(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  建築物の構成を示す情報、及び、当該建築物に設置される1以上の設備を示す情報を含む建築モデルデータから、前記1以上の設備のうちの1つである特定の設備が設置される空間を表すレイアウト画像と、前記特定の設備を表すオブジェクトであって、前記レイアウト画像内の、前記特定の設備の設置位置に対応する位置に配置されたオブジェクトとを含む画面情報を抽出するステップと、
  前記レイアウト画像を含むアドレス入力画面を生成して表示し、前記特定の設備に割り当てられたアドレスの入力を受け付けることで、前記オブジェクトと前記アドレスとを関連付けるステップとを含む
  情報作成方法。
  前記抽出するステップでは、さらに、前記1以上の設備の種別と前記1以上の設備の動作状態との組み合わせ毎に異なる複数のアイコン画像の中から、前記特定の設備の種別と前記特定の設備の動作状態との組み合わせに対応するアイコン画像を、前記オブジェクトとして決定する
  請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報作成方法。
  前記抽出するステップでは、さらに、サイズが異なる複数のアイコン画像の中から、前記レイアウト画像の表示サイズに応じたサイズのアイコン画像を、前記オブジェクトとして決定する
  請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報作成方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
  以下では、本発明の実施の形態に係る情報作成方法、情報作成システム及びプログラムについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
 
【0012】
  また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
 
【0013】
  (実施の形態)
  [概要]
  まず、本実施の形態に係る情報作成システムの概要について、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る情報作成システム10の構成を示すブロック図である。
 
【0014】
  情報作成システム10は、建築モデルデータの一種であるBIM(Building Information Modeling)データ22を用いて、建築物に設置された複数の設備11を制御するための制御データ32を作成するシステムである。
図1に示すように、情報作成システム10は、制御データ32を作成する情報作成装置20を備える。
 
【0015】
  本実施の形態に係る建築物は、オフィスビル又は商業ビルなどの住宅用途ではない建物であるが、これに限定されない。建築物は、集合住宅又は戸建て住宅などの住宅でもよい。また、建築物は、学校、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、スポーツ施設、ホテル、美術館、博物館、病院、倉庫、工場などの施設でもよい。また、建築物は、道路、橋梁などの構造物も含む概念である。建築物は、建築物全体に限らず、集合住宅における住戸などのように建築物の一部でもよい。
 
【0016】
  設備11は、建築物に設置される設備であり、制御データ32を用いた制御の対象となる設備である。具体的には、設備11は、管理装置30によって制御される設備である。設備11には、照明設備、空調設備、ブラインド、シャッタ、防災設備、防犯設備、給水設備、排水設備、エレベータ、エスカレータ、冷蔵設備(又は冷凍設備)などが含まれる。設備11には、映像設備、音響設備などが含まれてもよい。
 
【0017】
  図1に示すように、本実施の形態では、情報作成システム10は、さらに、管理装置30と、操作端末40とを備える。管理装置30は、情報作成装置20が作成した制御データ32を管理し、かつ、操作端末40からの指示に基づいて、制御データ32を用いて複数の設備11の制御を行う。
 
【0018】
  以下では、まず、本実施の形態に係る情報作成システム10が利用するBIMデータ22について説明する。
 
【0019】
  [BIMデータ]
  BIMデータ22は、建築物の構成を示す構成情報と、当該建築物に設置される1以上の設備11を示す設備情報とを含んでいる。つまり、BIMデータ22は、建築物に関連する様々なデータの総体である。具体的には、BIMデータ22には、3次元CAD(Computer Aided Design)図面のような建築物のレイアウト、形状及び寸法を示すデータだけでなく、建築物を構成する個々の部材を示すデータ、建築物に設置された複数の設備11を示すデータなどが統合されている。BIMデータ22は、建築物についての意匠設計、構造設計、設備設計が終了することで作成され、建築物の意匠、構造、設備11に関する様々な情報を含んでいる。
 
【0020】
  具体的には、BIMデータ22は、建築物の構成を示す構成情報として、建築物を構成する複数の部材の各々の名称、形状、寸法、配置、仕様、メーカ名、品番などの属性情報を含んでいる。部材の形状は、例えば、3次元の形状であり、部材の配置は、建築物においてその部材を使用する3次元の位置である。
 
【0021】
  また、BIMデータ22は、建築物の設備11を示す設備情報として、設備11を構成する機器(設備機器)の名称、種類、配置、仕様、メーカ名、品番などの属性情報を含んでいる。設備11の配置は、建築物においてその設備11を設置する3次元の位置である。
 
【0022】
  本実施の形態に係る設備情報には、設備11の制御情報が含まれる。制御情報は、設備11の制御に用いる情報である。例えば、制御情報は、設備11が実行可能な機能などを示す情報である。また、設備11のアドレスの関連付け及び設備11のグループ化が行われた後では、制御情報には、アドレス情報及びグループ情報などが含まれる。つまり、BIMデータ22には、アドレス情報及びグループ情報などが適宜追加されて管理される。
 
【0023】
  アドレス情報は、設備11に割り当てられたアドレスを示す情報であり、設備11のオブジェクトとアドレスとの関連付けを行うことで生成される情報である。グループ情報は、設備11が属するグループを示す情報であり、設備11のオブジェクトのグループ化を行うことで生成される情報である。
 
【0024】
  なお、アドレスの関連付け及びグループ化の詳細については、後で説明する。また、オブジェクトは、具体的には、表示画面に表示されるGUI(Graphical User Interface)オブジェクトである。オブジェクトの詳細についても後で説明する。
 
【0025】
  BIMデータ22に含まれる構成情報と設備情報とに基づいて、建築物のレイアウト画像を生成することができる。レイアウト画像は、建築物の所定の空間毎に生成される図面情報であり、空間毎のレイアウト、設備の配置などを2次元又は3次元の見取り図で示す図面情報である。
 
【0026】
  図2は、本実施の形態に係るBIMデータ22に含まれる構成情報及び設備情報を図面化したレイアウト画像100の一例を示す図である。
図2に示すレイアウト画像100は、空間を2次元で表す画像である。具体的には、レイアウト画像100は、所定の空間のレイアウト(間取り)を示している。ここで、所定の空間は、建築物の全体又は一部であり、例えば、一棟、フロア、部屋、領域(ゾーン)である。例えば、
図2では、所定の空間は、建築物の1つのフロアである。レイアウトは、所定の空間に含まれる1以上の部屋の配置だけでなく、各部屋の大きさ及び形状も示す情報である。
 
【0027】
  レイアウト画像100は、所定の空間に用いられる建材などの部材の属性情報に基づいて生成される。具体的には、レイアウト画像100は、所定の空間に用いられる複数の部材(例えば、柱材及び壁材)の各々の属性情報のうち、部材の大きさ及び配置を示す情報に基づいて、2次元画像内に各部材を模式的に配置することで形成される。
 
【0028】
  レイアウト画像100は、さらに、空間に設置された設備11と、設備11の配置とを示している。例えば、
図2では、設備11の一例として、12台の照明器具102が空間内に設置されていることを示している。なお、照明器具102の台数(個数)は、1つでもよく、特に限定されない。
 
【0029】
  レイアウト画像100に含まれる部材と照明器具102などの設備とは、例えば、タッチセンサ、マウスなどのポインティングデバイスなどの入力装置を用いて選択されることができる。レイアウト画像100内で照明器具102(設備11)を選択された場合、選択された照明器具102の設備情報が表示される。例えば、
図3に示す属性情報画面110が表示される。
図3は、BIMデータ22に含まれる設備情報を含む属性情報画面110の一例を示す図である。
 
【0030】
  属性情報画面110は、
図2に示す複数の照明器具102のうちの1つに関する属性情報をユーザに提示するための画面である。属性情報画面110は、ユーザが操作可能な画面であり、例えば、
図2に示すレイアウト画像100内で照明器具102が選択された場合に表示される。本実施の形態では、ユーザは、建築物のエンドユーザ(例えば、居住者)だけでなく、建築物の施工者及び管理者などの建築物に関係を有する者を含む。
 
【0031】
  属性情報画面110には、
図3に示すように、選択された設備11の名称を示す名称111、及び、選択された設備の取り付け位置などのパラメータ112と、パラメータ112に対応する値113とが含まれる。
 
【0032】
  名称111は、例えばドロップダウンリストで示される。ここでは、照明器具102が選択されているので、名称111は、一例として「照明器具A」というテキストを示している。
 
【0033】
  パラメータ112は、種類、配置、仕様、メーカ名、品番などの設備の主な特性を表す変数であり、各々に値113が対応付けられている。
図3に示す例では、照明器具102のパラメータ112には、照明器具102の取り付け位置、照明器具102の識別情報であるアドレス、寸法、機能及びグループなどが含まれている。
 
【0034】
  値113は、対応するパラメータ112の具体的な数値などである。例えば、値113には、3次元座標値、アドレス値、3次元寸法値、調光機能又は調色機能の有無を示すフラグ、及び、所属するグループを示す値などが含まれる。
 
【0035】
  本実施の形態では、値113は、例えばテキストボックスで示され、ユーザによる追加又は修正が可能である。属性情報画面110には、
図3に示すように、追加又は修正した値113を確定(更新)するためのOKボタン114と、追加又は修正した値を元に戻すためのキャンセルボタン115とが含まれている。OKボタン114が押された場合には、BIMデータ22内の該当するデータが更新される。
 
【0036】
  以上のように、BIMデータ22には構成情報と設備情報とが含まれているので、例えば、情報作成装置20は、ユーザが指定した空間のレイアウト画像100などを表示部に表示させることができる。また、情報作成装置20は、当該空間に含まれる部材及び設備11などの属性情報を表示部に表示させることができる。ここで、表示部は、操作端末40の表示部41(
図1参照)でもよく、あるいは、情報作成装置20又は管理装置30が備えるモニタ(図示せず)などのディスプレイでもよい。後述する表示部についても同様である。
 
【0037】
  BIMデータ22は、一般的な使用の態様としては、建築物の設計及び建築に利用され、建築物の完成後は、建築物の保守管理などに利用される。これに対して、本実施の形態に係る情報作成システム10では、BIMデータ22を、建築物の設備11の動作状態を制御するための制御データ32の作成に利用する。以下では、本実施の形態に係る情報作成システム10に含まれる各装置について、詳細に説明する。
 
【0038】
  [情報作成装置]
  情報作成装置20は、情報作成システム10の主たる装置であり、制御データ32を作成するための情報作成方法を実行する装置である。情報作成装置20は、LAN(Local Area Network)などのネットワークで管理装置30と接続されている。情報作成装置20は、制御データ32を管理装置30に送信する。情報作成装置20は、例えば、1台以上のコンピュータ機器で構成される。
 
【0039】
  図1に示すように、情報作成装置20は、BIMデータ22を記憶する記憶部21と、抽出部23と、関連付け部24とを備える。
 
【0040】
  記憶部21は、BIMデータ22を記憶する記憶装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリなどの不揮発性メモリである。なお、記憶部21には、情報作成装置20が実行する情報作成プログラムなどが格納されていてもよい。
 
【0041】
  抽出部23は、BIMデータ22から画面情報を抽出する。画面情報は、特定の設備が設置される空間を表すレイアウト画像と、特定の設備を表すオブジェクトとを含んでいる。本実施の形態では、画面情報は、さらに、特定の設備の制御に用いる制御情報を含んでいる。画面情報の詳細は、
図8を用いて後で説明する。
 
【0042】
  抽出部23は、特定の設備を制御するために必要な情報をBIMデータ22から抽出する。特定の設備は、例えば、建築物に含まれる1以上の設備の中からユーザが指定した設備である。例えば、特定の設備は、制御対象の設備(機器)である。あるいは、特定の設備は、建築物に含まれる1以上の設備の中からコンピュータが自動的に選択した設備でもよい。例えば、特定の設備は、当該設備の制御に用いる画面情報がまだ作成されていない設備である。本実施の形態では、特定の設備が照明器具102である例について説明する。
 
【0043】
  具体的には、抽出部23は、BIMデータ22を参照することで、設備情報を抽出する。抽出した設備情報には、照明器具102の機能(例えば、調光及び調色など)を示す情報、並びに、アドレス情報及びグループ情報などが含まれる。
 
【0044】
  また、抽出した設備情報には、照明器具102の設置位置が含まれている。抽出部23は、照明器具102の設置位置に基づいて、照明器具102が設置される空間を特定する。
 
【0045】
  抽出部23は、特定した空間を構成する複数の部材の属性情報に基づいて、当該空間のレイアウト画像を生成する。あるいは、複数の空間の各々のレイアウト画像がBIMデータ22に予め含まれている場合は、特定した空間に対応するレイアウト画像をBIMデータ22から抽出する。
 
【0046】
  本実施の形態では、抽出部23は、さらに、特定の設備のオブジェクトを決定する。具体的には、抽出部23は、1以上の設備の種別と1以上の設備の動作状態との組み合わせ毎に異なる複数のアイコン画像の中から、特定の設備の種別とその動作状態との組み合わせに対応するアイコン画像を、オブジェクトとして決定する。複数のアイコン画像の具体例については、
図4を用いて後で説明する。
 
【0047】
  関連付け部24は、特定の設備のオブジェクトと、当該設備に割り当てられたアドレスとを関連付ける。本実施の形態では、関連付け部24は、さらに、オブジェクトと制御情報とを関連付ける。
 
【0048】
  具体的には、アドレスの関連付けとは、実際に建築物に設置された設備11(又は、設置されようとしている設備11)を制御可能になるように、プログラム内での仮想的な設備情報(オブジェクトに相当)と、現実の設備11(アドレスに相当)との対応付けを行うことである。関連付け部24がアドレスの関連付けを行うことで、制御情報が関連付けられたオブジェクトが操作された場合に、当該オブジェクトに関連付けられたアドレスが割り当てられた設備11を制御することができる。
 
【0049】
  なお、アドレスは、建築物に設置される1以上の設備11の各々に固有に割り当てられた識別情報である。当該識別情報は、ユーザが各々の設備11に個別に割り当ててもよく、コンピュータ機器が自動的に割り当ててもよい。
 
【0050】
  グループ化部25は、複数の設備11の各々に割り当てられたオブジェクトのグループ化を行う。具体的には、グループ化部25は、複数のオブジェクトを1以上のグループに分ける。1つのグループには、互いに関連させた制御を行わせる複数の設備11に対応する複数のオブジェクトが含まれる。グループ化の詳細については、
図7を用いて後で説明する。
 
【0051】
  1つのグループに含まれる複数のオブジェクトに対応する複数の設備11(すなわち、同一グループに属する設備11)は、互いに関連して制御される。例えば、同一グループに属する複数の照明器具102は、一斉に点灯、一斉に消灯、又は、同じ調光比で調光点灯することができる。あるいは、同一グループに属する複数の照明器具102は、所定の照明シーンが設定された場合に、当該照明シーンによって複数の照明器具102の各々に割り当てられた調光比及び光色で点灯する。
 
【0052】
  抽出部23、関連付け部24及びグループ化部25は、例えば、記憶部21に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサなどにより実現されるが、マイクロコンピュータ又は専用回路などにより実現されてもよい。
 
【0053】
  [管理装置]
  管理装置30は、建築物に設置された1以上の設備11を管理する装置である。管理装置30は、建築物に設置された全ての設備11を管理してもよく、あるいは、一部の設備11のみを管理してもよい。
 
【0054】
  また、管理装置30は、操作端末40(クライアント)に対するウェブサーバとして機能する。管理装置30は、操作端末40からのウェブアクセス要求に対する応答として、制御データ32に含まれる画面情報(例えば、設備11の制御画面を生成するための情報)を操作端末40に送信する。
 
【0055】
  管理装置30は、LAN又はPLC(Power Line Communication)などのネットワークを介して管理対象(具体的には、制御対象)の設備11及び操作端末40と接続されている。管理装置30は、例えば、1台以上のコンピュータ機器で構成される。
 
【0056】
  図1に示すように、管理装置30は、制御データ32を記憶する記憶部31と、制御部33とを備える。
 
【0057】
  記憶部31は、制御データ32を記憶するための記憶装置であり、例えば、HDD又は半導体メモリなどの不揮発性メモリである。なお、記憶部31には、管理装置30が実行する制御プログラムなどが格納されていてもよい。
 
【0058】
  制御データ32は、複数の設備11を制御するためのデータである。本実施の形態では、制御データ32は、情報作成装置20が作成した画面情報などを含むデータである。
 
【0059】
  制御部33は、操作端末40から送信されるウェブアクセス要求に対する応答として、制御データ32に含まれる画面情報を送信する。例えば、ウェブアクセス要求には、ユーザが選択した設備11又は空間を特定するための選択情報が含まれる。制御部33は、選択情報が示す設備11又は空間に応じた制御画面を示す画面情報を操作端末40に送信する。画面情報は、例えば、選択情報が示す設備11を制御するための制御画面、又は、選択情報が示す空間に含まれる1以上の設備11を制御するための制御画面を示す情報である。
 
【0060】
  制御部33は、複数の設備11を制御する。具体的には、制御部33は、図示しない通信IF(インタフェース)などを介して操作端末40からユーザによる操作入力を受信する。操作入力には、例えば、特定の設備11に対する電源のオン又はオフ、機能の変更などの指示が含まれる。制御部33は、操作入力に含まれる指示に基づいて、設備11を制御する。
 
【0061】
  制御部33は、例えば、記憶部31に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサなどにより実現されるが、マイクロコンピュータ又は専用回路などにより実現されてもよい。
 
【0062】
  [操作端末]
  操作端末40は、ユーザによって操作される端末機器である。操作端末40は、LANなどのネットワークで管理装置30と接続されている。操作端末40は、ウェブアクセス要求を管理装置30に送信し、その応答として画面情報を受信する。操作端末40は、受信した画面情報を表示部41に表示する。操作端末40は、例えば、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末、又は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器である。
 
【0063】
  図1に示すように、操作端末40は、表示部41と、操作受付部42と、制御部43とを備える。
 
【0064】
  表示部41は、管理装置30が生成した制御画面などの画像を表示する。表示部41は、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro Luminescence)表示パネルなどである。
 
【0065】
  本実施の形態では、表示部41は、操作画面及び制御画面などを表示する。これにより、表示部41は、構成情報及び設備情報、並びに、設備の動作状態などをユーザに提示することができる。例えば、表示部41は、ウェブブラウザなどのアプリケーションを実行することで、管理装置30から送信される画面情報に基づいて制御画面を生成し、生成した制御画面を表示する。
 
【0066】
  操作受付部42は、ユーザからの操作入力を受け付けるユーザインタフェース部である。操作受付部42は、例えば、タッチセンサ、マウスなどのポインティングデバイス、又は、キーボードなどの各種入力装置で構成される。操作受付部42は、例えば、制御対象となる設備(特定の設備)の選択、又は、当該設備が設置された空間の選択などの操作入力を受け付ける。
 
【0067】
  制御部43は、操作受付部42が受け付けた操作入力に基づいて、ウェブアクセス要求を生成する。制御部43は、図示しない通信IFなどを介して、ウェブアクセス要求を管理装置30に送信する。制御部43は、さらに、通信IFを介して管理装置30から、表示部41に表示するための画面情報を取得する。制御部43は、取得した画面情報に基づいて、表示部41に制御画面などを表示させる。制御画面の詳細については、
図8及び
図9を用いて後で説明する。
 
【0068】
  制御部43は、例えば、操作端末40が備える記憶部(図示せず)に格納された制御プログラムを実行するプロセッサなどにより実現されるが、マイクロコンピュータ又は専用回路などにより実現されてもよい。
 
【0069】
  [オブジェクト(アイコン画像)]
  ここで、本実施の形態に係る情報作成システム10において、制御画面に表示されるオブジェクト(具体的には、アイコン画像)と設備11との対応関係について説明する。
 
【0070】
  図4は、本実施の形態に係る情報作成方法によって作成される制御画面に表示されるオブジェクトと設備11とを対応付けた対応テーブルを示す図である。
図4に示す対応テーブルでは、複数の設備11の各々に対して、互いに異なる複数のオブジェクトが対応付けられている。
 
【0071】
  対応テーブルは、例えば、BIMデータ22に含まれている。あるいは、抽出部23が実行するプログラムが参照可能な記憶部(例えば、記憶部21)に、BIMデータ22とは別に記憶されていてもよい。
 
【0072】
  図4では、設備11の例として、蛍光灯、ダウンライト、調光調色ランプ及び特殊ランプなどの照明設備、パイプ及びファンなどの空調設備を示している。設備11の動作状態には、設備11が停止している停止状態と、設備11が稼働している稼動状態とが含まれる。
 
【0073】
  ここで、設備11毎に、動作状態に含まれる状態の個数は異なっていてもよい。
 
【0074】
  例えば、調光調色ランプの場合、稼働状態が、さらに、調光状態と調色状態とに分けられてもよい。さらに、調光状態は、全点灯状態(調光比が100%)と、明状態(調光比が50%以上100%未満)と、暗状態(調光比が0%より大きく50%未満)とに分けられてもよい。調色状態は、赤色状態と、緑色状態と、青色状態とに分けられてもよい。稼動状態は、調光状態に含まれる各状態と調色状態に含まれる各状態との組み合わせでもよい。パイプ又はファンなどの空調設備についても同様で、空調設備の稼動状態には、例えば、送風の強度、設定温度などに応じた複数の状態が含まれてもよい。
 
【0075】
  オブジェクトは、具体的には、アイコン画像である。アイコン画像は、対応する設備11の制御に用いられる。例えば、アイコン画像は、制御画面200(
図8を参照)に含まれ、ユーザによってアイコン画像が選択した場合に、設備11の動作状態が変更される。あるいは、アイコン画像が選択された場合に、シーン設定画面230(
図9を参照)などが表示されて、対応する設備11に対する各種設定を行うことができる。
 
【0076】
  アイコン画像は、対応する設備11の特徴を模式化した画像である。
図4に示すように、同一の設備11に割り当てられた複数のアイコン画像は、共通部分と、相違部分とが含まれる。
 
【0077】
  共通部分は、設備11の形状などを模式化した部分であり、アイコン画像の主要な部分である。具体的には、共通部分は、アイコン画像の中央に位置する部分、又は、アイコン画像の半分以上を含む部分などである。
 
【0078】
  相違部分は、共通部分に追加、削除又は改変された部分である。
図4に示す蛍光灯又はダウンライトにおける相違部分は、光の照射状態を示す複数の斜線の有無である。調光調色ランプにおける相違部分は、RGBを表す円領域の色合い(
図4では、網掛けで表現している)と、明るさを表すスライダの位置とである。特殊ランプにおける相違部分は、アイコンの全体的な色合いである。パイプ又はファンにおける相違部分は、パイプ又はファンの回転を表す矢印の有無である。
 
【0079】
  このように、本実施の形態では、複数の設備11の各々に対して、動作状態に応じた複数のアイコン画像が準備されている。これにより、アイコン画像を見ることで設備11の種別及びその動作状態を推定することができるので、ユーザによる設備11の管理及び制御を補助することができる。
 
【0080】
  [動作(情報作成方法)]
  続いて、本実施の形態に係る情報作成システム10の動作(情報作成方法)について、
図5を用いて説明する。
図5は、本実施の形態に係る情報作成システム10の動作を示すフローチャートである。なお、本実施の形態に係る情報作成方法は、主として情報作成装置20が実行する。
 
【0081】
  まず、抽出部23が画面情報を抽出する(S10)。本実施の形態では、抽出部23は、特定の設備11が設置される空間を表すレイアウト画像と、特定の設備11を表すオブジェクト(具体的には、アイコン画像)とを含む画面情報を抽出する。
 
【0082】
  例えば、抽出部23は、BIMデータ22から
図2に示すレイアウト画像100を抽出する。さらに、抽出部23は、BIMデータ22に含まれる、
図4に示す対応テーブルから、特定の設備11に対応するアイコン画像をオブジェクトとして決定する。例えば、抽出部23は、特定の設備11の停止状態に対応するアイコン画像を決定する。
 
【0083】
  次に、関連付け部24が設備11とオブジェクト(アイコン画像)との関連付けを行う(S12)。本実施の形態では、関連付け部24は、
図6に示すアドレス入力画面120を表示部に表示し、ユーザにアドレスを入力させる。アドレス入力画面120については、後で詳細に説明する。
 
【0084】
  抽出部23が抽出したレイアウト画像100に特定の設備11が複数含まれている場合、関連付け部24は、レイアウト画像100に含まれる全ての設備11の関連付けを行う。これにより、レイアウト画像100に含まれる全ての設備11が管理装置30によって制御可能になる。
 
【0085】
  次に、グループ化部25がオブジェクトのグループ化を行う(S14)。本実施の形態では、グループ化部25は、
図7に示すグループ化画面130を表示部に表示し、ユーザによって、複数の設備11(照明器具102)のグループ化を行う。グループ化画面130については、後で詳細に説明する。
 
【0086】
  以上のステップを行うことで、複数の設備11を制御するための制御画面(
図8を参照)を表示するための画面情報が作成される。情報作成装置20が作成した画面情報は、管理装置30に送信されて、管理装置30の記憶部31に制御データ32として記憶される。その後、例えば、操作端末40からの指示に基づいて、管理装置30は、適宜制御データ32を参照することにより、複数の設備11の制御を行うことができる。
 
【0087】
  なお、本実施の形態に係る情報作成方法は、
図5に示す例に限らない。例えば、オブジェクトの関連付け(S12)及びオブジェクトのグループ化(S14)を行った後に、画面情報の抽出(S10)を行ってもよい。具体的には、関連付け及びグループ化の結果をBIMデータ22に入力しておいてもよい。これにより、画面情報を抽出した後の設定作業を簡易化又は省略することができる。
 
【0088】
  [アドレス入力画面]
  本実施の形態では、
図3に示す複数のパラメータ112のうち、アドレスの値113の設定を容易にするため、関連付け部24は、
図6に示すアドレス入力画面120を生成し、表示部に表示する。ここで、アドレスの値113は、設備11のオブジェクトとアドレスとを関連付けることで設定される。
 
【0089】
  図6は、本実施の形態に係る情報作成方法におけるアドレス入力画面120の一例を示す図である。アドレス入力画面120には、レイアウト画像100と、設備名121とが含まれる。
 
【0090】
  設備名121は、例えばドロップダウンリストで示される。ユーザは、ドロップダウンリストの中から特定の設備11を選択することで、設備名121には、選択中の設備11(ここでは、照明器具102)の名称が表示される。
 
【0091】
  図6に示すように、アドレス入力画面120には、さらに、選択した設備11に関連付けられるアドレス122と、決定ボタン123及びキャンセルボタン124とが含まれる。アドレス122は、例えばテキストボックスで示される。ユーザは、選択した設備11に割り当てられたアドレスの値(例えば、“01234”)をテキストボックスに入力する。
 
【0092】
  アドレスを入力した後、決定ボタン123を押すことで、選択した設備11のオブジェクトと、アドレスとを関連付けることができる。関連付けられたアドレスの値は、例えば、
図3に示す属性情報画面110におけるアドレスを示すパラメータ112に対応する値113として管理される。
 
【0093】
  なお、アドレスは、建築物に設置される1以上の設備11の各々に固有に割り当てられた識別情報である。当該識別情報は、ユーザが各々の設備11に個別に割り当ててもよく、コンピュータ機器が自動的に割り当ててもよい。
 
【0094】
  [グループ化画面]
  本実施の形態では、
図3に示す複数のパラメータ112のうち、グループを示す値113の設定を容易にするため、グループ化部25は、
図7に示すグループ化画面130を生成し、表示部に表示する。ここで、グループを示す値113は、複数の設備11をグループ化することで設定される。
 
【0095】
  図7は、本実施の形態に係る情報作成方法における設備のグループ化画面130の一例を示す図である。グループ化画面130は、
図2に示すレイアウト画像100と、ポインタ131と、決定ボタン133及びキャンセルボタン134とを含んでいる。ユーザは、マウス、タッチセンサなどのポインティングデバイスを操作することで、ポインタ131を移動させることができる。
 
【0096】
  ポインタ131によってグループ化の対象となる1以上の照明器具102を選択する。例えば、ポインタ131をクリックアンドドラッグによって移動させることで、任意の大きさの選択範囲132を形成する。選択範囲132を形成した後、決定ボタン133を押すことで、選択範囲132内に含まれる複数の照明器具102a〜102dを1つのグループとしてグループ化することができる。キャンセルボタン134は、押された場合に、グループ化処理を中止する。
 
【0097】
  なお、複数の照明器具102の選択方法については、この例に限らない。複数の照明器具102を個別にクリック(又はタッチ)することで選択してもよい。これにより、例えば、グループ化の対象である2つの照明器具の間に、グループ化の対象でない照明器具が配置されている場合でも、当該2つの照明器具をグループ化することができる。
 
【0098】
  また、照明器具102をグループ化する例について示したが、グループ化する設備11は、照明器具102に限らず、エアコンなどの空調設備でもよい。また、同種の設備に限らず、エアコンと照明器具とを1つのグループにしてもよい。
 
【0099】
  このように、レイアウト画像100上に表示された複数の設備11を選択することでグループ化が行われるので、直感的な操作で複数の設備11のグループ化を行うことができる。
 
【0100】
  [制御画面]
  続いて、操作端末40の表示部41に表示される制御画面について説明する。
 
【0101】
  図8は、本実施の形態に係る情報作成方法によって作成される制御画面200の一例を示す図である。
図8は、制御対象となる設備11が、
図2で示した照明器具102である例について示している。
 
【0102】
  制御画面200は、レイアウト画像210と、レイアウト画像210に重畳されたアイコン画像220とを含んでいる。
 
【0103】
  レイアウト画像210は、
図2に示すレイアウト画像100と同じであり、複数のアイコン画像220に対する背景となる背景画像である。レイアウト画像210は、表示サイズを拡大又は縮小することができる。これにより、ユーザにとって見やすい大きさで表示させることができる。
 
【0104】
  アイコン画像220は、複数の照明器具102の配置位置に対応する位置に配置されている。アイコン画像220は、対応する照明器具102の制御用のオブジェクトであり、例えば、選択された場合に、対応する照明器具102を点灯させることができる。
 
【0105】
  本実施の形態では、アイコン画像220とレイアウト画像210とが同一レイヤーで形成されている。すなわち、アイコン画像220とレイアウト画像210とは、1つの画像として形成されている。このため、レイアウト画像210の表示サイズが拡大又は縮小された場合に、アイコン画像220も追随して拡大又は縮小される。したがって、アイコン画像220とレイアウト画像210との相対的な位置関係は固定されているので、アイコン画像220の配置がずれることを抑制することができる。
 
【0106】
  図8に示すアイコン画像221は、ユーザが選択したアイコン画像220である。本実施の形態では、ユーザが選択したアイコン画像221と、選択していないアイコン画像220とを視覚的に異ならせている。具体的には、アイコン画像221は、アイコン画像220を強調した画像である。例えば、アイコン画像221は、アイコン画像220の縁に沿って太線の枠が付されている。なお、アイコン画像220を強調する手段は、これに限定されない。例えば、アイコン画像221は、点滅表示されてもよく、拡大表示されてもよい。アイコン画像221は、アイコン画像220の色を変化させた画像でもよい。
 
【0107】
  アイコン画像220の選択は、例えば、マウス、タッチセンサなどで個別に選択することで行われる。あるいは、グループ名201を選択してもよい。
図8には、グループ名201を選択するためのドロップダウンリストが含まれている。グループ名201をドロップダウンリストの中から選択することで、選択したグループ名201のグループに含まれるアイコン画像220を一括して選択してもよい。
 
【0108】
  制御画面200は、
図8に示すように、さらに、グループ点灯ボタン202と、全灯ボタン203とが含まれている。グループ点灯ボタン202は、ドロップダウンリストで選択されたグループに含まれる全ての照明器具102を点灯させるためのボタンである。全灯ボタン203は、アイコン画像220に対応する全て(ここでは、12個)の照明器具102を点灯させるためのボタンである。
 
【0109】
  アイコン画像220が通常の選択(例えば、タッチ又はクリック)とは異なる態様(例えば、長押し、ダブルクリック)で選択された場合に、
図9に示すシーン設定画面230を表示させることができる。
図9は、本実施の形態に係る情報作成方法における情報作成方法におけるシーン設定画面230の一例を示す図である。
 
【0110】
  図9に示すように、シーン設定画面230には、選択シーン231と選択グループ232とが示されている。選択シーン231は、シーンの番号をドロップダウンリストで示す。なお、シーンの番号ではなく、シーンの名前などのユーザが理解しやすい表示を利用してもよい。選択グループ232は、照明器具102が属するグループを示している。
 
【0111】
  シーン設定画面230には、さらに、調光スライダ233と調色スライダ234とが含まれている。調光スライダ233は、照明器具102の調光比を設定するための操作部である。調光スライダ233を上下に移動させることによって、調光比を0%(消灯)〜100%(全点灯)の範囲で設定することができる。調色スライダ234は、照明器具102の色温度を設定するための操作部である。調色スライダ234を上下に移動させることによって、色温度を例えば2700K(電球色)〜6500K(昼光色)の範囲で設定することができる。
 
【0112】
  なお、調光及び調色の範囲は、照明器具102の機能に依存し、これらの例に限定されない。また、照明器具102が調光及び調色機能のいずれかを有しない場合には、シーン設定画面230には、調光スライダ233又は調色スライダ234が含まれなくてもよい。
 
【0113】
  本実施の形態では、シーン設定画面230は、さらに、リアルタイム調光の選択ボタン235と、再生ボタン236とを含んでいる。リアルタイム調光とは、シーン設定画面230でされた設定を、実際の照明器具102に反映させることである。
 
【0114】
  選択ボタン235は、具体的にはラジオボタンであり、リアルタイム調光を実行するためのオンボタンと、リアルタイム調光を中止するためのオフボタンとを含んでいる。オンボタンが選択されている場合、調光スライダ233又は調色スライダ234を操作したときに、各々の調光比及び色温度で照明器具102が点灯する。つまり、調光スライダ233又は調色スライダ234の動きに連動して照明器具102の調光比及び色温度が変化する。
 
【0115】
  再生ボタン236は、シーン設定画面230で行った設定で現実の照明器具102を点灯させるためのボタンである。例えば、選択ボタン235のオフボタンが選択されている場合に、再生ボタン236が押されたとき、照明器具102は、再生ボタン236が押された時点での調光スライダ233が示す調光比及び調色スライダ234が示す色温度で点灯する。
 
【0116】
  シーン設定画面230は、さらに、終了ボタン237を含んでいる。終了ボタン237が押された場合、シーン設定が終了する。例えば、表示部41には、シーン設定画面230が閉じられて、制御画面200が表示される。
 
【0117】
  [効果など]
  以上のように、本実施の形態に係る情報作成方法は、建築物の構成を示す情報、及び、当該建築物に設置される1以上の設備11を示す情報を含むBIMデータ22から、1以上の設備11のうちの1つである特定の設備11が設置される空間を表すレイアウト画像210と、特定の設備11を表すオブジェクトであって、レイアウト画像210内の、特定の設備の設置位置に対応する位置に配置されたオブジェクトとを含む画面情報を抽出するステップと、オブジェクトと、特定の設備11に割り当てられたアドレスとを関連付けるステップとを含む。
 
【0118】
  これにより、設備11が設置される空間を表すレイアウト画像210が画面情報に含まれるので、設備11をリスト表示する場合に比べて、直感性の高い画面を生成することができる。また、画面情報に含まれるオブジェクト(具体的には、アイコン画像220)と、設備11に割り当てられたアドレスとを関連付けるので、オブジェクトを選択又は操作したときに、対応する設備11の制御が可能になるようにすることができる。このように、本実施の形態に係る情報作成方法によれば、直感性に優れた制御画面200を簡単に生成することができる。
 
【0119】
  なお、また、建築物を建築する際に生成されたBIMデータ22を利用して制御データ32を生成するので、制御データ32を生成するのに必要なコストなどを削減することができるだけでなく、建築物に設置される設備11を網羅的に制御することができる。したがって、複数の設備11の管理及び制御を容易に行うことができる。
 
【0120】
  また、例えば、抽出するステップでは、特定の設備11の制御に用いる制御情報をさらに含む画面情報を抽出し、関連付けるステップでは、さらに、オブジェクトと制御情報とを関連付ける。
 
【0121】
  これにより、オブジェクトと制御情報とが関連付けられるので、オブジェクトを操作したときに、当該オブジェクトに関連付けられた制御情報に基づいて設備11を制御することができる。したがって、設備11の制御を容易に行うことができる。
 
【0122】
  また、例えば、情報作成方法は、さらに、オブジェクトのグループ化を行うステップを含む。
 
【0123】
  これにより、オブジェクトのグループ化を行うことで、複数の設備11を関連させて制御することができる。例えば、グループ化された複数の照明器具102a〜102d(
図7を参照)を一斉に点灯又は消灯することができる。
 
【0124】
  また、例えば、抽出するステップでは、さらに、1以上の設備11の種別と1以上の設備11の動作状態との組み合わせ毎に異なる複数のアイコン画像の中から、特定の設備11の種別と特定の設備11の動作状態との組み合わせに対応するアイコン画像220を、オブジェクトとして決定する。
 
【0125】
  これにより、アイコン画像220によって設備の種別及び動作状態を表すことができる。したがって、ユーザは、制御画面200に表示されるアイコン画像220を見た場合に、直感的に、設備11の種類とその動作状態とを把握することができる。
 
【0126】
  また、例えば、画面情報は、オブジェクトとレイアウト画像210とが同一レイヤーで形成されている。
 
【0127】
  これにより、レイアウト画像210を拡大又は縮小した場合に、アイコン画像220も拡大又は縮小されるので、アイコン画像220の配置の偏りなどが発生するのを防ぐことができる。
 
【0128】
  また、例えば、本実施の形態に係る情報作成システム10は、建築物の構成を示す情報、及び、当該建築物に設置される1以上の設備11を示す情報を含むBIMデータ22を記憶する記憶部21と、記憶部21に記憶されたBIMデータ22から、1以上の設備11のうちの1つである特定の設備11が設置される空間を表すレイアウト画像210と、特定の設備11を表すオブジェクトであって、レイアウト画像210内の、特定の設備11の設置位置に対応する位置に配置されたオブジェクトとを含む画面情報を抽出する抽出部23と、オブジェクトと、特定の設備11に割り当てられたアドレスとを関連付ける関連付け部24とを備える。
 
【0129】
  これにより、設備11が設置される空間を表すレイアウト画像210が画面情報に含まれるので、設備11をリスト表示する場合に比べて、直感性の高い画面を生成することができる。また、画面情報に含まれるオブジェクトと、設備11に割り当てられたアドレスとを関連付けるので、オブジェクトを選択又は操作したときに、対応する設備11の制御が可能になるようにすることができる。このように、本実施の形態に係る情報作成方法によれば、直感性に優れた制御画面200を簡単に生成することができる。
 
【0130】
  (変形例1)
  以下では、実施の形態に係る情報作成方法の変形例1について図面を用いて説明する。
 
【0131】
  図10は、本変形例に係る情報作成方法によって作成される制御画面300の一例を示す図である。なお、
図10は、
図8と同様に、制御対象となる設備11が、
図2で示した照明器具102である例について示している。
 
【0132】
  本変形例に係る制御画面300は、
図8に示す制御画面200と比較して、レイアウト画像210の代わりにレイアウト画像310を含む点が相違する。以下では、実施の形態との相違点を中心に説明し、同じ点は説明を省略又は簡略化する。
 
【0133】
  上記の実施の形態1では、レイアウト画像210が空間を2次元で表す例について示したが、
図10に示すように、本実施の形態に係る制御画面300では、レイアウト画像310が空間を3次元で表している。
図10に示すレイアウト画像310は、例えば、斜め上方から見た空間を表している。レイアウト画像310は、拡大、縮小、回転を自由に行うことができる。これにより、様々な角度から様々な大きさでレイアウト画像310を表示することができる。
 
【0134】
  このように、本変形例に係る情報作成方法では、レイアウト画像310は、空間を3次元で表す画像である。
 
【0135】
  これにより、レイアウト画像310が空間を三次元で表しているので、ユーザの直感的な理解を助けることができる。例えば、平面図の場合に比べて、制御画面300の直感性をより高めることができるので、ユーザの理解をより助けることができる。
 
【0136】
  なお、複数のアイコン画像220は、実施の形態と同様に、レイアウト画像310と同一のレイヤーで形成されている。あるいは、複数のアイコン画像220は、レイアウト画像310とは異なるレイヤーで形成されていてもよい。
 
【0137】
  アイコン画像220とレイアウト画像310とが同一のレイヤーで形成されている場合、レイアウト画像310を回転させた場合に、アイコン画像220も合わせて回転されてしまうので、アイコン画像220を選択しにくくなる恐れがある。これに対して、アイコン画像220とレイアウト画像310とが異なるレイヤーで形成されている場合には、アイコン画像220の向きを常に正位置にすることができ、複数のアイコン画像220間の画面内での距離も適切に保つことができる。したがって、ユーザの利便性をより高めることができる。
 
【0138】
  (変形例2)
  続いて、実施の形態に係る情報作成方法の変形例2について図面を用いて説明する。
 
【0139】
  図11は、本変形例に係る情報作成方法によって作成される制御画面に表示されるアイコン画像と設備との対応を示す図である。
 
【0140】
  上記の実施の形態では、1つの設備11に対して、動作状態毎に異なるアイコン画像が対応付けられているのに対して、本変形例では、
図11に示すように、1つの設備11に対して、互いにサイズが異なる複数のアイコン画像が対応付けられている。
 
【0141】
  具体的には、設備11と動作状態との組み合わせ毎に、互いにサイズが異なる複数のアイコン画像が対応付けられている。例えば、
図11には、蛍光灯の稼動状態に対して、サイズが異なる3つのアイコン画像が対応付けられている。3つのアイコン画像は、サイズのみが異なっており、アイコン画像が示す模式的な設備の特徴は、全て同じである。
 
【0142】
  なお、異なるサイズのアイコン画像の数は、3つに限らない。アイコン画像の数は、2でもよく、4以上でもよい。また、
図11では、蛍光灯の稼動状態に対するアイコン画像を示したが、蛍光灯の停止状態についても同様に、互いにサイズが異なる複数のアイコン画像が対応付けられていてもよい。ダウンライト、エアコンなどのその他の設備と、その動作状態との組み合わせに応じて、互いにサイズが異なる複数のアイコン画像が対応付けられていてもよい。
 
【0143】
  図12は、本変形例に係る情報作成方法によって作成される制御画面200の一例を示す図である。
図12の(a)は、レイアウト画像210を縮小して表示する例を示し、(b)は、レイアウト画像210を拡大して表示する例を示している。
 
【0144】
  本変形例では、抽出部23は、サイズが異なる複数のアイコン画像の中から、レイアウト画像210の表示サイズに応じたサイズのアイコン画像を、オブジェクトとして決定する。具体的には、抽出部23は、レイアウト画像210の表示サイズが小さい場合に、小さいサイズのアイコン画像421をレイアウト画像210に重畳表示させる。また、抽出部23は、レイアウト画像210の表示サイズが大きい場合に、大きいサイズのアイコン画像422をレイアウト画像210に重畳表示させる。
 
【0145】
  例えば、レイアウト画像210とアイコン画像421とが同一レイヤーで形成されている場合、レイアウト画像210を拡大したとき、アイコン画像421も同じ割合で拡大される。拡大率が大きい場合、アイコン画像421が粗く表示されてしまう恐れがある。これに対して、本変形例では、拡大率が大きい場合に、サイズが大きいアイコン画像422を表示することで、アイコン画像421の画質の劣化を抑制することができる。
 
【0146】
  また、例えば、レイアウト画像210とアイコン画像422とが同一レイヤーで形成されている場合、レイアウト画像210を縮小したとき、アイコン画像422も同じ割合で縮小される。縮小率が大きい(十分に小さく縮小される)場合、アイコン画像422のサイズが小さくなって選択しにくくなる恐れがある。これに対して、本変形例では、縮小率が大きい場合に、サイズが小さいアイコン画像421を表示することで、適切なサイズでアイコン画像421を表示することができる。
 
【0147】
  このように、本変形例に係る情報作成方法では、抽出するステップでは、さらに、サイズが異なる複数のアイコン画像の中から、レイアウト画像210の表示サイズに応じたサイズのアイコン画像を、オブジェクトとして決定する。
 
【0148】
  これにより、レイアウト画像210の表示サイズに応じて異なるサイズのアイコン画像が準備されているので、適切なサイズのアイコン画像を表示することができる。
 
【0149】
  (その他)
  以上、本発明に係る情報作成方法及び情報作成システムなどについて、実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態などに限定されるものではない。
 
【0150】
  例えば、複数の設備11のグループ化を行わなくてもよい。あるいは、複数の設備11を階層的にグループ化してもよい。例えば、所定のグループの中に複数の小グループ(例えば、ゾーン)が含まれてもよい。
 
【0151】
  また、例えば、オブジェクトは、アイコン画像でなくてもよい。オブジェクトは、例えば、シーン設定画面230へのリンクが付されたテキスト又はボタンなどでもよい。この場合に、変形例2と同様に、レイアウト画像210の表示サイズに合わせて、テキストなどが適切なサイズで表示されてもよい。例えば、レイアウト画像210のサイズによらずに、制御画面200上で一定のサイズでテキストなどが表示されてもよい。
 
【0152】
  また、例えば、上記の情報作成システム10では、情報作成装置20が作成した制御データ32(制御画面情報)に基づいて、操作端末40の表示部41が制御画面200を表示する例について示したが、これに限らない。制御画面200は、情報作成システム10とは異なる別の表示装置などによって表示されてもよい。すなわち、本発明は、情報作成システム10として実現できるだけでなく、情報作成装置20として実現することもできる。
 
【0153】
  あるいは、情報作成装置20は、管理装置30及び操作端末40の少なくとも一方の機能を有してもよい。例えば、情報作成装置20は、制御データ32を記憶する記憶部31と、制御部33とを備え、複数の設備11を制御してもよい。また、例えば、情報作成装置20は、表示部41と、操作受付部42とを備え、表示部41に表示される制御画面200などを介してユーザから操作入力を受け付けてもよい。
 
【0154】
  また、上記の各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central  Processing  Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
 
【0155】
  なお、本発明は、情報作成方法として実現できるだけでなく、情報作成方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるためのプログラム、及び、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なDVD(Digital  Versatile  Disc)などの記録媒体として実現することもできる。
 
【0156】
  つまり、上述した包括的又は具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
 
【0157】
  その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。