特許第6781885号(P6781885)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6781885
(24)【登録日】2020年10月21日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】吊下げ用螺軸の揺れ止め金具
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/06 20060101AFI20201102BHJP
   E04B 9/18 20060101ALI20201102BHJP
   E04B 9/00 20060101ALI20201102BHJP
   F16B 1/00 20060101ALI20201102BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20201102BHJP
   F16L 3/14 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
   F16B2/06 A
   E04B9/18 E
   E04B9/00 G
   E04B9/00 F
   F16B1/00 B
   F16B2/08 H
   F16B1/00 A
   F16L3/14 B
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-26585(P2018-26585)
(22)【出願日】2018年2月19日
(65)【公開番号】特開2019-143671(P2019-143671A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2019年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000143558
【氏名又は名称】株式会社国元商会
(72)【発明者】
【氏名】渡 章浩
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−125566(JP,A)
【文献】 特開2015−014181(JP,A)
【文献】 特開2004−278596(JP,A)
【文献】 特開2002−022063(JP,A)
【文献】 特開2012−087860(JP,A)
【文献】 特許第6011834(JP,B1)
【文献】 特開2002−310128(JP,A)
【文献】 特開2007−309345(JP,A)
【文献】 特開2013−092041(JP,A)
【文献】 実開平02−040179(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/06
E04B 9/00
E04B 9/18
F16B 1/00
F16B 2/08
F16L 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊下げ用螺軸に取り付けられる第一金具と、揺れ止め用螺軸に取り付けられる第二金具と、第一第二両金具を連結する連結用ボルトから成り、第一金具は、吊下げ用螺軸に対して横側方から外嵌可能なU字形のもので、その両側板部を繋ぐUターン部の内面には、このUターン部内面に吊下げ用螺軸が押し付けられたときに当該吊下げ用螺軸の雄ねじ溝に嵌合する第一雌ねじ溝が設けられ、前記両側板部の一方の側板部の遊端側には、前記連結用ボルトが挿通される第一貫通孔が設けられると共に、他方の側板部には、前記連結用ボルトが螺合貫通する第一貫通ねじ孔が前記第一貫通孔と同心状に設けられ、第二金具は、揺れ止め用螺軸を軸方向に挿通出来るU字形部と、このU字形部の両側板部の遊端部から直角横側方に連設されて、前記第一金具の両側板部間に挿入可能な間隔で並列する並列脚板部と、締結用ボルトから成り、前記U字形部の両側板部の一方の側板部の遊端側には、前記締結用ボルトが挿通される第二貫通孔が設けられると共に、他方の側板部には、前記締結用ボルトが螺合貫通する第二貫通ねじ孔が前記第二貫通孔と同心状に設けられ、前記U字形部の両側板部を繋ぐUターン部の内面には、このUターン部内面に揺れ止め用螺軸が押し付けられたときに当該揺れ止め用螺軸の雄ねじ溝に嵌合する第二雌ねじ溝が設けられ、前記並列脚板部の各遊端部には、前記連結用ボルトを挿通させる第三貫通孔が同心状に設けられている、吊下げ用螺軸の揺れ止め金具。
【請求項2】
前記第一金具の両側板部の内の少なくとも一方の側板部の内側には、吊下げ用螺軸が前記Uターン部の内側に接近する位置にこの第一金具を位置決めする突起部が設けられている、請求項1に記載の吊下げ用螺軸の揺れ止め金具。
【請求項3】
前記第二金具のU字形部の両側板部の内の少なくとも一方の側板部には、揺れ止め用螺軸を前記U字形部のUターン部の内面に接近する位置に位置決めする屈曲部を形成して、前記U字形部における両側板部の前記第二貫通孔及び第二貫通ねじ孔が設けられた遊端部の間隔を前記並列脚板部の間隔まで狭めてある、請求項1又は2に記載の吊下げ用螺軸の揺れ止め金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線や配管類を支持するための支持フレームを天井下などに吊下げ用螺軸で吊下げて架設する場合などにおいて使用することの出来る吊下げ用螺軸の揺れ止め金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記のように配線や配管類を支持するための支持フレームは、一端を天井側の部材に連結した複数本の吊下げ用螺軸によって吊り下げられるが、地震発生時などにおいて、各吊下げ用螺軸の揺れを伴って前記支持フレームが不当に揺れ動く恐れがある。この現象を防止するために、適当な位置にある吊下げ用螺軸の下端側と天井側部材との間に斜め向きに揺れ止め用螺軸を架設することが行われる。このような場合に、前記揺れ止め用螺軸の下端側を前記吊下げ用螺軸の下端側に簡単に結合することが出来る金具が必要になるが、従来、このような場合に使用する金具として、特許文献1に記載のような接続金具が知られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6011834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に記載されたような従来周知の接続金具は、吊下げ用螺軸を両側から挟んでボルトナットで締結する第一金具と、この第一金具に連結軸の周りに相対揺動自在に連結された可動部材と、揺れ止め用螺軸を挟む第二金具とから成り、第二金具を前記可動部材にボルトナットで締結することにより、当該第二金具を揺れ止め用螺軸に固定出来るように構成されたものであり、部品点数が非常に多く、コスト高になる問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題点を解消することのできる吊下げ用螺軸の揺れ止め金具を提案するものであって、本発明に係る吊下げ用螺軸の揺れ止め金具は、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、吊下げ用螺軸(1)に取り付けられる第一金具(9)と、揺れ止め用螺軸(7)に取り付けられる第二金具(10)と、第一第二両金具(9,10)を連結する連結用ボルト(11)から成り、第一金具(9)は、吊下げ用螺軸(1)に対して横側方から外嵌可能なU字形のもので、その両側板部(12a,12b)を繋ぐUターン部(13)の内面には、このUターン部内面に吊下げ用螺軸(1)が押し付けられたときに当該吊下げ用螺軸(1)の雄ねじ溝(1a)に嵌合する第一雌ねじ溝(14)が設けられ、前記両側板部(12a,12b)の一方の側板部(12a)の遊端側には、前記連結用ボルト(11)が挿通される第一貫通孔(15)が設けられると共に、他方の側板部(12b)には、前記連結用ボルト(11)が螺合貫通する第一貫通ねじ孔(16)が前記第一貫通孔(15)と同心状に設けられ、第二金具(10)は、揺れ止め用螺軸(7)を軸方向に挿通出来るU字形部(17)と、このU字形部(17)の両側板部(18a,18b)の遊端部から直角横側方に連設されて、前記第一金具(9)の両側板部(12a,12b)間に挿入可能な間隔で並列する並列脚板部(19a,19b)と、締結用ボルト(20)から成り、前記U字形部(17)の両側板部(18a,18b)の一方の側板部(18a)の遊端側には、前記締結用ボルト(20)が挿通される第二貫通孔(21)が設けられると共に、他方の側板部(18b)には、前記締結用ボルト(20)が螺合貫通する第二貫通ねじ孔(22)が前記第二貫通孔(21)と同心状に設けられ、前記U字形部(17)の両側板部(18a,18b)を繋ぐUターン部(23)の内面には、このUターン部内面に揺れ止め用螺軸(7)が押し付けられたときに当該揺れ止め用螺軸(7)の雄ねじ溝(7a)に嵌合する第二雌ねじ溝(24)が設けられ、前記並列脚板部(19a,19b)の各遊端部には、前記連結用ボルト(11)を挿通させる第三貫通孔(25a,25b)が同心状に設けられた構成になっている。
【発明の効果】
【0006】
上記本発明の構成によれば、既設の吊下げ用螺軸に対し横側方から第一金具を嵌合させる第一金具装着操作、第二金具のU字形部に揺れ止め用螺軸を軸方向に挿通させる第二金具装着操作、第一金具装着操作後の第一金具の両側板部間に第二金具の並列脚板部の遊端部を差し込んで、前記連結用ボルトを第一金具の第一貫通孔から第二金具の2つの第三貫通孔を経由させて第一金具の第一貫通ねじ孔に螺合締結させる第一第二両金具の連結操作、前記締結用ボルトを第二金具の第二貫通孔から第二貫通ねじ孔に螺合締結させる第二金具と揺れ止め用螺軸の結合操作によって、既設の吊下げ用螺軸に対し揺れ止め用螺軸の下端側を連結する作業が行われる。
【0007】
後述の実施例において詳細に説明するように、上記の各操作を行うことにより既設の吊下げ用螺軸の任意の高さに任意の角度で揺れ止め用螺軸の下端側を連結して、既設の吊下げ用螺軸の揺れ止めを実行出来るのであれが、上記の本発明構成によれば、既設の吊下げ用螺軸を固定しているナットのねじ戻しねじ込み操作は不要であり、2本のボルトに対する回転ねじ込み操作も、吊下げ用螺軸や揺れ止め用螺軸から離れた位置で横から水平向きにインパクトドライバーによって簡単且つ強力に行うことが出来るので、作業性は従来のものと比較して格段に向上する。しかも必要部品としては、第一金具と第二金具、及び2本のボルトだけであって、非常にシンプルな構成であり、機能の割には比較的安価に実施出来る。
【0008】
上記本発明を実施する場合、前記第一金具(9)の両側板部(12a,12b)の内の少なくとも一方の側板部(12a)の内側に、吊下げ用螺軸(1)が前記Uターン部(13)の内側に接近する位置にこの第一金具(9)を位置決めする突起部(26a)を設けることが出来る。この構成によれば、第一金具を吊下げ用螺軸に横から嵌合させる際に、この第一金具の両側板部間を一時的に開動させるように、前記突起部を吊下げ用螺軸に対して直交方向に乗り越えさせる操作力を必要とするが、吊下げ用螺軸に装着した第一金具を手で保持していなくとも、第一金具が吊下げ用螺軸から離脱して落下するような恐れがなくなり、操作性が一層向上する。
【0009】
又、前記第二金具(10)のU字形部(17)の両側板部(18a,18b)の内の少なくとも一方の側板部(18a)に、揺れ止め用螺軸(7)を前記U字形部(17)のUターン部(23)の内面に接近する位置に位置決めする屈曲部(27a)を形成して、前記U字形部(17)における両側板部(18a,18b)の、前記第二貫通孔(21)及び第二貫通ねじ孔(22)が設けられた遊端部の間隔を、前記並列脚板部(19a,19b)の間隔まで狭めておくことが出来る。この構成によれば、第二金具と揺れ止め用螺軸の結合操作を行う際に、第二金具の第二雌ねじ溝に隣接する位置に揺れ止め用螺軸を手で保持しておく必要がなく、やはり操作性を一層向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明に係る吊下げ用螺軸の揺れ止め金具の使用状態を示す一部縦断正面図である。
図2図2Aは、吊下げ用螺軸の取付け構造を示す一部縦断側面図と、第一金具を示す正面図、図2Bは、第一金具の横断平面図と当該第一金具を吊下げ用螺軸に取り付ける途中の状態を示す横断平面図である。
図3図3Aは、揺れ止め用螺軸と第二金具を示す正面図、図3Bは、第二金具の縦断側面図、図3Cは、揺れ止め用螺軸に対する第二金具の取り付け方法を説明する横断平面図である。
図4図4は、揺れ止め用螺軸に対する第二金具の取り付け方法を説明する横断平面図である。
図5図5は、図1に示す本発明に係る吊下げ用螺軸の使用状態での要部の横断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1及び図2において、1は吊下げ用螺軸であって、図外の上端部は、天井側の部材に従来周知の方法で取り付けられ、下端部は、配線や配管類を支持するための支持フレームを載置するリップ付きC型鋼2に取付け金具3を介して取り付けられている。この取付け金具3は従来周知のものであって、リップ付きC型鋼2の上側に外嵌するコ字形の本体4と、リップ付きC型鋼2の両リップ部の内側に入り込む締結用板材5とから成り、本体4には、リップ付きC型鋼2の両リップ部間のスリットに嵌まり込む一対の折曲片4a,4bが設けられ、吊下げ用螺軸1は、本体4の貫通孔4cを通って締結用板材5に設けられた上下方向の貫通ねじ孔5aに螺合貫通し、本体4の上側で吊下げ用螺軸1に螺嵌しているナット6をねじ込むことにより、リップ付きC型鋼2に対して垂直に起立するように取り付けられている。
【0012】
上記の吊下げ用螺軸1の下端近傍位置に揺れ止め用螺軸7を取り付ける本発明の揺れ止め用金具8は、吊下げ用螺軸1に取り付けられる第一金具9と、揺れ止め用螺軸7に取り付けられる第二金具10と、第一第二両金具9,10を連結する連結用ボルト11から構成されている。第一金具9は、図2A及び図2Bに示すように、吊下げ用螺軸1に対して横側方から外嵌可能なU字形のもので、その両側板部12a,12bを繋ぐUターン部13の内面の180度以内の領域には、このUターン部13の内面に吊下げ用螺軸1が押し付けられたときに当該吊下げ用螺軸1の雄ねじ溝1aに嵌合する第一雌ねじ溝14が設けられ、前記両側板部12a,12bの内、一方の側板部12aの遊端側には、前記連結用ボルト11が挿通される第一貫通孔15が設けられると共に、他方の側板部12bには、前記連結用ボルト11が螺合貫通する第一貫通ねじ孔16が前記第一貫通孔15と同心状に設けられている。
【0013】
第二金具10は、揺れ止め用螺軸7を軸方向に挿通出来るU字形部17と、このU字形部の両側板部18a,18bの遊端部から直角横側方に連設されて、前記第一金具9の両側板部12a,12b間に挿入可能な間隔で並列する並列脚板部19a,19bと、締結用ボルト20から成り、前記U字形部17の両側板部18a,18bの内、一方の側板部18aの遊端側には、前記締結用ボルト20が挿通される第二貫通孔21が設けられると共に、他方の側板部18bには、前記締結用ボルト20が螺合貫通する第二貫通ねじ孔22が前記第二貫通孔21と同心状に設けられている。又、前記U字形部17の両側板部18a,18bを繋ぐUターン部23の内面の180度以内の領域には、このUターン部23の内面に揺れ止め用螺軸7が押し付けられたときに当該揺れ止め用螺軸7の雄ねじ溝7aに嵌合する第二雌ねじ溝24が設けられ、前記並列脚板部19a,19bの各遊端部には、前記連結用ボルト11を挿通させる第三貫通孔25a,25bが同心状に設けられている。
【0014】
更に詳述すると、前記第一金具9の両側板部12a,12bの内側には、吊下げ用螺軸1が前記Uターン部13の内側に接近する位置にこの第一金具9を位置決めする突起部26a,26bが設けられている。この突起部は、両側板部12a,12bの内の何れか一方にのみ設けても良い。更に、前記第二金具10のU字形部17の両側板部18a,18bには、揺れ止め用螺軸7を前記U字形部17のUターン部23の内面に接近する位置に位置決めする屈曲部27a,27bを形成して、前記U字形部17における両側板部18a,18bの、第二貫通孔21及び第二貫通ねじ孔22が設けられた遊端部の間隔を、前記並列脚板部19a,19bの間隔まで狭めている。この屈曲部は、両側板部18a,18bの内の何れか一方にのみ設けても良い。
【0015】
上記構成の吊下げ用螺軸の揺れ止め金具においては、既設の吊下げ用螺軸1に対し横側方から第一金具9を嵌合させる第一金具装着操作、第二金具10のU字形部17に揺れ止め用螺軸7を軸方向に挿通させる第二金具装着操作、第一金具装着操作後の第一金具9の両側板部12a,12b間に第二金具10の並列脚板部19a,19bの遊端部を差し込んで、連結用ボルト11を第一金具9の第一貫通孔15から第二金具10の2つの第三貫通孔25a,25bを経由させて第一金具9の第一貫通ねじ孔16に螺合締結させる第一第二両金具9,10の連結操作、前記締結用ボルト20を第二金具10の第二貫通孔21から第二貫通ねじ孔22に螺合締結させる、第二金具10と揺れ止め用螺軸7の結合操作によって、既設の吊下げ用螺軸1に対し揺れ止め用螺軸7の下端側を連結する作業が行われる。
【0016】
第一金具9は、図2A及び図2Bに示すように、その両側板部12a,12b間に吊下げ用螺軸1が相対的に嵌まり込むように横側方から吊下げ用螺軸1に外嵌させる。このとき、両側板部12a,12bの突起部26a,26bが吊下げ用螺軸1の側面を通過するとき、両側板部12a,12bが弾性に抗して外側に開動し、突起部26a,26bが通過した後、両側板部12a,12bが弾性によって閉動することにより、吊下げ用螺軸1が第一金具9のUターン部13の内側に取り込まれた状態になり、第一金具9が吊下げ用螺軸1に仮止めされた状態になるので、第一金具9から手を離すことが出来る。又、揺れ止め用螺軸7を第二金具10のU字形部17の内側、即ち、Uターン部23と両側板部18a,18bの屈曲部27a,27bとの間の空間に揺れ止め用螺軸7を挿通させたとき、当該揺れ止め用螺軸7が両側板部18a,18bの遊端部側へ移動することは、屈曲部27a,27bの存在によって阻止され、揺れ止め用螺軸7に対する第二金具10の外嵌状態は保持される。
【0017】
上記のように吊下げ用螺軸1に仮止めされた状態の第一金具9と第二金具10とを、連結用ボルト11による第一第二両金具9,10の連結操作によって連結するのであるが、この連結操作によって、第一金具9の両側板部12a,12b間が狭められ、この結果、第一金具9のUターン部13の内面が吊下げ用螺軸1に押し付けられ、当該吊下げ用螺軸1の雄ねじ溝1aに第一金具9の第一雌ねじ溝14が嵌合して、吊下げ用螺軸1に対する第一金具9の高さが決められると同時に、吊下げ用螺軸1に対し第一金具9の内面が圧接して吊下げ用螺軸1に第一金具9が固定される。同時に、第一金具9の両側板部12a,12b間に第二金具10の並列脚板部19a,19bが挟持されて、第一金具9に対し第二金具10が固定される。従って、この連結用ボルト11による第一第二両金具9,10の連結操作は、吊下げ用螺軸1に対する第一金具9の取付け高さが決定されるので、吊下げ用螺軸1に対する第一金具9の高さを調整した後に行うのが望ましい。一方、第二金具10と揺れ止め用螺軸7の結合操作によって、第二金具10のU字形部17の両側板部18a,18b間が狭められ、第二金具10のU字形部17におけるUターン部23の内面が揺れ止め用螺軸7に押し付けられ、当該揺れ止め用螺軸7の雄ねじ溝7aに第二金具10の第二雌ねじ溝24が嵌合して、揺れ止め用螺軸7に対する第二金具10の軸方向位置が決められると同時に、揺れ止め用螺軸7に対し第二金具10のU字形部17の内面が圧接して揺れ止め用螺軸7に第二金具10が固定される。従って、第二金具10と揺れ止め用螺軸7の結合操作は、揺れ止め用螺軸7に対する第二金具10の軸方向位置を調整後に行うのが望ましい。
【0018】
以上のようにして既設の吊下げ用螺軸1に対する揺れ止め用螺軸7の下端部の結合が完了するが、揺れ止め用螺軸7に対する第二金具装着操作は、第一第二両金具9,10の連結操作の後で且つ第二金具10と揺れ止め用螺軸7の結合操作の前に行うことも出来る。何れにしても、吊下げ用螺軸1に対する第一金具9の取付け高さは、第一第二両金具9,10の連結操作の後であっても、前記連結用ボルト11を緩めて、第一金具9の第一雌ねじ溝14から吊下げ用螺軸1を離脱させれば、吊下げ用螺軸1に対して第一金具9を自由に昇降移動させて高さ調整を行うことが出来る。同様に、第二金具10と揺れ止め用螺軸7の結合操作の後であっても、締結用ボルト20を緩めて、第二金具10の第二雌ねじ溝24から揺れ止め用螺軸7を離脱させれば、揺れ止め用螺軸7を第二金具10に対し軸方向に自由に移動させて、揺れ止め用螺軸7に対する第二金具10の取り付け位置の調整を行うことが出来る。勿論、第一第二両金具9,10の連結操作の後であっても、必要に応じて連結用ボルト11を緩めて、連結用ボルト11を中心に第一金具9に対し第二金具10を上下揺動させて、揺れ止め用螺軸7の角度を自由に調整出来る。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の吊下げ用螺軸の揺れ止め金具は、配線や配管類を支持するための支持フレームを天井下などに吊下げ用螺軸で吊下げて架設する場合などにおいて、揺れ止め用螺軸を組み合わせて前記吊下げ用螺軸の揺れ止めを図る手段として活用することが出来る。
【符号の説明】
【0020】
1 吊下げ用螺軸
1a 雄ねじ溝
2 リップ付きC型鋼
3 取付け金具
7 揺れ止め用螺軸
7a 雄ねじ溝
8 揺れ止め用金具
9 第一金具
10 第二金具
11 連結用ボルト
12a,12b 第一金具の側板部
13 第一金具のUターン部
14 第一金具の第一雌ねじ溝
15 第一金具の第一貫通孔
16 第一金具の第一貫通ねじ孔
17 第二金具のU字形部
18a,18b 第二金具のU字形部の側板部
19a,19b 第二金具の並列脚板部
20 締結用ボルト
21 第二金具の第二貫通孔
22 第二金具の第二貫通ねじ孔
23 第二金具のU字形部のUターン部
24 第二金具の第二雌ねじ溝
25a,25b 第二金具の第三貫通孔
26a,26b 第一金具の突起部
27a,27b 第二金具の屈曲部
図1
図2
図3
図4
図5