特許第6782128号(P6782128)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6782128
(24)【登録日】2020年10月21日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】ボールバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 5/06 20060101AFI20201102BHJP
   F16K 31/04 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
   F16K5/06 G
   F16K31/04 A
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-171210(P2016-171210)
(22)【出願日】2016年9月1日
(65)【公開番号】特開2018-35905(P2018-35905A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2019年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 昌太郎
(72)【発明者】
【氏名】大前 裕之
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭43−004759(JP,B1)
【文献】 特開2012−002355(JP,A)
【文献】 特開平09−210225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 5/06
F16K 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流路に弁室が形成された弁本体と、
貫通孔が形成され、前記弁室内で回転することで、前記流体の流路を開閉するボール弁体とを備え、
前記弁本体は、前記弁室内面の少なくとも一部が曲面で形成され、前記弁室の側壁における前記ボール弁体の回転軸上の対向する位置に、貫通穴と、前記ボール弁体を回転自在に支持する支持部とが形成され、
前記ボール弁体は、表面における回転軸上の対向する位置に、前記支持部に支持される被支持部と、前記貫通穴を介して回転力を伝達する伝達軸と嵌合する嵌合凹部とが形成され
前記伝達軸は、回転軸の周方向に係合部が形成され、
前記嵌合凹部は、前記伝達軸の係合部に対向する係合部が形成され、
前記伝達軸の先端の前記回転軸に直交する平面と、前記嵌合凹部において、前記伝達軸の先端の前記回転軸に直交する平面に対向する平面とに嵌合部が形成される、ボールバルブ。
【請求項2】
前記ボール弁体を回転軸方向に付勢する付勢部材をさらに備える、請求項1に記載のボールバルブ。
【請求項3】
前記付勢部材は、前記伝達軸と前記嵌合凹部との間、前記伝達軸と前記嵌合凹部との間で対向する面に形成された凹部、及び、前記支持部と前記被支持部との間のうち少なくとも1つの位置に配設される、請求項2に記載のボールバルブ。
【請求項4】
前記回転力は、モータによって発生され、前記伝達軸を介して前記ボール弁体に伝達される、請求項1〜のいずれか一項に記載のボールバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
ボールバルブは、流体の流入口と流出口が形成されたハウジング(弁本体)内に、貫通孔が形成されたボール弁体が組み込まれ、ボール弁体がハウジングの外側から操作されて回転することにより、流体の流路が開閉されるバルブである。このようなボールバルブは、例えば、ガスなどの気体や、水などの液体の流路の開閉に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−283306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したボールバルブにおいては、ハウジング内にボール弁体を組み込んだ際のクリアランスによるボール弁体のガタつきを抑えるため、ばね等の付勢部材や付勢部材を支持する支持部材等がハウジング内に配置される場合がある。しかしながら、ボールバルブは、用途によって寸法などに制約があるため、ボール弁体のハウジング内への組み込みの精度を向上させ、ハウジング内の部品点数の増加を抑止することが望まれている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ボール弁体のハウジング内への組み込みの精度を向上させ、ハウジング内の部品点数の増加を抑止することができるボールバルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係るボールバルブは、流体の流路に弁室が形成された弁本体と、貫通孔が形成され、前記弁室内で回転することで、前記流体の流路を開閉するボール弁体とを備える。前記弁本体は、前記弁室内面の少なくとも一部が曲面で形成され、前記弁室の側壁における前記ボール弁体の回転軸上の対向する位置に、貫通穴と、前記ボール弁体を回転自在に支持する支持部とが形成される。前記ボール弁体は、表面における回転軸上の対向する位置に、前記支持部に支持される被支持部と、前記貫通穴を介して前記回転力を伝達する伝達軸と嵌合する嵌合凹部とが形成され、前記伝達軸は、回転軸の周方向に係合部が形成され、前記嵌合凹部は、前記伝達軸の係合部に対向する係合部が形成され、前記伝達軸の先端の前記回転軸に直交する平面と、前記嵌合凹部において、前記伝達軸の先端の前記回転軸に直交する平面に対向する平面とに嵌合部が形成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、ボール弁体のハウジング内への組み込みの精度を向上させ、ハウジング内の部品点数の増加を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、第1の実施形態に係るボールバルブの構成を示す斜視図である。
図1B図1Bは、第1の実施形態に係るボールバルブの構成を示す断面図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るハウジングの斜視図である。
図3A図3Aは、第1の実施形態に係るボールバルブの上面図である。
図3B図3Bは、第1の実施形態に係るボールバルブの上面図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る伝達軸の斜視図である。
図5図5は、第1の実施形態に係るボール弁体の斜視図である。
図6図6は、第1の実施形態に係るボール弁体の組み込みを説明するための図である。
図7A図7Aは、第1の実施形態に係る嵌合部の一例を示す図である。
図7B図7Bは、第1の実施形態に係る嵌合部の一例を示す図である。
図8A図8Aは、第1の実施形態に係る嵌合部の一例を示す図である。
図8B図8Bは、第1の実施形態に係る嵌合部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係るボールバルブについて図面を参照して説明する。なお、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0010】
(第1の実施形態)
図1Aは、第1の実施形態に係るボールバルブ1の構成を示す斜視図である。また、図1Bは、第1の実施形態に係るボールバルブ1の構成を示す断面図である。ここで、図1Bにおいては、ボールバルブ1の縦断面を示す。図1Aに示すように、ボールバルブ1は、ハウジング(弁本体)11と、カバー12と、ボールバルブ側接合部13とを備え、ボールバルブ側接合部13がモータ2におけるモータ側接合部21と接合することで、モータ2と接合されている。ここで、ボールバルブ側接合部13とモータ側接合部21とは、例えば、ネジやスナップフィットなどにより接合される。
【0011】
ボールバルブ1は、ハウジング11の内部に弁室が形成され、弁室にボール弁体が組み込まれる。そして、ボールバルブ1は、ボール弁体がシール部材によってシールされ、Oリングによって隙間が封止され、カバー12によって覆われる。なお、ボールバルブ1の内部の詳細については、後述する。モータ2は、ボールバルブ1におけるボール弁体を回転させる駆動力を供給する駆動源であり、例えば、ステッピングモータなどである。
【0012】
図1Bに示すように、ボールバルブ1は、カバー12によって覆われたハウジング11内部に、ボール弁体14と、シール部材15と、Oリング16と、Oリング17とが配設され、ボール弁体14が回転し、ボール弁体14に形成された貫通孔143が流体の流路を連通させることで、流路4が形成され、流体を流通させる。ハウジング11は、中空状に形成され、内部に弁室111が形成される。弁室111は、ボール弁体14が組み込まれる空間である。ここで、ハウジング11は、弁室111内面の少なくとも一部が曲面で形成され、弁室111の側壁におけるボール弁体14の回転軸上の対応する位置に、貫通穴113と、ボール弁体14を回転自在に支持する支持部112が形成される。すなわち、ハウジング11は、直線L1で示す回転軸上に貫通穴113と、支持部112が形成される。
【0013】
図2は、第1の実施形態に係るハウジング11の斜視図である。ハウジング11は、図2に示すように、ボールバルブ側接合部13側の側壁、すなわち、モータ2と接合する側の側壁に貫通穴113が形成される。貫通穴113は、モータ2の回転をボール弁体14に伝達する伝達軸22が挿入される穴である。また、ハウジング11は、弁室111の側壁における貫通穴113に対向する位置に支持部112が形成される。支持部112は、例えば、ボール弁体14に形成された嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部である。ここで、貫通穴113と支持部112は、ボール弁体14の回転軸がモータ2の回転軸と同軸になるように形成される。すなわち、貫通穴113から挿入されるモータ2の伝達軸22の回転中心と、支持部112の中心とが一致するように、貫通穴113と支持部112が形成される。
【0014】
図1Bに戻って、ボール弁体14は、表面における回転軸上の対向する位置に、支持部112に支持される被支持部141と、貫通穴113を介して回転力を伝達する伝達軸22と嵌合する嵌合凹部142とが形成される。例えば、被支持部141は、図1Bに示すように、支持部112として形成された嵌合凹部に嵌合する嵌合凸部である。そして、嵌合凹部142は、伝達軸22の先端部分と嵌合する。ボール弁体14は、貫通穴113から挿入されるモータ2の伝達軸22の回転中心と、支持部112の中心とが一致するように形成された支持部112に被支持部141が嵌合し、貫通穴113から挿入された伝達軸22に嵌合凹部142が嵌合することで、弁室111内に支持される。
【0015】
図3A及び図3Bは、第1の実施形態に係るボールバルブ1の上面図である。ここで、図3Aにおいては、カバー12と、シール部材15を除いた場合のボールバルブ1の上面図を示す。また、図3Bにおいては、図3Aからさらにハウジング11を除いた場合のボールバルブ1の上面図を示す。図3Aに示すように、ボール弁体14は、貫通孔143に直交する方向の対向する位置に、被支持部141と、嵌合凹部142(図1B参照)とが形成され、ハウジング11の弁室111内に支持される。そして、ボール弁体14は、支持部112に支持された被支持部141を支点として、伝達軸22の回転に応じてハウジング11内で回転する。
【0016】
例えば、モータ2の回転により、ボール弁体14が図3Aに示す状態となると、ボール弁体14の貫通孔143がハウジング11における流体の流入口及び流出口と連通し、流路が開放された状態となる。一方、モータ2の回転により、ボール弁体14が図3Aに示す状態から「90°」回転した状態となると、ボール弁体14の貫通孔143がハウジング11における流体の流入口及び流出口と直交することとなり、流路が閉鎖された状態となる。
【0017】
ここで、図3Bに示すように、モータ2の回転軸(伝達軸22の回転軸)と、ボール弁体14の回転軸とを一致させてボール弁体14を回転させるために、伝達軸22と嵌合凹部142(図1B参照)との嵌合部分に凹凸形状が形成される。具体的には、伝達軸22は、回転軸の周方向に係合部が形成される。そして、嵌合凹部142は、伝達軸22の係合部に対向する係合部が形成される。例えば、伝達軸22と嵌合凹部142との嵌合にDカットや、スプライン、セレーション等が用いられる。以下、伝達軸22と嵌合凹部142との嵌合にDカットが用いられる場合を一例に挙げて説明する。図4は、第1の実施形態に係る伝達軸22の斜視図である。伝達軸22は、モータ2の出力軸に結合され、出力軸の回転に応じて回転する。この伝達軸22は、回転軸方向に沿った平面222(伝達軸22における係合部)が形成される。例えば、図4に示すように、伝達軸22は、回転軸に沿った対向する位置に、2つの平面222が形成される。なお、平面222の数は、2つに限られず、1つ又は3つ以上の平面が形成される場合であってもよい。
【0018】
図5は、第1の実施形態に係るボール弁体14の斜視図である。ボール弁体14における嵌合凹部142は、伝達軸22に形成された平面222に対向する平面1421(嵌合部142における係合部)が形成される。例えば、嵌合凹部142は、図5に示すように、伝達軸22に形成された2つの平面222に対向する2つの平面1421が形成される。すなわち、ボール弁体14は、伝達軸22に形成された平面222と対向する平面1421が嵌合凹部142に形成されることで、伝達軸22の回転力を平面222に対向する平面1421で受けることができる。
【0019】
なお、図4及び図5においては、Dカットが形成される場合について説明したが、伝達軸22と嵌合凹部142との嵌合にはスプラインやセレーション等により凹凸形状が形成される場合であってもよい。かかる場合には、伝達軸22は、周方向に沿って外側に歯状の溝(伝達軸22における係合部)が形成される。そして、嵌合凹部142は、伝達軸22に形成された溝に対向する内側に歯状の溝(嵌合部142における係合部)が形成される。
【0020】
ボール弁体14は、上述したように形成された嵌合凹部142によりモータ2の駆動力を伝達軸22から受け、ハウジング11の弁室111内で回転することで、流体の流路を開閉する。なお、ボール弁体14は、シール部材15との摺動抵抗に応じて平面領域を形成させることも可能である。例えば、ボール弁体14は、外周面のうち回転に伴ってシール部材15との間で摺動する領域を、図5に示すように、摺動抵抗に応じて平面領域144とすることができる。
【0021】
ここで、第1の実施形態に係るボール弁体14は、ハウジング11に組み込まれる際に、図6に示すように、斜めに組み込まれる。図6は、第1の実施形態に係るボール弁体14の組み込みを説明するための図である。上述したように、ハウジング11における弁室111は、内面の少なくとも一部が曲面となっている。例えば、図6に示すように、弁室111の内面1111は、曲面で形成される。また、ハウジング11は、ボール弁体14が組み込まれる側の開口部が円状に形成される(例えば、図3A参照)。これにより、ボール弁体14は、図6に示すように、被支持部141を下方向に向けるように斜めにしてハウジング11の開口部を通過され、弁室111内部で被支持部141を支持部112に嵌合させるように回転されることで、ハウジング11に組み込まれる。なお、弁室111の内面の曲率は、ボール弁体14の外周面における曲率に応じて決定される。
【0022】
図1Bに戻って、シール部材15は、リング状の弾性部材であり、ボール弁体14におけるカバー12側に当接するように配設される。すなわち、シール部材15は、ボール弁体14が上述したように組み込まれた後、ハウジング11の開口部から配設される。シール部材15は、流路の閉鎖時に、ボール弁体14の貫通孔143とハウジング11におけるカバー12側の流路との間を封止する。一方、流路の開放時には、シール部材15は、貫通孔143とハウジング11におけるカバー12側の流路との連通状態を弁室111側から封止する。
【0023】
カバー12は、シール部材15の上面に当接された状態でハウジング11に固定されることで、シール部材15とボール弁体14とを圧着させる。Oリング16は、ハウジング11の開口部におけるカバー12とハウジング11との間にそれぞれと当接するように配設され、ハウジング11とカバー12との間を封止する。Oリング17は、貫通穴113の内周面と伝達軸22との間にそれぞれと当接するように配設され、ハウジング11と伝達軸22との間を封止する。
【0024】
上述したように、第1の実施形態に係るボールバルブ1は、モータ2の回転軸とボール弁体14の回転軸が同軸上となるように、貫通穴113と支持部112が形成される。ここで、第1の実施形態に係るボールバルブ1におけるハウジング11、ボール弁体14、カバー12などの各部材は、合成樹脂を用いた射出成型によって形成される。すなわち、ハウジング11、ボール弁体14、カバー12などの各部材は、それぞれ一体成形される。従って、ハウジング11における貫通穴113と支持部112は、1つの金型によって形成させることができるため、精度を確保することができる。その結果、ハウジング11内へのボール弁体14の組み込みの精度を向上させることができ、部品点数の増加を抑止することができる。
【0025】
さらに、第1の実施形態に係るボールバルブ1は、ボール弁体14を回転軸方向に付勢させる付勢部材を用いることで、クリアランスによる回転軸方向のがたつきを抑止することができる。具体的には、付勢部材は、伝達軸22と嵌合凹部142との間、伝達軸22と嵌合凹部142との間で対向する面に形成された凹部、及び、支持部112と被支持部141との間のうち少なくとも1つの位置に配設される。例えば、図1Bに示すように、伝達軸22の先端の平面に凹部221が形成され、凹部221に付勢部材としてのバネ3が配設される。そして、伝達軸22が嵌合凹部142に嵌合されると、バネ3が、ボール弁体14を支持部112の方向に付勢する。これにより、ボールバルブ1は、クリアランスによる回転軸方向のがたつきを抑止することができる。なお、バネ3は、伝達軸22における凹部221だけではなく、その他の位置に配設される場合であってもよい。例えば、バネ3は、伝達軸22と嵌合凹部142との間に配設される場合であってもよい。すなわち、バネ3は、伝達軸22の先端の平面と、嵌合凹部142において対向する平面との間に配設される。この場合、伝達軸22は、凹部221が形成されていない場合であってもよい。また、バネ3は、支持部112と被支持部141との間に配設される場合であってもよい。さらに、バネ3は、上記したいずれかの位置だけでなく、2箇所以上の位置に配設される場合であってもよい。
【0026】
また、第1の実施形態に係るボールバルブ1は、伝達軸22とボール弁体14との回転軸のずれを抑止するため、伝達軸22とボール弁体14との間にさらに嵌合部を形成させることができる。上述したように、伝達軸22とボール弁体14とは、伝達軸22と嵌合凹部142との嵌合にDカットが用いられているが、この場合、伝達軸22の回転軸と、ボール弁体14の回転軸にずれが生じる場合がある。そこで、ボールバルブ1においては、伝達軸22の先端の平面と、嵌合凹部142において伝達軸22の先端に対向する平面に、回転軸を揃えるための嵌合部がさらに形成される。
【0027】
図7A図8Bは、第1の実施形態に係る嵌合部18、18aの一例を示す図である。図7A及び図7Bは、伝達軸22に凹部が形成され、嵌合凹部142に凸部が形成された嵌合部18を示し、バネ3を配設するために形成された凹部221を利用する例について示す。また、図8A及び図8Bは、伝達軸22aに凸部が形成され、嵌合凹部142に凹部が形成された嵌合部18aを示す。
【0028】
例えば、嵌合部18では、図7Aに示すように、伝達軸22において、先端の平面に凹部221が形成される。そして、図7Bに示すように、ボール弁体14aにおいて、嵌合凹部142に、図7Aに示す凹部221と嵌合する凸部145が形成される。これにより、伝達軸22が嵌合凹部142に嵌合することで、凹部221と凸部145も嵌合することとなり、回転軸のずれを抑止することができる。
【0029】
なお、凸部と凹部は、逆に形成されてもよい。例えば、嵌合部18aでは、図8Aに示すように、伝達軸22aの先端の平面に凸部223が形成される。そして、図8Bに示すように、ボール弁体14bにおける嵌合凹部142に、図8Aに示す凸部223と嵌合する凹部146が形成される。これにより、伝達軸22aが嵌合凹部142に嵌合することで、凸部223と凹部146も嵌合することとなり、回転軸のずれを抑止することができる。
【0030】
図7A図8Bに示す嵌合部18又は嵌合部18aを形成し、さらに、バネ3を配設する場合、バネ3は、例えば、支持部112と被支持部141との間に配設される。
【0031】
上述した実施形態では、モータ2の駆動力によってボール弁体14が回転する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、伝達軸22にレバーが結合され、操作者がレバーを操作することによって、ボール弁体14が回転する場合であってもよい。
【0032】
また、上述した実施形態では、ボール弁体14に平面領域144が形成される場合を例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、平面領域144が形成されず、貫通孔143を除く外周面が全て曲面の場合であってもよい。
【0033】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 ボールバルブ
2 モータ
3 バネ
4 流路
11 ハウジング(弁本体)
12 カバー
13 ボールバルブ側接合部
14、14a、14b ボール弁体
15 シール部材
16、17 Oリング
18、18a 嵌合部
21 モータ側接合部
22、22a 伝達軸
111 弁室
112 支持部
113 貫通穴
141 被支持部
142 嵌合凹部
143 貫通孔
144 平面領域
145、223 凸部
146、221 凹部
222、1421 平面(係合部)
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B