(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第2の多関節ツール器具に結合可能な第2のツール操縦部をさらに有しており、前記第2の多関節ツール器具の近位部分が前記エントリーガイド内に配置されるときに、前記第2の多関節ツール器具の作業端部が前記エントリーガイドの前記遠位端部から外側へ延びることができ、
前記制御手段は、
第2のツール制御部であって、該第2のツール制御部への入力に応答して、前記第2のツール操縦部に命令して前記第2の多関節ツール器具の関節を動かすための第2のツール制御部と、
前記エントリーガイド操縦部が前記少なくとも1つの入力装置の動きに応答して前記エントリーガイドを前記回動中心点の周りに回動させるように命令されている間に、前記第2の多関節ツール器具の関節を動かして前記第2の多関節ツール器具の接合部を調整することによって、前記第2の多関節ツール器具の前記作業端部の姿勢を前記固定された基準座標系に対して自動的に維持するように前記入力を前記第2のツール制御部に提供する第2の手段と、を含む、請求項2に記載のロボットシステム。
前記操作者が前記一対の入力装置のうちの一方を所定の方法で操縦するが、前記一対の入力装置のうちの他方を前記所定の方法で操作しないことに応答して、当該ロボットシステムの動作モードを現在のモードから別のモードに切り替えるためのモード切替え手段をさらに有する、請求項5に記載のロボットシステム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書において、医療ロボットシステムがロボットシステムの例として記述されるが、本出願において特許請求される本発明の様々な態様はそのような種類のロボットシステムに限定されないことが明確に理解されるべきである。
【0016】
図1は、患者(“P”)へ医療処置を施すために外科医(“S”)によって医療ロボットシステム100が使用されている手術室の平面図を示す。この場合の医療ロボットシステムは、最小侵襲ロボット手術(MIRS)システムであり、患者が手術台52上にいる間に一人又はそれ以上の助手(“A”)からの支援を受けて、患者に最小侵襲診断処置又は外科的処置を施す間に、外科医によって利用されるコンソール51を含む。
【0017】
複数の多関節器具が、エントリーガイド(EG)200を通って単一の入口開口61を通して患者体内の手術部位へ導入される。開口61は、最小限侵襲的な切開又は自然な身体の開口部であり得る。エントリーガイド200は筒状の構造であり、ロボットアームアセンブリ2514(本明細書において単に“ロボットアーム”とも呼ばれる)によって保持及び操縦される。ロボットアーム2514は、セットアップアーム及びエントリーガイド操縦部を有する。セットアップアームは、回動の中心点が開口に生じるように、エントリーガイド200を開口61に配置させるために使用される。ロボットアーム2514の遠位端部には、プラットフォーム2512が取り付けられている。プラットフォーム2512上には、器具アセンブリ2516が取り付けられ、それらの各自の器具がエントリーガイド200を通って延びることができる。各器具アセンブリは、多関節器具及びその器具操縦部を有する。
【0018】
図2は、一つの実施例として、エントリーガイド200及びエントリーガイド200から外側に延びる複数の多関節手術ツール器具231,241(本明細書において単に“ツール”とも呼ばれる)のような多関節器具及び多関節立体カメラ器具211(本明細書において単に“カメラ”とも呼ばれる)の斜視図を示す。カメラ器具211は、その先端部に収容された一対の立体画像取得装置311,312及び(その近位側端部で光源に結合された)光ファイバーケーブル313を有する。複数の手術ツール231,241は、複数のエンドエフェクタ331,341を有する。二つのツール231,241のみが図示されているが、エントリーガイド200は、患者体内の手術部位で医療処置を施すために要求されるように、追加的な複数のツールを案内することができる。例えば、
図3においてエントリーガイド200の断面図に示されるように、エントリーガイド200を通してその遠位側端部から外側に、他の多関節手術ツールを延ばすために、通路351が利用可能である。通路431,441は、それぞれ多関節手術ツール器具231,241によって使用され、通路321は、多関節カメラ器具211によって使用される。
【0019】
各多関節手術ツールは、複数の作動可能な関節及び関節に結合された複数のリンクを有する。一つの実施例として、第二の多関節器具241は、第一のリンク、第二のリンク及び第三のリンク322,324,326、第一の関節及び第二の関節323,325及び手首関節327を有する。第一の関節323は第一のリンク及び第二のリンク322,324に結合し、第二の関節325は第二のリンク及び第三のリンク324,326に結合しており、第一のリンク及び第三のリンク322,326が互いに平行なままで、第二のリンク324は第一の関節323の周りでピッチ292及びヨー293に回動することができる。他のツール器具及びカメラ器具231,251,211は、同様に構築及び操作されることができる。
【0020】
図4は、一つの実施例として、ロボットアーム2514の遠位端部でプラットフォーム2512上に取り付けられた多関節器具アセンブリ2516を示す。エントリーガイド200は、エントリーガイド操縦部によって(プラットフォーム2512と共に)エントリーガイド200が操縦されることができるように、プラットフォーム2512に取り付けられている。各多関節器具アセンブリは、多関節器具及びその器具操縦部を有する。例えば、一つの例示的な多関節器具2502aは、多関節器具の複数の関節を作動させるための複数のアクチュエータを含むアクチュエータアセンブリ2504上に取り付けられる。器具2502aは、そのアクチュエータアセンブリ2504を過ぎて延長し、エントリーガイド200に入る本体管2506を有する。アクチュエータアセンブリ2504は、本体管2506のエントリーガイド200内への挿入及び引き戻しを制御するリニアアクチュエータ2510(例えばサーボ制御される送りネジ及びナット、又はボールネジ及びナットアセンブリ)に取り付けられている。器具操縦部2520は、この場合、アクチュエータアセンブリ2504及びリニアアクチュエータ2510を有する。器具2502aが多関節器具241である場合において、本体管2506の遠位端部は
図2に示される第一のリンク322である。第二の器具2502bは、図示されるように同様の機構で取り付けられる。加えて、多関節カメラ器具も付様に取り付けられることができる。
【0021】
図5は、一つの実施例として、コンソール51の正面図を示す。コンソール51は、使用者がそれぞれ彼/彼女の左手及び右手で握り、エントリーガイド及び多関節器具のような関連する装置を多数の自由度(“DOF”)で操縦するための左側入力装置41及び右側入力装置42を有する。爪先及び踵制御を備えたフットペダル44,48がコンソール51上に設けられる。本明細書において記述されるような制御及び他の目的のため、プロセッサ43はコンソール51内に設けられる。左側アイピース及び右側アイピース46及び47を有する立体像ディスプレイ45もまた、立体カメラ器具211によって取得され、プロセッサ43によって処理された複数の画像から結果として生じる立体画像を表示するために、設けられる。立体像ディスプレイ45上に表示されている立体像は、カメラ器具211によって取得された画像に対応してもよく、又は、それは、外科医の好みに合わせるため及び/又は外科医にテレプレゼンスを提供するためにデジタル処理で修正された像であってもよい。
【0022】
プロセッサ43は、医療ロボットシステムにおける様々な機能を実行する。プロセッサ43が実行する一つの重要な機能は、入力装置41,42の機械的な運動を、バス110を通る制御信号を手段として変換及び伝達し、それらの関連する操縦部内のアクチュエータに命令してそれらの各々の関節を作動させることである。それにより、外科医は、例えばツール器具231,241、カメラ器具211、エントリーガイド200などの、複数の装置を有効に操縦することができる。他の機能は、本明細書において記述される様々な方法を実行すること及び様々な制御部及び相互連動の制御ロジックの実装である。
【0023】
プロセッサとして記述されているが、プロセッサ43は、ハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアの如何なる組み合わせによって実行されてもよいことが明確に理解されるべきである。また、本明細書において記述されたその複数の機能は、一つのユニットによって実行されてもよく、又は複数の異なる構成要素の間で分割されてもよく、その各構成要素は同様にハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアの如何なる組み合わせによって実行されてもよい。さらに、コンソール51の一部分として示されているが、プロセッサ43はまた、システム全体に分配された、いくつかのサブユニットを有してもよい。
【0024】
“最小侵襲手術システム(Minimally Invasive Surgical System)”と表題が付けられた米国特許公開US2008/0065108Alは、医療ロボットシステム100のような医療ロボットシステムの追加的な詳細を提供する。当該特許公開の内容は参照により本明細書に取り込まれる。
【0025】
医療ロボットシステム100のようなロボットシステムは、複数の操作モードで操作されることができる。医療ロボットシステム100のための、いくつかのそのような操作モードは、以下のように
図6乃至8を参照して説明される。ロボットシステムの複数の操作モードの中から一つの操作モードを選択するための方法の複数の実施例は、以下のように
図9乃至12を参照して説明される。
【0026】
図6は、一つの実施例として、様々な操作モードにおいて、装置操縦部(及びそれらの各々の装置)を、制御及び入力装置41,42との選択的な関連付けをするための複数の構成要素のブロック図を示す。複数の手術ツール、例えば捕捉器具、切断器具及び針は、患者体内の手術部位で医療処置を実行するために使用され得る。本実施例において、二つの手術ツール231,241は処置をロボット制御で実行するために使用され、カメラ211は処置を見るために使用される。ツール231,241及びカメラ211は、エントリーガイド200内の通路を通って挿入される。
図1を参照して記述されたように、エントリーガイド200は、ロボットアームアセンブリ2514のセットアップ部を使用して、入口開口61を通って患者体内に挿入される。そして、エントリーガイド200は、ロボットアームアセンブリ2514のエントリーガイド操縦部(EGM)202によって、医療処置が実行される手術部位に向かって誘導されることができる。各装置231,241,211,200は、それ自体の操縦部によって操縦される。具体的には、カメラ211はカメラ操縦部(ECM)212によって操縦され、第一の手術ツール231は第一の器具操縦部(PSM1)232によって操縦され、第二の手術ツール241は第二の器具操縦部(PSM2)242によって操縦され、エントリーガイド200はエントリーガイド操縦部(EGM)202によって操縦される。
【0027】
各器具操縦部232,242,212は、アクチュエータを備え、それぞれの多関節器具へ動きを伝達する機械的、無菌のインターフェイスを提供する機械的アセンブリである。各器具231,241,211は、その操縦部からの動きを受け、ケーブルによる伝達を用いて、遠位側の分節部又は接合部(例えば関節)へそれを伝搬する機械的アセンブリである。そのような関節は、直動式(例えば、平行移動)又は回転式(例えば、それらはある機械的な軸を中心に回転)であってもよい。その上に、器具は、複数の関節をあらかじめ決められた様式で一緒に動かす、内部の機械的な拘束(constraints)(例えば、ケーブル、ギア、カム、ベルト等)を有してもよい。機械的に拘束された複数の関節のそれぞれのセットは、特有の動きの軸を実行し、拘束は、複数の回転関節(例えばジョグル関節)を一組にするように考案されてもよい。このようにして、器具は利用可能なアクチュエータよりも多くの関節を有し得ることにも留意されたい。
【0028】
各入力装置41,42は、装置211,231,241,200の一つに選択的に関連付けられてもよく、関連付けられた装置は、その制御部及び操縦部を経由して入力装置によって制御され得る。操作者は、本明細書において記述されるようなフットペダル44,48に一方又は両方及び他の構成要素、並びに本明細書において記述されるような方法を用いて、そのような選択を実行することができる。各々のそのような選択のために、選択入力が生成され、マルチプレクサ(MUX)280へ提供される。マルチプレクサ(MUX)280もまた、好ましくはプロセッサ43によって実装される。選択入力によって提供される値(すなわち、1と0との組み合わせ)に応じて、切り替え(クロススイッチング)の複数の異なる組み合わせが選択可能である。
【0029】
第一の実施例として、MUX280への選択入力の第一の値は、左側入力装置及び右側入力装置41,42を“ツール追従”操作モードに置く。“ツール追従”操作モードにおいて、入力装置41,42は、第一の手術ツール及び第二の手術ツール241,231にそれぞれ関連付けられる。したがって、この操作モードにおいてツール231,241は、それらの各々の制御部243,233及び操縦部242,232を通じて、入力装置41,42を操縦している外科医によって、遠隔ロボット制御で制御される。外科医は、患者体内の手術部位で解剖学的構造体に医療処置を施すように操縦を行い、その間、エントリーガイド200は、その制御部203によって所定の位置に柔軟に位置固定(ソフトロック)されている。カメラ211もまた、その制御部213によって所定の位置にソフトロックされてもよく、又は代替的に、カメラ211は、ツール231,241のエンドエフェクタ331,341の動きを自動的に追跡するように動き、エンドエフェクタがカメラの視野に留まるようにしてもよい。この構成において、MUX280は切り替え(クロススイッチング)を行い、入力装置41の出力及び入力251,252をツール制御部243の入力及び出力260,261へそれぞれ接続し、入力装置42の出力及び入力253,254をツール制御部233の入力及び出力268,269へそれぞれ接続する。このようにして、入力装置41,42は、ツール241,231の動きを命令し、それらの各々の制御部243,233から触覚フィードバックを受信することができる。
【0030】
カメラ211又はエントリーガイド200が外科医によって再配置されるべき場合は、左側入力装置及び右側入力装置41,42の一方又は両方は、カメラ211又はエントリーガイド200に関連付けられることができる。それにより、外科医は、その各々の制御部(213又は203)及び操縦部(212又は202)を通じてカメラ211又はエントリーガイド200を動かすことができる。この場合に、複数の手術ツール231,241のうち関連付けを解除された一つ(又は複数)は、その制御部により、エントリーガイド200に対する所定の位置にロックされる。
【0031】
第二の実施例として、MUX280への選択入力の第二の値は、左側入力装置及び右側入力装置41,42の一方を、片手用のカメラ制御モード(本明細書において単に“カメラ”操作モードと呼ばれる)に置く。“カメラ”操作モードにおいて、入力装置はカメラ211に関連付けられる。したがって、この操作モードにおいてカメラ器具211は、その制御部213及び操縦部212を通じて、その関連付けられた入力装置を操縦している外科医によって、遠隔ロボット制御で制御される。外科医は、カメラ211を適当な姿勢に配するように操縦を行い、その間、手術ツール231,241及びエントリーガイド200は、それらの各々の制御部233,243,203によって所定の位置にソフトロックされている。この構成において、入力装置41がカメラ211に関連付けられたと仮定すると、MUX280は切り替え(クロススイッチング)を行い、入力装置41の出力及び入力251,252をカメラ制御部213の入力及び出力262,263へそれぞれ接続する。このようにして、入力装置41は、多関節カメラ器具211の動きを命令し、その制御部213から触覚フィードバックを受信することができる。他方の入力装置42は、その時に他の装置に関連付けられてもよく、又はその時に如何なる装置にも関連付けられていなくてもよい。後者の場合に、入力装置42は使用されず、好ましくは所定の位置にロックされるか、又は代替的に、入力装置42はコンピュータのマウスのような特別な機能を実行するために使用されてもよい。
【0032】
第三の実施例として、MUX280への選択入力の第三の値は、左側入力装置及び右側入力装置41,42を、“両手用、エントリーガイド配置モード”(本明細書において単に“エントリーガイド”操作モードと呼ばれる)に置く。“エントリーガイド”操作モードにおいて、入力装置41,42は、一対の入力装置としてエントリーガイド200に関連付けられる。したがって、このモードにおいてエントリーガイド200は、その制御部203及び操縦部202を通じて、入力装置41,42を操縦している外科医によって、遠隔ロボット制御で制御される。外科医は、エントリーガイド200を適当な姿勢(すなわち、位置及び方向)に配するように操縦を行い、その間、手術ツール231,241及びカメラ211は、それらの各々の制御部233,243,213によってエントリーガイド200に対して所定の位置にソフトロックされている。この場合に入力装置41,42は、例えば、入力装置41,42の回動中心の中間の点が、カメラ器具211の動きを制御するために使用される“仮想ハンドルバー”像を参照する制御技術の使用のように、エントリーガイド200を制御するために連携して(in tandem)使用されることができる。この構成において、MUX280は切り替え(クロススイッチング)を行い、入力装置41の出力及び入力251,252をエントリーガイド制御部203の入力及び出力265,266へそれぞれ接続し、また、入力装置42の出力及び入力253,254もエントリーガイド制御部203の入力及び出力265,266へそれぞれ接続する。エントリーガイド制御部203は、それぞれ入力装置41,42からの入力251,253を組合せ、以下のように
図7、
図8を参照して本明細書において記述されるような“エントリーガイド”操作モードを実行するための論理回路を含む。
【0033】
図7は、一つの実施例として、入力装置41,42のための可動な基準座標系を示す。具体的には、左側入力装置41の先端に原点702を有するデカルト座標系X
LM,Y
LM,Z
LMは、左側入力装置41に関連付けられる第一の可動な基準座標系を規定し、右側入力装置42の先端に原点712を有するデカルト座標系X
RM,Y
RM,Z
RMは、右側入力装置42に関連付けられる第二の可動な基準座標系を規定する。またこの場合において、各入力装置は使用者によって手で保持される把持部を有する。具体的には、入力装置41は把持部701を有し、入力装置42は把持部710を有する。上述した“ツール追従”操作モード及び“カメラ”操作モード内のような単一の装置操作において、把持部の動きは、固定された基準座標系に対する入力装置の先端の基準座標系の動きに結果し、そして、エントリーガイド200の回動中心点に対する、関連付けられた装置の対応する動きに結果する。この場合の固定された基準座標系は、コンソール51の立体像ディスプレイ45にあり、立体像の平面内のX軸及びY軸並びに像の奥行きに対応するZ軸を持つように規定される。
【0034】
図8は、簡略化された(正確な縮尺ではない)エントリーガイド200の斜視図を示す。エントリーガイド200は、概して筒状の形状であり、その長さに沿って中心に伸びる長手軸X’を有する。遠隔中心(RC)とも呼ばれる、エントリーガイド200の回動中心点は、図示されるようにX軸,Y軸及びZ軸を有する固定された基準座標系及び図示されるようにX’軸,Y’軸及びZ’軸を有するエントリーガイドの基準座標系の両方に関する原点として働く。前述したように、ロボットアーム2514のセットアップアームは、エントリーガイド200の遠隔中心が患者の入口開口61にあるように、エントリーガイド200を保持及び配置する。
【0035】
システム100が“エントリーガイド”操作モードにある場合に、入力装置41,42は、エントリーガイド200の動きを命令するために、外科医によって特定の方法で動かされる。具体的には、エントリーガイド200(及びその時にその内部に配置されている多関節器具)が(空間に固定されたままである)Z軸の回りを、遠隔中心“RC”でヨー方向Ψに回動させられることが望まれる場合、外科医は、どちらの方向にエントリーガイド200が回動させられるべきであるか応じて(例えば、左であれば時計回りに、反時計回りであれば右に)、両方の入力装置41,42の両方の把持部を同じ方向に右又は左の方向に動かす。エントリーガイド200(及びその時にその内部に配置されている多関節器具)が(エントリーガイド200の長手軸X’に対して直角な)Y’軸の回りを、ピッチ方向Θに回動させられることが望まれる場合、外科医は、両方の入力装置41,42の両方の把持部を同じ方向に上又は下に動かす。それにより、エントリーガイド200の遠位端部は両方の把持部701,710が上方に動かされた時に下がり(下方にピッチ)、そして、エントリーガイド200の遠位端部は両方の把持部701,710が下方に動かされた場合に上がる(上方にピッチ)。エントリーガイド200(及びその時にその内部に配置されている多関節器具)がその長手軸X’の回りを、ロール方向Θに回動させられることが望まれる場合、外科医は、一方の入力装置の把持部を上方に動かし、同時に他方の入力装置の把持部を下方に動かす。それにより、把持部は、入力装置41,42の可動な基準座標系の原点702,712の中間の点である回動中心点720の回りを回動する。最後に、エントリーガイド200がその長手軸X’に沿って、挿入/引き戻し方向又は内/外“I/O”方向に直線的に動かされることが望まれる場合は、外科医は、両方の入力装置41,42の把持部を同じ方向に前方又は後方に動かす。それにより、両方の把持部が前方に動かされた場合に、エントリーガイド200は挿入方向に前進し、両方の把持部が後方に動かされた場合に、エントリーガイド200は引き戻し方向に後進する。
【0036】
上述の3つの操作モードに加えて、MUX280への選択入力の第四の値は、左側入力装置及び右側入力装置41,42を、第四の操作モード(本明細書において“コンボ制御”操作モードと呼ばれる)に置く。“コンボ制御”操作モードにおいて、エントリーガイド200は、“エントリーガイド”操作モードを参照して前述したように連携して動く入力装置41,42によって動かされる。しかしながら、このモードにおいて、器具231,241のエンドエフェクタ331,341は、それらの各々の制御部233,243によって所定の位置に安定化(アンカー)される(すなわち、ワールド基準座標系において同じ位置及び方向に維持される)。これを行うために、器具制御部233,243は、それらの各々の器具操縦部232,242に命令して、エントリーガイド200の動きに従って、上記の所定の位置へのそれらのエンドエフェクタ331,341の安定化を調整するように、それらの各々の接合部関節(例えば、器具241の接合部関節323,325,327)を適切な方法で作動させる。“エントリーガイド”操作モードのように、カメラ制御部213は、カメラ操縦部212に命令してカメラ211の作動可能な関節を所定の位置にソフトロックさせる。それにより、エントリーガイド200が再方向付けされる際に、カメラ211の画像取得端部が再方向付けされる。この構成において、MUX280は切り替え(クロススイッチング)を行い、入力装置41の出力及び入力251,252をエントリーガイド制御部203の入力及び出力265,266へそれぞれ接続し、また、入力装置42の出力及び入力253,254もエントリーガイド制御部203の入力及び出力265,266へそれぞれ接続する。エントリーガイド制御部203は、それぞれ入力装置41,42からの入力251,253を組合せ、“エントリーガイド”操作モードを実行するための論理回路を含む。エントリーガイド制御部203と器具制御部243,233との間の連動制御ロジックは、器具制御部243,233に命令して、それらの各々の接合部関節を、適切な方法で作動させるように、それらの各々の器具操縦部232,242に命令させる。器具操縦部232,242は、エントリーガイド200の動きに従って所定の位置へのそれらのエンドエフェクタ331,341の安定化を調整する。
【0037】
“連動制御モードを持つ医療ロボットシステム(Medical Robotic System with Coupled Control Modes)”と表題が付けられた米国特許公報第2010/0274087Alは、参照により本明細書に取り込まれ、医療ロボットシステム100のような医療ロボットシステムにおける連動制御モードの追加的な詳細を提供する。
【0038】
図9は、ロボットシステムのプロセッサによって実行される、ロボットシステムの操作モード選択のための方法の流れ図を示す。ブロック801において、ロボットシステムは現在又は最新の(current)操作モード状態にある。例えば、現在の操作モードは、例えば患者体内の解剖学的構造に医療処置を施すために使用される“ツール追従”操作モードのような、ロボットシステムの通常の操作モードであってもよい。
【0039】
ブロック802において、方法は、例えばコンソール51の右側フットペダル44のような、モードスイッチが起動(activated)されたかどうかを確認又は決定(determines)する。この場合において、モードスイッチは、外科医がフットペダルを足で押圧した場合に起動される。モードスイッチの他の実施例は、入力装置41,42上の押圧可能なボタン及び音声認識システムへの音声命令を含む。ブロック802における確認結果又は決定がNO(いいえ)である場合、次いで方法はループしてブロック801に戻り、ロボットシステムを現在の操作モードに保つ。他方では、ブロック802における確認結果又は決定がYES(はい)である場合、次いでブロック803において、方法はロボットシステムを、例えば“コンボ制御”操作モードのような第一の操作モード(本明細書において既定操作モードとも呼ばれる)に置く。既定操作モードは、好ましくはその時点で選択のために利用可能な複数の使用者選択可能な操作モードの中で最も一般的に(よく)選択される操作モードである。この操作モードを既定操作モードにすることによって、大半の場合に、システムは更なる工程の遅延なく所望の操作モードで稼働していることができる。
【0040】
ブロック804において、方法は、例えばコンソール51の手で操縦可能な入力装置41,42のような一つ又はそれ以上の入力装置を操縦しているシステム使用者によって取られる、いくらかの動作を検出するまで待機する。ある動作が取られたことの検出に基づいて、方法は、その動作が、例えば“カメラ”操作モードのような第二の操作モードを区別又は識別する動作であるかどうかを、確認又は決定する。用語“区別する動作(distinguishing action)”とは、その時点で考慮されている他の操作モード(ロボットシステムが現在稼働している操作モードを含む)に対立するものとして、その操作モードを一意的に特定する動作を意味する。具体的には、それは、システム使用者によって、選択されている操作モードにおいて使用されるがその時点で選択のために利用可能な如何なる他の操作モードにおいても使用されない、入力装置41,42の一方又は両方に対して実行される操作的な動作である。“カメラ”操作モード及び“コンボ制御”操作モードについて、これら二つの操作モードだけがその時点で選択のために利用可能である場合の区別する動作の実施例が、それぞれ
図11及び
図12に示される。ブロック804における確認結果又は決定がYES(はい)である場合は、次いでブロック805において、方法は、ロボットシステムを第二の操作モードに置く。他方では、ブロック804がNO(いいえ)である場合は、その後方法はブロック802に戻る。
【0041】
第二の操作モードで稼働している間に、ブロック806において、方法は、モードスイッチがアクティブなままであるかどうかを確認する。ブロック806における確認結果又は決定がNO(いいえ)である場合は、次いで方法はループしてブロック802に戻る。他方では、ブロック806における確認結果又は決定がYES(はい)である場合は、その後ブロック807において、方法は、例えばコンソール51の手で操縦可能な入力装置41,42のような一つ又はそれ以上の入力装置を操縦しているシステム使用者によって取られる、いくらかの動作を検出するまで待機する。ある動作が取られたことの検出に基づいて、方法は、その動作が第三の操作モードを区別する動作であるかどうかを、確認又は決定する。ブロック807における確認結果又は決定がYES(はい)である場合は、次いで方法は、ロボットシステムを第三の操作モードに置く。他方では、ブロック807における確認結果又は決定がNO(いいえ)である場合は、次いで方法はループしてブロック805に戻り、ロボットシステムを第二の操作モードに保つ。第三の操作モードで稼働している間に、ブロック809において、方法は、モードスイッチがアクティブなままであるかどうかを確認する。ブロック809における確認結果又は決定がNO(いいえ)である場合は、次いで方法はループしてブロック802に戻る。他方では、ブロック809における確認結果又は決定がYES(はい)である場合は、次いで方法はループしてブロック808に戻り、ロボットシステムを第三の操作モードに保つ。
【0042】
上述の方法において、前の操作モードに戻るためには、所望の操作モードに進む前に方法がループしてブロック802までずっと戻ることができるように、モードスイッチが開放又は起動解除されねばならないことに留意されたい。例えば、ロボットシステムがその時点で第三の操作モードで稼働しており、システム使用者が第二の操作モードに戻ることを望む場合は、システム使用者はモードスイッチを解放せねばならず、それにより、方法は一気にブロック802まで戻る。システム使用者は、次いでモードスイッチを再び起動して、ブロック804を参照して記述したように第二の操作モードを区別する動作を実行せねばならない。
【0043】
図10は、一つの実施例として、ロボットシステムのプロセッサによって実行される、ロボットシステムの操作モード選択のための代替的な方法の流れ図を示す。この代替的な方法は、ループしてブロック802までずっと戻る必要なく、前の操作モードに戻ることを容易にするように、
図9の方法を変更したものである。この方法において、ブロック801−809は
図9を参照して記述したように概して同じ方法で実行されるが、以下の例外がある。
【0044】
第一の例外として、ブロック807における確認結果又は決定がNO(いいえ)である場合は、次いでループして直接にブロック805に戻る代わりに、ブロック911において、方法は、コンソール51の手で操縦可能な入力装置41,42のような、一つ又はそれ以上の入力装置を操縦しているシステム使用者によって取られる、いくらかの動作を検出するまで待機する。ある動作が取られたことの検出に基づいて、方法は、その動作が第一の操作モードを区別する動作であるかどうかを、確認又は決定する。ブロック911における確認結果又は決定がYES(はい)である場合は、次いで方法は一気にブロック803まで戻り、ロボットシステムを第一の操作モードに置く。他方では、ブロック911における確認結果又は決定がNO(いいえ)である場合は、その後方法はループしてブロック805に戻り、ロボットシステムを第二の操作モードに保つ。
【0045】
第二の例外として、ブロック809における確認結果又は決定がYES(はい)である場合は、次いでループして直接にブロック808に戻る代わりに、ブロック912において、方法は、コンソール51の手で操縦可能な入力装置41,42のような、一つ又はそれ以上の入力装置を操縦しているシステム使用者によって取られる、いくらかの動作を検出するまで待機する。ある動作が取られたことの検出に基づいて、方法は、その動作が第二の操作モードを区別する動作であるかどうかを、確認又は決定する。ブロック912における確認結果又は決定がYES(はい)である場合は、次いで方法は一気にブロック805まで戻り、ロボットシステムを第二の操作モードに置く。他方では、ブロック912における確認結果又は決定がNO(いいえ)である場合は、次いで方法はブロック914へ進む。ブロック914において、その動作が第一の操作モードを区別する動作であるかどうかを、確認又は決定する。ブロック914における確認結果又は決定がYES(はい)である場合は、次いで方法は一気にブロック803まで戻り、ロボットシステムを第一の操作モードに置く。他方では、ブロック914における確認結果又は決定がNO(いいえ)である場合は、その後方法はループしてブロック808に戻り、ロボットシステムを第三の操作モードに保つ。
【0046】
図9を参照して記述された方法の場合のように、モードスイッチが起動解除された(すなわち、もはやアクティブでない)という確認又は決定がなされた時はいつでも、方法はブロック802に戻る。ブロック802,806及び809においてなされる確認又は決定の代替として、モードスイッチの解放又は起動解除は、方法の処理を
図9及び10におけるブロック801に対応する処理点に自動的に戻す、システム割り込みの機能を果たしてもよい。
【0047】
上述の方法において“コンボ制御”操作モード又は“カメラ”操作モードのいずれかが既定の操作モードである場合に、これらの操作モードの両方においてエンドエフェクタはそれらの各々の制御部によって所定の位置に保持されているため、システム使用者による一つ又はそれ以上の入力装置の故意でない動きが、結果として意図せずにツール231,241のエンドエフェクタ331,341の動きを生じることがないことは注目に値し、指摘すべきものである。このように、エンドエフェクタ331,341の故意でない動きが手術部位の物に突き当たることは、これら二つの操作モードにおいては懸念事項ではない。
【0048】
これまで本発明の様々な実施形態の記述において、システム使用者は、いずれの使用者選択可能な操作モードがその時点で選択のために利用可能であるか、及び、利用可能な使用者選択可能な操作モードのそれぞれについて少なくとも一つの区別する動作を知っていると仮定されてきた。実際には、しかしながら、全てのシステム使用者がこの知識を有してはいないかもしれない。経験豊かな使用者でさえ、彼/彼女らの集中力がロボットシステムを使用して処置を施すことに焦点が合わされている間に、すぐに上記のような情報を思い出すことはできないかも知れない。それ故に、プロセッサ43は、好ましくは上記のような情報の図式的又は視覚的(グラフィカル)な指示(graphical indications)をディスプレイ45上に提供するように構成され、
図9及び
図10を参照して記述された方法と併せて、システム使用者がロボットシステムのための操作モードを選択することを支援する。
【0049】
図9及び
図10を参照して記述された方法は、好ましくは、ブロック804,807,911,912及び914において実行される、それらの各々の確認又は決定において、標準的な閾値及び/又はローパスフィルターを用いて、システム使用者による一つ又はそれ以上の入力装置の故意でない動きが、結果として意図しない操作モードの選択を生じることを防止する。閾値がこれらのブロックにおいてなされる確認又は決定に組み込まれている場合は、方法はまた、好ましくは、これらのブロックで取られる活動の一部として、使用者が区別する動作を実行するように一つ又はそれ以上の入力装置を動かすときに、感覚フィードバックを使用者に提供する。このようにして、使用者は、その時点で彼又は彼女がどれだけ閾値に近づいているかに気付いている。そのような感覚フィードバックは、コンソール51の立体ディスプレイ45上の視覚フィードバック、コンソール51のステレオスピーカー411,412による音声フィードバック及びコンソール51の入力装置41,42上の触覚フィードバックのいずれでも、又はいずれの組合せの形を取ってもよい。一つの実施例として、コンソール51の入力装置41,42上の触覚フィードバックが提供される場合、そのようなフィードバックは、一つ又はそれ以上の入力装置41,42の操縦が閾値に近づくにつれて、強度を増してもよい。他の実施例として、ステレオスピーカー411,412による音声フィードバックが提供される場合、一つ又はそれ以上の入力装置41,42の操縦が閾値に近づくにつれて、使用者に近づくかのようなステレオ音声又は単純に音量が大きくなるステレオ音声が提供されてもよい。
【0050】
図11及び
図12は、本明細書において記述される方法と併せて、システム使用者が操作モードを選択することを支援するために、例えば医療ロボットシステム100の立体像ディスプレイ45のような、ロボットシステムのディスプレイ画面上に提供されることができる、グラフィカルな情報の複数の実施例を示す。分離した複数の図面として示されているが、好ましくは、使用者がいずれの操作モードがその時点で使用者選択可能であるかを知ることができるように、その時点で使用者による選択のために利用可能な全ての操作モードが、立体像ディスプレイ45上に一緒に表示される。
【0051】
具体的には、
図11は、右側入力装置42の右側把持部710のグラフィカルな表現710’及びグラフィカルな指示1300を示す。グラフィカルな指示1300は、使用者によって選択可能な複数の操作モードが“カメラ”操作モード及び“コンボ制御”操作モードからなる場合に、“カメラ”操作モードについての区別する動作を実行するために、どのように右側把持部710が動かされ得るかを示す。この実施例においては、“カメラ”操作モードについての区別する動作は、右側把持部710のその軸X
RMの回りでの回動である。この動作は、“コンボ制御”操作モードにおいては実行されないであろう動作であり、従ってそれを“コンボ制御”操作モードから区別する。
【0052】
図11に右側把持部が参照されるが、システム使用者は、実質的には左側把持部又は右側把持部のいずれによって区別する動作を実行してもよい。一つの実施形態において、右側把持部710の回動は、結果として右側入力装置42をカメラの動きの制御と関連付けることをもたらし、そして、左側把持部701の回動は、結果として左側入力装置41をカメラの動きの制御と関連付けることをもたらす。他の実施形態において、右側把持部又は左側把持部のいずれかの回動は、結果として、事前選択された入力装置がカメラの動きの制御と関連付けられることをもたらす。この場合の事前選択は、グラフィカルユーザーインターフェイス、又は、本明細書に記載されるか又はロボットシステムにおいて従来から用いられる如何なる他の使用者/システム相互作用手段とやり取りをしている、システム使用者によって実行されてもよい。
【0053】
図12は、左側入力装置及び右側入力装置41,42の複数の把持部701,710のグラフィカルな表現701’710’及びグラフィカルな指示1400,1500を示す。グラフィカルな指示1400,1500は、使用者によって選択可能な複数の操作モードが“カメラ”操作モード及び“コンボ制御”操作モードからなる場合に、“コンボ制御”操作モードについての区別する動作を実行するために、どのように入力装置41,42の複数の把持部701,710が動かされ得るかを示す。この実施例においては、“コンボ制御”操作モードについての区別する動作は、両方の把持部701,710の上方向への動きである。この動作は、例えば、“カメラ”操作モードにおいては実行されないであろう動作であり、従ってそれを“カメラ”操作モードから区別する。
【0054】
図11のグラフィカルな指示1300は、閾値を示す目標1302及び一つ又はそれ以上の入力装置の使用者の操縦が閾値にどれほど近接しているか、又は近いかを示す矢印1301を含む。同じように、
図12のグラフィカルな指示1400,1500は、閾値を示す目標1402,1502及び一つ又はそれ以上の入力装置の使用者の操縦が閾値にどれほど近接しているか、又は近いかを示す矢印1401,1501を含む。図内に示される矢印は閾値が到達されたことを示すが、矢印は、特徴的な動作を示す動きが最初に確認又は決定される時点、及び、
図9及び
図10のブロック804,807,911,912,及び914においてそれらの各々の操作モードについて確認又は決定されたように、上記の動きが閾値に到達する時点から、漸進的に長くなることが明確に理解されるべきである。
【0055】
図11及び
図12に表された区別する動作は、システム使用者が示される操作モードに入るためにとり得る一つの推奨されている動作のいずれかを代表してもよく、又は、それは、システム使用者が示される操作モードに入るためにとり得るただ一つの動作を代表してもよい。前者の場合において、システムは、示される操作モードに入るために、(その時点で選択のために利用可能な全ての使用者選択可能な操作モードに対して)区別する如何なる動作にも反応するようにプログラムされる。この選択肢は、その時点での複使用者選択のために利用可能な複数の操作モードについての適切な区別する動作に関して知識が豊富な、経験豊富なシステム使用者のために適切であり得る。後者の場合において、システムは、示される操作モードに入るために、その時点で立体像ディスプレイ45上に示される区別する動作のみに反応するようにプログラムされる。この選択肢は、いずれの動作が利用可能な操作モードについての考えられる区別する動作であるのかの知識に欠け、それ故に、故意ではなく意図しない操作モードに入ることによって驚かされ得る、経験豊富でないシステム使用者のために適切であり得る。
【0056】
操作モードを選択するための区別する動作は、利用可能な複数の操作モードの異なる組み合わせについて、相違してもよいことに留意されたい。
図11及び
図12の実施例において、利用可能な動作モードは、“カメラ”操作モード及び“コンボ制御”操作モードである。しかしながら、利用可能な動作モードが“ツール追従”操作モード及び“カメラ”操作モードのみを含んでいた場合には、“カメラ”操作モードについての示された動作は、それを“ツール追従”操作モードにおいて取られ得る動作から区別できない。この場合は、“ツール追従”操作モードは、
図9及び
図10のブロック801に表される現在の操作モードとして初期的に設定され、“カメラ”操作モードへの切り換えは、
図9及び
図10を参照して記述されたモードスイッチを要求する。代替的に、“カメラ”操作モードが
図9及び
図10のブロック803における既定の操作モードとして選択された場合には、“ツール追従”操作モードについての区別する動作は、入力装置41,42の把持部701,710を絞ること又は握ることとなる。この動作は、“カメラ”操作モード及び“コンボ制御”操作モード又は“エントリーガイド”操作モードのいずれにおいても取られることがない動作である。
【0057】
本発明の様々な態様が、好ましい実施形態に関して記述されてきたが、本発明は、添付の特許請求の範囲の全範囲内の、完全な保護の資格を有することが理解されるであろう。