(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第3放射体は、前記第1放射体及び第2放射体から放射される信号波長の1/4倍に0.92を掛けた値に対応する電気的長さを含むことを特徴とする請求項2に記載の車両用アンテナ装置。
前記第3放射体は、信号処理基板の鉛直方向へ延びて形成され、第1放射体及び第2放射体が相互近接する領域の両側面または一側面に位置することを特徴とする請求項1に記載の車両用アンテナ装置。
前記第3放射体は、前記第1放射体及び第2放射体から放射される信号波長の1/4倍となる距離だけ離隔して位置することを特徴とする請求項2に記載の車両用アンテナ装置。
前記第2アンテナを加圧して前記第1放射体に着脱するとき、前記第1放射体が弾性変形して前記第2アンテナの一端と弾性結合することを特徴とする請求項1に記載の車両用アンテナ装置。
前記第1放射体は、導電材質の金属板であって、一端が給電部と電気的に接続して他端が電気的に開放され、中央部分が反って断面がソケット形状で構成されることを特徴とする請求項8に記載の車両用アンテナ装置。
【背景技術】
【0003】
最近、車両の自律走行が社会的イシューで浮かび上がっている。これは、高度道路交通システム(Intelligent transportation System、ITS)に基づいており、ITSは、WAVE周波数を用いて車車間通信(V2V)、路車間通信(V2I)を行うことで突発状況に対処して交通事故を最小化することができる先端技術である。また、これは、V2X通信技術またはV2X通信システムに基づく。前記V2X通信システムは、応用サービスによって、前方危険物感知、交通トラフィック制御、緊急車両交差点無停車通過、交差点死角地帯における事故予防、二輪車接近事前感知などの交通事故の予防に画期的な助けになるという長所がある。
【0004】
しかし、車両のV2X通信が円滑になるためには、車両の前後方向、即ち、水平面において最適の放射が行われることが必須であるが、通常、車両のルーフ(Roof)に搭載されるアンテナの場合、水平面放射が円滑でない。
【0005】
図1は、従来の車両用アンテナ装置の構成を示した図である。
図1を参照すれば、車両用アンテナ装置10は、ベース11、信号処理基板13、アンテナ部15及びケース17を含む。
【0006】
ベース11は、車両用アンテナ装置10の底に位置し、全体としてプレート形状を有する部材であって、下部面が車両の外部パネルに結合し、上部に信号処理基板13及びアンテナ部15が設けられる。一例において、ベース11とケース17とは結合してサメひれの構造を形成し、車両移動時に発生する空気抵抗と風切り音を減少させることができる。ベース11とケース17との結合は多様な方式で行われ得、一例としてボルト及びナットを用いて結合し得る。
【0007】
信号処理基板13は、ベース11の一面に結合し、アンテナ部15から受信される信号を処理する。例えば、所望の周波数帯域の信号を帯域通過フィルターでフィルタリングし、ノイズなどを除去して必要な水準に増幅する。このような信号処理基板13の一面には、各種アンテナ部品とアンテナ部品を固定できる固定装置、ケース17と結合するねじ溝部、アンテナ部品が連結されて回路配線が形成され得る。
【0008】
アンテナ部15は、アンテナの放射特性と効率を最大に導き出すよう、車両用アンテナ装置10の内部に位置して各種信号を送受信できる。アンテナ部15は、GNSSアンテナ151、SXMアンテナ153、通信用アンテナ155を含む。GNSSアンテナ151及びSXMアンテナ153はパッチアンテナであり、通信用アンテナ155は、FM/AM信号、LTEなどの通信信号を受信するコイル形態のモノポールアンテナである。
【0009】
ケース17は、ベース11と結合して内部収容空間に前記信号処理基板13及びアンテナ部15を収容する。また、ケース17は、下部が開放されて内部が空いているドーム形態を有し、内部にアンテナ部15のような構成要素を収容するための一定の長さ以上の高さを有する。
【0010】
図1に示したように、従来の車両用アンテナ装置は、サメひれ(Shark Fin)形態で具現されている。サメひれ形態の車両用アンテナ装置は、車両のルーフ(Roof)をGNDとして活用するが、このようなサメひれ形態の車両用アンテナ装置は、車両のルーフの影響から車両通信に適した水平面方向における放射が円滑でないという問題がある。また、従来の車両用アンテナ装置は、複数のアンテナを含んでおり、ここで、車両のV2X通信を支援するためのV2Xアンテナを追加する場合、車両用アンテナ装置のサイズが大きくなるという問題点がある。これは、最近の小型化趨勢に逆らう。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0032】
以下、図面を参照して本発明の車両用アンテナ装置について詳細に説明する。
【0033】
図2を参照すれば、車両用アンテナ装置20は、ベース21、信号処理基板23、アンテナ部25及びケース27を含む。
【0034】
ベース21は、車両用アンテナ装置20の底部に位置し、全体としてプレート形状を有する部材であって、下部面が車両の外部パネルに結合し、上部に信号処理基板23及びアンテナ部25が設けられる。一実施例によって、ベース21とケース27とは結合してサメひれ構造を形成し、車両移動時に発生する空気抵抗と風切り音を減少させることができる。ベース21とケース27との結合は、多様な方式によって行われ得、一例で、ボルトとナットを用いて結合し得る。
【0035】
信号処理基板23は、ベース21の一面に結合し、アンテナ部25から受信される信号を処理する。例えば、所望の周波数帯域の信号を帯域通過フィルターでフィルタリングしてノイズなどを除去し、必要な水準に増幅する。このような信号処理基板23の一面には、各種アンテナ部品とアンテナ部品を固定できる固定装置、ケース27と結合するねじ溝部及びアンテナ部品が連結されて回路配線が形成され得る。例えば、信号処理基板23は、印刷回路基板(Printed Circuit Board;PCB)の形態で構成され得る。
【0036】
アンテナ部25は、アンテナの放射特性と効率を最大に導出できるように車両用アンテナ装置20の内部に位置し、各種信号を送受信する。前記アンテナ部25は、GNSSアンテナ251、SXMアンテナ253、通信用アンテナ255及びV2Xアンテナ257を含む。
【0037】
GNSSアンテナ251は、GNSS(Global Navigation Satellite System)信号を受信できる。GNSSアンテナ251は、GPS(アメリカ)、GLONASS(ロシア)、Galileo(ヨーロッパ)の衛星周波数を受信できるアンテナが含まれており、全世界どこでも高い精度の位置サービスを受けることができる。
【0038】
SXMアンテナ253は、北米向けの衛星マルチメディアサービスのためのSXM信号を受信できる。GNSSアンテナ251及びSXMアンテナ253は、信号処理基板23の接地面に設けられ、誘電体及びアンテナパッチが順番に積層されている。即ち、GNSSアンテナ251及びSXMアンテナ253は、通常のパッチアンテナタイプであり得る。
【0039】
通信用アンテナ255は、AM/FMラジオ信号及びLTEなどの通信用信号を受信できる。通信用アンテナ255は、モノポール(monopole) タイプのアンテナであって二本の螺旋状(helical)のコイルを含むが、その二本のコイルはピッチ(pitch)が相異なる。ここで、ピッチとは、コイルの二本の巻線間の間隔を意味し、ピッチが異なる各領域は相異なる周波数帯域特性を有する。しかし、これに制限されず、一本の螺旋状のコイルを長手方向へピッチを異にしてもよい。
【0040】
通信用アンテナ255の一端は、結合部255aを含み得る。結合部255aは、信号処理基板23に直接連結されず、V2Xアンテナ257を介して信号処理基板23に間接連結される。
【0041】
V2Xアンテナ257は、車両通信のためのV2X信号を受信する。V2Xアンテナ257は、V2X信号を送受信すると共に前記通信用アンテナ255を信号処理基板23に連結する。このために、V2Xアンテナ257は、通信用アンテナ255の一端に形成された結合部255aを着脱可能に挿入固定する固定構造を含み得る。
【0042】
一実施例によって、V2Xアンテナ257は、WAVE周波数を用いてV2X通信を行い得る。ここで、WAVE(Wireless Access in Vehicular Environment)周波数とは、5.8GHz〜5.9GHzを使用することで、短い波長であって直進性に優れており、車両進行の水平面方向へ最適化したときに有効通信距離の確保が容易である。また、V2X通信は、路車間通信(Vehicle−to−Infrastructure,以下、V2I)、車車間通信(Vehicle−to−Vehicle,以下、V2V)、車モバイル間通信(Vehicle−to−Momadic devices、以下、V2N)に分けられ得る。したがって、V2Xアンテナ257を含む車両は、内/外部から無線データを受信して運転者中心のサービスを提供する高度道路交通システム (Intelligent Transportation System;ITS)を実現できる。
【0043】
他の実施例によって、V2Xアンテナ257は、ラジオ信号(AM/FM)、放送信号(DMB、DAB、SXMなど)、通信信号(3G、4G、LTE)などを送受信できる。
【0044】
ケース27は、ベース21と結合して内部の収容空間に前記信号処理基板23及びアンテナ部25を収容する。一実施例によって、ケース27は、下部が開放されて内部が空いているドーム形態を有し、内部にアンテナ部25のような構成要素を収容するための一定の長さ以上の高さを有する。
【0045】
図3は、
図2のV2Xアンテナの全体構造を詳しく示す拡大図であり、
図4は、
図3の第3放射体の他の実施例を示す図である。
【0046】
図3を参照すれば、V2Xアンテナ257は、第1放射体31、第2放射体33、給電部35及び第3放射体37を含み得る。
【0047】
一実施例によって、V2Xアンテナ257は、ダイポールアンテナに対応する電気的特性を有する。即ち、第1放射体31及び第2放射体33は、RF信号を送受信する放射体として動作し、第1放射体31及び第2放射体33の電気的長さの和は、放射するRF信号波長λの半分に当たる。
【0048】
V2Xアンテナ257は、他の周波数帯域で動作するアンテナを信号処理基板23に連結するコネクターの機能を果たすことができる。本実施例において、
図2及び
図3を参照すれば、V2Xアンテナ257を介して信号処理基板23に連結されるアンテナは、通信用アンテナ255である。
【0049】
第1放射体31は、通信用アンテナ255の一端に形成された結合部255aを着脱可能に固定できる。即ち、通信用アンテナ255を加圧して第1放射体31に着脱するとき、第1放射体31が弾性変形して通信用アンテナ255の一端に形成された結合部255aと弾性結合できる。
【0050】
第2放射体33は、第1放射体31と共に給電されるRF信号を放射し、外部から伝送されるRF信号を受信する放射体として動作できる。一実施例によって、第2放射体33は、第1放射体31と共にダイポールアンテナとして動作し得る。
【0051】
給電部35は、第1放射体31及び第2放射体33に給電信号及び接地電圧を提供する。
【0052】
第3放射体37は、第1放射体31及び第2放射体33から放射されるビームパターンを制御して車両の前後方向へのアンテナ利得を高めることができ、寄生素子として指称することもある。第3放射体37の制御によって車両の前後方向への指向性が高くなれば、車両間通信が円滑に行われる。
【0053】
図3を参照すれば、一実施例によって、第3放射体37は、第1放射体31及び第2放射体33が配列される方向における両側面または一側面に一定の間隔に離隔して位置し得る。ここで、第1放射体31及び第2放射体33が配列される方向の両側面とは、例えば、第1放射体31及び第2放射体33が任意の方向(例えば、Y軸方向)へ一列に配列されるとき、放射体31及び第2放射体33の配列方向(例えば、Y軸方向)の右側領域及び左側領域として、
図3に示したように、第3放射体37が位置した領域に実現され得る。また、第1放射体31及び第2放射体33が配列される方向における一側面とは、前記両側面のうちの一部領域、即ち、右側領域または左側領域に具現され得る。
【0054】
一実施例による第3放射体37は、支持台37aによって支持され、第1放射体31及び第2放射体33が配列される方向の両側面で、第1放射体31及び第2放射体33と平行に長手方向へ延びるように位置し得る。
図3の上側から見れば(
図3のA方向)、第3放射体37の一端は、第1放射体31の終端に到達できず、第3放射体37の他端は、第2放射体33の終端に対応し、第3放射体37の全長が第1放射体31の終端から第2放射体33の終端までの長さよりも短く具現され得、これは、以下に説明する
図6に詳しく示されている。また、第3放射体37は、支持台37aによって支持され、第1放射体31及び第2放射体33が配列される方向の一側面で第1放射体31及び第2放射体33と平行に長手方向へ延びるように位置し得る。
【0055】
一実施例による支持台37aは、
図3に示したように、信号処理基板23から鉛直方向へ延びるように形成され、第3放射体37の中心部分を垂直に支持し、第3放射体37と共に全体的にアルファベット「T」字形状に具現され得る。この際、
図3の側面から見れば(
図3におけるB方向)、第3放射体37によって第2放射体33の上面、即ち、「┐」形状のうち「−」形状に具現される上面331が遮られ得、この際、上面331が遮られるように支持台37aの高さを算定し得る。ここで、第2放射体33の上面331は、以下の
図5で詳しく説明する。
【0056】
また、支持台37aは、
図3に示したように第3放射体37の中心部分を支持し得るが、これに限定されず、第3放射体37の任意の部分を支持し得る。したがって、第3放射体37の一端または他端の終端に垂直に結合して第3放射体37と共に全体として「┐」字形状にも具現され得る。
【0057】
図4を参照すれば、他の実施例によって、第3放射体37は、第1放射体31及び第2放射体33が配列される方向の両側面または一側面に一定の間隔に離隔して位置し得る。ここで、第1放射体31及び第2放射体33が配列される方向の両側面とは、例えば、第1放射体31及び第2放射体33が任意の方向(例えば、Y軸方向)に一列に配列されるとき、放射体31及び第2放射体33の配列方向(例えば、Y軸方向)の右側領域及び左側領域であって、
図4に示したように、第3放射体37が位置した領域に実現され得る。また、第1放射体31及び第2放射体33が配列される方向の一側面とは、前記両側面における一部領域、即ち、右側領域または左側領域に具現され得る。
【0058】
他の実施例による第3放射体37は、信号処理基板23から垂直方向へ延びるように形成され、前記第1放射体31及び第2放射体33が配列される方向の両側面、望ましくは、
図4を参照すれば、第1放射体31及び第2放射体33が相互近接する領域の両側面に位置し得る。この場合、
図4の側面から見れば(
図4におけるB方向)、第3放射体37によって第1放射体31の側面、または第2放射体33の垂直面が部分的に遮られ得る。ここで、第1放射体31の側面は支持部315であって、以下の
図7で詳しく説明し、第2放射体33の垂直面は「┐」形状のうち「│」形状に具現される垂直面333であって、以下の
図5で詳しく説明する。また、第3放射体37は、信号処理基板23から垂直方向へ延びるように形成され、前記第1放射体31及び第2放射体33が配列される方向の一側面にのみ、望ましくは、
図4を参照すれば、第1放射体31及び第2放射体33が相互近接する領域の両側面における一側面のみに位置し得る。
【0059】
また、他の実施例による第3放射体37は、信号処理基板23から垂直方向へ延び、上側終端が第1放射体31の上側終端よりも下に位置するように延び、第3放射体37の高さが第1放射体31の高さよりも低く具現されるように第3放射体37の長さを算定し得る。
【0060】
図5は、
図3のV2Xアンテナの電気的な構成を説明する図である。
図5の(a)は、第1放射体31及び第2放射体33の物理的形状を簡単に説明し、
図5の(b)は、第1放射体31及び第2放射体33の電気的な形状による長さを説明する。
【0061】
図5の(a)を参照すれば、第1放射体31及び第2放射体33は、導電性材質からなり、放射体として動作して給電されるRF信号を放射し、外部から伝送されるRF信号を受信する。
【0062】
第1放射体31は、一端が給電部35と電気的に接続し、他端が電気的に開放(open)され、中央部分が反って断面がソケット形状で構成され得る。前記ソケット形状は、進入部311、底部313及び支持部315に分けられ得る。進入部311は、通信用アンテナ255の結合部255aが加圧されて進入するときに外側へ弾性変形され、結合部255aが底部313に装着されれば、進入部311の両側面は、元の位置に戻されて通信用アンテナ255の結合部255aと弾性結合し得る。底部313は、前記結合部255aの形状と対応する形状に具現され、結合部255aが装着される領域である。一対の支持部315は、前記ソケット形状を支持でき、
図3〜
図5を参照すれば、一対の支持部315のうち一側の支持部315は、第2放射体33の垂直面333と近接して位置し得る。
【0063】
また、第1放射体31は、
図5の(a)のように典型的なソケット形状ではなく、曲面一部の曲率が変わるか、一部の曲面が直線化する実施例を含み得る。これは、通信用アンテナ255との結合が容易となるように第1放射体31の形状を通信用アンテナ255の結合部255aの形状に対応させるためである。
【0064】
第2放射体33は、一端が給電部35と電気的に接続し、他端が電気的に開放(open)された折り曲げられた形状で構成され得る。一実施例によって、折り曲げられた形状は、直線の一部が折り曲げられた形状であって、
図3〜
図5を参照すれば、「┐」字形状に具現され得る。前記「┐」字形状は、「−」形状に具現される上面331と、「│」形状に具現される垂直面333に分けられ得る。上面331の終端は電気的に開放され、垂直面333の終端は給電部35と電気的に接続し、垂直面333は第1放射体31の一対の支持部315のうち一側の支持部315と近接して位置し得る。但し、第2放射体33の形状が「┐」字形状に限定されることではなく、第1放射体31と電気的に対称する形状に具現される多様な実施例を含み得る。
【0065】
給電部35は、
図5の(a)を参照すれば、第1放射体31に給電信号を提供して第2放射体33に接地電圧を提供している。他の実施例によって、給電部35は、第1放射体31に接地電圧を提供し、第2放射体33に給電信号を提供し得る。
【0066】
図5の(b)を参照すれば、一実施例によって、第1放射体31の電気的な形状は、ほぼ六面体になり得る。即ち、V2Xアンテナ257が半波長ダイポールアンテナに対応する電気的特性を有する場合、第1放射体31の電気的六面体の高さ及び第2放射体33の一端から他端までの電気的長さは、各々放射されるRF信号波長の1/4に対応する電気的長さを有する。したがって、第1放射体31及び第2放射体33の電気的長さによって放射されるRF信号の周波数(波長)が決められる。
【0067】
図6は、
図3のV2Xアンテナの構成要素相互間の望ましい配置を説明する図である。また、
図6は、
図3の上側(A方向)から見たとき、V2Xアンテナの構成要素相互間の配置図であり得る。
【0068】
図6を参照すれば、第1放射体31及び第2放射体33は、所定間隔Aだけ相互離隔して位置し得る。望ましくは、第2放射体33は第1放射体31から、放射されるRF信号波長λの1/10となる距離だけ離隔するように位置し得る。
【0069】
また、第3放射体37は、第1放射体31及び第2放射体33から所定間隔Tに離隔して位置し得る。望ましくは、第3放射体37は、第1放射体31及び第2放射体33から放射されるRF信号波長λの1/4となる距離だけ離隔して位置する。
【0070】
また、第3放射体37の電気的長さLは、放射されるRF信号波長の1/4に対応し得、望ましくは、放射されるRF信号波長の1/4に0.92を掛けた値として具現され得る。
【0071】
前記のような電気的長さLを有する第3放射体37は、
図6に示したように、一端が第1放射体31の終端に到達できず、他端は第2放射体33の終端に対応し、第3放射体37の全長が第1放射体31の終端から第2放射体33の終端までの距離よりも短く具現され得る。また、図示していないが、前記のような電気的長さLを有する第3放射体37は、第1放射体31の終端から第2放射体33の終端までにおける任意の箇所に位置し得る。
【0072】
図7は、
図6の第3放射体の電気的長さLによる放射効率を示すグラフである。
【0073】
図7において、横軸は、第1放射体31及び第2放射体33から放射されるRF信号波長λの変化による第3放射体37の電気的長さ(L=λ/4×0.92)の変化であり、縦軸は、第3放射体37の電気的長さLの変化による放射体の放射効率(%)を示す。具体的な数値は、下記の表1のようである。
【0075】
図7及び表1を参照すれば、第1放射体31及び第2放射体33から放射されるRF信号波長λの下限は、0.17m以上、または0.18m以上、または0.21m以上を含み得、上限は、0.25m以下、または0.27m以下、または0.28m以下を含み得る。
【0076】
例えば、第1放射体31及び第2放射体33から放射されるRF信号波長λは、0.17m以上かつ0.28m以下の範囲を含み得、前記RF信号波長λによる第3放射体37の電気的長さ(0.0391m≦L≦0.0644m)で放射効率(例えば、40%以上)が良好に維持される。
【0077】
図8は、
図6における第1放射体と第2放射体との間隔Aによる放射効率を示すグラフである。
【0078】
図8において、横軸は第1放射体31及び第2放射体33から放射されるRF信号波長λの変化による第1放射体31と第2放射体33との離隔距離(A=λ/10)の変化であり、縦軸は、第1放射体31と第2放射体33との離隔距離Aの変化による放射体の放射効率(%)を示す。具体的な数値は、下記の表2のようである。
【0080】
図8及び表2を参照すれば、第1放射体31及び第2放射体33から放射されるRF信号波長λの下限は、0.075m以上、または0.080m以上、または0.090m以上を含み、上限は0.105m以下、または0.0135m以下、または0.155m以下を含み得る。
【0081】
例えば、第1放射体31及び第2放射体33から放射されるRF信号波長λは、0.075m以上0.155m以下の範囲を含み得、前記RF信号波長λによる第1放射体31と第2放射体33との離隔距離(0.0075m≦A≦0.0155m)で放射効率(例えば、40%以上)が良好に維持される。
【0082】
図9は、
図3の第1放射体の形状に対する一実施例を示す図であり、
図10は、
図3の第1放射体の形状に対する他の実施例を示す図であり、
図11は、
図3の第1放射体の形状に対するさらに他の実施例を示す図である。
【0083】
図9〜
図11において、第1放射体31は、弾性材質から構成され、結合部255aとボール・ソケットユニットを形成する多様な実施例を含む。なお、
図9〜
図11において第2放射体33は図示していないが、第2放射体33は、
図3に示した形状として
図9〜
図11に示した第1放射体31と一対をなして放射体として動作し得る。
【0084】
図9〜
図11において、第1放射体31は、多様な形状のソケット構造に形成され、ボール形状の結合部255aと弾性結合できる。
【0085】
図9の(a)を参照すれば、一実施例によって、結合部255aは、典型的なボール形状ではなく、結合に際し離脱を防止するために一部領域が内側へ凹まれて全体的に臼形状に形成され得る。この場合、第1放射体31は、前記結合部255a形状に対応するように、曲面一部の曲率が変わるか、一部曲面が直線化して結合部255aのボール形状に対応するソケット形状で構成され得る。これは、通信用アンテナ255との結合が容易となるように第1放射体31の形状を結合部255aの形状に対応させるためである。
【0086】
より詳しく説明すれば、
図9の(b)において、結合部255aは、内側へ凹んだ部分Cから突出部分Pにつながる面が水平面と鋭角(α゜<90゜)をなし、突出部分Pで下側へさらに曲がり、この際、突出部分Pで下側へ曲がる面は、第1放射体31との結合を容易にするガイド部2551である。
【0087】
第1放射体31は上方へ開口し、左右方向断面の中心はソケット形状に形成され、断面全体がアルファベット「M」模様に類似であり、断面中心部はソケット形状に形成され得る。
【0088】
前記ソケットの形状は、進入部311、底部313及び支持部315に分けられ得る。
図9の(b)のように、一対の進入部311は、両側面間の間隔である進入直径L1が結合部255aの突出部分Pの直径L2よりも所定寸法に小さく形成されることで、一対の進入部311の両側面は、通信用アンテナ255の結合部255aが加圧されて進入するときに外側へ弾性変形され、結合部255aが底部313に装着されると、進入部311の両側面は元の位置へ戻され、通信用アンテナ255の結合部255aと弾性結合し得る。底部313は、前記結合部255aの形状に対応する形状に具現され、結合部255aが装着される領域であって、底部313の内部直径L3は、結合部255aの直径L2に対応して形成されるか(L2=L3)、少し大きく形成され得る(L2<L3)。支持部315は、前記ソケット形状を支持し得る。
【0089】
したがって、第1放射体31が
図9のような形状に具現されることで、結合部255aを加圧して第1放射体31に着脱するとき、第1放射体31の進入部311の両側面が弾性変形して結合部255aと弾性結合できる。
【0090】
図10を参照すれば、他の実施例によって、結合部255aは、典型的なボール形状に形成され得る。この場合、第1放射体31は、前記結合部255aのボール形状に対応するソケット形状で構成され得る。これは、通信用アンテナ255との結合が容易となるように第1放射体31の形状が結合部255aの形状に対応するようにするためである。
【0091】
より詳しく説明すれば、
図10において、結合部255aは、典型的なボール形状に形成され、球心を通す直径における下部の曲面部分は、第1放射体31との結合を容易にするガイド部2551である。
【0092】
第1放射体31は全体的に六面体に形成され、六面体の上面に開口部31aが形成され、内部に結合部255aが挿入固定される挿入溝31bが凹まれて形成され、全体的に結合部255aのボール形状に対応するソケット形状で構成され得る。
【0093】
前記ソケットの形状は、進入部311及び底部313に分けられ得る。
図10のように、進入部311は、両側面間の間隔である進入直径L1が結合部255aの突出部分Pの直径L2よりも所定寸法に小さく形成されることで、進入部311の両側面は、通信用アンテナ255の結合部255aが加圧されて進入するときに外側へ弾性変形され、結合部255aが底部313に装着されると、進入部311の両側面は元の位置へ戻されて通信用アンテナ255の結合部255aと弾性結合し得る。底部313は、前記結合部255aの形状に対応する球形状に具現されて結合部255aが装着される領域であって、底部313の球心を通す内部直径L3は、結合部255aの球心を通す直径L2に対応して形成されるか(L2=L3)、少し大きく形成され得る(L2<L3)。
【0094】
第1放射体31が
図10のような形状に具現されることで、結合部255aを加圧して第1放射体31に着脱するとき、第1放射体31の進入部311の両側面が弾性変形されて結合部255aのボール形状に対応する底部313が結合部255aと結合し得る。
【0095】
図11を参照すれば、さらに他の実施例によって、結合部255aは、典型的なボール形状に形成され得る。この場合、第1放射体31は、前記結合部255aのボール形状に対応するように断面がソケット形状で構成され得る。これは、通信用アンテナ255との結合が容易となるように第1放射体31の形状を結合部255aの形状に対応させるためである。
【0096】
より詳しく説明すれば、
図11において、結合部255aは、典型的なボール形状に形成され、球心を通す直径における下部曲面部分は、第1放射体31との結合を容易にするガイド部2551である。
【0097】
第1放射体31は、一側から他側まで延びる一つの平面で形成し得、進入部311、延長部317及び底部315を含み得る。一対の進入部311は、結合部255aと着脱可能に設けられ得、延長部317は、底部315から延びて形状が対称の、対向する一対に具現され、予め設定された間隔に離隔して結合部255aが装着される挿入空間を形成し得る。底部315は、第1放射体31を支持し、結合部255aの下面が装着され得る。
【0098】
図11を参照すれば、一対の進入部311は、延長部317からラウンドして延び、中心から縁端へ進むほど離隔される間隔が増加するように構成され、相互対向する部分が膨らんで構成され得る。即ち、延長部317から離れるほど一対の延長部317間の離隔間隔が減少してから、再び増加するようにラウンドが形成され得る。
【0099】
また、一対の進入部311の中心における離隔する間隔L1は、結合部255aの球心を通す直径L2よりも所定寸法に小さく形成され、結合部255aを加圧して第1放射体31に着脱するとき、一対の進入部311が弾性変形して結合部255aと弾性結合できる。
【0100】
図12は、一実施例によってV2Xアンテナから放射されるビームパターンを示す図である。
図12の(a)は、従来の5.8GHZのアンテナビームパターンを示す例示図であり、
図12の(b)は、本発明の一実施例による5.8GHZアンテナビームパターンを示す例示図である。
【0101】
図12の(a)を参照すれば、従来の車両用アンテナ装置がサメひれタイプのアンテナに具現される場合、サメひれタイプのアンテナにおいては、車両のルーフ(roof)をGNDとして活用する場合が多い。車両のルーフにアンテナ装置が配置される場合、5.8GHZの高周波のビームパターンはグラウンドに反射し、
図12の(a)に示した矢印方向のようにビームピークが上方に現れ、車両通信に適した水平面方向の放射が円滑でないという問題がある。
【0102】
そこで、本発明の車両ルーフに装着された車両用アンテナ装置20間の円滑な通信のために、水平面に対して最適の放射が行われるように第1放射体31及び第2放射体33が配列される方向の両側面または一側面に第3放射体37を含んでいる。即ち、第3放射体37は、第1放射体31及び第2放射体33から放射されるビームパターンを制御して車両の前後方向への志向性を高めて車両通信を円滑にすることができる。
【0103】
図12の(b)を参照すれば、一実施例によって、V2Xアンテナ257は、車両通信(V2X)に最適化のために約5.8GHZ帯域(例えば、WAVE 周波数)において第3放射体37によるビームティルティングで、水平角に最適化したアンテナを提供することができる。
図12の(b)は、第3放射体37の制御によってアンテナのビームを前後方へ誘導して水平方向に対して最適の放射パターンが形成され、V2X通信に適したビームパターンを具現することができることを示している。
【0104】
本明細書は、多くの特徴を含むが、そのような特徴が本発明の範囲または特許請求の範囲を制限すると解釈されてはならない。また、本明細書における個別の実施例で説明された特徴は、単一の実施例として組み合わされて具現され得る。逆に、本明細書で単一の実施例として説明された多様な特徴は、別々に多様な実施例で具現されるか、または、適切に組み合わされて具現され得る。
【0105】
図面では、動作が特定の手順で説明されたが、そのような動作が、図示されたような特定の手順で行われるか、一連の連続した手順で行われるか、または所望の結果を得るために全ての動作が行われると理解されてはならない。特定の環境では、マルチタスキング及び並列プロセッシングが有利であり得る。また、上述した実施例における多様なシステム構成要素の区分は、すべての実施例において求められるものではないと理解されねばならない。上述したプログラム構成要素及びシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品または複数のソフトウェア製品のパッケージとして具現され得る。
【0106】
上述した本発明の方法は、プログラムとして具現され、コンピュータ可読記録媒体(CD−ROM、RAM、ROM、フロッピーディスク、ハードディスク、光磁気ディスクなど)に保存され得る。このような過程は、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者が容易に実施できるため、詳しい説明は省略する。
【0107】
以上、上述の本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想から脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であるため、上述した実施例及び添付された図面によって限定されない。