特許第6781857号(P6781857)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6781857RAN補助のレートアダプテーションのためのフィードバック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6781857
(24)【登録日】2020年10月20日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】RAN補助のレートアダプテーションのためのフィードバック
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/22 20090101AFI20201026BHJP
【FI】
   H04W28/22
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-118418(P2020-118418)
(22)【出願日】2020年7月9日
(62)【分割の表示】特願2019-523044(P2019-523044)の分割
【原出願日】2017年10月27日
【審査請求日】2020年7月9日
(31)【優先権主張番号】62/417,497
(32)【優先日】2016年11月4日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】キュリーズ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】藤代 真人
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−84577(JP,A)
【文献】 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Univ,3GPP TR 36.750,3GPP,2016年 9月,V1.0.0
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザ機器(UE)装置が、第1ビットレートを使用して第2UE装置とのVoIP(Voice over Internet Protocol)通話を行うことと、
前記第1UE装置が、前記VoIP通話に使用されるビットレートとして第2ビットレートを希望する旨の情報を前記第2UE装置から受信することと、
前記第1UE装置が、前記第1UE装置をサービングする基地局に、ビットレートクエリを送信することと、
前記基地局が、前記ビットレートクエリを受けて、前記VoIP通話に使用するための推奨ビットレートを、前記第1UE装置へ送信することと、
前記第1UE装置が、前記推奨ビットレートを使用して、前記第2UE装置との前記VoIP通話を行うことと、
前記ビットレートクエリを送信することは、前記第2ビットレートと前記第1ビットレートとの比較結果が所定の条件を満たす場合、前記ビットレートクエリを送信することを含む、方法。
【請求項2】
前記VoIP通話は、VoLTE(Voice over Long−Term Evolution)通話である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記推奨ビットレートは、MBR(Maximum Bit Rate)以下であって、且つGBR(Guaranteed Bit Rate)以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1ユーザ機器(UE)装置であって、
第1ビットレートを使用して第2UE装置とのVoIP(Voice over Internet Protocol)通話を行う制御部と、
前記VoIP通話に使用されるビットレートとして第2ビットレートを希望する旨の情報を前記第2UE装置から受信する受信部と、
前記第1UE装置をサービングする基地局に、ビットレートクエリを送信する送信部と、を備え、
前記受信部は、前記ビットレートクエリを受けた前記基地局から、前記VoIP通話に使用するための推奨ビットレートを受信し、
前記制御部は、前記推奨ビットレートを使用して、前記第2UE装置との前記VoIP通話を行い、
前記送信部は、前記第2ビットレートと前記第1ビットレートとの比較結果が所定の条件を満たす場合、前記ビットレートクエリを送信する、第1UE装置。
【請求項5】
第1ユーザ機器(UE)装置を制御するためのプロセッサであって、
第1ビットレートを使用して第2UE装置とのVoIP(Voice over Internet Protocol)通話を行う処理と、
前記VoIP通話に使用されるビットレートとして第2ビットレートを希望する旨の情報を前記第2UE装置から受信する処理と、
前記第1UE装置をサービングする基地局に、ビットレートクエリを送信する処理と、
前記ビットレートクエリを受けた前記基地局から、前記VoIP通話に使用するための推奨ビットレートを受信する処理と、
前記推奨ビットレートを使用して、前記第2UE装置との前記VoIP通話を行う処理と、
前記ビットレートクエリを送信する処理は、前記第2ビットレートと前記第1ビットレートとの比較結果が所定の条件を満たす場合、前記ビットレートクエリを送信する処理を含む、プロセッサ。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本出願は、2016年11月4日に出願された、発明の名称が「FEEDBACK FOR RAN−ASSISTED CODEC RATE ADAPTATION」である仮出願番号第62/417,497号に対する優先権を主張し、その全てが本出願の譲受人に譲渡されており、その全体が参照により本明細書に明示的に援用されている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に無線通信に関し、より詳細には無線アクセスネットワークにおけるレートアダプテーションに関する。
【背景技術】
【0003】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)は、EVS(Enhanced Voice Services)と名付けられた新しい音声コーデックを規定した。コーデックは、(1)送信および/または記憶のためにデータを符号化し、(2)再生、記憶、および/または編集のために受信データを復号する装置またはプログラムである。EVSは幅広いレートで高い音声品質を提供し、これにより、低いEVSコーデックレートでも十分な品質を維持でき、カバレッジが悪い環境や過負荷のシナリオで使用してもよい。しかし、可能な限り音声品質を向上させるために、より高いコーデックレートを使用することが依然として望ましい。EVSは、遅延、ジッタ、およびパケット損失に対する高い堅牢性を提供しながら、保存された音楽などの他の音声入力に及ぶ通話品質を提供するために、広範囲のレート域および全音声帯域幅を備えた柔軟性を有する。
【0004】
無線状態はまた、コーデックモードおよびコーデックレートに影響を与えてもよい。例えば、劣悪な無線状態下では、パケット損失を減らすために、より低いコーデックレートを使用してもよいのに対して、良好な無線状態では、より良いユーザエクスペリエンスを保証するために、より高いコーデックレートを使用し得る。したがって、音声コーデック、ネットワーク容量、無線状態、およびユーザエクスペリエンスを考慮した、柔軟で効率的なコーデック変更メカニズムが必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
基地局は、基地局によってサービス提供される第1ユーザ機器(UE)装置からビットレートクエリを受信する。ビットレートクエリは、ビットレートの増減に対する要求であり得る。基地局は推奨ビットレートを第1UE装置に送信する。ビットレートの推奨は、第1UE装置および第2UE装置の間のVoLTE(Voice over Long−Term Evolution)通話に使用される。いくつかの事例では、第1UE装置および第2UE装置は、基地局によって推奨されるビットレートに基づいて、VoLTE通話に使用されるビットレートをネゴシエートする。第1および第2UE装置は、VoLTE通話のためのビットレートを実施し、基地局にフィードバックを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1ユーザ機器(UE)装置が、ビットレートクエリを、第1UE装置にサービス提供する基地局に送信する通信システムのブロック図の一例である。
【0007】
図2A図1に示す基地局の一例のブロック図である。
【0008】
図2B図1に示すUE装置の一例のブロック図である。
【0009】
図3】基地局が推奨ビットレートをUE装置に提供する一例のメッセージング図である。
【0010】
図4】第1ユーザ機器(UE)装置が、ビットレートクエリを、第1UE装置にサービスを提供する基地局に送信する方法の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
VoLTE(Voice−over−LTE)は、3GPP LTE(Long Term Evolution)通信仕様が音声サービスを提供するための重要な機能であり、世界中の通信事業者によって展開および開始されているため、通信事業者にとってVoLTE機能は非常に重要になる。VoLTEサービスのユーザエクスペリエンスに影響を与える可能性がある重要な要素の1つは、音声コーデック構成である。例えば、より高いAMR(Adaptive Multi−Rate)音声符号化率は、より高い鮮明度の音声通話、それゆえにより良いユーザエクスペリエンスを提供することができる。より高いAMR音声符号化率が使用されるとき、より高いコーデックレートはより多くの無線リソース割り当てを必要とし、それは利用可能なネットワーク容量がより少ないことを意味する。
【0012】
RAN(Radio Access Network)の基地局(例えば、eNB)は、音声コーデックレートアダプテーションをトリガするのに最良の状況にある。したがって、eNB補助(または、RAN補助)のコーデックレートアダプテーション解決策を検討すべきである。eNB補助のコーデックレートアダプテーションをサポートするために、考慮すべき主な問いの1つは、eNBが、サポートされるコーデックの種類ごとに特定のコーデックレートに関する情報を持つ必要があるかどうかである。eNBがコーデックレートに関する特定の情報を持っていると仮定した場合、eNBがコーデックの種類、フレームアグリゲーション、冗長レベル、および冗長オフセットも知る必要があるかどうかも検討すべきである。これは、eNBがユーザ機器(UE)装置の代わりにコーデックレートアダプテーションのためのエンドポイントとして本質的に働くことができることを意味するであろう。
【0013】
しかしながら、eNBのみがコーデックレート情報を有する場合、UE装置のアプリケーションレイヤへの入力の1つとして、UE装置がeNBの推奨コーデックレートにどれだけの重みを与えるべきかは不確かである。通常、eNBはいかなるアプリケーションレイヤシグナリングも処理しないことに留意されたい。むしろ、それらはLTEシステムのAS(Access Stratum)部分のみを処理する。eNB内にアプリケーションレイヤシグナリングを追加することは、ネットワークアーキテクチャがどのように構築されるかという既存のパラダイムを劇的に変えるであろう。したがって、以下の例では、コーデックレート情報を持たないにもかかわらず、eNBがレートアダプテーションを容易にすることを可能にする技術およびシステム構成を説明する。
【0014】
さらに、UE装置がカバレッジ内外に移動するにつれて、UE装置に対するeNBの推奨レートの選択は、UE装置の無線状態、およびUE装置がターゲットeNBにハンドオーバされるとき、推奨レートがUE装置に適用可能かどうかのいかんによるべきである。
【0015】
本明細書で論じられる例のほとんどは、VoLTEアプリケーションに焦点を合わせているが、以下の例のうちのいずれも、ViLTE(Video−over−LTE)アプリケーションのために変形されてもよい。
【0016】
図1は、第1のユーザ機器(UE)装置が、第1UE装置にサービス提供する基地局にビットレートクエリを送信する通信システムのブロック図の一例である。通信システム100は、無線アクセスネットワーク(図示せず)の一部である様々な基地局のそれぞれのサービスエリア内に位置するUE装置に様々な無線サービスを提供する無線アクセスネットワークの一部である。基地局102は、下りリンク信号104を介してUE装置106に無線サービスを提供する。
【0017】
明確さと簡潔さのために、通信システム100は2つの基地局102、103のみを有するように示されている。最初に、第1基地局102はUE装置106に無線サービスを提供し、第2基地局103はUE装置108に無線サービスを提供する。しかしながら、他の例では、通信システム100は任意の適切な数の基地局を有することができる。eNodeBまたはeNBとして示すこともある基地局102、103は、それぞれ下りリンク信号104、109をUE装置106、108に送信することによって、無線ユーザ機器(UE)装置106、108と通信する。基地局102、103は、それぞれUE装置106、108から送信された上りリンク信号116、111を受信する。UE装置106、108は、例えば、携帯電話、トランシーバモデム、携帯情報端末(PDA)、およびタブレットなどの任意の無線通信装置である。
【0018】
基地局102、103は、既知の技術に従ってバックホール(図示せず)を介してネットワークに接続されている。図2Aに示すように、基地局102は、制御部204、送信部206、および受信部208、ならびに他の電子機器、ハードウェア、およびコードを含む。図2Aは、第1基地局102の回路および構成を具体的に示し、同じ基地局の回路および構成が第2基地局103に利用される。基地局102は、本明細書で説明される機能を実行する任意の固定、モバイル、またはポータブル機器である。基地局102を参照して説明されるブロックの様々な機能および動作は、任意の数の装置、回路、または要素で実行されてもよい。機能ブロックの2つ以上は単一の装置に統合されてもよく、任意の単一の装置において実行されるとして説明される機能はいくつかの装置にわたって実行されてもよい。
【0019】
図2Aに示す例では、基地局102は、システム展開時に特定の場所に設置される固定装置または器具であってもよい。そのような機器の例には、固定基地局または固定トランシーバ局が含まれる。状況によっては、基地局102は、一時的に特定の場所に設置されているモバイル機器であってもよい。そのような機器のいくつかの例には、発電機、太陽電池パネル、および/または電池などの発電機器を含み得る移動式トランシーバ局を含む。そのような装置よりも大きくそして重いバージョンはトレーラーによって輸送されてもよい。さらに他の状況では、基地局102は、任意の特定の場所に固定されていないポータブル機器であってもよい。したがって、基地局102は、状況によっては、UE装置などのポータブルユーザ装置であってもよい。
【0020】
制御部204は、基地局102の全体的な機能性を容易にするのと同様に、本明細書に記載される機能を実行するためのハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの任意の組み合わせを含む。適切な制御部204の一例は、メモリに接続されたマイクロプロセッサまたはプロセッサ配列で実行するコードを含む。送信部206は、無線信号を送信する電子機器を含む。状況によっては、送信部206は複数の送信機を含んでもよい。受信部208は、無線信号を受信する電子機器を含む。状況によっては、受信部208は複数の受信機を含んでいてもよい。受信部208および送信部206は、それぞれアンテナ210を介して信号を送受信する。アンテナ210は、別々の送信アンテナと受信アンテナを含んでもよい。状況によっては、アンテナ210は複数の送信アンテナおよび受信アンテナを含んでもよい。
【0021】
図2Aの例における送信部206および受信部208は、変調および復調を含む無線周波数(RF)処理を実行する。したがって、受信部208は、低雑音増幅器(LNA)およびフィルタなどの構成要素を含んでもよい。送信部206は、フィルタおよび増幅器を含んでもよい。他の構成要素は、アイソレータ、整合回路、および他のRF構成要素を含んでもよい。これらの構成要素は他の構成要素と組み合わせてまたは連携して基地局の機能を実行する。必要な構成要素は、基地局によって必要とされる特定の機能に依存してもよい。
【0022】
送信部206は変調部(図示せず)を含み、受信部208は復調部(図示せず)を含む。変調部は、下りリンク信号104の一部として送信される信号を変調し、複数の変調次数のうちの任意の1つを適用し得る。復調部は、複数の変調次数のうちの1つに従って基地局102で受信される上りリンク信号116を含む任意の信号を復調する。
【0023】
図1に戻ると、通信システム100は、基地局102,103を介して様々な無線サービスをそれぞれUE装置106,108に提供する。本明細書の例では、通信システム100は、3GPP LTE(the 3rd Generation partnership project Long Term Evolution)通信仕様の少なくとも1つの改訂に従って動作する。図2Bに示すように、第1UE装置106は、アンテナ212および受信部214を介して下りリンク信号104を受信する。図2Bは、第1UE装置106の回路および構成を具体的に示しているが、同じUE装置の回路および構成は第2UE装置108にも利用される。アンテナ212および受信部214に加えて、第1UE装置106はさらに、制御部216および送信部218、ならびに他の電子機器、ハードウェア、およびコードを含む。第1UE装置106は、本明細書で説明される機能を実行する任意の固定、モバイル、またはポータブル機器である。第1UE装置106を参照して説明されるブロックの様々な機能および動作は、任意の数の装置、回路、または要素で実施されてもよい。機能ブロックのうちの2つ以上は単一装置に統合されてもよく、任意の単一装置で実行されるものとして説明される機能は、いくつかの装置にわたって実施されてもよい。
【0024】
制御部216は、UE装置の全体的な機能性を容易にするのと同時に、本明細書で説明される機能を実行するためのハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの任意の組合せを含む。適切な制御部216の一例は、メモリに接続されたマイクロプロセッサまたはプロセッサ配列で実行するコードを含む。送信部218は、無線信号を送信する電子機器を含む。状況によっては、送信部218は複数の送信機を含んでもよい。受信部214は、無線信号を受信する電子機器を含む。状況によっては、受信部214は複数の受信機を含んでもよい。受信部214および送信部218は、それぞれアンテナ212を介して信号を送受信する。アンテナ212は、別々の送信アンテナと受信アンテナを含んでもよい。状況によっては、アンテナ212は、複数の送信アンテナおよび受信アンテナを含んでもよい。
【0025】
図2Bの例における送信部218および受信部214は、変調および復調を含む無線周波数(RF)処理を実行する。したがって、受信部214は、低雑音増幅器(LNA)およびフィルタなどの構成要素を含んでもよい。送信部218は、フィルタおよび増幅器を含んでもよい。他の構成要素は、アイソレータ、整合回路、および他のRF構成要素を含んでもよい。これらの構成要素は他の構成要素と組み合わせてまたは連携してUE装置の機能を実行する。必要な構成要素は、UE装置によって必要とされる特定の機能に依存してもよい。
【0026】
送信部218は変調部(図示せず)を含み、受信部214は復調部(図示せず)を含む。変調部は、図1に示されるように上りリンク信号116の一部として送信される信号を変調するために、複数の変調次数のうちの任意の1つを適用し得る。復調部は、複数の変調次数のうちの1つに従って下りリンク信号104を復調する。
【0027】
本明細書で説明される例の目的のために、基地局102,103はコーデックレート情報を知らないと仮定される。したがって、基地局102は、どのビットレートがアプリケーションレイヤのUE装置106,108に利用可能なコーデックレートと一致するかを知らない。したがって、基地局102は、どのビットレートがUE装置106に推奨するのに適切であるかについて知らされなければならない。UE装置106は、基地局102からの許可なしにどのビットレートを使用するかを自律的に決定することができないので、レートアダプテーションの目的のために、これは重要な内容である。
【0028】
動作中、基地局102がUE装置106に推奨するビットレートを判定することができるように、UE装置106がそのサービング基地局102にフィードバック情報を提供するためのいくつかの異なる選択肢がある。第1の選択肢では、UE装置106は、送信部218およびアンテナ212を介してビットレートクエリを基地局102に送信する。この第1の選択肢におけるビットレートクエリは、基地局102が特定の通信リンクに対してレートの増減を許可するという単なる要求である。例えば、この第1の選択肢におけるビットレートクエリは、より高い上りリンクビットレートに対する要求、より低い上りリンクビットレートに対する要求、より高い下りリンクビットレートに対する要求、およびより低い下りリンクビットレートに対する要求のうちの1つを含む。
【0029】
基地局102は、UE装置106がレートの増減を許可され得る程度を判定する裁量を有する。レート増加の場合、基地局102は、UE装置106によって実行される現在のビットレートよりも高い任意のビットレート、およびUE装置106に割り当てられ得るMBR(Maximum Bit Rate)以下の任意の増加したビットレートのうちの1つを推奨する。レート低下の場合、基地局102は、UE装置106によって実行される現在のビットレートより低い任意のビットレート、およびUE装置106によっておよび/またはUE装置106に送信されているデータトラフィックに関連するGBR(Guaranteed Bit Rate)以上の任意の減少したビットレートのうちの1つを推奨する。もちろん、他の例では、基地局102は、レートの増加またはレートの減少に関するクエリに応答して推奨すべき異なるビットレートを判断してもよい。
【0030】
第2の選択肢では、UE装置106は、送信部218およびアンテナ212を介して、ビットレートクエリを基地局102に送信する。この第2の選択肢におけるビットレートクエリは、第2UE装置108からのレートネゴシエーション要求に基づく特定のレートに対する要求である。上述のように、基地局102はコーデックレートを知らないので、レート要求は特定のコーデックレートに対するよりもむしろ特定のビットレートに対する要求となるであろう。例えば、この第2の選択肢におけるビットレートクエリは、特定のより高い上りリンクビットレートに対する要求、特定のより低い上りリンクビットレートに対する要求、特定のより高い下りリンクビットレートに対する要求、および特定のより低い下りリンクビットレートに対する要求のうちの1つを含む。レート増加の要求の場合、第2の選択肢の1つの利点は、基地局102が、UE装置106によって要求される特定のレートを超えて追加のリソースを割り当てないことである。第2の選択肢の別の利点は、基地局102がUE装置106によって要求された特定のビットレートを推奨する場合、第2UE装置108とのレートのSDP(Session Description Protocol)再ネゴシエーションを引き起こす可能性が低いことである。
【0031】
第3の選択肢では、UE装置106の制御部216は、現在のビットレートと所望のビットレートとの間の差が閾値量を超えるかどうかを判定し、そうである場合、第1UE装置106はBSR(Buffer Status Report)を含むビットレートクエリを基地局102に送信する。UE装置106は、送信されるのを待っているUE装置106バッファ内のデータ量を示すために、BSRをネットワーク(例えば、基地局102)に送信する。BSRの受信に応答して、ネットワークは、UE装置106バッファ内のデータを送信するために、UE装置106に必要とされる上りリンクリソースを割り当てる。したがって、上りリンクビットレートの増加が必要とされる場合、UE装置106は、以前に報告したBSRよりも大きいバッファサイズに対応する値を含むBSRを送信するであろう。逆に、上りリンクビットレートの減少が所望される場合、UE装置106は、小さいバッファサイズ(BS)に対応する値を含むBSRを送信するだろう。上りリンクビットレートの減少が所望されるいくつかの例では、BSの値はゼロに設定されるであろう(例えば、BS=0)。基地局構成に応じて、基地局102はUE装置106に推奨する上りリンクビットレートを増減させる選択肢を有していてもよい。
【0032】
ビットレートクエリの送信は、第3の選択肢では(例えば、SDP再ネゴシエーションのために)アプリケーションレイヤによってトリガされるので、システムは、基地局102が、UE装置106がビットレートクエリを送信する頻度を制御できるように構成されるべきである。これは2つの異なる方法で達成できる。
【0033】
ビットレートクエリの送信を制御する第1の方法は、UE装置106がビットレートクエリを基地局102に送信することを許可される頻度を制限するためにタイマを使用することである。より具体的には、基地局102は、UE装置106が基地局102にビットレートクエリを送信するときに始まるタイマを含む。UE装置106は、所定の時間量が経過するまで(例えば、タイマが切れるまで)、他のビットレートクエリを基地局102に送信することを禁止される。
【0034】
ビットレートクエリの送信を制御する第2の方法は、ビットレートクエリを送信した後、現在のビットレートと所望のビットレートとの間の差が閾値量を超えるまで、他のビットレートクエリを送信することを控えるようにUE装置106を設定することである。より具体的には、基地局102は、要求されたビットレート変更の大きさに基づいて、閾値量を実施することができる。したがって、より小さいビットレート変更が所望されることをネットワーク状態が示唆している場合、現在のビットレートと所望のビットレートとの間の差が小さいときにUE装置106がビットレートクエリを送信できるように、基地局102は低い閾値量を設定する。しかしながら、より小さいビットレート変更が所望されないことをネットワーク状態が示唆する場合、現在のビットレートと所望のビットレートとの間の差が大きいときにUE装置106がビットレートクエリを送信できるように、基地局102はより高い閾値量を設定する。
【0035】
上述したフィードバックの選択肢に加えて、システムが無線状態の変化によってレートアダプテーション工程を開始するシナリオがある。ネットワーク混雑の場合とは対照的に、基地局102は、どのビットレートを推奨すべきかを決定するために、UE装置106の無線状態を知る必要があるだろう。したがって、これらの例では、ビットレートクエリは、少なくとも部分的には、UE装置106の無線状態に基づいている。
【0036】
例えば、基地局102は、専用シグナリングまたはブロードキャスト送信を介して、無線状態のリストに対応する推奨ビットレートのリストを送信する。より具体的には、基地局102は、それぞれが一組の無線状態に関連付けられている一組の推奨ビットレートを含むマッピングを送信する。したがって、一例では、UE装置106は、基地局102によって送信されたビットレート対無線状態のマッピングに従って、その無線状態が異なる推奨ビットレートに対応するくらい十分に変化したときに、その無線状態を基地局102に報告する。
【0037】
他の例では、UE装置106の制御部216は、第1UE装置106の無線状態が基準レベルから閾値量だけ外れていると判定する。いくつかの例では、無線状態は、UE装置106によって測定されたRSRP(Reference Signals Received Power)レベルであり、基準RSRPレベルは、(1)UE装置106が最後に推奨ビットレートを受信したとき、または(2)UE装置106が最後にその無線状態を基地局102に報告したとき、に測定されるRSRPレベルである。したがって、UE装置106は、測定されたRSRPレベルを現在格納されている基準RSRPレベルと比較するために、基準RSRPレベルを格納する必要がある。第1UE装置106の無線状態が基準レベルから閾値量だけ外れていると判定したことに応答して、UE装置106は、送信部218およびアンテナ212を介してビットレートクエリを送信する。
【0038】
第1UE装置106および第2UE装置108の間のVoLTE通話にどのレートを使用するかを選択するときに、第2UE装置108の無線状態を考慮に入れなければならないので、第1UE装置106によって要求される最終レートは、第1および第2UE装置106、108のそれぞれの無線状態の悪化に対応するレートに基づくであろう。さらに、基地局102は、UE装置ごとに推奨レートを設定することができない。したがって、マッピングに対するどんな変更も、システム情報の境界で更新しなければならない。
【0039】
どのビットレートクエリの選択肢が使用されるかにかかわらず、UE装置106は、送信部218およびアンテナ212を介して、ビットレートクエリを基地局102に送信する。基地局102は、アンテナ210および受信部208を介してビットレートクエリを受信する。ビットレートクエリは、信号302によって図3に表される。
【0040】
UE装置106からビットレートクエリを受信することに応答して、基地局102は、UE装置106に推奨するビットレートを判定するために制御部204を利用する。推奨ビットレートは、とりわけ、受信されるビットレートクエリ、第1UE装置106の無線状態、および基地局102によって測定されるネットワーク混雑の現在のレベルを考慮に入れる。もちろん、推奨ビットレートを選択する際に、基地局102によって他の適切な基準が使用されてもよい。場合によっては、推奨ビットレートは、基地局102によってサポートされるビットレートである。いくつかの例では、ビットレートの推奨はより高いレートのための推奨である。他の例では、ビットレートの推奨はより低いレートのための推奨である。
【0041】
どのビットレートをUE装置106に推奨するかを決定した後、基地局102は、送信部206およびアンテナ210を介して、第1UE装置106および第2UE装置108の間のVoLTE(Voice over Long−Term Evolution)通話に使用される推奨ビットレートを送信する。UE装置106は、アンテナ212および受信部214を介して推奨ビットレートを受信する。推奨ビットレートは、信号304によって、図3に表される。
【0042】
推奨ビットレートを受信することに応答して、第1UE装置106の制御部216は、(1)推奨ビットレートを実施する(例えば、受け入れる)かどうか、(2)推奨ビットレートを拒否するかどうか、(3)推奨ビットレートとは異なるビットレートを要求するかどうか、(4)第2UE装置108とビットレートをネゴシエートするかどうか、または(5)前述の選択肢のうちの2つ以上の任意の組み合わせを実行するかどうか、を判定する。第1および第2UE装置106,108の間のVoLTE通話に使用されるビットレートを判定するために、UE装置106が第2UE装置108とのビットレートネゴシエーションを開始することを選択した場合、第1UE装置106および第2UEデ装置108はアプリケーションレイヤを介してビットレートをネゴシエートするために、それらのそれぞれの送信部218、制御部216、およびアンテナ212を使用する。このビットレートネゴシエーションは、図1の通信リンク112を介して行われ、アプリケーションレイヤシグナリング306によって図3に表される。他の例では、第1UE装置106は、第2UE装置108がどのビットレートをVoLTE通話に使用することができるかをすでに知っていてもよく、したがって、ネゴシエーションは不要である。
【0043】
第1および第2UE装置106,108の間のビットレートネゴシエーションが終了するか、またはスキップされると、第1および第2UE装置106、108は、VoLTE通話のためのビットレートを実施する。ビットレートを実施した後、第1UE装置106は、送信部218およびアンテナ212を使用して、第1UE装置106および第2UE装置108の間のVoLTE通話にどのレートが実施されたかを示すフィードバック信号を基地局102に送信する。基地局102は、アンテナ210および受信部208を介してフィードバック信号を受信する。フィードバック信号は、信号308によって図3に表される。
【0044】
図3は、基地局が推奨ビットレートをUE装置に提供する一例のメッセージング図である。この例では、UE装置106は、送信部218およびアンテナ212を介してビットレートクエリを基地局102に送信する。ビットレートクエリは、信号302によって図3に表される。上述のように、ビットレートクエリは、基地局102が特定の通信リンクについてレートの増減を許可するという要求であってもよい。他の例では、ビットレートクエリは特定のビットレートに対する要求である。さらに他の例では、ビットレートクエリはBuffer Status Reportを含む。さらなる例では、ビットレートクエリは、少なくとも部分的には、UE装置106の無線状態に基づく。
【0045】
基地局102は、アンテナ210および受信部208を介してビットレートクエリを受信する。上述のように、基地局102は、任意の数の適切な要素に基づいて推奨ビットレートを判定する。どのビットレートをUE装置106に推奨するかを判定した後、基地局102は、送信部206およびアンテナ210を介して、第1UE装置106および第2UE装置108の間のVoLTE(Voice over Long−Term Evolution)通話に使用される推奨ビットレートを送信する。UE装置106は、アンテナ212および受信部214を介して推奨ビットレートを受信する。推奨ビットレートは、信号304によって図3に表される。
【0046】
推奨ビットレートを受信した後、UE装置106は、第1および第2UE装置106,108の間のVoLTE通話に使用されるビットレートを決定するために、第2UE装置108とのビットレートネゴシエーションを開始することを選択してもよい。このビットレートネゴシエーションが発生した場合、アプリケーションレイヤシグナリング306によって図3に表される。レートネゴシエーションを実行またはスキップした後、第1UE装置106は、VoLTE通話にビットレートを実施する。レートを実施した後、第1UE装置106は、第1および第2UE装置106,108の間のVoLTE通話に対してどのレートが実施されたかを示すフィードバック信号を基地局102に送信する。フィードバック信号は、信号308によって図3に表されている。
【0047】
図4は、第1ユーザ機器(UE)装置が、第1UE装置にサービスを提供する基地局にビットレートクエリを送信する方法の一例のフローチャートである。方法400のステップは、本明細書で説明され、図4の例に示されるのとは異なる順序で実行されてもよい。さらに、いくつかの例では、1つ以上のステップが省略されてもよい。さらに、他の例では、1つ以上の追加のステップが追加されてもよい。
【0048】
図4に示す例では、方法400はステップ402で始まり、ここでUE装置106は、UE装置106の条件が満たされたと判定する。一例では、条件は、第1UE装置106の無線状態(例えば、測定されたRSRP(Reference Signals Received Power)レベル)が基準レベル(例えば、基準RSRPレベル)から閾値量だけ外れることである。別の例では、条件は、現在のビットレートおよび所望のビットレートの間の差が閾値量を超えることである。
【0049】
ステップ404では、第1UE装置106の無線状態は推奨ビットレートと関連付けられる。上述のように、この関連付けはマッピングを用いて行われ、マッピングは、それぞれが一組の無線状態に関連付けられている一組の推奨ビットレートを含む。
【0050】
ステップ406では、UE装置106はビットレートクエリを送信し、それは基地局102によって受信される。上述のように、ビットレートクエリは、上りリンクまたは下りリンク通信リンクのいずれかに実施されるビットレートの増減のための単なる要求であり得る。他の例では、ビットレートクエリは特定のビットレートに対する要求である。さらに他の例では、ビットレートクエリはBSR(Buffer Status Report)を含んでもよい。
【0051】
ステップ408では、第1基地局102は、第1UE装置106および第2UE装置108の間でVoLTE(Voice over Long−Term Evolution)通話に使用される推奨ビットレートを送信する。ステップ410では、第1UE装置106および第2UE装置108は、VoLTE通話に使用されるビットレートをネゴシエートする。
【0052】
ステップ412では、一例では、ビットレートクエリを送信した後、第1UE装置106は、現在のビットレートおよび所望のビットレートの間の差が閾値量を超えるまで、他のビットレートクエリを送信することを控える。他の例では、ビットレートクエリを受信した後、基地局102は、所定の時間量が経過するまで、第1UE装置106が他のビットレートクエリを送信することを禁止する。
【0053】
ステップ414では、基地局102は、第1UE装置106から、VoLTE通話に実施されたビットレートに関するフィードバックを受信する。
【0054】
明らかに、本発明の他の実施形態および変形はこれらの教示を考慮して当業者には容易に思い浮かぶであろう。上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではない。本発明は、上記の明細書および添付の図面と併せて見たときに、すべてのそのような実施形態および変形形態を含む添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲をその均等物の全範囲に参照して決定されるべきである。
【要約】      (修正有)
【課題】無線アクセスネットワークにおけるレートアダプテーションに関するRAN補助のレートアダプテーションのためのフィードバックを提供する。
【解決手段】基地局は、基地局によってサービス提供される第1ユーザ機器(UE)装置からビットレートクエリを受信する。ビットレートクエリは、ビットレートの増減に対する要求である。基地局は、ビットレートの推奨を第1UE装置に送信する。ビットレートの推奨は、第1UE装置および第2UE装置の間のVoLTE(Voice over Long−Term Evolution)通話に使用されるべきである。場合によっては、第1UE装置および第2UE装置は、基地局によって推奨されるビットレートに基づいて、VoLTE通話に使用されるビットレートをネゴシエートする。第1および第2UE装置は、VoLTE通話のためのビットレートを実施し、そして基地局にフィードバックを送信する。
【選択図】図4
図1
図2A
図2B
図3
図4