【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一様態によれば、本発明は、次のステップを含む、個体(subject)から分離された細胞または組織内のシグナル伝達経路(signaling pathway)の活性化状態の分析方法を提供する:
(a)前記個体から分離されたものであって、前記シグナル伝達経路上のタンパク質である第1タンパク質を含む細胞または組織の溶解液(extract)を基板に処理して前記第1タンパク質を基板に固定させるステップ、
(b)前記第1タンパク質と相互作用するタンパク質として蛍光標識処理された第2タンパク質を前記基板に供給して、第1タンパク質と蛍光標識された第2タンパク質間の複合体の形成を誘導するステップ、および
(c)前記第2タンパク質の蛍光標識の蛍光シグナルを分析して第1タンパク質と第2タンパク質間の相互作用を分析し、分析結果によって前記シグナル伝達経路の活性化状態を分析するステップ。
【0014】
本発明者らは、シグナル伝達経路上の標的タンパク質と他のタンパク質間のタンパク質−タンパク質相互作用を同時にリアルタイムで分析できる分析方法に基づいた細胞または組織内のシグナル伝達経路の活性化状態の分析方法およびこれを用いた個人向け治療剤の選定方法を開発した。
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
(a)
第1タンパク質を基板に固定
ステップ(a)では、分析しようとするシグナル伝達経路上のタンパク質である第1タンパク質を含む細胞または組織の溶解液(extract)を基板に処理して前記第1タンパク質を基板に固定させる。
【0017】
本発明の一実現例によれば、前記第1タンパク質の固定は、基板に予め固定された抗−第1タンパク質抗体に第1タンパク質を固定させることによって達成される。この時、本発明の目的上、前記抗体が結合する部位である第1タンパク質のエピトープは、第1タンパク質と第2タンパク質の結合部位から所定距離だけ離れることが好ましい。
【0018】
本発明の一実現例によれば、前記基板は、ポリエチレングリコール(polyethyleneglycol)コーティング処理された石英スライド(Quartz Slide)である。
【0019】
前記第1タンパク質を含む細胞または組織は正常細胞または正常組織であるか、特定疾病が発病した細胞または組織であってもよい。
【0020】
本発明の一実現例によれば、前記細胞または組織の溶解液は、癌細胞または癌組織の溶解液である。本発明は、複雑な前処理過程なしに、個体(例えば、癌患者)から分離された癌細胞または癌組織を溶解(lysis)して得られた細胞または組織溶解液を用いて分析を行うことによって、複雑な前処理過程による時間と努力を節減することができる。前記細胞溶解液は、細胞原液だけでなく、薄められた細胞質原液または薄められた細胞原液を意味することができる。
【0021】
細胞溶解のためには、物理的方法、化学的方法および酵素的方法など、特に制限されずに利用することができる。
【0022】
本発明の一実現例によれば、基板上に固定されていない第1タンパク質を除去するために、ステップ(b)の実施前に洗浄過程を行う。洗浄は通常の洗浄バッファ(例えば、PBS)を用いて行うことができる。
【0023】
本発明の一実現例によれば、前記第1タンパク質は膜タンパク質である。
【0024】
本発明の一実現例によれば、前記膜タンパク質は受容体(receptor)である。この時、本発明は、シグナル伝達経路の開始点である受容体と該受容体と相互作用をする色々な種類のタンパク質間の相互作用を各々分析することによって、どのシグナル伝達経路が活性化したかを把握することができる。
【0025】
前記受容体の例としては、受容体型チロシンキナーゼ(Receptor tyrosine kinases)、Toll様受容体(Toll−like receptor)およびGタンパク質共役受容体(G protein−coupled receptor)がある。
【0026】
本発明の一実現例によれば、前記受容体型チロシンキナーゼは、EGFR(Epidermal growth factor receptor、HER1)、HER2(Human epidermal growth factor receptor 2)、HER3(Human epidermal growth factor receptor 3)、HER4(Human epidermal growth factor receptor 4)およびHGFR(Hepatocyte growth factor receptor、c−MET)からなる群から選択される。
【0027】
本発明の一実現例によれば、前記第1タンパク質が受容体型チロシンキナーゼである場合、後述する第2タンパク質はρ85α、STAT3、Grb2およびPLCyからなる群から選択される。例えば、第1タンパク質がEGFRである場合、第2タンパク質はρ85α、STAT3、Grb2およびPLCyからなる群から選択され、第1タンパク質がHER2またはHGFRである場合、第2タンパク質はρ85α、Grb2およびPLCyからなる群から選択され、第1タンパク質がHER3である場合、第2タンパク質はρ85αであってもよい。
【0028】
(b)
第1タンパク質と蛍光標識された第2タンパク質間の複合体の形成誘導
ステップ(b)では、前記第1タンパク質と相互作用するタンパク質として蛍光標識処理された第2タンパク質を前記基板に供給して、第1タンパク質と蛍光標識された第2タンパク質間の複合体の形成を誘導する。
【0029】
本発明の一実現例によれば、前記第2タンパク質は第1タンパク質の下流(downstream)に位置するタンパク質である。
【0030】
本発明の一実現例によれば、前記第2タンパク質は、細胞の溶解液に含まれた形態で基板に供給されることができる。例えば、第1タンパク質の下流に位置するタンパク質である第2タンパク質を蛍光標識された形態で発現する細胞を溶解して得られた細胞溶解液を前記基板に供給することができる。蛍光標識された第2タンパク質を含む細胞溶解液を得るために、細胞を遺伝子操作して蛍光標識された第2タンパク質を細胞から発現させることができる。例えば、蛍光遺伝子をコーディングするベクターに第2タンパク質の全長ORFあるいは一部ドメインをコーディングするポリヌクレオチドを入れて組み換えベクターを製作した後、該組み換えベクターで適当な宿主細胞(例えば、哺乳動物細胞)を形質転換して、蛍光標識された第2タンパク質を発現させる。形質転換方法としては電気穿孔法(electroporation)、原形質融合、リン酸カルシウム(CaPO
4)沈殿、塩化カルシウム(CaCl
2)沈殿、炭化ケイ素繊維を用いた攪拌、アグロバクテリア媒介の形質転換、PEG、硫酸デキストラン、リポフェクトアミンおよび乾燥/抑制媒介の形質転換方法などを利用することができる。他例として、物理化学的な方法によって前記第2タンパク質を蛍光標識することができる。
【0031】
本発明において利用可能な蛍光標識としては、例えば、緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein、GFP)、黄色蛍光タンパク質(yellow fluorescent protein、YFP)、青色蛍光タンパク質(Blue fluorescent protein、BFP)およびシアン蛍光タンパク質(cyan fluorescent protein)などが挙げられる。
【0032】
本発明によれば、第1タンパク質が付着された基板の表面に第2タンパク質が含まれた細胞溶解液が供給されれば、基板表面の第1タンパク質は、第2タンパク質および細胞内の他のタンパク質が共に共存する細胞内環境と同一な環境において第2タンパク質と相互作用をするようになる。これは、本発明に係る分析方法が細胞内環境と同一な条件でタンパク質相互作用を観察することができるということを意味する。すなわち、第2タンパク質に標識された特定波長帯域における蛍光シグナルの検出によって第1タンパク質と第2タンパク質間の相互作用を細胞環境と同一な環境で分析することができるものである。前記第1タンパク質と第2タンパク質は互いに相互作用をするタンパク質としてシグナル伝達経路上で隣接したタンパク質であるため、本発明によって実際細胞内のシグナル伝達経路の活性化状態を分析できるようになる。
【0033】
(c)
第1タンパク質と第2タンパク質間の相互作用を分析してシグナル伝達経路の活性化状態を分析
ステップ(c)では、第2タンパク質の蛍光標識の蛍光シグナルを分析して第1タンパク質と第2タンパク質間の相互作用を分析し、分析結果によって前記シグナル伝達経路の活性化状態を分析する。
【0034】
前記第1タンパク質と第2タンパク質間の相互作用の分析は、第2タンパク質に備えられた蛍光標識によって発生する特定波長の蛍光シグナルを、近接場を発生させる光学装置を用いて測定して行うことができる。すなわち、全反射蛍光顕微鏡などの近接場を発生させる光学装置によって基板の表面を観察して、基板表面の第1タンパク質と蛍光標識された第2タンパク質間の結合と分離の頻度などの相互作用を単分子レベルで分析することによって、第1タンパク質と第2タンパク質間の相互作用を確認することができる。
【0035】
本発明の一実現例によれば、前記第1タンパク質と第2タンパク質間の相互作用の分析は全反射蛍光顕微鏡(Total Internal Reflection Fluorescence Microscope)を用いて行う。この時、蛍光シグナルの分析は、第1タンパク質と第2タンパク質間の複合体が形成されるステップでリアルタイムで分析することができる。本発明で用いられるリアルタイムの単分子タンパク質−タンパク質相互作用の分析方法は免疫沈降法と蛍光イメージングを結合したものであって、精製されていない細胞または組織溶解液の単分子イメージングが反応チャンバー内でリアルタイムで行われるという点で通常の免疫沈降法とは差別化され、リアルタイムで単分子レベルで結合を確認することができる。
【0036】
本発明の一実現例によれば、前記蛍光シグナルの分析は、前記蛍光標識が示す特定波長の蛍光シグナルを特定時間の間積分測定することができる。すなわち、全反射蛍光顕微鏡によって基板表面における波長変化を測定する場合、波長変化を所定の時間の間積分測定することができる。
【0037】
本発明の方法を利用すれば、ヒトを含む個体(subject)から分離された細胞または組織内のシグナル伝達経路のうちのどの経路が活性化したかを確認(分析)することができる。下記の実施例では、癌と密接な関連があると知られたEGFRとその下流タンパク質であるρ85α、STAT3、Grb2およびPLCγ間の相互作用を、様々な癌細胞株および癌患者由来の組織を用いて分析した。分析の結果、細胞株ごとに、あるいは癌組織と正常組織間に、EGFRの活性化程度の差があることが確認された(実験例3および4を参照)。さらに、下記実施例ではEGFR以外の他のRTKとその下流タンパク質間の相互作用を、様々な癌細胞株を対象に分析した(実験例5および6を参照)。このような結果は、本発明の方法を適用して、各個体から分離された細胞または組織において特に活性化しているシグナル伝達経路を探すことができることを示し、分析されたシグナル伝達経路の活性化状態情報に基づいて各個体の疾患の予後を予測し、各個体の特性に合わせた治療剤(例えば、活性化されたシグナル伝達経路をターゲットとする抗癌剤)を選定するなど、個人向け予後の予測と治療が可能であることを示す。
【0038】
本発明によれば、本発明は、前記第2タンパク質として、第1タンパク質と相互作用する1種類のタンパク質だけでなく、下記実験例3のように第1タンパク質と相互作用する様々な種類のタンパク質を用いることもできる。例えば、第1タンパク質とその下流に位置する色々な種類のタンパク質(複数種類の第2タンパク質)間の相互作用を分析する場合には、色々な種類の第2タンパク質を同時にまたは順次基板に供給することができる。例えば、第2タンパク質が順次基板に供給される場合には、先に供給された第2タンパク質と第1タンパク質間の相互作用の分析が終わった後に、洗浄過程によって分析が完了した第2タンパク質を除去した後、他の第2タンパク質を基板に供給する過程によって実施されることができる。
【0039】
具体的に、本発明の一実現例によれば、色々な種類の第2タンパク質を順次基板に供給する場合に、本発明の方法は、ステップ(c)後に、ステップ(b)と(c)によって相互作用を分析した第2タンパク質とは別種類のタンパク質(第1タンパク質と相互作用する)を第2タンパク質として用いてステップ(b)と(c)を繰り返し実施するステップ(d)をさらに含む。この場合、先の第2タンパク質と第1タンパク質間の相互作用を分析した後には、洗浄過程によって先の第2タンパク質を除去した後、別種類の第2タンパク質を基板に供給して第1タンパク質との相互作用を追加分析することができる。この場合、第1タンパク質を基板に固定する過程を1回のみ行った後、色々な種類の第2タンパク質との相互作用を分析することができるので少量の試料を用いた分析が可能であり、これは、人体組職の場合には利用できる量が多くなく、PCRのような増幅過程がタンパク質には存在しないことを考慮する時に非常に有利な利点である。
【0040】
本発明は、様々な種類の第1タンパク質と様々な種類の第2タンパク質を用いてステップ(a)〜(c)を実施することができる。すなわち、本発明は、様々な種類の第1タンパク質(標的タンパク質)を基板に固定した後、これらと相互作用する(例えば、第1タンパク質の下流に位置する)色々な種類の第2タンパク質(候補タンパク質)を処理して第1タンパク質と第2タンパク質間の相互作用を分析することができる。例えば、基板に色々な種類の抗体が付着された基板に様々な種類の第1タンパク質を固定させた後、第1タンパク質をX軸にし、第2タンパク質をY軸にして、タンパク質間の相互作用を蛍光シグナルで分析する。第1タンパク質の数を平行線に合わせて微細流体チャネルを形成するようにすることによって第1タンパク質の数だけ基板に抗体を用いて固定させる。垂直線は第2タンパク質の数だけチャネルを形成するようにする。二重層構造が使われることができ、二番目の微細流体チャネルは交差反応点として使われるための一番目のチャネルの上部に積層されることができる。または、一番目のチャネルの付着および脱着が可能となるように二番目のチャネルの装着後に適用されることもできる。本方法によれば、独立したチャンバー内で独立した反応による相互作用のパターンを分析することができる。
図9はこのような相互作用の分析方法の模式図であり、
図10は第1タンパク質−第2タンパク質間の相互反応を蛍光シグナルで分析したものであって、赤色のシグナルは最も活性化されたタンパク質間の結合を示す。このような本発明により、各患者から採取した細胞または組織内で活性化している特定シグナル伝達経路(特定タンパク質間の結合)を確認することができ、それによって患者個人別の薬に対する耐性を予め予測することができ、最適な治療効果を得ることができる標的治療剤を選定することによって個人向け治療が可能である。
【0041】
また、遺伝子プロファイリングは細胞シグナル伝達において交点(node)に焦点を合わせる反面、本発明は、交点を連結する線に合わせられている。1つの節は数多くの交点を持つようになり、1つの上流タンパク質は数多くの下流タンパク質と連結されており、1つの下流タンパク質は数多くの上流タンパク質と連結されている。本発明は、1つの上流タンパク質が細胞シグナル伝達経路においてどのように収斂し分枝するかを全般的に観察することができるようにする。
【0042】
本発明の他の様態によれば、本発明は次のステップを含む個人向け治療剤の選定方法を提供する:
(a)上述した方法を利用して、前記個人から分離された細胞または組織内のシグナル伝達経路の活性化状態を分析するステップ、および
(b)ステップ(a)で確認された活性化されたシグナル伝達経路をターゲットとする治療剤を探索し、探索された治療剤を前記個人の個人向け治療剤に選定するステップ。
【0043】
前記ステップ(a)は、上述した個体から分離された細胞または組織内のシグナル伝達経路の活性化状態を分析する方法を利用するものであって、重複した内容であるのでその説明は省略する。
【0044】
ステップ(b)ではステップ(a)の分析結果に基づいて、活性化されたシグナル伝達経路をターゲットとする治療剤を探索する。例えば、上述した個体から分離された細胞または組織内のシグナル伝達経路の活性化状態を分析する方法を様々な種類の第1タンパク質と様々な種類の第2タンパク質を用いて実施した後、前記個体から分離された細胞または組織内で活性化している特定のシグナル伝達経路あるいは特定タンパク質間の結合を確認した後、それをターゲットとする治療剤を探索し、それを個人向け治療剤に選定することができる。
【0045】
ステップ(b)において個人向け治療剤を選定する方法としては、例えば、ステップ(a)で確認された活性化されたシグナル伝達経路をターゲットとすると知られた公知の治療剤の中から個人向け治療剤を選定するか、またはステップ(a)で確認されたシグナル伝達経路が活性化している細胞株あるいは組織に試験物質を処理した後、前記試験物質が前記シグナル伝達経路の活性化を抑制するか否か、前記候補薬物が前記細胞株あるいは組織の成長を抑制するか否かなどを確認するスクリーニング過程によって個人向け治療剤を選定することができる。前記試験物質としては低分子量化合物、高分子量化合物、核酸分子(例えば、DNA、RNA、PNAおよびアプタマー)、タンパク質、糖、脂質および天然物質などを用いることができる。
【0046】
本発明の一実現例によれば、前記治療剤は抗癌剤である。
【0047】
本発明の他の様態によれば、本発明は、次のステップを含む、治療剤に対する治療反応性を予測する方法を提供する:
(a)上述した方法を利用して、治療剤に対する治療反応性を予測しようとするヒトから分離された細胞または組織内のシグナル伝達経路の活性化状態を分析するステップ、および
(b)ステップ(a)で確認されたシグナル伝達経路の活性化状態の分析情報に基づいて、前記シグナル伝達経路をターゲットとする治療剤に対する治療反応性を予測するステップ。
【0048】
ステップ(a)では、予測対象のヒトから細胞または組織を分離した後、分離された細胞または組織内のシグナル伝達経路の活性化状態を分析する。ステップ(a)におけるシグナル伝達経路の活性化状態を分析する方法は上述したので省略する。
【0049】
例えば、癌治療の場合は、特定シグナル伝達経路(例えば、EGFR経路、HER2経路など)をターゲットとする抗癌剤を用いた治療が頻繁に行われているが、抗癌剤がターゲットするシグナル伝達経路の活性化程度は各個人ごとに差があり、特に抗癌剤がターゲットするシグナル伝達経路が非活性化したり活性化程度が低い場合には、前記抗癌剤に対する治療効果を得ることが難しいという問題がある。そこで、抗癌剤の投与前に抗癌剤に対する治療反応性を予め予測し、それに応じた適切な治療法と薬物を選定するのが重要であり、本発明の方法を利用すれば、このような抗癌剤に対する治療反応性を予め予測することができる。
【0050】
ステップ(b)では、シグナル伝達経路の活性化状態の分析情報に基づいて、前記シグナル伝達経路をターゲットとする治療剤に対する治療反応性を予測する。下記の実験例6では、各癌細胞株ごとにシグナル伝達経路の活性化程度に差があり、前記シグナル伝達経路をターゲットとする抗癌剤に対する感受性にも差があることを確認した。このような結果により、本発明の方法によって分析したシグナル伝達経路の活性化情報に基づいて、前記シグナル伝達経路をターゲッティングする標的抗癌剤に対する個体の治療反応性を予め予測できることを確認した。
【0051】
本発明の一実現例によれば、前記治療剤は抗癌剤であり、本発明の目的上、前記抗癌剤は特定シグナル伝達経路をターゲッティングする標的抗癌剤である。