特許第6782461号(P6782461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6782461
(24)【登録日】2020年10月22日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】非水電解質二次電池用負極活物質
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/587 20100101AFI20201102BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
   H01M4/587
   H01M4/36 C
   H01M4/36 A
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-508909(P2018-508909)
(86)(22)【出願日】2017年3月9日
(86)【国際出願番号】JP2017009415
(87)【国際公開番号】WO2017169616
(87)【国際公開日】20171005
【審査請求日】2019年2月15日
(31)【優先権主張番号】特願2016-70270(P2016-70270)
(32)【優先日】2016年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】特許業務法人河崎・橋本特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 浩友紀
(72)【発明者】
【氏名】川田 浩史
(72)【発明者】
【氏名】福井 厚史
【審査官】 磯部 香
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−059492(JP,A)
【文献】 特開2013−008526(JP,A)
【文献】 特開2008−027581(JP,A)
【文献】 特開2002−373643(JP,A)
【文献】 特開2014−241282(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/115068(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0057173(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/105009(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/587
H01M 4/36
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の一次粒子が互いに結合した二次粒子を含み、
前記一次粒子は、炭素材料粒子と、前記炭素材料粒子の表面を被覆するリチウムイオン伝導性を有する固体電解質と、を含み、
複数の前記炭素材料粒子が前記固体電解質を介して相互に結合して、前記二次粒子が構成されており、
前記固体電解質は、LiPO、LiSiO、および、LiBOよりなる群から選択された少なくとも1種のリチウム化合物を含み、
前記炭素材料粒子と前記リチウム化合物との界面に、P−C結合、Si−C結合、およびB−C結合の少なくとも1つを含む化合物が形成されている、非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項2】
前記リチウム化合物が、少なくともLiSiOを含む、請求項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項3】
前記炭素材料粒子が、黒鉛およびハードカーボンよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項4】
前記炭素材料粒子の平均粒径が、0.5μm〜5μmである、請求項1〜のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項5】
前記炭素材料粒子の少なくとも一部が、微小粒子の凝集体である、請求項1〜のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項6】
前記二次粒子の断面写真の二値化処理像において、前記二次粒子内の空隙領域をSsp、それ以外の前記一次粒子で占められる領域をSenとするとき、
P=100×Ssp/(Ssp+Sen)により算出される空隙率Pが、0≦P<50を満たす、請求項1〜のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項7】
前記二次粒子の平均粒径が、10μm〜25μmである、請求項1〜のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項8】
前記二次粒子において、前記固体電解質は、前記炭素材料粒子100質量部に対して1〜300質量部の割合で含まれている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素材料粒子を含む非水電解質二次電池用負極活物質の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池に代表される非水電解質二次電池の負極活物質には、様々な炭素材料が用いられている。中でも、黒鉛が主流であり、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化メソフェーズカーボン粒子などが用いられている。
【0003】
炭素材料の表面では、充放電に伴って、非水溶媒とリチウム塩を含む非水電解質の一部が不可逆的に反応する。このとき、炭素材料粒子の表面を被覆するように固体電解質界面(SEI)が生成する。通常は、組み立て直後の非水電解質二次電池を充電する際に、最も多くのSEIが生成する。SEIには、リチウムイオンが取り込まれるため、SEIの生成量が多いほど、不可逆容量が多くなり、電池容量は低下する。
【0004】
そこで、SEIの生成を抑制する観点から、炭素を主とする負極材料の表面をLixSiyz(100y/(x+y)=10〜80)で表されるリチウム化合物で被覆することが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−67865号公報
【発明の概要】
【0006】
特許文献1では、具体的には、炭素材料とリチウム化合物と結着剤とを混合してペースト化し、ペーストを負極集電体に塗布して乾燥させることにより負極が作製されている。この作製方法では、リチウム化合物と炭素材料との密着性は小さく、リチウム化合物は炭素材料から容易に剥離する。このような剥離は、充放電に伴う炭素材料の体積変化により促される。中でも黒鉛は、リチウムイオンの吸蔵により10〜20%も膨張するため、剥離が顕著に生じる。
【0007】
上記に鑑み、本開示の一局面の非水電解質二次電池用負極活物質は、複数の一次粒子が互いに結合して形成された二次粒子を含み、一次粒子は、炭素材料粒子と、炭素材料粒子の表面を被覆するリチウムイオン伝導性を有する固体電解質と、を含む。複数の前記炭素材料粒子が固体電解質を介して相互に結合して、二次粒子が構成されている。固体電解質は、LiPO、LiSiO、および、LiBOよりなる群から選択された少なくとも1種のリチウム化合物を含み、炭素材料粒子とリチウム化合物との界面に、P−C結合、Si−C結合、およびB−C結合の少なくとも1つを含む化合物が形成されている。
【0008】
本開示の非水電解質二次電池用負極活物質によれば、炭素材料粒子からの固体電解質の剥離が抑制されるため、SEIの生成量が低減し、電池容量の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の一部を切り欠いた斜視図である。
図2図2は、2θ=34.36°にSi−C結合に帰属されるピークを有するSi−C結合を有する二次粒子の粉末X線回折スペクトルを示す図である。
図3A図3Aは、二次粒子(負極活物質)の断面のSEM写真を示す図である。
図3B図3Bは、二次粒子(負極活物質)の断面のSEM−EDX写真を示す図である。
図3C図3Cは、二次粒子(負極活物質)の断面のSEM−EDX写真において、炭素原子に由来する成分を白く表示している図である。
図3D図3Dは、二次粒子(負極活物質)の断面のSEM−EDX写真において、リン原子に由来する成分を白く表示している図である。
図3E図3Eは、二次粒子(負極活物質)の断面のSEM−EDX写真において、酸素原子に由来する成分を白く表示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質は、複数の一次粒子が互いに結合した二次粒子で構成されている。また、各々の一次粒子は、炭素材料粒子と、炭素材料粒子の表面を被覆するリチウムイオン伝導性を有する固体電解質とで構成されている。すなわち、炭素材料を含む一次粒子が複数集合して固体電解質を介して互いに結合し、二次粒子を形成している。このような二次粒子では、炭素材料粒子と固体電解質との結合が強く、炭素材料粒子からの固体電解質の剥離が抑制される。特に、互いに結合する一次粒子間に介在する固体電解質の剥離は生じにくい。また、充放電に伴う二次粒子の体積変化は、二次粒子を構成する複数の一次粒子に分散される。よって、充放電に伴って炭素材料粒子の体積が変化した場合でも、炭素材料粒子からの固体電解質の剥離が生じにくい。
【0011】
一次粒子を構成する炭素材料は、通常、金属リチウムに対して1V以下の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する。この電位領域では、炭素材料粒子の表面で非水電解質の構成要素の還元分解が進行しやすく、SEIが生成し易い。ただし、炭素材料粒子の表面を固体電解質で被覆する場合には、炭素材料粒子と非水電解質との接触が抑制されるため、SEIの生成も抑制される。
【0012】
炭素材料粒子の表面を被覆する固体電解質の厚さは、炭素材料粒子と非水電解質との接触を抑制できる厚さであればよい。固体電解質は、必要十分量で炭素材料粒子を被覆する均質な層を形成していることが望ましい。そのためには、固体電解質の厚さが、炭素材料粒子の平均粒径よりも小さいことが望ましく、例えば0.1μm以下が好ましく、0.01μm(10nm)以下がより好ましい。ただし、固体電解質の厚さが過度に小さくなると、例えばトンネル効果による電子移動が進行し、非水電解質の還元分解が進行する場合がある。電子移動を抑制するとともにリチウムイオンをスムーズに移動させる観点から、固体電解質の厚さは0.5nm以上が好ましい。
【0013】
ここで、炭素材料粒子の表面が完全に固体電解質で被覆されている必要はない。通常は、炭素材料粒子の表面の多くの領域が固体電解質で被覆されずに露出している。このような領域では、SEIが生成される。適度なSEIの生成により、炭素材料粒子へのリチウムイオンの出入りが良好に進行するようになる。
【0014】
固体電解質のリチウムイオン伝導性は、炭素材料粒子の近傍に存在するリチウムイオンが炭素材料粒子に出入りできる程度であればよく、高度なリチウムイオン伝導性までは要求されない。例えば1.0×10-9S/cm以上のリチウムイオン伝導率を有する材料であればよいが、1.0×10-8S/cm以上が好ましい。一方、非水電解質の還元分解を極力抑制する観点から、固体電解質の電子伝導性は小さいことが望ましく、電子伝導率は1.0×10-2S/cmより小さいことが望ましい。
【0015】
固体電解質としては、リチウムイオン伝導性に優れる点で、リチウム化合物が好ましい。リチウムイオン伝導性を有するリチウム化合物としては、Li2Sなどの硫化物、ポリアニオン化合物などが挙げられるが、中でも、元素Mと元素Aを含むポリアニオンのリチウム塩が、より安定性に優れる点で好ましい。ここで、Mは、P、Si、B、V、Nb、W、Ti、Zr、Al、Ba、LaおよびTaよりなる群から選択された少なくとも1種であり、Aは、F、S、O、NおよびBrよりなる群から選択された少なくとも1種である。Mの中では、P、SiおよびBよりなる群から選択された少なくとも1種が安価である点で特に好ましい。
【0016】
ポリアニオンとは、例えば一般式:[Myzx-で表される分子状のイオン種をいう。一般式:Lixyzで表される元素Mと元素Aを含むポリアニオンのリチウム塩は、イオン結合性を有するA−Li結合(例えばO−Li結合)を含み、Aサイトをリチウムイオンがホッピングすることでリチウムイオン伝導性を発現する。中でも、リチウム化合物は、ポリオキシメタレート化合物であることが、安定性の点で好ましい。なお、xの範囲は、例えば0<x≦0.8であり、0.22≦x≦0.44が好ましい。
【0017】
ポリオキシメタレート化合物としては、Li3PO4、Li4SiO4、Li2Si25、Li2SiO3、Li3BO3、Li3VO4、Li3NbO4、LiZr2(PO4)、LiTaO3、Li4Ti5O12、Li7La3Zr212、Li5La3Ta212、Li0.35La0.55TiO3、Li9SiAlO8、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO43などを、1種または任意の組み合わせで用いることができる。中でも、リチウムイオン伝導性に優れる点で、Li3PO4、Li4SiO4、Li2Si25、Li2SiO3、Li3BO3、Li3VO4およびLi3NbO4よりなる群から選択された少なくとも1種を用いることが好ましい。また、Li4SiO4、Li2Si25およびLi2SiO3は、ケイ素を含む合金系活物質(ケイ素酸化物、ケイ素合金など)との相性がよいため、炭素材料と合金系活物質を併用する場合にも使用に適している。特にLi4SiO4は、ガス発生を伴う副反応を生じにくく、安定であり、かつ比較的安価である点でも好ましい。リチウム含有量が多いLi4SiO4は、リチウムイオンを取り込む副反応を生じにくいものと考えられる。よって、ポリオキシメタレート化合物は、少なくともLi4SiO4を含むことが好ましい。
【0018】
炭素材料粒子とリチウム化合物との結合が強固である場合、炭素材料粒子とリチウム化合物との界面にM−C結合を含む化合物が形成される。M−C結合とは、炭素材料粒子の表面の炭素原子(C)とリチウム化合物に由来する原子Mとの結合である。M−C結合の存在は、二次粒子の粉末X線回折スペクトルを測定することにより確認することができる。例えば、Li4SiO4のようなポリオキシシリケートの場合、Si−C結合が形成されている場合には、2θ=34.3°〜34.4°付近にSi−C結合に帰属されるピークが観測される。このことは、複数の炭素材料粒子が固体電解質を介して相互に強固に結合して二次粒子を構成していることを裏付けているといえる。
【0019】
二次粒子は、複数の一次粒子が互いに結合して構成されているため、一次粒子間には空隙が形成される。二次粒子内の空隙は、非水電解質の浸透を促すため、炭素材料粒子が固体電解質で被覆されているにもかかわらず、リチウムイオンは炭素材料粒子に対して迅速に出入りすることができる。
【0020】
一方、負極の容量を大きくする観点からは、二次粒子内の空隙率が過度に大きくないことが望ましい。この点、M−C結合が形成される程度に複数の一次粒子が互いに強固に結合されている場合には、各々の二次粒子は引き締まった状態であり、二次粒子内の空隙率が過度に大きくなることはない。なお、二次粒子内の空隙率(P(%))は、二次粒子の断面写真を測定し、断面写真を二値化処理し、二次粒子内の空隙領域Sspと、それ以外の一次粒子で占められる領域Senとを区別して、P=100×Ssp/(Ssp+Sen)により算出することができる。このような方法で測定される二次粒子内の空隙率Pは、後述の負極合剤層の空隙率との整合性を考慮すると、例えば0〜50%(0≦P<50)である。
【0021】
同様に負極の容量を大きくする観点からは、二次粒子内に占める炭素材料粒子に対する固体電解質の含有割合をできるだけ小さくすることが望ましい。また、炭素材料粒子へのリチウムイオンの出入りを容易にする観点からも、できるだけ薄くて均質な固体電解質の層で炭素材料粒子を被覆することが望ましい。以上より、二次粒子内に含まれる固体電解質の量は、炭素材料粒子100質量部に対して、1〜300質量部が好ましく、1〜100質量部がより好ましく、1〜20質量部もしくは1〜10質量部が更に好ましい。
【0022】
負極活物質は、例えば、結着剤と混合された後、塗膜(負極合剤層)、ペレットなどの所定形状に成形される。中でも、高容量かつ高出力な電池を製造する場合、シート状の負極集電体の表面に薄い負極合剤層を担持した負極が用いられる。このような負極合剤層への負極活物質の充填性を高める観点から、負極活物質を構成する二次粒子の平均粒径(D50)は、負極合剤層の厚さに対して、十分に小さいことが望ましい。二次粒子の平均粒径(D50)は、例えば5〜30μmが好ましく、10〜25μmがより好ましい。なお、平均粒径(D50)とは、体積基準の粒度分布における累積体積が50%となるメジアン径を意味する。平均粒径は、例えばレーザ回折/散乱式の粒度分布測定装置を用いて測定される。
【0023】
一次粒子を構成する炭素材料粒子の平均粒径(D50)は、例えば0.5〜25μmが好ましく、0.5〜5μmが好ましい。これにより、上記のような適度な大きさの二次粒子を形成することが容易になる。また、充放電による炭素材料粒子の体積変化による応力を分散させやすくなる。更に、充放電反応を進行させる負極活物質の表面積を大きくすることもできる。通常は炭素材料粒子の平均粒径が小さくなると、SEIの生成を伴う副反応が進行し易くなるが、固体電解質で炭素材料粒子の表面を被覆する場合には、そのような副反応の影響は顕著に低減される。なお、一次粒子を構成する炭素材料粒子は、単独の粒子であってもよく、複数の微小粒子の凝集体であってもよい。微小粒子とは、例えば個々の一次粒子を構成する炭素材料粒子の50%以下の粒径を有する粒子である。
【0024】
二次粒子を構成する一次粒子数は、特に限定されないが、例えば2〜50万個であればよく、10〜1000個もしくは50〜300個が好ましい。二次粒子を構成する一次粒子数は、任意に10個の二次粒子を選択し、各二次粒子に含まれる一次粒子数を数え、得られた数値から10個の二次粒子の平均値として算出すればよい。
【0025】
炭素材料粒子を構成する炭素材料は、特に限定されないが、例えば、黒鉛およびハードカーボンよりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。中でも、黒鉛は、高容量で不可逆容量が小さく、有望である。また、黒鉛は、非水電解質の還元分解に対する活性が高いため、その表面を固体電解質で被覆することによる効果も顕著となる。
【0026】
黒鉛とは、黒鉛構造を有する炭素材料の総称であり、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛、黒鉛化メソフェーズカーボン粒子などが含まれる。天然黒鉛としては、鱗片状黒鉛、土状黒鉛などが例示できる。通常、X線回折スペクトルから計算される黒鉛構造の002面の面間隔d002が3.35〜3.44オングストロームである炭素材料は黒鉛に分類される。一方、ハードカーボンは、微小な黒鉛の結晶がランダム方向に配置され、それ以上の黒鉛化がほとんど進行しない炭素材料であり、002面の面間隔d002は3.44オングストロームより大きい。
【0027】
なお、二次粒子内には、導電剤や非炭素系の活物質が含まれてもよい。導電剤としては、アセチレンブラックもしくはケッチェンブラックが好ましい。非炭素系の活物質としては、ケイ素や錫を含む活物質が好ましく、例えばケイ素単体やケイ素化合物が好ましい。ケイ素化合物としては、ケイ素酸化物やケイ素合金が挙げられる。
【0028】
次に、負極活物質の製造方法について例示的に説明する。
【0029】
負極活物質の製造方法は、炭素材料粒子を準備する工程と、固体電解質を準備する工程と、炭素材料粒子と固体電解質から二次粒子を生成させる工程と、を具備する。
【0030】
(i)炭素材料粒子を準備する工程
既に述べたように、一次粒子を構成する炭素材料粒子は、例えば0.5〜25μmの平均粒径を有することが好ましい。一方、市販されている黒鉛、ハードカーボンなどの炭素材料(以下、原料炭素)の平均粒径は、通常、一次粒子を構成する炭素材料粒子に適する平均粒径よりも大きい。そのような場合には、所望の平均粒径よりも大きい平均粒径を有する原料炭素を加工して、所望の平均粒径を有する炭素材料粒子を調製すればよい。原料炭素の加工方法としては、例えば粉砕装置による粉砕が挙げられる。メッシュや篩を通して、炭素材料粒子の平均粒径を制御してもよい。
【0031】
(ii)固体電解質を準備する工程
炭素材料粒子の表面を固体電解質で被覆するには、まず、炭素材料粒子よりも粒径の小さい粉末状の固体電解質を炭素材料粒子の表面に付着させることが望ましい。既に述べたように、固体電解質は、例えば0.1μm以下の厚さで炭素材料粒子の表面を被覆していることが好ましい。よって、炭素材料粒子の表面に付着させる固体電解質は、平均粒径(D50)が0.1μm以下の粉末状であることが望ましい。粉末状の固体電解質の平均粒径の制御は、炭素材料粒子の場合と同様に、攪拌、粉砕、篩いなどの操作により行えばよい。
【0032】
(iii)二次粒子を生成させる工程
まず、粉末状の固体電解質を炭素材料粒子の表面に付着させる。その方法は特に限定されないが、例えば炭素材料粒子と粉末状の固体電解質とを攪拌装置などを用いて混合する。固体電解質には、リチウム化合物を用いることが好ましい。例えば、平均粒径0.5〜25μmの炭素材料粒子(例えば黒鉛)100質量部に対して、平均粒径0.1μm以下の1〜300質量部のリチウム化合物を混合する。このとき、予め炭素材料の微小粒子を複数含む凝集体を形成し、凝集体の表面に固体電解質を付着させてもよい。その場合、凝集体の平均粒径は0.5〜25μmに制御することが望ましい。
【0033】
気相法または液相法により、粉末状の固体電解質を炭素材料粒子の表面に付着させてもよい。気相法または液相法では、炭素材料粒子の表面を固体電解質でダイレクトに被覆することができる。気相法としては、例えば物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、原子層堆積法(ALD)などが挙げられる。液相法としては、析出法、ゾル−ゲル法などが挙げられる。ここで、析出法とは、炭素材料粒子が分散している液体中で固体電解質の沈殿を生成させ、炭素材料粒子の表面に沈殿を付着させる方法である。
【0034】
次に、炭素材料粒子と固体電解質との密着性を高める観点から、固体電解質が表面に付着した炭素材料粒子(炭素材料粒子と固体電解質との混合物)を加熱することが好ましい。このとき、混合物を固体電解質の融点以上の温度で加熱したり、混合物に圧力をかけながら加熱したりすることにより、炭素材料粒子と固体電解質との密着性を更に高めることができる。また、加熱条件を制御することで、炭素材料粒子とリチウム化合物との間にM−C結合を形成することができる。よって、炭素材料粒子から固体電解質が剥離する可能性が更に小さくなる。また、混合物を固体電解質の融点以上の温度で加熱すると、一次粒子間の結合が強固となり、二次粒子の強度が高められる。
【0035】
圧力をかける処理方法として例えばHIP法(Hot Isostatic Pressing:熱間等方圧加圧加工)が挙げられる。混合物に圧力をかけながら加熱する場合には、圧力をかけない場合よりも加熱温度を低くしてもよい。
【0036】
混合物の加熱は、回転炉もしくは流動層を有する加熱装置で、混合物を攪拌しながら行うことが望ましい。加熱雰囲気は、不活性ガス雰囲気が好ましい。不活性ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、窒素などを用いることができる。
【0037】
固体電解質がLi3PO4(融点873℃)の場合には900〜1000℃で加熱することが好ましく、Li4SiO4(融点1255℃)の場合には1200〜1300℃で加熱することが好ましく、Li2Si25(融点1033℃)の場合には1050〜1150℃で加熱することが好ましく、Li2SiO3(融点1201℃)の場合には1250〜1350℃で加熱することが好ましい。
【0038】
加熱後の生成物が、二次粒子の凝集体を含む場合には、生成物を適度に粉砕すればよい。このとき、二次粒子の平均粒径は、例えば5〜30μmになるように制御される。なお、凝集体とは、弱い分子間力などで二次粒子が集合した状態であり、二次粒子を構成する一次粒子同士の結合とは異なる。
【0039】
次に、負極の一例について説明する。ここでは、捲回型電極群または積層型電極群を構成するシート状の負極について説明する。
【0040】
シート状の負極は、シート状の負極集電体と、負極集電体の表面に担持された負極合剤層とを具備する。負極合剤層の厚さは、例えば10〜100μmである。負極合剤層は、負極集電体の一方の表面に形成してもよく、両方の表面に形成してもよい。
【0041】
負極集電体としては、金属箔、金属シート、メッシュ体、パンチングシート、エキスパンドメタルなどが例示できる。負極集電体の材料には、ステンレス鋼、ニッケル、銅、銅合金などを用いることができる。負極集電体の厚さは、例えば3〜50μmの範囲から選択できる。
【0042】
負極合剤層は、負極活物質(上記二次粒子)と結着剤とを含む。結着剤の量は、負極活物質100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。
【0043】
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(HFP)などのフッ素樹脂;ポリアクリル酸メチル、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体などのアクリル樹脂;スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴムなどのゴム状材料が例示できる。
【0044】
負極合剤層を形成する際には、まず、負極活物質と結着剤とを分散媒とともに混合して負極合剤スラリーが調製される。負極合剤スラリーは、必要に応じて、更に、増粘剤、導電剤などの任意成分を含んでもよい。負極合剤スラリーを負極集電体の表面に塗布し、乾燥後、圧延することにより、負極合剤層が形成される。
【0045】
分散媒としては、水、エタノールなどのアルコール、テトラヒドロフランなどのエーテル、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが用いられる。分散媒として水を用いる場合には、増粘剤として水溶性高分子が用いられる。水溶性高分子としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが例示できる。導電剤としては、カーボンブラック、炭素繊維などが用いられる。
【0046】
次に、非水電解質二次電池について説明する。
【0047】
それぞれシート状の正極と負極とをセパレータを介して交互に積層すれば積層型電極群が得られる。長尺シート状の負極と長尺シート状の正極とを、これらの間にセパレータを介して捲回すれば、捲回型電極群が得られる。電極群は、非水電解質とともに電池ケース内に収容される。
【0048】
以下、角型の捲回型電池を例にとって、負極以外の各構成要素について、詳細に説明する。ただし、非水電解質二次電池のタイプ、形状等は、特に限定されない。
【0049】
図1は、本発明の一実施形態に係る角型の非水電解質二次電池を模式的に示す斜視図である。図1では、非水電解質二次電池1の要部の構成を示すために、その一部を切り欠いて示している。角型電池ケース11内には、扁平状の捲回型電極群10および非水電解質(図示せず)が収容されている。
【0050】
電極群10に含まれる正極の正極集電体には、正極リード14の一端部が接続されている。正極リード14の他端部は、正極端子として機能する封口板12と接続されている。一方、負極集電体には、負極リード15の一端部が接続され、負極リード15の他端部は、封口板12の概ね中央に設けられた負極端子13と接続されている。封口板12と負極端子13との間には、ガスケット16が配置され、両者を絶縁している。封口板12と電極群10との間には、絶縁性材料で形成された枠体18が配置され、負極リード15と封口板12とを絶縁している。封口板12は、角型電池ケース11の開口端に接合され、角型電池ケース11を封口している。封口板12には、注液孔17aが形成されており、注液孔17aから非水電解質が角型電池ケース11内に注液される。その後、注液孔17aは封栓17により塞がれる。
【0051】
(正極)
正極は、負極と同様にシート状である。シート状の正極は、シート状の正極集電体と、正極集電体の表面に担持された正極合剤層とを具備する。正極集電体としても、金属箔、金属シートなどが例示できる。正極集電体の材料には、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタンなどを用いることができる。正極合剤層は、正極活物質、結着剤および分散媒を含む正極合剤スラリーを用いて、負極合剤層の製造に準じた方法で形成できる。正極合剤層は、必要に応じて、導電剤などの任意成分を含んでもよい。
【0052】
正極活物質としては、リチウム含有複合酸化物が好ましい。遷移金属元素としては、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Crなどを挙げることができる。中でも、Mn、Co、Niなどが好ましい。リチウム含有複合酸化物の具体例としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24などが挙げられるが、特に限定されない。
【0053】
(セパレータ)
セパレータとしては、樹脂製の微多孔フィルム、不織布、織布などが用いられる。樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリアミドイミドなどが用いられる。
【0054】
(非水電解質)
非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解する溶質とを含む。溶質には様々なリチウム塩が用いられる。非水電解質中のリチウム塩の濃度は、例えば0.5〜1.5mol/Lである。
【0055】
非水溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などの環状炭酸エステル;ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)などの鎖状炭酸エステル;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状カルボン酸エステルなどが例示できる。非水溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0056】
リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(SO2F)2、LiN(SO2CF32などが挙げられる。リチウム塩は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0057】
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0058】
《実施例1〜5》
下記の手順により、金属リチウムを対極とするコイン形セルを作製した。
【0059】
(1)負極の作製
天然黒鉛粒子(平均粒径(D50)20μm)をジェットミルにより粉砕して、平均粒径3.9μmの炭素材料粒子を調製した。
【0060】
次に、炭素材料粒子100質量部に対し、固体電解質として表1に示す量(X質量)のLi4SiO4(平均粒径0.1μm、融点1255℃)を添加して、均質な混合物が得られるまで攪拌した。
【0061】
次に、アルゴン雰囲気中で攪拌を継続しながら混合物を1300℃で1時間加熱し、二次粒子の生成を促した。その後、生成物を適度に粉砕して、平均粒径25μmの二次粒子(負極活物質)を得た。二次粒子の粉末X線回折測定を行ったところ、図2に示すスペクトルが得られ、Si−C結合に由来するピークが2θ=34.36°に観測された。二次粒子内の空隙率を測定したところ、20%であった。
【0062】
二次粒子(負極活物質)100質量部、PVdF(結着剤)10重量部および適量のNMPを混合し、負極合剤スラリーを調製した。
【0063】
負極合剤スラリーを、厚さ10μmの銅箔(負極集電体)の片面に塗布し、塗膜を乾燥後、圧延し、負極を作製した。負極合剤層と負極集電体との合計厚さは150μmであった。負極は、直径9mmの円盤型に打ち抜いた。
【0064】
(2)対極の作製
厚さ300μmの金属リチウム箔を直径14mmの円盤型に打ち抜いて対極に用いた。
【0065】
(3)非水電解質の調製
ECとEMCとを質量比1:3で含む混合液100質量部に、ビニレンカーボネート1質量部を添加し、非水溶媒を得た。非水溶媒に濃度1.0mol/LでLiPF6を溶解させて、非水電解質を調製した。
【0066】
(4)コイン形セルの組み立て
開口を有するステンレス鋼製の有底のセルケースを準備し、その内側に負極とセパレータをこの順に配置した。セパレータには、厚み0.45mmのポリフェニレンサルファイド(PPS)製の不織布を用いた。一方、周縁部にポリプロピレンを含む樹脂製のガスケットが配されたステンレス鋼製の封口板を準備し、その内面に対極のリチウム箔を貼り付けた。セルケースの内部に非水電解質を注入した後、セルケースの開口を封口板で塞いでコイン形セル(A1〜A5)を完成させた。セルサイズは直径20mm、厚さ3.2mmとした。
【0067】
[評価]
組み立て直後のコイン形セルについて、45℃で、0.1mAで0Vまで負極に充電を行い、引き続き1.5Vまで負極を放電させた。こうして第1回目の充電容量C1と第1回目の放電容量D1を得た。そして、初期効率(E1)を、E1(%)=100×D1/C1により求めた。結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
《実施例6〜9》
固体電解質としてLi3PO4(平均粒径0.1μm、融点873℃)を用い、二次粒子を生成させる際の加熱温度を900℃に変更したこと以外、実施例1、2、4、5と同様に、電池A6〜A9を作製し、同様に評価した。結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
《実施例10》
固体電解質としてLi3BO3(平均粒径0.1μm、融点930℃)を用い、二次粒子を生成させる際の加熱温度を1000℃に変更したこと以外、実施例2と同様に、電池A10を作製し、同様に評価した。結果を表3に示す。
【0072】
【表3】
【0073】
《比較例1》
炭素材料粒子に固体電解質を添加せず、炭素材料粒子だけを用いたこと以外、実施例1と同様に、電池B1を作製し、同様に評価した。結果を表4に示す。
【0074】
【表4】
【0075】
表1〜4から明らかなように、炭素材料粒子とその表面を被覆する固体電解質とを含む一次粒子を二次粒子化することにより、初期効率が改善した。なお、炭素材料粒子に対する固体電解質の割合がかなり大きくなると、初期効率が低下する傾向が見られた。
【0076】
《実施例11》
炭素材料粒子100質量部に対し、固体電解質としてのLi3PO4(平均粒径0.1μm、融点873℃)の混合量を20質量部とし、二次粒子(負極活物質)を生成させる際にHIP処理法により加熱したこと以外は、実施例1と同様に、電池A11を作製した。電池A11に係るHIP処理法の条件は、炭素材料粒子と固体電解質の混合物を、150MPaの圧力の下、600℃で1時間加熱した。
【0077】
電池A11の初期効率を、他の電池と同様に評価した結果を表5に示す。電池A11に使用する二次粒子(負極活物質)の空隙率は3%であった。
【0078】
電池A11についてクーロン効率を求めた。クーロン効率は、電池A11について充放電を10サイクル行い、4サイクル目から10サイクル目について各々のクーロン効率を求め、得られたクーロン効率の平均値を算出した。この平均値を、クーロン効率として、表5に示す。なお、4サイクル目から10サイクル目について求めたクーロン効率は、各サイクルにおける充電容量を100としたときの各サイクルにおける放電容量の値を百分率にて求めたものである。
【0079】
電池A11の二次粒子(負極活物質)の断面をSEMおよびSEM―EDXを用いて観察し、断面写真を図3Aから図3Dに示す。図3Aは、SEMによる二次電子像である。図3Bは、SEM−EDXによる断面写真である。図3Cでは、SEM−EDXによる断面写真において、炭素原子に由来する成分が白く表示されている。図3Dでは、SEM−EDXにおいて、リン原子に由来する成分が白く表示されている。図3Eでは、SEM−EDXにおいて、酸素原子に由来する成分が白く表示されている。炭素原子に由来する成分とは、負極活物質の炭素材料粒子(黒鉛)に由来する成分であり、リン原子および酸素原子に由来する成分とは、負極活物質の固体電解質に由来する成分である。
【0080】
《比較例2》
加熱処理を施さなかったことを除いて電池A11と同様に、電池B2を作製した。電池B2についても、初期効率とクーロン効率を求め、表5に示す。
【0081】
電池B1についてもクーロン効率を求め、表5に示す。
【0082】
【表5】
【0083】
表5から明らかなように、炭素材料粒子とその表面を被覆する固体電解質とを含む一次粒子を二次粒子化する際に圧力をかけながら加熱することにより、初期効率とクーロン効率が改善した。
【0084】
図3A〜Eの負極活物質の断面写真より、黒鉛の一次粒子間に固体電解質が入り込み、黒鉛と固体電解質により二次粒子が構成されていることが分かる。二次粒子において、固体電解質は局所的に凝集することなく、分散していることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明に係る負極活物質は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、モバイル機器、携帯情報端末(PDA)、携帯用ゲーム機器、ビデオカメラなどの駆動用電源、ハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車、プラグインHEVなどにおける電気モータ駆動用の主電源または補助電源、電動工具、掃除機、ロボットなどの駆動用電源などに用いる非水電解質二次電池の負極活物質として有用である。
【符号の説明】
【0086】
1 非水電解質二次電池
10 捲回型電極群
11 角型電池ケース
12 封口板
13 負極端子
14 正極リード
15 負極リード
16 ガスケット
17 封栓
17a 注液孔
18 枠体
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E