【課題を解決するための手段】
【0012】
これを実施するために、本発明は、減速ギヤボックスに機械的に結合、または分離されることができるように構成された動力シャフトに取り付けられたガス発生器とフリータービンとが配置されたケーシングを含むターボシャフトエンジンに関する。
【0013】
本発明によるターボシャフトエンジンが、前記動力シャフトのための軸受を形成し、前記動力シャフトと前記減速ギヤボックスとの間の機械的分離に相当する作動位置として知られる位置と、前記動力シャフトから離され、前記動力シャフトと前記減速ギヤボックスとの間の機械的結合に相当する受動位置として知られている位置との間で移動できる少なくとも1つのセントライザを備えることを特徴とする。
【0014】
したがって、本発明によるターボシャフトエンジンは、動力シャフトのための軸受を形成し、ターボシャフトエンジンが減速ギヤボックスから分離された場合、ターボシャフトエンジンが動力シャフトを自己保持することができる作動位置に配置されるように適合された可動セントライザを装備する。加えて、動力シャフトが減速ギヤボックスに機械的に結合されている場合、可動セントライザは受動位置にあり、その場合、動力シャフトから径方向に離れており、このシャフトを任意の機械的制約から解放する。
【0015】
したがって、本発明によるターボシャフトエンジンは、具体的には、減速ギヤボックスに嵌着可能なターボシャフトエンジンを形成することを意図される。
【0016】
したがって、この種のはめ込み可能なターボシャフトエンジンは、前記ターボシャフトエンジンが前記減速ギヤボックスから分離される場合、前記動力シャフトのための軸受を形成し、前記動力シャフトと前記減速ギヤボックスとの間の機械的分離に相当する作動位置と、前記ターボシャフトエンジンが前記減速ギヤボックスに嵌着される場合、セントライザが前記動力シャフトから離され、前記動力シャフトと前記減速ギヤボックスとの間の機械的結合に相当する受動位置との間で移動できる少なくとも1つのセントライザを備える。
【0017】
したがって、ターボシャフトエンジンの格納、ターボシャフトエンジンの嵌着、または取り外し、ターボシャフトエンジンの運搬などの、ターボシャフトエンジンが減速ギヤボックスに嵌着されていないすべての状況において、フリータービンの動力シャフトが可動セントライザによって定位置に保持され、そのとき、可動セントライザは作動位置にあり、動力シャフトのための軸受を形成する。
【0018】
実際には、動力シャフトは、それぞれの端部の近傍に少なくとも1つの軸受を備える。減速ギヤボックスの近傍の端部は、動力端として知られており、他方の端部は、自由端として知られている。自由端のための軸受は、ターボシャフトエンジンのケーシング上に位置する軸受ハウジングによって形成される。動力端のための軸受は、可動セントライザが作動位置にあることによって形成される。一旦減速ギヤボックスに嵌着されると、軸受が減速ギヤボックスによって直接形成され、次いで減速ギヤボックスは、作動位置にある可動セントライザによって形成される軸受に取って代わる。
【0019】
有利には、本発明によれば、少なくとも1つの可動セントライザ、好ましくは各可動セントライザが、前記動力シャフトを前記減速ギヤボックスに結合する間に前記作動位置から前記受動位置まで自動的に通過できるように、および少なくとも1つの可動セントライザが、前記減速ギヤボックスから前記動力シャフトが分離する間に前記受動位置から前記作動位置まで自動的に通過できるように、構成される。
【0020】
この有利な変形形態によれば、受動位置から作動位置までの移行は自動的であり、減速ギヤボックスと動力シャフトとの機械的分離に付随しており、作動位置から受動位置までの移行は自動的であり、ターボシャフトエンジンを減速機に嵌着することに付随している。
【0021】
この作動位置から受動位置までの移行およびその逆の移動が自動的であるので、ターボシャフトエンジンを減速ギヤボックスに嵌着すること、またはそれを減速ギヤボックスからの取り外すことは、可動セントライザに嵌着されていないターボシャフトエンジンと比較して、用心する必要性がより少なくなる。これは、ターボシャフトエンジンの取り外し中、動力シャフトのための軸受を形成する可動セントライザが、自動的に自ら位置決めし、ターボシャフトエンジンが減速ギヤボックスに嵌着される場合には、セントライザがシャフトを自動的に解放するからである。したがって、本発明のこの変形形態によるターボシャフトエンジンの作業は、作業者にとって、操作中にターボシャフトエンジンを嵌着し、または取り外すことが特に容易である。
【0022】
有利には、本発明によれば、少なくとも1つの可動セントライザ、好適には各可動セントライザが、前記動力シャフトの軸線に平行な軸線を含み、前記ケーシングの円錐形部分と同じ形状の円錐形ガイドランプを備え、その結果、前記円錐形ガイドランプが前記ケーシングの前記円錐形部分上を摺動することによって、前記動力シャフトに対して前記可動セントライザを移動させる。
【0023】
この変形形態によれば、可動セントライザは、ターボシャフトエンジンのケーシングの円錐形部分と同じ形状の円錐形ガイドランプを含む。このガイドランプの軸線が動力シャフトの軸線に平行であるので、ランプの傾斜は動力シャフトの軸線に対して傾斜している。したがって、セントライザがケーシングの円錐形部分上を摺動することによって、ケーシングの円錐形部分に対するセントライザの移動方向に依存して、作動位置から受動位置まで、またはその逆に、動力シャフトに対してセントライザの移動が起こる。
【0024】
有利には、本発明によるターボシャフトエンジンは、前記ケーシングと可動セントライザとの間に、前記動力シャフトに垂直に取り付けられた少なくとも1つのばねと、前記ケーシングとこの可動セントライザとの間に延在する少なくとも1つの軸方向ばねとを備え、前記ばねが、ケーシングに対して固定され、可動セントライザに対して摺動可能であるように取り付けられており、前記ばねによって、前記ケーシングの前記円錐形部分上の前記ガイドランプの自発的な摺動に対抗する合力を前記ケーシングに向かって及ぼすことができる。
【0025】
他の変形形態によれば、これらのばねは、他の同等の弾性手段によって取り替えられる。
【0026】
追加の変形形態によれば、ばねまたは弾性手段は動力シャフトの軸線に対して傾斜している。
【0027】
これらの異なる変形形態によれば、ばね(または同等の弾性手段)は、ケーシングに向かって円錐形部分上のガイドランプの自発的な摺動に対抗する。言い換えれば、外部の制約がない場合、セントライザの円錐形ランプは、ケーシングの円錐形部分と接触していない。外部の拘束がない場合、ばねは、動力シャフトのための軸受を形成することができるように、可動セントライザを動力シャフトに向かって押し戻す。ばねは、可動セントライザに沿って摺動可能に取り付けられ、ケーシングに対して固定されるので、各ばねは、セントライザの移動を垂直方向に制約することなく、可動セントライザを好ましい方向に移動させる。移動の組み合わせは、ガイドランプに沿った移動を形成する。
【0028】
反対に、ケーシングに向かってセントライザに外力が加えられるならば、ガイドランプはケーシングの円錐形部分上を摺動し、動力シャフトから離れて径方向に移動する。
【0029】
この目的のために、有利にかつ本発明によれば、可動セントライザが、前記動力シャフトの軸線に対して垂直な平面内で、減速ギヤボックスの軸受面の反対側に延在する停止部を備えて、その結果、前記動力シャフトと前記減速ギヤボックスとの間の機械的結合が、前記軸受面と前記停止部との間の機械的接触を生成し、機械的接触は、前記ばねの圧縮を介して、前記セントライザに通じ、動力シャフトのための軸受を形成する前記作動位置から、前記セントライザがシャフトから離れている前記受動位置へ前記セントライザが前記ケーシングの前記円錐形部分上を摺動する。
【0030】
この変形形態によれば、ターボシャフトエンジンを減速ギヤボックスに嵌着することにより生じる、減速ギヤボックスの軸受面と可動セントライザの停止部との間の接触は、自動的にセントライザがケーシングの円錐形部分上を摺動し、したがって可動セントライザが動力シャフトから離れることになる。したがって、可動セントライザは、自動的に受動位置に移動する。反対に、ターボシャフトエンジンが減速ギヤボックスから分離されるとすぐに、セントライザの停止部は、もはや減速ギヤボックスによって制約されず、したがってばねは、セントライザを動力シャフトに向かって押し戻し、それによってシャフトのための支持軸受を形成する。
【0031】
有利には、本発明によれば、少なくとも1つの可動セントライザ、好適には各可動セントライザは、作動位置で前記シャフトを少なくとも部分的に取り囲むように、前記動力シャフトと接触する凹面を有する。
【0032】
別の変形形態によれば、少なくとも1つの可動セントライザは、前記動力シャフトとの接触凸面を有する。
【0033】
有利には、本発明によるターボシャフトエンジンは、前記動力シャフトの周りに配置された少なくとも2つの可動セントライザを含む。
【0034】
本発明はまた、本発明による少なくとも1つのターボシャフトエンジンを備える航空機、特にヘリコプターに関する。
【0035】
本発明は、ターボシャフトエンジンおよびターボシャフトエンジンを備えた航空機にも関し、これらは上述のまたは下述の特徴のすべてまたはいくつかを組み合わせることを特徴とする。
【0036】
本発明の他の目的、特徴および利点は、添付の図面を参照して単に限定しない説明として与えられる、以下の説明を読むことによって明らかになる。