管1742は、ウェイト1740を収容管1742内に固着するファスナ1750を含みうる。たとえば、ウェイト1740の位置を維持するようにウェイト1740を挿入した後で、ねじまたは他のねじ込みファスナ1750を収容管1742に挿入することができる。収容管1742は、ねじ込みファスナ1750を収容する嵌合ねじを有する。ウェイトを取り外すかまたは調節するために、ファスナ1750を取り外すことができ、次にウェイト1740を取り外すことができる。上記で説明した配置と同様に、ウェイト1740およびファスナ1750へのアクセスは、ゴルフクラブヘッド1700の後部に形成された空隙1702を介しうる。いくつかの他の代替態様において、ウェイト1740が管1740内に固着されることがあることが理解されよう。
【0082】
さらにまたは代わりに、ねじ山の調節によってウェイト1740が収容管1742内に移動されるように、ウェイト1740をねじ込みファスナ1750にねじ込むまたは接続することができる。たとえば、ねじ込みファスナ1750を回すことでファスナ1750を収容管1742内で上方または下方に移動させることができる。また、ファスナ1750に接続されたウェイト1740もねじ込みファスナ1750と共に上方または下方に移動させることができる。
図17Aおよび17Bにさらに示すように、収容管1742は、管1742中のウェイト1740を見えるようにする窓1744を有しうる。ウェイト1740には、設けられる特定のウェイト付け配置を容易に決定することを可能にする表示を設けることができる。
【0083】
収容管を含む上述の配置は、露出された収容管の外部を概して示すが、収容管は、本発明を逸脱することなく、ゴルフクラブヘッドの後部分内に包囲されていてもよい。たとえば、ゴルフクラブヘッドの境界区域は、ウェイト部材を収容する収容管または何らかの他の構造を完全に包囲しうる。
【0084】
図18は、空隙1802を後部に有しかつ調節可能なウェイト部材を有するさらに別のゴルフクラブヘッドを示す。クラブヘッド1800は、クラブヘッドのカバーまたはクラウン部分の下に空隙1802を画定する離間した脚部の対を有する。ゴルフクラブヘッド1800は二つのウェイト部材1840aおよび1840bを含む。二つのウェイト部材1840a、1840bは、一方の端部が別の端部よりも重くなりうるように、
図16および17のウェイトと同様に配置されうる。さらには、ウェイト部材1840a、1840bは、上記の配置と同様に収容管(
図18に示さず)に収容されてもよく、やはり上記のようにゴルフクラブヘッドの外面に接続されてもよい。
【0085】
ゴルフクラブヘッド1800のウェイト配置全体を調節しかつパフォーマンス特性を調節するために、ウェイトを取り外して反転、回転などすることができる。
図18の配置において、一方のウェイト1840aはウェイトを前後方向に(たとえばフェース/前部に向かって、後部に向かって)調節するように配置され、一方、他方のウェイト1840bはウェイトを高低方向に(たとえば上部に向かって、ソールに向かって)調節するように構成される。各ウェイトは、ゴルフクラブヘッド1800のパフォーマンス特性をカスタマイズするために互いに独立して調節することができる。前後方向および高低方向に調節可能なウェイトを含むさらなる配置を以下で説明する。高低方向ウェイト部材1850がトウの近くに位置しかつ前後方向ウェイト部材1840aがヒールの近くに位置しうるように、ウェイト1840a、1850aを切り替えることができることが理解されよう。
図18にさらに示すように、クラブヘッド1800はチャネル1850を有しうるものであり、チャネルは、ヒールからトウまでクラブヘッド1850のソールを横切って、かつ打球面に概して隣接して延びる。チャネルは、ボール衝突時にクラブヘッドの特定の量の圧縮を可能にする。この特徴は、クラブのパフォーマンスをさらに向上させるために、他のクラブヘッド構造およびウェイト付け特性と協働しうる。
【0086】
図19Aおよび19Bは、ゴルフクラブヘッド1900の後部に形成された空隙1902を有し、かつ空隙1902内に配置された調節可能なウェイトを有する、別の代替ゴルフクラブヘッド配置を示す。上記で説明した配置と同様に、空隙1902は、ゴルフクラブヘッド1900に配置された調節可能なウェイトへの容易なアクセスを提供する。ゴルフクラブヘッド1900は、収容管1942を有する開放後部分を含み、収容管はゴルフクラブヘッド1900のソールからゴルフクラブヘッド1900の上部に向かって延びる。クラブヘッド1900は、打球面に近接したボディのベース部からクラブヘッドボディの後部に向かって延びるソール面1930を有する。ソール面1930はソールにおいて収容管1942の端部を支持する。クラブヘッドボディのカバーまたはクラウン部分は、アドレス位置においては見えないであろうソール面1930を越えて延びる。上記で説明した配置と同様に、収容管1942はウェイト1940を収容するように構成することができ、ウェイトは、様々なウェイト付け特性を有してもよく、ゴルフクラブヘッド1900のパフォーマンス特性を調節するために調節可能、取り外し可能、回転可能などでありうる。
【0087】
図19Bに示すように、空隙1902の配置および場所が理由で、ウェイト1940は収容管1942の開放部分を通して見えうる。このことは、ユーザが収容管1942内のウェイト1940の位置を同定しかつウェイトの調節が望ましいものであるか否かを決定することを可能にしうる。上記で説明したいくつかの配置と同様に、ウェイト1940はねじ込みファスナなどのファスナを介して収容管1942内に保持されうる。空隙1902は、ウェイト1940を調節するためのファスナへのアクセスを可能にしうる。
【0088】
上記で説明した配置と同様に、ウェイト1940は、異なるウェイト特性を有する端部を有しうるか、または、ウェイト1940に関連するウェイト配分の調節を可能にしうる複数の部分で形成されうる。
【0089】
図20Aおよび20Bは、調節可能なウェイトを有するさらに別のゴルフクラブヘッド配置を示す。クラブヘッド2000は、クラブヘッド2000のカバーまたはクラウン部分の下に空隙2002を画定する離間した脚部の対を有する。図示されるウェイト配置は、第一の収容部または収容体および第二の収容部または収容体にそれぞれ収容される二つの調節可能なウェイト2040a、2040bを含む。調節可能なウェイト2040a、2040bは、異なってウェイト付けされた端部を有してもよく、また、解除可能に一緒に接続されかつ複数のウェイト値を有する複数のウェイト部材から作製されてもよい。例示的態様において、第一の収容部は第一の収容管2042aであり、第二の収容部は第二の収容管2042bである。第一の収容管2042aは、境界区域2026に近接して置かれる垂直構成を有する。第二の収容管2042bは概して水平の構成を有し、第一の収容管2042aの近くからクラブヘッド2000の後部に向かって延びる。第二の収容管2042bの一端はクラブヘッド2000の後周で接続される。二つのウェイトが図示されているが、所望に応じてそれよりも多いまたは少ないウェイトを使用することができると理解されよう。上記で説明した配置と同様に、ウェイト2040a、2040bは、他方の端部よりも重い一方の端部を有してもよく、あるいは、異なるウェイト特性を有する異なるウェイト部分で形成されてもよい。第一の収容管2042aが境界区域2026において完全に収納されうることが理解されよう。
図20Aおよび20Bから認識できるように、第二の収容管2042bは空隙に沿って延び、管2042aとカバーまたはクラウンの下側表面との間で画定される空間または間隙を有する。第二の収容管2042bへの開口部または開口端がクラブヘッド2000の後部に近接して置かれる。第二の収容管2042bは、第一の収容管2042aの開口端に近接した閉鎖端を有する。
【0090】
上記で説明した特定の配置と同様に、ウェイト2040a、2040bはゴルフクラブヘッド2000中の収容管2042a、2042b内に収容される。いくつかの例において、収容管内のウェイト2040a、2040bの位置はねじまたは他のねじ込みファスナなどのファスナによって維持されうる。収容管は、収容管2042bのように目に見えてもよく、ウェイト2040aを備えた収容管2042aのように、クラブの外側から見えないようにゴルフクラブヘッド2000の一部分内に収容されてもよい。
【0091】
ウェイト2040a、2040bは、ゴルフクラブヘッドのパフォーマンス特性を調節するために回転、取り外し、調節などされうる。たとえば、ウェイト2040bの調節によって、ゴルフクラブヘッドの前後方向のウェイト配分を調節することができる。したがって、ウェイト2040bのより重い端部を前部近くに位置づけることで、クラブヘッド2000のウェイト全体がゴルフクラブの前部または前面に向かって調節される。あるいは、ウェイト2040bのより重い端部をゴルフクラブヘッド2000の後部に向かって位置づけることで、クラブヘッド2000のウェイト全体がゴルフクラブヘッド2000の背部または後部に向かって移行しうる。
【0092】
また、ウェイト2040aは、ゴルフクラブヘッド2000のウェイト全体の特性を調節するために調節可能、取り外し可能、回転可能などでありうる。たとえば、上記のように、ウェイト2040aはより重い端部およびより軽い端部を有しうる。所望のように、ゴルフクラブのウェイトを高低方向に調節するために、より重い端部またはより軽い端部を第一の収容管2042aに最初に挿入することができる。すなわち、より重い端部を最初に挿入することで(たとえば、収容管がゴルフクラブヘッドのソールからアクセスされることから、クラウンに向かって)、ウェイトをゴルフクラブの上部のクラウンに向かって移動させることができ、一方、より軽い端部を最初に挿入することで(たとえばクラウンに向かって)、さらなるウェイトがゴルフクラブの下部またはソールの近くに付加される。
【0093】
ウェイト2040a、2040bは互いに独立して調節されうる。ウェイト2040a、2040bの調節、回転などによってゴルフクラブ2000の重心を所望に応じて移動または調節することができる。前後方向と高低方向またはソールクラウン方向との両方でウェイトを調節するというハイブリッド配置によって、ゴルフクラブヘッド2000のウェイトおよび/またはパフォーマンス特性のさらなるカスタマイズを行うことができる。また、収容部が、さらなる調節能力を示す枢動可能な支持体によって支持されることがあることが理解されよう。さらに、支持部または支持体が概して縦方向の軸を有することが理解されよう。ウェイトは縦軸に沿って収容される。特定の構造において、縦軸は打球面に対して概して横向きである。他の構造において、縦軸は打球面に対して概して平行である。さらに他の構造において、縦軸は打球面に対してある角度で置かれうる。
【0094】
図21はさらに別のゴルフクラブヘッド配置を示す。クラブヘッド2100は、クラブヘッド2000のカバーまたはクラウン部分の下に空隙2102を画定する離間した脚部の対を有する。ゴルフクラブヘッド2100は、ゴルフクラブヘッド2100の後部に近接しかつクラブヘッド2100の中心領域に向かって延びる空隙2102を含む。この態様において、空隙2102は第一の脚部2122および第二の脚部2124によって形成され、脚部は、V字形空隙2102を画定することに役立つように離間している。いくつかの例において、脚部2122、2124は、脚部2122、2124に操作可能に備えられた一つまたは複数の摺動ウェイト2140を含みうる。この目的で、ウェイト2140は異なる構成で脚部2122、2124によって支持されうる。一つの例示的態様において、第一の脚部2122は、移動可能なウェイト2140を収容する第一の通路を画定し得、第二の脚部2124は、移動可能なウェイト2140を収容する第二の通路を画定しうる。通路は、脚部2122、2124によって画定されたトラックと考えられうる。摺動ウェイト2140はゴルフクラブヘッド2100に、ウェイト2140の位置の調節を可能にしうるねじ2165または他のファスナを使用して接続されうる。たとえば、脚部2122、2124を貫通して置かれるファスナ2165は、ウェイト2140上のスロット2160、またはウェイト2140の上部に沿って置かれる他の収容陥凹に収容されうる。この協働的構成は、ファスナ2165の回転時の自己締結を可能にしうる。ファスナ2165は摺動ウェイト2140の位置を脚部内に維持しうる。ウェイト2140の位置を調節するために、ファスナ2165を緩めることができ、ウェイト2140をゴルフクラブヘッド2100の中に(たとえば前部に向かって)またはその外に(たとえば後部に向かって)移動させることができ(矢印に示すように)、ファスナ2165を再締結することでウェイト2140を新たな位置または調節された位置に固着することができる。空隙構造は、脚部に沿ったウェイト2140の調節に必要なアクセスを提供することに役立つ。さらなる代替態様において、脚部は内側床部を画定することもあり、ウェイト2140が床部に支持されかつ床部に沿って摺動することがある。ウェイトを脚部に沿った所望の場所に固着するための据付機構としてファスナが設けられることがある。さらなるトラック機構をウェイトと脚部構造との間で使用してもよい。
【0095】
スロット2160の配置は、ウェイト2140を脚部2122、2124の長さに沿った無限に多数のの位置に固着することを可能にしうる。さらにまたは代わりに、スロット2160は一つまたは複数の停止部(図示せず)を含みうるものであり、スロットは、ウェイト2140の固着可能な位置を画定し得、ウェイト2140の位置を維持することに役立ちうる。停止部は様々な形態をとり得、位置を維持するためにウェイト2140と協働しうる。一つの例示的態様においては、たとえばウェイトを停止部の上に移動させて停止部を撓ませることで、スロットに沿ったウェイトの移動を可能にしながらスロットにウェイトの位置を維持するように、停止部は、ゴム、ポリマーまたは他のエラストマー材料などの弾性的に撓み可能な材料でありうる。他の例示的態様において、移動可能なウェイトは、ウェイトの位置を維持することに役立つ付勢部材と協働しうる。また、ウェイトは、より重いまたはより軽い他のウェイトとの交換が可能でありうる。
【0096】
いくつかの例において、ウェイト2140は同じまたは実質的に類似したウェイト特性を有しうる。他の例において、ウェイト2140は異なりうる。さらには、いくつかの配置において、ウェイト2140はゴルフクラブヘッド2100から取り外し可能であり得、いくつかの例において、異なるウェイト特性を有する他のウェイトと置換されうる。
【0097】
ウェイト2140の調節によりゴルフクラブヘッド2100のパフォーマンス特性が調節される。たとえば、ウェイトをゴルフクラブヘッドの前面に向かって内方に移動させると、ゴルフクラブヘッド2100のウェイト全体の配分が前方に移動し、それによりゴルフクラブヘッド2100の重心が調節される。あるいは、ウェイトをゴルフクラブヘッド2100の後部に向かって外方に移動させると、重心はゴルフクラブヘッド2100の後部に向かって移行しうる。
【0098】
ウェイトは互いに独立して調節されうる。たとえば、ゴルフクラブヘッド2100のウェイト配分、重心、慣性モーメントなどをさらに調節するために、一つのウェイトを他のウェイトよりも前方に調節することができる。さらには、ウェイト2140のV字形構成は、上記のような前後方向のウェイトの移行だけでなくトウ-ヒール方向のウェイトの移行も与えることができる。いくつかの例において、ウェイト2140は傾斜上に配置されうるものであり、これにより、ウェイト2140を移動させる際の高低方向のウェイト調節も生じうる。また、高低方向および前後方向のウェイト移動の増大した組み合わせを示すように、脚部の傾斜が構築されることがある。
図21にさらに示すように、クラブヘッド2100は、ヒールからトウまでクラブヘッド2100のソールを横切ってかつ打球面に隣接して延びるチャネル2150を有しうる。チャネルは、ボール衝突時にクラブヘッドの特定の量の圧縮を可能にする。この特徴は、クラブのパフォーマンスをさらに向上させるために、他のクラブヘッド構造およびウェイト付け特性と協働しうる。
【0099】
図22は、ゴルフクラブヘッド2200の後部に形成された空隙2202を有する別のゴルフクラブヘッド配置を示す。いくつかの例において、空隙2202は実質的にV字形であってもよく、ゴルフクラブヘッド2200内にかつV字形空隙2202の側壁2204に沿って置かれる一つまたは複数の調節可能なウェイトアセンブリ2240を含みうる。
図22の配置は二つの調節可能なウェイトアセンブリを含むが、本発明を逸脱することなくそれよりも多いまたは少ないウェイトアセンブリを使用してもよい。
【0100】
いくつかの例において、ウェイト2240は脚部によって支持されており、空隙2202の側面2204に沿って摺動可能でありうる。たとえば、空隙2202の側壁2204に配置されたスロット2260内のウェイトの位置を維持する上で、ねじまたは他のファスナ2265が役立ちうる。所望に応じてファスナ2265をスロット2260に沿って緩め、調節することで、ウェイトを前方に(ゴルフクラブヘッド2200のフェースに向かって)または後方に(ゴルフクラブヘッド2200の後部に向かって)移動させることができる。所望の位置を決定した時点で、スロット2260に沿ってウェイトの位置を維持するようにファスナ2265を締結することができる。
【0101】
図示される配置において、ウェイトはスロット2260に沿ってどこに置かれてもよい。代替態様においては、ウェイトの位置を維持することに役立ちかつウェイトに有限数の位置を与えるように、一つまたは複数の停止部がスロット2260に沿って配置されうる。
【0102】
図21に関して説明した配置と同様に、ウェイトはスロットに沿って調節されてもよく、ウェイト配分は前方および/または後方に移動されてもよく、ウェイトはまた、V字形空隙2202、およびウェイトが置かれる空隙2202の側面2204によってトウ-ヒール方向に調節されうる。これは、ウェイト配分の複数方向でのカスタマイズを可能にしうる。さらには、ウェイトは、ゴルフクラブヘッド2200のパフォーマンス特性を調節するためにゴルフクラブヘッドのウェイト全体の配分をカスタマイズすることにさらに役立つように、互いに独立して調節されうる。ウェイトはまた、側壁2204の内面の様々な位置、たとえば、脚部の集合部における境界区域により近い位置かまたは脚部の後部により近い位置に、かつ側壁2204に沿った様々な角度で、摺動可能に装着されうる。他の代替態様において、ウェイト2240はクラブヘッドの内部キャビティ内に収容されうるが、脚部の内面に沿って選択的に摺動可能なように構成されうる。
図22のクラブヘッド2200に、空隙2202および/または脚部の上に延びるカバーを設けることができることが理解されよう。
【0103】
図23A〜23Cは、ゴルフクラブヘッド2300の後部に形成された空隙を有し、かつその中に構成された調節可能なウェイト配置を有する、別のゴルフクラブヘッド配置2300を示す。ゴルフクラブヘッド2300は、空隙2302内に置かれかつ空隙2302を介してアクセス可能である、調節可能なウェイト2340を含む。ウェイト2340は、トウ近くからヒール近くまで延びるトラックに沿って摺動しうる。いくつかの配置において、ウェイト2340の一部または全部がゴルフクラブヘッド2300内に配置されてもよく、ゴルフクラブヘッドの外部から見えなくてもよい。あるいは、ウェイトは所望に応じてゴルフクラブヘッド2300の外面に配置されうる。
【0104】
図23A〜23Cの配置において、ウェイトの一部分がゴルフクラブヘッド2300の内部に配置されうる。しかし、ウェイトはゴルフクラブヘッド2300の外部から調節されてもよい。たとえば、ウェイト2340は、ゴルフクラブヘッドに備えられたウェイトをトウ近くからヒール近くまで、またはその逆に移行させるために、トラックまたはスロット2360に沿って調節されうる。スロットは曲線形または円弧形として示されるが、本発明を逸脱することなく様々なスロット配置を使用することができる。たとえば、スロットは概して直線形、V字形などでありうる。
【0105】
上記の配置と同様に、ウェイト2340は、ねじ込みファスナを介してねじ込まれうるかまたは調節可能であり得、ねじ山を介して定位置に維持されうる。いくつかの配置において、ウェイト2340は様々な形状を有してもよく、スロットを通って延びるねじ込みファスナを介して定位置に保持されうる。
【0106】
図23Bは、ウェイト2340およびスロット2360を覆うようにゴルフクラブヘッドの後部の一部分の上に延びうるカバー2350を示す。カバーはゴルフクラブヘッド2300に、より通常通りの外観を与えることができ、汚れ、飛散物などがスロット2360を介してゴルフクラブヘッド2300に入ることを防止することができる。
【0107】
図23Cは、カバーが取り外されたゴルフクラブヘッド2300を示す。図示するように、ゴルフクラブヘッド2300の後部は概して開放されており、実質的に平面状の構造を有する。この開放後部構造は、ゴルフクラブヘッド2300に関連するウェイト全体を減少させることに役立ちうる。カバー2350の付加によって、従来のゴルフクラブヘッドの外観を維持しながら、減少したウェイトを有するゴルフクラブヘッドの利点を与えることができる。
【0108】
図24Aおよび24Bは、スロットまたはトラック2460に沿って調節可能である調節可能なウェイト2440を含む、
図23A〜23Cと同様の配置を示す。
図24Bに示すように、ウェイト2440は、異なるウェイト特性を有する二つの端部を有しうる。したがって、ウェイト2440をスロット2460の長さに沿って調節する際に、トウ-ヒール方向のウェイト配分および高低方向のウェイト配分が改変されうる。ゴルフクラブヘッド2400は、別のウェイト(図示せず)の調節を可能にしうる第二のスロット2470をさらに含みうる。空隙を有するクラブヘッド構造はウェイト2440への容易なアクセスを提供する。
【0109】
図25Aおよび25Bは、ゴルフクラブヘッドの後部に形成された空隙2502を有し、かつその中に(たとえば空隙2502の壁に沿って)配置された調節可能なウェイトを有する、別のゴルフクラブヘッド2500を示す。ゴルフクラブヘッド2500は、V字形空隙2502の側壁に沿って配置された二つの調節可能なウェイト2540を含む。本発明を逸脱することなく、より多いまたはより少ないウェイトを使用することができる。いくつかの例において、ウェイト2540の一部分がゴルフクラブヘッド2500の内部に配置されうる一方、一部分はゴルフクラブヘッド2500の外部からアクセス可能でありうる。そのことはウェイト2540の容易な調節に役立ちうる。
【0110】
いくつかの配置において、ウェイト2540はたとえばトラックまたはスロット2560に沿って摺動可能でありうる。たとえば、ウェイト2540は、V字形空隙2502のベース部に近くかつゴルフクラブヘッド2500の前部に近接した第一の位置に置かれうる。ゴルフクラブヘッド2500のウェイト全体の配分を調節するために、ウェイト2540は第一の位置からゴルフクラブヘッド2500の後部の角に向かって外方に摺動しうる。いくつかの例において、ウェイト2540は摩擦嵌合などを介して定位置に保持されうる。他の例においては、一つまたは複数の停止部がスロット2560に沿って配置されてもよく、停止部は、特定の閾値を超える力がウェイト2540に加わってウェイトが停止部を超えて移動しうるまで、ウェイト2540の位置を維持しうる。図示されるスロット2560は概して直線形であるが、スロットは本発明を逸脱することなく曲線形、円弧形などでありうる。
【0111】
いくつかの配置において、ウェイトは同じまたは実質的に類似したウェイトまたはウェイト特性を有しうる。あるいは、ウェイト2540は異なるウェイト特性を有しうる。さらには、いくつかの例において、ウェイトは一緒に調節されうる。たとえば、一方のウェイト2540のスロット2560に沿った移動は他方のウェイト2540のスロット2560に沿った対応する移動も引き起こしうる。あるいは、ウェイト2540は互いに独立して移動しうる。ウェイト2560は摩擦嵌合または他の機械的構成を介して固着されうる。
【0112】
図26は、ゴルフクラブヘッド2600の後部に形成された空隙2602を有する別の例示的ゴルフクラブヘッド2600を示す。本明細書において説明される一つまたは複数の調節可能なウェイト配置を覆うために、下カバー2643を使用することができる。さらには、ゴルフクラブヘッド2600は、上記のようなゴルフクラブヘッド2600のパフォーマンスの向上をさらに与えるチャネル2650を含みうる。
【0113】
図27Aおよび27Bは、空隙を有しかつ調節可能なウェイト2740を含む別の例示的ゴルフクラブヘッド2700を示す。空隙の上に置かれるべきカバーが
図27Aに示されないことが理解されよう。上記で説明した配置と同様に、ウェイトの一部分がゴルフクラブヘッド2700の内部にありうる一方、ウェイト2740の一部分はゴルフクラブヘッドの外部からアクセス可能でありうる。ウェイト2740はスロットまたはトラック2760に沿って調節可能でありうる。いくつかの例において、ウェイト2740は、ウェイト2740の調節を可能にするように緩めることができるねじ込みファスナなどのファスナを使用して、スロットまたはトラック2760に沿って定位置に維持されうる。他の例において、ウェイト2740は摩擦嵌合を使用して定位置に保持されうる。さらなる他の例においては、閾値の力が加えられてウェイトが停止部を超えて移動するまでウェイト2740の位置を維持するように、一つまたは複数の停止部がスロットまたはトラックに沿って配置されうる。
【0114】
ウェイト2740はゴルフクラブヘッドの上部もしくはクラウンに向かって上方に、またはゴルフクラブヘッド2700のソールに向かって下方に調節されうる。いくつかの例において、スロットまたはトラック2760は傾斜しうる(たとえばゴルフクラブヘッドの後部から前部に延びるに従って上方に傾斜)。この傾斜スロット配置はウェイトの高低方向と前後方向との両方での調節を可能にしうる。
図27Bは、トウ端から見たゴルフクラブヘッド2700の内部を示す。ウェイト2740は矢印によって示すように移動可能である。したがって、一つの局面において、ウェイトは、ソールに近接した位置とカバーまたはクラウンに近接した位置との間でトラックに沿って移動可能である。ウェイトの移動によって、クラブのウェイトが高低方向(たとえばクラウンからソールまでおよびその逆)と前後方向(たとえば前部から後部までおよびその逆)との両方で調節される。ウェイトの移動によって、ゴルフクラブヘッド2700のウェイト全体の配分を調節することができ、ゴルフクラブヘッドの重心特性および慣性モーメント特性に影響を与えることができる。
【0115】
図27Bから認識できるように、調節可能なウェイト2740を覆うためにカバー部材を使用することができる。カバーは、汚れおよび飛散物がスロットまたはトラック2760に入ることを防止することに役立ちうる。しかし、ゴルフクラブヘッド2700の後部に形成された空隙2702はなお、カバーが取り外された際に調節可能なウェイト2740への容易なアクセスを提供しうる。
【0116】
図28は別の調節可能なウェイト配置を示す。上記で説明したいくつかの配置と同様に、ウェイト2840は、ゴルフクラブヘッド2800のパフォーマンス特性を調節するためにゴルフクラブヘッドのトウまたはヒールに向かってウェイトを移動させるように、トラック2841に沿って調節可能でありうる。クラブヘッド2800はその中に形成された空隙を有しており、カバーが空隙およびウェイトの上に位置するように設けられることがあると理解されよう。
【0117】
図29〜44は、本発明の局面のクラブヘッドのさらなる態様を開示する。特に、
図29〜35は、参照番号3000が一般的に割り当てられる本発明の少なくともいくつかの局面のゴルフクラブヘッドの態様を開示する。ゴルフクラブヘッド3000は概して、ゴルフクラブヘッドボディ3002およびカバー3004を含む。この特定の態様において、カバー3004は、たとえば鋳造製造プロセスによってクラブヘッドボディ3002の一体的部分として形成される。以前の態様と同様に、ゴルフクラブヘッド3000は、それに備えられた幾何学的ウェイト付け特徴を有する。ゴルフクラブヘッド3000は概して、前部または打球面3008、後部3010、上部3012またはクラウン3012、ソール3014、ヒール3016、およびトウ3018を有する。ゴルフクラブヘッドボディ3002が内部キャビティ3019を画定することがさらに理解されよう。
【0118】
図29〜35に示すように、ゴルフクラブヘッドボディ3002はベース部材3020ならびに第一の脚部3022および第二の脚部3024を有する。この態様においてクラブヘッドボディ3002が概して一体的構造であることから、ベース部材3020および脚部3022、3024はカバー3004から垂下すると考えられうる。ベース部材3020は概してヒール3016からトウ3018まで延び、一方の面において打球面3008を画定する。ベース部材3020は、内部キャビティ3019の一部分を画定することに役立ち、例示的態様において、内部キャビティ3019は、打球面3008の内面から、脚部3022、3024およびカバー3064によって画定される内部区域の端部に延びる。図面から認識できるように、打球面3008の内面は、内部キャビティ3019に面しており、第一の脚部3022および第二の脚部3024によって画定される内部キャビティ3019の部分とさらに連通している。打球面3008は上記のような可変性の面構造を利用してもよく、クラブヘッドボディ3002に別に接続されうる。
図33〜34に示すように、第一の脚部3022は打球面3008から離れて延び、第二の脚部3024は打球面3008から離れて延びる。第一の脚部3022および第二の脚部3024はそれぞれクラブヘッド3000のヒール3016およびトウ3018におけるクラブの後部に向かって延びる。例示的態様において、脚部3022、3024は境界区域3028からヒール3016およびトウ3018における後部に向かって一貫して延びる。したがって、脚部3022、3024は境界区域3028からクラブヘッド3000のヒール3016およびトウ3018に向かって外方に、概して直線的構成で、連続的に延びる。脚部3022、3024は非直線的構成で延びることもある。また、さらなるウェイト配分およびパフォーマンス特性を実現しようとする場合、脚部3022、3024は異なる長さで延びることがある。
【0119】
クラブヘッド3000は幾何学的ウェイト付け特徴を利用するものであり、例示的態様において、空隙3026、または空間もしくは間隙が第一の脚部3022と第二の脚部3024との間に画定される。したがって、ゴルフクラブヘッドのこの部分が、空隙3026を形成または画定するために除去されると考えられうる。さらなる例示的態様において、空隙3026は概してV字形である。したがって、第一の脚部3022および第二の脚部3024は境界区域3028において互いの方へ集まり、概して合流する。空隙3026はクラブヘッド3000の後部3010におけるより広い寸法、および概して境界区域3028にあるクラブヘッドの中心領域近くのより狭い寸法を有する。空隙3026はクラブヘッド3000の後部3010に対して開放される。一つの例示的態様において、境界区域3028はある高さを有し、ボディ3002の中心部分または中心領域に近接して置かれ、ベース部支持壁3030を画定する。ベース部支持壁3030は、空隙3026に面する丸みのある表面を有しうる。第一の壁部3022の近位端はベース部支持壁3030の一方の端部に接続され、第二の壁部3024の近位端はベース部支持壁3030の別の端部に接続される。図面からは、ベース部支持壁3030がカバー3004のソール面と下面との間に概して垂直な構成で延びうることが理解されよう。例示的態様において、ベース部支持壁3030は縦軸からのある角度でソール面から延びる。したがって、ベース部支持壁3030はその長さに沿ってクラブヘッドの後部に向かってまたは打球面に向かって延びることがある。ベース部支持壁3030は、隆起部の場所を画定するようにゴルフクラブヘッド3000のソール面と合流しうる。角度Aが脚部3022、3024の間に画定され、その角度は、たとえば直角、鋭角または鈍角に変動しうる。一つの例示的態様において、角度Aは30度〜110度、より具体的には45度〜90度の一般的範囲でありうる。角度Aがソールに近接した場所からカバーまたはクラウンの下面に近接した場所までの間に変化しうることがさらに理解されよう。角度Aは脚部3022、3024の長さに沿って変化することもある。脚部3022、3024は、所望のパフォーマンス特性を与えるように、境界区域3028から異なる角度で非対称的に延びることもある。空隙3026および脚部3022、3024が中心区域の周りで回転する、たとえばクラブヘッドの後部ヒールに向かってさらに回転する、またはクラブヘッドの後部トウに向かってさらに回転する構成で置かれることがあることがさらに理解されよう。また、境界区域3028がゴルフクラブヘッドのヒールとトウとの間の様々な場所に位置することがあることが理解されよう。V字形空隙3026が形成されるが、空隙3026はよりU字形の画定された空隙をはじめとする他の形態をとることがあり、ここで境界区域3028はより延長されたベース部支持壁3030を画定し、ベース部支持壁は、脚部3022、3024が打球面3008に対してある角度で延びるかまたは概して横向きである場合であっても脚部3022、3024を隔てる。ベース部支持壁3030の幅が変動しうることが理解されよう。
【0120】
そのような構造では、内部キャビティ3019が打球面の内面からゴルフクラブヘッドの後部まで完全に延びることはないことが理解されよう。したがって、内部キャビティはクラブヘッド3000の中心領域近くで中断される。本明細書に記載される幾何学的ウェイト付け特徴が概してV字形であり、後部に近接した幾何学的ウェイト付け特徴の幅が打球面により近い幾何学的ウェイト付け特徴の幅よりも大きいことがさらに理解されよう。
【0121】
図33〜34にさらに示すように、第一の脚部3022は第一の外側面3032を画定し、第二の脚部3024は第二の外側面3034を画定する。各側面3032、3034は、境界区域3028に位置する近位端3036を有し、クラブ3000の後部3010における遠位端3038をさらに有する。例示的態様において、遠位端3038は側面3032、3034の主要な部分から内方に延びる。
図33から認識できるように、側面3032、3034の遠位端3038を内方に延ばすことで、遠位端3038の間のクラブヘッドの後部の円弧が短くなる。これはゴルフクラブヘッド3000の音響特性に対する所望の効果を示しうる。さらに他の例示的態様において、そのような所望の効果は、遠位端3039を外方に延ばすことで、遠位端3038の間の後部の円弧を長くすることができる。遠位端3038のそれぞれの高さはクラブヘッド3000の後部3010に向かってさらに減少する。
図33にさらに示すように、側面3032、3034は近位端3036においてより大きな高さを有し、これら表面は遠位端3038に向かって高さがより低くなるように延びる。たとえば、ドライバタイプゴルフクラブヘッドの一つの例示的態様において、カバー3004の下面からベース部支持壁3030に近接したクラブヘッドのソールまでの、近位端3036における側面3032、3034の高さは、約48〜62ミリメートルである。この高さは、境界区域3028に近接した空隙3026の深さであると考えられうる。一つの特定のドライバタイプゴルフクラブヘッドにおいて、この高さは約52ミリメートルであり、一方、ゴルフクラブヘッドの面心における打球面の高さは約58ミリメートルである。別の特定のドライバタイプゴルフクラブヘッドにおいて、この高さは約60ミリメートルであり、面心における打球面の高さは約62ミリメートルである。フェアウェイタイプゴルフクラブヘッドにおいて、この高さは約33ミリメートルであり、面心における打球面の高さは約35ミリメートルである。ハイブリッドタイプゴルフクラブヘッドにおいて、この高さは約33ミリメートルであり、面心における打球面の高さは約38ミリメートルである。概して、この高さはゴルフクラブヘッドの面心における打球面の高さの約85%〜100%でありうる。そのような構成は、クラブヘッドの所望のパフォーマンス特性が実現されるようにカバーまたはクラウンの幾何学的形状を寸法決めすることを可能にする。カバー3004の下面からソールまでの遠位端に近接した側面3032、3034の高さは概して遠位端3028において低い。
【0122】
一つの例示的態様において、側面3032、3034はそれぞれ、近位端3036から遠位端3038に向かって延びる複数のリブ3040または隆起部を有する。したがって、側面3032、3034は階段状の構成またはうねりを有する。そのような構造は、特定の量の剛性をボディ3002に付加することに役立つ。単一のリブ3040が使用されることがあり、単一の脚部3022、3024のみがリブ3040を有することがあることが理解されよう。他の剛性強化構造がゴルフクラブヘッド3000の脚部3022、3024または他の部分に使用されることもある。例示的態様において、第一の脚部3022が第一の側面3032およびクラブヘッドボディによって概して画定されることでクラブヘッド3000のヒールが形成され、第二の脚部3024が第二の表面3024およびクラブヘッドボディによって概して画定されることでクラブヘッド3000のトウが形成されることがさらに理解されよう。図面から認識できるように、クラブヘッドボディ3002のソール3014は、打球面3008近くから、境界区域3028におけるクラブヘッドの中心領域に向かい、かつ第一の脚部3022および第二の脚部3024の遠位端までとして画定されうる。
【0123】
クラブヘッドボディ3002は、クラブヘッド3000の特徴を向上させる内部キャビティ3019中のさらなる内部支持構造を画定する。構造は、クラブヘッド3000のコンポーネントにさらなる支持を与えるように内部キャビティ3019に置かれる内部支持部材、ガセットまたはフィンでありうる。したがって、
図35に示すように、クラブヘッド3000は第一のガセット部材3050および第二のガセット部材3052を含む。例示的態様においては、第一のガセット部材3050および第二のガセット部材3052は概して三角形の部材、特に正三角形の部材であるが、ガセット3050、3052が特定の輪郭である外側面を有しうることが理解されよう。ガセット3050、3052は一定のまたは可変性の厚さを有しうる。第一のガセット部材3050は第一の脚部3022の内面および境界区域3028の内面に近接して置かれる。第二のガセット部材3052は第二の脚部3024の内面および境界区域3028の内面に近接して置かれる。第一のガセット部材3050は第二のガセット部材3052に対して離間関係にある。特に、第一のガセット部材3050は、ベース部支持壁3030および第一の脚部3022の第一の境界接合部3054に近接して接続された一つの面または第一の面を有し、ソール内面3058に接続された下面または第二の面を有する。同様に、第二のガセット部材3052は、ベース部支持壁3030および第二の脚部3024の第二の境界接合部3056に近接して接続された一つの面または第一の面を有し、ソール内面3058に接続された下面または第二の面を有する。ガセット部材3050、3052は概してベース部支持壁3030から打球面3008に向かって延びる。ガセット部材3050、3052が内方に移動してベース部支持壁3030の内面に接続されうることが理解されよう。
図35にさらに示すように、ガセット部材3050、3052は境界区域3028におけるベース部支持壁3030の一部分上で上方に延びる。この距離は変動しうるものであり、クラブヘッド3000のカバーの下側表面まで完全に延びることも完全には延びないこともある。同様に、ガセット部材3050、3052はソール内面3058の一部分に沿って延びるように寸法決めされ、この距離もやはり変動しうる。
図35aおよび35bはガセット部材3050、3052のさらなる図を示す。例示的態様において、ガセット部材3050、3052は、これらの部材が打球面3008に向かって延びるに従って、
図35において矢印が示すようにソール内面3058上で乖離する。
図35aに示すように、ガセット部材3050、3052がベース部支持壁3030の表面からある角度で垂直上方に延びうることが理解されよう。所望に応じてさらなる支持部材がガセット部材3050、3052の間に接続されることがあることがさらに理解されよう。クラブヘッド3000の特定の構造に基づいて、ボール衝突時にクラブヘッド3000の一部分、たとえば境界区域3028が屈曲しうることが特定された。ボール衝突時の音も、ゴルフクラブヘッド3000の特定の構造によって影響される。
【0124】
第一のガセット部材3050および第二のガセット部材3052は、音響特性を含む所望のパフォーマンス特性を与えるために、所望に応じて、境界区域3028において剛直性、剛性および負荷強度を付加することに役立ち、屈曲を制限する。増大した耐久性も実現される。ガセット部材3050、3052はゴルフクラブヘッド3000に著しいさらなるウェイトを付加することはない。そのような構造では、ウェイト配分は、ヒール3016およびトウ3018における後部に向かって移動するようにさらに最大化されうる。また、空隙3026の構成も最大化されうる。これらの構造によって、ボール衝突時のゴルフクラブヘッド3000の音響特性が所望の周波数レベルにさらに調節される。ガセット部材がソールの内面に係合しかつそれに沿って延びる場所において、ソール面が概して中実であることに留意されたい。したがって、例示的態様において、他のウェイトポート構造はガセット部材に置かれない。
【0125】
所望であればさらなるガセット部材が利用されることがあり、あるいは、図示されるものと異なる構成を有するガセット部材が利用することもあることが理解されよう。たとえば、複数のガセット支持部材が、境界区域、または第一の脚部および第二の脚部の内面における異なる場所の周りに広がることがある。ガセット部材3050、3052は境界接合部3054、3056よりもむしろ脚部の内面において接続されることもある。ガセット部材はクラブヘッドの他の内面に延びかつ接続されることもある。さらには、ガセット部材3050、3052は、境界区域3028を横切ってかつ脚部3022、3024の内面に反して、ゴルフクラブヘッド3000の後部に向かって延びるように寸法決めされることがある。ガセット部材3050、3052は、一つの例示的態様においては金属部材であるが、複合材料を含む他の材料が可能である。ガセット支持部材が鋳造されるか、または同じ形成プロセスにおいてクラブヘッドボディと一体的に形成されることがあることがさらに理解されよう。ガセット支持部材は、別々に形成された後、たとえば溶接、接着剤または他の接続技術によって上記のように接続されてもよい。一つの例示的態様においてガセット部材は三角形の部材として示されるが、ガセット部材は多くの異なる形状およびサイズを有することがある。ガセット部材は所望に応じて特定の切欠部分または輪郭をさらに有することがある。
【0126】
図34にさらに示すように、境界区域3028は、ゴルフクラブヘッド3000の打球面と後部との間のクラブヘッド3000の概して中心部分または中心領域に位置する。クラブヘッド3000は、クラブ3000の打球面3008から後部3010までの距離として概して画定される奥行寸法Bを有する(たとえば
図1B参照)。
図36〜38にさらに示すように、ソール面に近接した境界区域3028のベース部支持壁3030は、打球面3008から約「x」の距離に置かれる。あるいは、ソール面に近接した境界区域3028のベース部支持壁3030は、ゴルフクラブヘッド3000の後部3010から約「y」の距離に置かれる。代替的に考えると、境界区域3028は、打球面3008から測定されるクラブ3000の奥行Bの約30%〜60%、または打球面3008から測定されるクラブ3000の奥行Bの40%〜70%の範囲に置かれうる。さらなる例示的態様において、この範囲は、打球面3008から測定されるクラブ3000の奥行Bの約40%〜50%、または打球面3008から測定されるクラブ3000の奥行Bの40%〜60%でありうる。ドライバタイプクラブの一つの例示的態様において、奥行全体は約4.365インチであり、打球面から支持壁までの距離は約1.875インチである。ドライバタイプクラブの別の例示的態様において、奥行全体は約4.45インチであり、打球面から支持壁までの距離は約2.6インチである。フェアウェイウッドタイプゴルフクラブの一つの例示的態様において、奥行全体は約3.375インチであり、打球面から支持壁までの距離は約1.5インチである。フェアウェイウッドタイプゴルフクラブの別の例示的態様において、奥行全体は約3.375インチであり、打球面から支持壁までの距離は約1.7インチである。ハイブリッドタイプゴルフクラブの一つの例示的態様において、奥行全体は約2.375インチであり、打球面から支持壁までの距離は約1.125インチである。ハイブリッドタイプゴルフクラブの別の例示的態様において、奥行全体は約2.375インチであり、打球面から支持壁までの距離は約1.25インチである。これらの列挙された寸法から、クラブの後部からベース部支持壁までの距離yを容易に決定することができる。これらの寸法がさらに、ボール衝突時のクラブヘッドボディの屈曲に対する影響を示し得、ゴルフクラブヘッド3000の所望の音響特性に影響しうることがわかった。
図36〜38は、ゴルフクラブヘッド3000のさらなる代替態様を開示する。
図36に示すように、ベース部支持壁3030および境界区域3028は打球面3008のより近くに置かれている。さらに、
図37および38において、ベース部支持壁3030および境界区域3028は打球面3008から離れて、クラブヘッド3000の後部3010のより近くに置かれている。したがって、クラブヘッドの所望の特性に応じてこれらの態様を利用することができる。
【0127】
図33〜34にさらに示すように、ベース部3020および脚部3022、3024の外部下面がクラブヘッド3000のソールを概して画定することが理解されよう。打球面3008から境界区域3028までのベース部3020の長さが所望に応じて変動することがあることがさらに理解されよう。第一の脚部および/またはベース部は、クラブヘッド3000のヒール3016に近接した第一の陥凹区域3060を有し、第二の脚部および/またはベース部は、クラブヘッド3000のトウ3018に近接した第二の陥凹区域3062を有する。さらに、第一の陥凹区域3060は孔部3064と連通している。孔部3064は、シャフトをたとえばホーゼル104を介してクラブヘッド3000に接続するための解除可能で調節可能な接続機構を収容するように寸法決めされている。接続機構がロフト角、フェース角および/またはライ角を調節する能力を有するように構成されうることが理解されよう。接続機構が様々な異なる形態をとることがあり、また、単にシャフトをゴルフクラブヘッドに調節不可能に接続する調節不可能な接続を形成することがあることがさらに理解されよう。
【0128】
図29〜34はカバー3004を開示する。説明するように、この態様において、カバー3004はクラブヘッドボディ3002の一部分として一体的に形成され、クラブヘッド3000のクラウン3012を概して画定する。カバー3004は、クラブヘッドボディ3002に接続されかつその一部分を少なくとも覆うように構成されている。カバー3004は外部上面に特定の量の湾曲を有しうる。
図29〜34に示す例示的態様において、カバー3004はクラブヘッドボディ3002を実質的に覆うように寸法決めされている。
【0129】
カバー3004は空隙3026ならびに第一の脚部3022および第二の脚部3024を覆う。第一の脚部3022および第二の脚部3024はカバー3004から垂下すると考えられうる。そのような構造では、
図30に概して模式的に示すように、カバー3004の第一のセグメント3070は内部キャビティ3019の上に置かれると考えられ得、カバー3004の第二のセグメント3072は空隙3026の上に置かれると考えられうる。例示的態様において、第一のセグメント3070の表面積は第二のセグメント3072の表面積よりも概して大きい。カバー3004は、第一の脚部3022および第二の脚部3024の遠位端の上におよびそれらをちょうど超えた所まで延びる、後部における曲線状の外周を有する。特定の例示的態様において、カバー3004は、クラブヘッドの最外周を有するクラブの後部を画定する。クラブヘッドボディ3002が上記で説明した陥凹を伴って形成される場合、カバー3004の周辺部分はクラブヘッドボディ3002上の陥凹の形状に対応するように寸法決めされる。カバー3004の下側表面は空隙3026に直面しかつそれと連通している。他の態様に示されるセンサ装着物に加えて、他の構造がこの表面に装着されることがある。空隙に面するカバーの下面は、接着剤を介してそこに接着される枠部材を有しうる。耐久性のある結合および振動減衰特性を促進するために、枠は十分な剛性を有し、接着剤は十分な弾性を有する。枠材料は繊維強化プラスチック、金属、プラスチックなどでありうる。接着剤はエポキシ、シリコーン接着剤または3M VHB両面テープであることがある。また、枠は、空隙に面する表示をその上に有することがある。説明するように、カバーは、空隙3026を完全に収納するようにゴルフクラブのソール表面を包んでもよく、空隙3026はクラブヘッドの上部または下部から見えない。しかし、例示的態様において、カバー3004は空隙3026および脚部3022、3024の上に延び、アドレス位置において、ゴルフクラブヘッド3000は伝統的なゴルフクラブヘッドの外観を有し、空隙3026は見えない。
【0130】
図29〜35にさらに示すように、カバー3004はクラブヘッドボディ3002の一部分として一体的に形成されている。一つの例示的態様において、クラブヘッドボディ3002は鋳造製造プロセスにおいて形成される。さらなる例示的態様において、クラブヘッドボディ3002は完全にチタンから鋳造される。他の金属材料、または複合材料、またはプラスチック射出成形材料、またはこれらの組み合わせが使用されることがあることが理解されよう。特定の材料では、さらなる強度を付加するためにさらなるコーティングプロセスを使用してもよい。また、打球面3008がたとえば溶接操作において別途ゴルフクラブヘッドボディ3002に接続されることが理解されよう。一体接続を使用しない場合にはボディ3002とカバー3004との間の代替接続機構を使用してもよいことがさらに理解されよう。カバー3004およびクラブヘッドボディ3002を、接着剤、セメント、溶接、はんだ付けまたは他の結合もしくは仕上げ技術、機械的コネクタ(ねじ山、ねじ、ナット、ボルトもしくは他のコネクタなどの)、締まり嵌合などによって(直接的にまたは中間部材を介して間接的に)一緒に接続、接合、締結または固定することができる。認識できる通り、カバー3004はクラブヘッド3000のクラウンを概して形成すると考えられうる。クラブヘッドボディ3002の残りの部分は、打球面、およびカバーの下に空隙を画定するように離間した垂下脚部を画定する。
【0131】
本明細書に記載されるゴルフクラブヘッド3000の構造が、向上した特性を有するクラブヘッドを形成するように協働することが理解されよう。空隙の構造は、ヒールおよびトウにおける後部に向かってウェイトをより多く配分する能力を与える。さらなる例示的態様においては、トウおよびヒールにおける後部に向かってウェイトがさらに増大するように製造プロセスにおいて第一の脚部および第二の脚部の肉厚が増大しうる、クラブヘッド3000が構築されることがある。脚部の遠位端における肉厚は、トウおよびヒールにおける後部においてウェイトが付加されるように増大しうる。ウェイト部材が脚部の内側で支持されうることがさらに理解されよう。ガセット部材などのさらなる構造は所望の量の剛性および屈曲を与える。得られるクラブヘッドは、向上したパフォーマンス特性および音響特性を与える。
【0132】
図39〜44は、本発明の少なくともいくつかの局面のクラブヘッドのさらなる態様を開示し、クラブヘッドにはやはり参照番号3000が一般的に割り当てられる。
図29〜35に示すクラブヘッドの態様と構造の類似性があることから、さらなる特徴および差異は、
図39〜44に示すクラブヘッド3000に上記の説明が適用可能であるという理解に基づいて説明する。この態様において、ゴルフクラブヘッド3002はクラブヘッド3000のソール面に収容体またはウェイトポート3070を含む。ウェイトポート3070は、境界区域3028に近接して、特に、空隙3026に隣接するベース部支持壁3030に置かれる。ウェイトポート3070は雌ねじまたは他のさらなる接続構造を有しうる。ウェイト部材3072が設けられ、これは複数のパーツ、雄ねじまたは他の接続機構を有しうる。ウェイト部材3072は特定のウェイト値を有してもよく、ウェイトポート3070内に固着されうる。ウェイト部材3072は、ウェイトの調節可能性を与えるように一緒に接続された複数のパーツを含みうる。ウェイトポート3070内でウェイト部材3072を使用することで、ゴルファーがゴルフクラブのスイングウェイトを所望のようにカスタマイズすることが可能になる。内部支持部材またはガセットはこの態様において利用されないが、所望であればそのような構造が組み込まれることがあることが理解されよう。
【0133】
本発明のゴルフクラブヘッドのいくつかの異なる態様を本明細書において説明してきた。この様々な態様は、利点および向上したパフォーマンス特性を示すいくつかの異なる特徴および構造を有する。様々な特徴および構造のいずれかを組み合わせることで本発明の特定のクラブヘッドを形成することができることが理解されよう。
【0134】
本明細書に開示されるゴルフクラブヘッドの構造はいくつかの利点を提供する。ゴルフクラブヘッドの独自の幾何学的形状は、ゴルフクラブヘッドの質量特性に有益な変化を与える。幾何学的ウェイト付け特徴は減少したウェイトおよび/または改善されたウェイト配分を与える。クラブヘッドに画定される空隙は、通常は存在するであろう材料の代わりに空隙が画定される従来のゴルフクラブヘッドからその材料が除去されることから、全体の重量を減少させうる。空隙はまた、改善されたパフォーマンス特性を与えるためにクラブヘッド全体にわたってウェイトを配分することに役立つ。空隙は、トウおよびヒールにおけるクラブヘッドの後部の角にウェイトを配分する。クラブヘッドの重心の場所を最適化しながら慣性モーメントの増大が達成された。これにより、寛容度のより高いゴルフクラブヘッド、およびより容易にロフトが付いたゴルフショットを与えうるゴルフクラブヘッドを得ることができる。特定の例示的態様において、空隙を形成するために除去されたゴルフクラブヘッドの部分に関する重量は約4〜15グラム、より具体的には8〜9グラムでありうる。他の例示的態様において、この節減された重量はクラブヘッドの他の区域に、たとえばトウおよびヒールにおける後部に向かって再配分されうる。特定の例示的態様において、重量の約2%〜7.5%がより伝統的なゴルフクラブヘッド設計から再配分される。なおさらなる例において、空隙は、クラブのソール面および後部から延びる想像上の平面によって画定されるボリュームを有し、かつ脚部の側面およびカバーの下面部分と協働すると考えられうる。内部キャビティも特定のボリュームを有しうる。これらのボリュームは所望のパフォーマンス特性に影響するように寸法決めされる。ウェイトの節減または他のウェイト再配分を与えるように、クラブヘッドの特定の部分が代替材料から形成されうることがさらに理解されよう。一つの例示的態様において、空隙を画定する壁は、複合材またはポリマー系材料などの他の材料から作製されうる。
【0135】
説明するように、ウェイトはパフォーマンス向上のためにより望ましいクラブヘッドの場所に再配分されうる。たとえば、中心に位置する間隙、ならびにヒール側およびトウ側の後部に向かって外方に延びる脚部では、より多くのウェイトがそのような区域に位置する。これはより望ましい慣性モーメント特性を与える。本明細書に記載される設計において、クラブヘッドの重心を通る縦軸(z軸)の周りの慣性モーメント(MOI)(Izz)は、ゴルフクラブのタイプに応じて約1500gm・cm
2〜5900gm・cm
2の範囲でありうる。ドライバタイプゴルフクラブの例示的態様において、クラブヘッドの重心を通る縦軸(z軸)の周りの慣性モーメント(Izz)は約3800gm・cm
2〜5900gm・cm
2の範囲であり得、さらなる例示的態様において、Izz慣性モーメントは4300gm・cm
2〜5200gm・cm
2の範囲でありうる。フェアウェイウッドタイプゴルフクラブの例示的態様において、クラブヘッドの重心を通る縦軸(z軸)の周りの慣性モーメント(Izz)は約2000gm・cm
2〜3500gm・cm
2の範囲であり得、さらなる例示的態様において、Izz慣性モーメントは2200gm・cm
2〜3000gm・cm
2の範囲でありうる。ハイブリッドタイプゴルフクラブの例示的態様において、クラブヘッドの重心を通る縦軸(z軸)の周りの慣性モーメント(Izz)は約2000gm・cm
2〜3500gm・cm
2の範囲であり得、さらなる例示的態様において、Izz慣性モーメントは2200gm・cm
2〜3000gm・cm
2の範囲であり得、さらなる例示的態様において、Izz慣性モーメントは1800gm・cm
2〜2800gm・cm
2の範囲でありうる。調節可能な接続機構をホーゼルにおいて利用する特定の態様において、Izz慣性モーメントは約4400gm・cm
2〜4700gm・cm
2である。これらの値は変動しうる。そのような慣性モーメント特性では、改善されたボール距離がセンターヒット時に実現されうる。また、そのような慣性モーメント特性では、クラブヘッドはオフセンターヒット時のひねりに対するさらなる抵抗を示し、失われる距離が短くなり、ボールのばらつきの低下がなお実現される。したがって、寛容度のより高いクラブヘッド設計が実現される。その結果、ゴルファーはゴルフクラブのスイングスピードを増大させることにさらに自信を持つことができる。
【0136】
さらには、クラブヘッドの重心は、パフォーマンスを向上させる場所に置かれる。ゴルフクラブヘッドの例示的態様の構造において、重心は、クラブヘッドの空隙の場所の外側、およびクラブヘッドの内部キャビティまたは内部ボリュームの内側に位置する。特定の例示的態様において、重心は打球面の内面とベース部支持壁の内面との間、または内部キャビティ内に位置する。
【0137】
さらには、ゴルフクラブヘッドの幾何学的形状および構造は、向上した音響特性を与える。たとえば
図29〜44における上記のようなクラウン、幾何学的ウェイト付け特徴および内部支持部材の構造では、ゴルフクラブヘッドの六つの剛性ボディモード以外のゴルフクラブヘッドの第一の固有周波数が2750〜3200Hzの範囲であることが特定された。さらなる例示的態様において、ゴルフクラブヘッドの第一の固有周波数は少なくとも3000Hzである。2500Hz未満のそのような周波数を与えるゴルフクラブヘッド構造は、音および/または戦術的フィードバックを含む望ましくない感触を与えることでユーザに不快感を与える傾向があることがわかった。本明細書において提供される構造は、増大した周波数をより望ましいレベルで与える。
【0138】
さらには、本明細書において使用される移動可能なウェイト機構は、ウェイトを配分するためのさらなるオプションを与えることで、慣性モーメント特性および重心特性のさらなる調節可能性を与える。たとえば、ヒールおよびトウにおけるクラブヘッドの後部に向かってさらに移動可能なウェイトを与える、本明細書に記載される態様は、より容易にロフトが付いたゴルフショットを与えることができる。また、ウェイトがクラブヘッドの前部にさらに向かうことで、より棒球のショット、たとえば風が比較的強い条件で望まれるショットを与えることができる。また、特定の態様において、ウェイトはゴルフクラブヘッドのクラウンまたはソールのより近くに置かれうる。そのような移動可能なウェイト付け特徴はさらなるカスタマイズを与える。最後に、フェース角、ロフト角および/またはライ角に関するクラブヘッドの調節可能性を与えるために、調節可能な接続機構をクラブヘッドで使用することができる。そのような調節可能な接続機構はたとえば米国特許出願第61/577,660号および第61/526,325号に開示されており、これらの出願は参照により本明細書に組み入れられる。他の調節可能な機構が使用されることもある。上記の調節可能な接続機構を利用するさらなる態様は、ゴルファーがゴルフクラブのロフト角などのゴルフクラブのパラメータを調節することを可能にする。特定のゴルファーは、7.5度、8度または8.5度、さらには9度などであるがそれに限定されない比較的低いロフト角の設定を望む。そのような低ロフト角設定はボール衝突時に比較的低いボールスピンを与えうる。比較的重いウェイトをゴルフクラブヘッドのソールに向かって低く配置するために、たとえば
図17〜20に示す移動可能なウェイト機構が利用されることがある。このウェイト付け構成は低ロフト角設定における増大したボールスピンを与えることができる。特定の他のゴルファーは、11度、11.5度、12度または12.5度などであるがそれに限定されない比較的高ロフトの設定を望むことがある。そのような高ロフト角設定はボール衝突時に比較的高いボールスピンを与えうる。比較的重いウェイトをゴルフクラブヘッドの上部に向かって高く配置するために、移動可能なウェイト機構が利用されることがある。このウェイト付け構成は高ロフト角設定における減少したボールスピンを与えることができる。たとえば
図20A〜20Bに示されるさらなる移動可能なウェイト機構は、パフォーマンス特性に影響しかつ特定のロフト角設定における特定の所望の打ち出し条件を与えるように、高低方向および前後方向のウェイト付け構成の組み合わせを与えることがある。
【0139】
したがって、様々な態様の基本的な新規特徴を示し、説明し、指摘してきたが、例示される装置の形態および詳細ならびにそれらの操作の様々な省略、置換および変更を、当業者が本発明の真意および範囲を逸脱することなく行うことができると理解されよう。たとえば、同一の結果を実現するために実質的に同一の機能を実質的に同一の方法で行う要素および/または段階のすべての組み合わせが本発明の範囲内であることが明確に意図されている。記載される一つの態様から別の態様への要素の置換も完全に意図および想定される。したがって、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲による指示によってのみ限定されることが意図される。