(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判断部は、前記第2の決済手段が前記第2のユーザーによって利用される際に、前記取引情報に基づいて、当該第2の決済手段に対応する前記第1の決済手段の利用可否をさらに判断し、当該第1の決済手段が利用可能であると判断された場合に、当該第2の決済手段を利用可能であると判断する請求項1に記載の決済情報処理装置。
前記判断部によって前記第2の決済手段を利用可能でないと判断された場合に、前記第2のユーザーからの指示に基づいて、前記第1のユーザーに対して、前記第2の決済手段の利用に関する承認を要求する承認要求部をさらに有し、
前記実行部は、前記第1のユーザーからの承認が得られた場合に、前記第2の決済手段による決済の実行を許可する請求項1または2に記載の決済情報処理装置。
前記判断部は、複数の前記目的階層が登録されている場合、前記第2の決済手段が前記第2のユーザーによって利用される際に、前記第2のユーザーから、適用する前記目的階層の選択を受け付け、受け付けた選択に基づいて適用する前記目的階層を決定する請求項1〜4のいずれか一項に記載の決済情報処理装置。
前記判断部は、複数の前記目的階層が登録されている場合、前記第2の決済手段が前記第2のユーザーによって利用された後に、前記第1のユーザーまたは前記第2のユーザーから、適用する前記目的階層の選択を受け付け、受け付けた選択に基づいて適用する前記目的階層を決定する請求項1〜5のいずれか一項に記載の決済情報処理装置。
前記判断部は、前記の前記目的階層が登録されている場合、前記取引情報の内容と、各目的階層に設定された目的および前記所定の条件とに基づいて、適用する前記目的階層を決定する請求項1〜6のいずれか一項に記載の決済情報処理装置。
前記第2の決済手段を利用した決済の実行が許可された場合、前記第1のユーザーおよび前記第2のユーザーに通知する通知部をさらに有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の決済情報処理装置。
前記第2の決済手段を利用した決済の履歴を、前記第1のユーザーおよび前記第2のユーザーが閲覧するために出力する出力部をさらに有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の決済情報処理装置。
前記第1のユーザーからの指示に基づいて、前記目的階層に関連付けられる前記所定の条件を、予め設定される所定の更新タイミングにおいて更新する更新部をさらに有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の決済情報処理装置。
前記第1のユーザーからの指示に基づいて、前記子階層および前記目的階層のうちの少なくとも一つを削除する削除部をさらに有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の決済情報処理装置。
前記第1のユーザーからの指示に基づいて、前記子階層および前記目的階層のうちの少なくとも一つの利用可否を制御する制御部をさらに有する請求項1〜11のいずれか一項に記載の決済情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張され、実際の比率とは異なる場合がある。
【0015】
<決済情報処理システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る決済情報処理システムの概略構成を示す図である。
【0016】
図1に示すように、決済情報処理システムは、ユーザー端末100(ユーザー端末100a、ユーザー端末100b)、情報処理装置200、決済システム300、および店舗システム400を有する。ユーザー端末100は、インターネット等のネットワークを介して情報処理装置200と相互に通信可能に接続されている。決済システム300、および店舗システム400は、それぞれネットワークを介して情報処理装置200と通信可能に接続されている。なお、各構成間の接続は、上記の例に限定されず、各構成同士が任意の方法によって接続されてもよい。
【0017】
以下、各構成について詳細に説明する。
【0018】
<ユーザー端末100>
ユーザー端末100は、決済手段を利用して商品等のアイテムを購入するユーザーに使用されるスマートフォンまたはタブレットPC等の情報端末である。
【0019】
図2は、ユーザー端末の概略構成を示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、ユーザー端末100は、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、ストレージ140、通信インターフェース150および操作表示部160を有する。各構成は、バス170を介して相互に通信可能に接続されている。
【0021】
CPU110は、ROM120やストレージ140に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御や各種の演算処理を行う。
【0022】
ROM120は、各種プログラムや各種データを格納する。
【0023】
RAM130は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
【0024】
ストレージ140は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。たとえば、ストレージ140には、ネットワークを介して情報処理装置200との間で各種情報を送受信したり、情報処理装置200から提供される各種情報を表示したりするためのアプリケーションがインストールされている。
【0025】
通信インターフェース150は、情報処理装置200等の外部機器と通信するためのインターフェースであり、たとえば、携帯電話通信用の3G、4G等の規格や、Wi−Fi(登録商標)等の規格が用いられる。通信インターフェース150として、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信のための規格が用いられ、近接する店舗システム400等との通信が行われてもよい。
【0026】
操作表示部160は、たとえば、タッチパネル式のディスプレイであり、各種情報を表示すると共に、ユーザーからの各種入力を受け付ける。
【0027】
本実施形態では、ユーザー端末100aは、第1の決済手段を使用する第1のユーザーによって使用される端末であり、ユーザー端末100bは、第2の決済手段を使用する第2のユーザーによって使用される端末である。本実施形態では、第1のユーザーと第2のユーザーとは、たとえば、家計を共有する家族である。第1のユーザーは、たとえば、決済事業者が発行および管理するデビットカード、クレジットカード等の第1の決済手段を保有する親である。第2のユーザーは、たとえば、年齢や収入等の条件によって第1の決済手段を保有することができず、第1のユーザーである親が保有する第1の決済手段に紐付けて本決済情報処理システムによって発行および管理される第2の決済手段を保有する子供である。
【0028】
<情報処理装置200>
情報処理装置200は、たとえばサーバー等のコンピューターであり、本実施形態では決済情報処理装置として機能する。
【0029】
図3は、情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0030】
図3に示すように、情報処理装置200は、CPU210、ROM220、RAM230、ストレージ240、通信インターフェース250および操作表示部260を有する。各構成は、バス270を介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU210、ROM220、RAM230、ストレージ240、通信インターフェース250および操作表示部260は、ユーザー端末100の対応する各構成と同様の機能を有するため、重複する説明は省略する。
【0031】
ストレージ240には、各種処理を行うためのプログラムやデータがインストールされている。たとえば、ストレージ240には、第1のユーザーによって使用される第1の決済手段に関連付けて登録される親階層に関する情報が記憶される。親階層に関する情報としては、第1のユーザーを特定するための氏名等の情報や、第1の決済手段を利用するためのカード番号等の各種情報が記憶される。また、ストレージ240には、第2のユーザーによって使用される第2の決済手段に関連付けて登録される子階層に関する情報が記憶される。子階層に関する情報としては、第2のユーザーを特定するための氏名等の情報や、第2の決済手段を発行、管理および利用するための各種情報が記憶される。また、ストレージ240には、子階層に関連付けて登録される目的階層に関する情報が記憶される。目的階層に関する情報としては、第2の決済手段を利用する目的に関する情報や、第2の決済手段を利用する際の所定の条件に関する情報等が記憶される。なお、上記の第2の決済手段を利用する際の所定の条件に関する情報は、子階層に関する情報に含まれてもよい。
【0032】
また、ストレージ240には、ユーザー端末100bにダウンロードおよびインストールするための決済用アプリケーション(詳細は後述)や、当該決済アプリケーションを介してユーザー端末100bとの間で各種情報を送受信するためのプログラム等が記憶されてもよい。また、ストレージ240には、ユーザー端末100bからの要求に応じて、第2のユーザーの識別情報や第2の決済手段のカード番号等に対応するバーコードを生成してユーザー端末100bに送信するためのプログラムが記憶されてもよい。
【0033】
CPU210は、本実施形態では、親階層登録部、子階層登録部、目的階層登録部、設定部、取得部、判断部、実行部、承認要求部、通知部、出力部、更新部、削除部、および制御部として機能する。CPU210によって実現される各機能について、詳細は後述する。
【0034】
<決済システム300>
決済システム300は、第1のユーザーに第1の決済手段を提供する決済事業者に設けられるシステムである。決済事業者は、たとえば、デビットカードまたは銀行口座等を提供する銀行、クレジットカードを提供するクレジットカード会社、またはプリペイドカードを提供するプリペイドカード発行会社等である。決済システム300は、第1のユーザーのユーザー端末100aを利用したモバイル決済手段を提供するモバイル決済事業者であってもよい。
【0035】
図4は、決済システムの概略構成を示すブロック図である。
【0036】
図4に示すように、決済システム300は、CPU310、ROM320、RAM330、ストレージ340、通信インターフェース350および操作表示部360を有する。各構成は、バス370を介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU310、ROM320、RAM330、ストレージ340、通信インターフェース350および操作表示部360は、ユーザー端末100の対応する各構成と同様の機能を有するため、重複する説明は省略する。
【0037】
ストレージ340には、第1のユーザーに第1の決済手段を提供するための各種データが記憶される。たとえば、決済システム300がクレジットカード会社のシステムである場合、ストレージ340には、第1のユーザーによるクレジットカードの利用を管理するための各種プログラムや、ユーザー情報、店舗情報等の各種データが記憶される。
【0038】
<店舗システム400>
店舗システム400は、商品等のアイテムを販売する店舗または本部等に設けられるシステムである。店舗システム400には、店舗に設けられるPOS(Point Of Sales)端末等の店舗端末が含まれる。
【0039】
図5は、店舗システムの概略構成を示すブロック図である。
【0040】
図5に示すように、店舗システム400は、CPU410、ROM420、RAM430、ストレージ440、通信インターフェース450、操作表示部460および読取部470を有する。各構成は、バス480を介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU410、ROM420、RAM430、ストレージ440、通信インターフェース450および操作表示部460は、ユーザー端末100の対応する各構成と同様の機能を有するため、重複する説明は省略する。
【0041】
ストレージ440には、アイテムを販売するための決済処理等の各種処理を行うためのプログラムやデータ等がインストールされている。
【0042】
読取部470は、デビットカード、クレジットカード等から決済に必要なユーザー識別情報等を取得するためのカードリーダーを含む。読取部470は、たとえば、磁気カード、接触ICカード、非接触ICカード、ユーザー端末100等のモバイル端末に設けられた非接触ICチップ等から情報を読み取って取得する。また、読取部470は、バーコード等の一次元コードやQRコード(登録商標)等の二次元コード等のコード(以下、バーコード等と総称する。)を読み取るためのコードリーダーを含んでもよい。読取部470は、たとえば、アイテムに付されたバーコード等を読み取ることによって、アイテムを識別するためのJANコード等の商品識別番号やアイテムの購入金額に関する金額情報等を取得する。また、読取部470は、ユーザー端末100の操作表示部160に表示されたバーコード等を読み取ることによって、ユーザー識別情報を取得してもよい。読取部470を介して取得された情報は、取引商品識別番号や金額情報は、購入されるアイテムを示す購入アイテム情報として、情報処理装置200に送信される。また、読取部470を介して取得されたユーザー識別情報や金額情報は、取引情報として、情報処理装置200および決済システム300等に送信される。
【0043】
図6は、情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【0044】
図6に示すように、情報処理装置200は、CPU210がストレージ240に記憶されたプログラムを読み込んで処理を実行することによって、親階層登録部、子階層登録部、目的階層登録部、設定部、取得部、判断部、実行部、承認要求部、通知部、出力部、更新部、削除部、および制御部として機能する。
【0045】
親階層登録部2101は、第1のユーザーによって取引の決済に使用される第1の決済手段に対応する親階層に関する情報をストレージ240に登録する。
【0046】
子階層登録部2102は、第1のユーザーからの指示に基づいて、親階層に関連付けて、第2のユーザーによって取引の決済に使用される第2の決済手段に対応する子階層に関する情報をストレージ240に登録する。
【0047】
目的階層登録部2103は、第1のユーザーからの指示に基づいて、子階層に関連付けて、第2の決済手段を利用した決済の目的毎に設定される目的階層に関する情報を登録する。
【0048】
設定部2104は、第1のユーザーからの指示に基づいて、目的階層に関連付けて、第2の決済手段を利用する際の所定の条件を設定する。
【0049】
取得部2105は、第2の決済手段が第2のユーザーによって取引の決済に利用される際に、当該取引の内容を示す取引情報を取得する。
【0050】
判断部2106は、取得部2105によって取得された取引情報が、目的階層に関連付けて設定された所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件が満たされると判断された場合、当該所定の条件が関連付けられた目的階層を適用して第2の決済手段を利用可能であると判断し、所定の条件が満たされないと判断された場合、第2の決済手段を利用可能でないと判断する。
【0051】
実行部2107は、判断部2106によって第2の決済手段が利用可能であると判断された場合、所定の条件が満たされると判断された目的階層を適用して第2の決済手段による決済の実行を許可する。
【0052】
承認要求部2108は、判断部2106によって第2の決済手段が利用可能でないと判断された場合に、第2のユーザーからの指示に基づいて、第1のユーザーに対して、第2の決済手段の利用に関する承認を要求する。
【0053】
通知部2109は、第2の決済手段を利用した決済が実行された場合、第1のユーザーおよび第2のユーザーに通知する。
【0054】
出力部2110は、第2の決済手段を利用した決済の履歴を、第1のユーザーおよび第2のユーザーに対して閲覧可能に出力する。
【0055】
更新部2111は、第1のユーザーからの指示に基づいて、子階層および目的階層のうちの少なくとも一つに関連付けられる所定の条件を、予め設定される所定のタイミングにおいて更新する。
【0056】
削除部2112は、第1のユーザーからの指示に基づいて、子階層および目的階層のうちの少なくとも一つを削除する。
【0057】
制御部2113は、第1のユーザーからの指示に基づいて、子階層および目的階層のうちの少なくとも一つの利用可否を制御する。
【0058】
<情報処理装置に登録される情報>
図7は、情報処理装置に登録されて管理される親階層、子階層、目的階層を説明するための説明図である。
図8は、情報処理装置に記憶される目的階層を示す情報の一例を示す図である。
【0059】
図7に示すように、情報処理装置200のストレージ240において、複数の親階層が登録され、各親階層には、複数の子階層が関連付けられて登録される。また、各子階層には、複数の目的階層が関連付けられて登録される。
【0060】
親階層は、たとえば、第1のユーザーとしての親が保有する第1の決済手段であるクレジットカードに対応する。親階層を示す情報として、親を識別するための氏名、住所等の情報と、決済システム300にアクセスしてクレジットカードを利用するためのカード番号、有効期限、セキュリティコード等の情報とが関連付けられて記憶される。
図7の例では、親Aのクレジットカードに対応する親階層1と、親Bのデビットカードに対応する親階層2等が登録されている。
【0061】
子階層は、たとえば、第2のユーザーとしての子供に与えられる第2の決済手段であるプリペイドカード等に対応する。子階層を示す情報として、子供を識別するための氏名、住所等のユーザー識別情報および属性情報と、プリペイドカードを発行、管理および利用するためのカード番号、ユーザー認証情報等の各種情報が記憶される。
図7の例では、親Aの親階層1には、長男1のプリペイドカードに対応する子階層1、次女2のプリペイドアプリに対応する子階層2、親A(本人)の海外用カードに対応する子階層3等が関連付けられて登録されている。
【0062】
目的階層は、たとえば、第2のユーザーとしての子供に与えられる第2の決済手段であるプリペイドカード等の利用目的ごとに登録される。目的階層を示す情報として、
図8に示すように、プリペイドカード等を利用する目的を示す情報や、プリペイドカード等を各目的に利用する際の所定の条件に関する情報、当該目的階層を適用する優先度を示す情報等が記憶される。所定の条件に関する情報としては、利用金額、利用期間、利用取引形態、利用取引種別、利用店舗、利用場所、利用回数等に関する情報(条件)が登録される。
【0063】
利用金額に関する条件としては、たとえば、累積利用金額の上限値が設定されてもよく、1回の取引あたりの利用金額の上限値が設定されてもよい。利用期間に関する条件としては、たとえば、日付や時間の範囲、曜日、繰り返しサイクル等の情報が設定されてもよい。利用取引形態に関する条件としては、実店舗における対面での取引またはインターネットを介した取引等の非対面での取引等を指定する情報が設定されてもよい。利用取引種別に関する条件としては、たとえば、国内の取引または外国の取引を指定する情報が設定されてもよい。利用店舗に関する条件としては、利用を許可する店舗または業種が設定されてもよく、あるいは、利用を許可しない店舗または業種が設定されてもよい。利用場所に関する条件としては、利用を許可する位置または範囲が設定されてもよく、あるいは、利用を許可しない位置または範囲が設定されてもよい。利用回数に関する条件としては、たとえば、「1回のみ」または「何回まで」といった利用回数の上限値が設定される。また、所定の条件によって判断される累積利用金額や利用回数等が更新されるタイミングやサイクルを示す更新タイミングに関する情報も登録される。
【0064】
図7の例では、長男1のプリペイドカードには、お小遣いという目的に対応する目的階層1−1と、塾昼食代という目的に対応する目的階層1−2等が登録されている。目的階層1−1には、所定の条件に関する情報として、「毎月/5000円まで」という、利用期間、利用金額、更新タイミングに関する情報が登録されている。目的階層1−2には、所定の条件に関する情報として、「毎週土曜日/500円まで」という、利用期間、利用金額、更新タイミングに関する情報が登録されている。
【0065】
また、次女2のプリペイドアプリには、お小遣いという目的に対応する目的階層2−1と、読書代という目的に対応する目的階層2−2等が登録されている。目的階層2−1には、所定の条件に関する情報として、「毎月/1000円まで」という、利用期間、利用金額、更新タイミングに関する情報が登録されている。目的階層2−2には、所定の条件に関する情報として、「毎週/書店でのみ/1000円まで」という、利用期間、利用金額、利用店舗または利用業種、更新タイミングに関する情報が登録されている。
【0066】
また、親A(本人)の海外用カードには、お小遣いという目的に対応する目的階層3−1等が登録されている。目的階層2−1には、所定の条件に関する情報として、「4月27日〜5月10日の間/海外でのみ」という、利用期間、利用金額、利用取引種別(国内取引または外国取引)に関する情報が登録されている。
【0067】
なお、上記のような所定の条件は、任意の方法によって設定され得る。たとえば、「書店でのみ」という条件は、店舗または業種に関する条件として設定される他に、利用するユーザーの位置または範囲に関する条件として設定されてもよく、あるいは購入される商品に関する条件として書籍関連の商品が設定されてもよい。また、「海外でのみ」という条件は、利用取引種別に関する条件として設定される他に、利用するユーザーの位置または範囲に関する条件として設定されてもよい。
【0068】
また、各目的階層は、設定された優先度が高いものから順に使用されるようにしてもよい。たとえば、
図7の例において、長男1のプリペイドカードに対応する子階層1について、目的階層1−2の塾昼食代の優先度が、目的階層1−1のお小遣いの優先度よりも高く設定されている場合について説明する。この場合において、長男1が土曜日にプリペイドカードを利用すると、目的階層1−1および目的階層1−2の両方の所定の条件が満たされている。この場合、まずは優先度が高く設定されている目的階層1−2の塾昼食代が使用され、たとえば利用金額が塾昼食代の上限金額である500円を超えて所定の条件を満たさなくなった場合に、目的階層1−1のお小遣いが使用される。
【0069】
なお、第2のユーザーが第2の決済手段を利用する際に、第2のユーザーから適用する目的階層の選択を受け付けて、選択された目的階層が使用されるようにしてもよい。
【0070】
また、第2のユーザーが第2の決済手段を利用した後に、第1のユーザーまたは第2のユーザーから、適用する目的階層の選択を受け付けて、選択された目的階層が使用されるようにしてもよい。
【0071】
また、第2のユーザーが第2の決済手段を利用する際に、取引情報の内容と、各目的階層に設定された目的および所定の条件とに基づいて、使用する目的階層が自動的に決定されてもよい。たとえば、
図7の例において、長男1が土曜日の昼間の時間帯にプリペイドカードを飲食店において利用した場合、取引情報に含まれる取引日時、利用店舗、利用金額等の情報と、目的階層1−2に登録された目的および所定の条件とから、当該取引は塾の昼食代として利用されたものであると判断されてもよい。また、取引情報にユーザー端末100bの位置が含まれている場合、プリペイドカードが利用された場所を特定し、予め登録された塾の場所との距離も考慮して、当該取引が塾の昼食代を目的とするものであるか否かが判断されてもよい。このような判断は、予め設定された判断基準やスコアリングルールに基づいてルールベースで行われてもよく、あるいは、多数の取引情報とそれぞれの取引情報に対応する利用目的のペアから構成される教師データによって予め機械学習されたニューラルネットワーク等を用いて行われてもよい。
【0072】
また、上記のような目的階層の決定方法は、組み合わせて使用されてもよい。たとえば、デフォルト設定として優先度が高く設定された目的階層から使用されるようにしつつ、第2のユーザーまたは第1のユーザーによって使用する目的階層を変更可能としてもよい。あるいは、取引情報の内容と各目的階層の内容に基づいて使用する目的階層を自動的に決定する際に、予め設定された各目的階層の優先度が考慮されるようにしてもよい。
【0073】
<決済情報処理システムにおける処理>
以下、決済情報処理システムにおいて実行される処理の例について説明する。まず、第1のユーザーによって親階層、子階層、目的階層を登録する登録処理について説明した後、第2のユーザーによって第2の決済手段を利用する利用処理について説明する。
【0074】
本実施形態では、第1の決済手段として、クレジットカードが登録され、第2の決済手段として、ユーザー端末100bを用いて決済を実行するためのモバイル決済手段が発行されるものとして説明する。
【0075】
上記のモバイル決済手段は、たとえば、情報処理装置200を管理する事業者によって提供され、ユーザー端末100bにダウンロードおよびインストールされる決済用アプリケーションを介して提供されるコード決済である。この場合、決済用アプリケーションによって、ユーザー端末100bの操作表示部160に、第2のユーザーが使用する第2の決済手段を識別するためのカード番号等に対応するバーコード等の一次元コードや、QRコード(登録商標)等の二次元コード等が表示される。これらの一次元コードや二次元コードが店舗システム400の読取部470によって読み取られ、カード番号等の情報が取得される。第2の決済手段を利用するためのカード番号等の情報は、子階層に関する情報として情報処理装置200に登録されており、情報処理装置200は、第2の決済手段のカード番号等から子階層を特定し、さらに、当該子階層が関連付けられた親階層、および当該親階層に関連付けられた第1の決済手段を特性できる。本実施形態では、店舗システム400によって取得された第2の決済手段のカード番号等が、情報処理装置200に送信されると、情報処理装置200は、上記のように、対応する第1の決済手段を特定し、決済システム300に対して当該第1の決済手段の利用の承認を要求し、決済システム300から第1の決済手段の利用の承認が得られた場合に、第2の決済手段の利用を許可する。
【0076】
<登録処理>
図9は、決済情報処理システムにおいて実行される登録処理の手順を示すシーケンスチャートである。
図9のシーケンスチャートに示される各装置の処理は、各装置のストレージにプログラムとして記憶されており、各装置のCPUが各部を制御することにより実行される。
【0077】
図9に示すように、ユーザー端末100aは、第1のユーザーから親階層に関する情報の登録を受け付け(ステップS101)、情報処理装置200に送信する(ステップS102)。親階層に関する情報としては、上述のとおり、第1のユーザーに関する情報と、第1の決済手段を利用するための情報等が登録される。
【0078】
続いて、情報処理装置200は、ステップS102においてユーザー端末100aから受信した第1の決済手段を利用するための情報を用いて、第1の決済手段を管理する決済システム300に、第1の決済手段の利用可否を確認するための事前承認要求を送信する(ステップS103)。
【0079】
続いて、決済システム300は、事前承認要求を受信すると、第1の決済手段の利用可否を判断し、判断結果を事前承認応答として情報処理装置200に送信する(ステップS104)。ここでは、決済システム300において第1の決済手段が利用可能であると判断されたものとして説明する。なお、決済システム300において第1の決済手段が利用可能でないと判断された場合、情報処理装置200は、その旨をユーザー端末100aに通知して処理を終了する。
【0080】
続いて、情報処理装置200は、決済システム300からの事前承認応答を受信すると、ステップS102において送信された情報に基づいて親階層を登録し(ステップS105)、登録結果をユーザー端末100aに通知する(ステップS106)。
【0081】
続いて、ユーザー端末100aは、第1のユーザーから子階層に関する情報の登録を受け付け(ステップS107)、情報処理装置200に送信する(ステップS108)。子階層に関する情報としては、上述のとおり、第2のユーザーに関する情報と、第2の決済手段を発行、管理および利用するためのカード番号、ユーザー認証情報等が登録される。
【0082】
続いて、情報処理装置200は、ステップS108において送信された情報に基づいて、子階層を登録し(ステップS109)、登録された子階層に関する情報をユーザー端末100bに送信すると共に(ステップS110)、登録結果をユーザー端末100aに通知する(ステップS111)。これにより、ユーザー端末100bには、子階層に関する情報として、第2の決済手段を利用するためのカード番号(バーチャルカードとして利用可能)やユーザー認証情報等が送信される。また、本実施形態では、情報処理装置200は、ユーザー端末100bにおいてコード決済を行うための決済用アプリケーションをダウンロードするためのURL等のアクセス情報を、ユーザー端末100bに送信する。ユーザー端末100bは、アクセス情報を利用して決済用アプリケーションをダウンロードしてインストールする。そして、たとえば、決済用アプリケーションによって表示されるユーザー登録画面に、第2のユーザーが第2の決済手段を利用するためのユーザー認証情報等を入力することによって、第2の決済手段を利用するためのバーコード等の情報が表示される。
【0083】
続いて、ユーザー端末100aは、たとえば第1のユーザーから、必要に応じて、カード等の物理媒体による第2の決済手段、すなわちリアルの第2の決済手段を作成するための作成指示を受け付けて(ステップS112)、情報処理装置200に送信する(ステップS113)。なお、この作成指示は、ユーザー端末100bにおいて、第2のユーザーから受け付けられてもよい。
【0084】
続いて、情報処理装置200は、リアルの第2の決済手段を発行して発送するための外部ベンダーへの指示等の各種処理を実行する(ステップS114)。
【0085】
続いて、発行されたリアルの第2の決済手段が、第1のユーザー(ユーザー端末100a)に発送され(ステップS115)、第1のユーザーから第2のユーザー(ユーザー端末100b)に渡される(ステップS116)。なお、リアルの第2の決済手段は、第1のユーザーを介さずに、第2のユーザーに直接発送されてもよい。また、ステップS112〜S116の処理は、リアルの第2の決済手段の発行が不要な場合は省略されてもよい。
【0086】
続いて、ユーザー端末100aは、第1のユーザーから目的階層に関する情報の登録を受け付け(ステップS117)、情報処理装置200に送信する(ステップS118)。目的階層に関する情報としては、上述のとおり、第2の決済手段の利用目的に関する情報と、利用するための所定の条件に関する情報等が登録される。
【0087】
続いて、情報処理装置200は、ステップS118において送信された情報に基づいて、目的階層を登録し(ステップS119)、登録された目的階層に関する情報をユーザー端末100bに送信する(ステップS120)。これにより、第2のユーザーは、第2の決済手段を利用可能な目的および利用金額等の条件を把握することができる。
【0088】
<利用処理>
図10は、決済情報処理システムにおいて実行される決済処理の手順を示すシーケンスチャートである。
図10のシーケンスチャートに示される各装置の処理は、各装置のストレージにプログラムとして記憶されており、各装置のCPUが各部を制御することにより実行される。
【0089】
図10に示すように、ユーザー端末100bは、第2のユーザーが店舗において第2の決済手段を用いて支払いを行う際に、第2のユーザーから第2の決済手段を利用するための指示を受け付ける(ステップS201)。たとえば、この指示により、ユーザー端末100bの操作表示部160に、第2のユーザーが使用する第2の決済手段を利用するための識別情報に対応するバーコード等が表示される。
【0090】
続いて、店舗システム400は、第2の決済手段を利用するための識別情報を取得する(ステップS202)。たとえば、店舗システム400は、店舗端末の読取部470によってユーザー端末100bの操作表示部160に表示されたバーコード等を読み取ることによって、第2の決済手段を利用するための識別情報を取得する。なお、店舗システム400が識別情報を取得する方法は上記の例に限定されない。たとえば、店舗システム400は、読取部470として非接触ICリーダーを備え、ユーザー端末100bに設けられた非接触ICチップ等から識別情報を取得してもよい。あるいは、店舗システム400は、ユーザー端末100bから、識別情報に関連付けられた情報を取得し、取得した情報をキーとして、ネットワークを介して接続される他のサーバー等から識別情報を取得してもよい。また、店舗システム400は、店舗端末に設けられた操作表示部460において入力を受け付けることによって識別情報を取得してもよい。
【0091】
また、店舗システム400は、店舗端末の読取部470によってアイテムに付されたバーコード等を読み取ることによって、購入されるアイテムを識別するためのJANコード等の商品識別番号を取得する。また、店舗システム400は、取得した商品識別番号をキーとして商品管理用のデータベース等を検索することによって、アイテムの金額(販売価格)等の各種情報を取得する。
【0092】
続いて、店舗システム400は、取得した情報に基づいて、第2の決済手段による支払い処理を行うために必要となる取引情報を含む第2の決済手段承認要求を情報処理装置200に送信する(ステップS203)。取引情報には、たとえば、ユーザー端末100bから取得した第2のユーザーの第2の決済手段を識別するためのカード番号等の識別情報と、取引金額(利用金額)に関する情報、利用される店舗や業種を識別するための情報、利用される国や地域を示す情報、購入されるアイテムを識別するための情報、対面または非対面といった取引の形態を示す情報等が含まれる。なお、取引情報には、利用される店舗の位置を示す情報が含まれてもよい。
【0093】
続いて、情報処理装置200は、取引情報を含む第2の決済手段承認要求を受信すると、当該第2の決済手段に対応する子階層に関連付けられた目的階層を確認し、目的階層を適用して第2の決済手段を利用可能であるか否かを判断する。適用可能な目的階層が複数存在する場合、たとえば、予め設定された目的階層の優先度に基づいて適用する目的階層が決定される。あるいは、情報処理装置200は、ユーザー端末100bに適用可能な目的階層が複数存在する旨を通知して、第2のユーザーから適用する目的階層の選択を受け付けてもよい。また、情報処理装置200は、この時点ではどの目的階層を適用するかを確定させずに決済の実行を許可して、決済完了後に第1のユーザーまたは第2のユーザーから適用する目的階層の選択を受け付けてもよい。また、情報処理装置200は、上述のように、取引情報の内容と、各目的階層に設定された目的および所定の条件に基づいて、適用する目的階層を自動的に決定してもよい。
【0094】
続いて、情報処理装置200は、ステップS204の処理において第2の決済手段が利用可能であると判断されると、当該第2の決済手段に対応する第1の決済手段の利用可否を確認するために、決済システム300に第1の決済手段承認要求を送信する(ステップS205)。第1の決済手段承認要求には、第1の決済手段を利用するために必要な情報が含まれ、たとえば、第1の決済手段を識別するためのカード番号等の情報と、ステップS203の処理において送信された取引金額等の情報が含まれる。
【0095】
続いて、決済システム300は、情報処理装置200から第1の決済手段承認要求を受信すると、第1の決済手段が利用可能であるか否かを判断し、判断結果を第1の決済手段承認応答として情報処理装置200に送信する(ステップS206)。ここでは、決済システム300において第1の決済手段が利用可能であると判断されたものとして説明する。なお、決済システム300において第1の決済手段が利用可能でないと判断された場合、情報処理装置200は、その旨を店舗システム400、ユーザー端末100b等に通知して処理を終了する。
【0096】
続いて、情報処理装置200は、決済システム300から第1の決済手段承認応答を受信して、受信した内容に基づいて第1の決済手段が利用可能であることを確認すると、店舗システム400に第2の決済手段承認応答を送信する(ステップS207)。
【0097】
続いて、店舗システム400は、情報処理装置200から第2の決済手段承認応答を受信して、受信した内容に基づいて第2の決済手段が利用可能であることを確認すると、店舗端末の操作表示部460に支払完了を示す画面を表示させて店舗のスタッフに支払完了を通知する(ステップS208)。また、店舗端末は、スピーカーまたはランプ(不図示)等を介して支払完了を示す音声や光を出力して、店舗のスタッフおよびユーザーが支払完了を容易に把握できるようにしてもよい。これにより、第2のユーザーによるアイテムの購入が完了する。
【0098】
ここで、ユーザー端末100bは、支払処理の結果や、支払処理後の目的階層ごとの利用可能金額の残高を、操作表示部160に表示してもよい。支払処理の結果や残高は、たとえば、ユーザー端末100bが決済用アプリケーションを介して情報処理装置200または店舗システム400と通信することによって取得される。
【0099】
続いて、店舗システム400は、第2の決済手段が利用された結果を示す利用結果情報を情報処理装置200に送信する(ステップS209)。
【0100】
続いて、情報処理装置200は、店舗システム400から利用結果情報を受信すると、必要に応じて、決済システム300に第1の決済手段が利用された結果を示す利用結果情報を送信する(ステップS210)。また、情報処理装置200は、ユーザー端末100bに第2の決済手段が利用された結果を通知し(ステップS211)、ユーザー端末100aに第2の決済手段および第1の決済手段が利用された結果を通知する(ステップS212)。
【0101】
続いて、情報処理装置200は、第2の決済手段および第1の決済手段による決済の履歴をデータベースとして蓄積して、利用明細のデータベース(利用明細DB)を生成する(ステップS213)。
【0102】
ここで、ユーザー端末100bにおいて、利用明細参照指示が受け付けられると(ステップS214)、ユーザー端末100bは、情報処理装置200に利用明細参照要求を送信する(ステップS215)。情報処理装置200は、利用明細参照要求を送信したユーザー端末100bに対応する第2のユーザーが使用する第2の決済手段に関する利用明細情報を、利用明細DBから抽出し、ユーザー端末100bに送信する(ステップS216)。ユーザー端末100bは、受信した利用明細情報に基づいて、第2の決済手段の利用明細を操作表示部160に表示する(ステップS217)。第2の決済手段の利用明細は、たとえば、目的階層ごとに分かれて利用明細が表示される。これにより、第2のユーザーは、利用目的ごとの利用状況を把握することができ、お小遣い等の資金の管理をより明確かつ効率的に行うことができる。
【0103】
また、ユーザー端末100aにおいて、利用明細参照指示が受け付けられると(ステップS218)、ユーザー端末100aは、情報処理装置200に利用明細参照要求を送信する(ステップS219)。情報処理装置200は、利用明細参照要求を送信したユーザー端末100aに対応する第1のユーザーが子階層として登録した第2の決済手段に関する利用明細情報を、利用明細DBから抽出し、ユーザー端末100aに送信する(ステップS220)。ユーザー端末100aは、受信した利用明細情報に基づいて、第2の決済手段の利用明細を操作表示部160に表示する(ステップS221)。第2の決済手段の利用明細は、たとえば、目的階層ごとに分かれて利用明細が表示される。これにより、第1のユーザーは、登録した子階層に対応する第2の決済手段ごとの利用状況を容易に把握できると共に、各第2の決済手段について利用目的ごとの利用状況も把握することができる。
【0104】
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0105】
たとえば、上記の実施形態では、
図10のステップS205、S206に示すように、第2の決済手段が利用される際に、第1の決済手段の利用可否を都度確認する例について説明したが、これに限定されない。たとえば、子階層が登録される際、または所定の条件が更新される際等に、決済システム300に対して、第1の決済手段の利用可否を予め確認したり、第2の決済手段での利用が予定される金額の枠を事前に確保するように要求したりすることによって、ステップS205、S206の処理を行わないようにしてもよい。あるいは、第1の決済手段による決済を事前に行い、第2の決済手段のプリペイドバリューを事前にチャージしてストレージ240に記憶し、第2の決済手段が利用される際に、当該プリペイドバリューが使用されるようにしてもよい。
【0106】
また、上記の実施形態では、情報処理装置200において第2の決済手段が利用可能でないと判断された場合に、処理を終了させる例について説明したが、これに限定されない。たとえば、情報処理装置200は、第2の決済手段を利用可能でないと判断した場合に、その旨をユーザー端末100bに通知すると共に、第2のユーザーから、第1のユーザーに対する利用承認要求の送信指示を受け付けてもよい。この場合、情報処理装置200は、ユーザー端末100bから受信した利用承認要求を、第1のユーザーのユーザー端末100aに送信し、第1のユーザーからの承認を受け付ける。第1のユーザーからの承認が得られた場合、情報処理装置200は、第2の決済手段による決済の実行を許可する。
【0107】
また、情報処理装置200は、第1のユーザーからの指示に基づいて、子階層または目的階層を削除してもよい。たとえば、ユーザー端末100aにおいて、第1のユーザーから子階層または目的階層の削除に関する指示を受け付け、受け付けた指示を情報処理装置200に送信する。情報処理装置200は、受信した指示に基づいて、子階層または目的階層を削除する。
【0108】
また、情報処理装置200は、第1のユーザーからの指示に基づいて、子階層または目的階層の利用可否を制御してもよい。たとえば、ユーザー端末100aにおいて、第1のユーザーから子階層または目的階層の利用可否の設定に関する指示を受け付け、受け付けた指示を情報処理装置200に送信する。情報処理装置200は、受信した指示に基づいて、子階層または目的階層の利用可否を制御する。
【0109】
また、上記の実施形態では、第1のユーザーは親であり、第2のユーザーは子供である例について説明したが、これに限定されない。たとえば、第1のユーザーと第2のユーザーとは、兄弟等の親子以外の家族や親族の関係であってもよく、友人同士、または職場の同僚や上司と部下等の関係であってもよい。
【0110】
また、上記の実施形態では、第1の決済手段として、クレジットカードが使用され、第2の決済手段として、モバイル決済手段であるコード決済が使用される例について説明したが、これに限定されない。たとえば、第1の決済手段は、クレジットカード以外であってもよく、銀行口座、デビットカード、プリペイドカード等の他のいかなる決済手段でもよい。また、第2の決済手段は、コード決済以外であってもよく、接触ICカード、非接触ICカード、磁気カード、各種ID決済等の他のいかなる決済手段でもよい。
【0111】
また、上記の実施形態では、コード決済の方式について、ユーザー端末100bに表示されたバーコード等を、店舗システム400の読取部470によって読み取って、店舗システム400から情報処理装置200に取引情報を送信する例について説明したが、これに限定されない。たとえば、店舗システム400の操作表示部460に表示された店舗の識別情報を示すバーコード等をユーザー端末100bのカメラ等で撮影して読み取ると共に、ユーザー端末100bにおいて取引金額等の入力を受け付けて、ユーザー端末100bから情報処理装置200に取引情報を送信してもよい。この場合、ユーザー端末100bの位置情報や各種センサー情報、認証情報等を情報処理装置200に容易に送信することができ、情報処理装置200において所定の条件の充足判断や第2の決済手段の利用状況の把握等に活用することができる。
【0112】
また、決済情報処理システムが有するユーザー端末100、情報処理装置200、決済システム300および店舗システム400の各構成は、それぞれ上記の構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0113】
また、各構成が有する機能は、他の構成によって実現されてもよい。たとえば、店舗システム400が有するものとして説明した機能の一部を、ユーザー端末100、情報処理装置200、または決済システム300が実行するようにしてもよい。あるいは、情報処理装置200が有するものとして説明した機能の一部を、ユーザー端末100等の他の構成が実行するようにしてもよい。
【0114】
また、ユーザー端末100、情報処理装置200、決済システム300および店舗システム400は、それぞれ複数の装置によって構成されてもよく、あるいは単一の装置によって構成されてもよい。
【0115】
また、上述した実施形態に係る決済情報処理システムにおける処理は、上記のフローチャートまたはシーケンスチャートのステップ以外のステップを含んでもよく、あるいは、上述したステップのうちの一部を含まなくてもよい。また、ステップの順序は、上述した実施形態に限定されない。さらに、各ステップは、他のステップと組み合わされて一つのステップとして実行されてもよく、他のステップに含まれて実行されてもよく、複数のステップに分割されて実行されてもよい。
【0116】
また、上述したフローチャートまたはシーケンスチャートは、一部のステップを省略してもよく、他のステップが追加されてもよい。また各ステップの一部は同時に実行されてもよく、一つのステップが複数のステップに分割されて実行されてもよい。
【0117】
以上のように、本実施形態の情報処理装置200によれば、第1のユーザーによって取引の決済に使用される第1の決済手段に対応する親階層を登録し、第1のユーザーからの指示に基づいて、親階層に関連付けて、第2のユーザーによって取引の決済に使用される第2の決済手段に対応する少なくとも1つの子階層を登録し、子階層に関連付けて、第2の決済手段を利用した決済の目的毎に設定される少なくとも1つの目的階層を登録する。そして、情報処理装置200は、第1のユーザーからの指示に基づいて、目的階層に関連付けて、第2の決済手段を利用する際の所定の条件を設定し、第2の決済手段が第2のユーザーによって取引の決済に利用される際に、当該取引の内容を示す取引情報を取得し、取引情報が、目的階層に関連付けて設定された所定の条件を満たすか否かを判断する。所定の条件が満たされると判断された場合、情報処理装置200は、当該所定の条件が関連付けられた目的階層を適用して第2の決済手段を利用可能であると判断し、所定の条件が満たされないと判断された場合、第2の決済手段を利用可能でないと判断する。第2の決済手段が利用可能であると判断された場合、情報処理装置200は、所定の条件が満たされると判断された目的階層を適用して第2の決済手段による決済の実行を許可する。これにより、第1のユーザーは、利用目的を柔軟に設定して利用できる決済手段を、容易に作成して、第2のユーザーに提供することができる。すなわち、第1のユーザーは、予め設定した様々な目的に合致する取引にのみ使用可能な決済手段を、手軽に作成して第2のユーザーに提供することができる。また、決済システム300を運営する決済事業者にとっても、自社のシステムを改修することなく、第1のユーザーが家族等に付与する目的ごとの決済手段を提供できるため、サービスの利便性向上を図ることができる。
【0118】
また、情報処理装置200は、第2の決済手段が第2のユーザーによって利用される際に、取引情報に基づいて、当該第2の決済手段に対応する第1の決済手段の利用可否をさらに判断し、当該第1の決済手段が利用可能であると判断された場合に、当該第2の決済手段を利用可能であると判断する。これにより、第2の決済手段が利用される都度、対応する第1の決済手段の利用可否が確認されて利用される。したがって、第2の決済手段に予めプリペイドバリュー等をチャージしておく必要がなく、必要な場合にのみ第1の決済手段を利用して第2の決済手段を利用させることができる。第2の決済手段に予めプリペイドバリュー等をチャージしておく必要がないため、第2の決済手段の利用のコントロールが容易であると共に、第2の決済手段を発行および管理する事業者にかかるプリペイドバリューを管理するための負担も軽減される。
【0119】
また、情報処理装置200は、第2の決済手段を利用可能でないと判断した場合に、第2のユーザーからの指示に基づいて、第1のユーザーに対して、第2の決済手段の利用に関する承認を要求し、第1のユーザーからの承認が得られた場合に、第2の決済手段による決済の実行を許可する。これにより、たとえば、第2のユーザーが急なトラブル等により金銭が必要になった場合や、お小遣いを渡し忘れた場合等に、状況に応じて柔軟に第2の決済手段を利用させることができる。
【0120】
また、情報処理装置200は、複数の目的階層が登録されている場合、適用する各目的階層の優先度の設定を受け付け可能であり、第2の決済手段が第2のユーザーによって利用される際に、優先度に基づいて、適用する目的階層を決定する。これにより、第1のユーザーは予め目的毎の優先度を設定して第2のユーザーに第2の決済手段を利用させることができる。
【0121】
また、情報処理装置200は、複数の目的階層が登録されている場合、第2の決済手段が第2のユーザーによって利用される際に、第2のユーザーから、適用する目的階層の選択を受け付け、受け付けた選択に基づいて適用する目的階層を決定する。これにより、第2のユーザーは第2の決済手段を利用する際に自らの意思で適切な目的を選択することができる。
【0122】
また、情報処理装置200は、複数の目的階層が登録されている場合、第2の決済手段が第2のユーザーによって利用された後に、第1のユーザーまたは第2のユーザーから、適用する目的階層の選択を受け付け、受け付けた選択に基づいて適用する目的階層を決定する。これにより、第1のユーザーまたは第2のユーザーは第2の決済手段が利用された後に適切な目的を選択することができ、利用目的を柔軟に調整することができる。
【0123】
また、情報処理装置200は、複数の目的階層が登録されている場合、取引情報の内容と、各目的階層に設定された目的および所定の条件とに基づいて、適用する目的階層を決定する。これにより、利用目的が自動的に判断されるため、利用目的を選択する手間が省けると共に、客観的な判断基準により適切な利用目的を選択することができる。たとえば、第2のユーザーが利用目的を偽って申請することを防止することもできる。
【0124】
また、情報処理装置200は、第2の決済手段を利用した決済の実行が許可された場合、第1のユーザーおよび第2のユーザーに通知する通知部をさらに有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の決済情報処理装置。これにより、第1のユーザーおよび第2のユーザーは、第2の決済手段が使われたことを即座に把握できるため、安心、安全に第2の決済手段を付与、保持、または利用することができる。
【0125】
また、情報処理装置200は、第2の決済手段を利用した決済の履歴を、第1のユーザーおよび第2のユーザーが閲覧するために出力する。これにより、第1のユーザーおよび第2のユーザーは、第2の決済手段がいつどこでどのように使われたかを把握および管理できる。これにより、たとえば第2の決済手段を利用する第2のユーザーが子供である場合、労力をかけてお小遣い帳等を作成することなく自己の資金を把握、管理できるようになり、また、第1のユーザーである親と決済の履歴を共有して振り返りや今後の計画について会話したりすることができるため、早期にマネーリテラシーを身に付けることが可能となる。
【0126】
また、情報処理装置200は、第1のユーザーからの指示に基づいて、目的階層に関連付けられる所定の条件を、予め設定される所定の更新タイミングにおいて更新する。これにより、たとえば、予め設定される所定のタイミングでお小遣い等の利用可能金額を更新することができるため、お小遣いなどを渡し忘れてしまったり、渡し忘れたお小遣いを催促したりすることによる手間やトラブル、心理的負担等を低減することができる。
【0127】
また、情報処理装置200は、第1のユーザーからの指示に基づいて、子階層および目的階層のうちの少なくとも一つを削除する。これにより、第1のユーザーは任意のタイミングで子階層または目的階層を削除することができ、たとえば、第2の決済手段が盗難された場合や不正に利用された場合等に、第2の決済手段の利用を迅速に停止できる。
【0128】
また、情報処理装置200は、第1のユーザーからの指示に基づいて、子階層および目的階層のうちの少なくとも一つの利用可否を制御する。これにより、第1のユーザーは任意のタイミングで子階層または目的階層の利用可否を制御することができ、たとえば、第2の決済手段が盗難された場合や不正に利用された場合等に、第2の決済手段の利用を迅速に停止できる。
【0129】
また、情報処理装置200は、目的階層に関連付けて設定される所定の条件として、利用金額に関する条件を設定可能である。これにより、必要に応じて所望の金額を第2の決済手段に付与することができる。
【0130】
また、情報処理装置200は、目的階層に関連付けて設定される所定の条件として、利用期間に関する条件を設定可能である。これにより、必要に応じて所望の利用期間を第2の決済手段に設定することができる。たとえば、遠足の日だけ利用可能なお小遣い等を目的に応じて柔軟に付与することができる。
【0131】
また、情報処理装置200は、目的階層に関連付けて設定される所定の条件として、対面での取引または非対面での取引のいずれかを設定可能である。これにより、第2の決済手段を利用可能な取引形態を適切に制限することができる。
【0132】
また、情報処理装置200は、目的階層に関連付けて設定される所定の条件として、国内での取引または外国での取引のいずれかを設定可能である。これにより、第2の決済手段を利用可能な国や地域を適切に制限することができる。
【0133】
また、情報処理装置200は、目的階層に関連付けて設定される所定の条件として、利用店舗または利用業種に関する条件を設定可能である。これにより、第2の決済手段を利用可能な店舗や業種を適切に制限することができる。
【0134】
また、情報処理装置200は、目的階層に関連付けて設定される所定の条件として、利用するユーザーの位置に関する条件を設定可能である。これにより、第2の決済手段を利用可能な位置や範囲を適切に制限することができる。
【0135】
また、情報処理装置200は、目的階層に関連付けて設定される所定の条件として、利用回数に関する条件を設定可能である。これにより、第2の決済手段の利用回数を適切に制限することができる。
【0136】
なお、情報処理装置200は、上記の項目以外にも、決済手段承認要求(いわゆる決済電文)に含まれる任意の情報や、決済に付随してユーザー端末等から送信される任意の情報を所定の条件として設定して、第2の決済手段の利用を制御することができる。
【0137】
上述した実施形態に係る決済情報処理システムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD−ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、決済情報処理システムの一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【解決手段】情報処理装置200は、第1の決済手段に対応する親階層を登録し、親階層に関連付けて、第2の決済手段に対応する子階層を登録し、子階層に関連付けて、第2の決済手段を利用した決済の目的毎に設定される少なくとも1つの目的階層を登録し、目的階層に関連付けて、第2の決済手段を利用する際の所定の条件を設定し、第2の決済手段が取引の決済に利用される際に、当該取引の取引情報が、目的階層に関連付けて設定された所定の条件を満たすか否かを判断する。所定の条件が満たされると判断された場合、情報処理装置は、当該所定の条件が関連付けられた目的階層を適用して第2の決済手段を利用可能であると判断し、所定の条件が満たされないと判断された場合、第2の決済手段を利用可能でないと判断する。