(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6782382
(24)【登録日】2020年10月21日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】仮設手摺
(51)【国際特許分類】
E04G 5/14 20060101AFI20201102BHJP
E04G 7/34 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
E04G5/14 301F
E04G7/34 301A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-78113(P2020-78113)
(22)【出願日】2020年4月27日
【審査請求日】2020年4月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513197699
【氏名又は名称】D−セーフティー有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166132
【弁理士】
【氏名又は名称】木船 英雄
(72)【発明者】
【氏名】豊島 俊成
【審査官】
五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】
特許第6616633(JP,B2)
【文献】
特開平07−331862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 1/00−7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
足場に取り付けられる2つ以上のブラケットと、当該各ブラケット間に取り付けられる手摺バーとを有する仮設手摺であって、
前記各ブラケットは、前記足場から建物側に向かって水平に延びる上下一対の単管と、当該単管間を連結する少なくとも1つ以上の連結管と、前記各単管の足場側端部に設けられ、当該各単管端部を前記足場の支柱にこれを軸として水平方向に回動可能に取り付けるクランプと、前記各単管の建物側端部に設けられるロックピンとを有し、
前記手摺バーは、棒状のバー本体の両端に、前記ロックピンに差し込まれる取付穴を有し、
前記ロックピンは、前記単管の建物側端部から略垂直上方または略垂直下方に向いて設けられていることを特徴とする仮設手摺。
【請求項2】
請求項1に記載の仮設手摺において、
前記各単管の建物側端部に筒状体を回転自在に嵌装し、当該筒状体に、前記ロックピンを設けたことを特徴とする仮設手摺。
【請求項3】
請求項1または2に記載の仮設手摺において、
前記ロックピンは、スプリング式のグラビティロックまたは先折れ式のグラビティロックであることを特徴とする仮設手摺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設現場等に設置される作業用足場に取り付けられる仮設手摺に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ビルやマンション、一般家屋などの建設時や補修工事などの際には、その建物を囲むように鉄骨製の作業用足場が組み立てられる。この作業用足場は、仮設の作業床およびこれを支持する仮設物からなっており、その構造によって単管足場や枠組足場、くさび緊結式足場などがある。そして、これらは設置する敷地の状態、コスト、建物や作業の規模などに応じて最適なものが選択して用いられる。
【0003】
このような作業用足場にあっては、作業性に優れ、かつ組み立てや撤去作業が容易であるだけでなく、突風で倒れたり、作業員が誤って転落することのないように高い安全性が求められている。特に、作業員の転落防止のためには、安全帯の使用義務だけでなく、例えば、以下の特許文献1乃至4などに示すように足場枠に対して交差筋交いの他に、手摺や中桟、幅木、メッシュシートなどを取り付けるようにしている。また、高層足場の組み立てに際しては、以下の特許文献5などに示すような、安全性の高い手摺先行工法が推奨されている。
【0004】
ところで、このような作業用足場と建物外壁との間には、作業性を確保すべく一定の隙間(例えば30〜40cm程度)が生じている。そのため、特に手摺がない建物と足場との間に大きな隙間が生じ、足場や建物(屋上)側にいる作業員がこの隙間へ転落するのを防止するための仮設の手摺が必要となってくる。そこで、本発明者は以下の特許文献6に示すように、足場側から建物側に延びるように組み付けられる簡易手摺の組み付け作業および撤去作業を容易かつ確実に行える新規な簡易手摺ブラケットを提案している。
【0005】
また、本発明者は、以下の特許文献7に示すようにブラケットの端部にロックピンを設け、このロックピンにバー本体の両端に設けられた取付穴を差し込むだけで簡単に手摺バーをブラケットに着脱できるようにした仮設手摺を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−36604号公報
【特許文献2】特開2002−188282号公報
【特許文献3】特開2002−206336号公報
【特許文献4】特開2002−220926号公報
【特許文献5】特開2012−132157号公報
【特許文献6】登録実用新案第3186625号公報
【特許文献7】特許第6616633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記特許文献7に示すような仮設手摺は、作業用足場と建物外壁との間の距離に応じてそのブラケットの長さを変更することで手摺バーの位置を調節するようになっているが、そのブラケットの長さをひとつづつ変更するのは容易でなく、その作業には多くの手間がかかっている。
【0008】
そこで、本発明はこれらの課題を解消すべく案出されたものであり、その目的は、作業用足場と建物との距離に応じて手摺バーの位置を簡単に調節できる新規な仮設手摺を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために第1の発明は、足場に取り付けられる2つ以上ブラケットと、当該各ブラケット間に取り付けられる手摺バーとを有する仮設手摺であって、前記ブラケットは、前記足場から建物側に向かって延びる上下一対の単管と、当該単管間を連結する少なくとも1つ以上の連結管と、前記各単管の足場側端部に設けられ、当該各単管端部を前記足場の支柱にこれを軸として水平方向に回動可能に取り付けるクランプと、前記各単管の建物側端部に設けられるロックピンとを有し、前記手摺バーは、棒状のバー本体の両端に、前記ロックピンに差し込まれる取付穴を有し、前記ロックピンは、前記各単管の建物側端部から略垂直上方または略垂直下方に向いて設けられていることを特徴とする仮設手摺である。
【0010】
このような構成によれば、各クランプを足場の支柱などに取り付けるだけで、ブラケットを容易かつ確実に足場に取り付けることができる。また、ブラケットの端部に設けられるロックピンにバー本体の両端に設けられた取付穴を差し込むだけで簡単に手摺バーをブラケットに取り付けることができる。また、このロックピンを解除してバー本体をロックピンから抜き出すだけで簡単に手摺バーを取り外すことができる。
【0011】
また、ロックピンが各単管の建物側端部から略垂直上方または略垂直下方に向いて設けられているため、各ブラケットが足場の支柱を軸として水平方向に回動した際に、手摺バーの取付穴とロックピンとが干渉することがなくなる。これにより、各ブラケットを回動させてその角度を変えるだけで作業用足場と建物との距離に応じて手摺バーの位置を簡単に調節することができる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記各単管の建物側端部に筒状体を回転自在に嵌装し、当該筒状体に、前記ロックピンを設けたことを特徴とする仮設手摺である。このような構成によれば、筒状体を適宜回転させるだけで、ロックピンの向きを略垂直上方または略垂直下方に簡単に変えることができる。
【0013】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記ロックピンは、スプリング式のグラビティロックまたは先折れ式のグラビティロックであることを特徴とする仮設手摺である。このような構成によれば、ロックピンに対して手摺バーを簡単に装着および取り外しできると共に装着後は、その手摺バーが不意に脱落するのを確実に防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る仮設手摺によれば、ロックピンが各単管の建物側端部から略垂直上方または略垂直下方に向いて設けられているため、各ブラケットが足場の支柱を軸として水平方向に回動した際に、手摺バーの取付穴とロックピンとが干渉することがなくなる。これにより、各ブラケットを回動させてその角度を変えるだけで作業用足場と建物との距離に応じて手摺バーの位置を簡単に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る仮設手摺100の実施の一形態を示す側面図である。
【
図3】(A)は手摺バー120を示す正面図、(B)はその平面図である。
【
図4】(A)乃至(C)はスプリング式のロックピン(グラビティロック)40の構造および作用を示す断面図である。
【
図5】(A)乃至(C)はスプリング式のロックピン(グラビティロック)40に手摺バー120を取り付ける状態を示す斜視図である。
【
図6】所定の間隔に取り付けられたブラケット110、110間に手摺バー120を取り付ける状態を示す平面図である。
【
図7】
図6の状態からブラケット110、110を所定の角度回動させた状態を示す平面図である。
【
図8】所定の間隔に取り付けられたブラケット110、110間に手摺バー120をその軸方向から取り付ける状態(従来例)を示す平面図である。
【
図9】本発明に係る仮設手摺100の他の実施の形態を示す部分拡大側面図である。
【
図10】本発明に係る仮設手摺100の他の実施の形態を示す部分拡大側面図である。
【
図11】本発明に係る仮設手摺100の他の実施の形態を示す側面図である。
【
図12】(A)は先折れ式のロックピン(グラビティロック)31の構造を示す平面図、(B)はその構造および作用を示す断面図である。
【
図13】本発明に係る仮設手摺100の他の実施の形態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の一形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る仮設手摺100の実施の一形態を示す側面図である。図示するようにこの仮設手摺100は、建物300の壁面に沿って組み立てられた作業用足場200に仮設されて用いられるものであり、この作業用足場200に取り付けられる井桁状のブラケット110と、このブラケット110に取り付けられる棒状の手摺バー120とから構成されている。
【0017】
ブラケット110は、作業用足場200から建物300の屋上側に向かって互いに平行(水平)に延びる上下一対の第1単管10,10と、これら第1単管10,10間を連結する1つの第1連結管20とからなるH字形の第1フレームF1と、前記各単管10,10内に挿入される一対の第2単管11,11と、これら第2単管11,11間を連結する1つの第2連結管21とからなるH字形の第2フレームF2とから構成されている。そして、この第2フレームF2の第2単管11,11が第1フレームF1の第1単管10,10内に挿脱自在に挿入されると共に、一方の第1単管10に設けられた固定穴(図示せず)と連通する固定ナット32に止めネジ31が螺合するようになっている。
【0018】
第1フレームF1の第1単管10,10の足場200側端部には、それぞれ足場用クランプ30,30が設けられており、作業用足場200の垂直な支柱210に対して第1フレームF1を縦方向に着脱自在に取り付けると共に、支柱210を軸としてブラケット110全体を水平方向に回動(角度調整)できるようになっている。なお、この作業用足場200は、例えばくさび緊結式足場などであり、少なくとも垂直に延びる複数の支柱(垂直単管)210と、これら各支柱間を水平に連結する足場側手摺(水平単管)220と、図示しない足場板を支柱210側に支持する足場ブラケット230などを有している。
【0019】
一方、第2フレームF2の第2単管11,11の建物300側端部には、それぞれロックピン40、40と手摺用クランプ50,50とが設けられており、棒状の手摺バー120,120および図示しない手摺用パイプをそれぞれ保持するようになっている。すなわち、
図2に示すようにこの第2フレームF2の第2単管11,11の端部には、筒状体60が嵌め込まれており、この筒状体60の上面側にロックピン40が略垂直上方に向くように立設されていると共に、その下面側に手摺用クランプ50が取り付けられている。なお、この第2単管11の端部にはボルト状のストッパー70が着脱自在に螺合されており、筒状体60の脱落を防止するようになっている。
【0020】
この手摺バー120,120は、
図3に示すように例えば長さが約1800mm、外径が15〜30mm程度の金属パイプからなるバー本体121の両端部をそれぞれ平板状に加工し、その平板部分に円形の取付穴122,122を穿孔した構造となっている。
【0021】
ロックピン40は、例えばスプリング式のグラビティロックから構成されており、手摺バー120の取付穴122に挿入されるようになっている。すなわち、このロックピン40は、
図4(A)および
図5(A)に示すように筒状をしたピン本体41の側面に爪42を設け、この爪42をコイルバネ43によりピン本体41の側面に形成されたスリット44から出没自在に構成したものである。
【0022】
そして、
図4(B)に示すように手摺バー120の取付穴122に挿入するときには爪42がピン本体41内に没し、これを通過した後は、
図4(C)および
図5(B)に示すように爪42が突出して手摺バー120がピン本体41から勝手に抜け落ちないようになっている。一方、この状態から指で爪42をピン本体41内に押し込んだまま手摺バー120を引き抜く(持ち上げる)ことで簡単に手摺バー120を取り外すことができるようになっている。
【0023】
そして、
図1に示すように、このような構成をした本発明の仮設手摺100を少なくとも2つ以上用意し、それぞれのブラケット110の第1フレームF1側の足場用クランプ30,30を作業用足場200の垂直支柱210に取り付けた後、
図2に示すように第2フレームF2側の上下各ロックピン40,40にそれぞれ手摺バー120,120を保持するように取り付ければ、作業用足場200側から建物300側に延びるように上下一対の手摺バー120,120を容易かつ迅速・確実に取り付けることができる。
【0024】
図6は、このようにしてブラケット110に手摺バー120,120を取り付けた状態を示す平面図であり、作業員は適宜この手摺バー120,120を掴むなどして壁際の作業を安全に行うことができる。また、このような構成をした本発明の仮設手摺100にあっては、足場200と建物300との距離に応じてその手摺バー120,120の位置を簡単に調節することができる。
【0025】
すなわち、前述したように本発明の仮設手摺100を構成するブラケット110は、第1フレームF1と第2フレームF2とからなっていて、第2フレームF2の第2単管11,11が第1フレームF1の第1単管10,10内に挿入する長さを調節することでそのブラケット110を調節することが可能となっている。しかしながら、このブラケット110は一般に1つの現場に十数〜数十本といった多数設置されているため、それらすべてのブラケット110の長さをいちいち調節するのは容易でない。
【0026】
これに対し、本発明の仮設手摺100にあっては、
図7に示すようにブラケット110,110…に手摺バー120,120…を取り付けた後に、そのブラケット110,110…の向きを変えるだけで足場200から手摺バー120,120の距離を簡単に調節することができる。
図7(A)は、ブラケット110,110…が建物300方向に直角状態になっている場合に対して足場用クランプ30を軸にそれぞれ右方向に約30℃向きを変えた状態を示したものであり、その手摺バー120,120の距離L2(位置)は、直角状態の距離L1に対して約10%程度短くなっている。
【0027】
さらに、同図(B)は、さらにブラケット110,110…が建物300方向に直角状態になっている場合に対して足場用クランプ30を軸にそれぞれ右方向に約60℃ずつ向きを変えた状態を示したものであり、この場合には、その手摺バー120,120の距離L3(位置)は、さらに短くなって直角状態の距離L1に対して半分以下になっている。なお、このようにブラケット110,110の向きを変える際には、その自重によって脱落しない程度まで足場用クランプ30を軽く緩めておくと共に、その向きを変えた後は、足場用クランプ30をきつく締め直し、手摺バー120,120やブラケット110,110に力がかかっても旋回しないようにしておくことはいうまでもない。
【0028】
このように本発明の仮設手摺100は、ブラケット110の先端にロックピン40を上向きに設け、このロックピン40に手摺バー120端部の円形の取付穴122を差し込んで取り付けるようにしたことから、
図7に示すようにブラケット110,110の向きにかかわらず、確実かつ容易に手摺バー120を取り付けることができる。そして、各ブラケット110,110が足場200の垂直な支柱210を軸として水平方向に回動しても手摺バー120の取付穴122とロックピン40とが干渉することがなくなる。これによって、従来のようにブラケットの長さを変更することなく、作業用足場200と建物300外壁との距離に応じて手摺バー120の位置を簡単に調節することができる。
【0029】
なお、
図8は特許文献7に示した従来の仮設手摺の一例を示す平面図である。図示するように従来の仮設手摺は、ロックピン40がブラケット110の先端にこれより延長するようにこれと同軸上に設けてあるため、この状態から
図7に示すようにブラケット110の向きを変えると、ロックピン40と手摺バー120端部の円形の取付穴122とが干渉してしまうため、ブラケット110の向きを殆ど変えることができない。また、その干渉を避けるためにこの手摺バー120の取付穴122を長穴にすることも考えられるが、そうすると、ロックピン40の爪42が長穴に位置した場合に簡単に外れてしまうおそれがあり、採用できない。
【0030】
次に、
図9乃至
図14は本発明に係る仮設手摺100の他の実施の形態を示したものである。
図9は、
図2に示す状態とは反対にロックピン40を下向きに取り付けたものである。このようにすれば、作業員は手摺バー120を下から持ち上げるようにしてその取付穴122をロックピン40に差し込むだけで簡単に取り付けることができる。取り付け後は、ロックピン40の爪42が取付穴122に引っかかるように作用するため、下方向の荷重がかかっても手摺バー120が外れるようなことはない。なお、このロックピン40が取り付けられる筒状体60をフリーの状態にして回転自在にしておけば、その向きを上下いずれの方向にも自在に変えることができる。
【0031】
また、
図10に示すように、ブラケット110に端部にロックピン40を直接溶接して取り付けても良く、さらに図示するように上下一対となるように取り付けても良い。このように上下一対となるようにロックピン40、40を取り付ければ、それぞれのロックピン40、40に対して手摺バー120、120を取り付けることができる。これにより、ブラケット110、110間に2本の手摺バー120、120を近接して取り付けることができるため、手摺としての強度をより高めることができる。勿論、簡略化のためにこのロックピン40は上下いずれか一方のみであってもよい。
【0032】
また、ブラケット110の向きの調整と併せて
図11に示すようにブラケット110の長さを調整すれば、より広い範囲で距離の調整を行うことができる。すなわち、ブラケット110の第1フレームF1の止めネジ31を緩めれば、第1フレームF1に対して第2フレームF2が挿脱(スライド)自在に移動できる。そして、調整後はその止めネジ31を締め込めば、調整後の位置関係を維持できるため、その距離(長さ)がずれるのを確実に防止することができる。
【0033】
また、ロックピン40は、
図4に示したようなスプリング式のグラビティロックの他に
図12に示すような先折れ式のグラビティロックであっても良い。すなわち、この先折れ式のグラビティロックは、ピン本体45の先端にスリット46を形成し、そのスリット46内にピン本体45よりも大きいロック片47を偏心させて軸支したものであり、同図(B)に示すようにこのロック片47を指で回転操作させることで手摺バー120,120を簡単に着脱すると共に、取り付け後に勝手に外れたりするのを確実に防止できる。
【0034】
また、
図13に示すように、ブラケット110を上下一対の単管10,10と前後一対の連結管20,21のみで構成し、伸縮機能を省いた簡単な構造としても良い。このようにすれば、ブラケット110の軽量化と共に製造コストを大幅に削減できる。また、前記実施の形態では、第1フレームF1および第2フレームF2ともに内部中空の単管で構成したが、中実のロッド状(棒状)のものであっても良く、さらその材質は、十分な強度を有するものであれば金属(鋼管)に限るものでなく、ビニール管やガラス繊維強化プラスチック、木製などであっても良い。
【0035】
また、本実施の形態では、本発明に係る仮設手摺100をくさび緊結式足場に取り付ける例で説明したが、足場用クランプ30,30を取り付ける単管を有する構成であれば、単管足場や枠組足場の他、移動式足場などといった、あらゆる足場に容易に適用できる。
【符号の説明】
【0036】
30…足場用クランプ
40…ロックピン
50…手摺用クランプ
60…筒状体
100…仮設手摺
110…ブラケット
120…手摺バー
121…バー本体
122…取付穴
200…作業用足場
210…支柱
300…建物
【要約】
【課題】作業用足場と建物との距離に応じて手摺バーの位置を簡単に調節できる新規な仮設手摺の提供。
【解決手段】各ブラケット110,110端部のロックピン40を略垂直上方または略垂直下方に向けて設ける。これにより、各ブラケット110,110が足場200の支柱210を軸として水平方向に回動した際に、手摺バー120の取付穴122とロックピン40とが干渉することがなくなるため、各ブラケット110,110を回動させてその角度を変えるだけで作業用足場200と建物300との距離に応じて手摺バーの位置を簡単に調節できる。
【選択図】
図2