【実施例1】
【0013】
以下、実施例1に係る冷却ユニット10について説明する。冷却ユニット10は、工作機械の発熱部位(例えば、主軸やボールネジ等)を冷却するために用いられる。冷却ユニット10で作動流体(例えば、切削液、作動油等)が冷却され、冷却された作動流体は工作機械に供給される。工作機械に供給された作動流体は、工作機械の発熱部位を冷却する。発熱部位を冷却することで温度が上昇した作動流体は冷却ユニット10に戻され、再び冷却ユニット10によって冷却される。なお、作動流体は、「冷却対象」の一例である。
【0014】
図1に示すように、冷却ユニット10は、圧縮機12と、油分離機14と、凝縮器16と、膨張弁(又はキャピラリー等)18と、冷却器20と、エジェクタ50を備えている。これらの間において冷媒を移動させるために、冷却ユニット10は、圧縮機12と凝縮器16を接続する圧縮冷媒流路22と、凝縮器16と冷却器20を接続する第1冷媒流路24と、冷却器20と圧縮機12を接続する第2冷媒流路26を備えている。また、冷却ユニット10内を冷媒と共に移動する潤滑油を回収するために、冷却ユニット10は、油分離機14と第2冷媒流路26を接続する潤滑油リターン流路28と、第1冷媒流路24とエジェクタ50を接続する潤滑油回収流路30を備えている。
【0015】
圧縮機12は、冷媒を圧縮する。圧縮機12は、図示しない圧縮機構を備えており、圧縮機構が回転運動することで冷媒を圧縮する。圧縮機12をオンすると、圧縮機12が作動し、圧縮機12によって圧縮された冷媒が圧縮機12から送り出される。圧縮機12をオフすると、圧縮機12から送り出される冷媒の流れが停止する。なお、圧縮機12は一定の速度で作動してもよいし、作動速度が変更可能であってもよい。圧縮機12で圧縮された冷媒は、高温高圧の気体となり、圧縮冷媒流路22に送られる。圧縮機12には、潤滑油が供給されており、潤滑油によって、圧縮機構の摺動部(図示省略)が潤滑される。潤滑油は、冷媒と共に圧縮機12から圧縮冷媒流路22に送り出される。
【0016】
油分離機14は、圧縮冷媒流路22に配置されている。すなわち、油分離機14は、圧縮機12と凝縮器16の間に配置されている。圧縮機12から送り出された冷媒と潤滑油は、油分離機14に供給される。油分離機14は、冷媒と潤滑油を分離する。分離された潤滑油は、潤滑油リターン流路28に送り出される。潤滑油リターン流路28の一端は油分離機14に接続しており、他端は第2冷媒流路26の圧縮機12の近傍(すなわち、圧縮機12の上流側の近傍)に接続している。油分離機14から潤滑油リターン流路28に送り出された潤滑油は、第2冷媒流路26に送られる。第2冷媒流路26を流れる冷媒及び潤滑油は圧縮機12に向かって流れているため、潤滑油リターン流路28から第2冷媒流路26に送られた潤滑油は圧縮機12戻される。一方、油分離機14で潤滑油が分離された冷媒は、圧縮冷媒流路22に送り出され、凝縮器16に送られる。油分離機14では、冷媒と潤滑油を完全に分離することはできない。このため、油分離機14で分離されない潤滑油は、冷媒と共に凝縮器16に送られる。
【0017】
凝縮器16は、圧縮機12によって圧縮された冷媒を凝縮する。凝縮器16に送られた冷媒は、ファン(図示省略)によって冷却される。ファンはモータ(図示省略)によって駆動されている。なお、ファンは一定の速度で駆動してもよいし、駆動速度が変更可能であってもよい。凝縮器16によって凝縮された冷媒は、凝縮器16に送られた潤滑油と共に第1冷媒流路24に送られる。膨張弁18は、第1冷媒流路24に配置されている。膨張弁18は、凝縮器16によって凝縮された冷媒を減圧する。すなわち、凝縮器16から第1冷媒流路24に送られた冷媒は、膨張弁18によって減圧され、第1冷媒流路24に送られた潤滑油と共に冷却器20に送られる。また、圧縮機12の流出口と冷却器20の流入口の間には、流量調整バルブ52が配置されている。詳細には、流量調整バルブ52は、凝縮器16の上流側と膨張弁18の下流側を接続するバイパス流路に配置される。流量調整バルブ52を調整することによって、凝縮器16に供給される冷媒の量を調整することができる。
【0018】
冷却器20は、プレート式熱交換器であり、凝縮された冷媒によって作動流体を冷却する。冷却器20には、下方に近い側面に第1冷媒流路24が接続しており、上方に近い側面に第2冷媒流路26が接続している。すなわち、冷却器20では、冷媒が下方から供給され、上方から排出される。
【0019】
図2に示すように、冷却器20は、複数のプレート62と、冷媒供給流路64と、冷媒排出流路66と、作動流体供給流路68と、作動流体排出流路70を備えている。プレート62は金属プレートであり、複数のプレート62は水平方向に積層されている。隣接するプレート62の間に冷媒又は作動流体が流れるように、複数のプレート62が間隔を空けて配置されている。また、両者の熱交換効率を向上するために、各プレート62の表面はプレス加工されている。隣接するプレート62の間の流路72には、冷媒と作動流体が交互に流れるように構成されている。
図2に示すように、隣接する複数の流路72が、流路72a、72b、72c、72d、72e、72fの順で配置される場合には、例えば、流路72a、72c、72eには冷媒が流され、流路72b、72d、72fには作動流体が流される。
【0020】
冷媒供給流路64は冷却器20の下方に配置され、第1冷媒流路24に接続している。冷媒排出流路66は冷却器20の上方に配置され、第2冷媒流路26に接続している。冷媒供給流路64の流路断面積は、後述する第1冷媒流路24の第1流路部42の流路断面積と略同一となっている(図示省略)。第1冷媒流路24を流れる冷媒は、冷媒供給流路64に送られる。冷媒供給流路64に送られた冷媒は、流路72a、72c、72e等を通って冷媒排出流路66に送られる。冷媒排出流路66に送られた冷媒は、第2冷媒流路26に送り出される。作動流体は、工作機械から作動流体供給流路68に送られる。作動流体供給流路68に送られた作動流体は、流路72b、72d、72f等を通って作動流体排出流路70に送られる。作動流体排出流路70に送られた作動流体は、再び工作機械に戻される。
【0021】
隣接する流路72には、冷媒と作動流体が交互に流される。このため、冷媒が流れる流路72(例えば、流路72a)と作動流体が流れる流路72(例えば、流路72b)の間に配置されるプレート62を介して、冷媒と作動流体の間で熱交換が行われる。すなわち、作動流体は冷媒によって冷却される。また、作動流体と熱交換した冷媒は、温められて液相から気相へ相変化する。冷却器20内では、気相の冷媒が上方に移動し易く、冷媒と共に冷却器20に供給された潤滑油が下方に溜まり易くなる。
【0022】
冷却器20から送り出された冷媒は、第2冷媒流路26に送られ、第2冷媒流路26内に配置されるアキュムレータを介して圧縮機12に戻される。そして、圧縮機12に戻された冷媒は再び圧縮される。また、圧縮機12と冷却器20の間には、均圧バルブ56が配置されている(
図1参照)。詳細には、均圧バルブ56は、圧縮機12の上流側と下流側を接続するバイパス流路に配置される。均圧バルブ56を調整すると、圧縮機12から供給される冷媒がバイパス流路を介して第2冷媒流路26に戻され、第2冷媒流路26から冷却器20に冷媒が供給される。このため、均圧バルブ56を調整することによって、冷却器20内の流路72を逆洗することができ、流路72内に残留する潤滑油を冷却器20の下方に移動させることができる。
【0023】
エジェクタ50と潤滑油回収流路30の構成について説明する。まず、
図3を参照して、潤滑油回収流路30と第1冷媒流路24の接続部分について説明する。第1冷媒流路24は、冷却器20の下方に位置する冷媒供給流路64と接続している。
図3に示すように、第1冷媒流路24は、第1流路部42と、第2流路部44と、接続部46を備えている。
【0024】
第1流路部42は、第1冷媒流路24の冷却器20側に位置しており、冷却器20に接続している。第2流路部44は、第1流路部42に接続しており、凝縮器16まで伸びている。すなわち、第1冷媒流路24は、その大部分が第2流路部44によって構成されており、冷却器20と接続する一部分のみが第1流路部42によって構成されている。第1流路部42の内径R1は、第2流路部44の内径R2より大きくされている。すなわち、第1流路部42の流路断面積は、第2流路部44の流路断面積より大きくされている。また、上述したように、第1流路部42の流路断面積は、冷媒供給流路64の流路断面積と略同一となっている。第1流路部42の流路断面積(すなわち、冷媒供給流路64の流路断面積)が大きくされることによって、第1流路部42と冷媒供給流路64が冷媒を一時的に貯留する貯留部として機能する。このため、冷却器20の複数の流路72のそれぞれに冷媒を供給し易くなり、冷却器20の冷却能力を高くすることができる。したがって、冷却器20によって、比較的粘度が高い作業流体(例えば、作動油であるVG68等)を冷却ユニット10に用いても、作動流体を効率的に冷却することができる。
【0025】
また、第1流路部42の流路断面積が第2流路部44の流路断面積より大きくされることによって、第1流路部42を流れる冷媒と潤滑油の速度は、第2流路部44を流れる冷媒と潤滑油の速度より遅くなる。このため、第1流路部42では、冷媒と潤滑油の滞留時間が長くなり、冷媒を主成分とする液相と、潤滑油を主成分とする液相に分離し易くなる。例えば、本実施例では、冷媒にフロンを用いており、潤滑油にVG68を用いている。冷媒(例えば、フロン)の比重は、潤滑油(例えば、VG68)の比重より大きい。このため、第1流路部42内では、冷媒を主成分とする液相が下方に位置し、潤滑油を主成分とする液相が上方に位置する。
【0026】
接続部46は、第1流路部42の底面に設けられており、第1流路部42から下方に向かってテーパ状に伸びている。接続部46には、潤滑油回収流路30の第1冷媒流路24側の第1端部32が接続している。すなわち、接続部46は、第1流路部42(すなわち、第1冷媒流路24)と潤滑油回収流路30を接続している。接続部46が第1流路部42から分岐することによって、接続部46と潤滑油回収流路30が接続し易くなる。なお、本実施例では、接続部46はテーパ状であるが、このような構成に限定されない。接続部46は、潤滑油回収流路30を接続可能な形状であればよい。
【0027】
第1端部32は、接続部46内を貫通しており、第1冷媒流路24の内部に突出している。第1端部32は、第1流路部42の底面より上方に位置しており、冷却ユニット10の運転時(詳細には、運転開始から所定時間が経過して定常状態に移行した後)には潤滑油を主成分とする液相内に位置している。上述したように、本実施例では、潤滑油を主成分とする液相は、冷媒を主成分とする液相より上方に位置している。したがって、第1端部32は、接続部46内を貫通し、さらに冷媒を主成分とする液相を貫通して、潤滑油を主成分とする液相内に位置する。なお、第1端部32は、「一端部」の一例である。
【0028】
次に、
図4を参照して、潤滑油回収流路30とエジェクタ50の接続部分について説明する。エジェクタ50は、第2冷媒流路26の冷却器20の近傍に配置されている(
図1参照)。
図4に示すように、潤滑油回収流路30のエジェクタ50側の第2端部34は、エジェクタ50に接続している。エジェクタ50の流路断面積は、第2冷媒流路26の流路断面積より小さくなっており、冷却器20から流出する冷媒の速度はエジェクタ50で速くなる。このため、エジェクタ50に接続される潤滑油回収流路30の内部が負圧となり、第1端部32から第1流路部42内の潤滑油及び冷媒が吸引される。上述したように、潤滑油回収流路30の第1端部32は潤滑油を主成分とする液相に位置している。このため、潤滑油回収流路30に多量の潤滑油を送ることができる。潤滑油回収流路30を介して吸引された潤滑油とその潤滑油と共に吸引された冷媒は、エジェクタ50から第2冷媒流路26に供給され、第2冷媒流路26内を流れる冷媒と共に圧縮機12に戻される。なお、第2端部34は、「他端部」の一例である。
【0029】
本実施例の冷却ユニット10は、エジェクタ50と潤滑油回収流路30を備えることによって、第1流路部42に貯留する潤滑油を第2冷媒流路26に供給することができる。上述したように、冷却器20に供給された潤滑油は、第2冷媒流路26から排出され難く、冷却器20の下方に溜まり易い。冷却ユニット10では、潤滑油回収流路30によって第1流路部42とエジェクタ50とを接続することによって、冷却器20に供給される前の潤滑油を第2冷媒流路26に供給することができる。このため、冷却器20に供給される潤滑油の量を減少させることができ、潤滑油を圧縮機12に戻すことができる。したがって、圧縮機12に潤滑油が供給されない状態を回避することができ、圧縮機12を潤滑することができる。
【0030】
なお、本実施例では、冷媒にフロンを用いており、潤滑油にVG68を用いているが、このような構成に限定されない。冷媒及び潤滑油の種類は、冷却ユニット10によって冷却する冷却対象に応じて変更してもよい。また、冷媒の比重が潤滑油の比重より小さくなるような冷媒と潤滑油の組み合わせを用いてもよい。さらに、本実施例の冷却ユニット10は、工作機械の発熱部位を冷却するために用いられているが、このような用途に限定されない。冷却ユニット10は、冷媒が圧縮機12と凝縮器16と冷却器20の間を循環する冷凍サイクルを構成すればよく、例えば、空気調和機等の冷凍サイクルに用いてもよい。