特許第6782888号(P6782888)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6782888
(24)【登録日】2020年10月23日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】枕
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/10 20060101AFI20201102BHJP
【FI】
   A47G9/10 M
   A47G9/10 E
【請求項の数】17
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-132636(P2016-132636)
(22)【出願日】2016年7月4日
(65)【公開番号】特開2018-617(P2018-617A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】394000437
【氏名又は名称】ナオ・シング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085110
【弁理士】
【氏名又は名称】千明 武
(72)【発明者】
【氏名】直里 達也
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−007432(JP,A)
【文献】 特開2005−059358(JP,A)
【文献】 実開昭53−059915(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 9/00 −11/00
A47C 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枕カバーの内部に弾性を有する芯材と調整シートを上下に配置し、前記芯材と調整シートを出し入れ可能にし、前記芯材と調整シートの接合部に互いに噛合可能な複数の凹凸部を形成した枕において、前記芯材を上側芯材と下側芯材とを上下に配置し、上側芯材の下面の片側端部に凹状湾曲面状の通気溝を形成し、下側芯材の片側端部に前記通気溝と係合可能な湾曲片を形成し、該湾曲片の直下に一または複数の揺動片を揺動可能に突設し、該揺動片を湾曲片の内面に係合可能に配置したことを特徴とする枕。
【請求項2】
前記複数の揺動片の長さを端部側から漸増して形成した請求項記載の枕。
【請求項3】
上側芯材の片側端部の厚さを他側端部よりも薄厚に形成した請求項記載の枕。
【請求項4】
前記上側芯材と下側芯材との接合部の一部を略S字状の湾曲面に形成し、該湾曲面を接着した請求項記載の枕。
【請求項5】
前記湾曲片を通気溝の内面に接着した請求項1記載の枕。
【請求項6】
前記上側芯材の表面に頭部を載置時、上側芯材の押圧変位を介して湾曲片と揺動片を押圧変位し、揺動片を湾曲片の内面に係合し、湾曲片の下方変位を抑制可能にした請求項記載の枕。
【請求項7】
前記上側芯材の表面に頭部を載置時、頭部の重量によって上側芯材の上面を緩やかな双山状に圧縮変位可能にした請求項記載の枕。
【請求項8】
前記揺動片の上方の上側芯材の表面に頸部を載置可能にした請求項記載の枕。
【請求項9】
前記双山間の凹状湾曲部に頭部を載置可能にした請求項記載の枕。
【請求項10】
前記上側芯材の表面に頭部を載置時、上側芯材の押圧変位を介して湾曲片と揺動片を押圧変位し、揺動片を湾曲片の内面に係合し、通気溝を半分以上押圧変形する一方、通気溝による通気を維持可能にした請求項記載の枕。
【請求項11】
前記調整シートの接合部と他側面を平坦面に形成し、該平坦面を上側芯材の凹凸部に対向配置し、前記平坦面と上側芯材の凹凸部との間に空隙部を形成可能にした請求項1記載の枕。
【請求項12】
前記芯材を複数に分離して接合し、それらの底部を調整シートに互いに噛合可能に配置した請求項記載の枕。
【請求項13】
前記分離した芯材を調整シートに沿って摺動可能に配置し、前記芯材の接合部を近接離間調整可能に配置した請求項記載の枕。
【請求項14】
前記分離した芯材を調整シートと直交方向に離間可能に配置し、前記芯材の接合部を近接離間調整可能に配置した請求項記載の枕。
【請求項15】
前記分離した二つの芯材の接合部に切欠溝を形成し、各切欠溝を芯材の中間部で対向配置し、該切欠溝の開口縁部に利用者の頭部を収容ないし載置可能にした請求項記載の枕。
【請求項16】
前記分離した二つの芯材の一方の側端部に切欠溝を形成し、該切欠溝に利用者の首部を収容ないし載置可能にした請求項記載の枕。
【請求項17】
前記分離した二つの芯材の他方の接合部に切欠溝を形成し、該切欠溝に利用者の頭部を収容ないし載置可能にした請求項11記載の枕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に収容する芯材と調整シートを合理的に配置し、睡眠時における頸部または後頭部の高さを合理的に調整し、かつその際の枕カバーの容積増を回避し、枕カバーの小形化と快適で質の高い睡眠を得られるようにした枕に関する。
【背景技術】
【0002】
睡眠は疲労回復に重要であり、快適な睡眠と質の高い睡眠を得るためには、睡眠に使用する枕は使用者の体格や体形に応じた最適なものを使用する必要があり、そのような要請に応ずる枕が種々提案されている。
例えば、枕本体の上部に高さ調節用のウレタン製のシート体を必要枚数重ね、その都度筋力テストを行なって最適高さを確認し、この上部をウレタンフィルターを用いた被覆体で被い、その上に頭部や首を載置して、枕の高さを小刻みに調節するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、この枕は、シート体を重ねる度に筋力テストを要して煩わしく、またこのような高さ調節は、筋力テストの精度が恣意的で合理性を欠き、しかもシート体の安定性が悪く位置ずれを起こして、十分な効果を期待できないという問題があった。
【0004】
前記問題を解決するものとして、球状綿を充填した頭部パックと、頭部パックの1/3幅で、ポリエチレン製の短小パイプを布袋に充填した頚椎パックと、頚椎パックの両側に配置され、頭部パックと同程度の球状綿を充填し、頚椎パックよりも若干肉厚に形成した横寝用パックと、発泡ポリエステル製軟質シートからなる0.5mm厚の調整用シートと、頭部パックと頚椎パックとの間に配置するシート上の固定部材とを備え、布袋内の一端の底部に利用者の後頭部の形状に合わせて複数の調整用シートを積み重ね、該調整用シート上に頚椎パックと横寝用パックを載置し、布袋内の他端に頭部パックを配置して、頚椎部分の高さを調節するようにした枕がある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかし、前記枕はカバーの内部に頭部パックと頚椎パックと横寝用パックと調整用シートを収容し、これらの充填部材を異にするため、多部材を要する上に各別に充填部材の充填を要するため、製作が複雑で高価になるという問題があった。
【0006】
そこで、前記問題を解決するものとして、布袋内に前述の頭部パックと頚椎パックと横寝用パックと調整用シートの他に、調整用シートを載置するセンタ−シートと、このセンタ−シートを載置するベースシートと、ベ−スシートの前部に配置する肩シートを配置し、頭部から肩部の特徴に応じて、頚椎の高さを簡単で安価かつ的確に調整できるようにした枕がある(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
しかし、前記枕は前述のものに更に多部材を要し、製作が複雑で高価になるとともに、各部材の組み合わせが複雑で、頚椎の高さを的確に調整できないという問題があった。
【0008】
一方、他の枕として、発泡樹脂製の本体の頭部と首部が接触する部分に凹部を形成し、この凹部にジェル状の樹脂格子体を接着し、頭部と首部の熱を樹脂格子体によって発散し、頭部の蒸れを防止するとともに、本体の底部中央に複数の縦溝を形成し、仰向け寝の場合は枕の中央部を低くし、横向き寝の場合は縦溝の形成されていない部分を高くして首部を安定させ、更に本体の底部に高さ調節用の板状の硬質樹脂発泡体を敷設して、枕を安定させ高さを調節するようにした枕がある(例えば、特許文献4参照)。
【0009】
しかし、前記枕は縦溝を本体の底部中央に形成しているため、通気性の効果が偏り枕全体の通気性を向上することができず、また高さ調節用の板状の硬質樹脂発泡体は平板状で、これを本体の底部に単に敷いているため、発泡体の枚数分、枕の高さが増加し、これらを収容するカバーの容積増を招いてカバーが破損し易くなる問題があった。
【0010】
このような問題を解決するものとして、ポリウレタン素材の板体の片面に複数の凹凸部を形成し、この板体の中間部に後頭部を挿入可能な孔を形成した体位固定具と、該体位固定具より小形のポリウレタン素材の板体で、その片面に前記凹凸部と係合可能な複数の凹凸部を形成した体位固定補助具とを備え、ベッドの上に体位固定補助具を載せ、この補助具の上に体位固定具を屈曲して載せ、該体位固定具の孔に患者の後頭部を挿入するとともに、体位固定具の屈曲部の凹凸部を体位固定補助具の上面の凹凸部に係合させて、頭部の揺動を抑え手術の安定化と迅速化を図るようにしたものがある(例えば、特許文献5参照)。
【0011】
しかし、この体位固定具と体位固定補助具は別個独立して構成され、それらの凹凸部を係合して使用するため、患者の頭部の高さ調節に限界があり、体位固定具と体位固定補助具による高さ以上に頭部の高さを調節する場合は、体位固定補助具の下に角枕を差し込むことで対応しているため、頭部の高さ調節の精度が粗く精密な調節を行なえない上に、安定した使用を図れず、しかも枕としての衛生に欠ける嫌いがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−169887号公報
【特許文献2】特開2006−122584号公報
【特許文献3】特開2007−493号公報
【特許文献4】特許第3640210号公報
【特許文献5】実用新案登録第3181453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明はこのような問題を解決し、内部に収容する芯材と調整シートを合理的に配置し、睡眠時における頸部または後頭部の高さを合理的に調整し、かつその際の枕カバーの容積増を回避し、枕カバーの小形化と快適で質の高い睡眠を得られるようにした枕を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明は、枕カバーの内部に弾性を有する芯材と調整シートを上下に配置し、前記芯材と調整シートを出し入れ可能にし、前記芯材と調整シートの接合部に互いに噛合可能な複数の凹凸部を形成した枕において、前記芯材を上側芯材と下側芯材とを上下に配置し、上側芯材の下面の片側端部に凹状湾曲面状の通気溝を形成し、下側芯材の片側端部に前記通気溝と係合可能な湾曲片を形成し、該湾曲片の直下に一または複数の揺動片を揺動可能に突設し、該揺動片を湾曲片の内面に係合可能に配置し、芯材を上側芯材と下側芯材とで多様な構造に構成し、このうち上側芯材の片側端部に凹状湾曲面状の通気溝を形成し、下側芯材の片側端部に通気溝と係合可能な湾曲片を形成し、該湾曲片の直下に一または複数の揺動片を揺動可能に突設し、該揺動片を湾曲片の内面に係合可能に配置して、同動する上側芯材の片側端部と湾曲片の下方変位を抑制し、枕の使用時における頸部の支持高さの過剰な沈み込みを抑制し、快適で質の高い睡眠を得られるようにしている。
請求項2の発明は、複数の揺動片の長さを端部側から漸増して形成し、湾曲片ないし上側芯材の片側端部の下方変位を緩やかに形成可能にし、上側芯材の上面に載置する頸部の支持高さの過剰な沈み込みを抑制するようにしている。
請求項3の発明は、上側芯材の片側端部の厚さを他側端部よりも薄厚に形成し、湾曲片ないし上側芯材の片側端部の下方変位を速やかに形成し、頸部を支持する上側芯材上面を緩やかな山状に形成可能にしている。
【0015】
請求項4の発明は、上側芯材と下側芯材との接合部の一部を略S字状の湾曲面に形成し、該湾曲面を接着して広い接着面積により、上側芯材と下側芯材との接着強度を強化し、それらの安定性を向上するようにしている。
請求項5の発明は、湾曲片を通気溝の内面に接着し、湾曲片を通気溝と一体の上側芯材と同動可能にし、湾曲片の変位に揺動片の変位を同動させるようにしている。
請求項6の発明は、上側芯材の表面に頭部を載置時、上側芯材の押圧変位を介して湾曲片と揺動片を押圧変位し、揺動片を湾曲片の内面に係合し、湾曲片の下方変位を抑制可能にして、頸部の現状の支持高さを維持し、頭部の高さよりも若干高く設定して、使用者の標準的な好みに対応させている。
【0016】
請求項7の発明は、上側芯材の表面に頭部を載置時、頭部の重量によって上側芯材の上面を緩やかな双山状に圧縮変位可能にし、片側の山状の湾曲部に例えば頸部を支持し、双山間の凹状湾曲部に頭部を支持可能にしている。
請求項8の発明は、揺動片の上方の上側芯材の表面に頸部を載置可能にし、頸部の支持高さの沈み込みを抑制して、快適で質の高い睡眠を得られるようにしている。
請求項の発明は、双山間の凹状湾曲部に頭部を載置可能にし、標準的な頭部の支持高さを得られ、快適で質の高い睡眠を得られるようにしている。
【0017】
請求項10の発明は、上側芯材の表面に頭部を載置時、上側芯材の押圧変位を介して湾曲片と揺動片を押圧変位し、揺動片を湾曲片の内面に係合し、通気溝を半分以上押圧変形する一方、通気溝による通気を維持可能にし、上側芯材の表面に頭部を載置した際、上側芯材内部の通気を維持し、枕内部の蒸れを防止し、頭部の温度上昇を抑制して快適な睡眠を得られるようにしている。
請求項11の発明は、調整シートの接合部と他側面を平坦面に形成し、該平坦面を下側芯材の凹凸部に対向配置し、前記平坦面と下側芯材の凹凸部との間に空隙部を形成可能にし、調整シートを反転使用して、下側芯材と調整シートの間の空隙部によって通気可能にし、枕内部の蒸れを防止し、頭部の温度上昇を抑制して快適な睡眠を得られるようにしている。
請求項12の発明は、芯材を複数に分離して接合し、それらの底部を調整シートに互いに噛合可能に配置し、芯材の小形化とその製作の容易化を図るとともに、分離した芯材の調整シートに対する位置ずれや枕の使用時の移動を防止し、安定した枕の使用を図れるようにしている。
【0018】
請求項13の発明は、分離した芯材を調整シートに沿って摺動可能に配置し、前記芯材の接合部を近接離間調整可能に配置し、分離した芯材の調整シートに沿った変位を実現可能にしている。
請求項14の発明は、分離した芯材を調整シートと直交方向に離間可能に配置し、前記芯材の接合部を近接離間調整可能に配置し、分離した芯材を調整シートと直交方向への変位を実現可能にしている。
【0019】
請求項15の発明は、分離した二つの芯材の接合部に切欠溝を形成し、各切欠溝を芯材の中間部で対向配置し、該切欠溝の開口縁部に利用者の頭部を収容ないし載置可能にし、切欠溝を利用して利用者の頭部を安定して支持し、快適で質の高い睡眠を得られるようにしている。
請求項16の発明は、分離した二つの芯材の一方の側端部に切欠溝を形成し、該切欠溝に利用者の首部を収容ないし載置可能にし、切欠溝を利用して利用者の首部を安定して支持し、快適で質の高い睡眠を得られるようにしている。
請求項17の発明は、分離した二つの芯材の他方の接合部に切欠溝を形成し、該切欠溝に利用者の頭部を収容ないし載置可能にし、切欠溝を利用して利用者の頭部を安定して支持し、快適で質の高い睡眠を得られるようにしている。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明は、芯材を上側芯材と下側芯材とを上下に配置し、上側芯材の下面の片側端部に凹状湾曲面状の通気溝を形成し、下側芯材の片側端部に前記通気溝と係合可能な湾曲片を形成し、該湾曲片の直下に一または複数の揺動片を揺動可能に突設し、該揺動片を湾曲片の内面に係合可能に配置したから、芯材を上側芯材と下側芯材とで多様な構造に構成し、このうち上側芯材の片側端部に通気溝を形成し、下側芯材の片側端部に通気溝と係合可能な湾曲片を形成し、湾曲片の直下に一または複数の揺動片を揺動可能に突設し、該揺動片を湾曲片の内面に係合可能に配置して、同動する上側芯材の片側端部と湾曲片の下方変位を抑制し、枕の使用時における頸部の支持高さの過剰な沈み込みを抑制し、快適で質の高い睡眠を得ることができる。
請求項2の発明は、複数の揺動片の長さを端部側から漸増して形成したから、湾曲片ないし上側芯材の片側端部の下方変位を緩やかに形成し、上側芯材の上面に載置する頸部の支持高さの過剰な沈み込みを抑制することができる。
請求項3の発明は、上側芯材の片側端部の厚さを他側端部よりも薄厚に形成したから、湾曲片ないし上側芯材の片側端部の下方変位を速やかに形成し、頸部を支持する上側芯材上面を緩やかな山状に形成することができる。
【0021】
請求項4の発明は、上側芯材と下側芯材との接合部の一部を略S字状の湾曲面に形成し、該湾曲面を接着したから、広い接着面積によって上側芯材と下側芯材との接着強度を強化し、それらの安定性を向上することができる。
請求項5の発明は、湾曲片を通気溝の内面に接着したから、湾曲片を通気溝と一体の上側芯材と同動可能にし、湾曲片の変位に揺動片の変位を同動させることができる。
請求項6の発明は、上側芯材の表面に頭部を載置時、上側芯材の押圧変位を介して湾曲片と揺動片を押圧変位し、揺動片を湾曲片の内面に係合し、湾曲片の下方変位を抑制可能にしたから、頸部の現状の支持高さを維持し、頭部の高さよりも若干高く設定して、使用者の標準的な好みに対応させることができる。
【0022】
請求項7の発明は、上側芯材の表面に頭部を載置時、頭部の重量によって上側芯材の上面を緩やかな双山状に圧縮変位可能にしたから、片側の山状の湾曲部に例えば頸部を支持し、双山間の凹状湾曲部に頭部を支持することができる。
請求項8の発明は、揺動片の上方の上側芯材の表面に頸部を載置可能にしたから、頸部の支持高さの沈み込みを抑制して、快適で質の高い睡眠を得ることができる。
【0023】
請求項9の発明は、双山間の凹状湾曲部に頭部を載置可能にしたから、標準的な頭部の支持高さを得られ、快適で質の高い睡眠を得ることができる。
請求項10の発明は、上側芯材の表面に頭部を載置時、上側芯材の押圧変位を介して湾曲片と揺動片を押圧変位し、揺動片を湾曲片の内面に係合し、通気溝を半分以上押圧変形する一方、通気溝による通気を維持可能にしたから、上側芯材の表面に頭部を載置した際、上側芯材内部の通気を維持し、枕内部の蒸れを防止し、頭部の温度上昇を抑制して快適な睡眠を得ることができる。
請求項11の発明は、調整シートの接合部と他側面を平坦面に形成し、該平坦面を下側芯材の凹凸部に対向配置し、前記平坦面と下側芯材の凹凸部との間に空隙部を形成可能にしたから、調整シートを反転使用して、下側芯材と調整シートの間の空隙部によって通気可能にし、枕内部の蒸れを防止し、頭部の温度上昇を抑制して快適な睡眠を得ることができる。
【0024】
請求項12の発明は、芯材を複数に分離して接合し、それらの底部を調整シートに互いに噛合可能に配置したから、芯材の小形化とその製作の容易化を図れるとともに、分離した芯材の調整シートに対する位置ずれや枕の使用時の移動を防止し、安定した枕の使用を図ることができる。
請求項13の発明は、分離した芯材を調整シートに沿って摺動可能に配置し、前記芯材の接合部を近接離間調整可能に配置したから、分離した芯材の調整シートに沿った変位を実現することができる。
請求項14の発明は、分離した芯材を調整シートと直交方向に離間可能に配置し、前記芯材の接合部を近接離間調整可能に配置したから、分離した芯材を調整シートと直交方向への変位を実現することができる。
【0025】
請求項15の発明は、分離した二つの芯材の接合部に切欠溝を形成し、各切欠溝を芯材の中間部で対向配置し、該切欠溝の開口縁部に利用者の頭部を収容ないし載置可能にしたから、切欠溝を利用して利用者の頭部を安定して支持し、快適で質の高い睡眠を得ることができる。
請求項16の発明は、分離した二つの芯材の一方の側端部に切欠溝を形成し、該切欠溝に利用者の首部を収容ないし載置可能にしたから、切欠溝を利用して利用者の首部を安定して支持し、快適で質の高い睡眠を得ることができる。
請求項17の発明は、分離した二つの芯材の他方の接合部に切欠溝を形成し、該切欠溝に利用者の頭部を収容ないし載置可能にしたから、切欠溝を利用して利用者の頭部を安定して支持し、快適で質の高い睡眠を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明を適用した枕の斜視図である。
図2図1のA−A線に沿う断面図である。
図3】本発明に適用した芯材と調整シートの組合せ状況を枕カバーを取外して示す斜視図である。
図4】本発明を適用した芯材と調整シートを分離して示す斜視図である。
【0027】
図5】本発明に適用した芯材を構成する上側芯材と下側芯材の接着前の状況を分離して示す斜視図である。
図6】本発明を適用した枕の使用状態を示す断面図で、頭部直下の状況を示している。
図7】本発明の第2の実施形態に適用した枕の断面図で、調整シートの上下位置を反転して下側芯材の直下に配置した使用状況を示している。
図8】本発明の第3の実施形態に適用した枕の断面図で、調整シートの下に別の調整シートを敷設している。
【0028】
図9】本発明の第4の実施形態を示す斜視図で、芯材を長さ方向の中央で二分し、その接合部に頭部を載置可能な切欠溝を形成している。
図10】本発明の第5の実施形態を示す斜視図で、芯材を長さ方向に二分し、その一方の芯材の一側に首部を収容可能な切欠溝を形成し、他方の芯材の接合部に頭部を載置可能な切欠溝を形成している。
図11図10のB−B線に沿う断面図である。
図12】本発明の応用形態に適用した枕の断面図で、調整シートを取り除き芯材のみで枕を構成している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を図示の実施形態について説明すると、図1乃至図6において1は略蒲鉾形状の枕で、その布製の枕カバー2の背部を除く側面中間部周面にスライドファスナー3を開閉可能に取付け、該ファスナー3を介して、柔軟な発泡ポリウレタン製の芯材4と調整シート5を枕カバー2内に出し入れ可能に収容している。
【0030】
前記芯材4は枕1と略同形の蒲鉾形状に形成され、これは上側芯材4aと下側芯材4bとを上下に接着して構成されている。このうち、上側芯材4aは上面に上方に突出した湾曲面6を備え、下面の片側に略烏帽子形状の通気溝7を下向きに開口し、この他側に略S字形状の緩やかな湾曲面8を形成している。
前記通気溝7と湾曲面8との境界部に上向きに突出する山形の通気溝9が形成され、該通気溝9側の上側芯材4aの内部に細長楕円形断面の通気孔10が形成され、該通気孔10が他端面に貫通して形成されている。
【0031】
前記下側芯材4bは上側芯材4aよりも若干硬い発泡ポリウレタンで構成され、その上面の片側端部に片持ち支持された係合片である湾曲片11が形成され、該湾曲片11の上面を前記通気溝7の内面に接着して接合している。
前記下側芯材4bの片側半部に、略手指形状の複数の揺動片12が上向きに突設され、その揺動片12の長さは端部側から漸増して形成され、それらの上端部は略半球面状に形成されていて、この上端部を前記通気溝7の内面に係脱可能に配置している。
【0032】
前記下側芯材4bの他側半部の上面に、略S字形状の緩やかな湾曲面13が形成され、該湾曲面13を前記湾曲面8に接着して接合している。
図中、14は下側芯材4bの他側内部に形成した略木の葉形断面の通気孔で、他端面に貫通して形成されている。前記下側芯材4bの下面の大半部に波状の凹凸部15が形成され、この他側に平坦面16が形成されている。
前記凹凸部15の中間部に一の凸部15aを凹凸部15の波目方向と逆方向に形成し、直下の凹凸部17との噛合を強固にして、調整シート5の位置ずれ防止を強化している。
【0033】
前記調整シート5は、下側芯材4bよりも若干硬い発泡ポリウレタンで構成され、その上面の大半部に前記凹凸部15と係合可能な波状の凹凸部17が形成され、この他側に前記平坦面16と係合可能な平坦面18が形成され、この底面が平坦面に形成されている。
図中、19は枕1の利用者、19aは利用者19の頭部、19bは利用者19の頸部、20は敷布団、ベッド等の枕1の載置面である。
【0034】
この他、図中、21は通気孔10形成用の特殊カッターによる切断部で切断後に接着され、22は通気孔14形成用の特殊カッターによる切断部で切断後に接着されている。
【0035】
このように構成した枕は枕カバー2と芯材4と調整シート5の製作を要する。
このうち、枕カバー2は芯材4と調整シート5を収容可能な布片を縫着して袋状に形成し、その背部を除く側面中間部周面にスライドファスナー3を取付ける。
前記芯材4は硬度を若干異にする二つの発泡ポリウレタンの肉厚の板体を用意し、柔軟な発泡ポリウレタンによって上側芯材4aを製作し、若干硬めの発泡ポリウレタンによって下側芯材4bを製作する。
【0036】
先ず、上側芯材4aを製作する場合は、二次元加工用の前記特殊カッター(図示略)によって、板状の発泡ポリウレタンの上面を湾曲面状に切削して湾曲面6を形成し、底面を異形に切削して通気溝7,9と湾曲面8を形成し、また湾曲面8の直上を前記特殊カッターによって切断し、内部に前記カッターを挿入して楕円形状の通気孔10を貫通形成後、その切断部21を接着する。
【0037】
次に、下側芯材4bを製作する場合は、前記特殊カッター(図示略)によって、板状の発泡ポリウレタンの一端部に湾曲片11を形成し、この直下に手指状の複数の揺動片12を切削して突出形成し、この隣接面をS字状に切削して緩やかな湾曲面13を形成する。
【0038】
そして、前記特殊カッター(図示略)によって、下側芯材4aの下面の大半を波状に切削して複数の凹凸部15を形成し、この他側を切削して平坦面16に形成し、また前記湾曲面13の端部を前記特殊カッターによって切断し、内部に前記カッターを挿入して木の葉形状の通気孔16を貫通形成後、その切断部22を接着する。
【0039】
こうして形成した下側芯材4bの湾曲片11の表面と湾曲面13、および上側芯材4aの通気溝7の内面と湾曲面8に接着剤(図示略)を塗布し、湾曲片11を通気溝7の内面に押圧して接着し、また湾曲面13を前記湾曲面8に押圧して接着する。
この状況は図5のようである。このようにして、上側芯材4aと下側芯材4bとを一体に接合し、各揺動片12を湾曲片11の直下に揺動可能に位置付ける。
【0040】
次に、調整シート5を製作する場合は、下側芯材4bよりも若干硬い発泡ポリウレタンの板体を用意し、これを前記特殊カッター(図示略)によって、上面の大半を波状に切削して複数の凹凸部17を形成し、この他側を平坦に切削して平坦面18を形成する。
なお、調整シート5の下面は平坦な板材素地を使用するか、前記カッターによって平坦に切削して平坦面18に形成する。
また、この実施形態では上側芯材4aや下側芯材4b、調整シート5等の製作に特殊カッターを使用しているが、特殊カッターによる製作は熟練と手間を要するため、金型や抜き型を駆使した金型成形によっても良く、そのようにすることで量産化と品質の一様化、並びに製作コストの低減を図れる。
【0041】
このように製作した芯材4と調整シート5と枕カバー2を使用して、枕1を製作する場合は、スライドファスナー3を開操作して、枕カバー2の内部に芯材4と調整シート5を順に挿入する。
【0042】
その際、芯材4の下面の凹凸部15に調整シート5の凹凸部17を対向して配置し、この凹凸部15,17を係合ないし噛合する。
すなわち、凹凸部15,17を互いに噛合し、それらの凹凸を相殺させることによって、一方の凸部の高さに調整シート5の板厚を相加した高さにし、凸部15,17同士を重合し重畳させる場合に比べ、芯材4と調整シート5の高さの重畳を回避し枕1の高さを抑制する。
【0043】
そして、このように凹凸部15,17を係合ないし噛合することによって、芯材4と調整シート5の凹凸部15,17と直角方向への移動を防止し、その位置ずれを防止するとともに、芯材4と調整シート5の接合を強化して、それらの一体化を増進する。
また、芯材4は内部に通気溝7,9や通気孔10,13を形成しているから、それらが中実のものに比べて柔軟性が向上する。
【0044】
次に、このような枕1を使用する場合は、枕1を敷布団またはベッド等の載置面20に載せ、かつ内部の湾曲片11を載置面20の内側に位置付ける。
前記枕1は、その使用前、すなわち枕1上に利用者19の頭部19aを載せる前は、芯材4と調整シート5に負荷が作用しないから、枕1の上面は図2に示すように緩やかな湾曲面を呈し、通気溝7,9や通気孔10,13は導通を維持して、枕1内の通気性を保持している。
【0045】
このような状況の下で利用者19の頭部19aを枕1上に載せると、頭部19aの直下では上側芯材4aが頭部19aの重量によって圧縮され、枕1の上面が緩やかな双山状に圧縮変位し、片側の山状の湾曲部で頸部19bを支持し、双山の間の凹状湾曲部で頭部6を支持する。この状況は図6のようである。
【0046】
そして、上側芯材4aの圧縮変位によって、片側の湾曲部直下の湾曲片11が下方へ押し曲げられ、これが直下の複数の揺動片12に係合して、該揺動片12を押圧し同方向へ押し曲げる。
このため、各揺動片12の上端部が湾曲片11の内面に係合し、該湾曲片11を支持して前記湾曲片11の下方変位を阻止し、頸部19bの現状の支持高さを維持する。
この結果、頸部19bの支持高さを図6のように、頭部19aの支持高さよりも若干高く設定し得、使用者の標準的な好みに対応させている。
【0047】
また、上側芯材4aの圧縮変位によって、通気孔10が略押し潰され、通気溝9が半分以上押圧変形し、通気孔14が若干押圧変形するが、この状況下でも通気溝7,9や通気孔14によって、枕内部の通気性が維持される。この状況は図6のようである。
【0048】
この場合、枕1の位置を図6と180°変えると、頸部19bの支持位置が図6と反対の山状部に移動し、直下に湾曲片11や揺動片12が存在しない分、頸部19bの沈み込みが大きく、かつその沈み込みを抑制できないから、支持高さを頭部19aの支持位置と同高か若干低く設定し得、そのような利用者の好みに応じられる。
【0049】
一方、枕1の使用時には、下側芯材4bの波状の凹凸15や、これに噛合する調整シート5の波状の凹凸17に目立った変形はなく、当初の噛合状態を維持する。
このように頭部11aによる圧縮力は、通気溝7,9と通気孔10,14の圧縮変位によって吸収ないし緩衝され、前記凹凸部15,17の変位形成を抑制する。
【0050】
図7乃至図12は本発明の他の実施形態と応用形態を示し、このうち図7は本発明の第2の実施形態を示し、前述の実施形態の構成と対応する部分に同一の符号を用いている。
この実施形態は調整シート5を上下反転して下側芯材4bの直下に配置し、枕1の使用時に湾曲片11と揺動片12の下方変位を許容するとともに、この変位を直下の調整シート5の平坦面に係合して規制している。
一方、前記平坦面と凹凸部15との空隙部によって当該部の通気性を図り、また調整シート5の下面の凹凸部17を1の底面に配置し、枕1の底部に空隙部を形成して通気性を向上し、更に凹凸部15,17の噛合を解除し、かつそれらの相殺を解除して、調整シート5の高さ分、枕1の高さを高く設定し、そのような好みに応じられるようにしている。
【0051】
図8は本発明の第3の実施形態を示し、この実施形態は調整シート5の底面に波状の凹凸部23を形成し、該凹凸部23の直下に該凹凸部23と噛合可能な凹凸部24を有する調整シート25を配置し、枕1の高さを若干高めに使用可能にしている。この場合も凹凸部23,24の噛合によって、二枚の調整シート5,24の重合による枕1の高さを抑制している。
【0052】
図9は本発明の第4の実施形態を示し、この実施形態は芯材4を長さ方向の中央で二分し、この二つのセパレート芯材26,27の接合部26a,27aの中央に、平面視略U字形状の切欠溝28,29を形成し、該切欠溝28,29の上側開口部に利用者19の頭部19aを載置し、頭部19aの安定性の向上と通気による冷却の向上を図っている。
また、二つのセパレート芯材26,27を接合部26a,27aを境に若干近接離反可能に配置し、それらの底面の凹凸部15を調整シート5の凹凸部17に沿って摺動可能に配置し、芯材4の長さを僅かに加減調整可能にしている。
【0053】
10は本発明の第5の実施形態を示し、この実施形態は芯材4の横断面の中央を長さ方向に沿って二分し、この二つのセパレート芯材30,31の接合部30a,一方の接合部31aの長さ方向の中央に、平面視略U字形状の切欠溝33を形成し、側端部側の一方の切欠溝32に利用者19の首部を収容ないし載置可能にし、首部の安定化を図るとともに、他方の切欠溝33に利用者19の頭部19aを載置可能にし、頭部19aの安定の向上と通気による冷却の向上を図っている。この状況は図11のようである。
また、二つのセパレート芯材30,31の底部の凹凸部15を、調整シート5の凹凸部17にずらして噛合させることによって、セパレート芯材30,31の若干の離間配置を実現可能にしている。
【0054】
12は本発明の応用形態を示し、この応用形態は枕1を芯材4のみによって構成し、前述の調整シート5を省略している。
このように構成することによって、構成が簡単になり、これを安価に製作し得るとともに、枕1の底部に空隙部を形成して通気性を向上している。
更に、前述のように枕1の使用時に揺動片12が湾曲片11の内面に係合し、湾曲片11ないし枕1の一側を支持する際、下側芯材4bは調整シート5による支持力を得られない分、若干下方へ変位し、これに湾曲片11が同動して頸部19bの支持高さが図6の場合よりも若干低くなり、頭部19aの支持高さも若干低くなり、全体的に枕1の高さが低くなるから、そのような枕の高さの好みに応じられるようにしている。
【産業上の利用可能性】
【0055】
このように本発明の枕は、内部に収容する芯材と調整シートを合理的に配置し、睡眠時における頸部または後頭部の高さを合理的に調整し、かつその際の枕カバーの容積増を回避し得るから、枕カバーの小形化と快適で質の高い睡眠を得られる。
【符号の説明】
【0056】
1 枕
2 枕カバー
4 芯材
4a 上側芯材
4b 下側芯材
5,25 調整シート
【0057】
7,9 通気溝
19 利用者
19a 頭部
19b 頸部
10,14 通気孔
11 係合片
12 揺動片
15,16 凹凸部
【0058】
26,27 セパレート芯材
30,31 セパレート芯材
26a,27a 接合部
28,29 切欠溝
30a,31a 接合部
32,33 切欠溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12