【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、特に、独立請求項の特徴を有する方法および工作物により解決される。好ましい展開形態は従属請求項の主題である。
【0007】
少なくとも一実施形態では、方法は、未加工材を提供するステップを包含する。未加工材は、例えばスラブであるか、またはコイルとも呼ばれる金属板ロールである。特に未加工材の材料は、鉄、鉄合金、鋼、鋼合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属、または非鉄金属である。未加工材の重量は、例えば少なくとも0.5tまたは1tまたは5tならびに/あるいは最高20tまたは12tである。
【0008】
少なくとも一実施形態では、方法は、未加工材上に1つまたは複数のマーキング(Kennzeichnung)を付与するステップを包含する。その際、少なくとも1つのマーキングは、未加工材の全面にではなく複数箇所にだけ付与されることが好ましい。本明細書中および以下において「マーキング」は、任意の種類のマーク(Markierung)またはコード(Codierung)を意味し得る。マーキングは、例えば文字列または番号または記号の形態で付与される。マーキングは、例えばバーコードまたは二次元コードの形態の機械可読コードであることが好ましい。マーキングにより、例えば未加工材に一意的な部品番号を与えることが可能である。さらに、例えば未加工材にわたって部分領域の連続番号が付けられることにより未加工材の特定の部分領域を一義的に識別することが可能になり得る。
【0009】
マーキングは、1つまたは複数の種類の顔料を含むことが好ましい。以下において顔料という用語は、発光物質特性のない、すなわち波長を変換する能力のない着色顔料および発光物質の上位概念として使用される。方法が進行している間、顔料が溶けないか、または少なくとも完全には溶けないことが特に好ましい。顔料は粒子として存在することが好ましい。顔料の平均粒径は、例えば少なくとも0.1μmまたは0.3μmおよび/または最大5μmまたは3μmである。
【0010】
方法の少なくとも一実施形態では、未加工材は金属体へと成形される。これは少なくとも圧延により行われる。圧延は、結晶化温度より高い温度で熱間圧延として、またはこれに代えて冷間圧延として行うことができる。特に圧延によって厚さより大きい幅を有し、長さが幅より長い平板製品が作成される。圧延時に未加工材の厚さが未加工材の幅よりも大きく変化することが特に好ましい。
【0011】
少なくとも一実施形態では、圧延によって未加工材から金属体が形成される。その際、金属体が最終製品である必要はない。金属体は、さらなる圧延などのさらなる方法ステップにおいて、さらなる金属体の別の未加工材として用いられることが可能である。
【0012】
少なくとも一実施形態では、マーキングは、少なくとも未加工材の成形の後まで金属体に残る。未加工材を金属体へ圧延することによって、マーキングは破壊されず、好ましくは読取可能、特に機械的に読取可能のまま保持される。
【0013】
少なくとも一実施形態では、マーキングは、未加工材に対しても工作物に対しても、近紫外の、可視の、および/または近赤外のスペクトル領域の少なくとも一部分において少なくとも15パーセンテージポイントまたは25パーセンテージポイントまたは50パーセンテージポイントの反射率の差異および/または散乱の程度の差異(Remissionsgradunterschied)および/またはアルベドの差異を有する。
【0014】
換言すると、マーキングは、その光学的特性に基づいて、成形前の未加工材の表面からも成形後の金属体の表面からも、例えばカメラまたは人の目によって明確に区別できる。言い換えると、マーキングは、少なくともマーキングを読み取るために使用される適当な照明条件下で未加工材および金属体の表面に対して高いコントラストを有している。近紫外スペクトル領域は、特に300nm〜420nmの範囲と解され、可視スペクトル領域は、特に420nm〜760nmの波長を示し、近赤外スペクトル領域は、760nm〜1500nmの波長を示す。マーキングを読み取るために、例えば、発光物質の励起波長を遮断する光学フィルタを使用することが可能であり、それにより励起にもとづいた発光物質から生成される発光のみが検出される。特にマーキングはコントラストおよび/または輝度差に関して、直接マーク付けされる部品に対して要求される現在のISO/TEC TR29158規格を満たす。
【0015】
少なくとも一実施形態では、方法は、
A)未加工材を提供するステップと、
B)未加工材の所々にマーキングを付与するステップと、
C)未加工材を金属体へと成形するステップと、を包含し、
−ステップC)における成形が圧延であり、それにより金属体へと未加工材の厚さが未加工材の幅より大きく変化し、
−マーキングが少なくともステップC)の後まで金属体に残るとともに、成形によって破壊されず、
−マーキングは、未加工材と金属体とに対して近紫外の、可視の、および/または近赤外のスペクトル領域の少なくとも一部分において少なくとも15パーセンテージポイントの反射率の差異および/または散乱の程度の差異および/またはアルベドの差異を有する。
【0016】
個々の方法ステップは順次かつ記載された順序で行われることが好ましい。
【0017】
少なくとも一実施形態では、方法は、ステップD)を包含する。ステップD)は、ステップC)の後に続くことが好ましい。ステップD)は、金属体の熱処理である。熱処理は、金属体の焼戻しまたは焼なましであることが好ましい。それは特に再結晶化焼鈍、これに代えて軟化焼鈍、応力除去焼鈍、焼準、粗粒焼鈍、拡散焼鈍、または溶体化焼鈍である。
【0018】
少なくとも一実施形態では、熱処理時の温度は少なくとも350℃または450℃または600℃または700℃または1050℃である。これに代えて、またはこれに加えて、温度は最大1300℃または900℃または750℃または550℃である。特に、温度は、例えば、それぞれ20℃の許容差を有する500℃または650℃または710℃または800℃または1200℃である。
【0019】
少なくとも一実施形態では、熱処理は、少なくとも1hまたは12hまたは一日または3日または一週間続く。これに代えて、またはこれに加えて、熱処理は最大一カ月または二週間または一週間続く。したがって熱処理は、未加工材を金属体へと成形するのに比べて比較的非常に長く続く。
【0020】
少なくとも一実施形態では、未加工材の成形時に、マーキングは未加工材および/または金属体に大部分または完全に押し込まれる。大部分とは、少なくとも50%または80%または95%の割合を意味し得る。特にマーキングは、成形後に金属体から突き出さない。マーキングは金属体の表面と面一に終端し得る。
【0021】
少なくとも一実施形態では、マーキングは、未加工材を金属体へと成形するステップの前と、熱処理するステップの後とに可読、特に機械可読である。
【0022】
未加工材を金属体へ成形するステップおよび/または熱処理する場合においてマーキングの少なくとも1つの光学的特性が変化することが可能である。その結果、これらのステップの前および後にマーキングの読み取りが異なったスペクトル領域で行われることになり得る。
【0023】
少なくとも一実施形態では、マーキングは未加工材の両端に取り付けられる。特に、その場合、マーキングは、未加工材および/または金属体である金属板ロールの両端にある。これに代えて、またはこれに加えて、マーキングは、未加工材および/またはマーキングの互いに向かい合う2つの面、特に主要面(Hauptseite)にある。マーキングは、未加工材の両端において両面に付与され、成形後に金属体の対応する箇所にまだあることが好ましい。
【0024】
少なくとも一実施形態では、マーキングは歪んだ状態で(verzerrt)付与される。その際、歪率(Verzerrungsfaktor)は、後に成形が続く場合に厚さ変化率および/または長さ変化率に対応することが好ましい。したがってマーキングは、圧延方向に沿って圧縮して(gestaucht)付与されることが好ましい。これによって、未加工材を金属体へと成形するときに、成形時にマーキングの圧縮(Stauchung)が解消され、成形後にマーキングを問題なく読み取ることができる長さおよび/または厚さに変化させることが可能である。
【0025】
少なくとも一実施形態では、マーキングは、顔料として少なくとも1つの耐熱性の着色材料を有するか、またはそのような材料の1つまたは複数からなる。耐熱性材料、したがって顔料は、未加工材および工作物とは異なる色の、例えばセラミックスである。例えば、セラミックスは白色、彩色、または黒色であり、粒子の形態であることが好ましい。マーキングの範囲内での高いコントラストを保証するために、異なった色を有するマーキングの複数の部分領域が存在してもよい。発光物質とは異なり、セラミックスは、発光の波長変換するようには設定されていない。セラミックスは、例えば酸化アルミニウムまたはチタン酸アルミニウムベースのセラミックス、ケイ化物セラミックス、珪酸塩セラミックス、窒化物セラミックス、またはカオリンである。
【0026】
少なくとも一実施形態では、マーキングは顔料として1つまたは複数の発光物質を有するか、または1つまたは複数の発光物質からなる。その場合、少なくとも1つの発光物質によって、マーキングと未加工材および工作物との間に反射率の差異が生じる。発光物質の反射の程度は、発光物質がフォトルミネセンスにより放出するスペクトル部分領域において100%を超える。したがって、100%を超える反射率は、発光物質により生成された二次光によって引き起こされる。発光物質は、セラミックスに加えて存在してもよい。
【0027】
発光物質または発光物質混合物は、少なくとも1つの下記の発光物質を含むか、または下記の発光物質からなることが好ましい:
(Ca,Sr)AlSiN
3:Eu
2+、Sr(Ca,Sr)Si
2Al
2N
6:Eu
2+、(Sr,Ca)AlSiN
3*Si
2N
2O:Eu
2+、(Ca,Ba,Sr)
2Si
5N
8:Eu
2+、(Sr,Ca)[LiAl
3N
4]:Eu
2+など、Eu
2+がドープされた窒化物;(Gd,Lu,Tb,Y)
3(Al,Ga,D)
5(O,X)
12:RE、但しX=ハロゲン化物、Nまたは2価の元素、D=3価または4価の元素、RE=希土類金属、例えばLu
3(Al
1−xGa
x)
5O
12:Ce
3+、Y
3(Al
1−xGa
x)
5O
12:Ce
3+など、一般系のザクロ石;(Ca,Sr,Ba)S:Eu
2+など、Eu
2+がドープされた硫化物;(Ba,Sr,Ca)Si
2O
2N
2:Eu
2+など、Eu
2+がドープされたSiONe;Li
xM
yLn
zSi
12−(m+n)Al(m+n)O
nN
16−nなどの系からのSiAlONe;Si
6−xAl
zO
yN
8−y:RE
z系からのβ−SiAlONe;AE
2−x−aRE
xEu
aSiO
4−xN
x、AE
2−x−aRE
xEu
aSi
1−yO
4−x−2yN
x、但しRE=希土類金属、AE=アルカリ土類金属など、ニトリド−オルトケイ酸塩;(Ba,Sr,Ca,Mg)
2SiO
4:Eu
2+などのオルトケイ酸塩;Ca
8Mg(SiO
4)
4Cl
2:Eu
2+などのクロロ珪酸塩;(Sr,Ba,Ca,Mg)
10(PO
4)
6Cl
2:Eu
2+などのクロロリン酸塩;BaMgAl
10O
17:Eu
2+などのBaO−MgO−Al
2O
3系からのBAM発光物質;M
5(PO
4)
3(Cl、F):(Eu
2+,Sb
3+,Mn
2+)などのハロリン酸塩;(Sr,Ba,Ca)
5(PO
4)
3Cl:Eu
2+などのSCAP発光物質である。発光物質として、特許文献3に記載された発光物質を使用することも可能である。使用される発光物質については、この特許文献3の開示内容が参照により援用される。
【0028】
発光物質は、アップコンバージョン(Up Conversion)とも呼ばれる励起放射の波長を短くするように設定されていてもよく、その場合、例えば赤外光を可視光に変換する。これに代えて、発光物質は、短波光を長波光に変換してもよい。発光物質の励起は、近紫外の、可視の、および/または近赤外のスペクトル領域で行われる。発光物質の読み取りは、可視の、または近紫外のスペクトル領域で行われることが好ましい。
【0029】
発光物質を、特に圧延中および/または後に続く熱処理中の温度によってルミネッセンス特性に変化させることが可能である。これによって、熱処理および/または圧延が適切なプロセスパラメータで行われているかどうかの品質管理も実現することが可能である。
【0030】
少なくとも一実施形態では、マーキングは、ステップB)において、未加工材に直接付与される。マーキングまたはマーキングのための原料の付与は、例えばスクリーン印刷などのアナログ印刷により、またはインクジェットなどのデジタル印刷により行われる。同様にマーキングまたはマーキングのための原料が吹き付けられてもよいし、または電気泳動または電着などの電圧をかける方法により付与されてもよい。例えば、マーキングまたは原料は、インク特性を有するペーストまたは液体として付与される。同様に、マーキングは、特許文献4に記載されているような、例えば色素粉末などのレーザ書き込みにより付与されてもよい。特許文献4の開示内容は、参照により援用される。
【0031】
少なくとも一実施形態では、マーキングは例えばアクリレートベースの有機マトリックス材料を有する。この有機マトリックス材料により、マーキング、特にマーキングの、発光物質などの着色構成要素が少なくともステップB)において未加工材に固着される。マトリックス材料は、着色構成要素のための一種の接着剤として作用する。有機マトリックス材料は、例えば結合剤、有機溶剤、分散剤、および/または軟化剤を含む。特に、特許文献5に記載されるような燐ペーストの組成が使用される。特許文献5の開示内容は、参照により援用される。
【0032】
無機マトリックス材料を有することと同じことを意味するのであれ、マーキングが顔料と未加工材との付着のための無機付着媒介剤を含む場合、付着媒介剤(Haftvermittler)は、圧延および/または熱処理時に軟化することが好ましい。その際、顔料は、方法が進行している間、軟化しないか、またはほとんど軟化しないことが好ましく、顔料と金属体との結合は、付着媒介剤によって、および/または付着媒介剤の埋込みまたは押込みによっておよびそれに結合した顔料によって達成される。これに代えて、顔料は、圧延中に未加工材に押し込まれることによって独力で金属体に付着する。
【0033】
少なくとも一実施形態では、完成したマーキングは顔料の粒子とマトリックス材料とからなる。この場合、マトリックス材料は、例えば二酸化珪素ベースのガラスなどの無機材料であることが好ましい。
【0034】
マーキングが無機付着媒介剤を含まず、無機固体成分としての顔料のみを含む場合、顔料は、方法が進行している間、軟化しないかまたはその表面しか軟化しないのが好ましく、顔料と金属体との結合は、顔料が金属体の材料に直接結合することによって生じる。少なくとも一実施形態では、ステップC)の後に、ステップE)において、マーキングは、成形済の工作物から、例えば切取りまたは打抜きによって除去される。例えばマーキングは切り取られ、それによりステップE)の間に金属体を短くすることができる。
【0035】
少なくとも一実施形態では、マトリックス材料は、成形時に部分的に破砕され(bricht)。すなわち、圧延時に、マトリックス材料は細かく砕かれ得る。その際、顔料粒子は、無傷のままであることが好ましい。
【0036】
特に、マトリックス材料は顔料粒子より低い硬さを有する。
【0037】
少なくとも一実施形態では、圧延時に細かく砕かれたマトリックス材料は、後に続いて溶かされる。新たに溶かすことによって、顔料粒子を包み込むことが好ましい。その結果、顔料粒子が、後に続く熱処理時に、例えば周囲雰囲気からのガスとの反応から保護される封印が生じる。
【0038】
そのようなマトリックス材料に代えて、顔料粒子がコア・シェル構造(Kern−Schale−Aufbau)を有することが可能である。その際、コアは、マーキングのコントラストを担当し、シェルは、例えばコアの化学的破壊を阻止することが好ましい。
【0039】
少なくとも一実施形態では、顔料粒子は、未加工材、金属体および/または圧延のための圧延工具より高い硬さを有する。顔料粒子の硬さは、未加工材の硬さと圧延工具の硬さとの間であることが好ましい。
【0040】
少なくとも一実施形態では、圧延時に、未加工材の厚さが金属体へと少なくとも1.25倍または1.5倍または2倍または3倍だけ変化する。これに代えて、またはこれに加えて、圧延時に、幅は、最大1.001倍または1.0001倍または1.00001倍だけ変化する。換言すると、未加工材の厚さと、したがって長さとは著しく変化するのに対して、未加工材の幅は一定のままである。したがって、圧延時に未加工材の異方性の成形が行われる。
【0041】
少なくとも一実施形態では、未加工材は、提供時に、および/または金属体は、圧延後に少なくとも100mまたは250mまたは0.5kmの長さを有する。これに代えて、またはこれに加えて、この長さは最大30kmまたは10kmまたは5kmである。
【0042】
少なくとも一実施形態では、マーキングは、未加工材および/または金属体の全長にわたって付与される。例えば、マーキング領域は、一定間隔で(periodisch)、規則的間隔で付与される。隣り合うマーキング領域間の間隔は例えば少なくとも0.1mまたは0.5mおよび/または最大10mまたは2mである。
【0043】
少なくとも一実施形態では、マーキングは、上から見たとき、複数の点状の、および島状の部分領域を備えている。部分領域は互いに分離され、マーキングの材料によって互いに結合されていない。部分領域の平均直径は、例えば少なくとも0.5μmまたは1μmおよび/または最大50μmまたは20μmまたは10μmである。この場合、マーキングは、上から見たとき、密度変調状態(Dichtemodulation)であってもよい個々の部分領域によって構成されていることが好ましい。その際、マーキングの平均的大きさは、全体として、部分領域の平均直径の少なくとも20倍または50倍であることが好ましい。
【0044】
例えば、顔料は、金属体の表面において均一の、緊密に詰まった(dichtgepackten)、または略緊密に詰まった、特に単一層の分布(einlagigen Verteilung)で存在する。島形成(eine Inselbildung)がされる場合、マーキング領域にわたって島が均一に分布していることが好ましく、それにより裸眼で、または読み取りシステムで観察したときに島がつながって(zusammenhaengend)いるように見える。
【0045】
少なくとも一実施形態では、マーキングは、1つのつながったマーキング領域または複数のつながったマーキング領域によって形成されている。個々のマーキング領域は、例えばバーコードのバー、ポイントコードまたはマトリックスコードのエレメント、あるいは数字、文字、またはシンボルを示す。マーキングはマーキング領域内で工作物を完全に、すきまなく、かつつながるように覆う。少なくとも1つのマーキング領域の平均的大きさは、マーキングの着色顔料(Farbpigmenten)の平均直径の少なくとも20倍、または50倍であることが好ましい。その際、着色顔料は、例えばセラミックの彩色粒子または発光物質粒子である。
【0046】
さらに、工作物が記載される。工作物は、上述の実施形態のうちの1つまたは複数との関連で記載される方法で製造されている。したがって、方法の特徴は、工作物のためにも開示され、かつ工作物の特徴は、方法のためにも開示される。
【0047】
少なくとも一実施形態において、工作物は、少なくとも250mの長さを有する圧延された金属体と、1つまたは複数の異なった顔料を有するマーキングを特に粒子の形態で備えている。顔料は、少なくとも1つの発光物質によっておよび/または少なくとも1つのセラミックスによって形成されている。金属体に焼戻しおよび/または焼きなましが施される。マーキングは、金属体に完全に押し込まれる。マーキングは、金属体の少なくとも両端において互いに対向する金属体の両面に位置する。マーキングは、金属体に対して近紫外の、可視の、および/または近赤外のスペクトル領域の少なくとも一部において、少なくとも15パーセントポイントの反射率の差異および/または散乱の程度の差異および/またはアルベドの差異を有する。
【0048】
金属体が圧延され、焼き戻しまたは焼きなましが施されることは、例えば、組織構造、表面構造および/または結晶粒度分布をもとにして検出することができる。
【0049】
以下、本明細書中に記載される方法、および本明細書中に記載される工作物について実施例をもとに、図面を参照しながら詳しく説明する。その際、個々の図において同じ要素には同じ参照符号を付す。しかし縮尺どおりには描かれず、むしろ理解しやすくするため個々の要素が誇張して大きく描かれていることもある。