(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.カラーフィルター用感光性樹脂組成物の概要
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物(以下、単に感光性樹脂組成物ともいう)は、アルカリ可溶性樹脂と、色材と、多官能モノマーとを含む。上記アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有する構成単位と、側鎖に芳香環基を有する構成単位とを含む。実用的には、上記感光性樹脂組成物は、任意の適切な溶剤および/または分散剤、光重合開始剤等の任意の適切な添加剤をさらに含み得る。なお、本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物はネガ型感光性樹脂組成物であることが好ましい。
【0009】
B.アルカリ可溶性樹脂
上記のとおり、アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有する構成単位(A)と、側鎖に芳香環基を有する構成単位(B)とを含む。1つの実施形態においては、上記アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に酸基を有する構成単位(C)および/またはその他の構成単位(D)をさらに含む。上記アルカリ可溶性樹脂は、代表的には、(メタ)アクリル系樹脂である。なお、(メタ)アクリル系樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル系モノマーを少なくとも10重量%以上含有するモノマー組成物を重合した樹脂であれば特に限定されず、該モノマー組成物は、(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能な他のモノマーを含んでいてもよい。
【0010】
上記アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有するモノマー(a)および/または環構造を形成し得るモノマー(a’)と、側鎖に芳香環基を有するモノマー(b)とを含むモノマー組成物を重合して得ることができる。該モノマー組成物は酸基を有するモノマー(c)、酸基を導入し得るモノマー(c’)および/またはその他の構成単位(D)を構成するその他のモノマー(d)をさらに含み得る。1つの実施形態においては、モノマー(b)、モノマー(c)、モノマー(c’)および/またはモノマー(d)は(メタ)アクリル系モノマーであり、好ましくはアクリル系モノマーである。
【0011】
B−1.主鎖に環構造を有する構成単位(A)
上記アルカリ可溶性樹脂が、主鎖に環構造を有する構成単位(A)を有することにより、現像液に対する溶解性が高い感光性樹脂組成物を得ることができる。このような感光性樹脂組成物を用いれば、現像残渣を生じさせることなく、速やかにカラーフィルターを形成することができる。また、主鎖に環構造を有する構成単位(A)を有するアルカリ可溶性樹脂を用いれば、透明性および基板密着性に優れるカラーフィルターを得ることができる。
【0012】
主鎖に環構造を有する構成単位(A)としては、例えば、マレイミド構造、N−置換マレイミド構造、ラクトン環構造、グルタル酸無水物構造、無水マレイン酸構造等を有する構成単位が挙げられる。なかでも好ましくは、マレイミド構造またはN−置換マレイミド構造である。主鎖にマレイミド構造またはN−置換マレイミド構造を有する構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂を用いることにより、現像液に対する溶解性がより高い感光性樹脂組成物を得ることができる。具体的には、主鎖に環構造を有する構成単位(A)は、一般式(1)〜(3)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、一般式(1)で表される構成単位であることがより好ましい。一般式(1)で表される構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂(好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂)を用いれば、強度が高いカラーフィルターを形成し得る感光性樹脂組成物を得ることができる。
【化3】
【0013】
主鎖に環構造を有する構成単位(A)は、一般式(4)〜(7)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種であってもよい。なかでも好ましくは、一般式(4)または(7)で表される構成単位である。
【化4】
式(4)〜(7)中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、好ましくは水素原子または炭素数が1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、より好ましくは水素原子または炭素数が1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
【0014】
主鎖に環構造を有する構成単位(A)は、主鎖に環構造を有するモノマー(a)により構成され得る。主鎖に環構造を有するモノマー(a)としては、例えば、マレイミド、ベンジルマレイミド、フェニルマレイミド、ナフチルマレイミド、N−o−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−m−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド、N−m−クロロフェニルマレイミド、N−p−クロロフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド、N−o−メトキシフェニルマレイミド、N−m−メトキシフェニルマレイミド、N−p−メトキシフェニルマレイミド等の芳香族置換マレイミド類;シクロヘキシルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のアルキル置換マレイミド類等が挙げられる。なかでも好ましくは、マレイミド、ベンジルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドであり、より好ましくはベンジルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドであり、さらに好ましくはベンジルマレイミドである。上記モノマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0015】
主鎖に環構造を有する構成単位(A)を構成するモノマーとして、分子内環化工程によって環構造を形成し得るモノマー(a’)を用いてもよい、モノマー(a’)によれば、一般式(4)〜(7)で表される構成単位が形成される。モノマー(a’)としては、例えば、一般式(8)または(9)で表される1,6−ジエン類が挙げられる。
【化5】
式(8)および(9)中、R
1、R
2およびR
3は上記で説明したとおりである。
【0016】
主鎖に環構造を有する構成単位(A)の含有割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部(質量部)に対して、好ましくは5重量部〜50重量部であり、より好ましくは8重量部〜30重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜25重量部である。
【0017】
アルカリ可溶性樹脂形成する上記モノマー組成物I中、主鎖に環構造を有するモノマー(a)の含有割合は、モノマー組成物I中の全モノマー100重量部に対して、好ましくは5重量部〜50重量部であり、より好ましくは8重量部〜30重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜25重量部である。また、アルカリ可溶性樹脂形成する上記モノマー組成物I中、環構造を形成し得るモノマー(a’)の含有割合は、モノマー組成物I中の全モノマー100重量部に対して、好ましくは5重量部〜50重量部であり、より好ましくは8重量部〜30重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜25重量部である。
【0018】
B−2.側鎖に芳香環基を有する構成単位(B)
上記アルカリ可溶性樹脂が、側鎖に芳香環基を有する構成単位(B)を有することにより、顔料の分散安定性に優れる感光性樹脂組成物を得ることができる。また、側鎖に芳香環基を有する構成単位(B)を有するアルカリ可溶性樹脂を用いれば、現像速度に優れる感光性樹脂組成物を得ることができる。また、側鎖に芳香環基を有する構成単位(B)を有するアルカリ可溶性樹脂を含む感光性樹脂組成物を用いて作製されたカラーフィルターは、基板との密着性に優れ、かつ、平滑性にも優れる。
【0019】
好ましくは、側鎖に芳香環基を有する構成単位(B)は、側鎖にビフェニル基を有する構成単位(B1)である。また、好ましくは、側鎖に芳香環基を有する構成単位(B)は、(メタ)アクリル系モノマー由来の構成単位である。このような構成単位(B1)としては、例えば、ビフェニル(メタ)アクリレート、o−ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート(エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート)、o−ビフェニルオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、m−ビフェニルオキシエチルアクリレート、p−ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、o−ビフェニルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、p−ビフェニルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、m−ビフェニルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−ビフェニル=カルバマート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−p−ビフェニル=カルバマート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−m−ビフェニル=カルバマート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート、o−ビフェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート等の側鎖にビフェニル基を有するモノマー(b1)由来の構成単位が挙げられる。なかでも好ましくは、アクリル系モノマー由来の構成単位である。二重結合部分にメチル基を有さないアクリル系モノマーを用いれば、現像速度が速い感光性樹脂組成物を得ることができる。1つの実施形態において、側鎖にビフェニル基を有する構成単位(B1)は、一般式(10)または(11)で表されるモノマー(b1)由来の構成単位である。より好ましくは、側鎖にビフェニル基を有する構成単位(B1)は、一般式(11)で表されるモノマー(b1)由来の構成単位である。なお、上記モノマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
【化6】
式(11)中、n1は1〜10であり、好ましくは1または2である。
【0020】
側鎖に芳香環基を有する構成単位(B)の含有割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは10重量部〜80重量部であり、より好ましくは15重量部〜70重量部であり、さらに好ましくは20重量部〜65重量部である。このような範囲であれば、本発明の効果はより顕著となる。
【0021】
アルカリ可溶性樹脂形成する上記モノマー組成物I中、側鎖にビフェニル基を有するモノマー(b)の含有割合は、モノマー組成物I中の全モノマー100重量部に対して、好ましくは20重量部〜80重量部であり、より好ましくは30重量部〜70重量部であり、さらに好ましくは40重量部〜65重量部である。このような範囲であれば、本発明の効果はより顕著となる。
【0022】
B−3.側鎖に酸基を有する構成単位(C)
好ましくは、上記アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に酸基を有する構成単位(C)を有する。アルカリ可溶性樹脂が側鎖に酸基を有する構成単位(C)を有していれば、アルカリ現像性に優れる感光性樹脂組成物を得ることができる。側鎖に酸基を有する構成単位(C)を構成するモノマー(酸基を有するモノマー(c))としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、イタコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート等のカルボキシル基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー等が挙げられる。なかでも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらのモノマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0023】
側鎖に酸基を有する構成単位(C)を構成するモノマーとして、酸基を導入し得るモノマー(c’)を用いてもよい。モノマー(c’)は、重合後の酸基付与を可能とするモノマーである。モノマー(c’)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマー、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。酸基を付与するための後処理は、用いるモノマー(c’)の種類によって異なるが、水酸基を有するモノマー(c’)を用いた場合には、例えば、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させればよい。エポキシ基を有するモノマー(c’)を用いた場合には、例えば、N−メチルアミノ安息香酸、N−メチルアミノフェノール等のアミノ基と酸基を有する化合物を付加するか、もしくは、(メタ)アクリル酸等の酸を付加させた後に生じた水酸基に、酸無水物(例えば、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物)を付加させればよい。また、イソシアネート基を有するモノマー(c’)を用いた場合には、例えば、2−ヒドロキシ酪酸等の水酸基と酸基を有する化合物を付加させればよい。
【0024】
側鎖に酸基を有する構成単位(C)の含有割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは10重量部〜60重量部であり、より好ましくは15重量部〜50重量部であり、さらに好ましくは15重量部〜45重量部である。
【0025】
アルカリ可溶性樹脂形成する上記モノマー組成物I中、酸基を有するモノマー(c)の含有割合は、好ましくは15重量部〜60重量部であり、より好ましくは20重量部〜50重量部であり、さらに好ましくは20重量部〜45重量部である。また、アルカリ可溶性樹脂形成する上記モノマー組成物I中、酸基を導入し得るモノマー(c’)の含有割合は、好ましくは15重量部〜60重量部であり、より好ましくは20重量部〜50重量部であり、さらに好ましくは20重量部〜45重量部である。
【0026】
B−4.その他の構成単位(D)
上記アルカリ可溶性樹脂は、その他の構成単位(D)をさらに有していてもよい。その他の構成単位としては、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位(D1)、上記モノマー(a)、モノマー(a’)、モノマー(b)、モノマー(c)および/またはモノマー(c’)と重合可能なその他のモノマー(d2)由来の構成単位(D2)等が挙げられる。
【0027】
(側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位(D1))
上記アルカリ可溶性樹脂が、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位(D1)を有することにより、架橋密度が高く、破壊強度が高いカラーフィルターを形成し得る感光性樹脂組成物を得ることができる。また、色材分散性に特に優れる感光性樹脂組成物を得ることができる。構成単位(D1)を有するアルカリ可溶性樹脂と、後述の多官能モノマー(好ましくは、オキシアルキレン基を有さない多官能モノマー)とを組み合わせて感光性樹脂組成物を構成する場合に、上記効果は特に顕著となる。
【0028】
側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位(D1)としては、例えば、一般式(12)で表される構成単位が挙げられる。
【化7】
式(12)中、R
7、R
8およびR
9はそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、好ましくは水素原子である。R
10は、炭素数が1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数が2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基または炭素数が6〜20の芳香族炭化水素基であり、好ましくは水素原子、炭素数が1〜20の直鎖状のアルキル基、炭素数が2〜20の直鎖状のアルケニル基または炭素数が6〜20の芳香族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数が1〜10の直鎖状のアルキル基または炭素数が6〜12の芳香族炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数が1〜5の直鎖状のアルキル基、フェニル基またはビフェニル基であり、特に好ましくはメチル基、フェニル基またはビフェニル基である。なお、アルキル基、アルケニル基および芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。AOは、オキシアルキレン基を表す。AOで表されるオキシアルキレン基の炭素数は2〜20であり、好ましくは2〜10であり、より好ましくは2〜5であり、さらに好ましくは2である。構成単位(D1)は1種または2種以上のオキシアルキレン基を含み得る。xは0〜2の整数を表す。yは0または1を表す。n2は、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2以上であり、好ましくは2〜100であり、より好ましくは2〜50であり、さらに好ましくは2〜15である。n2がこのような範囲であれば、基材との密着性に優れるカラーフィルターを形成し得る感光性樹脂組成物を得ることができる。
【0029】
側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位(D1)は、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有するモノマー(d1)により構成される。モノマー(d1)としては、例えば、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート(EO2モル)、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO4モル)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO9モル)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO13モル)、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO4―17モル)、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(PO5モル)、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート(EO2モル)等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。なお、本明細書において、例えば「EO2モル」、「PO5モル」等の表記は、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表す。
【0030】
側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位(D1)の含有割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜10重量部であり、より好ましくは0.5重量部〜5重量部である。
【0031】
アルカリ可溶性樹脂形成する上記モノマー組成物I中、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有するモノマー(d1)の含有割合は、好ましくは1重量部〜10重量部であり、より好ましくは2重量部〜5重量部である。
【0032】
(その他のモノマー(d2)由来の構成単位(D2))
上記その他のモノマー(d2)由来の構成単位(D2)は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコールル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデシルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシプロピレングリコール、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロイルモルホリン(モルホリノ(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−トリフェニルメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ブタジエン、イソプレン等のブタジエンまたは置換ブタジエン化合物、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル等のエチレンまたは置換エチレン化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類等のモノマー(d2)由来の構成単位が挙げられる。これらのモノマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0033】
上記構成単位(D2)の含有割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは0重量部〜55重量部であり、より好ましくは5重量部〜50重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜45重量部である。
【0034】
B−5.アルカリ可溶性樹脂の重合
上記アルカリ可溶性樹脂は、上記モノマーを含むモノマー組成物を、任意の適切な方法で重合して得ることができる。重合方法としては、例えば、溶液重合法が挙げられる。
【0035】
上記モノマー組成物は、任意の適切な溶媒を含み得る。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。上記モノマー組成物を重合する際の重合濃度は、好ましくは5重量%(質量%)〜90重量%であり、より好ましくは5重量%〜50重量%であり、さらに好ましくは10重量%〜50重量%である。
【0036】
上記モノマー組成物は、任意の適切な重合開始剤を含み得る。重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物等が挙げられる。重合開始剤の含有割合は、モノマー組成物中の全モノマー100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜15重量部、より好ましくは0.2重量部〜10重量部である。
【0037】
上記モノマー組成物は、任意の適切な連鎖移動剤を含み得る。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、β―メルカプトプロピオン酸等の単官能チオール化合物;両末端メルカプト変性ポリシロキサン等の2官能チオール化合物;側鎖がメルカプト変性された側鎖多官能メルカプト変性ポリシロキサン等が挙げられる。連鎖移動剤の含有割合は、モノマー組成物中の全モノマー100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜15重量部、より好ましくは0.5重量部〜10重量部である。
【0038】
上記アルカリ可溶性樹脂を溶液重合法により重合する際の重合温度は、好ましくは40℃〜150℃であり、より好ましくは60℃〜130℃である。
【0039】
上記アルカリ可溶性樹脂は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
【0040】
上記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、好ましくはテトラヒドロフラン(THF)溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法(GPC)で測定した値が、好ましくは3,000〜200,000であり、より好ましくは4,000〜100,000であり、さらに好ましくは5,000〜50,000である。このような範囲であれば、耐熱性を確保し、かつ、塗膜形成に適切な粘度を有する感光性樹脂組成物を得ることができる。
【0041】
上記アルカリ可溶性樹脂の酸価は、好ましくは20mgKOH/g〜300mgKOH/gであり、より好ましくは25mgKOH/g〜200mgKOH/gであり、さらに好ましくは30mgKOH/g〜150mgKOH/g。このような範囲であれば、アルカリ現像性に優れ、現像残渣の発生が少なく、かつ、密着性に優れるカラーフィルターを形成し得る感光性樹脂組成物を得ることができる。
【0042】
本発明の感光性樹脂組成物中におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1重量%〜50重量%が好ましく、より好ましくは5重量%〜40重量%である。
【0043】
B−6.側鎖に炭素二重結合を有する構成単位(E)を有するアルカリ可溶性樹脂
1つの実施形態においては、上記アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に炭素二重結合を有する構成単位(E)を有する。アルカリ可溶性樹脂が側鎖に炭素二重結合を有する構成単位(E)を有していれば、強度に優れるカラーフィルターを形成し得、かつ、露光感度が高い感光性樹脂組成物を得ることができる。側鎖に炭素二重結合を有する構成単位(E)は、側鎖に酸基を有する構成単位(C)の酸基の一部または全部(好ましくは、一部)を反応点として、炭素二重結合を有する化合物を付加することにより、得ることができる。
【0044】
側鎖に酸基を有する構成単位(C)の酸基がカルボキシル基である場合、炭素二重結合を有する化合物として、エポキシ基と二重結合とを有する化合物、イソシアネート基と二重結合とを有する化合物等が用いられ得る。エポキシ基と二重結合とを有する化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。イソシアネート基と二重結合とを有する化合物としては2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。側鎖に酸基を有する構成単位(C)の酸基がカルボン酸無水物基である場合、炭素二重結合を有する化合物として、水酸基と二重結合とを有する化合物が用いられ得る。水酸基と二重結合とを有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0045】
側鎖に炭素二重結合を有する構成単位(E)を有するアルカリ可溶性樹脂を得る場合、上記モノマー組成物を重合した後、得られた樹脂に上記炭素二重結合を有する化合物を付加する。上記炭素二重結合としてはエチレン性不飽和二重結合が好ましい。炭素二重結合を有する化合物を付加する方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、重合禁止剤および触媒の存在下で、炭素二重結合を有する化合物を、側鎖に酸基を有する構成単位(C)の酸基の一部または全部(好ましくは、一部)に反応させて付加することにより、側鎖に炭素二重結合を有する構成単位(E)を形成させることができる。
【0046】
上記炭素二重結合を有する化合物の付加量は、上記重合後のアルカリ可溶性樹脂(すなわち、炭素二重結合を有する化合物を付加する前のアルカリ可溶性樹脂)100重量部に対して、好ましくは5重量部以上であり、より好ましくは10重量部以上であり、さらに好ましくは15重量部以上であり、特に好ましくは20重量部以上である。このような範囲であれば、露光感度に優れる感光性樹脂組成物を得ることができる。このような感光性樹脂組成物を用いれば、緻密な硬化塗膜を形成して、基板密着性に優れ、強度が高いカラーフィルターを形成することができる。また、炭素二重結合を有する化合物の付加量が上記範囲であれば、炭素二重結合を有する化合物の付加により水酸基が十分に生成され、アルカリ現像液に対する溶解性に優れる感光性樹脂組成物を得ることができる。上記炭素二重結合を有する化合物の付加量の上限は、上記重合後のアルカリ可溶性樹脂(すなわち、炭素二重結合を有する化合物を付加する前のアルカリ可溶性樹脂)100重量部に対して、好ましくは150重量部以下であり、より好ましくは100重量部以下であり、さらに好ましくは80重量部以下である。
【0047】
重合禁止剤としては、例えば、6−tert−ブチル−2,4−キシレノール等のアルキルフェノール化合物が挙げられる。触媒としては、例えば、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン等の3級アミンが挙げられる。
【0048】
C.多官能モノマー
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、多官能モノマーを含み得る。多官能モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の多官能芳香族ビニル系モノマー;(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;これらのモノマーをカプロラクトン変性またはアルキレンオキサイド変性した多官能モノマー等が挙げられる。なかでも好ましくは、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等が好ましい。これらの多官能モノマーを用いれば、官能基数が多いので架橋密度の高いカラーフィルターを得ることができる。本発明では、上記のとおりオキシアルキレン基を有するバインダーポリマーが用いられる一方、上記多官能モノマーについては、オキシアルキレン基を有していてもよく、有していなくてもよい。好ましくは、オキシアルキレン基を有さない多官能モノマーが用いられる。
【0049】
上記多官能モノマーの含有割合は、感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは5重量部〜200重量部であり、より好ましくは10重量部〜150重量部であり、さらに好ましくは30重量部〜120重量部であり、特に好ましくは35重量部〜100重量部である。
【0050】
D.色材
1つの実施形態においては、色材として、顔料が用いられる。顔料としては、任意の適切な顔料が用いられ得る。顔料は、有機顔料であってもよく、無機顔料であってもよい。有機顔料としては、例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、多環式顔料(キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、チオインジゴ系、アントラキノン系、キノフタロン系、金属錯体系、ジケトピロロピロール系等)、染料レーキ系顔料等が挙げられる。無機顔料としては、例えば、白色・体質顔料(酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)、有彩顔料(黄鉛、カドミニウム系、クロムバーミリオン、ニッケルチタン、クロムチタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、ジンククロメート、鉛丹、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム、バナジン酸ビスマス等)、黒色顔料(カーボンブラック、ボーンブラック、グラファイト、鉄黒、チタンブラック等)、光輝材顔料(パール顔料、アルミ顔料、ブロンズ顔料等)、蛍光顔料(硫化亜鉛、硫化ストロンチウム、アルミン酸ストロンチウム等)等が挙げられる。顔料は、目的、用途に応じて、ロジン処理、界面活性剤処理、樹脂系分散剤処理、顔料誘導体処理、酸化皮膜処理、シリカコーティング、ワックスコーティングなどの表面処理がなされていてもよい。
【0051】
顔料の数平均1次粒径は、顔料の種類に応じて、任意の適切な粒径とし得る。顔料の数平均1次粒径は、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは50nm以下である。顔料の数平均1次粒径の下限は、例えば、10nmである。本発明においては、上記アルカリ可溶性樹脂を含有させることにより、顔料分散性が向上し、粒径の小さい顔料を使用することが可能となる。
【0052】
感光性樹脂組成物を調製した直後の顔料の数平均2次粒径(初期粒径)は、好ましくは200nm以下であり、より好ましくは150nm以下であり、さらに好ましくは120nm以下であり、特に好ましくは100nm以下である。なお、粒径は動的光散乱式粒径分布測定装置を用いて測定することができる。
【0053】
感光性樹脂組成物を調製し、40℃の環境下で7日間経過した後の顔料の数平均2次粒径の上記初期粒径に対する変化率(7日経過後の粒径/初期粒径)は、好ましくは150%以下であり、より好ましくは130%以下であり、さらに好ましくは110%以下であり、特に好ましくは105%以下であり、最も好ましくは100%未満である。該変化率の下限は、例えば、90%である。本発明においては、顔料分散の安定性に優れ、経時における顔料の凝集を効果的に抑制することができる。
【0054】
顔料の含有割合は、感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは20重量部〜500重量部であり、より好ましくは50重量部〜400重量部であり、さらに好ましくは80重量部〜300重量部であり、特に好ましくは100重量部〜200重量部である。本発明においては、分散性よく顔料を添加することが可能であるため、顔料の含有割合を多くすることができる。顔料含有量が多い感光性樹脂組成物を用いれば、所望の特性を有しながらも、厚みの薄いカラーフィルターを形成することができる。
【0055】
別の実施形態においては、色材として染料が用いられる。染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が挙げられる。
【0056】
染料の含有割合は、感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは20重量部〜500重量部であり、より好ましくは50重量部〜400重量部であり、さらに好ましくは80重量部〜300重量部であり、特に好ましくは100重量部〜200重量部である。
【0057】
上記顔料と染料を併用してもよい、この場合、顔料および染料の合計含有割合(色材の含有割合は)、感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは20重量部〜500重量部であり、より好ましくは50重量部〜400重量部であり、さらに好ましくは80重量部〜300重量部であり、特に好ましくは100重量部〜200重量部である。
【0058】
E.添加剤
上記感光性樹脂組成物は、添加剤をさらに含み得る。添加剤としては、例えば、分散剤、光重合開始剤等が挙げられる。
【0059】
E−1.分散剤
上記分散剤は、代表的には顔料分散剤であり、上記色材が顔料である場合に、該顔料と併用され得る。分散剤としては、任意の適切な分散剤が用いられ得る。分散剤としては、例えば、樹脂型分散剤(高分子分散剤)、界面活性剤(低分子分散剤)、色素誘導体等が挙げられる。
【0060】
樹脂型分散剤としては、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水素基含有ポリカルボン酸エステル、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0061】
また、構造としては、主鎖が顔料への相互作用部位を有するアンカー鎖で、グラフト鎖が分散媒への相互作用性を有する相溶性鎖であるようなグラフト構造の樹脂や、アンカー鎖と相溶性鎖がブロック構造になっている樹脂が、特に好ましく用いられる。
【0062】
界面活性剤としては具体的には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカチオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤;等が挙げられる。
【0063】
色素誘導体は官能基を色素に導入した構造の化合物であり、官能基としては、例えば、スルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、ジアルキルアミノ基、水酸基、カルボキシル基、アミド基、フタルイミド基等が挙げられ、母体となる色素の構造としては、例えば、アゾ系、アントラキノン系、キノフタロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系等が挙げられる。
【0064】
分散剤の含有割合は、感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは5重量部〜100重量部であり、より好ましくは10重量部〜90重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜85重量部であり、特に好ましくは20重量部〜80重量部である。本発明においては、上記アルカリ可溶性樹脂を含有させることにより顔料の分散性を高めることができるため、分散剤の含有割合を減らすことができる。分散剤が少ない感光性樹脂組成物を用いれば、変色が防止されたカラーフィルターを形成することができる。また、分散剤が少ない感光性樹脂組成物は、カラーフィルターの輝度向上に寄与し得る。
【0065】
また、分散剤の含有割合は、顔料100重量部に対して、好ましくは2重量部〜80重量部であり、より好ましくは5重量部〜60重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜50重量部である。
【0066】
E−2.光重合開始剤
上記光重合開始剤としては、任意の適切な光重合開始剤が用いられ得る。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等のα―アミノケトン類;2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシー2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のα―ヒドロキシケトン類;アシルホスフィンオキサイド類およびキサントン類等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で、または2種類以上組み合わせて用いてもよい。
【0067】
上記光重合開始剤の含有割合は、感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは5重量部〜50重量部であり、より好ましくは10重量部〜40重量部である。
【0068】
また、光重合開始剤に加えて光重合開始助剤を組み合わせて用いてもよい。光重合開始助剤を複数の組み合わせで用いることもできる。光重合開始助剤の具体例としては、1,3,5−トリス(3−メルカプトプロピオニルオキシエチル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−イソシアヌレート(昭和電工社製、カレンズMT(登録商標)NR1)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート等の3官能チオール化合物;ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工社製、カレンズMT(登録商標)PE1)等の4官能チオール化合物;ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−プロピオネート)等の6官能チオール化合物等の多官能チオールが挙げられる。
【0069】
E−3.その他の添加剤
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、任意の適切なその他の添加剤をさらに含み得る。その他の添加剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤、有機微粒子、無機微粒子(酸化亜鉛系、酸化ケイ素系、ジルコニア系、チタン系)、シリカ等の多孔質微粒子、シリカ等の中空微粒子等が挙げられる。
【0070】
F.溶剤
本発明の感光性樹脂組成物は、任意の適切な溶剤を含み得る。溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶剤の量は、所望とする感光性樹脂組成物の粘度に応じて、任意の適切な量に設定され得る。例えば、溶剤は、顔料分散組成物中、50重量%〜90重量%の割合で含まれることが好ましく、60重量%〜90重量%の割合で含まれることがより好ましい。
【0071】
G.カラーフィルター
上記感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルターを得ることができる。本発明の感光性樹脂組成物を用いれば、平滑性に優れ、かつ、基板との密着性にも優れるカラーフィルターを形成することができる。
【0072】
上記カラーフィルターは、フォトリソグラフィにより形成することができる。具体的には、上記感光性樹脂組成物を基板に塗布した後に乾燥させ、得られた塗膜上にフォトマスクを配置して露光し、塗膜を硬化させ、その後、現像することにより、カラーフィルターを形成することができる。フォトリソグラフィによれば、微細なパターンにてカラーフィルターを形成することができる。本発明の感光性樹脂組成物を用いれば、微細なパターンで形成されていても、基板の密着性に優れるカラーフィルターを得ることができる。
【0073】
1つの実施形態においては、上記アルカリ可溶性樹脂と上記色材とを含む色材分散組成物(以下、ミルベースともいう)、および上記アルカリ可溶性樹脂と上記多官能モノマーとを含むクリアレジストを混合して、上記感光性樹脂組成物が調製される。上記ミルベースは、分散剤をさらに含み得る。また、上記クリアレジストは、光重合開始剤をさらに含み得る。また、ミルベースおよび/またはクリアレジストは、任意の適切な溶剤を含み得る。
【0074】
上記ミルベースにおいて、色材の含有割合は、ミルベース中のアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは30重量部〜500重量部であり、より好ましくは50重量部〜500重量部であり、さらに好ましくは80重量部〜450重量部であり、さらに好ましくは100重量部〜400重量部であり、特に好ましくは200重量部〜350重量部である。
【0075】
上記ミルベースにおいて、分散剤の含有割合は、ミルベース中のアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは2重量部〜80重量部であり、より好ましくは5重量部〜60重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜50重量部である。
【0076】
上記クリアレジストにおいて、多官能モノマーの含有割合は、クリアレジスト中のアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは50重量部〜400重量部であり、より好ましくは100重量部〜350重量部であり、さらに好ましくは150重量部〜300重量部である。
【0077】
上記クリアレジストにおいて、光重合開始剤の含有割合は、クリアレジスト中のアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは5重量部〜200重量部であり、より好ましくは10重量部〜150重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜120重量部である。
【0078】
上記感光性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、スピンコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ナイフコーター、アプリケーター等を用いる方法が挙げられる。乾燥温度は、好ましくは40℃〜200℃であり、より好ましくは70℃〜120℃である。乾燥時間は、好ましくは1分間〜30分間であり、より好ましくは2分間〜10分間である。
【0079】
上記フォトマスクの配置位置は、所望とするカラーフィルターのサイズに応じて、任意の適切な位置に配置される。フォトマスクは塗膜の上部に配置され、塗膜とフォトマスクとの距離は、好ましくは0μm〜500μmであり、より好ましく10μm〜400μmであり、さらに好ましくは20μm〜300μmであり、特に好ましくは30μm〜200μmである。
【0080】
上記露光時のUV照射強度(365nm照度換算)は、好ましくは10mJ/cm
2〜200mJ/cm
2であり、より好ましくは20mJ/cm
2〜150mJ/cm
2であり、さらに好ましくは30mJ/cm
2〜100mJ/cm
2である。
【0081】
上記現像に際しては、アルカリ水溶液を用いることが好ましい。環境への負荷が少なく高感度の現像を行うことができるからである。アルカリ成分としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等が用いられる。アルカリ水溶液のアルカリ濃度は、好ましくは0.01重量%〜5重量%であり、より好ましくは0.02重量%〜3重量%であり、さらに好ましくは0.03重量%〜1重量%である。このような範囲であれば、上記感光性樹脂組成物を適切に溶解して、現像性よくカラーフィルターを形成することができる。アルカリ水溶液には界面活性剤をさらに添加してもよい。
【0082】
現像後に、ポストベークを行ってもよい。ポストベーク時の加熱温度は、好ましくは150℃〜300℃である、より好ましくは180℃〜250℃である。加熱時間は、好ましくは10分〜90分であり、より好ましくは20分〜60分である。感光性樹脂組成物が、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位(D1)を有する(メタ)アクリル系樹脂を含んでいれば、ポストベークにより、架橋密度の高いカラーフィルターを形成することができる。
【実施例】
【0083】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。実施例における評価方法は以下のとおりである。
【0084】
(1)重量平均分子量:Mw
GPC(HLC−8220GPC、東ソー社製)にてTHFを溶離液とし、カラムにTSKgel SuperHZM−N(東ソー社製)を用いて測定し、標準ポリスチレン換算にて算出した。
(2)固形分
製造例で調製した共重合体溶液をアルミカップに約0.3gはかり取り、アセトン約1gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。その後、熱風乾燥機(商品名:PHH−101、エスペック株社製)を用い、140℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、重量を測定した。その重量減少量から、ポリマー溶液の固形分(樹脂)の重量を計算した。
(3)酸価
製造例で調製した共重合体溶液を1.5g精秤し、アセトン90gと水10gの混合溶媒に溶解させ、0.1NのKOH水溶液で滴定した。滴定は、自動滴定装置(商品名:COM−555、平沼産業社製)を用いて行い、固形分濃度から、ポリマー1g当たりの酸価を求めた(mgKOH/g)。
(4)現像時間
10cm角のガラス基板上に、感光性樹脂組成物をスピンコーターにより塗布し、オーブンで90℃3分間乾燥した。乾燥後、塗膜から100μmの距離に15μmのラインアンドスペースを有するフォトマスクを配置して2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(商品名「TME−150RNS」、TOPCON社製)によって100mJ/cm
2の強度(365nm照度換算)で紫外線を照射した。紫外線照射後、塗膜に0.05重量%の水酸化カリウム水溶液をスピン現像機にて散布し、未露光部を溶解、除去し、残った露光部を純水で10秒間水洗することにより現像して、ラインアンドスペースのパターンを形成した。
未露光部を溶解除去するのに要する時間を測定し、これを現像時間とした。
(5)密着性
10cm角のガラス基板上に、感光性樹脂組成物をスピンコーターにより塗布し、オーブンで90℃3分間乾燥した。乾燥後、塗膜から100μmの距離に15μmのラインアンドスペースを有するフォトマスクを配置して2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(商品名「TME−150RNS」、TOPCON社製)によって100mJ/cm
2の強度(365nm照度換算)で紫外線を照射した。紫外線照射後、塗膜に0.05重量%の水酸化カリウム水溶液によるアルカリ現像を60秒行った後にパターンの欠損の有無を観察した。
表中、欠損無しである場合を◎、欠損面積が10%未満である場合を○、欠損面積が10以上50%未満である場合を△、欠損面積が50%以上である場合を×とした。
(6)面内均一性(Ra)
10cm角のガラス基板上に、感光性樹脂組成物をスピンコーターにより塗布し、オーブンで90℃3分間乾燥した。乾燥後、塗膜全面に2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(商品名「TME−150RNS」、TOPCON社製)によって100mJ/cm
2の強度(365nm照度換算)で紫外線を照射した。紫外線照射後、塗膜に0.05%の水酸化カリウム水溶液をスピン現像機にて20秒散布後、純水で10秒間水洗した。
得られた硬化膜(範囲:1400μm×1050μm)の算術平均粗さRa(JIS B 0601−2001による)を測定し、面内均一性を評価した。算術平均粗さRaは、レーザー顕微鏡(商品名「VK−9700」、キーエンス社製)を用いた。
【0085】
[製造例1]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、ベンジルマレイミド(BzMI)15g、アクリル酸(AA)32g、1モルエトキシ化フェニルフェノールアクリレート(商品名「HRD−01」、日本蒸溜社製、以下HRD−01ともいう)53g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名「パーブチル(登録商標)O」、日本油脂社製、以下PBOともいう)2g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)42gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、ドデシルメルカプタン(nDM)2.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル(GMA)41g、重合禁止剤として6−tert−ブチル−2,4−キシレノール(商品名「トパノール」、東京化成工業社製)0.3g、触媒としてジメチルベンジルアミン(DMBA)0.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)38.6重量%を含む共重合体溶液(A−1)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は15000、酸価は70mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を、製造例2〜8とともに、表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
[製造例2]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA21g、64gのHRD−01、PBO2g、PGMEA40gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM0.5g、PGMEA10gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA100gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA14g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5g、PGMEA21gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)39.4重量%を含む共重合体溶液(A−2)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は27000、酸価は97mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
【0088】
[製造例3]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA42g、43gのHRD−01、PBO2g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA41g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)38.5重量%を含む共重合体溶液(A−3)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は16000、酸価は125mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
【0089】
[製造例4]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA42g、43gのHRD−01、PBO2g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA69g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5g、PGMEA19g、PGME8.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)39.0重量%を含む共重合体溶液(A−4)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は18200、酸価は45mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
【0090】
[製造例5]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA32g、53gのHRD−01、PBO2g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM5.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA41g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)38.5重量%を含む共重合体溶液(A−5)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は10400、酸価は69mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
【0091】
[製造例6]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、ジメチル−2、2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート(MD)15g、AA32g、53gのHRD−01、PBO2g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA41g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)38.5重量%を含む共重合体溶液(A−6)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は15200、酸価は70mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
【0092】
[製造例7]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、(α−アリルオキシメチル)アクリル酸メチル(AMA)15g、AA32g、53gのHRD−01、PBO2g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA41g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)38.6重量%を含む共重合体溶液(A−7)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は14900、酸価は71mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
【0093】
[製造例8]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、AA32g、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)68g、PBO2g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18.2gおよびPGME7.8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA41g、重合禁止剤としてトパノール0.3g、触媒としてDMBA0.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アルカリ可溶性樹脂(アクリル系樹脂)38.8重量%を含む共重合体溶液(A−8)を得た。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は15500、酸価は72mgKOH/gであった。共重合体溶液の製造条件、固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を表1に示す。
【0094】
[実施例1]
上記共重合体溶液(A−1)9.07g(すなわち、アルカリ可溶性樹脂3.5g)、分散剤(ビックケミ―・ジャパン社製、商品名「DISPERBYK-2001」、不揮発分1.3g;以下、byk2001と表す)2.83g、色材としての顔料(チバスペシャリティケミカルズ製、商品名「C.I.ピグメントレッド254」;以下、PR254と表す)8.0gを混合した。得られた混合物を、不揮発分濃度が20重量%となるようPGMEAで希釈し、ミルベースR1を得た。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学社製、以下DPHAと表す)3.5gと、上記共重合体溶液(A−1)4.66g(すなわち、アルカリ可溶性樹脂1.8g)と、光重合開始剤としての2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(BASFジャパン社製、商品名「IRGACURE(登録商標)907」;以下Irg907と表す)1.9gと、PGMEAとを混合してクリアレジストR1を得た。
次いで、ミルベースR1とクリアレジストR1とを混合し、不揮発分濃度が20重量%となるようにPGMEAで希釈して、感光性樹脂組成物R1を得た。
得られた感光性樹脂組成物R1を上記評価(4)〜(6)に供した。結果を表2に示す。
【0095】
[実施例2〜8]
クリアレジストに含有させる共重合体溶液(A−1)に代えて、表2に示す共重合体溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物R2〜R8を得た。いずれの実験例においても、クリアレジストに含有させる共重合体溶液は、クリアレジストに添加されるアルカリ可溶性樹脂が1.8gとなるようにして用いた。
得られた感光性樹脂組成物R2〜8を上記評価(4)〜(6)に供した。結果を表2に示す。
【0096】
[実施例9]
ミルベースに含有させる共重合体溶液(A−1)に代えて、共重合体溶液(A−8)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物R9を得た。ミルベースに含有させる共重合体溶液(A−8)は、ミルベースに添加されるアルカリ可溶性樹脂が3.5gとなるようにして用いた。
得られた感光性樹脂組成物R9を上記評価(4)〜(6)に供した。結果を表2に示す。
【0097】
[比較例1]
ミルベースに含有させる共重合体溶液(A−1)に代えて、共重合体溶液(A−8)を用いたこと、および、クリアレジストに含有させる共重合体溶液(A−1)に代えて、共重合体溶液(A−8)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物R10を得た。ミルベースに含有させる共重合体溶液(A−8)は、ミルベースに添加されるアルカリ可溶性樹脂が3.5gとなるようにして用いた。また、クリアレジストに含有させる共重合体溶液(A−8)は、クリアレジストに添加されるアルカリ可溶性樹脂が1.8となるようにして用いた。
得られた感光性樹脂組成物R10を上記評価(4)〜(6)に供した。結果を表2に示す。
【0098】
【表2】
【0099】
[実施例10]
顔料「PR254」8gに代えて、顔料(Heubach社製、商品名「C.I.ピグメントグリーン36」;以下、PG36と表す)4.8gと顔料(Lanxess社製、商品名「C.I.ピグメントイエロー150」;以下、PY150)3.2gとの混合物を用いたこと、および、光重合開始剤「Irg907」1.9gに代えて、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(BASFジャパン社製、商品名「IRGACURE(登録商標)369」;以下、Irg369と表す)1.9gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物G1を得た。
得られた感光性樹脂組成物G1を上記評価(4)〜(6)に供した。結果を表3に示す。
【0100】
[実施例11〜17]
クリアレジストに含有させる共重合体溶液(A−1)に代えて、表3に示す共重合体溶液を用いたこと以外は、実施例10と同様にして、感光性樹脂組成物G2〜G8を得た。いずれの実験例においても、クリアレジストに含有させる共重合体溶液は、クリアレジストに添加されるアルカリ可溶性樹脂が1.8gとなるようにして用いた。
得られた感光性樹脂組成物G2〜8を上記評価(4)〜(6)に供した。結果を表3に示す。
【0101】
[実施例18]
ミルベースに含有させる共重合体溶液(A−1)に代えて、共重合体溶液(A−8)を用いたこと以外は、実施例10と同様にして、感光性樹脂組成物G9を得た。ミルベースに含有させる共重合体溶液(A−8)は、ミルベースに添加されるアルカリ可溶性樹脂が3.5gとなるようにして用いた。
得られた感光性樹脂組成物G9を上記評価(4)〜(6)に供した。結果を表3に示す。
【0102】
[比較例2]
ミルベースに含有させる共重合体溶液(A−1)に代えて、共重合体溶液(A−8)を用いたこと、および、クリアレジストに含有させる共重合体溶液(A−1)に代えて、共重合体溶液(A−8)を用いたこと以外は、実施例10と同様にして感光性樹脂組成物G10を得た。ミルベースに含有させる共重合体溶液(A−8)は、ミルベースに添加されるアルカリ可溶性樹脂が3.5gとなるようにして用いた。また、クリアレジストに含有させる共重合体溶液(A−8)は、クリアレジストに添加されるアルカリ可溶性樹脂が1.8となるようにして用いた。
得られた感光性樹脂組成物G10を上記評価(4)〜(6)に供した。結果を表3に示す。
【0103】
【表3】
【0104】
[実施例19]
顔料「PR254」8gに代えて、顔料(Clariant社製、商品名「C.I.ピグメントバイオレット23」;以下、PV23と表す)1.6gと染料(MP Biomnedicals社製、商品名「C.I.ソルベントブルー35」;以下、SB35と表す)6.4gとの混合物を用いたこと、および、光重合開始剤「Irg907」1.9gに代えて、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(BASFジャパン社製、商品名「IRGACURE(登録商標)369」;以下、Irg369と表す)1.9gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物B1を得た。
得られた感光性樹脂組成物B1を上記評価(4)〜(6)に供した。結果を表4に示す。
【0105】
[実施例20〜26]
クリアレジストに含有させる共重合体溶液(A−1)に代えて、表4に示す共重合体溶液を用いたこと以外は、実施例19と同様にして、感光性樹脂組成物B2〜B8を得た。いずれの実験例においても、クリアレジストに含有させる共重合体溶液は、クリアレジストに添加されるアルカリ可溶性樹脂が1.8gとなるようにして用いた。
得られた感光性樹脂組成物B2〜8を上記評価(4)〜(6)に供した。結果を表4に示す。
【0106】
[実施例27]
ミルベースに含有させる共重合体溶液(A−1)に代えて、共重合体溶液(A−8)を用いたこと以外は、実施例19と同様にして、感光性樹脂組成物B9を得た。ミルベースに含有させる共重合体溶液(A−8)は、ミルベースに添加されるアルカリ可溶性樹脂が3.5gとなるようにして用いた。
得られた感光性樹脂組成物B9を上記評価(4)〜(6)に供した。結果を表4に示す。
【0107】
[比較例3]
ミルベースに含有させる共重合体溶液(A−1)に代えて、共重合体溶液(A−8)を用いたこと、および、クリアレジストに含有させる共重合体溶液(A−1)に代えて、共重合体溶液(A−8)を用いたこと以外は、実施例19と同様にして感光性樹脂組成物B10を得た。ミルベースに含有させる共重合体溶液(A−8)は、ミルベースに添加されるアルカリ可溶性樹脂が3.5gとなるようにして用いた。また、クリアレジストに含有させる共重合体溶液(A−8)は、クリアレジストに添加されるアルカリ可溶性樹脂が1.8となるようにして用いた。
得られた感光性樹脂組成物B10を上記評価(4)〜(6)に供した。結果を表4に示す。
【0108】
【表4】
【0109】
表2〜4から明らかなように、本願発明の感光性樹脂組成物は、現像速度に優れ、表面平滑性および基板への密着性に優れるカラーフィルターを形成し得る。