(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ワイヤレスセンサ装置は、多数の個別のセルラーネットワーク規格のいずれかに従ってフォーマットされたセルラーネットワーク信号を受動的に監視するよう構成された、請求項1に記載の方法。
前記地理的領域におけるワイヤレス信号を受動的に監視することは、ワイヤレス通信ネットワークからのサービスを要求せずにワイヤレス通信ネットワークにおいて交換されるワイヤレス信号を監視することを含む、請求項1に記載の方法。
前記ワイヤレスセンサ装置は、多数の個別のセルラーネットワーク規格のいずれかに従ってフォーマットされたセルラーネットワーク信号を受動的に監視するよう構成された、請求項10に記載のシステム。
前記地理的領域におけるワイヤレス信号を受動的に監視することは、ワイヤレス通信ネットワークからのサービスを要求せずにワイヤレス通信ネットワークにおいて交換されるワイヤレス信号を監視することを含む、請求項10に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
種々の図面において同じ要素は同じ参照記号で示されている。
【0010】
ここでの記載の幾つかの観点において、高周波(RF)信号源の位置は、共通同期信号源に同期された分散型センサネットワークを使用して識別される。ある実施形態では、このセンサネットワークは、信号源によって送信された信号を受動的に検出する。例えば、信号源は、セルラーネットワークのワイヤレスサービスにアクセスする移動装置であり、そして移動装置の位置は、セルラーネットワークの一部分ではないセンサを使用して識別することができる。ある場合には、センサ(セルラーネットワークの一部分ではない)が移動装置からセルラーベースステーション(セルラーネットワークの一部分である)へ送信された信号を検出し、そして移動装置の位置は、検出された信号及び同期信号源からの情報から識別される。ある実施形態では、同期信号源は、ベースステーション(例えば、同期又はブロードキャストチャンネルを放出するベースステーション)、グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)のタイミング基準、GNSS適合のタイミング基準信号を発生する地上ベース送信器、正確なタイミング基準を搬送する他のブロードキャストRF信号、又はそれらの組み合せである。
【0011】
ある実施形態において、ワイヤレス信号源ロケーターシステムは、ワイヤレスセンサ装置のグループにより形成されたセンサネットワークを備えている。ある実施形態では、センサ装置は、ワイヤレス通信ネットワークプロトコルに従って信号源から送信された信号を検出する。例えば、センサ装置は、セルラーネットワークにおいて交換される信号を検出するが、センサ装置それ自体は、セルラーネットワークの一部分ではない。センサ装置により検出される信号は、セルラーベースステーション、Wi−Fiアクセスポイント、又は別のワイヤレスリソースプロバイダーとワイヤレス通信するために信号源によりフォーマットされる信号を含む。
【0012】
ある実施形態において、センサ装置のグループは、既知の座標をもつ地理的エリアに配置される。各センサ装置は、そのエリアで利用できるワイヤレスサービスを受信しそしてそれに同期することができる。ある場合に、各センサ装置は、タイミング同期信号源から座標位置への同期信号を受信しそして正確なタイミングを得る受信器を有する。例えば、センサ装置は、一体型のGNSS受信器を有する。ある場合に、同期信号は、ワイヤレスネットワークブロードキャスト信号(例えば、セルラーダウンリンクフレーム又はタイムスロット境界)、GNSSタイミング基準、GNSS適合のタイミング基準信号を発生する地上ベース送信器、又はネットワークタイミング同期を与える他の信号である。
【0013】
環境及び信号強度に基づいて、センサネットワーク内のセンサの幾つか又は全部によりターゲット信号を受信することができる。ターゲット信号は、位置決めされるべきターゲットRF信号源により送信される信号である。ターゲット信号は、例えば、移動装置(スマートホン、移動ターミナル、等)により送信されるRF信号−セルラー又はWi−Fi/ブルーツースのいずれか、RFインターフェイスの固定又は移動信号源、未知の又は偽のセルラーベースステーション、RFスペクトルの違法ユーザ(アマチュア無線)、又はターゲット信号源により送信される他の信号を含む。
【0014】
ある実施形態において、各センサ装置は、タイミング同期信号源により与えられる同期信号に対するターゲット信号の到着時間を測定し、そしてセンサ装置は、センサネットワークに共通のタイミング同期信号源からの同期信号に各々アクセスすることができる。各センサ装置からの情報は、データ分析システムに送信することができる。ある実施形態において、データ分析システムは、集中型処理エンジン又はネットワークオペレーションセンター(NOC)である。ある場合に、データ分析システムは、通信ネットワーク(例えば、IPネットワーク又は他のタイプの通信システム)を経て到着時間データを受信する。データ分析システムは、各センサからの測定値を各センサの既知の座標及びタイミング信号源の既知の座標(ワイヤレスネットワークタイミング信号源の場合)と結合し、そしてターゲット信号源の未知の位置を計算するための非線型方程式の系を形成することができる。
図13から20及びそれに関連した説明は、規範的実施形態の付加的な詳細を与える。
【0015】
ある場合に、センサ装置による到着時間測定値は、ターゲット信号源の位置決めにおけるエラーに貢献するエラーを生じ得る。測定により多くのセンサを含ませるか又は測定を何回も繰り返して測定結果を平均化することで、エラーを減少できる。
【0016】
ある実施形態において、ここに述べる要旨は、技術的な効果を与える種々の仕方で実施することができる。例えば、ワイヤレスセンサ装置は、低コスト装置でよい。それ故、エリアに配備されるワイヤレスセンサ装置の数を、同じエリア内のベースステーションの数より著しく多くすることができる。その結果、位置決めの精度を非常に高くすることができる。更に、ワイヤレスセンサ装置は、セルラーネットワークの一部分ではなく、それ故、移動装置ではないワイヤレス信号源(例えば、マイクロ波オーブン、ラジオ装置、等)を含む様々な信号源の位置を決定するのに使用できる。
【0017】
ここに述べる記述のある観点において、ワイヤレス信号は、スペース及び時間にわたり監視され分析される。例えば、ワイヤレス信号のパラメータは、地理的領域の種々の位置で同時に動作する多数のワイヤレスセンサ装置から集計される。地理的領域は、相対的に小さいか又は大きく(例えば、数十又は数百メーターないし数キロメータの範囲の半径を有する)、そして一般的に、当該エリア(例えば、ビル、都市ブロック、管轄区、人口、産業、等)を表わす。ある場合には、集計されたデータは、スペクトル使用の現実的及び包括的分析を容易にし、そして地理的領域におけるワイヤレススペクトル及び他のリソースの利用及びクオリティの理解を与えることができる。
【0018】
ある実施形態において、種々のワイヤレス通信規格に従ってフォーマットされたワイヤレス信号が監視され、分析される。例えば、ワイヤレスセンサ装置は、移動のためのグローバルシステム(GSM(登録商標))、及びGSM進化のためのエンハンストデータレート(EDGE)又はEGPRSのような2G規格;コード分割多重アクセス(CDMA)、ユニバーサル移動テレコミュニケーションシステム(UMTS)、及び時分割同期コード分割多重アクセス(TD−SCDMA)のような3G規格;長期進化(LTE)及びLTEアドバンスト(LTE−A)のような4G規格;IEEE802.11、ブルーツース、近フィールド通信(NFC)、ミリメータ通信のようなワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)又はWiFi規格;又はこれら又は他のタイプのワイヤレス通信規格の複合;を監視及び分析することができる。ある実施形態において、他のタイプのワイヤレス通信(例えば、非規格化信号及び通信プロトコル)が監視及び分析される。
【0019】
ある場合に、ワイヤレススペクトル使用データ及びその関連情報が種々のエンティティにより収集され又はそれらに提供される(例えば、販売され、契約され、共有され、又はその他提供される)。例えば、ワイヤレススペクトル使用データは、政府機関又は監督官庁(例えば、連邦通信委員会(FCC)、等)、規格開発団体(例えば、第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP))、米国電気電子学会(IEEE)、等)、スペクトル権利所有者及び被免許者、ワイヤレスサービスプロバイダー、ワイヤレス装置及びチップ製造者及び売主、ワイヤレス装置のエンドユーザ、又は他の独立体により使用することができる。
【0020】
ワイヤレススペクトル使用データ及びその関連情報は、種々の目的で使用することができる。例えば、政府機関又は監督官庁は、その情報を使用して、割り当てられた又は割り当てられていないスペクトル使用権を良好に規制し、管理し及び施行し;規格開発団体は、その情報を使用して、スペクトル負荷のバランスをとるように動作周波数を選択し且つ規格を開発し(例えば、負荷の低い周波数帯域を活用しそして混雑した周波数帯域の負荷を軽減することにより);そしてサービスプロバイダーは、その情報を使用して、システムハードウェア、ソフトウェア、サービス又はインフラストラクチャーを最適化し、さもなければ、改善する。
【0021】
より正確で且つより包括的なスペクトル使用データにより、目標とする計画は、ワイヤレススペクトル及び他のリソースの利用を改善するように設計することができる。ある場合に、スペクトル権利所有者及び被免許者又はワイヤレスサービスプロバイダーは、彼らが所有し又は運営する周波数帯域の利用度及びクオリティに基づいて、彼ら自身のスペクトル使用を設計し、変更し、さもなければ、管理することができる。例えば、ある地理的位置が厳しいデータトラフィックを経験するという知識が与えられると、ワイヤレスサービスプロバイダーは、地理的位置の厳しいデータトラフィックを受け容れるようにベースステーションを追加し又はセル構成を変更する(例えば、周波数再使用体系を調整する)ことができる。別の例として、1日のある時間帯は、他の時間帯より厳しいデータトラフィックを経験するという知識が与えられると、ワイヤレスサービスプロバイダーは、ピークを除く時間中の使用を奨励するようにプロモーション又はポリシーを設計することができる。
【0022】
ある例において、ワイヤレススペクトル分析システムは、多数のワイヤレスセンサ装置及びデータ集計システムを備えている。ワイヤレスセンサ装置は、地理的領域にわたって種々の位置に分散させることができる。ワイヤレスセンサ装置は、各位置においてRFスペクトルを監視及び分析し、そしてその情報をデータ集計システムへ送信することができる。データ集計システムは、ワイヤレスセンサ装置から送信された情報を集計し、コンパイルしそして分析する中央バックエンドシステムとして働くことができる。
【0023】
ある実施形態において、ワイヤレススペクトル分析システム及び個々のワイヤレスセンサ装置は、周波数ドメイン、時間ドメイン又はその両方において種々のタイプの分析を行うことができる。例えば、ワイヤレスセンサ装置は、周波数ドメイン、時間ドメイン又はその両方においてワイヤレススペクトルを分析することができる。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置は、検出された信号に基づき、帯域巾、パワースペクトル密度又は他の周波数属性を決定するように構成される。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置は、時間ドメインにおけるワイヤレス信号から、例えば、ワイヤレス信号に含まれたシグナリング情報(例えば、プリアンブル、同期情報、チャンネル状態指示子、WiFiネットワークのSSID/MACアドレス)のようなコンテンツを抽出するように復調及び他のオペレーションを遂行するよう構成される。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置は、ターゲット信号に基づく到着時間データ(例えば、ワイヤレス信号源からの)及び同期信号(例えば、同期信号源からの)を検出するように構成される。
【0024】
ある例において、ワイヤレススペクトル分析システムは、装置からのスペクトル使用データに基づきスペクトル使用レポートを与える。スペクトル使用レポートは、ユーザに与えられ(例えば、ユーザインターフェイスにおいて)、データベースに記憶され(例えば、分析又は記録保管の目的で)、加入者又は他のエンティティ(例えば、政府機関又は監督官庁、規格開発団体、スペクトル権利所有者及び被免許者、ワイヤレスサービスプロバイダー、等)へ送信され、又は別の仕方で出力される。ある場合に、スペクトル使用レポートは、ワイヤレススペクトル使用のテキスト、データ、テーブル、チャート、グラフ、又は他の表現を含む。
【0025】
ある例において、スペクトル使用レポートは、周波数ドメイン情報、時間ドメイン情報、空間ドメイン情報、又はそれらの組み合せと、ワイヤレスセンサ装置により検出されたワイヤレス信号の分析から得られた他の知識とを含む。スペクトル使用レポートは、個別位置における多数のワイヤレスセンサ装置全体からのデータに基づくグローバル情報及び高レベル知識を含む。例えば、スペクトル使用レポートは、時間又は空間にわたるトレンド、統計値、パターン、カバレージ、ネットワーク性能、又は他の情報を含む。ある実施形態において、スペクトル使用レポートは、特定のユーザ又はエンティティの仕事、好み又は他の属性に基づいて調整又はカスタマイズすることができる。
【0026】
ある例において、地理的領域にわたる個別の位置に非常に多数のワイヤレスセンサ装置を使用して、各個別位置のワイヤレス信号を同時に監視することができる。従って、種々の位置のRF信号は、同時に又は重畳する時間周期中に検査することができ、これは、地理的領域にわたりワイヤレス信号のより正確で且つより包括的な検査を行えるようにする。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置は、例えば、広い周波数範囲にわたってRF信号を「聴取」又は「ウオッチ」しそして検出されたRF信号を処理することによりそれらの各位置のワイヤレス信号を受動的に監視する。RF信号が検出されない時間があり、ワイヤレスセンサ装置は、その装置のローカル環境においてRF信号が検出されたときにそれらの信号を(例えば、時々又は連続的に)処理する。
【0027】
多くの場合に、ワイヤレスセンサ装置は、他のエンティティ又はシステムにより又はそれらの間に、例えば、特定の周波数又は周波数のセットにおいて、又は自然現象により、送信されたワイヤレス信号を検出することができる。ワイヤレス信号の信号源、行先、コンテキスト及び特性は、変化し得る。従って、ワイヤレスセンサ装置は、様々なシステム、エンティティ又は現象によりワイヤレススペクトルの使用を監視し、ここに述べるシステムは、特定のタイプ又はクラスのシステム又はプロトコルの監視に限定されない。
【0028】
ある場合に、ワイヤレスセンサ装置は、比較的低コストで、コンパクトでそして軽量の装置として実施することができる。小型サイズで且つ携帯性があることは、ある場合に、用途を拡張し、そしてワイヤレススペクトル分析システムの融通性を向上させることができる。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置は、セルラーシステムのピコ/フェムトセルボックス、WiFiアクセスポイント又はベースステーション、乗物、ルーター、移動装置(例えば、スマートホン、タブレット、等)、コンピュータ、「モノのインターネット」(例えば、マシン対マシン(M2M)モジュール、ケーブルモデムボックス、ホームギア電子ボックス(例えば、TV、モデム、DVD、ビデオゲームステーション、ラップトップ、キッチンギア、プリンタ、照明、電話、時計、サーモスタット、火災検出ユニット、CO
2検出ユニット、等)、又は他の場所に配置され又は結合される。
【0029】
ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置は、スポットにおけるローデータ(例えば、検出されたRF信号)に対する計算及び分析を遂行して、当該情報のダイジェスト版(例えば、スペクトル使用パラメータ)を抽出することができる。ある場合に、ローデータをデータ集計システムへ送信するのではなく、ワイヤレスセンサ装置は、ローデータから抽出されたダイジェスト版を送信し、これは、データトラフィックを減少し、電力消費を減少し(該当する場合には、バッテリ寿命を延長し)、そして他の効果を発揮することもできる。ある場合に、ローデータは、例えば、要求があれば、又は他の場合には、データ集計システムに送信することができる。
【0030】
ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置とデータ集計システムとの間の通信は、例えば、インターネットプロトコル(IP)トランスポート、或いはより効率的なデータ送信を与える別の標準的データトランスポートプロトコルに基づく。一般的に、メッセージは、いつでもワイヤレスセンサ装置からデータ集計システムへ送信することができる。例えば、送信は、検出されたRFスペクトル使用によりトリガーされ、データ集計システムからの要求により開始され、所定のスケジュール又は周期的インターバル、又はその他に従って送られる。ある場合に、集計システムは、特定のワイヤレスセンサ装置からデータを要求することができる。
【0031】
ある例において、ワイヤレスセンサ装置を配備して、バックエンドシステムから制御することができる。例えば、ワイヤレスセンサ装置は、現場の技術者が装置を動作する必要なく動作することができる。ある実施形態において、データ集計システム又は別のタイプの中央制御システムは、例えば、ワイヤレスセンサ装置を構成又はアップグレードするために制御動作を実行することができる。ある場合に、制御システムは、構成情報を要求するか、又は特定のワイヤレスセンサ装置において内部テストを実行することができる。
【0032】
ある実施形態において、ワイヤレススペクトル分析システムは、ワイヤレス信号源の位置を識別することができる。例えば、ワイヤレスセンサ装置は、ターゲット信号源により送信されたターゲット信号を検出し、そしてデータ集計システムにデータを送信する。データ集計システムは、ワイヤレスセンサ装置からのデータを分析して、ターゲット信号源の位置を決定するデータ分析システムを含む。
【0033】
図1は、ワイヤレス信号源の位置を識別できる規範的なワイヤレススペクトル分析システム100を示すブロック図である。
図1に示された規範的なワイヤレススペクトル分析システム100は、ワイヤレスセンサ装置110及びデータ集計システム115のネットワークを備えている。
図1に示すように、多数の(例えば、数十、数百又は数千の)ワイヤレスセンサ装置110が、1つ以上のセルラーネットワークの多数のセル105を包囲する地理的エリアにわたって分散され、各セル105には多数のワイヤレスセンサ装置110がある。ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置110は、別の地理的領域、例えば、セルラーネットワークを含まないエリアにわたって分散することができる。ワイヤレスセンサ装置110は、互いに同じ又は同様であり、或いはワイヤレススペクトル分析システム100は、種々の異なるワイヤレスセンサ装置110を含むことができる。
【0034】
図1に示すように、各セル105は、セルラーネットワーク(例えば、セルラーボイスネットワーク、セルラーデータネットワーク、等)のユーザ装置(例えば、セルラーホン、等)とインターフェイスする1つ以上のベースステーション120を備えている。各セル105は、典型的に、単一のベースステーション120を備えている。典型的に、地理的領域におけるベースステーションの密度は、望ましいセルカバレージに基づいて決定され、そしてセルの計画段階中に計算され、従って、インフラストラクチャーが配備されると、相対的に固定されたままとなる。
【0035】
ベースステーション120は、典型的に、広い領域、例えば、全セル105にわたって移動装置のためのワイヤレスサービスを提供する。従って、ベースステーション120は、満足なセルカバレージを与えるために比較的広い領域にわたって信号を送信するに充分な電力を必要とする。ベースステーションは、典型的に、消費電力が10ワットないし100ワット以上の高電力プロセッサ又は高電力コンポーネントを使用し、そしてベースステーションの動作温度を維持するために冷却システムを要求する。これら及び他の理由で、ベースステーションは、しばしば、大規模の高価なシステムとなる。例えば、セルラーベースステーションは、塔及びビルに装着された多数のアンテナで構成され、塔の基部の付近には電子回路があり、そしてセルラーベースステーションは、ある場合には、$100,000ないし$1,000,000以上の範囲のコストがかかる。
【0036】
ここに示す例において、ワイヤレスセンサ装置110は、データ集計システム115にデータを与える。例えば、ワイヤレスセンサ装置110は、IPネットワーク、イーサネット(登録商標)又は別の通信システムを通してデータ集計システム115へメッセージ(例えば、IPパケット、イーサネットフレーム、等)を送信する。例えば、ワイヤレススペクトル分析システム100は、ベースステーション120によってサポートされるセルラーネットワーク以外の(又はそれを含む)既存の通信及び電力インフラストラクチャー(例えば、公衆ネットワーク、プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、等)をレバレッジすることができる。
【0037】
規範的なワイヤレスセンサ装置110は、ローカルエリアのワイヤレス信号を各々監視及び分析するモジュラー又はスタンドアローン装置である。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置110は、例えば、セルラーサービスを(例えば、ユーザ装置に)提供せずに、セルラーネットワークの無線リソースを使用せずに、ベースステーション120の動作をサポートせずに、又はその他、セルラーネットワークのコンポーネントとして動作せずに、セルラーネットワークと受動的に相互作用する。ワイヤレスセンサ装置110は、ワイヤレス信号を検出及び分析するために特殊なハードウェア(例えば、カスタマイズされた回路、カスタマイズされたチップセット、等)及び特殊なソフトウェア(例えば、信号処理及び分析アルゴリズム)を含む。
【0038】
ある場合に、ワイヤレスセンサ装置110は、低電力消費(例えば、平均でほぼ0.1ないし0.2ワット以下)で動作し、そして比較的小型で低廉である。ある例において、個々のワイヤレスセンサ装置は、典型的なパーソナルコンピュータ又はラップトップコンピュータより小型であり、そして様々な環境で動作することができる。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置は、オフィススペース、都市のインフラストラクチャー、住居エリア、又は他の位置に設置できるモジュラー、ポータブル、コンパクト装置である。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置は、$100未満で製造できるが、実際のコストは変化する。
【0039】
図1に示す例では、ワイヤレスセンサ装置110は、ベースステーション120より高い密度で地理的に分散される。従って、ある場合に、ワイヤレスセンサ装置110は、高い位置分解能及び精度でワイヤレススペクトルを検査することができる。特定例として、各セル105の各エリア内にほぼ50台のワイヤレスセンサ装置110があるようにして都市内の種々の位置に1000台のワイヤレスセンサ装置110が配置されるが、実際の台数は、用途ごとに変化する。各ワイヤレスセンサ装置110は、個別の位置(即ち、他のワイヤレスセンサ装置110の位置と物理的に区別できる位置)に存在する。
【0040】
地理的エリアにおけるワイヤレスセンサ装置110の密度は、例えば、地理的エリアの面積、人口、位置又は他のファクタに基づいて決定することができる。例えば、都市エリアにおけるワイヤレスセンサ装置110の密度は、ある場合には、田園エリアより高い。ある場合に、規範的ワイヤレスセンサ装置110は、コストが比較的低く且つサイズが小さいことから、領域全体にわたるワイヤレススペクトル使用を監視及び分析するための経済的解決策を提供するようにセル105又は別の当該領域全体に分散することができる。
【0041】
ワイヤレススペクトル分析システム100は、ある場合には、システム構成及び管理に高レベルの融通性をもって実施することができる。例えば、ワイヤレスセンサ装置110は、比較的容易に再配置でき且つ種々の位置で動作できるポータブルプラグ・プレイ装置である。ある例において、ワイヤレスセンサ装置110は、標準的な通信インターフェイス(例えば、イーサネット、WiFi、USB、等)を有し、そして標準電源を受け容れ又はバッテリ電源で動作する。従って、ワイヤレススペクトル分析システム100の構成(例えば、ワイヤレスセンサ装置110の全台数、密度及び相対的な位置)は、種々の環境を受け容れることができ、そして例えば、時々変更又は調整することができる。
【0042】
規範的なデータ集計システム115は、ワイヤレスセンサ装置110から送信されたデータ(測定値、当該情報のダイジェスト版、等)を受信し;データを(例えば、データベースに)記憶し;そしてデータベースからの集計データを処理して高レベル情報を抽出するアルゴリズムを実行する;ことができる。高レベル情報は、例えば、ワイヤレス信号源の位置、トレンド、統計値、カバレージ、ネットワーク使用、又はワイヤレスセンサ装置110に関連した他のローカル又はグローバル情報を含む。又、データ集計システム115は、ワイヤレスセンサ装置110の動作を制御し、そしてそれらと個々に相互作用して、例えば、同期データを与え、特別なデータを要求し、又は他の制御操作を遂行する。
【0043】
図2は、RF信号源を位置決めするのに使用できる規範的なワイヤレススペクトル分析システム200のアーキテクチャーを示すブロック図である。ワイヤレススペクトル分析システム200は、
図1のワイヤレススペクトル分析システム100、又は別のワイヤレススペクトル分析システムを表わす。規範的なワイヤレススペクトル分析システム200は、多数のワイヤレスセンサ装置110、IPネットワーク220、及びメインコントローラ230を備えている。ワイヤレススペクトル分析システム200は、付加的な又は異なるコンポーネントを含むことができる。ある実施形態では、ワイヤレススペクトル分析システムは、
図2に示すように構成されるか、又は別の適用な仕方で構成される。
【0044】
図2に示す例では、各ワイヤレスセンサ装置110は、空間座標(x
i、y
i、z
i)を有する各物理的位置にあるワイヤレスセンサ装置として実施され、ここで、iは、1からLまで変化する(Lは、ワイヤレスセンサ装置110の台数である)。ある実施形態において、各ワイヤレスセンサ装置は、グローバルポジショニングシステム(GPS)を備えているか、又はワイヤレスセンサ装置の位置座標を識別する別の位置識別システムを備えており、或いは位置座標は、別の仕方で識別することができる。ある実施形態において、各ワイヤレスセンサ装置は、独特の識別子を有し、そして識別子は、位置識別子又は位置座標に関連付けられる。
【0045】
規範的なワイヤレスセンサ装置は、周波数及び時間の両ドメインにおいてワイヤレススペクトルを監視及び分析し、そして関連地理的位置で利用できるワイヤレス通信サービスの詳細分析を遂行することができる。例えば、ワイヤレスセンサ装置は、所与の時間にワイヤレスセンサ装置の位置に関してローカルワイヤレス環境におけるRF信号を検出することができる。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置は、データパケット及びフレームを識別し、同期情報、セル及びサービス識別子、並びにRFチャンネルのクオリティ測定値(例えば、チャンネルクオリティ指示子(CQI))を抽出し、そしてこれら及び他の制御情報並びにワイヤレスセンサ装置で検出されたRF信号のトラフィックデータに基づいてスペクトル使用パラメータ及び他の情報を導出することができる。制御情報及びRF信号のトラフィックデータは、2G GSM/EDGE、3G/CDMA/UMTS/TD−SCDMA、4G/LTE/LTE−A、WiFi、ブルーツース、等のワイヤレス通信規格に対応する物理的及び媒体アクセス(MAC)レイヤ情報を含む。スペクトル使用パラメータ(例えば、特定周波数又は特定帯域巾、等に対する)は、検出されたRF信号の電力、検出されたRF信号の信号対雑音比(SNR)、到着時間データ、検出されたRF信号が最大電力を有する周波数、又は他のパラメータを含む。ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置は、RF障害物及び干渉物、又は他のタイプの情報を識別することができる。
【0046】
図2に示す例では、ワイヤレスセンサ装置からのデータ(例えば、到着時間データ又は他の情報)は、データ集計システム又は中央制御システム(例えば、メインコントローラ230)により集計される。ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置からのデータは、ワイヤレスセンサ装置から送信されたメッセージを、例えば、IPネットワーク(例えば、IPネットワーク220)を通して受信することによりメインコントローラ230で集計される。ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置は、ローカルネットワーク(例えば、ローカルインターネット202又は204)を経てIPネットワーク220に接続される。ワイヤレスセンサ装置は、ローカルワイヤラインネットワーク214又はワイヤレスネットワーク212によりローカルネットワークに接続される。ワイヤラインネットワーク214は、例えば、イーサネット、xDSL(x−デジタル加入者ライン)、光学的ネットワーク、又は他のタイプのワイヤライン通信ネットワークを含む。ワイヤレスネットワーク212は、例えば、WiFi、ブルーツース、NFC、又は他のタイプのローカルワイヤレスネットワークを含む。ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置の幾つかは、1つ以上のワイドエリアネットワーク206を使用してIPネットワーク220に直接接続される。ワイドエリアネットワーク206は、例えば、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク、又は他のタイプのワイドエリアネットワークを含む。
【0047】
規範的なメインコントローラ230は、
図1のデータ集計システム115又は別のバックエンドシステムに含まれる。メインコントローラ230は、1つ以上のコンピューティング装置又はシステムを含むコンピューティングシステムである。メインコントローラ230又はそのいずれかのコンポーネントは、データ処理センター、コンピューティングファシリティ又は別の位置に配置することができる。図示された例では、メインコントローラ230は、ワイヤレスセンサ装置の動作を遠隔制御することができる。メインコントローラ230の機能は、例えば、ワイヤレスセンサ装置の幾つか又は全部からの情報の集計、ワイヤレスセンサ装置のソフトウェアのアップグレード、ワイヤレスセンサ装置の状態の監視、等を含む。例えば、メインコントローラ230は、ソフトウェア更新モジュール234を含むか又はそれに結合される。ある場合に、ソフトウェア更新モジュール234は、ワイヤレスセンサ装置ソフトウェア232のための更新を受け取り、そしてそのソフトウェア更新をワイヤレスセンサ装置にプッシュする。
【0048】
図2に示す例では、メインコントローラ230は、ワイヤレスセンサ装置を1つ以上の校正又はテストモードへとプッシュし、ワイヤレスセンサ装置内の種々の要素をリセットし、又は、例えば、ワイヤレスセンサ装置、それに隣接するワイヤレスセンサ装置の位置又は状態、或いは他のファクタに基づいて、個々のワイヤレスセンサ装置を必要に応じて構成することができる。ある例において、ワイヤレスセンサ装置の状態は、(i)ワイヤレスセンサ装置の温度、(ii)ワイヤレスセンサ装置の現在電力消費、(iii)ワイヤレスセンサ装置からメインコントローラ230へと流れるデータのレート、(iv)ワイヤレスセンサ装置の周りのローカルWiFi信号の信号強度、SSID、又はMACアドレス、(v)ワイヤレスセンサ装置の位置(例えば、ワイヤレスセンサ装置内の内部GPSユニットで検出された)、(vi)ワイヤレスセンサ装置又はその周囲のワイヤレスセンサ装置の状態に関する情報を与える信号(例えば、IPパケット、ネットワークを経て送信される制御信号)を含む。メインコントローラ230は、ワイヤレスセンサ装置の付加的な又は異なる状態を監視する。
【0049】
ある実施形態において、メインコントローラ230は、ワイヤレスセンサ装置から送信されたスペクトル検査情報(例えば、到着時間データ、スペクトル使用パラメータごとの空間及び時間座標、ワイヤレスセンサ装置の状態、等)を受信する通信システムを備え、又はそれに結合される。メインコントローラ230は、多数のワイヤレスセンサ装置からのスペクトル検査情報を集計し(例えば、アッセンブル、コンパイル又は管理し)、そしてワイヤレスセンサ装置からのスペクトル使用パラメータに基づいて地理的領域に対するスペクトル使用レポートを発生できるデータ分析システム236を備え、又はそれに結合される。
【0050】
ある場合に、スペクトル使用レポートは、ワイヤレスセンサ装置の種々の位置にわたるワイヤレススペクトルの使用、クオリティ又は他の情報をユーザに提示するためにデータインターフェイス238に提示される。例えば、スペクトル使用レポートは、RFスペクトルの多数の帯域各々における検出されたワイヤレストラフィックレベル、多数のワイヤレス通信規格に対する検出されたワイヤレストラフィックレベル、地理的領域におけるワイヤレススペクトル使用の空間及び時間分布、又は他の情報を指示することができる。トラフィックレベルは、例えば、スループット、データレート、山及び谷の値、又はスペクトル使用情報の他の統計値(例えば、平均値及び分散)を含む。スペクトル使用レポートは、例えば、検出されたワイヤレストラフィックレベル対空間及び時間を示すテーブル、チャート、及びグラフを含む。例えば、スペクトル使用レポートは、地理的領域におけるワイヤレススペクトル使用の空間分布を示すグラフ又はマップ(例えば、
図3ないし5に示す)を含む。スペクトル使用レポートは、ワイヤレススペクトル使用の時間的分布又はトレンドを示す(例えば、1日、1ヶ月又は1年の間の山、平均及び谷のトラフィック量を示す)棒グラフ又はテーブルを含む。スペクトル使用レポートは、地理的領域にワイヤレス信号を送信したワイヤレス信号源の位置を指示することができる。位置は、座標、プロット、等として指示することができる。
【0051】
ある実施形態において、データ分析システム236は、リアルタイムデータ、履歴データ、又はその両方の組み合せを分析し、そして地理的領域に対するスペクトル使用パラメータを決定することができる。例えば、データ分析システム236は、ワイヤレスセンサ装置により受信されたワイヤレス信号に対する信号源位置を決定することができ、そして発生されるスペクトル使用レポートは、信号源位置の指示を含む。
【0052】
図3及び4は、地理的領域におけるワイヤレススペクトル使用の規範的な空間及び時間分布の観点を示し、
図5は、信号源位置を決定するための規範的な技術の観点を示す。ある場合に、同様の情報又は関連情報が、メインコントローラ230により発生されたスペクトル使用レポートに含まれ、そしてユーザに表示される。ある実施形態において、スペクトル使用レポートは、スペクトル使用情報の付加的又は異なる表現を含む。
【0053】
図3は、ワイヤレスセンサ装置の規範的な空間分布を示すブロック
図300である。
図3に示すように、各ワイヤレスセンサ装置は、地理的位置(x
i、y
i、z
i)を有し、そしてその各々の地理的位置(x
i、y
i、z
i)におけるワイヤレススペクトルを監視及び分析することができる。各ワイヤレスセンサ装置は、スペクトル検査(SI)情報をデータ集計システム(例えば、
図2のメインコントローラ230)へ送信することができる。SI情報は、例えば、スペクトルデータ(例えば、スペクトル使用パラメータ)、ターゲット信号の到着時間データ、各スペクトル使用パラメータに対する位置及び時間情報、ワイヤレスセンサ装置の状態情報、又は他の情報を含む。例えば、位置及び時間情報は、ワイヤレスセンサ装置の空間座標(例えば、(x
i、y
i、z
i)又は他の座標)、及び各々のスペクトル使用パラメータが得られる時間座標(例えば、1日の時間)を含む。規範的なブロック
図300は、ワイヤレスセンサ装置の空間座標を示し、そして地理的領域におけるワイヤレスセンサ装置の規範的空間分布のマップとして働く。ある実施形態では、各ワイヤレスセンサ装置のSI情報がダイアグラム300に重畳され、そして例えば、ユーザに表示される。
【0054】
図4は、
図3に示すワイヤレスセンサ装置に関連した規範的SI情報410を示すブロック
図400である。
図4に示す例では、規範的SI情報410は、ワイヤレスセンサ装置の各空間座標に隣接して又はその上に表示される。表示されたSI情報410は、上述したSI情報の幾つかのタイプ又は全てのタイプを含む。例えば、スペクトル使用パラメータの1つ以上を表示することができる。ある実施形態では、各スペクトル使用パラメータの時間座標を表示することもできる。情報は、各個別のワイヤレスセンサ装置に対して同じ、同様又は異なるものである。SI情報410は、中央位置(例えば、メインコントローラ230)において集計できるので、多数のワイヤレスセンサ装置のSI情報410を相関させ、比較し、補間し、さもなければ、操作して、更なる情報を導出することができる。例えば、信号源の信号の相対的な位置は、信号源の信号を検出できるワイヤレスセンサ装置のSI情報に基づいて決定することができる。付加的な又は異なる情報を導出することもできる。
【0055】
図5は、
図3に示すワイヤレスセンサ装置に関連した規範的なSI情報を示す別のブロック
図500である。この例において、1つ以上の周波数の検出信号電力は、各位置における各ワイヤレスセンサ装置に対する規範的なSI情報として表示される。位置(x
1、y
1、z
1)、(x
2、y
2、z
2)、(x
3、y
3、z
3)及び(x
4、y
4、z
4)における周波数fの信号の測定電力は、各々、P
signal,1510、P
signal,2520、P
signal,3530、及びP
signal,4540として表示される。多数のワイヤレスセンサ装置の測定電力レベルに基づいて、周波数fの信号505の信号源位置は、例えば、データ分析システム(例えば、中央コントローラの)によって自動的に推定することができる。例えば、信号505の信号源位置は、ワイヤレスセンサ装置の位置、例えば、(x
1、y
1、z
1)、(x
2、y
2、z
2)、(x
3、y
3、z
3)及び(x
4、y
4、z
4)を中心とする多数の弧の交点に基づいて決定することができる。各弧の半径は、P
signal,1510、P
signal,2520、P
signal,3530、及びP
signal,4540、各経路ロス、陰影効果、又は多数のワイヤレスセンサ装置の各々に関するローカルワイヤレス環境の他の伝播状態に基づいて決定することができる。従って、RF信号の信号源位置をピンポイントで示しそして規範的マップ上に表示して可視化することができる。又、信号源位置は、以下に述べるように、同期信号に基づいて識別することもできる。
【0056】
図6は、規範的ワイヤレスセンサ装置600を示すブロック図である。ある場合に、
図1ないし5のワイヤレスセンサ装置は、
図6に示す規範的ワイヤレスセンサ装置600として、又は別のタイプのワイヤレスセンサ装置として実施することができる。規範的ワイヤレスセンサ装置600は、ハウジング610、RFインターフェイス612、電源管理サブシステム620、信号分析サブシステム(例えば、SIサブシステム630、等)、CPU640、メモリ650、通信インターフェイス、入力/出力インターフェイス642(例えば、USB接続)、GPSインターフェイス648、及び1つ以上のセンサ(例えば、コンパス又はジャイロスコープのような3D方向センサ644、温度センサ、等)を備えている。ワイヤレスセンサ装置600は、付加的な又は異なるコンポーネント及び特徴を含み、そしてワイヤレスセンサ装置の特徴は、
図6に示すように構成されるか又は別の特定の構成とされる。
【0057】
ある実施形態において、ハウジング610は、RFインターフェイス612、電源管理サブシステム620、信号分析サブシステム、通信インターフェイス、及びワイヤレスセンサ装置600の他のコンポーネントを収容するポータブルハウジングである。ハウジングは、プラスチック、金属、複合物、又はそれらの組み合せ、及び他の材料で作ることができる。ハウジングは、成形、加工、押し出し又は他のタイプの処理により製造されるコンポーネントを含む。ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置600は、別の装置(例えば、セルラーシステムのピコ/フェムトセルボックス、WiFiアクセスポイント又はベースステーション、乗物、ルーター、移動装置、サーモスタット、等)に結合され又はそれと一体化される。例えば、ワイヤレスセンサ装置600のハウジング610は、他の装置にアタッチし、合体し、さもなければ、結合することができる。或いは又、ハウジング610は、ワイヤレスセンサ装置600のコンポーネントのみを収容する専用ハウジングでもよい。
【0058】
ある実施形態において、ハウジング610及びハウジング610内のコンポーネントの設計及び配置は、ワイヤレス信号を監視しそして分析するように最適化され、さもなければ、構成される。例えば、コンポーネントのサイズ、方向及び相対的な位置は、RF信号を検出及び分析するために最適化され、そして装置は、必要な全てのコンポーネントを収容しながらもコンパクトにすることができる。ある場合に、ハウジング610は、例えば、10×10×4cm
3程度であり、又は別のサイズのハウジングを使用することができる。
【0059】
ある実施形態において、RFインターフェイス612は、ワイヤレスセンサ装置600の周りのローカルワイヤレス環境においてRFスペクトルの多数の帯域巾内のRF信号を検出するように構成される。RFインターフェイス612は、各帯域内のRF信号を処理するように構成されたアンテナシステム及び多数の無線経路を含む。
図6に示す例では、RFインターフェイス612は、アンテナ622a、RF受動的素子624、RF能動的素子626、及び受動的素子628を含む。RF受動的素子624は、例えば、マッチング素子、RFスイッチ及びフィルタを含む。RF能動的素子626は、例えば、RF増幅器を含む。RF能動的素子626の後の受動的素子628は、例えば、フィルタ、マッチング素子、スイッチ、及びバラン(balun)を含む。
【0060】
ある例において、信号分析サブシステムは、RF信号及び同期信号に基づいて到着時間データを識別するよう構成される。信号分析サブシステムは、無線部、デジタル信号プロセッサ(DSP)、メモリ、及びスペクトルパラメータを抽出してRFスペクトルを分析する他のコンポーネントを備えている。ある実施形態では、RFインターフェイス612及び信号分析サブシステムの組み合せがスペクトル検査(SI)信号経路と称され、これは、
図7を参照して詳細に説明する。
【0061】
ワイヤレスセンサ装置600の通信インターフェイスは、スペクトル使用パラメータ又は他のSI情報をリモートシステム(例えば、
図2のメインコントローラ230)へ送信するように構成される。通信インターフェイスは、1つ以上のワイヤレスインターフェイス632(例えば、WiFi接続、セルラー接続、等)、ローカルネットワーク(例えば、イーサネット接続、xDSL接続、等)へのワイヤラインインターフェイス646、又は他のタイプの通信リンク又はチャンネルを含む。通信インターフェイスは、通信アンテナを共有し及び再使用し(例えば、アンテナアレイを使用して)、又は個別の専用のアンテナを各々有することができる。
【0062】
ワイヤレスインターフェイス632及びワイヤラインインターフェイス646は、各々、ローカル又はワイドエリアネットワークと通信するためのモデムを含む。例えば、ワイヤレスインターフェイス632及びワイヤラインインターフェイス646は、SI情報をデータ集計システム(例えば、
図2のメインコントローラ230)へ送信し、及びデータ集計システムからローカル又はワイドエリアネットワークを経て制御情報(例えば、ソフトウェア更新)を受信することができる。ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置には、通信インターフェイスのいずれか又は両方を設けることができる。ワイヤラインインターフェイス646は、規範的なワイヤレスセンサ装置600が、既存のワイヤライン通信インフラストラクチャー(例えば、ビル内の)、及びワイヤライン通信の大きな送信容量(例えば、光学的ネットワーク、進歩型デジタル加入者ライン技術、等により提供される大きな帯域巾)を利用できるようにする。ワイヤレスインターフェイス632は、ブルーツース、WiFi、セルラー、衛星、又は他のワイヤレス通信技術を使用して、種々の位置で種々の時間にSI情報を配信できるように規範的ワイヤレスセンサ装置600の移動性及び融通性を向上させることができる。
【0063】
ある実施形態において、ワイヤレスインターフェイス632及びRFインターフェイス612は、ハードウェア又はソフトウェアコンポーネント(又はその両方)を共有することができる。ある実施形態において、ワイヤレスインターフェイス632及びRFインターフェイス612は、別々に実施されてもよい。ある実施形態において、RFインターフェイス612は、主として、送信ではなく信号受信の役割を果たし、そしてRFインターフェイス612は、特殊な低電力回路で実施され、従って、ワイヤレスセンサ装置600の全体的な電力消費を減少することができる。
【0064】
電源管理サブシステム620は、ワイヤレスセンサ装置600へ電力を供給して管理するための回路及びソフトウェアを備えている。ある実施形態では、電源管理サブシステム620は、バッテリインターフェイス及び1つ以上のバッテリ(例えば、充電式バッテリ、マイクロプロセッサが埋設されたスマートバッテリ、又は異なるタイプの内部電源)を備えている。バッテリインターフェイスは、ワイヤレスセンサ装置600に直流電力を供給する上でバッテリを助成するレギュレータに結合される。従って、ワイヤレスセンサ装置600は、自蔵電源を備え、他の外部エネルギー源の必要なく任意の位置に使用することができる。それに加えて又はそれとは別に、電源管理サブシステム620は、外部電源(例えば、交流電源、アダプタ、コンバータ、等)から電力を受ける外部電源インターフェイスを備えている。従って、ワイヤレスセンサ装置600は、外部エネルギー源にプラグインすることができる。
【0065】
ある実施形態において、電源管理サブシステム620は、ワイヤレスセンサ装置600の電力消費を監督及び管理することができる。例えば、電源管理サブシステム620は、RFインターフェイス612、通信インターフェイス、CPU640、及びワイヤレスセンサ装置600の他のコンポーネントの電力消費を監視し、そしてワイヤレスセンサ装置600の電力消費状態を、例えば、中央コントローラへ報告する。ある実施形態では、ワイヤレスセンサ装置600は、電力消費を低くするように設計され、そして電源管理サブシステム620は、電力消費がスレッシュホールドを越えた場合に、中央コントローラに警告を送信するか又はワイヤレスセンサ装置600の動作に介入するように構成される。電源管理サブシステム620は、付加的な又は異なる特徴を含んでもよい。
【0066】
CPU640は、例えば、ワイヤレスセンサ装置600の動作を管理するためにインストラクションを実行できる1つ以上のプロセッサ又は別のタイプのデータ処理装置を備えている。CPU640は、
図1から5を参照して述べたワイヤレスセンサ装置の1つ以上の動作を遂行又は管理する。ある実施形態において、CPU640は、SIサブシステム630の一部分である。例えば、CPU640は、測定されたワイヤレススペクトルデータ(例えば、RFインターフェイス612からの)を処理し、計算し、さもなければ、分析することができる。ある場合に、CPU640は、メモリ650に含まれたソフトウェア、スクリプト、プログラム、機能、実行可能物、又は他のモジュールを実行し又は解釈することができる。
【0067】
入力/出力インターフェイス642は、入力/出力装置(例えば、USBフラッシュドライブ、ディスプレイ、キーボード、又は他の入力/出力装置)に結合される。入力/出力インターフェイス642は、例えば、シリアルリンク、パラレルリンク、ワイヤレスリンク(例えば、赤外線、高周波、等)、又は別のタイプのリンクのような通信リンクを経てワイヤレスセンサ装置600と外部ストレージ又はディスプレイ装置との間で行われるデータ転送を助成することができる。
【0068】
メモリ650は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ストレージ装置(例えば、書き込みできるリードオンリメモリ(ROM)、等)、ハードディスク、又は別のタイプのストレージ媒体を含む。メモリ650は、ワイヤレスセンサ装置600、メインコントローラ、又はワイヤレススペクトル分析システムの他のコンポーネントの動作に関連したインストラクション(例えば、コンピュータコード)を記憶する。又、メモリ650は、ワイヤレスセンサ装置600で実行される1つ以上のアプリケーション又はバーチャルマシンにより解釈できるアプリケーションデータ及びデータオブジェクトも記憶する。メモリ650は、例えば、ワイヤレスセンサ装置600の位置データ、環境データ、及び状態データ、ワイヤレススペクトルデータ、及び他のデータを記憶する。
【0069】
ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置600は、別の供給源から(例えば、中央コントローラからデータネットワーク、CD−ROM又は別のコンピュータ装置を通して別の仕方で)プログラムをロードすることにより、プログラム又はアップデート(例えば、再プログラム)することができる。ある場合に、中央コントローラは、所定のスケジュールに従って、又は別の仕方で、更新が利用できるときに、ワイヤレスセンサ装置600にソフトウェア更新をプッシュする。
【0070】
図7は、規範的なスペクトル検査(SI)信号経路700を示すブロック図である。このSI信号経路700は、RFインターフェイス710(例えば、無線経路Aとして示された)及びスペクトル分析サブシステム705を備えている。
図6のワイヤレスセンサ装置600のRFインターフェイス612は、
図7において規範的RFインターフェイス710として又は別の仕方で実施される。
図6のワイヤレスセンサ装置600のSIサブシステム630は、
図7において規範的スペクトル分析サブシステム705として又は別の仕方で実施される。ある場合に、SI信号経路700は、ワイヤレス信号を監視及び分析するための全ての必要な動作を遂行することができる。例えば、SI信号経路700は、典型的なワイヤレス受信器の機能、例えば、復調、イコライゼーション、チャンネルデコード、等を遂行することができる。SI信号経路700は、種々のワイヤレス通信規格の信号受信をサポートし、そしてワイヤレス信号を分析するためにスペクトル分析サブシステム705にアクセスする。
【0071】
図示された例では、RFインターフェイス710は、RF信号を検出して処理するための広帯域又は狭帯域フロントエンドチップセットである。例えば、RFインターフェイス710は、1つ以上の周波数帯域の広いスペクトル又はワイヤレス通信規格の特定周波数帯域内の狭いスペクトルにおいてRF信号を検出するように構成される。ある実施形態において、SI信号経路700は、当該スペクトルをカバーするために1つ以上のRFインターフェイス710を含む。そのようなSI信号経路の規範的実施形態は、
図8を参照して説明する。
【0072】
図7に示す例では、RFインターフェイス710は、1つ以上のアンテナ722、RFマルチプレクサ720又は電力合成器(例えば、RFスイッチ)、並びに1つ以上の信号処理経路(例えば、「経路1」730、・・・「経路M」740)を含む。アンテナ722は、マルチポートアンテナ又はシングルポートアンテナである。アンテナ722は、無指向性アンテナ、方向性アンテナ、又はその各々の1つ以上の組み合せを含む。アンテナ722は、RFマルチプレクサ720に接続される。ある実施形態において、RFインターフェイス710は、単入力・単出力(SISO)、単入力・多出力(SIMO)、多入力・単出力(MISO)、又は多入力・多出力(MIMO)技術に基づきRF信号を検出するために1つ以上のアンテナ722を使用するように構成される。
【0073】
ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置のローカル環境におけるRF信号は、アンテナ722によりピックアップされてRFマルチプレクサ720へ入力される。分析を必要とするRF信号の周波数に基づいて、RFマルチプレクサ720から出力される信号702は、処理経路(即ち、「経路1」730、・・・「経路M」740)の1つへルーティングされる。ここで、Mは整数である。各経路は、個別の周波数帯域を含む。例えば、「経路1」730は、1GHzと1.5GHzとの間のRF信号に使用され、一方、「経路M」は、5GHzと6GHzとの間のRF信号に使用される。多数の処理経路は、各中心周波数及び帯域巾を有する。多数の処理経路の帯域巾は、同じであっても異なってもよい。2つの隣接する処理経路の周波数帯域は、重畳してもよいし、バラバラでもよい。ある実施形態において、処理経路の周波数帯域は、異なるワイヤレス通信規格(例えば、GSM、LTE、WiFi、等)の指定周波数帯域に基づいて割り当てられ又は構成される。例えば、各処理経路が特定のワイヤレス通信規格のRF信号を検出する役割を果たすように構成される。例えば、「経路1」730は、LTE信号を検出するのに使用され、一方、「経路M」は、WiFi信号を検出するのに使用される。
【0074】
各処理経路(例えば、「処理経路1」730、「処理経路M」740)は、1つ以上のRF受動的及びRF能動的素子を含む。例えば、処理経路は、RFマルチプレクサ、1つ以上のフィルタ、RFデマルチプレクサ、RF増幅器、及び他のコンポーネントを含む。ある実施形態において、RFマルチプレクサ720から出力された信号702、702mは、処理経路のマルチプレクサ(例えば、「RFマルチプレクサ1」732、・・・「RFマルチプレクサM」742)に適用される。例えば、「処理経路1」730が信号702の処理経路として選択された場合には、信号702が「RFマルチプレクサ1」732へ供給される。RFマルチプレクサは、第1のRFマルチプレクサ720から到来する信号702、又はスペクトル分析サブシステム705により与えられるRF校正(cal)トーン738の間で選択される。「RFマルチプレクサ1」732の出力信号704は、Nを整数とすれば、フィルタ、即ちフィルタ(1、1)734a、・・・フィルタ(1、N)734nのうちの1つに進む。フィルタは、更に、処理経路の周波数帯域を当該狭帯域に分割する。例えば、「フィルタ(1、1)」734aは、信号704に適用されて、フィルタされた信号706を発生し、そしてそのフィルタされた信号706は、「RFデマルチプレクサ1」736に適用される。ある場合に、信号706は、RFデマルチプレクサにおいて増幅される。増幅された信号708は、スペクトル分析サブシステム705へ入力される。
【0075】
同様に、「処理経路M」740が信号702mの処理経路として選択された場合には、信号702mが「RFマルチプレクサM」742へ供給される。RFマルチプレクサは、第1のRFマルチプレクサ720から到来する信号702m、又はスペクトル分析サブシステム705により与えられるRF校正(cal)トーン748の間で選択される。「RFマルチプレクサM」742の出力信号は、Nを整数とすれば、フィルタ、即ちフィルタ(M、1)744a、・・・フィルタ(M、N)744nのうちの1つに進む。ある場合に、フィルタの出力信号は、RFデマルチプレクサ746において増幅される。増幅された信号708mは、スペクトル分析サブシステム705へ入力される。
【0076】
スペクトル分析サブシステム705は、検出されたRF信号をデジタル信号に変換し、そしてデジタル信号処理を遂行して、その検出されたRF信号に基づいて情報を識別するように構成される。スペクトル分析サブシステム705は、1つ以上のSI無線受信器(RX)経路(例えば、「SI無線RX経路1」750a、「SI無線RX経路M」750m)、DSPスペクトル分析エンジン760、RF校正(cal)トーンジェネレータ770、フロントエンド制御モジュール780、及びI/O 709を備えている。スペクトル分析サブシステム705は、付加的な又は異なるコンポーネント及び特徴を含む。
【0077】
図示された例では、増幅された信号708は、「SI無線RX経路1」750aへ入力され、これは、信号708を基本帯域信号へとダウン変換しそして利得を適用する。ダウン変換された信号は、次いで、アナログ/デジタルコンバータを経てデジタル化される。デジタル化された信号は、DSPスペクトル分析エンジン760へ入力される。DSPスペクトル分析エンジン760は、例えば、デジタル信号に含まれたパケット及びフレームを識別し、デジタル信号に埋め込まれたプリアンブル、ヘッダ又は他の制御情報を読み取り(例えば、ワイヤレス通信規格の仕様に基づいて)、そして1つ以上の周波数における又は帯域巾にわたる信号の信号電力及びSNR、チャンネルクオリティ及び容量、トラフィックレベル(例えば、データレート、再送信レート、レイテンシー、パケットドロップレート、等)又は他のスペクトル使用パラメータを決定する。DSPスペクトル分析エンジン760の出力(例えば、スペクトル使用パラメータ)は、ワイヤレスセンサ装置の1つ以上の通信インターフェイスを経てデータ集計システムへスペクトル使用パラメータを送信するために、例えば、I/O 790に適用されそしてそれに対してフォーマットされる。
【0078】
RF校正(cal)トーンジェネレータ770は、無線RX経路(例えば、「無線RX経路1」750a、・・・「無線RX経路M」750m)の診断及び校正のためのRF校正(cal)トーンを発生する。無線RX経路は、例えば、直線性及び帯域巾について校正される。
【0079】
図8は、ワイヤレスセンサ装置のSI信号経路800の別の規範的実施形態を示すブロック図である。ある場合に、SI信号経路は、多数の異なるアンテナに接続された多数のRFインターフェイス(無線経路)を含む。
図8に示す例では、SI信号経路800は、スペクトル分析サブシステム830に各々接続された無線経路A810及び無線経路B820を含む。無線経路A810及び無線経路B820は、
図7のRFインターフェイス又は無線経路A710と同様に構成されてもよいし、或いは別の仕方で構成されてもよい。無線経路A810及び無線経路B820は、例えば、ワイヤレススペクトル監視及び分析のために同じ又は異なる周波数をカバーする同じ又は異なる構成を有してもよい。
【0080】
図9は、規範的ワイヤレスセンサ装置900の上面図である。ある場合に、
図1ないし5のワイヤレスセンサ装置は、
図9に示す規範的ワイヤレスセンサ装置900又は別のタイプのワイヤレスセンサ装置として実施することができる。
図9の規範的ワイヤレスセンサ装置900は、
図6から7に示す特徴の幾つか又は全部を含むか、或いは
図9のワイヤレスセンサ装置900は、若干の、付加的な又は異なる特徴を含む。ワイヤレスセンサ装置900は、例えば、ワイヤレスセンサ装置900のハウジング内の1つ以上のRFインターフェイスに接続された1つ以上のアンテナを含む。例えば、規範的ワイヤレスセンサ装置900のアンテナは、
図6のアンテナ622a−cでもよいし、又は
図7のアンテナ722でもよい。
【0081】
アンテナは、RF信号を受信するためにワイヤレスセンサ装置900に戦略的に配列される。
図9に示す規範的ワイヤレスセンサ装置900は、このワイヤレスセンサ装置900の中心に対して互いに90°に配置された4つのアンテナ910a−dを備えている。ある場合に、アンテナは、例えば、全アンテナ数、アンテナプロフィール、ワイヤレスセンサ装置900の位置及び方向、又は他のファクタに基づいて、異なる分離度、方向又は位置で配置される。
【0082】
図10は、
図9の規範的ワイヤレスセンサ装置900のアンテナ910a−dの規範的アンテナプロフィールの上面
図1000である。
図10に示す例では、アンテナ910a−dは、各々、アンテナプロフィール又はパターン920a−dを有する。アンテナプロフィール920a−dは、同じでもよいし、異なるものでもよい。アンテナプロフィール920a−dは、例えば、当該周波数又は周波数帯域、望ましいアンテナ利得、又は他のファクタに基づいて選択され、さもなければ、構成される。
【0083】
図11は、別の規範的なワイヤレスセンサ装置1100の上面図である。ある場合に、
図1ないし5のワイヤレスセンサ装置は、
図11に示す規範的ワイヤレスセンサ装置1100として実施されるか又は別のタイプのワイヤレスセンサ装置として実施される。
図11の規範的ワイヤレスセンサ装置1100は、
図6ないし10に示す特徴の幾つか又は全部を含むか、又は
図11のワイヤレスセンサ装置1100は、若干の、付加的な又は異なる特徴を含む。
【0084】
ワイヤレスセンサ装置1100は、4つのアンテナ1110a−d及び基準方向インジケータ1105を備えている。ある場合に、アンテナ1110a−dは、基準方向インジケータ1105に従って主要な方向又は別の座標系に対して方向付けされ又は構成される。
図11に示す例では、基準方向インジケータ1105は、北コンパス方向に沿って方向付けされる。別の基準方向も使用できる。アンテナ1110a−dの方向及び変位を識別することができ、そしてある場合には、基準方向インジケータ1105に対して調整することができる。
【0085】
ある実施形態では、ワイヤレスセンサ装置は、ポータブルのモジュラー装置である。例えば、あるワイヤレスセンサ装置は、装置を実質的に解体又は分解する必要なく(例えば、一連の)多数の位置に使用するように移動可能であり又は再構成可能である。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置は、ワイヤレスセンサ装置のネットワークを便利にアップグレードし、拡張し、調整し、さもなければ、変更できるように、互いに交換可能である。
【0086】
ある場合に、ワイヤレスセンサ装置は、1人以上のオペレータにより、例えば、装置を配置してそれを標準電源及びデータリンクに接続することにより、インストールすることができる。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置は、固定具(例えば、スクリュー、ボルト、ラッチ、接着材、等)により位置固定することができ、又はワイヤレスセンサ装置は、(例えば、固定具なしに)自由位置に休止させることができる。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置は、種々の位置及び環境で動作することができる。例えば、あるワイヤレスセンサ装置は、乗物(例えば、車、バス、列車、船、等)にインストールすることができ、この場合、ワイヤレスセンサ装置は、移動中にスペクトルを監視しそして分析することができる。他の例では、ワイヤレスセンサ装置は、交通インフラストラクチャー、通信インフラストラクチャー、電源インフラストラクチャー、専用不動産、工業用システム、都市又は商業ビル、住居エリア、及び他のタイプの位置にインストールすることができる。
【0087】
図12は、ワイヤレスセンサ装置1210がバス1220にマウントされたワイヤレスセンサ装置1210の規範的用途を示すブロック
図1200である。ワイヤレスセンサ装置1210は、その変化する地理的位置を記録し、各位置におけるワイヤレス信号を監視し、そしてバス1220が移動するときにスペクトル検査情報を中央コントローラへ送信する。ある実施形態では、ワイヤレスセンサ装置1210は、バス1220の乗客により使用されるスペクトルを監視及び分析するように構成される。例えば、ワイヤレスセンサ装置1210は、乗客により使用されるセルラーホンの識別子を検出し、乗客のセルラーホンにより送信及び受信されるセルラー信号又はWiFi信号を検出し、そしてバス1220内又はその周囲に生じるRFトラフィックに特有のスペクトル使用パラメータを導出する。ワイヤレスセンサ装置1210は、別の仕方で構成することもできる。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置1210は、バス1220の電力及び通信能力をレバレッジするか、又はワイヤレスセンサ装置1210は、独立した電力及び通信能力を備えている。
【0088】
図13は、セルラー接続装置の位置を識別するための規範的な技術を示すブロック
図1300である。
図13に示すように、ブロック
図1300は、センサネットワーク内のn番目のセンサ装置をnとすれば、空間座標(x
1、y
1、z
1)、(x
2、y
2、z
2)、(x
3、y
3、z
3)及び(x
n、y
n、z
n)を有する位置に配置された多数のワイヤレスセンサ装置1310を含む。又、ブロック
図1300は、(x
b、y
b、z
b)に位置するベースステーション1302及び未知の位置(x
s、y
s、z
s)にあるターゲット移動装置1304も含む。
【0089】
図示された例において、ターゲット移動装置1304及びベースステーション1302は、同じセルラーネットワークにおいて動作する。セルラーネットワーク規格によれば、ベースステーション1302は、ブロードキャストチャンネル信号をセル内の1つ以上の移動装置へ送信することができる。ターゲット移動装置1304は、ブロードキャストチャンネル信号を受信し、そしてアクセスチャンネル信号を送信して、ベースステーション1302と接続し、そしてセルラーネットサービスを得ることができる。ある場合、例えば、セルラーネットワークがLTEネットワークである場合には、アクセスチャンネル信号がランダムアクセスチャンネル(RACH)要求である。ある場合には、RACH要求を、ターゲット移動装置1304で受信したブロードキャストチャンネル信号と同期させることができる。例えば、RACH要求は、フレーム、例えば、
図13に示すフレーム1の縁に時間的に整列させることができる。ある場合に、ベースステーション1302は、ブロードキャスティングチャンネル信号が送信された後に、時間δτ
bにRACHを受信することができる。
【0090】
ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置1310は、多数の個別のセルラーネットワーク規格のいずれかで動作するセルラーネットワークにおいて送信される信号を受動的に監視することができる。例えば、ワイヤレスセンサ装置1310は、セルラーネットワークからのサービスを要求せずに且つセルラーネットワークへデータを送信せずに、セルラーネットワークの信号を監視することができる。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置1310は、セルラーネットワークにより使用されるワイヤレス通信プロトコル及びアップリンク/ダウンリンク周波数を識別することができる。ワイヤレスセンサ装置1310は、ブロードキャスティングチャンネル及びRACHの両方を受信する。ワイヤレスセンサ装置1310は、
図13にδτ
iと示されたそれら2つの信号間の時間差を計算し、ここで、iは、ワイヤレスセンサ装置1310のインデックスで、i=1、2、3、・・・nである。又、ワイヤレスセンサ装置1310は、ベースステーション1302の位置を決定する。例えば、ワイヤレスセンサ装置1310は、ベースステーション1302の独特の識別子を検出し、そして公然と利用できるデータベースからベースステーション1302の位置を決定することができる。ワイヤレスセンサ装置1310は、時間差δτ
iをデータ分析システム(例えば、
図2のメインコントローラ230)へ送信することができる。ある場合に、1つ以上のワイヤレスセンサ装置1310は、ターゲット移動装置1304により送信されたRACH要求に対するベースステーション1302の応答を受信することができる。この応答は、RACH要求の到着とベースステーション1302のダウンリンクフレーム境界との間の時間オフセット、即ちδτ
bを含む。ワイヤレスセンサ装置1310は、δτ
bを付加的な到着時間測定値としてデータ分析システムへ送信して、位置決定の精度を改善することができる。又、ある場合に、ワイヤレスセンサ装置1310は、それ自身の位置、ベースステーションの位置、及びその組み合せをデータ分析システムへ送信することもできる。
【0091】
ある実施形態において、データ分析システムは、ワイヤレスセンサ装置1310から受信した時間差δτ
iに基づいて非線型方程式の系を形成することができる。例えば、ワイヤレスセンサ装置1310、ベースステーション1302、及びターゲット移動装置1304は、次のベクトルで表わされる。
【0092】
非線型方程式の系は、時間差δτ
iに基づきn個の方程式を含む。方程式の一例を以下に示す。
但し、cは、光速である。
【0093】
次いで、データ分析システムは、非線型方程式の系を解き、そしてターゲット移動装置1304の位置、即ち、
を決定する。ある実施形態において、ターゲット移動装置1304の位置は、3つ以上のワイヤレスセンサ装置1310により発生される到着時間データに基づいて決定することができる。位置決定の精度は、より多くのデータ、例えば、付加的なワイヤレスセンサ装置又は2つ以上のベースステーションからの到着時間データで改善することができる。
【0094】
図14は、セルラー装置の位置を識別するための別の規範的な技術を示すブロック
図1400である。
図14に示すように、ブロック
図1400は、センサネットワーク内のn番目のセンサ装置をnとすれば、空間座標(x
1、y
1、z
1)、(x
2、y
2、z
2)、(x
3、y
3、z
3)及び(x
n、y
n、z
n)を有する位置に配置された多数のワイヤレスセンサ装置1410を含む。又、ブロック
図1400は、(x
b、y
b、z
b)に位置するベースステーション1402及び未知の位置(x
s、y
s、z
s)にあるターゲット移動装置1404も含む。
【0095】
図示された例において、ターゲット移動装置1404及びベースステーション1402は、同じセルラーネットワークにおいて動作する。セルラーネットワーク規格によれば、ベースステーション1402は、ブロードキャストチャンネル信号をセル内の1つ以上の移動装置へ送信することができる。ターゲット移動装置1404は、ブロードキャストチャンネル信号を受信し、そしてベースステーション1402にアップリンク信号を送信する。ある場合に、アップリンク信号は、時間ドメインにおける既知の周期的特性と共に、ターゲット移動装置1304により送信することができる。例えば、セルラーネットワーク規格に基づいて、アップリンク信号は、スロット、フレーム、トレーニング又はパイロットシーケンス、又はその組み合せと整列させることができる。ある場合、例えば、セルラーネットワークがLTEネットワークである場合には、アップリンク信号は、スロットで送信することができる。ある場合に、ターゲット移動装置1404は、ベースステーション1402で受信されるアップリンク信号が、ベースステーション1402で送信されるブロードキャストチャンネルと整列するように、アップリンク信号の送信時間を調整することができる。例えば、
図14に示すように、ターゲット移動装置1404は、受信ブロードキャスティングチャンネルフレームのフレーム境界よりδτ
s前に、例えば、フレーム1に、アップリンク信号を送信することができる。ある場合には、アップリンク信号がRACH要求である。
【0096】
ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置1410は、多数の個別のセルラーネットワーク規格のいずれかで動作するセルラーネットワークにおいて送信される信号を受動的に監視することができる。例えば、ワイヤレスセンサ装置1410は、セルラーネットワークからのサービスを要求せずに且つセルラーネットワークへデータを送信せずに、セルラーネットワークの信号を監視することができる。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置1410は、セルラーネットワークにより使用されるワイヤレス通信プロトコル及びアップリンク/ダウンリンク周波数を識別することができる。ワイヤレスセンサ装置1410は、ブロードキャスティングチャンネル及びアップリンク信号の両方を受信する。ある場合に、1つ以上のワイヤレスセンサ装置1410は、アップリンク信号が規定の送信パターンで送信されることを決定できる。ワイヤレスセンサ装置1410は、その決定をデータ分析システムに報告することができる。ある実施形態において、データ分析システムは、時間差を計算して報告するコマンドをワイヤレスセンサ装置1410に送信することができる。
【0097】
ワイヤレスセンサ装置1410は、
図14にδτ
iと示された、ブロードキャスティングチャンネル信号とアップリンク信号との間の時間差を計算し、ここで、iは、ワイヤレスセンサ装置1410のインデックスで、i=1、2、3、・・・nである。又、ワイヤレスセンサ装置1410は、ベースステーション1402の位置を決定する。例えば、ワイヤレスセンサ装置1410は、ベースステーション1402の独特の識別子を検出し、そして公然と利用できるデータベースからその位置を決定することができる。ワイヤレスセンサ装置1410は、時間差δτ
iをデータ分析システム(例えば、
図2のメインコントローラ230)へ送信することができる。ある場合に、ベースステーション1402は、δτ
s、例えば、LTEネットワークにおけるタイミング進み値を、ダウンリンクメッセージにおいて、ターゲット移動装置1404へ送信することができる。1つ以上のワイヤレスセンサ装置1410がダウンリンクメッセージを受信し、そして付加的な到着時間測定値としてデータ分析システムへδτ
sを送信し、位置決定の精度を改善する。又、ある場合に、ワイヤレスセンサ装置1410は、それら自身の位置、ベースステーションの位置、及びその組み合せをデータ分析システムへ送信することができる。
【0098】
ある実施形態において、データ分析システムは、ワイヤレスセンサ装置1410から受信した時間差δτ
iに基づいて非線型方程式の系を形成することができる。例えば、ワイヤレスセンサ装置1410、ベースステーション1402、及びターゲット移動装置1404の位置は、次のベクトルで表わされる。
【0099】
非線型方程式の系は、時間差δτ
iに基づきn個の方程式を含む。方程式の一例を以下に示す。
但し、cは、光速である。
【0100】
次いで、データ分析システムは、非線型方程式の系を解き、そしてターゲット移動装置1404の位置、即ち、
を決定する。ある実施形態において、ターゲット移動装置1404の位置は、3つ以上のワイヤレスセンサ装置1410により発生される到着時間データに基づいて決定することができる。位置決定の精度は、より多くのデータ、例えば、付加的なワイヤレスセンサ装置又は2つ以上のベースステーションからの到着時間データで改善することができる。
【0101】
ある実施形態において、データ分析システムは、センサネットワークのワイヤレスセンサ装置1410へコマンドを送信することができる。コマンドは、ワイヤレスセンサ装置1410に、共通のタイミング同期信号源に同期することを命令する。共通の同期信号源は、同期又はブロードキャストチャンネルを放射するベースステーション、グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)タイミング基準、GNSS適合のタイミング基準信号を発生する地上ベース送信器、正確なタイミング基準を搬送する他のブロードキャストRF信号、又はその組み合せである。データ分析システムは、ターゲット信号、例えば、ターゲット移動装置1404によって送信されたアップリンク信号の到着時間を共通のタイミング同期信号源に対して計算するようにワイヤレスセンサ装置1410に命令することができる。ワイヤレスセンサ装置1410は、計算値をデータ分析システムへ報告することができる。データ分析システムは、報告された値に基づき前記と同様の方程式のセットを形成し、そしてターゲット移動装置1404の位置を決定することができる。
【0102】
図15は、規範的なワイヤレス信号源ロケーターシステム1500を示すブロック図である。ワイヤレス信号源ロケーターシステム1500は、
図1のワイヤレススペクトル分析システム100、又はワイヤレス信号源の位置を識別できる別のワイヤレススペクトル分析システムを表わす。ワイヤレス信号源ロケーターシステム1500は、多数のワイヤレスセンサ装置1510、IPネットワーク1520、メインコントローラ1530及びデータ分析モジュール1532を備えている。図示されたように、ワイヤレス信号源ロケーターシステム1500は、ベースステーション1502及びターゲット移動装置1504も備えている。ワイヤレス信号源ロケーターシステム1500は、付加的な又は異なるコンポーネントを備えてもよい。ある実施形態において、ワイヤレス信号源ロケーターシステムは、
図15に示すように構成されてもよいし、又は別の適当な仕方で構成されてもよい。
【0103】
図15に示すように、各ワイヤレスセンサ装置1510は、空間座標(x
i、y
i、z
i)を有する各物理的位置に配置され、ここで、iは、1からnまで変化する。上述したように、各ワイヤレスセンサ装置1510は、空間座標(x
b、y
b、z
b)に位置するベースステーション1502、及び未知の位置(x
s、y
s、z
s)に位置するターゲット移動装置1504により送信されるワイヤレス信号を受動的に監視することができる。ワイヤレスセンサ装置1510は、ベースステーション1502により送信されるブロードキャスティングチャンネル信号と、ターゲット移動装置1504により送信されるRACHとの間の時間差、
図15にδτ
iと示されている、を計算することができ、ここで、iは、ワイヤレスセンサ装置1510のインデックスで、i=1、2、3・・・nである。ワイヤレスセンサ装置1510は、δτ
iをデータ分析システムへ送信することができる。
【0104】
図15に示すように、データ分析システムは、メインコントローラ1530及びデータ分析モジュール1532を備えている。ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置1510は、IPネットワーク、例えば、IPネットワーク1520を通してデータ分析システムへ時間差値δτ
iを送信する。ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置1510は、ローカルネットワークを経てIPネットワーク1520に接続される。ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置1510の幾つかは、1つ以上のワイドエリアネットワークを使用してIPネットワーク1520へ直接接続される。
【0105】
規範的なメインコントローラ1530は、
図1のデータ集計システム115又は別のバックエンドシステムに含まれる。メインコントローラ1530は、1つ以上のコンピューティング装置又はシステムを含むコンピューティングシステムである。メインコントローラ1530又はそのいずれかのコンポーネントは、データ処理センター、コンピューティングファシリティ又は別の位置に配置される。図示された例では、メインコントローラ1530は、ワイヤレスセンサ装置1510の動作を遠隔制御することができる。例えば、メインコントローラ1530の機能は、ワイヤレスセンサ装置1510の幾つか又は全部からの情報を集計し、ワイヤレスセンサ装置1510のソフトウェアをアップグレードし、そしてワイヤレスセンサ装置1510の状態を監視することを含む。例えば、メインコントローラ1530は、ソフトウェア更新を、幾つかの又は全部のワイヤレスセンサ装置1510へ送信することができる。上述したある実施形態では、メインコントローラ1530は、共通のタイミング同期信号源に同期させるようにワイヤレスセンサ装置1510に命令するコマンドを送信することができる。又、メインコントローラ1530は、共通のタイミング同期信号源に対してターゲット信号の到着時間を計算するようにワイヤレスセンサ装置1510に命令することもできる。
【0106】
ある実施形態において、メインコントローラ1530は、データ分析モジュール1532を含むか、又は
図15に示すように、それに結合される。データ分析モジュール1532は、多数のワイヤレスセンサ装置1510からの時間差値δτ
iを集計し(例えば、アッセンブルし、コンパイルし、さもなければ、管理し)、そしてターゲット移動装置1504の位置を決定することができる。ある実施形態において、データ分析モジュール1532は、リアルタイムデータ、履歴データ又はその両方の組み合せを分析し、そして地理的領域に対する位置を決定することができる。
【0107】
図13、14及び15に示す例では、ワイヤレスセンサ装置(1310、1410、1510)は、地理的領域にわたって個別の位置に分散され、そしてワイヤレスセンサ装置は、地理的領域におけるワイヤレス通信ネットワーク信号を受動的に監視する。
図13、14及び15に示す規範的なワイヤレス通信ネットワーク信号は、移動装置(1304、1404、1504)及びベースステーション(1302、1402、1502)により発生される信号で、セルラーネットワーク規格(例えば、3G、LTE、等)に従ってフォーマットされるが、ワイヤレスセンサ装置は、他のタイプのワイヤレス通信ネットワーク信号を監視することもできる。例えば、ワイヤレスセンサ装置は、別のタイプのワイヤレス通信ネットワークプロトコル(例えば、WiFi、ブルーツース、等)に従ってフォーマットされた信号を監視することもできる。
【0108】
各ワイヤレスセンサ装置(1310、1410、1510)は、地理的領域内の移動装置から装置信号を受信するように構成される。
図13、14及び15に示す例では、装置信号は、RACH信号、アップリンク信号、或いはベースステーションへの送信のために移動装置(1304、1404、1504)により発生される別の信号である。又、各ワイヤレスセンサ装置(1310、1410、1510)は、同期信号源からの基準信号を受信するようにも構成される。
図13、14及び15に示す例では、基準信号は、ブロードキャスティングチャンネルであるか、又はベースステーション(1302、1402、1502)により送信される別の信号である。ある場合に、基準信号は別のタイプの同期信号源から受信できる。例えば、基準信号は、メインコントローラ1530、衛星システム、等から受信できる。
【0109】
これら及び他のタイプの装置信号及び基準信号は、ワイヤレスセンサ装置により検出され使用されて、到着時間データを発生する。
図13、14及び15に示す例では、到着時間データは、各ワイヤレスセンサ装置により計算される時間差δτ
iを含む。時間差又は他のタイプの到着時間データは、ワイヤレスセンサ装置により発生されそして(例えば、データ分析システムにより)使用されて、移動装置の位置を識別する。例えば、ワイヤレスセンサ装置は、到着時間データをデータ分析モジュール1532へ送信し、そしてデータ分析モジュール1532は、3つ以上のワイヤレスセンサ装置により発生される到着時間データに基づいて移動装置の位置を識別することができる。
【0110】
図16は、送信信号の構造を前もって知らずにRF信号源の位置を識別するための規範的技術を示す。
図16に示すように、ブロック
図1600は、センサネットワーク内のn番目のセンサ装置をnとすれば、空間座標(x
1、y
1、z
1)、(x
2、y
2、z
2)、(x
3、y
3、z
3)及び(x
n、y
n、z
n)を有する位置に配置された多数のワイヤレスセンサ装置1610を含む。又、ブロック
図1600は、(x
b、y
b、z
b)に位置するベースステーション1602、及び空間座標(x
s、y
s、z
s)を有する未知の位置にあるターゲットRF信号源1604も含む。ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置1610は、ベースステーション1602の位置を決定することができる。例えば、1つ以上のワイヤレスセンサ装置1610は、ベースステーション1602の独特の識別子を検出し、そして公然と利用できるデータベースからベースステーション1602の位置を決定することができる。ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置1610は、ベースステーション1602により送信されるブロードキャスティングチャンネル信号に同期させることができる。それとは別に、又はそれとの組み合せで、ワイヤレスセンサ装置1610は、他の共通の同期信号源、例えば、GNSS/GPS信号に同期させることができる。
【0111】
ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置1610は、ターゲットRF信号源1604により送信される未知の構造のRF信号を検出することができる。ワイヤレスセンサ装置1610は、その検出をデータ分析システムへ報告することができる。ある場合に、データ分析システムは、同期信号源及び現在時間基準を報告するようにワイヤレスセンサ装置1610に要求する。データ分析システムは、共通の同期信号源による信号記録の開始時間又は終了時間、例えば、GNSS時間、又はセルラーネットワークフレーム番号を決定することができる。ある場合に、データ分析システムは、信号記録がスタートする前に開始時間及び終了時間をワイヤレスセンサ装置1610に与えることができる。開始時間に、全てのワイヤレスセンサ装置1610がターゲットRF信号源1604からの信号の記録を開始することができる。ここに例示する例では、開始時間とは、ベースステーションのブロードキャスティングチャンネル信号が共通の同期信号源として使用される場合に、ワイヤレスセンサ装置1610が受信するベースステーションのブロードキャスティングチャンネル信号のフレーム1の開始である。
【0112】
記録後に、ワイヤレスセンサ装置1610は、S
i(t)として表わされた記録波形を記憶することができ、ここで、iは、ワイヤレスセンサ装置1610のインデックスで、i=1、2、3・・・nである。ワイヤレスセンサ装置1610は、ローS
i(t)波形をデータ分析システムへ送信することができる。
【0113】
データ分析システムは、記録波形を受信し、そしてその各々が互いにシフトされる時間を決定する。ある実施形態において、データ分析システムは、S
i(t)とS
j(t)との間に相関関数を適用することができ、ここで、i及びjは、ワイヤレスセンサ装置1610の各対のインデックスで、i≠jである。次の項は、記録信号のクロス相関の例を表わす。
ここで、τは、クロス相関の時間を指示する。クロス相関は、種々のピークをもつ出力を発生することができる。ある場合、例えば、多経路散乱がない場合には、1つのピークが発生される。ある場合、例えば、多数の多経路がある場合には、多数のピークが発生される。
【0114】
図18及び19は、多経路作用の例を示す。
図18は、信号の多経路を示すブロック
図1800である。このブロック
図1800は、RF信号を送信するRF信号源1804、このRF信号源により送信されたRF信号を受信するワイヤレスセンサ装置1810を含む。又、ブロック
図1800は、RF信号を反映するオブジェクトA1820及びオブジェクトB1822も含む。RF信号源は、ベースステーション、移動装置、又は別のタイプのRF信号源である。
図18に示すように、RF信号は、「経路1」1832をとり、そしてRF信号源1804からワイヤレスセンサ装置1810へ直接進行する。又、RF信号は、RF信号源1804から「経路2」1834及び「経路3」1836を経てワイヤレスセンサ装置1810へも進行し、これは、各々、オブジェクトB1822及びオブジェクトA1820で反射される。
【0115】
図19は、多経路作用の結果として多数のクロス相関ピークを示すチャート1900である。
図19に示すように、到着時間δτ
ij1、δτ
ij2、及びδτ
ij3に対応する多数のピークは、相関計算に基づいて識別することができる。ある実施形態では、1つのピークが識別される。識別されたピークは、最短の経路を表わす最初に検出される信号経路に対応する。又、識別されたピークは、高い信頼性を表わす最強の信号経路に対応する。ある場合には、全ての経路が選択され、これは、多数の値
を生じる。
【0116】
図16に戻ると、ここに示す例では、到着時間δτ
ijに対応する1つのピークを識別することができる。データ分析システムは、δτ
ijに基づいて非線型方程式の系を形成することができる。例えば、ワイヤレスセンサ装置1610、ベースステーション1602、及びターゲットRF信号源1604の位置は、次のベクトルで表わすことができる。
【0117】
非線型方程式の系は、n個の方程式を含む。方程式の一例を以下に示す。
ここで、cは、光速である。
【0118】
次いで、データ分析システムは、非線型方程式の系を解き、そしてターゲットRF信号源、即ち、
の位置を決定することができる。ある実施形態では、ターゲットRF信号源1604の位置は、3つのワイヤレスセンサ装置1310により発生される記録波形に基づいて決定することができる。位置決定の精度は、より多くのデータ、例えば、付加的なワイヤレスセンサ装置からの記録波形で改善することができる。
【0119】
図17は、規範的なワイヤレス信号源ロケーターシステム1700を示すブロック図である。規範的なワイヤレス信号源ロケーターシステム1700は、
図1のワイヤレススペクトル分析システム100又は別のワイヤレススペクトルシステムを表わす。ワイヤレス信号源ロケーターシステム1700は、多数のワイヤレスセンサ装置1710、IPネットワーク1720、メインコントローラ1730、及びデータ分析モジュール1732を備えている。図示されたように、ワイヤレス信号源ロケーターシステム1700は、ベースステーション1702及びターゲットRF信号源1704も備えている。ワイヤレス信号源ロケーターシステム1700は、付加的な又は異なるコンポーネントも含む。ある実施形態において、ワイヤレス信号源ロケーターシステムは、
図17に示すように構成されてもよいし又は別の適当な仕方で構成されてもよい。
【0120】
図17に示すように、各ワイヤレスセンサ装置1710は、空間座標(x
i、y
i、z
i)を有する各物理的位置に配置され、ここで、iは、1からnまで変化する。上述したように、各ワイヤレスセンサ装置1710は、空間座標(x
b、y
b、z
b)に位置するベースステーション1702、及び未知の位置(x
s、y
s、z
s)に位置するターゲットRF信号源1704により送信されるワイヤレス信号を受動的に監視することができる。上述したように、ワイヤレスセンサ装置1710は、ベースステーション1701により送信されるブロードキャスティングチャンネル信号に同期させることができる。又、ワイヤレスセンサ装置1710は、S
i(t)として表わされた、ターゲットRF信号源1704により送信されるRF信号の波形を記憶することもでき、ここで、iは、ワイヤレスセンサ装置1710のインデックスで、i=1、2、3・・・nである。ワイヤレスセンサ装置1510は、S
i(t)をデータ分析システムへ送信することができる。
【0121】
図17に示すように、データ分析システムは、メインコントローラ1730及びデータ分析モジュール1732を備えている。ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置1710は、IPネットワーク、例えば、IPネットワーク1720を通してデータ分析システムへS
i(t)を送信することができる。
【0122】
規範的なメインコントローラ1730は、
図1のデータ集計システム115又は別のバックエンドシステムに含まれる。メインコントローラ1730は、1つ以上のコンピューティング装置又はシステムを含むコンピューティングシステムである。メインコントローラ1730又はそのいずれかのコンポーネントは、データ処理センター、コンピューティングファシリティ又は別の位置に配置することができる。図示された例では、メインコントローラ1730は、ワイヤレスセンサ装置1710の動作を遠隔制御することができる。メインコントローラ1730の機能は、例えば、ワイヤレスセンサ装置1710の幾つか又は全部からの情報の集計、ワイヤレスセンサ装置1710のソフトウェアのアップグレード、及びワイヤレスセンサ装置1710の状態の監視を含む。ある実施形態において、上述したように、メインコントローラ1730は、共通のタイミング同期信号源に同期させるようにワイヤレスセンサ装置1710に命令するコマンドを送信する。又、メインコントローラ1730は、ワイヤレスセンサ装置1710に信号記録の開始及び終了時間を指示することができる。
【0123】
ある実施形態において、メインコントローラ1730は、データ分析モジュール1732を含むか、又は
図17に示すように、それに結合される。データ分析モジュール1732は、記録波形のクロス相関を遂行し、そして識別されたピークに基づき到着時間情報を識別することができる。データ分析モジュール1732は、到着時間情報に基づいてターゲットRF信号源1704の位置を決定することができる。ある実施形態において、データ分析モジュール1732は、リアルタームデータ、経歴データ、又はその両方の組み合せを分析し、そして地理的領域に対する位置を決定することができる。
【0124】
図20は、多数のセルにおけるワイヤレスセンサ装置の規範的分布を示すブロック
図2000である。
図20に示すように、ブロック
図2000は、空間座標(x
1、y
1、z
1)、(x
2、y
2、z
2)及び(x
3、y
3、z
3)を有する位置に配置された多数のワイヤレスセンサ装置2010を備えている。又、ブロック
図2000は、(x
b、y
b、z
b)に位置するベースステーション2002、及び未知の位置(x
s、y
s、z
s)にあるターゲットRF信号源2004も含む。ワイヤレスセンサ装置2010は、異なるセルに配置できる。ここに示す例では、ワイヤレスセンサ装置2010の1つがベースステーション2002と同じセルに配置され、一方、他のワイヤレスセンサ装置2010は、異なるセルに配置される。ある場合に、異なるセルに配置されたワイヤレスセンサ装置2010は、ターゲットRF信号源2004の位置を決定するように一緒に機能することができる。例えば、これらワイヤレスセンサ装置2010は、ターゲットRF信号源2004により送信されるターゲット信号に基づき時間差を計算するか、又はターゲットRF信号源2004の受信波形を記録することができる。これらのワイヤレスセンサ装置2010は、ターゲットRF信号源2004の位置を決定するためにデータ分析システムへデータを送信することができる。
【0125】
ある実施形態において、ワイヤレスセンサ装置2010は、他のセルにおいて送信された信号を共通の同期信号源として使用することができる。例えば、
図20のワイヤレスセンサ装置2010の幾つか又は全部が、ベースステーション2002により送信されたブロードキャスティングチャンネル信号を共通の同期信号源として使用することができる。ある場合に、ワイヤレスセンサ装置2010は、他の信号源、例えば、GNSS/GPS信号を共通の同期信号源として使用することができる。
【0126】
図21は、衛星信号に基づく規範的な共通同期信号源を示すブロック
図2100である。
図21に示すように、ブロック
図2100は、センサネットワーク内のn番目のセンサ装置をnとすれば、空間座標(x
1、y
1、z
1)、(x
2、y
2、z
2)、(x
3、y
3、z
3)及び(x
n、y
n、z
n)を有する位置に配置された多数のワイヤレスセンサ装置2110を備えている。又、ブロック
図2100は、衛星2106、及び未知の位置(x
s、y
s、z
s)にあるターゲットRF信号源2104も含む。ある実施形態において、上述したように、共通の同期信号源は、ターゲットRF信号源2104を位置決めする際にワイヤレスセンサ装置2110の同期信号を発生することができる。ある場合に、同期信号は、ベースステーションにより送信される信号、例えば、同期又はブロードキャストチャンネルである。ある場合に、同期信号は、正確なタイミング基準を搬送する他のブロードキャストRF信号でよい。ある場合に、
図21に示すように、同期信号は、衛星2106により送信される信号でよい。例えば、同期信号は、GNSS信号又はGPS信号でよい。
【0127】
本明細書は、多数の細部を含むが、それらは、特許請求の範囲における限定と解釈してはならず、むしろ、特定実施例に特有の特徴の記述であると解釈されたい。本明細書において別々の実施形態の文脈に述べられた幾つかの特徴は、結合することも可能である。逆に、1つの実施形態の文脈に述べられた種々の特徴は、多数の実施形態において別々に、又は適当な副次的結合で実施することもできる。
【0128】
多数の実施例について説明した。それでも、種々の変更がなされ得ることを理解されたい。従って、他の実施形態も、特許請求の範囲内に包含される。