【実施例】
【0031】
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0032】
[実施例1]
ポリエステルマルチフィラメント糸420dを経糸と緯糸に用い、経糸と緯糸の糸密度を16本/inchとし、からみ糸をポリエステルマルチフィラメント糸50dとしたラッセルメッシュのメッシュ状基布を得た。このメッシュ状基布の質量は68g/m
2であった。
前記ラッセルメッシュのメッシュ状基布の全面に軟質塩化ビニル系樹脂層を付与させるため下記の軟質塩化ビニル系樹脂配合〔配合1〕のゾルを配合調整した。
軟質塩化ビニル系樹脂配合〔配合1〕
ポリ塩化ビニル樹脂 46.9 質量%
フタル酸ジイソノニル(可塑剤) 28.2 質量%
Ba−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.8 質量%
Ca−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.5 質量%
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (安定化助剤) 0.1 質量%
三酸化アンチモン(難燃剤) 4.7 質量%
酸化チタン(平均粒子径0.2〜0.4μm:ルチル型:水酸化アルミニウム表面被覆)
9.4 質量%
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(防黴剤) 0.01質量%
ピレスロイド系化合物(ペルメトリン)(防虫剤) 9.4 質量%
次に、前記メッシュ状基布を〔配合1〕のゾル浴中に浸漬後に、1対のゴムロールで圧搾した後、180℃の熱風乾燥炉内で2分間熱処理を行い、〔配合1〕のゾルをゲル化して202g/m
2のメッシュシートを得た。得られたメッシュシートはヒトスジシマカに対する有効なノックダウン効果(約60分)が発現され、624時間の促進耐候試験後は約120分にノックダウン時間が延び、防虫効果がやや低減したが、比較例1の300分よりも促進耐候試験後の防虫効果継続性に優れたものであった。
【0033】
[実施例2]
実施例1で用いたメッシュ状基布の両面に軟質塩化ビニル系樹脂層を付与させるため前記〔配合1〕の軟質塩化ビニル系樹脂コンパウンドを配合し、これを180℃の2本ロールで混練した後カレンダー圧延して厚さ0.07mmの延伸フィルムを成型した。 次に、ラミネーターを用いて180℃設定の熱ロール条件で、実施例1のメッシュ状基布の両面に、厚さ0.07mmのフィルムを熱圧着して一体化して245g/m
2のターポリンシートを得た。得られたターポリンシートはヒトスジシマカに対する有効なノックダウン効果(約90分)が発現され、624時間の促進耐候試験後は約160分にノックダウン時間が延び、防虫効果がやや低減したが、比較例1の300分よりも促進耐候試験後の防虫効果継続性に優れたものであった。
【0034】
[実施例3]
実施例1の軟質塩化ビニル系樹脂層を二層構造とした以外は実施例1と同様とした。
先ず、実施例1で用いたメッシュ状基布の全面に軟質塩化ビニル系樹脂層(内層/外層)を付与させるため下記の内層用の軟質塩化ビニル系樹脂配合〔配合2〕、及び下記の外層用の軟質塩化ビニル系樹脂配合〔配合3〕の各ゾルを配合調整した。
軟質塩化ビニル系樹脂配合〔(内層)配合2〕
ポリ塩化ビニル樹脂 46.9 質量%
フタル酸ジイソノニル(可塑剤) 28.2 質量%
Ba−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.8 質量%
Ca−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.5 質量%
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (安定化助剤) 0.1 質量%
三酸化アンチモン(難燃剤) 4.7 質量%
酸化チタン(平均粒子径0.2〜0.4μm:ルチル型:水酸化アルミニウム表面被覆)
7.0 質量%
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(防黴剤) 0.01質量%
ピレスロイド系化合物(ペルメトリン)(防虫剤) 11.7 質量%
次に、実施例1のシート質量と同様の質量とするため、〔配合2〕のゾルを東燃ゼネラル石油(株)の商品名アイソパーGの希釈剤で希釈し、前記メッシュ状基布を前記希釈した〔配合2〕のゾル浴中に浸漬後に、1対のゴムロールで圧搾した後、180℃の熱風乾燥炉内で2分間熱処理を行い、〔配合2〕のゾルをゲル化して125g/m
2のメッシュシート中間体を得た。次に、この中間体を下記〔配合3〕のゾル浴中に浸漬後に、1対のゴムロールで圧搾した後、180℃の熱風乾燥炉内で2分間熱処理を行い、〔配合3〕ゾルをゲル化して208g/m
2のメッシュシート(外層:内層の質量比3:2)を得た。
軟質塩化ビニル系樹脂配合〔(外層)配合3〕
ポリ塩化ビニル樹脂 46.9 質量%
フタル酸ジイソノニル(可塑剤) 28.2 質量%
Ba−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.8 質量%
Ca−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.5 質量%
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (安定化助剤) 0.1 質量%
三酸化アンチモン(難燃剤) 4.7 質量%
酸化チタン(平均粒子径0.2〜0.4μm:ルチル型:水酸化アルミニウム表面被覆)
11.7 質量%
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(防黴剤) 0.01質量%
ピレスロイド系化合物(ペルメトリン)(防虫剤) 7.0 質量%
得られたメッシュシートはヒトスジシマカに対する有効なノックダウン効果(約70分)が発現され、624時間の促進耐候試験後は約110分にノックダウン時間が延び、防虫効果がやや低減したが、比較例1の300分よりも促進耐候試験後の防虫効果継続性に優れたものであり、特に軟質塩化ビニル系樹脂層を二層構造としたことで耐候性に優れ、実施例1のメッシュシートよりも約10分のノックダウン効果に優れたものであった。
【0035】
[実施例4]
実施例1で用いたメッシュ状基布の両面に軟質塩化ビニル系樹脂層(二層構造)を付与させるため前記〔配合2〕の内層用軟質塩化ビニル系樹脂コンパウンド、及び前記〔配合3〕の外層用軟質塩化ビニル系樹脂コンパウンドを配合し、各々を180℃の2本ロールで混練した後カレンダー圧延して厚さ0.035mmの2種類の延伸フィルム(〔配合2〕と〔配合3〕)を成型した。
次に、ラミネーターを用いて180℃設定の熱ロール条件で、実施例1のメッシュ状基布の両面に、〔配合2〕のフィルムを熱圧着して一体化して158g/m
2のターポリンシート中間体を得た。次に、この中間体の両面に、〔配合3〕のフィルムを熱圧着して一体化して250g/m
2のターポリンシート(外層:内層の質量比1:1)を得た。
得られたターポリンシートはヒトスジシマカに対する有効なノックダウン効果(約100分)が発現され、624時間の促進耐候試験後は約150分にノックダウン時間が延び、防虫効果がやや低減したが、比較例1の300分よりも促進耐候試験後の防虫効果継続性に優れたものであり、特に軟質塩化ビニル系樹脂層を二層構造としたことで耐候性に優れ、実施例2のターポリンシートよりも約10分のノックダウン効果に優れたものであった。
【0036】
[実施例5]
実施例3のメッシュシートの二層構造の軟質塩化ビニル系樹脂層の内層〔配合2〕を、下記の軟質塩化ビニル系樹脂配合〔(内層)配合4〕に変更した以外は実施例3と同様とし、126g/m
2のメッシュ中間シート、211g/m
2のメッシュシートを得た。
次にこのメッシュシートを200℃で1分間加熱し、〔配合4〕の4,4,-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を熱分解ガス化させることで軟質塩化ビニル系樹脂層(内層)を約2倍の厚さに発泡(主に連続気泡痕を含有)させて210g/m
2のメッシュシート(外層:内層の質量比3:2)を得た。
軟質塩化ビニル系樹脂配合〔(内層)配合4〕
ポリ塩化ビニル樹脂 45.9 質量%
フタル酸ジイソノニル(可塑剤) 27.5 質量%
Ba−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.8 質量%
Ca−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.5 質量%
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (安定化助剤) 0.1 質量%
三酸化アンチモン(難燃剤) 4.6 質量%
酸化チタン(平均粒子径0.2〜0.4μm:ルチル型:水酸化アルミニウム表面被覆)
6.9 質量%
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(防黴剤) 0.01質量%
ピレスロイド系化合物(ペルメトリン)(防虫剤) 11.5 質量%
4,4,-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(発泡剤) 2.3 質量%
得られたメッシュシートはヒトスジシマカに対する有効なノックダウン効果(約70分)が発現され、624時間の促進耐候試験後は約100分にノックダウン時間が延び、防虫効果がやや低減したが、比較例1の300分よりも促進耐候試験後の防虫効果継続性に優れたものであり、特に軟質塩化ビニル系樹脂層を二層構造(内層を主に連続気泡痕を含有する層)としたことで耐候性に優れ、実施例3のメッシュシートよりも約10分、実施例1のメッシュシートよりも約20分のノックダウン効果に優れたものであった。
【0037】
[実施例6]
実施例3のメッシュシートの二層構造の軟質塩化ビニル系樹脂層の外層〔配合3〕を、下記の軟質塩化ビニル系樹脂配合〔(外層)配合5〕に変更した以外は実施例3と同様とし、125g/m
2のメッシュ中間シート、211g/m
2のメッシュシートを得た。
次にこのメッシュシートを200℃で1分間加熱し、〔配合5〕の4,4,-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を熱分解ガス化させることで軟質塩化ビニル系樹脂層(外層)を約2倍の厚さに発泡(主に連続気泡痕を含有)させて209g/m
2のメッシュシート(外層:内層の質量比3:2)を得た。
軟質塩化ビニル系樹脂ゾル〔(外層)配合5〕
ポリ塩化ビニル樹脂 45.9 質量%
フタル酸ジイソノニル(可塑剤) 27.5 質量%
Ba−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.8 質量%
Ca−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.5 質量%
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (安定化助剤) 0.1 質量%
三酸化アンチモン(難燃剤) 4.6 質量%
酸化チタン(平均粒子径0.2〜0.4μm:ルチル型:水酸化アルミニウム表面被覆)
11.5 質量%
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(防黴剤) 0.01質量%
ピレスロイド系化合物(ペルメトリン)(防虫剤) 6.9 質量%
4,4,-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(発泡剤) 2.3 質量%
得られたメッシュシートはヒトスジシマカに対する有効なノックダウン効果(約60分)が発現され、624時間の促進耐候試験後は約100分にノックダウン時間が延び、防虫効果がやや低減したが、比較例1の300分よりも促進耐候試験後の防虫効果継続性に優れたものであり、特に軟質塩化ビニル系樹脂層を二層構造(外層を主に連続気泡痕を含有する層)としたことで耐候性に優れ、実施例3のメッシュシートよりも約10分、実施例1のメッシュシートよりも約20分のノックダウン効果に優れたものであった。
【0038】
[比較例1]
下記配合の軟質塩化ビニル系樹脂ゾルを配合調整した以外は実施例1と同様にして196g/m
2のシートを得た。
ポリ塩化ビニル樹脂 51.8 質量%
フタル酸ジイソノニル(可塑剤) 31.1 質量%
Ba−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.9 質量%
Ca−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.5 質量%
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (安定化助剤) 0.2 質量%
三酸化アンチモン(難燃剤) 5.2 質量%
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(防黴剤) 0.01質量%
ピレスロイド系化合物(ペルメトリン)(防虫剤) 10.4 質量%
【0039】
[比較例2]
下記配合の軟質塩化ビニル系樹脂ゾルを配合調整した以外は実施例1と同様にして200g/m
2のシートを得た
ポリ塩化ビニル樹脂 57.8 質量%
フタル酸ジイソノニル(可塑剤) 34.7 質量%
Ba−Zn系複合安定剤(安定剤) 1.0 質量%
Ca−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.6 質量%
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (安定化助剤) 0.2 質量%
三酸化アンチモン(難燃剤) 5.8 質量%
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(防黴剤) 0.01質量%
【0040】
上記、実施例1〜6、及び比較例1、2で得られたシート材の結果を表1に示す。シート質量、ノックダウンする時間は以下の方法で測定を行った。
【0041】
[シート質量]
JIS L 1096:2010に従いシート材の質量を測定した。
[ノックダウンする時間]
温度約25℃、湿度65%の環境下で、直径90×高さ20mmのプラスチックシャーレの蓋面に10×10mmの正方形の試験シートを置き、プラスチックシャーレの蓋面が底側になるようにプラスチックシャーレと試験シートを反転させる。この中の閉じられた空間に、蚊のヒトスジシマカの羽化後7日間以上経過した雌成虫10頭を放ち、試験シートに強制的に接触させ、10頭全てがノックダウン(生死に拘らず起き上がれなくなる)する時間を求めた。尚、常態のノックダウンする時間とは実施例1〜6、及び比較例1、2で得られたシート材を試験シートとし、促進耐候試験後のノックダウンする時間とは実施例1〜6、及び比較例1、2で得られたシート材を下記条件で促進耐候試験を実施したものを試験シートとした。
[促進耐候試験]
JIS A 1415:2013 6.1 キセノンアークランプによる曝露試験方法の表2のサイクルNo.1で624時間暴露した。
【0042】
【表1】