(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の前記搬入口から搬入された前記物品から、当該物品を認証するために用いられる情報を取得するセンサが前記第1の前記搬入口と前記第2の前記搬入口の間に設けられることを特徴とする請求項4に記載の配送システム。
前記物品の認証結果が認証失敗である場合に、前記搬入制御により前記第1の前記搬入口から搬入された前記物品を前記無人移動機へ返却する返却制御を行う返却制御部を更に備えることを特徴とする請求項4または5に記載の配送システム。
前記搬入口は、建物の外側と内側の境界部分、または建物内の部屋の外側と内側の境界部分に設けられ、前記外側から前記内側にアクセスされ得る開口であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の配送システム。
前記配送先は、住宅、オフィス、集合住宅の各区画、宿泊施設の各客室のうち少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の配送システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術では、セキュリティ面が考慮されておらず、物品の受取人が意図しない無人移動機または人によって、例えば居宅の内側に繋がる収納庫へアクセスできてしまう恐れがある。
【0005】
そこで、本発明は、セキュリティを担保しつつ無人移動機により物品を配送先へ配送することが可能な配送システム、制御装置、配送方法、及び制御方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、物品を配送先へ配送する無人移動機を含む配送システムであって、前記無人移動機が配送先に到着した場合に、当該無人移動
機を認証する処理を行う
第1認証処理部と、
前記無人移動機が配送先に到着した場合に、前記無人移動機により配送された前記物品から取得された物品IDまたは注文IDと、当該物品の配送先の情報に対応付けられてデータベースに予め登録された物品IDまたは注文IDとを用いて、当該物品を認証する処理を行う第2認証処理部と、前記第1認証処理部による前記無人移動機の認証結果、及び
前記第2認証処理部による前記物品の認証結果に基づいて、前記配送先において前記物品が搬入される搬入口の開閉制御を行う開閉制御部と、を備えることを特徴とする。これにより、セキュリティを担保しつつ無人移動機により物品を配送先へ配送することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の配送システムにおいて、前記無人移動機と前記搬入口とが近接している状態を検知する検知部を更に備え、前記
第1認証処理部は、前記検知部により、前記無人移動機と前記搬入口とが近接している状態が検知されている場合に限り、前記無人移動
機を認証する処理を行うことを特徴とする。これにより、無人移動機により物品が搬入口から搬入される際のセキュリティをより一層向上させることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の配送システムにおいて、前記無人移動機と前記搬入口とが近接している状態を検知する検知部を更に備え、前記
第1認証処理部は、前記検知部により、前記無人移動機と前記搬入口とが近接している状態が検知されていないときに前記無人移動
機を認証する処理を行った場合、前記認証結果が認証失敗であると判断することを特徴とする。これにより、無人移動機により物品が搬入口から搬入される際のセキュリティをより一層向上させることができる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の配送システムにおいて、前記
第1認証処理部は、第1段階として、前記無人移動機を認証する処理を行い、前記無人移動機の認証結果に基づいて前記開閉制御により開かれた第1の前記搬入口から前記物品を搬入させる搬入制御を行う搬入制御部をさらに備え、前記
第2認証処理部は、第2段階として、前記搬入制御により前記第1の前記搬入口から搬入された前記物品を認証する処理を行い、前記開閉制御部は、前記物品の認証結果に基づいて、前記第1の前記搬入口から搬入された前記物品がさらに搬入される第2の前記搬入口の開閉制御を行うことを特徴とする。これにより、無人移動機により物品が第1の搬入口を介して第2の搬入口から搬入される際のセキュリティをより一層向上させることができる。
【0011】
請求項
5に記載の発明は、請求項
4に記載の配送システムにおいて、前記第1の
前記搬入口から搬入された前記物品から、当該物品を認証するために用いられる情報を取得するセンサが前記第1の
前記搬入口と前記第2の
前記搬入口の間に設けられることを特徴とする。これにより、無人移動機の認証結果に基づいて物品が第1の搬入口から搬入された場合に限り、当該物品を認証する処理を行うことができる。
【0012】
請求項
6に記載の発明は、請求項
4または
5に記載の配送システムにおいて、前記物品の認証結果が認証失敗である場合に、前記搬入制御により前記第1の
前記搬入口から搬入された前記物品を前記無人移動機へ返却する返却制御を行う返却制御部を更に備えることを特徴とする。これにより、受取人が認識していない物品を意図せずに受け取ってしまうことを防ぐことができる。
【0013】
請求項
7に記載の発明は、請求項
4または
5に記載の配送システムにおいて、前記物品の認証結果が認証失敗である場合に、前記物品の受取人へ当該物品の受け取り可否の問合せ通知を行う通知処理部と、前記問合せ通知に応じて前記受取人により選択された受け取り可否を示す可否情報を当該受取人の端末から受信する可否情報受信部と、をさらに備え、前記開閉制御部は、前記可否情報受信部により受信された前記可否情報に基づいて、前記第2の
前記搬入口の開閉制御を行う
ことを特徴とする。これにより、受取人が認識していない物品であっても、当該受取人の許可に応じて当該物品を搬入口から搬入できるので、物品配送の効率化を図ることができる。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れか一項に記載の配送システムにおいて、前記無人移動機により前記配送先へ配送された前記物品から当該物品を認証するために用いられる
前記注文IDを取得するセンサと、購入のために注文された物品の注文情報を管理する注文情報管理部と、を更に備え、前記
第2認証処理部は、前記センサにより取得された前記
注文IDと、前記注文情報管理部により管理される前記注文情報
に含まれる注文IDとを用いて、前記物品を認証する処理を行うことを特徴とする。これにより、受取人が認識していない物品を意図せずに受け取ってしまうことを防ぐことができる。
【0015】
請求項
9に記載の発明は、請求項1乃至
8の何れか一項に記載の配送システムにおいて、前
記搬入口は、建物の外側と内側の境界部分、または建物内の部屋の外側と内側の境界部分に設けられ、前記外側から前記内側にアクセスされ得る開口であることを特徴とする。
【0016】
請求項
10に記載の発明は、請求項1乃至
9の何れか一項に記載の配送システムにおいて、前記配送先は、住宅、オフィス、集合住宅の各区画、宿泊施設の各客室のうち少なくともいずれか1つであることを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、物品を配送先へ配送する無人移動機を含む配送システムにより実行される配送方法であって、前記無人移動機が配送先に到着した場合に、当該無人移動
機を認証する処理を行う
第1認証処理ステップと、
前記無人移動機が配送先に到着した場合に、前記無人移動機により配送された前記物品から取得された物品IDまたは注文IDと、当該物品の配送先の情報に対応付けられてデータベースに予め登録された物品IDまたは注文IDとを用いて、当該物品を認証する処理を行う第2認証処理ステップと、前記第1認証処理ステップにおける前記無人移動機の認証結果、及び
前記第2認証処理ステップにおける前記物品の認証結果に基づいて、前記配送先において前記物品が搬入される搬入口の開閉制御を行うステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
請求項12に記載の発明は、
物品を配送する無人移動機が配送先に到着した場合に、当該無人移動機を認証する処理を行う第1認証処理部と、前記無人移動機が配送先に到着した場合に、前記無人移動機により配送された前記物品から取得された物品IDまたは注文IDと、当該物品の配送先の情報に対応付けられてデータベースに予め登録された物品IDまたは注文IDとを用いて、当該物品を認証する処理を行う第2認証処理部と、前記第1認証処理部による前記無人移動機の認証結果、及び前記第2認証処理部による前記物品の認証結果に基づいて、前記配送先において前記物品が搬入される搬入口の開閉制御を行う開閉制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、セキュリティを担保しつつ無人移動機により物品を配送先へ配送することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る配送システム、及び当該配送システムにより実行される配送方法の実施形態について説明する。
【0024】
[
1.配送システムSの構成及び機能概要]
先ず、
図1を参照して本実施形態に係る配送システムSの構成及び機能概要について説明する。
図1は、配送システムSの概要構成例を示す図である。
図1に示すように、配送システムSは、物品を配送先へ配送する無人地上機(以下、「UGV(Unmanned Ground Vehicle)」と称する)1、配送先において物品が搬入される第1及び第2の搬入口の開閉制御を行う開閉制御装置2、UGV1の運行管理等を行う運行管理サーバ3、及び物品の配送管理等を行う配送管理サーバ4等を含んで構成される。なお、
図1の例では、UGV1及び開閉制御装置2は、それぞれ一つずつ示しているが実際には複数存在する。開閉制御装置2は、例えば、建物毎、または建物内の部屋毎に設置される。UGV1及び開閉制御装置2は、それぞれ、通信ネットワークNWを介して運行管理サーバ3及び配送管理サーバ4との間で通信可能になっている。通信ネットワークNWは、例えば、インターネット、移動体通信ネットワーク及びその無線基地局等から構成される。無線基地局とUGV1との間は無線通信が行われる。開閉制御装置2は、UGV1との間で近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)規格に基づく近距離無線通信)を行うことが可能になっている。なお、
図1に示すUGV1は、地上を移動するための複数の車輪を有する無人地上車両を示しているが、UGV1は、車輪を有しないロボット(例えば、2足歩行ロボット)であってもよい。以下の説明において、第1の搬入口を搬入口IN1と称し、第2の搬入口を搬入口IN2と称する。
【0025】
このような配送システムSにおいて、配送対象となる物品(以下、「物品Co」と称する)を搭載するUGV1は、例えば配送管理サーバ4から提供された配送先情報に基づいて地上を移動することにより物品Coを配送先へ配送する。そして、UGV1が配送先に到着した場合に、UGV1と物品Coとのうち少なくとも何れか一方を認証する認証処理が行われる。ここで、認証処理では、UGV1から取得された機体ID(UGVID)、または物品Coから取得された物品IDが用いられる。機体IDは、UGV1を識別する識別情報であり、UGV1を認証するために用いられる情報である。物品IDは、物品Coを識別する識別情報であり、物品Coを認証するために用いられる情報である。物品Coが受取人によって購入のために注文された商品である場合、物品IDに代えて、当該注文を識別する注文IDが物品Coを認証するために用いられてもよい。UGV1を認証する認証処理は、開閉制御装置2または運行管理サーバ3により行われる。なお、UGV1を認証する認証処理は、UGV1と搬入口IN1とが近接している状態で行わることが望ましい。一方、物品Coを認証する認証処理は、開閉制御装置2または配送管理サーバ4により行われる。UGV1と物品Coとのうち少なくとも何れか一方の認証結果は、認証成功または認証失敗となる。
【0026】
UGV1と物品Coとのうち少なくとも何れか一方の認証結果に基づいて、少なくとも、配送先において物品Coが搬入される搬入口IN1の開閉制御が開閉制御装置2により行われる。ここで、搬入口IN1の開閉制御とは、搬入口IN1に設けられた開閉扉を駆動させることをいう(搬入口IN2の場合も同様)。開閉扉の開駆動により搬入口IN1が開かれる(つまり、開放される)と、UGV1は自身に設けられた搬出口を通じて搬入口IN1から物品Coを搬入することが可能となる。なお、UGV1の搬出口は、搬入口IN1が開かれるときに開放される。受取人は、搬入口IN1から搬入された物品Coを配送先の内側から受け取ることができる。一方、開閉扉の閉駆動により搬入口IN1が閉じられる(つまり、閉鎖される)と開閉扉はロックされ、搬入口IN1から物品Coを搬入することが不可能となる。
【0027】
また、配送先によっては搬入口IN1と搬入口IN2とが設けられる場合がある。この場合、第1段階として、UGV1を認証する認証処理が行われ、この認証結果に基づいて上記開閉制御により開かれた搬入口IN1から物品Coが搬入される。そして、第2段階として、搬入口IN1から搬入された物品Coを認証する認証処理が行われ、この認証結果に基づいて、物品Coがさらに搬入される搬入口IN2の開閉制御が開閉制御装置2により行われる。開閉扉の開駆動により搬入口IN2が開かれると、UGV1は搬入口IN2から物品Coを搬入することが可能となる。このような2段階の認証により、物品Coが搬入口IN1を介して搬入口IN2から搬入される際のセキュリティをより一層向上させることができる。上述したように、搬入口IN1と搬入口IN2とが設けられる場合、受取人は、物品Coが搬入口IN2から搬入されたときにはじめて物品Coを配送先の内側から受け取ることができる。
【0028】
ここで、配送先とは、建物、または建物内の部屋(区画ともいう)を意味する。建物の種類として、住宅(例えば、戸建住宅、集合住宅)、オフィス、宿泊施設(例えば、ホテル)、店舗などが挙げられる。建物が戸建住宅の場合、建物は居宅ともいう。一方、建物が集合住宅(例えば、マンションやアパート)の場合、建物内の各部屋が居宅ともいう。また、建物が宿泊施設の場合、建物内の各部屋は客室ともいう。搬入口IN1は、建物の外側と内側の境界部分、または建物内の部屋の外側と内側の境界部分に設けられ、当該外側から当該内側にアクセスされ得る開口である。境界部分とは、例えば、建物または部屋の出入口(例えば、ゲートや玄関)のドア(例えば、ゲート門、玄関扉)または出入口の近傍の壁である。建物または部屋の内側とは、建物または部屋に関わる人(例えば、住人、従業員、客)が入り、入った人が物品Coを受け取ることが可能な空間(例えば、居住する空間、作業する空間、宿泊する空間)を意味する。搬入口IN2が設けられていない場合、搬入口IN1が開かれた状態では、搬入口IN1は、建物または部屋に関わる人以外の人であっても建物または部屋の外側から内側にアクセス可能な開口になる。一方、搬入口IN2が設けられている場合、搬入口IN1と搬入口IN2とが同時に開かれていない限り、建物または部屋の外側から内側にアクセスすることができない。しかし、この場合、搬入口IN1と搬入口IN2とが同時に開かれた状態では、搬入口IN1及び搬入口IN2は、建物または部屋に関わる人以外の人であっても建物または部屋の外側から内側にアクセス可能な開口になる。このように、建物または部屋に関わる人以外の人が、建物または部屋の外側から内側にアクセスできてしまうことはセキュリティの観点から好ましくなく、また、人に限らず、不審なUGV等が建物または部屋の外側から内側にアクセスできてしまうこともセキュリティの観点から好ましくない。このような状況において本実施形態を適用すれば、セキュリティの観点から顕著な効果をあげることができる。
【0029】
図2は、搬入口IN1の設置位置の一例を示す図である。
図2の例では、搬入口IN1は、出入口のドアDの下部101、または出入口の近傍の壁102(例えば、部屋の内側に置かれた靴収納箱上の位置付近)に設けられる。一方、
図2には、搬入口IN2の設置位置を図示していないが、上記境界部分のさらに内側に設けられる。
図3は、建物内の部屋の出入口部分を部屋の内側から俯瞰した図である(ただし、部屋の外側と内側の境界部分である壁は省略)。
図3の例では、出入口のドアDの下部に設けられた搬入口IN1の開閉扉INd1の内側には、閉空間を形成し且つ搬入口IN2を有する内側ボックスBが設けられている。つまり、内側ボックスBの入口が搬入口IN1となっており、内側ボックスBの出口が搬入口IN2となっている。搬入口IN1が開かれる(換言すると、開閉扉INd1が開かれる)ことで搬入口IN1から搬入された物品Coは、内側ボックスBの閉空間を通り、さらに、搬入口IN2が開かれる(換言すると、開閉扉INd2が開かれる)ことで搬入口IN2から搬入される。
【0030】
図4は、建物内の部屋の出入口部分を真上から見た図である(ただし、部屋の天井部分は省略)。
図4の例では、UGV1と搬入口IN1とが近接している状態(近接状態)を示している。このとき、UGV1の搬出口Oと搬入口IN1とは対向しており、UGV1に搭載された物品Coが搬出口Oから搬出、且つ、搬入口IN1から搬入可能になっている。このような近接状態において認証処理を経て物品Coの搬入が行われる。
図5及び
図6は、物品Coが搬出口Oから搬出され、搬入口IN1及び搬入口IN2から搬入される際の様子を示す図である。なお、
図5及び
図6は、
図4のX−Xにおける断面図で表されている。
図5は、物品Co全体が収まるサイズの内側ボックスBが設置された例を示し、
図6は、物品Co全体が収まらないサイズの内側ボックスBが設置された例を示している。
図5及び
図6に示すように、ドアDの表面(部屋の外側)にはUGV1の機体IDを取得する(つまり、読み取る)ためのセンサSe1が設けられ、当該センサSe1は開閉制御装置2に電気的に接続されている。センサSe1は、例えばカメラやRFIDリーダ等のセンサデバイスである。UGV1の機体IDは、例えばUGV1の表面に2次元コード(例えば、QRコード)として付加(例えば、2次元バーコードのシールが貼り付け)されていてもよいし、UGV1の表面に設けられた表示パネルに2次元コードとして表示されてもよい。例えば、
図5及び
図6に示すように、2次元コードQRはセンサSe1により検知可能な位置に付加または表示される。これにより、開閉制御装置2は、センサSe1を通じてUGV1の機体IDを取得することができる。なお、UGV1の機体IDは、例えばUGV1の表面に取り付けられたRFIDタグ(例えば、通信距離が数十cmと短いパッシブ型のRFIDタグ)に記憶されてもよい。この場合、開閉制御装置2は、RFIDタグからセンサSe1を通じてUGV1の機体IDを取得する。或いは、UGV1の機体IDは、UGV1内の記憶部に記憶されてもよい。この場合、開閉制御装置2は、UGV1との間の近距離無線通信によりUGV1の機体IDを取得する。
【0031】
こうして開閉制御装置2により取得された機体IDが用いられてUGV1を認証する認証処理が行われる。UGV1の認証結果が認証成功である場合(つまり、UGV1の認証が成功した場合)、搬入口IN1の開閉制御によって、
図5及び
図6の左側に示すように、開閉扉INd1のロックが解除され、開閉扉INd1が垂直上方向(図中、上矢印方向)に動く(例えば、スライドする)ことで開かれた搬入口IN1から物品Co(つまり、UGV1の搬出口Oから搬出された物品Co)が搬入される。なお、物品Coを搬出口Oから搬出し且つ搬入口IN1から搬入させる搬出及び搬入制御は、UGV1により行われる。
図5及び
図6の例では、UGV1が備える物品保持具Hにより物品Coは保持(例えば、物品Coの両側が挟まれる)されつつ、UGV1の搬出口Oから物品保持具Hが搬入口IN1方向(図中、右矢印方向)に伸長することで物品Coが搬入口IN1から内側ボックスB内に搬入されている。なお、
図5の例では、物品Co全体が内側ボックスB内に入ると、物品保持具Hの伸長が停止されることになるが、
図6の例では、物品Coの一部分が内側ボックスB内に入ると、物品保持具Hの伸長が停止されることになる。
【0032】
また、
図5及び
図6に示すように、内側ボックスB内には物品Coの物品ID(注文IDでもよい。以下同様)を取得するためのセンサSe2が設けられ、センサSe2は開閉制御装置2に有線または無線により接続されている。つまり、センサSe2は搬入口IN1と搬入口IN2の間に設けられている。センサSe2は、例えばカメラ等のセンサデバイスである。物品Coの物品IDは、例えば物品の表面(センサSe2により検知可能な位置)に2次元コードとして付加される。これにより、開閉制御装置2は、センサSe2を通じて物品IDを取得することができる。このように、センサSe2を搬入口IN1と搬入口IN2の間に設けることにより、物品Co(全体または一部分)が搬入口IN1から搬入されなければ、物品Coの物品IDが取得されず、物品Coを認証する認証処理も実行できない。つまり、UGV1の認証結果(認証成功)に基づいて物品Coが搬入口IN1から搬入された場合に限り、物品Coを認証する処理を行うことができる。そのため、UGV1により物品Coが搬入口IN1を介して搬入口IN2から搬入される際のセキュリティをより一層向上させることができる。なお、物品Coの物品IDは、例えば物品Coの表面に取り付けられたRFIDタグに記憶されてもよい。この場合、開閉制御装置2は、RFIDタグからセンサSe2を通じて物品Coの物品IDを取得する。この場合、センサSe2はRFIDリーダであってもよい。また、このように、センサSe2は物品IDが記憶または記録された媒体に応じたセンサであればよい。
【0033】
こうして開閉制御装置2により取得された物品IDが用いられて物品Coを認証する認証処理が行われる。物品Coの認証結果が認証成功である場合(つまり、物品Coの認証が成功した場合)、搬入口IN2の開閉制御によって、
図5及び
図6の右側に示すように、開閉扉INd2のロックが解除され、開閉扉INd2が物品保持具Hの伸長方向(図中、斜上矢印方向)に動く(例えば、回動する)ことで開かれた搬入口IN2から物品Co(つまり、搬出口Oから搬出され、且つ搬入口IN1から搬入された物品Co)が搬入される。
図5及び
図6の例では、物品Coを保持する物品保持具Hが搬入口IN2方向(図中、右矢印方向)にさらに伸長することで物品Coが搬入口IN2から部屋のさらに内側に搬入されている。そして、
図5及び
図6の右側に示すように、搬入口IN2から物品Coの搬入が完了すると、物品保持具Hの伸長が停止され、物品保持具Hから物品Coが切り離されることで部屋内の床の上に置かれる。その後、物品保持具Hは搬出口O等を通ってUGV1内に戻り、搬入口IN1及び搬入口IN2は再び閉じられてロックされる。一方、物品Coの認証結果が認証失敗である場合(つまり、物品Coの認証が失敗した場合)、上記搬入制御により搬入口IN1から搬入された物品Coは、搬入口IN2から搬入されず、搬出口O等を通ってUGV1へ返却(回収)される。これにより、受取人が認識していない物品Coを意図せずに受け取ってしまうことを防ぐことができる。搬入口IN1から搬入された物品Coを返却する返却制御は、例えば、UGV1により行われる。この場合、物品保持具Hは保持している物品Coを切り離さずにUGV1に戻ることになる。
【0034】
なお、
図5及び
図6の例では、UGV1の搬入口OがUGV1の下部(
図2に示すドアDの下部101に対向する位置)に設けられる例を示したが、UGV1の搬入口OがUGV1の上部(例えば、
図2に示す出入口の近傍の壁102に対向する位置)または中央部に設けられてもよい。また、
図5及び
図6の例では、UGV1が物品保持具Hにより物品Coを保持しつつ搬入する例を示したが、その他の搬入機構により物品Coを搬入するように構成してもよい。例えば、UGV1が物品載置台を備え、UGV1は物品Coが載置された物品載置台を、搬出口Oを通って搬入口IN1方向へ移動させる(物品保持具Hと同じように移動させる)ことで物品Coを搬入するように構成してもよい。この場合、物品載置台上の物品接触面にはUGV1を落下させるための開閉口が設けられるとよい。或いは、物品保持具H及び物品載置台のように部屋の内側(この例では、内側ボックスB内)に挿入される部材を設けず、物品Coを搬出口Oから搬入口IN1方向へ押し出す機構をUGV1が備え、当該押し出す機構により単純に物品Coが押し出されることで搬入口IN1から搬入されるように構成してもよい。また、
図5及び
図6の例では、搬入口IN1が開放された状態で搬入口IN2が開放される例を示したが、搬入口IN1から物品Coが搬入された後、搬入口IN1が閉じられた場合に限り搬入口IN2が開放可能となるように構成してもよい。この場合、内側ボックスB内に物品Coを返却するための返却機構を設けることで、搬入口IN1から搬入された物品Coを返却する返却制御が開閉制御装置2により行われてもよい。
【0035】
[
1−1.UGV1の構成及び機能概要]
次に、
図7を参照してUGV1の構成及び機能概要について説明する。
図7は、UGV1の概要構成例を示す図である。
図7に示すように、UGV1は、駆動部11、測位部12、無線通信部13、撮像部14、及び制御部15等を備える。なお、図示しないが、UGV1は、車輪、物品搬出及び搬入機構、及びUGV1の各部へ電力を供給するバッテリ等を備える。UGV1内には、複数の物品を搭載可能になっている。物品搬出及び搬入機構は、例えば、搬出口O、物品保持具H、及びモータ等から構成される。また、UGV1には、UGV1の機体IDが記憶される。また、例えばUGV1の前面の上部には、2次元コード等を表示する表示パネルが設けられてよい。さらに、UGV1には、搭載された物品Coから物品IDを取得するための内部センサが設けられてもよい。
【0036】
駆動部11は、モータ及び回転軸等を備える。駆動部11は、制御部15から出力された制御信号に従って駆動するモータ及び回転軸等により複数の車輪を回転させる。なお、駆動部11は、モータと共に或いはモータに代えて、燃料により駆動するエンジンが備えられてもよい。測位部12は、電波受信機等を備える。測位部12は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)の衛星から発信された電波を電波受信機により受信し、当該電波に基づいてUGV1の現在位置(緯度及び経度)を検出する。なお、UGV1の現在位置は、撮像部14により撮像された画像に基づいて補正されてもよい。測位部12により検出された現在位置を示す現在位置情報は、制御部15へ出力される。無線通信部13は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御、及び開閉制御装置2との間で行われる近距離無線通信の制御を担う。撮像部14は、カメラ等を備える。カメラは、UGV1の移動制御に用いられる。撮像部14は、カメラの画角に収まる範囲内の実空間を連続的に撮像する。撮像部14により撮像された画像情報は、制御部15へ出力される。
【0037】
制御部15は、プロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ROM(または、不揮発性メモリでもよい)に記憶された制御プログラムに従って各種制御を実行する。具体的には、制御部15は、移動制御部として機能し、物品Coの配送先へUGV1を移動させる移動制御を行う。この移動制御においては、測位部12から取得された位置情報、撮像部14から取得された画像情報、及び配送先情報が用いられて、車輪の回転数の制御、UGV1の位置及び進行方向の制御が行われる。これにより、UGV1は自律的に配送先まで移動することができる。ここで、配送先情報は、配送管理サーバ4から取得される。配送先情報には、配送先を識別する配送先ID、及び配送先の所在地情報等が含まれる。配送先IDは、配送先のドアDを識別するドアIDであってもよい。配送先の所在地情報は、配送先の位置情報(緯度及び経度)であってもよい。また、配送先情報には、UGV1の配送元(出発地)から配送先(目的地)までの配送ルートが含まれてもよい。配送ルートは、制御部15により決定されてもよいし、運行管理サーバ3により決定されてもよい。また、配送先情報には、物品Coの受取人の氏名、電話番号、及びメールアドレスが含まれてもよい。
【0038】
そして、制御部15は、配送先に到着したUGV1が搬入口IN1に近接し、且つUGV1の搬出口Oと搬入口IN1とが対向するように移動制御を行う。例えば、制御部15は、例えば撮像部14から取得された画像情報に基づき搬入口IN1の3次元位置(例えば、UGV1の搬出口Oの中心点を原点とする位置(x,y,z))を特定する。そして、制御部15は、特定された搬入口IN1が搬出口Oに対向し、且つ搬入口IN1と搬出口Oとの間の距離が所定範囲以内に収まるようにUGV1の位置調整を行う。ここで、所定範囲は、UGV1が搬入口IN1に近接している状態を確保するための範囲であり、できるだけ隙間がないように密着させる範囲(例えば、0mm以上100mm以下)に設定されるとよい。なお、制御部15は、UGV1が搬入口IN1に近接したときに、UGV1の表示パネル上に、UGV1の機体IDを含む2次元コードを表示させてもよい。また、制御部15は、UGV1が搬入口IN1に近接したときに、UGV1の表示パネル上に、UGV1の機体ID及び現在時刻に基づき生成されたワンタイムパスワードを含む2次元コードを表示させてもよい。
【0039】
また、制御部15は、搬入制御部として機能し、UGV1内に搭載された物品Coを搬出口Oから搬出し、且つ搬入口IN1から搬入させる搬出及び搬入制御を行う。例えば、制御部15は、開閉制御装置2からの搬入口IN1の開放通知に応じて、UGV1の移動中には閉じられている搬入口Oを開放させ、物品Coを保持する物品保持具Hを搬出口Oから搬入口IN1方向に伸長させることで物品Coを搬入口IN1から搬入させる。そして、制御部15は、物品Co全体または一部分が内側ボックスB内に入ったと判断すると、物品保持具Hの伸長を停止させる。さらに、制御部15は、例えば、開閉制御装置2からの搬入口IN2の開放通知に応じて、物品Coを保持する物品保持具Hを搬入口IN2方向にさらに伸長させることで物品Coを搬入口IN2から搬入させる。そして、制御部15は、搬入口IN2から物品Coの搬入が完了したと判断すると、物品保持具Hの伸長を停止させ、物品保持具Hから物品Coを切り離させる。これにより、物品Coは部屋内の床の上に置かれる。
【0040】
なお、制御部15は、返却制御部として機能し、搬入口IN1から搬入された物品Coを返却する返却制御を行ってもよい。この場合、制御部15は、例えば、開閉制御装置2からの物品Coの認証失敗通知に応じて、物品Coを保持する物品保持具Hを収縮させることで当該物品CoをUGV1内に回収する。
【0041】
[
1−2.開閉制御装置2の構成及び機能概要]
次に、
図8を参照して開閉制御装置2の構成及び機能概要について説明する。
図8は、開閉制御装置2の概要構成例を示す図である。
図8に示すように、開閉制御装置2は、IF部21,22、通信部23、近接検知部24、認証処理部25、及び制御部26等を備える。なお、図示しないが、開閉制御装置2は、開閉機構等を備える。開閉機構は、例えば、搬入口IN1(開閉扉INd1を含む)、及び搬入口IN2(開閉扉INd2)、及びモータ等から構成される。また、開閉制御装置2には、開閉制御装置2が設置された配送先の配送先IDが記憶される。IF部21は、センサSe1との間のインターフェースを担う。IF部22は、センサSe2との間のインターフェースを担う。通信部23は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御、及びUGV1との間で行われる近距離無線通信の制御を担う。
【0042】
近接検知部24は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、センサSe1により取得された情報に基づいて、UGV1と搬入口IN1とが近接している状態(つまり、UGV1と搬入口IN1との近接状態)を検知する検知処理を行う。例えば、センサSe1がカメラである場合、近接検知部24は、センサSe1により取得された画像情報に基づいて、UGV1の機体ID(または上記ワンタイムパスワード)を含む2次元コードを、所定サイズ以上で且つ所定時間(例えば、数秒)以上認識できた場合に、UGV1と搬入口IN1との近接状態を検知する。ここで、所定サイズとは、UGV1と搬入口IN1との近接状態に応じたサイズである。UGV1と搬入口IN1とが近接状態になければ、認識された2次元コードのサイズは所定サイズより小さくなるので、UGV1と搬入口IN1との近接状態は検知されない。
【0043】
或いは、センサSe1がRFIDリーダである場合、近接検知部24は、センサSe1により取得(つまり、パッシブ型のRFIDタグから取得)された情報からUGV1の機体IDを抽出できた場合に、UGV1と搬入口IN1との近接状態を検知する。UGV1と搬入口IN1とが近接状態になければ、センサSe1がパッシブ型のRFIDタグから機体IDを含む情報を取得できないので、UGV1と搬入口IN1との近接状態は検知されない。なお、センサSe1自体がUGV1と搬入口IN1との近接状態を検知する検知機能を有してもよく、この場合、近接検知部24は、センサSe1から、UGV1と搬入口IN1とが近接状態にあることを示す情報を取得する。或いは、UGV1の制御部15がUGV1と搬入口IN1との近接状態を検知(例えば、移動制御中の上記位置調整において検知)する検知機能を有してもよく、この場合、近接検知部24は、UGV1から、UGV1と搬入口IN1とが近接状態にあることを示す情報を通信部23を介して取得する。
【0044】
認証処理部25は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、UGV1が配送先に到着した場合に、UGV1と物品Coとのうち少なくとも何れか一方を認証する認証処理を行う。ここで、UGV1が配送先に到着したことは、例えば、センサSe1によりUGV1から取得された情報(例えば、機体ID)がIF部21を介して受信されたことにより判断される。或いは、UGV1が配送先に到着したことは、UGV1との間の近距離無線通信により情報(例えば、機体ID、またはペアリングにより生成された共有キー)が通信部23を介して受信されたことにより判断される。認証処理部25は、近接検知部24等により、UGV1と搬入口IN1とが近接している状態が検知されている(つまり、UGV1と搬入口IN1とが近接状態にある)場合に限り、UGV1を認証する認証処理を行うとよい。これにより、UGV1が搬入口IN1に近接(例えば、密着)している状態でのみUGV1の認証が行われて開閉扉INd1のロックが解除されるので、UGV1以外からの想定外の物品の搬入(例えば部屋の内側への意図しない受け入れ)を防ぐことができ、物品Coが搬入口IN1から搬入される際のセキュリティをより一層向上させることができる。同様に、認証処理部25は、近接検知部24等により、UGV1と搬入口IN1とが近接している状態が検知されている場合に限り、物品Coを認証する認証処理を行ってもよい。これにより、搬入口IN1が開放されて搬入口IN1から物品Coが搬入された後であっても、搬入口IN2が開放される前にUGV1が搬入口IN1から離れてしまった場合には、搬入口IN2が開放されなくなるため、セキュリティをより一層向上させることができる。
【0045】
UGV1を認証する認証処理では、認証処理部25は、センサSe1等を通じてUGV1から取得された機体IDを含む認証要求を運行管理サーバ3へ送信し、運行管理サーバ3からUGV1の認証結果を得る。或いは、認証処理部25は、配送先に到着予定のUGV1の機体IDを運行管理サーバ3から予め取得し、運行管理サーバ3から取得された機体IDと、UGV1から取得された機体IDとが一致するか否かを判断することで認証結果(互いの機体IDが一致すれば認証成功)を得てもよい。なお、認証処理部25は、近接検知部24等により、UGV1と搬入口IN1とが近接している状態が検知されていないときであっても、UGV1を認証する認証処理を行ってもよい。この場合、認証処理部25は、運行管理サーバ3へ認証要求を送信することなく、認証失敗であると判断することで認証結果を得てもよい。これによっても、UGV1以外からの想定外の物品の搬入を防ぐことができ、物品Coが搬入口IN1から搬入される際のセキュリティをより一層向上させることができる。
【0046】
一方、物品Coを認証する認証処理では、認証処理部25は、センサSe2を通じて物品Coから取得された物品IDを含む認証要求を配送管理サーバ4へ送信し、配送管理サーバ4から物品Coの認証結果を得る。或いは、認証処理部25は、配送される物品Coの物品IDを配送管理サーバ4から予め取得し、配送管理サーバ4から取得された物品IDと、物品Coから取得された物品IDとが一致するか否かを判断することで認証結果(互いの物品IDが一致すれば認証成功)を得てもよい。なお、認証処理部25は、近接検知部24等により、UGV1と搬入口IN1とが近接している状態が検知されていないときであっても、物品Coを認証する認証処理を行ってもよい。この場合、認証処理部25は、運行管理サーバ3へ認証要求を送信することなく、認証失敗であると判断することで認証結果を得てもよい。これによっても、搬入口IN1から物品Coが搬入された後、搬入口IN2が開放される前にUGV1が搬入口IN1から離れてしまった場合には、搬入口IN2が開放されなくなるため、セキュリティをより一層向上させることができる。
【0047】
制御部26は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、ROM(または、不揮発性メモリでもよい)に記憶された制御プログラムに従って各種制御を実行する。具体的には、制御部26は、開閉制御部として機能し、認証処理部25により得られた、UGV1の認証結果に基づいて、搬入口IN1の開閉制御を行う。例えば、UGV1の認証結果が認証成功である場合、制御部26は、開閉扉INd1のロック解除(つまり、解錠)を行い、開閉扉INd1を所定方向(例えば
図5及び
図6に示すように垂直上方向)に駆動させることで搬入口IN1を開放させる。一方、UGV1の認証結果が認証失敗である場合、制御部26は、開閉扉INd1のロックを維持する。これにより、搬入口IN1は手動でも開かれることはない。
【0048】
また、制御部26は、認証処理部25により得られた、物品Coの認証結果に基づいて、搬入口IN2の開閉制御を行う。例えば、物品Coの認証結果が認証成功である場合、制御部26は、開閉扉INd2のロック解除を行い、開閉扉INd2を所定方向(例えば
図5及び
図6に示すように物品保持具Hの伸長方向)に駆動させることで搬入口IN2を開放させる。一方、物品Coの認証結果が認証失敗である場合、制御部26は、開閉扉INd2のロックを維持する。これにより、搬入口IN2は手動でも開かれることはない。なお、物品Coの認証結果が認証失敗である場合、制御部26は、通知処理部として機能し、物品Coの受取人へ物品Coの受け取り可否の問合せ通知を行うように構成してもよい。この問合せ通知は、例えば、物品Coの受取人のメールアドレス宛に問合せメールを送信することで行われるとよい。この場合、制御部26は、可否情報受信部として機能し、上記問合せ通知に応じて受取人により選択された受け取り可否を示す可否情報を当該受取人の端末(例えば、スマートフォン)から受信する。そして、制御部26は、受信された可否情報に基づいて、搬入口IN2の開閉制御を行う。例えば、受信された可否情報が受け取り可を示す場合、制御部26は、開閉扉INd2のロック解除を行い、開閉扉INd2を所定方向に駆動させることで搬入口IN2を開放させる。一方、受信された可否情報が受け取り否を示す場合、制御部26は、開閉扉INd2のロックを維持する。
【0049】
なお、建物内の内側ボックスBに物品Coを返却するための返却機構が設けられる場合、制御部26は、返却制御部として機能し、搬入口IN1から搬入された物品CoをUGV1に返却する返却制御を行ってもよい。
【0050】
[
1−3.運行管理サーバ3の構成及び機能概要]
次に、
図9を参照して運行管理サーバ3の構成及び機能概要について説明する。
図9は、運行管理サーバ3の概要構成例を示す図である。
図9に示すように、運行管理サーバ3は、通信部31、記憶部32、及び情報処理部33等を備える。なお、運行管理サーバ3は、複数台のサーバにより構成されてもよい。通信部31は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。記憶部32は、例えば、ハードディスクドライブ等を備える。記憶部32には、UGV情報データベース(DB)321等が構築される。
【0051】
UGV情報データベース321には、運行管理対象となるUGV1の機体ID、配送対象となる物品Coの物品ID、及び配送先情報(配送先ID及び所在地情報を含む)等がUGV1毎に対応付けられて登録される。物品Coが受取人によって購入のために注文された商品である場合、その注文を識別する注文IDが物品IDに対応付けられて登録される。
【0052】
情報処理部33は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、開閉制御装置2からの認証要求に応じて、認証処理部として機能することで、UGV1を認証する認証処理を行う。例えば、情報処理部33は、開閉制御装置2からの認証要求に含まれる機体IDがUGV情報データベース321に登録されているか否かを判断することで認証結果(機体IDが登録されていれば認証成功)を得て、当該認証結果を開閉制御装置2へ送信する。或いは、情報処理部33は、開閉制御装置2から配送先IDを含むUGV情報要求があった場合、当該配送先IDに対応付けられた機体IDをUGV情報データベース321から取得し、取得した機体IDをUGV1の認証のために開閉制御装置2へ送信してもよい。また、情報処理部33は、UGV1から配送先情報及びUGV1の現在位置情報を含む配送ルート要求があった場合、当該配送先情報及びUGV1の現在位置情報に基づいて、UGV1の配送元から配送先までの配送ルートを決定し、決定した配送ルートを示す情報をUGV1へ送信してもよい。
【0053】
[
1−4.配送管理サーバ4の構成及び機能概要]
次に、
図10を参照して配送管理サーバ4の構成及び機能概要について説明する。
図10は、配送管理サーバ4の概要構成例を示す図である。なお、配送管理サーバ4は、複数台のサーバにより構成されてもよい。また、配送管理サーバ4は、商品の注文管理を行う注文管理サーバとしても機能する。
図10に示すように、配送管理サーバ4は、通信部41、記憶部42、及び情報処理部43等を備える。通信部41は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。記憶部42は、例えば、ハードディスクドライブ等を備える。記憶部42には、配送情報データベース(DB)421等が構築される。
【0054】
配送情報データベース421には、配送対象となる物品Coの物品ID、配送先情報(配送先ID及び所在地情報を含む)、及び配送ステータス等が物品毎に対応付けられて登録される。物品Coが受取人によって購入のために注文された商品(つまり、決済された商品)である場合、当該商品の注文情報が物品IDに対応付けられて登録される。注文情報には、注文ID、商品名、注文者(受取人)名、注文者の住所、注文者の電話番号、注文者のメールアドレス、注文日時、決済日時、決済方法、及び決済価格等が含まれる。
【0055】
情報処理部43は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、開閉制御装置2からの認証要求に応じて、認証処理部として機能することで、物品Coを認証する認証処理を行う。例えば、情報処理部43は、開閉制御装置2からの認証要求に含まれる物品IDが配送情報データベース421に登録されているか否かを判断することで認証結果(物品IDが登録されていれば認証成功)を得て、当該認証結果を開閉制御装置2へ送信する。或いは、情報処理部33は、開閉制御装置2から配送先IDを含む物品情報要求があった場合、当該配送先IDに対応付けられた物品IDを配送情報データベース421から取得し、取得した物品IDを物品Coの認証のために開閉制御装置2へ送信してもよい。ここで、物品情報要求には、配送先IDの代わりに、第1段階で認証されたUGV1の機体IDが含まれてもよい。なお、情報処理部43は、購入のために注文された商品の注文情報を管理する注文情報管理部としても機能する。
【0056】
[
2.配送システムSの動作]
次に、
図11を参照して、本実施形態に係る配送システムSの動作の一例について説明する。
図11は、UGV1が物品Coを無人配送する際の配送システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。なお、以下に説明する動作例では、配送対象となる物品CoがEC(Electronic Commerce)サイトにおいて受取人により注文された商品であり、物品Coの配送先情報及び注文情報が配送情報データベース421に登録されているものとする。
【0057】
注文された物品Coの配送元において、例えばUGV1を運用するスタッフにより物品CoがUGV1に積み込まれると、UGV1は、積み込まれた物品Coから注文IDを取得(例えば、UGV1の内部センサによって、物品Coの表面に付加された2次元コードから取得)し、配送管理サーバ4に対して物品Coの配送先の問合せ通知を行う(ステップS1)。この問合せ通知では、取得された注文IDを含む配送先問合せメッセージがUGV1から通信ネットワークNWを介して配送管理サーバ4へ送信される。
【0058】
配送管理サーバ4は、UGV1からの問合せ通知に応じて、受信された注文IDを含む注文情報に対応付けられた配送先情報を配送情報データベース421から取得し、取得した配送先情報を、通信ネットワークNWを介してUGV1へ送信する(ステップS2)。なお、配送管理サーバ4は、配送先情報を送信すると、上記注文IDを含む注文情報に対応付けられる配送ステータスとして配送開始を配送情報データベース421に登録する。UGV1は、配送管理サーバ4からの配送先情報を受信すると、運行管理サーバ3に対して配送ルート要求を行う(ステップS3)。この配送ルート要求では、取得された注文ID、受信された配送先情報、UGV1の機体ID、及びUGV1の現在位置情報を含む配送ルート要求メッセージがUGV1から通信ネットワークNWを介して運行管理サーバ3へ送信される。ここで、UGV1の現在位置情報は、UGV1の測位部12により検出された現在位置を示す。
【0059】
運行管理サーバ3は、UGV1からの配送ルート要求に応じて、IDマッピングを行うとともに、受信された配送先情報及びUGV1の現在位置情報に基づいて配送ルートを決定する(ステップS4)。ここで、IDマッピングでは、受信された配送先情報に含まれる配送先IDと受信された機体IDとが対応付けられ、且つ当該配送先IDと受信された注文IDとが対応付けられて記憶される。また、配送ルートの決定では、例えば、建物内外において移動可能なルートを示す地図データが用いられる。運行管理サーバ3は、配送先情報から特定される配送先の位置から現在位置情報が示す位置に至るルートを地図データから探索することで配送ルートを決定する。次いで、運行管理サーバ3は、決定された配送ルートを示す情報を、通信ネットワークNWを介してUGV1へ送信する(ステップS5)。
【0060】
UGV1は、配送管理サーバ4からの配送ルートを示す情報を受信すると、制御部15による移動制御にしたがって、物品Coの配送先まで移動する(ステップS6)。そして、配送先に到着したUGV1は、制御部15による移動制御にしたがって、搬入口IN1に近接し、且つUGV1の搬出口Oと搬入口IN1とが対向するように位置調整を行う。このとき、開閉制御装置2は、配送先に到着したUGV1からセンサSe1を通じて機体IDを取得する(ステップS7)。次いで、開閉制御装置2は、UGV1と搬入口IN1との近接状態が検知された場合、ステップS7で取得された機体IDを含む認証要求を、通信ネットワークNWを介して運行管理サーバ3へ送信する(ステップS8)。
【0061】
運行管理サーバ3は、開閉制御装置2からの認証要求に応じて、UGV1を認証する認証処理を行う(ステップS9)。例えば、運行管理サーバ3は、認証要求に含まれる機体IDと一致する機体IDがUGV情報データベース321に登録されているか否かを判断し、当該機体IDが登録されている場合、UGV1の認証成功であると判断し、認証成功を示す認証結果を、通信ネットワークNWを介して開閉制御装置2へ送信する(ステップS10)。なお、運行管理サーバ3は、認証要求に含まれる機体IDと一致する機体IDがUGV情報データベース321に登録されていない場合、UGV1の認証失敗であると判断し、認証失敗を示す認証結果を開閉制御装置2へ送信する。
【0062】
開閉制御装置2は、運行管理サーバ3からの認証成功を示す認証結果を受信すると、制御部26による開閉制御にしたがって、搬入口IN1を開放させる(ステップS11)。次いで、開閉制御装置2は、搬入口IN1の開放が完了すると、UGV1に対して、搬入口IN1の開放通知を行う(ステップS12)。この開放通知では、搬入口IN1の開放完了メッセージが開閉制御装置2から近距離無線通信を通じてUGV1へ送信される。
【0063】
UGV1は、開閉制御装置2からの搬入口IN1の開放通知に応じて、搬入口Oを開放させ、物品Coが保持された物品保持具Hを搬入口IN1方向に伸長させることで、物品Coを搬入口IN1から搬入させる(ステップS13)。次いで、開閉制御装置2は、搬入口IN1から搬入された物品CoからセンサSe2を通じて注文IDを取得する(ステップS14)。次いで、開閉制御装置2は、ステップS14で取得された注文IDを含む認証要求を、通信ネットワークNWを介して配送管理サーバ4へ送信する(ステップS15)。
【0064】
配送管理サーバ4は、開閉制御装置2からの認証要求に応じて、物品Coを認証する認証処理を行う(ステップS16)。例えば、配送管理サーバ4は、認証要求に含まれる注文IDと一致する注文IDが注文情報に含まれて配送情報データベース421に登録されているか否かを判断し、当該注文IDが注文情報に含まれて登録されている場合、物品Coの認証成功であると判断し、認証成功(認証OK)を示す認証結果を、通信ネットワークNWを介して開閉制御装置2へ送信する(ステップS17)。このように、認証要求に含まれる注文IDと、配送管理サーバ4により管理される注文情報とを用いて、物品Coを認証する認証処理が行われるので、受取人が認識していない物品Coを意図せずに受け取ってしまうことを防ぐことができる。なお、配送管理サーバ4は、認証要求に含まれる注文IDと一致する注文IDが注文情報に含まれて配送情報データベース421に登録されていない場合、物品Coの認証失敗であると判断し、認証失敗(認証NG)を示す認証結果を開閉制御装置2へ送信する。
【0065】
開閉制御装置2は、配送管理サーバ4からの認証成功を示す認証結果を受信すると、制御部26による開閉制御にしたがって、搬入口IN2を開放させる(ステップS18)。次いで、開閉制御装置2は、搬入口IN2の開放が完了すると、UGV1に対して、搬入口IN2の開放通知を行う(ステップS19)。この開放通知では、搬入口IN2の開放完了メッセージが開閉制御装置2から近距離無線通信を通じてUGV1へ送信される。
【0066】
UGV1は、開閉制御装置2からの搬入口IN2の開放通知に応じて、物品Coが保持された物品保持具Hを搬入口IN2方向に伸長させることで、物品Coを搬入口IN2からさらに搬入させ(ステップS20)、物品保持具Hから物品Coを切り離す。こうして物品Coの搬入が完了すると、物品保持具Hは搬出口O等を通ってUGV1内に戻る。開閉制御装置2は、搬入口IN2から物品Coの搬入が完了すると、搬入口IN1及び搬入口IN2を閉めてロックさせる(ステップS21)。次いで、開閉制御装置2は、運行管理サーバ3に対して、物品Coの搬入完了通知を行う(ステップS22)。この搬入完了通知では、注文IDを含む搬入完了メッセージが開閉制御装置2から通信ネットワークNWを介して運行管理サーバ3へ送信される。
【0067】
運行管理サーバ3は、開閉制御装置2からの搬入完了通知に応じて、UGV1に対して帰還命令を行う(ステップS23)。UGV1は、運行管理サーバ3からの帰還命令に応じて、制御部15による移動制御にしたがって、配送先元へ帰還する(ステップS24)。また、運行管理サーバ3は、配送管理サーバ4に対して、物品Coの配送完了通知を行う(ステップS25)。この配送完了通知では、注文IDを含む配送完了メッセージが運行管理サーバ3から通信ネットワークNWを介して配送管理サーバ4へ送信される。
【0068】
配送管理サーバ4は、運行管理サーバ3からの配送完了通知に応じて、受信された注文IDを含む注文情報に対応付けられる配送ステータスを配送完了に更新する(ステップS26)。次いで、配送管理サーバ4は、物品Coの受取人に対して、物品Coの配送完了通知を行う(ステップS27)。この配送完了通知では、例えば、注文情報を含む配送完了メール(またはショートメール)が物品Coの受取人のメールアドレス(または電話番号)宛に送信されることで当該受取人の端末により受信される。
【0069】
以上説明したように、上記実施形態によれば、配送システムSは、UGV1が配送先に到着した場合に、UGV1を認証する認証処理を行い、UGV1の認証結果に基づいて、当該配送先において物品Coが搬入される搬入口IN1の開閉制御を行うように構成したので、セキュリティを担保しつつUGV1により物品Coを配送先へ配送することができる。すなわち、搬入口IN1はUGV1の認証が成功した場合に、搬入口IN1を開いて物品Coを搬入させるので、物品の受取人が意図しない無人移動機または人によって、配送先(例えば居宅)の内側にアクセスされることを防ぐことができる。
【0070】
さらに、上記実施形態によれば、配送システムSは、第1段階として、UGV1を認証する認証処理を行い、UGV1の認証結果に基づく開閉制御により開かれた搬入口IN1から物品Coを搬入させ、第2段階として、当該搬入された物品Coを認証する認証処理を行い、物品Coの認証結果に基づいて、当該搬入された物品Coがさらに搬入される搬入口IN2の開閉制御を行うように構成したので、物品Coが搬入口IN1を介して搬入口IN2から搬入される際(例えば、物品Coを居宅の内側に搬入完了させる際)のセキュリティをより一層向上させることができる。
【0071】
(変形例)
図11に示す動作例において、物品CoがECサイトにおいて受取人により注文された商品でない場合(例えば、受取人以外の人により配送手配された荷物である場合など)、物品Coから取得された物品IDが配送管理サーバ4により管理されている物品IDとは一致せず、その結果、上記ステップS16において物品Coの認証が失敗することが考えられる。しかし、この場合、受取人が物品Coの受け取りを許可することも考えられるので、その対応策を、
図12を参照して、以下に説明する。
【0072】
図12は、
図11に示すステップS16において物品Coの認証結果が認証失敗である場合の配送システムSの動作の変形例を示すシーケンス図(
図11から一部引用)である。なお、
図12においてステップS1からS13までは、
図11に示す動作と同様に行われる。そして、搬入口IN1から搬入された物品CoからセンサSe2を通じて物品IDが取得され(ステップS14a)、当該物品IDを含む認証要求が配送管理サーバ4へ送信される(ステップS15a)。配送管理サーバ4は、開閉制御装置2からの認証要求に応じて、物品Coを認証する認証処理を行う(ステップS16a)。そして、配送管理サーバ4は、認証要求に含まれる物品IDと一致する物品IDが配送情報データベース421に登録されていない場合、物品Coの認証失敗であると判断し、認証失敗を示す認証結果を開閉制御装置2へ送信する(ステップS17a)。
【0073】
開閉制御装置2は、配送管理サーバ4からの認証失敗を示す認証結果を受信すると、物品Coの受取人に対して、物品Coの受け取り可否の問合せ通知を行う(ステップS17b)。この問合せ通知では、例えば、配送依頼人(つまり、配送手配を行った人)の氏名及び連絡先等の情報を記述する問合せメール(またはショートメール)が物品Coの受取人のメールアドレス(または電話番号)宛に送信される。ここで、配送依頼人の情報は、例えば配送先情報とともに配送情報データベース421に事前に登録される。このような問合せメールは物品Coの受取人の端末により受信され、当該端末のディスプレイには、配送依頼人の情報とともに、物品Coの受け取り可を選択するための許可ボタンが表示される。受取人は、配送依頼人の情報を確認して問題がなければ、端末のディスプレイ上に表示された許可ボタンを選択(例えばクリック)する。こうして、受取人により許可ボタンが選択されると(ステップS17c)、当該端末は、当該受取人により選択された受け取り可(受け取りOK)を示す可否情報を開閉制御装置2へ送信する(ステップS17d)。開閉制御装置2は、受取人の端末からの受け取り可を示す可否情報を受信すると、制御部26による開閉制御にしたがって、搬入口IN2を開放させる(ステップS18)。このような変形例の構成によれば、受取人が認識していない物品Coであっても、当該受取人の許可に応じて物品Coを搬入口IN2から搬入して配送を完了することができるので、物品配送の効率化を図る(換言すると、無駄な物品配送を防止する)ことができる。なお、ステップS19以降の処理は、
図11と同様である。
【0074】
なお、上記実施形態は本発明の一実施形態であり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態から種々構成等に変更を加えてもよく、その場合も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上記実施形態においては、UGV1とUGV1により配送される物品Coとのうち少なくとも何れか一方を認証する認証処理が開閉制御装置2(または、運行管理サーバ3、配送管理サーバ4)により行われる例を説明したが、当該認証処理がUGV1により行われてもよい。また、上記実施形態においては、UGV1の認証結果に基づいて搬入口IN1の開閉制御が行われる例を説明したが、物品Coの認証結果に基づいて搬入口IN1の開閉制御が行われてもよい。この場合、例えば、UGV1は、UGV1に搭載された物品Coから物品IDを取得(例えば、UGV1の内部センサによって取得)し、UGV1が配送先に到着した場合に、上記物品IDを例えば近距離無線通信を通じて開閉制御装置2へ送信する。そして、開閉制御装置2は、UGV1から取得した物品IDを用いて物品Coを認証する認証処理を行い、物品Coの認証結果に基づいて搬入口IN1の開閉制御を行う。或いは、UAV1の認証結果と物品Coの認証結果との双方に基づいて搬入口IN1の開閉制御が行われてもよい。この場合、UAV1の認証が成功し、且つ物品Coの認証が成功した場合に限り、搬入口IN1が開放され物品Coが搬入されることになる。
【0075】
また、本技術は、いわゆる宅配ボックスのように、配達物専用の収納庫への搬入を行う配送システムに適用することも可能である。ただし、配達物専用の収納庫、特に配達物1つごとに区画化された収納庫においては、空の空間へ配達物を搬入することになるため、搬入時に高いセキュリティはあまり求められない。一方、上記実施形態のように、配達物専用ではない空間(つまり、建物または部屋の内側)の外側から内側にアクセス可能な開口を通じて物品搬入を行う場合には、高いセキュリティが求められる。そのため、本技術は、配達物専用ではない空間の外側から内側にアクセス可能な開口を通じて物品搬入を行う配送システムに適用することで、セキュリティの観点から顕著な効果をあげることができる。
【0076】
また、上記実施形態は、UGV1の他にも、無人で物品Coを配送先まで運搬可能であれば如何なる無人移動機にも適用可能である。例えば、上記実施形態において、UGV1の代わりに、無人で配送先まで大気中を飛行する無人航空機(UAV(Unmanned Aerial Vehicle ))を適用してもよい。この場合の無人航空機は、配送先に到着すると、搬入口IN1に近接するように移動制御(飛行制御)しつつ着陸し、無人航空機と物品Coとのうち少なくとも何れか一方の認証結果に基づいて開かれた搬入口IN1から、無人航空機に搭載された物品Coを搬入させる搬入制御を行う。
配送システムSは、UGV1が配送先に到着した場合に、UGV1、またはUGV1により配送される物品とのうち少なくとも何れか一方を認証する処理を行い、UGV1、またはUGV1により配送される物品の認証結果に基づいて、配送先において物品が搬入される第1の搬入口の開閉制御を行う。