特許第6782223号(P6782223)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6782223穀類において菌防除のための相乗的殺菌混合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6782223
(24)【登録日】2020年10月21日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】穀類において菌防除のための相乗的殺菌混合物
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/40 20060101AFI20201102BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20201102BHJP
   A01N 43/653 20060101ALI20201102BHJP
   A01P 21/00 20060101ALI20201102BHJP
   A01G 7/06 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
   A01N43/40 101E
   A01P3/00
   A01N43/653 Q
   A01P21/00
   A01G7/06 A
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-500930(P2017-500930)
(86)(22)【出願日】2015年8月8日
(65)【公表番号】特表2017-529317(P2017-529317A)
(43)【公表日】2017年10月5日
(86)【国際出願番号】US2015044383
(87)【国際公開番号】WO2016023013
(87)【国際公開日】20160211
【審査請求日】2018年7月24日
(31)【優先権主張番号】62/035,198
(32)【優先日】2014年8月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501035309
【氏名又は名称】ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100139310
【弁理士】
【氏名又は名称】吉光 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ,トーマス
【審査官】 西澤 龍彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−507372(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/106259(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/005355(WO,A1)
【文献】 特表2005−507921(JP,A)
【文献】 特表2016−510341(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0181870(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌有効量の式I
【化1】

[(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−(3−((イソブチリルオキシ)メトキシ)−4−メトキシピコリンアミド)−6−メチル−4,9−ジオキソ−1,5−ジオキソナン−7−イルイソブチレート]の化合物と、少なくとも1種の殺菌性ステロール生合成阻害剤の混合物と、植物学的に許容し得る担体材料とを含む、オオムギの成長を改善し、かつ、オオムギの葉枯病(リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis);RHYNSE)を防除するための相乗的組成物であって、オオムギの成長の改善とオオムギの葉枯病(リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis);RHYNSE)の防除が、菌の感染の予防または治癒および植物生理の改善からなる群から選択される効果のうちの少なくとも1つを特徴とし、植物生理の改善が、根成長の増強、緑化の改善、水利用および効率の改善、窒素利用効率の改善、老化の遅延、ならびに収率の向上からなる群から選択される効果のうちの少なくとも1つを特徴とする、相乗的組成物。
【請求項2】
成長の改善およびオオムギの葉枯病(リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis);RHYNSE)の防除が、菌の感染の予防または治癒を特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成長の改善が、植物生理の改善を特徴とし、植物生理の改善が、根成長の増強、緑化の改善、水利用および効率の改善、窒素利用効率の改善、老化の遅延、ならびに収率の向上からなる群から選択される効果のうちの少なくとも1つを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記植物生理の改善が、収率の向上を特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記植物生理の改善が、緑化の改善を特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
オオムギの成長を改善し、かつ、オオムギの葉枯病(リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis);RHYNSE)を防除するための方法であって、前記方法は、殺菌有効量の式I
【化2】

[(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−(3−((イソブチリルオキシ)メトキシ)−4−メトキシピコリンアミド)−6−メチル−4,9−ジオキソ−1,5−ジオキソナン−7−イルイソブチレート]の化合物と、少なくとも1種の殺菌性ステロール生合成阻害剤とを散布するステップを含み、前記有効量が、オオムギに隣接する領域、オオムギの成長を助けるように適合された土壌、オオムギの根、およびオオムギの茎葉のうちの少なくとも1つに散布される、方法。
【請求項7】
前記ステロール生合成阻害剤が、プロチオコナゾールである、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、明示的に参照により本明細書に組み込まれる2014年8月8日に出願された米国仮特許出願第62/035198号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、(a)式Iの化合物、(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−(3−((イソブチリルオキシ)メトキシ)−4−メトキシピコリンアミド)−6−メチル−4,9−ジオキソ−1,5−ジオキソナン−7−イルイソブチレートと、(b)プロチオコナゾール、エポキシコナゾール、シプロコナゾール、ミクロブタニル、プロクロラズ、メトコナゾール、ジフェンコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、フェンブコナゾール、プロピコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、およびフェンプロピモルフからなる群から選択される少なくとも1種のエルゴステロール生合成阻害性殺菌剤とを含有する相乗的殺菌組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
殺菌剤は、天然または合成起源の、菌によって誘発される被害から植物を保護するように作用する化合物である。農業の現行方法は、殺菌剤の使用に重度に依存している。実際に、一部の作物は、殺菌剤を使用せずに有用に成長させることはできない。殺菌剤を使用すると、栽培者は、作物の収率および品質を向上させることができ、結果として、作物の価値を増加させることができる。ほとんどの状況において、作物の価値の増加は、殺菌剤を使用する費用の少なくとも3倍の価値がある。
【0004】
しかしながら、あらゆる状況において有用な殺菌剤は存在せず、単一殺菌剤の頻繁な使用は、その殺菌剤および関連殺菌剤への耐性の発生をもたらす。結果として、より安全で、より優れた性能を有し、必要とする用量がより低く、より容易に使用できかつより低コストである殺菌剤および殺菌剤の組み合わせを製造するための研究が実施されている。
【0005】
相乗作用は、2つ以上の化合物の効果が単独で使用された場合の化合物の効果を超える場合に発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の1つの目的は、殺菌性化合物を含む相乗的組成物を提供することである。本開示のさらに別の目的は、これらの相乗的組成物を使用する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本相乗的組成物は、子嚢菌綱(Ascomycetes)および担子菌綱(Basidiomycetes)の菌によって誘発される病害を予防する、もしくは治癒させる、またはその両方を実施できる。さらに、本相乗的組成物は、作物の成長を改善でき、作物の成長の改善は、病原菌の予防または治癒および植物生理の改善からなる群から選択される効果のうちの少なくとも1つを特徴とし、植物生理の改善は、根成長の増強、緑化の改善、水利用および効率の改善、窒素利用効率の改善、老化の遅延、ならびに収量の向上からなる群から選択される効果のうちの少なくとも1つを特徴とする。本開示によると、相乗的組成物は、それらを使用するための方法とともに提供される。
【0008】
本開示は、殺菌有効量の(a)式I
【0009】
【化1】
の化合物、(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−(3−((イソブチリルオキシ)メトキシ)−4−メトキシピコリンアミド)−6−メチル−4,9−ジオキソ−1,5−ジオキソナン−7−イルイソブチレートと、(b)プロチオコナゾール、エポキシコナゾール、シプロコナゾール、ミクロブタニル、プロクロラズ、メトコナゾール、ジフェンコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、フェンブコナゾール、プロピコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、およびフェンプロピモルフからなる群から選択される少なくとも1種のエルゴステロール生合成阻害性殺菌剤とを含有する相乗的殺菌混合物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で使用されるプロチオコナゾールは、2−[(2RS)−2−(1−クロロシクロプロピル)−3−(2−クロロフェニル)−2−ヒドロキシプロピル]−2H−1,2,4−トリアゾール−3(4H)−チオンに対する一般名称であり、以下の
【0011】
【化2】
構造を有する。
【0012】
その殺菌活性は、The Pesticide Manual, Fifteenth Edition, 2009に記載されている。プロチオコナゾールは、コムギ、オオムギおよびその他の作物の病害、例えば眼紋病(眼紋病菌(Pseudocercosporella herpotrichoides))、フザリウム耳枯病(フザリウム属、ミクロドキウム・ニバレ(Fusarium spp., Microdochium nivale))、葉枯病(セプトリア・トリティシ(Septoria tritici)、レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphareria nodorum)、ピレノフォラ属、リンコスポリウム(Pyrenophora spp., Rhynchosporium))、さび病(プッシニア属(Puccinia spp.))、およびうどんこ病(うどんこ病菌(Blumeria graminis))の葉面散布による防除をもたらす。
【0013】
本明細書に記載される組成物では、他の殺菌剤との相乗効果が観察される式Iの化合物の重量比は、約1:10〜10:1の範囲内にある。
【0014】
一実施形態では、殺菌効果が相乗的である式Iの化合物の他の殺菌剤に対する重量比は、約1:5〜約5:1の範囲にあり、別の実施形態では、この重量比は、約1:2〜約1:1の範囲内にあり、さらに別の実施形態では、この重量比は、約100:195〜約130:195の範囲内にある。また別の実施形態では、本明細書に記載される重量比は、式Iの化合物および他の殺菌剤に供され、ここでは、プロチオコナゾールが他の殺菌剤の代表的なものである。
【0015】
本明細書に記載される組成物において、植物生理の改善が相乗的であり、植物生理の改善が、根成長の増強、緑化の改善、水利用および効率の改善、窒素利用効率の改善、老化の遅延、ならびに収量の向上からなる群から選択される効果のうちの少なくとも1つを特徴とする場合の、式Iの化合物の他の殺菌剤に対する重量比は、約1:10〜約10:1の範囲内にある。
【0016】
一実施形態では、植物生理作用の改善が相乗的であり、植物生理作用の改善が、収率の増加である場合の、式Iの化合物の他の殺菌剤に対する重量比は、約1:5〜約5:1の範囲内にあり、別の実施形態では、他の殺菌剤との相乗的収量向上が観察される式Iの化合物の重量比は、約1:2〜約1:1の範囲内にある。一実施形態では、植物生理作用の改善が相乗的であり、植物生理作用の改善が、植物組織の緑化の増加を特徴とする場合の、式Iの化合物の他の殺菌剤に対する重量比は、約1:5〜約5:1の範囲内にあり、別の実施形態では、他の殺菌剤との緑化作用が観察される場合の式Iの化合物の重量比は、約1:2〜約1:1の範囲内にある。また別の実施形態では、本明細書に記載される重量比は、式Iの化合物および他の殺菌剤に供され、ここでは、プロチオコナゾールが他の殺菌剤の代表的なものである。
【0017】
本相乗的組成物が散布される率は、防除対象の菌の特定タイプ、必要とされる防除の程度ならびに散布の時機および方法に依存することになる。一般に、本開示の組成物は、本組成物中の有効成分の総量に基づいて約25グラム毎ヘクタール(g/ha)〜約850g/haの散布率で散布することができる。
【0018】
式Iの化合物およびプロチオコナゾールを含む相乗的組成物は、約60g/ha〜約600g/haの率で散布される。プロチオコナゾールは、約25g/ha〜約300g/haの率で散布され、式Iの化合物は、約35g/ha〜約300g/haの率で散布される。より特定な実施形態では、プロチオコナゾールは、約100g/ha〜約200g/ha、さらにより具体的には約195g/haの率で散布され、式Iの化合物は、約75g/ha〜150g/ha、さらにより具体的には約100g/ha〜130g/haの率で散布される。
【0019】
本開示の相乗的混合物の成分は、個別に、またはマルチパート殺菌系の一部としてのいずれかで散布できる。
【0020】
本開示の相乗的混合物は、極めて広範囲の望ましくない病害を防除するために1種以上の他の殺菌剤と併せて散布することができる。他の殺菌剤と併せて使用される場合、本明細書で主張する化合物は、他の殺菌剤とともに処方する、他の殺菌剤とともにタンク混合する、または他の殺菌剤と連続的に散布することができる。そのような他の殺菌剤には、2−(チオシアナトメチルチオ)−ベンゾチアゾール、2−フェニルフェノール、8−ヒドロキシキノリンスルフェート、アメトクトラジン、アミスルブロム、アンチマイシン、アンペロミセス・キスクアリス(Ampelomyces quisqualis)、アザコナゾール、アゾキシストロビン、枯草菌(Bacillus subtilis)、枯草菌(Bacillus subtilis)株QST713、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブ−イソプロピル、ベンジルアミノベンゼン−スルホネート(BABS)塩、重炭酸塩、ビフェニル、ビスメルチアゾール、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラスチシジン−S、ホウ砂、ボルドー(Bordeaux)混合物、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、カルシウムポリスルフィド、カプタフォール、カプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、クラザフェノン、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、コニオチリウム・ミニタンス(Coniothyrium minitans)、水酸化銅、オクタン酸銅、酸塩化銅、硫酸銅、(三塩基性)硫酸銅、亜酸化銅、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ダゾメット、デバカルブ、ジアンモニウムエチレンビス−(ジチオカルバメート)、ジクロフルアニド、ジクロロフェン、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコートイオン、ジフルメトリム、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ジノブトン、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジチアノン、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、ドジン、ドジン遊離塩基、エジフェンホス、エネストロビン、エネストロブリン、エポキシコナゾール、エタボキサム、エトキシクイン、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、フェンチン、酢酸フェンチン、水酸化フェンチン、フェルバム、フェリムゾーン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フルオロイミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、フォルペット、ホルムアルデヒド、フォセチル、フォセチル−アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、酢酸グアザチン、GY−81、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、硫酸イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、三酢酸イミノクタジン、イミノクタジントリス(アルベシレート)、ヨードカルブ、イプコナゾール、イプフェンピラゾロン、イプロベンフォス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、塩酸カスガマイシン水和物、クレソキシム−メチル、ラミナリン、マンコッパー(mancopper)、マンコゼブ、マンジプロパミド、マネブ、メフェノキサム、メパニピリム、メプロニル、メプチル−ジノカップ(meptyl-dinocap)、塩化第二水銀、酸化第二水銀、塩化第一水銀、メタラキシル、メタラキシル−M、メタム、メタム−アンモニウム、メタム−カリウム、メタム−ナトリウム、メトコナゾール、メタスルホカルブ、ヨウ化メチル、メチルイソチオシアネート、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミルジオマイシン、ミクロブタニル、ナバム、ニトロタール−イソプロピル、ヌアリモール、オクチリノン、オフラセ、オレイン酸(脂肪酸)、オリサストロビン、オキサジキシル、オキシン銅、フマル酸オキシポコナゾール、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンタクロロフェノール、ラウリン酸ペンタクロロフェニル、ペンチオピラド、酢酸フェニル水銀、ホスホン酸、フタリド、ピコキシストロビン、ポリオキシンB、ポリオキシン類、ポリオキソリム、重炭酸カリウム、硫酸ヒドロキシキノリンカリウム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、塩酸プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピリオフェノン、ピロキロン、キノクラミン、キノキシフェン、キントゼン、オオイタドリ(Reynoutria sachalinensis)抽出物、セダキサン、シルチオファム、シメコナゾール、ナトリウム2−フェニルフェノキシド、重炭酸ナトリウム、ナトリウムペンタクロロフェノキシド、スピロキサミン、硫黄、SYP−Z048、タール油、テブコナゾール、テブフロキン、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チラム、チアジニル、トルクロフォス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、バリダマイシン、バリフェナレート、バリフェナール、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、カンジダ・オレオフィラ(Candida oleophila)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、グリオクラジウム種(Gliocladium spp.)、フレビオプシス・ギガンテア(Phlebiopsis gigantea)、ストレプトミセス・グリセオビリジス(Streptomyces griseoviridis)、トリコデルマ種(Trichoderma spp.)、(RS)−N−(3,5−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)−スクシンイミド、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロアセトン水和物、1−クロロ−2,4−ジニトロナフタレン、1−クロロ−2−ニトロプロパン、2−(2−ヘプタデシル−2−イミダゾリン−1−イル)エタノール、2,3−ジヒドロ−5−フェニル−1,4−ジチ−イン1,1,4,4−テトラオキシド、酢酸2−メトキシエチル水銀、塩化2−メトキシエチル水銀、ケイ酸2−メトキシエチル水銀、3−(4−クロロフェニル)−5−メチルローダニン、4−(2−ニトロプロプ−1−エニル)フェニルチオシアナテーム、アンプロピルホス、アニラジン、アジチラム、ポリスルフィドバリウム、Bayer 32394、ベノダニル、ベンキノックス、ベンタルロン、ベンザマクリル;ベンザマクリル−イソブチル、ベンザモルフ、ビナパクリル、硫酸ビス(メチル水銀)、ビス(トリブチルスズ)オキシド、ブチオベート、クロム酸硫酸カドミウムカルシウム銅亜鉛、カルバモルフ、CECA、クロベンチアゾン、クロラニホルメタン、クロルフェナゾール、クロルキノックス、クリンバゾール、銅ビス(3−フェニルサリチレート)、クロム酸銅亜鉛、クフラネブ、硫酸ヒドラジニウム第二銅、クプロバム、シクラフラミド、シペンダゾール、シプロフラム、デカフェンチン、ジクロン、ジクロゾリン、ジクロブトラゾール、ジメチリモール、ジノクトン、ジノスルホン、ジノテルボン、ジピリチオン、ジタリムホス、ドジシン、ドラゾキソロン、EBP、ESBP、エタコナゾール、エテム、エチリム、フェナミノスルフ、フェナパニル、フェニトロパン、フルオトリマゾール、フルカルバニル、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、フルメシクロックス、フロファネート、グリオジン、グリセオフルビン、ハラクリネート、Hercules 3944、ヘキシルチオホス、ICIA0858、イソパムホス、イソバレジオン、メベニル、メカルビンジド、メタゾキソロン、メトフロキサム、メチル水銀ジシアンジアミド、メトスルホバックス、ミルネブ、ムコクロル酸無水物、ミクロゾリン、N−3,5−ジクロロフェニル−スクシンイミド、N−3−ニトロフェニルイタコンイミド、ナタマイシン、N−エチル水銀−4−トルエンスルホンアニリド、ニッケルビス(ジメチルジチオカルバメート)、OCH、フェニル水銀ジメチルジチオカルバメート、硝酸フェニル水銀、ホスジフェン、プロチオカルブ;塩酸プロチオカルブ、ピラカルボリド、ピリジニトリル、ピロキシクロル、ピロキシフル、キナセトール;硫酸キナセトール、キナザミド、キンコナゾール、ラベンザゾール、サリチルアニリド、SSF−109、スルトロペン、テコラム、チアジフルオル、チシオフェン、チオクロルフェンヒム、チオファネート、チオキノックス、チオキシミド、トリアミホス、トリアリモール、トリアズブチル、トリクラミド、ウルバシド、ザリラミド、およびこれらのいずれかの組み合わせが含まれる。
【0021】
本開示の組成物は、好ましくは、(a)式Iの化合物と、(b)プロチオコナゾール、エポキシコナゾール、シプロコナゾール、ミクロブタニル、プロクロラズ、メトコナゾール、ジフェンコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、フェンブコナゾール、プロピコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、およびフェンプロピモルフからなる群から選択される少なくとも1種のエルゴステロール生合成阻害性殺菌剤とを含む組成物を、植物学的に許容し得る担体と一緒に含む製剤の形態で散布される。
【0022】
濃縮製剤は、散布のために水、または別の液体中に分散させることができる、あるいは製剤は、後にそれ以上処理せずに散布できる粉剤状または顆粒であってよい。本製剤は、農薬分野において慣習的であるが、その中に相乗的組成物が存在するために新規および重要である手順によって調製される。
【0023】
最も頻回に散布される製剤は、水性懸濁剤または乳剤である。そのような水溶性、水懸濁性、または乳化性のいずれかの製剤は、通常は水和剤として公知である固体、または通常は乳剤、水性懸濁剤、もしくはSC剤(suspension concentrate)として公知である液体である。本開示は、それにより殺菌剤として送達および使用するために相乗的組成物を処方できる全てのビヒクルを企図している。
【0024】
容易に理解されるように、これらの相乗的組成物をそれに添加することができる任意の材料は、これらの相乗的組成物の抗菌剤としての活性を有意に妨害せずに所望の有用性を生じさせることを条件として使用できる。
【0025】
顆粒水和剤を形成するために圧縮できる水和剤は、本相乗的組成物、担体および農業的に許容される界面活性剤の均質混合物を含んでいる。水和剤中の本相乗的組成物の濃度は、通常は、本製剤の総重量に基づいて約10重量%〜約90重量%、より好ましくは約25重量%〜約75重量%である。水和剤製剤の調製では、本相乗的組成物は、任意の微粉化した固体、例えばパイロフィライト、タルク、チョーク、ジプサム、フラー土、ベントナイト、アタパルジャイト、デンプン、カゼイン、グルテン、モンモリロナイト粘土、ケイソウ土、精製シリケートなどのいずれかと配合することができる。そのような作業では、微粉化された担体は粉砕される、または揮発性有機溶媒中で相乗的組成物と混合される。水和剤の重量で約0.5重量%〜約10重量%を含む効果的界面活性剤には、スルホン化リグニン、ナフタレンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルスルフェート、および非イオン性界面活性剤、例えばアルキルフェノールのエチレンオキシド付加物が含まれる。
【0026】
本相乗的組成物の乳剤は、乳剤製剤の総重量に基づいて、適切な液体中で、便宜的な濃度、例えば約10重量%〜約50重量%を含んでいる。本相乗的組成物の成分は、一緒に、または個別に、水混和性溶媒または水非混和性有機溶媒の混合物、および乳化剤のいずれかである担体中に溶解させられる。この乳剤は、水中油型エマルジョンの形態にある噴霧混合物を形成するために水および油を用いて希釈することができる。有用な有機溶媒には、芳香族化合物、特に石油の高沸点ナフタレン部分およびオレフィン部分、例えば重質芳香族ナフサが含まれる。その他の有機溶媒、例えば、ロジン誘導体を含むテルペン系溶媒、脂肪族ケトン、例えばシクロヘキサノン、および複合アルコール、例えば2−エトキシエタノールなどもまた使用できる。
【0027】
好都合に本明細書で使用できる乳化剤は、当業者であれば容易に決定することができ、様々な非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性乳化剤、または2つ以上の乳化剤のブレンドが含まれる。乳剤を調製する際に有用な非イオン性乳化剤の例には、ポリアルキレングリコールエーテルおよびアルキルとアリールフェノールの縮合生成物、脂肪族アルコール、脂肪族アミンまたはエチレンオキシド、プロピレンオキシドを有する脂肪酸、例えばエトキシル化アルキルフェノールおよびポリオールもしくはポリオキシアルキレンで可溶化されたカルボン酸エステルが含まれる。カチオン性乳化剤には、第4級アンモニウム化合物および脂肪アミン塩が含まれる。アニオン性乳化剤には、アルキルアリールスルホン酸の油溶性塩(例、カルシウム)、リン酸化ポリグリコールエーテルの油溶性塩もしくは硫酸化ポリグリコールエーテルおよび適切な塩が含まれる。
【0028】
本開示の乳剤を調製する際に使用できる代表的な有機液体は、芳香族液体、例えばキシレン、プロピルベンゼンフラクション、または混合ナフタレンフラクション、鉱油、置換芳香族有機液体、例えばジオクチルフタレート、ケロセン、様々な脂肪酸のジアルキルアミド、特に脂肪グリコールおよびグリコール誘導体のジメチルアミド、例えばn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールのエチルエーテルもしくはメチルエーテル、およびトリエチレングリコールのメチルエーテルである。2つ以上の有機液体の混合物は、さらにまた乳剤の調製において適切に使用されることが多い。好ましい有機液体は、キシレン、およびプロピルベンゼンフラクションであり、キシレンが最も好ましい。界面活性分散剤は、通常は液剤中で、分散剤と相乗的組成物との合計重量の0.1〜20重量%の量で使用される。これらの製剤は、他の適合する添加物、例えば、植物成長調節剤および農業において使用される他の生物学的に活性な化合物もまた含有することができる。
【0029】
水性懸濁剤は、水性ビヒクル中に分散させた、1種以上の非水溶性化合物の懸濁液を、水性懸濁剤製剤の総重量に基づいて約5重量%〜約70重量%の範囲内の濃度で含んでいる。懸濁剤は、相乗的組み合わせの成分を一緒に、または個別に微細に粉砕し、そして該粉砕された材料を上記で考察した同一タイプから選択された水および界面活性剤からなるビヒクル中に強力に混合することによって調製される。その他の成分、例えば無機塩および合成もしくは天然ガムもまた、水性ビヒクルの密度および粘度を増加させるために加えることができる。水性混合液を調製し、それを1つの器具、例えばサンドミル、ボールミル、またはピストン型ホモジナイザー中でホモジナイズすることによって同時に粉砕および混合することが最も効果的であることが多い。
【0030】
本相乗的組成物は、さらにまた土壌に散布するために特に有用である顆粒状製剤として散布することができる。顆粒状製剤は、通常は、全体がまたは大部分が、粗く分散したアタパルジャイト、ベントナイト、ケイソウ土、粘土または類似の安価な物質からなる担体中に分散させた、顆粒状製剤の総重量に基づいて約0.5重量%〜約10重量%の化合物を含有する。そのような製剤は、通常は適切な溶媒中に相乗的組成物を溶解させ、それを約0.5〜約3mmの範囲内の適切な粒径に予備成形されている顆粒状担体に散布することによって調製される。そのような製剤は、さらにまた担体および相乗的組成物の生地またはペーストを作製し、所望の顆粒状粒子を得るために破砕して乾燥させることによっても調製することができる。
【0031】
相乗的組成物を含有する粉剤は、最初に粉末形にある相乗的組成物を適切な粉剤状農業用担体、例えばカオリン粘土、粉砕した火山岩などとともに均質混合することによって単純に調製される。粉剤は、適切には約1重量%〜約10重量%の相乗的組成物/担体の組み合わせを含有することができる。
【0032】
本製剤は、標的作物および微生物上への相乗的組成物の沈着、湿潤および浸透を増強するために農業的に許容されるアジュバント界面活性剤を含有することができる。これらのアジュバント界面活性剤は、任意で、製剤の成分として、またはタンクミックスとして使用できる。アジュバント界面活性剤の量は、水の散布量に基づいて0.01〜1.0容量/容量パーセント(v/v)、好ましくは0.05〜0.5パーセントの間で変動する。適切なアジュバント界面活性剤には、エトキシル化ノニルフェノール、エトキシル化合成または天然アルコール、エステルもしくはスルホコハク酸の塩、エトキシル化オルガノシリコーン、エトキシル化脂肪アミンならびに界面活性剤と鉱油もしくは植物油とのブレンドが含まれる。
【0033】
本製剤は、任意で少なくとも1重量%の1種以上の相乗的組成物と、また別の殺有害生物剤化合物を含むことのできる組み合わせを含んでよい。そのような追加の殺有害生物剤化合物は、散布のために選択される媒質中で本開示の相乗的組成物と適合性であって、本発明の化合物の活性に対して拮抗性ではない殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、ダニ殺虫剤、殺節足動物剤、殺細菌剤またはそれらの組み合わせであってよい。従って、そのような実施形態では、他の殺有害生物剤化合物は、同一または相違する殺有害生物剤使用のための補助的毒性物質として使用される。殺有害生物剤化合物および相乗的組成物は、一般に1:100〜100:1の重量比で一緒に混合することができる。
【0034】
本開示は、その範囲内に菌の攻撃を防除または防止するための方法および植物生理を改善するための方法を含み、植物生理の改善は、根成長の増強、緑化の改善、水利用および効率の改善、窒素利用効率の改善、老化の遅延、ならびに収率の増加からなる群から選択される効果のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる。これらの方法は、殺菌有効量の相乗的組成物を菌の場所、またはまん延が防止されなければならない場所に散布する(例えば、コムギまたはオオムギ植物に散布する)ことを含んでいる。本相乗的組成物は、低い植物毒性を示しながら、殺菌レベルで様々な植物を処理するために適合する。本相乗的組成物は、保護的または殺虫的方法において有用である。本相乗的組成物は、様々な公知の技術のいずれかによって、相乗的組成物として、または本相乗的組成物を含む製剤としてのいずれかで散布される。例えば、本相乗的組成物は、植物の商業的価値を損傷させることなく、様々な菌を防除するために植物の根、種子または茎葉に散布することができる。本相乗的組成物は、一般に使用される製剤タイプ、例えば液剤、粉剤、水和剤、フロアブル製剤、または乳剤のいずれかの形態で散布される。これらの材料は、便宜的には様々の公知の方法で散布される。
【0035】
本相乗的組成物は、特に農業的使用のために、有意な殺菌効果を有することが見出されている。さらに、本相乗的組成物は、植物生理の改善を促進することが見出されており、植物生理の改善は、緑化の改善および収率の向上によって特徴付けられる。本相乗的組成物は、農業作物および園芸植物に、または木材、塗料、レザーもしくはカーペット裏地に使用するために特に有効である。
【0036】
特に、本相乗的組成物は、有用な植物作物を感染させる様々な望ましくない菌を防除することに有効である。本相乗的組成物は、例えば以下の代表的な菌種:コムギ褐さび(プッシニア・レコンディタ(Puccinia recondita);Bayer社コード番号PUCCRT);コムギの黄さび(プッシニア・ストリイフォルミス(Puccinia striiformis);Bayer社コード番号PUCCST);コムギの葉の汚斑(ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola);アナモルフ:セプトリア・トリティシ(Septoria tritici);Bayer社コード番号SEPTTR);コムギの包頴の汚斑(レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum);Bayer社コード番号LEPTNO;アナモルフ:スタゴノスポラ・ノドルム(Stagonospora nodorum));オオムギの葉枯病(リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis);Bayer社コード番号RHYNSE)、オオムギの斑点病(コクリオボラス・サチブム(Cochliobolus sativum);Bayer社コード番号COCHSA;アナモルフ:ヘルミントスポリウム・サチブム(Helminthosporium sativum));サトウダイコンの斑点病(セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola);Bayer社コード番号CERCBE);落花生の斑点病(ミコスファエレラ・アラキジス(Mycosphaerella arachidis);Bayer社コード番号MYCOAR;アナモルフ:セルコスポラ・アラキジコラ(Cercospora arachidicola));キュウリの炭疽病(グロメレラ・ラゲナリウム(Glomerella lagenarium);アナモルフ:コレトトリクム・ラゲナリウム(Colletotrichum lagenarium);Bayerコード番号COLLLA)を含む様々な子嚢菌および担子菌に対して使用できる。当業者であれば、上記の菌の1種以上に対する本相乗的組成物の有効性が殺菌剤としての本相乗的組成物の一般的有用性を確立することを理解できる。
【0037】
本相乗的組成物は、広範囲の殺菌剤としての有効性を有する。散布する本相乗的組成物の正確な量は、成分の相対量だけでなく、所望の特定の作用、防除すべき菌種およびそれらの成長ステージ、ならびに本相乗的組成物と接触させる植物の一部または他の生成物に依存する。従って、本相乗的組成物を含有する製剤は、同様の濃度または同一の菌種に対して同等に有効ではない可能性がある。
【0038】
本相乗的組成物は、病害阻害性でかつ植物学的に許容し得る量で植物に使用するのに有効である。用語「病害阻害性でかつ植物学的に許容し得る量」とは、防除が望まれる植物の病害を静めるまたは阻害するが、植物に著しく毒性ではない、本相乗的組成物の量を指す。必要とされる本相乗的組成物の正確な量は、防除されるべき菌類病、使用される製剤のタイプ、散布の方法、特定の植物種、気候条件などによって変動する。
【0039】
本組成物は、菌またはそれらの場所に、従来型の走行式噴霧器(ground sprayer)、顆粒アプリケータの使用によって、および当業者には公知の他の従来型の手段によって散布することができる。
【0040】
以下の実施例は、本開示をさらに例示するために提供される。これらは、本開示を限定すると解釈することを意味するものではない。
【実施例】
【0041】
オオムギの葉枯病(リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis);Bayer社コード番号RHYNSE)に対する殺菌剤混合物の収量向上および緑化の改善を含む植物生理の改善の評価
冬オオムギ(Hordeum vulgare、HORVW)において本組成物を評価するために、小試験区(2.5×8.0メートル(m))内の葉面適用散布の研究実験を用いて、表1〜3の結果をもたらした。2種の処理を、それぞれ作物ステージBBCH 31および43〜49で適用した。散布は、90度の向きで50センチメートル(cm)の間隔を置いた5つのAgrotop−AM11002フラットファンノズルを備え付けた2.5mのスプレーブームを装備した背負噴霧機(250kPa)を用いて行った。水で希釈された組成物の吐出量は、200リットル毎ヘクタール(L/ha)であった。オオムギの葉枯病(リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)、RHYNSE)の防除についての目視評価を、感染葉面積のパーセント(%)として報告し、散布1の時点(BBCH 31における未処理チェック)、散布2の時点(BBCH43〜49)、および散布2後2〜4週目に行った。植物健康状態の改善を、成長ステージBBCH75〜77において散布2後6週目の緑色の葉面積の%の目視評価を通して測定した。報告された値は、4回の繰り返しの平均値であり、統計的有意性を、ダンカンの多重比較検定(P=0.5)を用いて判定した。
【0042】
コルビーの等式を用いて、混合物から予測される殺菌効果を判定した。(Colby, S. R. Calculation of the synergistic and antagonistic response of herbicide combinations. Weeds 1967, 15, 20 - 22を参照されたい)。
【0043】
以下の等式を用いて、2つの活性成分AおよびBを含有する混合物の予測活性を計算した。
予測値=A+B−(A×B/100)
A=混合物中で使用される濃度と同一濃度にある有効成分Aの観察された有効性;
B=混合物中で使用される濃度と同一濃度にある有効成分Bの観察された有効性。
【0044】
本明細書に記載される組成物の好適な病害防除を付与するための能力を、表1の有効性データによって例示し、収量増加および植物健康状態の改善に関する組成物の代表的な相乗的相互作用を、それぞれ表2〜3に提示する。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】