特許第6782822号(P6782822)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東日本電信電話株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6782822-分析プログラム 図000002
  • 特許6782822-分析プログラム 図000003
  • 特許6782822-分析プログラム 図000004
  • 特許6782822-分析プログラム 図000005
  • 特許6782822-分析プログラム 図000006
  • 特許6782822-分析プログラム 図000007
  • 特許6782822-分析プログラム 図000008
  • 特許6782822-分析プログラム 図000009
  • 特許6782822-分析プログラム 図000010
  • 特許6782822-分析プログラム 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6782822
(24)【登録日】2020年10月22日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】分析プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/36 20060101AFI20201102BHJP
【FI】
   H04M3/36 B
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-140710(P2019-140710)
(22)【出願日】2019年7月31日
【審査請求日】2019年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】399040405
【氏名又は名称】東日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】胡間 遼
(72)【発明者】
【氏名】成田 好輝
(72)【発明者】
【氏名】柴田 惇史
【審査官】 白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−139351(JP,A)
【文献】 特開2002−199109(JP,A)
【文献】 特開2016−154310(JP,A)
【文献】 特開平09−224084(JP,A)
【文献】 特開2010−136171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M3/00
3/08−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
H04Q1/20−1/26
3/58−3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
外部電話機と宅内の電話機に接続する通話制御装置によって生成され、前記外部電話機と前記電話機との通話の開始時間、終了時間および発着信電話番号を対応づけるログデータを参照して、単位時間毎の通話状況を示す通話状況データを生成する生成部と、
前記通話状況データの分析結果を出力する出力部
として機能させ
前記出力部は、
前記単位時間毎に利用された電話回線数が、前記通話制御装置が利用可能な最大電話回線数となる単位時間数が、所定値よりも大きい場合、最大電話回線数を増やすコメントを出力する
分析プログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
外部電話機と宅内の電話機に接続する通話制御装置によって生成され、前記外部電話機と前記電話機との通話の開始時間、終了時間および発着信電話番号を対応づけるログデータを参照して、単位時間毎の通話状況を示す通話状況データを生成する生成部と、
前記通話状況データの分析結果を出力する出力部
として機能させ、
前記通話制御装置が、電話番号毎に電話回線数を割り当て、電話番号の同時通話数が、割り当てられた電話回線数を超えないように制御する場合、
前記出力部は、
前記単位時間および前記電話番号毎に利用された電話回線数が、前記電話番号に割り当てられた電話回線数となる単位時間数が、所定値よりも大きい場合、前記電話番号に割り当てる電話回線数を増やす指示を出力する
分析プログラム。
【請求項3】
前記出力部は、さらに、
前記通話状況データを参照して、前記通話の少ない時間を特定し、前記特定された時間を、前記指示に基づいて前記通話制御装置を設定する時間として出力する
請求項2に記載の分析プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会社などの宅内において、宅内の電話機の通話を制御する通話制御装置が用いられる場合がある。通話制御装置は、ビジネスゲートウェイとも称される。通話制御装置は、会社が契約する複数の電話回線を使って、外部電話機と宅内の電話機間の複数の通話を中継し、制御する。
【0003】
宅内の通話ネットワークにおいて、電話会社と契約する電話回線数などの様々な設定がある。通話ネットワークの解析により、適切な値への設定が求められる。
【0004】
ネットワーク上を流れるパケットをキャプチャしたパケットデータを記載したキャプチャデータを解析するキャプチャデータ解析装置がある(例えば特許文献1)。キャプチャデータ解析装置は、キャプチャデータから抽出したパケットデータを解析して、セッション毎のエラー数を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−115729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のキャプチャデータ解析装置は、パケットをキャプチャすることから、キャプチャデータ解析装置を設置する際、ネットワークを切断し、通話が遮断される場合がある。あるいは、通話が発生しない時間に設置しなければならない場合がある。このように、キャプチャデータ解析装置でネットワークを解析する際、負担が生じる場合がある。
【0007】
従って本発明の目的は、ネットワークを遮断することなく、通話状況を解析する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様の分析プログラムは、コンピュータを、外部電話機と宅内の電話機に接続する通話制御装置によって生成され、外部電話機と電話機との通話の開始時間、終了時間および発着信電話番号を対応づけるログデータを参照して、単位時間毎の通話状況を示す通話状況データを生成する生成部と、通話状況データの分析結果を出力する出力部として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ネットワークを遮断することなく、通話状況を解析する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態に係る分析装置が用いられる通話システムを説明する図である。
図2】第1の実施の形態に係る分析装置のハードウエア構成と機能ブロックを説明する図である。
図3】ログデータのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
図4】第1の実施の形態に係る通話状況データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
図5】単位時間あたりの通話回線数の一例を説明する図である。
図6】コメント出力部によるコメント出力処理を説明するフローチャートである。
図7】割り当てデータのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
図8】第2の実施の形態に係る分析装置のハードウエア構成と機能ブロックを説明する図である。
図9】第2の実施の形態に係る通話状況データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
図10】指示出力部による指示出力処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1および図2を参照して、第1の実施の形態に係る分析装置1を説明する。分析装置1は、図1に示す通話システム7の通話制御装置2のログデータ11を取得する。分析装置1は、取得したログデータ11から、宅内通話ネットワーク6に接続した電話機4の使用状況を分析する。
【0013】
通話制御装置2は、例えば会社等の宅内に設けられる。通話制御装置2は、通話ネットワーク5を介して外部電話機3に接続し、宅内通話ネットワーク6を介して宅内の電話機4に接続する。通話制御装置2は、外部電話機3と宅内の電話機4との通話を、中継し制御する。通話制御装置2は、ONU(Optical Network Unit)(図示せず)によって終端された外部電話機3との通話を、宅内の電話機4に接続しても良い。
【0014】
図1には示さないが、通話ネットワーク5に、SIP(Session Initiation Protocol)サーバまたは電話交換機等が接続する。SIPサーバまたは電話交換機は、外部電話機3と通話制御装置2との通話を制御する。宅内通話ネットワーク6は、ビジネスホンの主装置(図示せず)などに接続しても良い。通話制御装置2は、主装置を介して、宅内の電話機4と接続しても良い。
【0015】
通話制御装置2は、通話ネットワーク5と1以上の通話回線で接続される。通話回線の数は、物理的な回線数ではなく、通話制御装置2に割り当てられる回線数である。通話制御装置2は、多重化により複数の通話回線に接続しても良い。通話制御装置2は、複数の外部電話機3と複数の宅内の電話機4との複数の通話を同時に制御することもできる。
【0016】
一般的に通話制御装置2が制御可能な通話数は、通話制御装置2が処理可能な電話回線数と、通話制御装置2を利用する加入者が電話会社と契約する電話回線数のうち、いずれか少ない電話回線数に拘束される。本発明の実施の形態において通話制御装置2が処理可能な電話回線数は、通話制御装置2を利用する加入者が電話会社と契約する電話回線数よりも多い。通話制御装置2が制御可能な通話数は、通話制御装置2を利用する加入者が電話会社と契約する電話回線数に拘束される。
【0017】
通話制御装置2は、外部電話機3と電話機4との通話に関するログデータ11を生成し、生成したログデータ11を分析装置1に提供する。ログデータ11は、例えば、外部電話機3と電話機4との通話の記録である。ログデータ11は、宅内の電話機4が発信する通話と、宅内の電話機4に着信する通話の両方の通話を記録する。
【0018】
分析装置1は、記憶装置10、処理装置20および入出力インタフェース30を備える。分析装置1は、記憶装置10、処理装置20および入出力インタフェース30を内蔵する一つのコンピュータであっても良いし、複数のハードウエアにより形成される仮想的なコンピュータであっても良い。このようなコンピュータが分析プログラムを実行することにより、図2に示す機能を実現する。
【0019】
記憶装置10は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random access memory)、ハードディスク等であって、処理装置20が処理を実行するための入力データ、出力データおよび中間データなどの各種データを記憶する。処理装置20は、CPU(Central Processing Unit)であって、記憶装置10に記憶されたデータを読み書きしたり、入出力インタフェース30とデータを入出力したりして、分析装置1における処理を実行する。入出力インタフェース30は、マウス、キーボード等の入力装置から入力されたデータを処理装置20に入力し、処理装置20から出力されたデータをプリンタ、表示装置等の出力装置に出力する。また入出力インタフェース30は、ほかのコンピュータと通信するためのインタフェースであってもよい。
【0020】
本発明の実施の形態において分析プログラムは、CD、DVDまたはUSBメモリ等の記録媒体に記録されて、入出力インタフェース30を介して、記憶装置10に記憶される。分析プログラムは、通信ネットワークを介してサーバからダウンロードされても良い。
【0021】
記憶装置10は、分析プログラムを記憶するとともに、ログデータ11および通話状況データ12を記憶する。
【0022】
ログデータ11は、通話制御装置2によって生成される。ログデータ11は、外部電話機3と電話機4との通話の開始時間、終了時間および発着信電話番号等を対応づける。ログデータ11は、図3に示すように、通話の発電話番号および着電話番号と、その通話の開始時間および終了時間を対応づける。発電話番号および着電話番号のいずれか一方に、外部電話機3の電話番号が設定され、もう一方に、宅内の電話機4の電話番号が設定される。
【0023】
通話状況データ12は、後述の生成部22によって生成される。通話状況データ12は、単位時間毎の通話状況を示す。通話状況は、例えば通話回線数、呼量等である。通話状況データ12は、図4に示すように、時間と、その時間における通話回線数を対応づける。
【0024】
処理装置20は、取得部21、生成部22および出力部23を備える。
【0025】
取得部21は、通話制御装置2からログデータ11を取得して、記憶装置10に記憶する。取得部21は、CD、DVDまたはUSBメモリ等の記録媒体に記録されたログデータ11を、入出力インタフェース30を介して取得し、記憶装置10に記憶する。取得部21は、通話制御装置2と接続する通信ネットワークを介して、ログデータ11を取得しても良い。
【0026】
生成部22は、ログデータ11を参照して、単位時間毎の通話状況を示す通話状況データ12を生成する。単位時間は、1つの通話に要する時間よりも充分に短い時間である。生成部22は、ログデータ11を参照して、単位時間毎の通話回線数、呼量等の通話状況を算出する。生成部22は、算出した単位時間毎の通話状況を、通話状況データ12に記憶する。
【0027】
生成部22は、例えば、ログデータ11から、電話機4が設置された会社の営業日における通話履歴を統計処理して、例えば図5に示すような営業日における単位時間毎の通話回線数を特定する。図5示すグラフは、約7−20時の営業時間において電話回線が利用されていること、12時前後の昼休み時間において、利用される電話回線数が減ること、午前および午後に通話制御装置2が制御可能な電話回線数のすべてが用いられる時間があることを示す。
【0028】
出力部23は、通話状況データ12の分析結果を出力する。第1の実施の形態において出力部23は、コメント出力部24を備える。コメント出力部24は、通話状況データ12を参照して、単位時間毎に利用された電話回線数が、通話制御装置2が利用可能な最大電話回線数となる単位時間数が、所定値よりも大きい場合、最大電話回線数を増やすコメントを出力する。ここで、最大電話回線数は、通話制御装置2が電話会社から割り当てられた電話回線数を意味する。
【0029】
コメント出力部24は、通話状況データ12を参照して、単位時間毎に利用された電話回線数が、最大電話回線数となる時間を特定する。例えば図5に示す例では、午前および午後に通話制御装置2が制御可能な電話回線数のすべてが用いられている時間がある。
【0030】
コメント出力部24は、通話制御装置2が制御可能な電話回線数のすべてが用いられている時間が、予め定めた所定値よりも大きい場合、通話制御装置2が制御可能な電話回線数を増やすコメントを出力する。コメント出力部24は、通話制御装置2が制御可能な電話回線数のすべてが用いられている時間が、予め定めた所定値よりも小さい場合、通話制御装置2が制御可能な電話回線数を減らすコメントを出力する。
【0031】
ここで、電話回線数を増やすコメントを出力する際に参照される所定値と、電話回線数を減らすコメントを出力する際に参照される所定値は、異なっても良い。コメント出力部24は、通話制御装置2が制御可能な電話回線数のすべてが用いられている時間が、予め定めた第1の所定値よりも大きい場合、通話制御装置2が制御可能な電話回線数を増やすコメントを出力する。コメント出力部24は、通話制御装置2が制御可能な電話回線数のすべてが用いられている時間が、予め定めた第2の所定値(<第1の所定値)よりも小さい場合、通話制御装置2が制御可能な電話回線数を減らすコメントを出力する。コメント出力部24は、通話制御装置2が制御可能な電話回線数のすべてが用いられている時間が、予め定めた第1の所定値よりも小さく、第2の所定値よりも大きい場合、通話制御装置2が制御可能な電話回線数が適切であるとのコメントを出力する。
【0032】
本発明の実施の形態において、電話回線数に基づいて最大電話回線数を増減するコメントを出力する場合を説明するが、これに限られない。コメント出力部24は、例えば、呼量等の他の指標から、単位時間毎に利用された電話回線数が、通話制御装置2が利用可能な最大電話回線数となる単位時間数を算出して、所定値と比較しても良い。
【0033】
図6を参照して、コメント出力部24によるコメント出力処理を説明する。図6では、電話回線数を増やすコメントを出力する処理を示す。
【0034】
まずステップS11においてコメント出力部24は、最大電話回線数となる単位時間数が、所定値よりも大きいか否かを判定する。所定値よりも大きい場合、ステップS12においてコメント出力部24は、最大電話回線数を増やすコメントを出力する。
【0035】
最大電話回線数は、通話制御装置2の加入者と電話会社との契約により定められるので、コメント出力部24は、最大電話回線数を増やす提案を出力し、加入者に契約の変更を促す。回線数を増やすか否かは、通話制御装置2の加入者に依る。
【0036】
このような第1の実施の形態に係る分析装置1は、通話制御装置2におけるログデータ11を解析して、宅内の電話機4の使用状況を分析することができる。パケットキャプチャ装置等の新たな装置を設置することなく、分析装置1は、既存の通話制御装置2からログデータ11を取得する。分析装置1は、ネットワークを遮断することなく、通話ネットワークの使用状況を把握することが可能になる。
【0037】
一般的に、通話制御装置2が制御可能な最大電話回線数を超えて発信が発生した場合、通話ネットワーク5内において発信が拒否される。通話制御装置2が制御可能な最大電話回線数を超えて発信が発生したことは、通話ネットワーク5における分析によってのみ、把握することができる。通話ネットワーク5の使用状況は、電話会社を経て提供されるので、通話制御装置2は、最大電話回線数を超えて発信が発生しているか否かを容易に把握することはできない。
【0038】
これに対し本発明の実施の形態に係る分析装置1は、通話制御装置2が制御した通話のログデータ11から電話機4の使用状況を分析する。分析装置1は、宅内の電話機4によって使用される電話回線数が、最大電話回線数となる時間量から、通話制御装置2の制御対象の電話回線数が適切か否かを判定し、加入者に電話回線数の増減をコメントすることができる。
【0039】
このように分析装置1は、通話ネットワーク5における分析を経なくても、通話制御装置2の制御対象の適切な電話回線数を提案することができる。分析装置1は、会社等が、適切な通話回線数で契約するように促すことができる。
【0040】
このように第1の実施の形態に係る分析装置1は、ネットワークを遮断することなく、通話状況を解析することができる。
【0041】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態において、通話制御装置2のログデータ11から、宅内の電話機4の使用状況を分析して、最大電話回線数の増減を提案するコメントを出力する場合を説明した。これに対し第2の実施の形態において分析装置1は、通話制御装置2における電話番号毎の電話回線数の割り当ての適否を分析して、電話番号毎の適切な割り当て数を出力する。
【0042】
第2の実施の形態において通話制御装置2は、複数の電話番号および複数の電話回線を制御する。通話制御装置2は、電話番号毎に電話回線数を割り当て、電話番号の同時通話数が、割り当てられた電話回線数を超えないように制御する。例えば会社の部署毎に電話番号が割り当てられ、その電話番号に1以上の電話回線が割り当てられる。また宅内の電話機4はそれぞれ、その電話機4が属する部署によって、電話番号が割り当てられる。
【0043】
通話制御装置2は、図7に示すように、予め電話番号毎の電話回線数が定められている場合、予め定められた電話回線数を超えないように、外部電話機3と電話機4との通話を制御する。図7に示す各電話番号は、例えば、会社の部署などに紐付けられる。
【0044】
例えば図7の割り当てデータにおいて、電話番号の末尾1について、3つの電話回線が割り当てられる。電話番号の末尾1について3つの通話が維持されている状態で、新たに外部電話機3から電話番号の末尾1に着信した場合、通話制御装置2は、その新たな通話を拒否する。電話番号の末尾1以外の電話番号について、使われていない電話回線がある場合でも、通話制御装置2は、その新たな通話を拒否する。
【0045】
図8を参照して、第2の実施の形態に係る分析装置1aを説明する。図8に示す分析装置1aは、図2を参照して説明した第1の実施の形態に係る分析装置1と比べて、通話状況データ12a、生成部22aおよび出力部23aが異なる。
【0046】
通話状況データ12aは、第1の実施の形態と同様に、単位時間毎の通話状況を示す。第2の実施の形態において通話状況データ12aは、図9に示すように、単位時間毎の通話状況が、通話制御装置2が制御する電話番号毎に算出される点が異なる。図9に示す通話状況データ12aは、図4に示す通話状況データ12と比べて、通話状況の通話回線数が、電話番号毎に集計されている点が異なる。
【0047】
生成部22aは、ログデータ11を参照して、単位時間毎の通話状況を示す通話状況データ12aを生成する。生成部22aは、ログデータ11を参照して、通話制御装置2が制御する電話番号ごとに通話状況を分析する。生成部22aは、単位時間および電話番号毎に利用された電話回線数を集計して、通話状況データ12aを生成する。第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、通話状況として、例えば通話回線数、呼量等を用いても良い。
【0048】
出力部23aは、指示出力部25を備える。指示出力部25は、単位時間および電話番号毎に利用された電話回線数が、電話番号に割り当てられた電話回線数となる単位時間数が、所定値よりも大きい場合、電話番号に割り当てる電話回線数を増やす指示を出力する。また指示出力部25は、単位時間および電話番号毎に利用された電話回線数が、電話番号に割り当てられた電話回線数となる単位時間数が、所定値よりも小さい場合、電話番号に割り当てる電話回線数を減らす指示を出力する。
【0049】
指示出力部25は、電話回線数を変更する指示を、通話制御装置2に出力する。指示出力部25は、通信ネットワークを介して電話回線数を変更する指示を、通話制御装置2に出力しても良い。指示出力部25は、電話回線数を変更する指示を、CD、DVDまたはUSBメモリ等の記録媒体に記録し、記録媒体に記録された指示を、通話制御装置2に読み出させても良い。
【0050】
第2の実施の形態において、通話制御装置2は、電話番号毎に電話回線数を割り当て、電話番号の同時通話数が、割り当てられた電話回線数を超えないように制御する。指示出力部25は、電話番号毎の通話状況を解析して、通話制御装置2における電話番号毎の電話回線数の割り当てを適切に変更する。指示出力部25は、電話番号毎の変更後の電話回線数を、通話制御装置2に出力する。通話制御装置2は、指示出力部25からの指示に従って、電話番号の同時通話数が、変更後の電話回線数を超えないように、通話を制御する。
【0051】
宅内通話ネットワーク6にビジネスホンの主装置が接続され、主装置が、電話番号毎に電話回線数を割り当て、電話番号の同時通話数が、割り当てられた電話回線数を超えないように制御する場合もある。この場合、指示出力部25は、電話回線数を変更する指示を、通話制御装置2とビジネスホンの主装置に出力しても良い。主装置は、通話制御装置2と同様に、指示出力部25からの指示に従って、電話番号の同時通話数が、変更後の電話回線数を超えないように、通話を制御する。
【0052】
指示出力部25は、通話制御装置2が制御する一部の電話番号について、電話回線数の適否を判断しても良いし、各電話番号について、電話回線数の適否を判断しても良い。また指示出力部25は、各電話番号の変更後の電話回線数の合計が、通話制御装置2が制御可能な電話回線数を超えないように、各電話番号に割り当てる電話回線数を調整する。
【0053】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、電話回線数を増やす指示を出力する際に参照される所定値と、電話回線数を減らす指示を出力する際に参照される所定値は異なっても良い。指示出力部25は、単位時間および電話番号毎に利用された電話回線数が、電話番号に割り当てられた電話回線数となる単位時間数が、第1の所定値よりも大きい場合、電話番号に割り当てる電話回線数を増やす指示を出力する。また指示出力部25は、単位時間および電話番号毎に利用された電話回線数が、電話番号に割り当てられた電話回線数となる単位時間数が、第2の所定値(<第1の所定値)よりも小さい場合、電話番号に割り当てる電話回線数を減らす指示を出力する。指示出力部25は、単位時間および電話番号毎に利用された電話回線数が、電話番号に割り当てられた電話回線数となる単位時間数が、第1の所定値よりも小さく、第2の所定値よりも大きい場合、電話番号に割り当てる電話回線数を変更しない指示を出力する。
【0054】
指示出力部25は、通話状況データ12aを参照して、通話の少ない時間を特定し、特定された時間を、電話番号に割り当てる電話回線数を変更する指示に基づいて通話制御装置を設定する時間として出力しても良い。指示出力部25は、例えば、電話番号に割り当てる電話回線数を変更するために必要な時間、通話のない時間を特定する。
【0055】
電話番号に割り当てる電話回線数を変更する際、通話制御装置2は、一時的に通話の制御を中止して、設定を変更する必要がある。そこで、指示出力部25は、通話状況データ12aから通話の少ない時間を特定し、その時間を、電話番号に割り当てる電話回線数を変更する時間として指定する。通話制御装置2は、分析装置1から指定された時間に、電話番号に割り当てる電話回線数を変更する。これにより、会社等の営業を妨害せずに、電話番号毎の電話回線数を適切に変更することができる。
【0056】
通話制御装置2が、設定プログラム等により自発的に電話回線数の割り当ての変更が可能な場合、分析装置1から指定された時間に、電話番号に割り当てる電話回線数を変更する。これにより、早朝または深夜等の会社等の営業がない時間でも、作業員を配置せずに、通話制御装置2は、新たな設定で運用することができる。
【0057】
図10を参照して、指示出力部25による指示出力処理を説明する。
【0058】
指示出力部25は、通話制御装置2の制御対象の各電話番号について、ステップS21ないしステップS23の処理を繰り返す。ステップS21において指示出力部25は対象電話番号について、最大電話回線数となる単位時間数が、所定値よりも大きいか否かを判定する。所定値より大きい場合、ステップS22において指示出力部25は、対象電話番号の割り当て電話回線数を増やす。所定値より小さい場合、ステップS23において指示出力部25は、対称電話番号の割り当て電話回線数を減らす。
【0059】
通話制御装置2の制御対象の各電話番号について、ステップS21ないしステップS23の処理が終了すると、ステップS24に進む。ステップS24において指示出力部25は、ステップS22またはステップS23における増減後の割り当て電話回線数の合計が、最大回線数を超えないように、各電話番号の割り当て電話回線数を調整する。
【0060】
ステップS25において指示出力部25は、通話の少ない時間を特定する。ステップS26において指示出力部25は、特定された時間に、割り当て電話回線数を変更する指示データを作成して出力する。指示データは、通話が少ないと特定された時間、および電話番号毎の変更後の回線数を含む。作成された指示データは、通話制御装置2に入力される。通話制御装置2は、指示データに従って、特定された時間に、各電話番号の割り当て電話回線数の設定を変更する。
【0061】
第2の実施の形態において分析装置1aは、電話番号毎に割り当てられている電話回線数が適切であるか否かを分析し、適切な電話回線数を特定する。また分析装置1aは、通話の少ない時間を特定し、その時間に電話回線数を変更する指示を出力する。通話制御装置2が配置される会社への影響を抑制することができる。
【0062】
(変形例)
第1の実施の形態および第2の実施の形態において、宅内通話ネットワーク6に主装置が接続され、通話制御装置2と主装置とが別々の筐体である場合について言及した。これに対し変形例において、通話制御装置2の機能が、ビジネスホンの主装置に実装される場合を説明する。
【0063】
ビジネスホンの主装置は、複数の外部電話機3と複数の宅内の電話機4との複数の通話を同時に制御する。ビジネスホンの主装置が制御可能な通話数は、主装置を利用する加入者が電話会社と契約する電話回線数に拘束される。
【0064】
主装置は、外部電話機3と電話機4との通話に関するログデータ11を生成し、生成したログデータ11を分析装置1に提供する。
【0065】
主装置が、電話番号毎に電話回線数を割り当て、電話番号の同時通話数が、割り当てられた電話回線数を超えないように制御する場合もある。この場合、分析装置1の指示出力部25は、電話回線数を変更する指示を、ビジネスホンの主装置に出力する。主装置は、指示出力部25からの指示に従って、電話番号の同時通話数が、変更後の電話回線数を超えないように、通話を制御する。
【0066】
このように本発明の実施の形態に係る通話制御装置は、他の装置上に実装されても良い。
【0067】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の第1および第2の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0068】
例えば、本発明の実施の形態に記載した分析装置は、図1に示すように一つのハードウエア上に構成されても良いし、その機能や処理数に応じて複数のハードウエア上に構成されても良い。また、既存の情報処理システム上に実現されても良い。
【0069】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0070】
1 分析装置
2 通話制御装置
3 外部電話機
4 電話機
5 通話ネットワーク
6 宅内通話ネットワーク
7 通話システム
10 記憶装置
11 ログデータ
12 通話状況データ
20 処理装置
21 取得部
22 生成部
23 出力部
24 コメント出力部
25 指示出力部
30 入出力インタフェース
【要約】
【課題】ネットワークを遮断することなく、通話状況を解析する。
【解決手段】分析プログラムは、コンピュータを、外部電話機3と宅内の電話機4に接続する通話制御装置2によって生成され、外部電話機3と電話機4との通話の開始時間、終了時間および発着信電話番号を対応づけるログデータを参照して、単位時間毎の通話状況を示す通話状況データ12を生成する生成部22と、通話状況データ12の分析結果を出力する出力部23として機能させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10