【課題を解決するための手段】
【0009】
この点において、本発明は、評価装置を用いた少なくとも1つの第1風力発電設備または少なくとも1つの第1風力発電所への制御命令の出力方法、および/または、評価装置を用いた少なくとも第1風力発電設備または第1風力発電所の運転状態に関するイベントメッセージの出力方法に関する。本発明によれば、少なくとも1つのさらなる風力発電設備または少なくとも1つのさらなる風力発電所からのデータが、評価装置によって受信される。第1風力発電設備は、さらなる風力発電設備とは異なる風力発電設備であって、好ましくは、第1風力発電所とは異なるさらなる風力発電所に配置される。第1風力発電所は、さらなる風力発電所とは異なる風力発電所である。
【0010】
受信データは評価装置において評価され、第1風力発電設備または第1風力発電所のための制御命令またはイベントメッセージが、受信され評価されたデータに基づいて、出力される。
【0011】
従って、第1風力発電設備または第2風力発電所のための制御命令またはイベントメッセージを生成するために、さらなる風力発電設備またはさらなる風力発電所から評価装置へ供給されたデータは、評価装置において処理される。
【0012】
データラインまたは無線データ接続部であるデータ接続部は、データを評価装置に送信する目的で、さらなる風力発電所またはさらなる風力発電設備と評価装置との間に提供されることが好ましい。
【0013】
よって、本発明は、例えば、運転状態を評価し、第1風力発電設備または第1風力発電所の運転状態に介入することを目的として、さらなる風力発電設備またはさらなる風力発電所からの測定値であるデータを考慮に入れることを可能にする。
【0014】
従って、例えば、データとして受信される第1風力発電設備または第1風力発電所の運転パラメータは、さらなる風力発電設備またはさらなる風力発電所のパラメータまたは測定値とは異なる場合には、第1風力発電設備または第1風力発電所の異常な運転状態を推測することが可能になる。よって、第1風力発電設備または第1風力発電所の運転パラメータが許容範囲外にならない限り、第1風力発電設備または第1風力発電所の異常な運転パラメータによいタイミングで反応することは既に可能である。
【0015】
一実施形態によれば、第1風力発電設備または第1風力発電所の第1コントローラ、およびさらなる風力発電設備またはさらなる風力発電所のさらなるコントローラは、データ接続部を介して接続される。評価装置は、第1風力発電設備または第1風力発電所の第1コントローラの一部である。
【0016】
よって、第1コントローラと、さらなる風力発電設備またはさらなる風力発電所のさらなるコントローラとの間にデータ接続部だけが確率されていなければならない結果として、評価装置は、既存の第1コントローラに容易に統合される。
【0017】
さらなる実施形態によれば、第1風力発電設備または第1風力発電所の第1コントローラ、およびさらなる風力発電設備またはさらなる風力発電所のさらなるコントローラは、データ接続部を介して、評価装置がその一部である制御室へ接続される。
【0018】
よって、複数の風力発電設備または複数の風力発電所がそれらのコントローラによって接続される中央制御室が提供される。従って、風力発電設備または風力発電所のための制御命令は、集中的に生成される、あるいは、風力発電設備または風力発電所のためのイベントメッセージは、評価装置を用いる制御室において、集中的に出力される。この場合には、運転パラメータ、例えば、他の風力発電設備または他の風力発電所からのセンサ値は、制御室で考慮される。
【0019】
従って、接続された全ての風力発電設備または風力発電所からのパラメータ、値、または測定値の偏差を集中的に検出することができ、適切なタイミングで異常に対応することができるという結果として、中央評価および制御室に接続された全ての風力発電設備または風力発電所のための制御が可能である。
【0020】
有利な実施形態によれば、この方法は、第1測定値に対応し、第1風力発電設備または第1風力発電所の少なくとも1つのセンサを用いて記録される第1データが評価装置によって受信されるステップを含む。この方法はまた、さらなる測定値に対応し、第1風力発電設備またはさらなる風力発電所とは異なる少なくとも1つのさらなる風力発電設備、または第1風力発電所とは異なるさらなる風力発電所の少なくとも1つのさらなるセンサを用いて記録されるさらなるデータを受信するステップを含む。
【0021】
この方法はまた、第1およびさらなる測定値に基づいて、第1風力発電設備または第1風力発電所を制御するステップ、および/または、第1およびさらなる測定値に基づいて、第1風力発電設備または第1風力発電所の運転状態に関係するイベントメッセージを出力するステップを含む。
【0022】
よって、第1風力発電設備または第1風力発電所を制御するために、センサ値または風力発電設備または風力発電所において測定された測定値が制御に使用されるだけでなく、むしろ、評価装置を用いて受信され記録されるもう1つの風力発電所またはもう1つの風力発電設備からのさらなる測定値も、制御命令または評価装置を用いる第1風力発電設備または第1風力発電所の運転状態に関係するイベントメッセージを出力するために、上記値に加えて用いられる。
【0023】
さらなる有利な実施形態によれば、評価装置は、制御命令および/またはイベントメッセージを出力するために用いられ、第1風力発電設備または第1風力発電所のセンサからの第1測定値、および少なくとも1つの風力発電設備または1つのさらなる風力発電所のセンサからのさらなる測定値が、評価装置へ供給される。
【0024】
この場合には、第1およびさらなる風力発電設備または第1またはさらなる風力発電所に配置されるセンサが、風力発電設備または風力発電所の実質的に同一の領域、または実質的に同一の位置にそれぞれ配置される。
【0025】
よって、有利なことに、第1およびさらなる風力発電設備または第1またはさらなる風力発電所内の実際に匹敵する条件に曝されたセンサからの値だけが基準値を形成するため、さらなる測定値から基準値を正確に形成することができる。
【0026】
さらなる実施形態によれば、さらなる測定値、またはさらなる測定値および、例えば、さらなる測定値の平均値または、平均値に依存するさらなる測定値の値から決定されるさらなる基準値から、第1風力発電設備または第1風力発電所の測定値の偏差が検出され、その偏差が所定の閾値を超えている場合には、評価装置が、イベントメッセージ、特に、異常メッセージを出力する。
【0027】
よって、基準値は、例えば、平均値形成によって、評価装置内のさらなる測定値から基準値が決定される。さらに、この基準値に対する閾値が予め定められている、あるいは決定されている。今度は、第1測定値が所定の閾値以上に逸脱した場合には、第1測定値は、評価装置によって正しくないと解釈される。これは、第1風力発電設備または第1風力発電所の誤動作を推測する。
【0028】
さらなる実施形態によれば、第1およびさらなる風力発電設備または風力発電所のセンサからの第1およびさらなる測定値は、最大で、100km未満、特に、500m、5km、10km、20km、または50km未満であって、互いに、制御命令および/またはイベントメッセージを出力するために用いられる。
【0029】
よって、第1風力発電設備または第1風力発電所から最大100kmの距離にあるさらなる風力発電設備または風力発電所からのさらなる測定値だけが、例えば、第1風力発電設備または第1風力発電所の領域に配置された評価装置において用いられる。
【0030】
これにより、センサまたは風力発電設備がほぼ同じ領域に配置されている場合には、測定値を考慮する場合の環境条件の影響、例えば、第1およびさらなる測定値へ同等に影響する外気温への影響を補償することができる。
【0031】
これらの距離を越えた場合、比較がますます困難になる、あるいはもはや不可能になるであろう。特定のイベントメッセージまたは特定の制御命令を形成するためには、特に、さらに短い所定の距離、すなわち、例えば、500mから数kmの距離が有利である。
【0032】
さらなる実施形態によれば、さらなる風力発電設備の1つの上に堆積する氷がさらなるデータによって評価装置へ報告されると、氷警告灯を作動させる制御データが、評価装置を用いて、第1風力発電設備または第1風力発電所へ出力される。よって、第1風力発電設備においてまだ氷の堆積が検出されないにもかかわらず、第1風力発電所の氷警告灯は、すでにさらなる風力発電設備において検出された氷の堆積を利用して起動されることができる。
【0033】
さらなる実施形態によれば、さらなる風力発電設備またはさらなる風力発電所の飛行障害表示灯と同期して点滅するように第1風力発電設備または第1風力発電所の飛行障害表示灯を引き起こすために、評価装置は、さらなる風力発電設備またはさらなる風力発電所からの同期信号の形式でデータを受信し、第1風力発電設備または第1風力発電所のためのさらなる同期信号の形式で制御命令を生成する。
【0034】
これまで、GPSデータを用いた同期化などの複雑な方法を用いてのみ、飛行障害表示灯システムを同期的に点滅させることは可能であったが、今度は、風力発電設備や風力発電所間のデータ接続部を使用したさらに正確な単純同期が可能になる。
【0035】
さらに有利な実施形態によれば、評価装置は、データ交換の目的のためのさらなるエネルギー生成器を接続するための制御インターフェースを有している。そして、さらなるエネルギー生成器は、制御インターフェースによって制御され、ケースデータが、この目的のために評価装置によってさらなるエネルギー生成器と交換される。制御目的のために、所望の電力値、所望の無効電力値等の規制値は、さらなるエネルギー生成器に送信され、特に、または、データが、インターフェースを介してさらなるエネルギー生成器から評価装置によって受信される。
【0036】
よって、直接的なデータ交換によって、ネットワークオペレータとは独立して、風力発電設備またはさらなるエネルギー生成器を自立的に制御することができる。特に、第1風力発電所またはさらなる風力発電所によって、例えば、スランプ(slump)のために供給ネットワークに十分な電力が供給できない場合には、評価装置は、例えば、さらなるエネルギー生成器へ所望の電力値を出力することができる。
【0037】
さらなる実施形態によれば、評価装置は、第1風力発電所の一部であって、第1風力発電所のコントローラ、すなわち、第1風力発電所の風力発電所レギュレータを置き換える。そして、評価装置は、少なくとも1つのさらなる風力発電所の風力発電所レギュレータから、データ接続部を介して、所望の電力値、所望の無効電力値等のような規制値を受信する。
【0038】
従って、風力発電所は、さらなる風力発電所の風力発電所レギュレータによって規制され、例えば、第1風力発電所のコストを節約することができる。
さらなる実施形態によれば、さらなる風力発電設備または風力発電所から、データ接続部を介して、天候データが受信され、評価装置において処理される。第1風力発電設備または第1風力発電所を制御するための制御命令は、天候データに基づいて送信される。
【0039】
従って、例えば、第1風力発電設備または第1風力発電所を制御する際の天気予報に基づいて、ネットワークオペレータによって予め定義された所望の値を、さらに考慮することができる。この場合には、天気予報は、第1風力発電設備または第1風力発電所の環境センサを用いて検出されたデータだけに基づかない。この結果、天候データは、より正確に予測され使用される。
【0040】
本発明はまた、少なくとも1つの第1風力発電設備または第1風力発電所に制御命令を出力するためのインターフェース、および/または、少なくとも1つの風力発電設備または少なくとも1つの風力発電所の運転状態に関するイベントメッセージを出力するためのインターフェースを有する評価装置に関する。評価装置はまた、さらに、少なくとも1つのさらなる風力発電設備、特にさらなる風力発電所、または少なくとも1つの風力発電所から評価装置へ送信されるデータを受信するさらなるインターフェースを有している。特別な実施形態によれば、評価装置は、上述した実施形態の1つに係る方法を実行するために設定される。
【0041】
さらなる実施形態によれば、評価装置は、さらなるエネルギー生成器に接続するための制御インターフェースを有している。この制御インターフェースは、さらなるエネルギー生成器を持つデータを交換し、エネルギー生成器を制御するために用いられる。特に、そのインターフェースは、所望の電力値、所望の無効電力値等の規制値を送信する、および/またはそのインターフェースを介してそういったデータを受信するために用いられる。
【0042】
本発明はまた、少なくとも1つの第1風力発電設備または少なくとも1つの風力発電所、および少なくとも1つのさらなる風力発電設備または少なくとも1つのさらなる風力発電所を有するシステムに関する。さらなる風力発電設備は、特に、第1風力発電所とは異なるさらなる風力発電所における風力発電設備である。
【0043】
上記システムはまた、少なくとも第1風力発電設備または少なくとも第1風力発電所と、および少なくとも1つのさらなる風力発電設備または少なくとも1つの風力発電所との間においてデータを交換するためのデータ接続部を有している。一実施形態によれば、上記システムは、上述した実施形態の1つに係る方法を実行するために設定され、さらなる特別の実施例の実施形態の発明に係る評価装置を備えている。
【0044】
本発明の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して、例として、以下でより詳細に説明される。