特許第6782013号(P6782013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6782013
(24)【登録日】2020年10月21日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】冷却ユニット
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20201102BHJP
   F25B 43/02 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
   F25B1/00 101D
   F25B43/02 A
   F25B1/00 387D
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-18870(P2017-18870)
(22)【出願日】2017年2月3日
(65)【公開番号】特開2018-124039(P2018-124039A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】511056116
【氏名又は名称】宏和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 悟
(72)【発明者】
【氏名】奥山 貴久
(72)【発明者】
【氏名】平山 郁子
(72)【発明者】
【氏名】原 幹典
【審査官】 森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−139826(JP,A)
【文献】 特開2009−190579(JP,A)
【文献】 特開昭58−096955(JP,A)
【文献】 特開昭62−276368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮すると共に、前記冷媒に混合された潤滑油によって潤滑される圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された前記冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記凝縮器で凝縮された前記冷媒によって冷却対象を冷却する冷却器と、
前記凝縮器と前記冷却器とを接続し、前記凝縮器によって凝縮された前記冷媒を前記冷却器に供給する第1冷媒流路と、
前記冷却器と前記圧縮機とを接続し、前記冷却器から流出する前記冷媒を前記圧縮機に供給する第2冷媒流路と、
前記第1冷媒流路に一端部が接続される一方で、前記第2冷媒流路に他端部が接続される潤滑油回収流路と、
前記第2冷媒流路に設置され、前記冷却器から前記圧縮機に向かって前記第2冷媒流路を流れる冷媒によって、前記第1冷媒流路内の冷媒を前記潤滑油回収流路を介して吸引して前記第2冷媒流路に流入させるエジェクタと、を備える、冷却ユニット。
【請求項2】
前記第1冷媒流路は、前記潤滑油回収流路の一端部が接続される接続部を有しており、
前記接続部は、前記第1冷媒流路の底面から下方に伸びている、請求項1に記載の冷却ユニット。
【請求項3】
前記第1冷媒流路は、前記冷却器側に配置されて前記冷却器の下端に接続される第1流路部と、前記第1流路部と前記凝縮器とを接続する第2流路部を有しており、
前記第1流路部の流路断面積は、前記第2流路部の流路断面積より大きくされており、
前記接続部は、前記第1流路部に設けられており、
前記潤滑油回収流路の一端部の先端は、前記接続部内を貫通して前記第1流路部内に突出しており、前記第1流路部の底面より上方に位置している、請求項1又は2に記載の冷却ユニット。
【請求項4】
前記圧縮機と前記凝縮器との間に配置され、前記圧縮機から前記凝縮器に供給される冷媒から前記潤滑油を分離する油分離機と、
前記油分離機と前記圧縮機とを接続し、前記油分離機によって分離された潤滑油を前記圧縮機に供給する潤滑油リターン流路と、をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷却ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、冷却ユニットに関する。詳細には、冷媒に含有される潤滑油で圧縮機を潤滑する冷却ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
機械の発熱部位(例えば、工作機械の主軸)を冷却する等のために冷却ユニットが用いられる。この種の冷却ユニットは、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮された冷媒によって冷却対象(例えば、発熱部位を冷却するための冷却水)を冷却する冷却器とを備えている。冷却器で熱を吸収し気体となった冷媒は、圧縮機に供給される。冷媒が圧縮機と凝縮器と冷却器の間を循環することで、冷却対象を冷却する冷凍サイクルが形成される。
【0003】
上記のような冷却ユニットの圧縮機では、例えば、圧縮機構の摺動部を潤滑するために潤滑油が用いられる。圧縮機を潤滑するための潤滑油は冷媒に混合され、冷媒と共に圧縮機に供給される。圧縮機に供給された潤滑油は、冷媒と共に圧縮機から流出し、冷凍サイクルを循環する。圧縮機に供給される潤滑油の量が減少すると、圧縮機の潤滑が不十分となる。このため、例えば、特許文献1の冷却ユニットは、冷媒と共に圧縮機から流出した潤滑油を冷媒から分離する油分離機を備えている。油分離機で分離された潤滑油は、潤滑油リターン流路を通って圧縮機に戻される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−323636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の冷却ユニットでは、圧縮機から流出した潤滑油は、油分離機で回収され、圧縮機に戻される。しかしながら、油分離機では、冷媒に含まれる潤滑油の全量を回収することはできず、油分離機で回収されない潤滑油は冷媒と共に凝縮器を介して冷却器に供給される。冷却器に供給された冷媒と潤滑油のうち、冷媒は冷却器で液体から気体へと相変化する一方、潤滑油は液体のまま相変化しない。このため、気体となった冷媒は冷却器から流出され易い一方で、潤滑油は冷却器の底部に溜まり易く、冷却器から流出され難くなる。このため、冷却器に供給された潤滑油が圧縮機まで戻され難くなり、圧縮機に十分な量の潤滑油が供給されなくなるという問題があった。使用する潤滑油の粘度が高いと、この問題は一層深刻になる。本明細書は、圧縮機から流出した潤滑油を効率よく圧縮機に供給する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示する冷却ユニットは、冷媒を圧縮すると共に、冷媒に混合された潤滑油によって潤滑される圧縮機と、圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮器で凝縮された冷媒によって冷却対象を冷却する冷却器と、凝縮器と冷却器とを接続し、凝縮器によって凝縮された冷媒を冷却器に供給する第1冷媒流路と、冷却器と圧縮機とを接続し、冷却器から流出する冷媒を圧縮機に供給する第2冷媒流路と、第1冷媒流路に一端部が接続される一方で、第2冷媒流路に他端部が接続される潤滑油回収流路と、第2冷媒流路に設置され、冷却器から圧縮機に向かって第2冷媒流路を流れる冷媒によって、第1冷媒流路内の冷媒を潤滑油回収流路を介して吸引して第2冷媒流路に流入させるエジェクタと、を備える。
【0007】
上記の冷却ユニットは、第2冷媒流路に設置されるエジェクタによって、第1冷媒流路内の冷媒を潤滑油回収流路を介して吸引し、第2冷媒流路を流れる冷媒と混合することができる。このため、冷却器に供給される前の冷媒(すなわち、潤滑油を多く含有する冷媒)が第2冷媒流路を介して圧縮機に供給される。これによって、圧縮機を好適に潤滑することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1に係る冷却ユニットの概略構成を模式的に示す図。
図2】冷却器の構成を説明するための図。
図3図1の要部IIIの拡大図。
図4図1の要部IVの拡大図。
図5】実施例2に係る冷却ユニットの概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
【0010】
(特徴1)本明細書が開示する冷却ユニットでは、第1冷媒流路は、潤滑油回収流路の一端部が接続される接続部を有していてもよい。接続部は、第1冷媒流路の底面から下方に伸びていてもよい。このような構成によると、第1冷媒流路と潤滑油回収流路を接続し易くすることができる。
【0011】
(特徴2)本明細書が開示する冷却ユニットでは、第1冷媒流路は、冷却器側に配置されて冷却器の下端に接続される第1流路部と、第1流路部と凝縮器とを接続する第2流路部を有していてもよい。第1流路部の流路断面積は、第2流路部の流路断面積より大きくされていてもよい。接続部は、第1流路部に設けられていてもよい。潤滑油回収流路の一端部の先端は、接続部内を貫通して第1流路部内に突出しており、第1流路部の底面より上方に位置していてもよい。このような構成によると、第1冷媒流路を流れる冷媒は、第2流路部から第1流路部を通って冷却器の下端に供給される。第1流路部の流路断面積は第2流路部の流路断面積より大きくされているため、第1流路部を流れる冷媒の速度は、第2流路部を流れる冷媒の速度より遅くなる。このため、第1流路部は、冷却器等で分離された冷媒の一部が液体として貯留される液溜部として機能する。液溜部では、冷媒を主成分とする液相と、潤滑油を主成分とする液相に分離し易い。冷媒の比重が潤滑油の比重よりも大きい場合、潤滑油回収流路の一端部の先端を第1流路部の底面より上方に適切に位置させることで、潤滑油回収流路の一端部の先端を潤滑油を主成分とする液相内又はその近傍に位置させることができる。これによって、潤滑油を効率的に第2冷媒流路に流すことができる。
【0012】
(特徴3)本明細書が開示する冷却ユニットは、圧縮機と凝縮器との間に配置され、圧縮機から凝縮器に供給される冷媒から潤滑油を分離する油分離機と、油分離機と圧縮機とを接続し、油分離機によって分離された潤滑油を圧縮機に供給する潤滑油リターン流路と、をさらに備えていてもよい。このような構成によると、油分離機を備えることによって、圧縮機から冷媒と共に流出した潤滑油を回収することができる。このため、第1冷媒流路に流出する潤滑油の量を減らし、潤滑油をより確実に圧縮機に戻すことができる。
【実施例1】
【0013】
以下、実施例1に係る冷却ユニット10について説明する。冷却ユニット10は、工作機械の発熱部位(例えば、主軸やボールネジ等)を冷却するために用いられる。冷却ユニット10で作動流体(例えば、切削液、作動油等)が冷却され、冷却された作動流体は工作機械に供給される。工作機械に供給された作動流体は、工作機械の発熱部位を冷却する。発熱部位を冷却することで温度が上昇した作動流体は冷却ユニット10に戻され、再び冷却ユニット10によって冷却される。なお、作動流体は、「冷却対象」の一例である。
【0014】
図1に示すように、冷却ユニット10は、圧縮機12と、油分離機14と、凝縮器16と、膨張弁(又はキャピラリー等)18と、冷却器20と、エジェクタ50を備えている。これらの間において冷媒を移動させるために、冷却ユニット10は、圧縮機12と凝縮器16を接続する圧縮冷媒流路22と、凝縮器16と冷却器20を接続する第1冷媒流路24と、冷却器20と圧縮機12を接続する第2冷媒流路26を備えている。また、冷却ユニット10内を冷媒と共に移動する潤滑油を回収するために、冷却ユニット10は、油分離機14と第2冷媒流路26を接続する潤滑油リターン流路28と、第1冷媒流路24とエジェクタ50を接続する潤滑油回収流路30を備えている。
【0015】
圧縮機12は、冷媒を圧縮する。圧縮機12は、図示しない圧縮機構を備えており、圧縮機構が回転運動することで冷媒を圧縮する。圧縮機12をオンすると、圧縮機12が作動し、圧縮機12によって圧縮された冷媒が圧縮機12から送り出される。圧縮機12をオフすると、圧縮機12から送り出される冷媒の流れが停止する。なお、圧縮機12は一定の速度で作動してもよいし、作動速度が変更可能であってもよい。圧縮機12で圧縮された冷媒は、高温高圧の気体となり、圧縮冷媒流路22に送られる。圧縮機12には、潤滑油が供給されており、潤滑油によって、圧縮機構の摺動部(図示省略)が潤滑される。潤滑油は、冷媒と共に圧縮機12から圧縮冷媒流路22に送り出される。
【0016】
油分離機14は、圧縮冷媒流路22に配置されている。すなわち、油分離機14は、圧縮機12と凝縮器16の間に配置されている。圧縮機12から送り出された冷媒と潤滑油は、油分離機14に供給される。油分離機14は、冷媒と潤滑油を分離する。分離された潤滑油は、潤滑油リターン流路28に送り出される。潤滑油リターン流路28の一端は油分離機14に接続しており、他端は第2冷媒流路26の圧縮機12の近傍(すなわち、圧縮機12の上流側の近傍)に接続している。油分離機14から潤滑油リターン流路28に送り出された潤滑油は、第2冷媒流路26に送られる。第2冷媒流路26を流れる冷媒及び潤滑油は圧縮機12に向かって流れているため、潤滑油リターン流路28から第2冷媒流路26に送られた潤滑油は圧縮機12戻される。一方、油分離機14で潤滑油が分離された冷媒は、圧縮冷媒流路22に送り出され、凝縮器16に送られる。油分離機14では、冷媒と潤滑油を完全に分離することはできない。このため、油分離機14で分離されない潤滑油は、冷媒と共に凝縮器16に送られる。
【0017】
凝縮器16は、圧縮機12によって圧縮された冷媒を凝縮する。凝縮器16に送られた冷媒は、ファン(図示省略)によって冷却される。ファンはモータ(図示省略)によって駆動されている。なお、ファンは一定の速度で駆動してもよいし、駆動速度が変更可能であってもよい。凝縮器16によって凝縮された冷媒は、凝縮器16に送られた潤滑油と共に第1冷媒流路24に送られる。膨張弁18は、第1冷媒流路24に配置されている。膨張弁18は、凝縮器16によって凝縮された冷媒を減圧する。すなわち、凝縮器16から第1冷媒流路24に送られた冷媒は、膨張弁18によって減圧され、第1冷媒流路24に送られた潤滑油と共に冷却器20に送られる。また、圧縮機12の流出口と冷却器20の流入口の間には、流量調整バルブ52が配置されている。詳細には、流量調整バルブ52は、凝縮器16の上流側と膨張弁18の下流側を接続するバイパス流路に配置される。流量調整バルブ52を調整することによって、凝縮器16に供給される冷媒の量を調整することができる。
【0018】
冷却器20は、プレート式熱交換器であり、凝縮された冷媒によって作動流体を冷却する。冷却器20には、下方に近い側面に第1冷媒流路24が接続しており、上方に近い側面に第2冷媒流路26が接続している。すなわち、冷却器20では、冷媒が下方から供給され、上方から排出される。
【0019】
図2に示すように、冷却器20は、複数のプレート62と、冷媒供給流路64と、冷媒排出流路66と、作動流体供給流路68と、作動流体排出流路70を備えている。プレート62は金属プレートであり、複数のプレート62は水平方向に積層されている。隣接するプレート62の間に冷媒又は作動流体が流れるように、複数のプレート62が間隔を空けて配置されている。また、両者の熱交換効率を向上するために、各プレート62の表面はプレス加工されている。隣接するプレート62の間の流路72には、冷媒と作動流体が交互に流れるように構成されている。図2に示すように、隣接する複数の流路72が、流路72a、72b、72c、72d、72e、72fの順で配置される場合には、例えば、流路72a、72c、72eには冷媒が流され、流路72b、72d、72fには作動流体が流される。
【0020】
冷媒供給流路64は冷却器20の下方に配置され、第1冷媒流路24に接続している。冷媒排出流路66は冷却器20の上方に配置され、第2冷媒流路26に接続している。冷媒供給流路64の流路断面積は、後述する第1冷媒流路24の第1流路部42の流路断面積と略同一となっている(図示省略)。第1冷媒流路24を流れる冷媒は、冷媒供給流路64に送られる。冷媒供給流路64に送られた冷媒は、流路72a、72c、72e等を通って冷媒排出流路66に送られる。冷媒排出流路66に送られた冷媒は、第2冷媒流路26に送り出される。作動流体は、工作機械から作動流体供給流路68に送られる。作動流体供給流路68に送られた作動流体は、流路72b、72d、72f等を通って作動流体排出流路70に送られる。作動流体排出流路70に送られた作動流体は、再び工作機械に戻される。
【0021】
隣接する流路72には、冷媒と作動流体が交互に流される。このため、冷媒が流れる流路72(例えば、流路72a)と作動流体が流れる流路72(例えば、流路72b)の間に配置されるプレート62を介して、冷媒と作動流体の間で熱交換が行われる。すなわち、作動流体は冷媒によって冷却される。また、作動流体と熱交換した冷媒は、温められて液相から気相へ相変化する。冷却器20内では、気相の冷媒が上方に移動し易く、冷媒と共に冷却器20に供給された潤滑油が下方に溜まり易くなる。
【0022】
冷却器20から送り出された冷媒は、第2冷媒流路26に送られ、第2冷媒流路26内に配置されるアキュムレータを介して圧縮機12に戻される。そして、圧縮機12に戻された冷媒は再び圧縮される。また、圧縮機12と冷却器20の間には、均圧バルブ56が配置されている(図1参照)。詳細には、均圧バルブ56は、圧縮機12の上流側と下流側を接続するバイパス流路に配置される。均圧バルブ56を調整すると、圧縮機12から供給される冷媒がバイパス流路を介して第2冷媒流路26に戻され、第2冷媒流路26から冷却器20に冷媒が供給される。このため、均圧バルブ56を調整することによって、冷却器20内の流路72を逆洗することができ、流路72内に残留する潤滑油を冷却器20の下方に移動させることができる。
【0023】
エジェクタ50と潤滑油回収流路30の構成について説明する。まず、図3を参照して、潤滑油回収流路30と第1冷媒流路24の接続部分について説明する。第1冷媒流路24は、冷却器20の下方に位置する冷媒供給流路64と接続している。図3に示すように、第1冷媒流路24は、第1流路部42と、第2流路部44と、接続部46を備えている。
【0024】
第1流路部42は、第1冷媒流路24の冷却器20側に位置しており、冷却器20に接続している。第2流路部44は、第1流路部42に接続しており、凝縮器16まで伸びている。すなわち、第1冷媒流路24は、その大部分が第2流路部44によって構成されており、冷却器20と接続する一部分のみが第1流路部42によって構成されている。第1流路部42の内径R1は、第2流路部44の内径R2より大きくされている。すなわち、第1流路部42の流路断面積は、第2流路部44の流路断面積より大きくされている。また、上述したように、第1流路部42の流路断面積は、冷媒供給流路64の流路断面積と略同一となっている。第1流路部42の流路断面積(すなわち、冷媒供給流路64の流路断面積)が大きくされることによって、第1流路部42と冷媒供給流路64が冷媒を一時的に貯留する貯留部として機能する。このため、冷却器20の複数の流路72のそれぞれに冷媒を供給し易くなり、冷却器20の冷却能力を高くすることができる。したがって、冷却器20によって、比較的粘度が高い作業流体(例えば、作動油であるVG68等)を冷却ユニット10に用いても、作動流体を効率的に冷却することができる。
【0025】
また、第1流路部42の流路断面積が第2流路部44の流路断面積より大きくされることによって、第1流路部42を流れる冷媒と潤滑油の速度は、第2流路部44を流れる冷媒と潤滑油の速度より遅くなる。このため、第1流路部42では、冷媒と潤滑油の滞留時間が長くなり、冷媒を主成分とする液相と、潤滑油を主成分とする液相に分離し易くなる。例えば、本実施例では、冷媒にフロンを用いており、潤滑油にVG68を用いている。冷媒(例えば、フロン)の比重は、潤滑油(例えば、VG68)の比重より大きい。このため、第1流路部42内では、冷媒を主成分とする液相が下方に位置し、潤滑油を主成分とする液相が上方に位置する。
【0026】
接続部46は、第1流路部42の底面に設けられており、第1流路部42から下方に向かってテーパ状に伸びている。接続部46には、潤滑油回収流路30の第1冷媒流路24側の第1端部32が接続している。すなわち、接続部46は、第1流路部42(すなわち、第1冷媒流路24)と潤滑油回収流路30を接続している。接続部46が第1流路部42から分岐することによって、接続部46と潤滑油回収流路30が接続し易くなる。なお、本実施例では、接続部46はテーパ状であるが、このような構成に限定されない。接続部46は、潤滑油回収流路30を接続可能な形状であればよい。
【0027】
第1端部32は、接続部46内を貫通しており、第1冷媒流路24の内部に突出している。第1端部32は、第1流路部42の底面より上方に位置しており、冷却ユニット10の運転時(詳細には、運転開始から所定時間が経過して定常状態に移行した後)には潤滑油を主成分とする液相内に位置している。上述したように、本実施例では、潤滑油を主成分とする液相は、冷媒を主成分とする液相より上方に位置している。したがって、第1端部32は、接続部46内を貫通し、さらに冷媒を主成分とする液相を貫通して、潤滑油を主成分とする液相内に位置する。なお、第1端部32は、「一端部」の一例である。
【0028】
次に、図4を参照して、潤滑油回収流路30とエジェクタ50の接続部分について説明する。エジェクタ50は、第2冷媒流路26の冷却器20の近傍に配置されている(図1参照)。図4に示すように、潤滑油回収流路30のエジェクタ50側の第2端部34は、エジェクタ50に接続している。エジェクタ50の流路断面積は、第2冷媒流路26の流路断面積より小さくなっており、冷却器20から流出する冷媒の速度はエジェクタ50で速くなる。このため、エジェクタ50に接続される潤滑油回収流路30の内部が負圧となり、第1端部32から第1流路部42内の潤滑油及び冷媒が吸引される。上述したように、潤滑油回収流路30の第1端部32は潤滑油を主成分とする液相に位置している。このため、潤滑油回収流路30に多量の潤滑油を送ることができる。潤滑油回収流路30を介して吸引された潤滑油とその潤滑油と共に吸引された冷媒は、エジェクタ50から第2冷媒流路26に供給され、第2冷媒流路26内を流れる冷媒と共に圧縮機12に戻される。なお、第2端部34は、「他端部」の一例である。
【0029】
本実施例の冷却ユニット10は、エジェクタ50と潤滑油回収流路30を備えることによって、第1流路部42に貯留する潤滑油を第2冷媒流路26に供給することができる。上述したように、冷却器20に供給された潤滑油は、第2冷媒流路26から排出され難く、冷却器20の下方に溜まり易い。冷却ユニット10では、潤滑油回収流路30によって第1流路部42とエジェクタ50とを接続することによって、冷却器20に供給される前の潤滑油を第2冷媒流路26に供給することができる。このため、冷却器20に供給される潤滑油の量を減少させることができ、潤滑油を圧縮機12に戻すことができる。したがって、圧縮機12に潤滑油が供給されない状態を回避することができ、圧縮機12を潤滑することができる。
【0030】
なお、本実施例では、冷媒にフロンを用いており、潤滑油にVG68を用いているが、このような構成に限定されない。冷媒及び潤滑油の種類は、冷却ユニット10によって冷却する冷却対象に応じて変更してもよい。また、冷媒の比重が潤滑油の比重より小さくなるような冷媒と潤滑油の組み合わせを用いてもよい。さらに、本実施例の冷却ユニット10は、工作機械の発熱部位を冷却するために用いられているが、このような用途に限定されない。冷却ユニット10は、冷媒が圧縮機12と凝縮器16と冷却器20の間を循環する冷凍サイクルを構成すればよく、例えば、空気調和機等の冷凍サイクルに用いてもよい。
【実施例2】
【0031】
上述の実施例1の冷却ユニット10は油分離機14を備えていたが、このような構成に限定されない。例えば、図5に示すように、冷却ユニット100は、油分離機14を備えてなくてもよい。なお、冷却ユニット100は、実施例1の冷却ユニット10の油分離機14と潤滑油リターン流路28を備えていないものであり、その他の構成は略同一となっている。そこで、実施例1の冷却ユニット10と同一の構成については、その説明を省略する。
【0032】
冷却ユニット100では、圧縮機12と凝縮器16の間に油分離機14が配置されていない。このため、圧縮機12から冷媒と共に圧縮冷媒流路22に送り出された潤滑油は、回収されることなく凝縮器16に供給される。したがって、凝縮器16には、比較的に多量の潤滑油が供給される。凝縮器16に供給された多量の潤滑油は、冷媒と共に第1冷媒流路24に送られる。潤滑油と冷媒は、第1流路部42に送られると、冷媒を主成分とする液相と、潤滑油を主成分とする液相に分離する。本実施例の冷却ユニット100では、実施例1の冷却ユニット10より多量の潤滑油が凝縮器16及び第1冷媒流路24に送られる。しかしながら、冷却ユニット100においても、エジェクタ50と潤滑油回収流路30を備えることによって、第1流路部42内の潤滑油を第2冷媒流路26に送り出すことができる。このため、冷却器20内に潤滑油が溜まることを抑制することができ、潤滑油を圧縮機12に供給することができる。
【0033】
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0034】
10、100:冷却ユニット
12:圧縮機
14:油分離機
16:凝縮器
18:膨張弁
20:冷却器
22:圧縮冷媒流路
24:第1冷媒流路
26:第2冷媒流路
28:潤滑油リターン流路
30:潤滑油回収流路
32:第1端部
34:第2端部
42:第1流路部
44:第2流路部
46:接続部
50:エジェクタ
62:プレート
64:冷媒供給流路
66:冷媒排出流路
68:作動流体供給流路
70:作動流体排出流路
図1
図2
図3
図4
図5