(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記四輪検出部は、判別対象の車両を検出する車両検出範囲のうち駐車券の受け渡し位置から二輪車両の想定幅よりも遠く、かつ、四輪車両の想定幅よりも近い位置に設置されるループコイルである、請求項4及び5のいずれか一項に記載の二輪四輪判別システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第1実施形態〕
図1(A)に一例として示す本発明に係る二輪四輪判別システム100は、駐車場の入場側に組み込まれているものである。具体的には、二輪四輪判別システム100は、発券機10と、第1ループコイル30と、第2ループコイル40と、ゲート装置50とを備える。さらに、発券機10は、制御部11と、駐車券搬出装置12と、発券ボタンである押ボタン部20とを備える。
【0017】
発券機10は、制御部11の制御のもと、押ボタン部20からの信号を受けることで駐車券搬出装置12から駐車券を発券する駐車券発行機(TIM:Ticket Issuing Machine)である。なお、発券機10としては、種々の形状構造を有するものが適用可能であるが、例えば
図3に示すような形状等を有するものが適用できる。
【0018】
図1(B)に示すように、発券機10において、各種制御を司る制御部11は、ボタン信号受付部20aと、第1コイル信号受付部30aと、第2コイル信号受付部40aとを備える。また、制御部11は、駐車券搬出装置12を駆動させるための搬出駆動回路12aと、ゲート装置50を駆動させるためのゲート駆動回路50aと、必要に応じて例えば中央管理センター(不図示)等と通信を行うための通信回路11aと、以上の各部の制御を含む全体の制御を統括する主制御部であるCPU11cとを備える。ここで、特に本実施形態では、各種制御の1つとして、二輪と四輪とを判別する処理を行う。すなわち、制御部11(主としてCPU11c)は、二輪と四輪とを判別する判別部として機能するものとなっている。
【0019】
図1(A)に戻って、発券機10のうち、押ボタン部20は、利用者が押すことで発券機10から駐車券を発行させるための発券ボタンである。具体的な発券機10の動作としては、利用者により押ボタン部20が押されると、発券機10の制御部11は、ボタン信号受付部20aにおいてこれを感知することで、発券のための動作を開始するものとなっている。ここで、本実施形態では、押ボタン部20が押されてから駐車券の発行をするまでの動作に際して、制御部11は、入場しようとする車両について二輪と四輪とを判別する処理を行うことで、発券する駐車券を二輪車両用のものとすべきか、四輪車両用のものとすべきかを判断している。二輪四輪の判別処理のため、上記の押ボタン部20やボタン信号受付部20aは、二輪と四輪とを判別するための前提として、判定対象となる車両の存在を確認する確認部として機能している。言い換えると、発券機10は、確認部を構成する押ボタン部20が利用者により押されることを契機として車両の判別を行うものとなっている。
【0020】
このほか、発券機10は、発行した駐車券を利用者に受け渡すために、受け渡し位置PP1に駐車券搬出装置12を有している。
【0021】
第1ループコイル30は、ゲート装置50の手前側の停車範囲内の地中に埋設されており、発券機10で発行される駐車券を受け取るために第1ループコイル30上の面内に停止した車両を検知する。特に、本実施形態では、第1ループコイル30は、四輪車両の存在を検知した場合にのみ、発券機10の制御部11に対してオン信号を送信するものとなっている。このため、
図2(A)及び2(B)に示すように、第1ループコイル30は、駐車券の受け渡し位置PP1から二輪車両の幅を加味して想定される想定幅AW1よりも遠く、かつ、四輪車両の幅を加味して想定される想定幅AW2よりも近い位置に設置されている。より具体的には、第1ループコイル30のうち発券機10に最も近くに配置される端部TTが、想定幅AW1より大きく、かつ、想定幅AW2より小さい値である間隔幅WD1だけ発券機10の受け渡し位置PP1から離間した位置に配置されるようになっている。これにより、第1ループコイル30は、発券機10の前で停止した判別対象となる車両が二輪車両と四輪車両とのうち四輪車両である場合にのみ検出反応を示すものとなっている。例えば、
図2(A)に示すように、判別対象の車両が二輪車両W2である場合には、停止時に二輪車両W2が第1ループコイル30の検知範囲外にある状態となるため、第1ループコイル30では存在確認がなされず、制御部11に対して信号が送信されない。一方、
図2(B)に示すように、判別対象の車両が四輪車両W4である場合には、停止時に四輪車両W4の一部が第1ループコイル30の検知範囲内にある状態となるため、存在確認がなされ、制御部11に対してオン信号が送信される。制御部11は、第1コイル信号受付部30aにおいて第1ループコイル30からのオン信号を受け付ける。以上のような構成とすることで、第1ループコイル30や制御部11の第1コイル信号受付部30aは、四輪車両である場合にのみ検出反応を示す四輪検出部として機能している。制御部11は、二輪と四輪との判別、すなわち発券すべき駐車券を二輪用のものとするか、四輪用のものとするかの判断に際して、上記した第1ループコイル30からのオン信号の送信の有無を利用している。また、発券機10における受け渡し位置PP1から第1ループコイル30のうち最も発券機10から遠い位置までの幅が、場内で駐車可能な四輪車両一台を通過させるのに適合したサイズとなっている。つまり、四輪車両一台分のコンパクトな範囲を二輪と四輪との共用スペースとして車両種別の検出を可能にしている。
【0022】
第2ループコイル40は、図示のように、発券機10や第1ループコイル30、さらにはゲート装置50よりも車両の進行方向について奥側に位置する地中に埋設されており、制御部11での二輪と四輪との判別後において車両の通過を検出する車両通過検出部である。この場合、第2ループコイル40は、ゲート装置50の通過後の車両を検出することになり、車両が入場したことを検出することになる。第2ループコイル40は、検出結果を制御部11に送信する。制御部11は、車両の判別後一定時間以内に第2ループコイル40から検出結果が得られた場合、すなわち、判別対象であった車両が入場したと判別される場合には、その車両に対して発行した駐車券が有効であるものとする処理を行い、一定時間以内に車両の通過が検出されない場合には、当該駐車券が無効であるものとする処理を行う。
【0023】
なお、上記のような第2ループコイル40に代えて、種々のものを車両通過検出部として適用可能である。例えば、ゲート装置50の通過後の車両の通過を検出可能にするような位置に配置した光センサ等を車両通過検出部として適用してもよい。
【0024】
ゲート装置50は、
図1(A)や
図3等に示すように、第1ループコイル30よりも車両の進行方向について奥側であって、第2ループコイル40よりも手前側に設けられた装置であり、本体装置51と、ポール部52とを備え、ポール部52を昇降させることで車両の進行の可否を示す装置である。なお、具体的な一例としては、ゲート装置50は、
図4(A)及び4(B)に示すような形状等を有しており、本体装置51によってポール部52の根元側を中心として回転動作させることにより、ポール部52を昇降させている。ゲート装置50は、発券機10の制御部11での判断に従って、車両の通行を許可した期間だけポール部52を上昇させ、それ以外の期間は、ポール部52を下して通行を遮断させるものとなっている。なお、ゲート装置50は、上記のような構成に限らず種々の態様のものが適用できる。例えば、二輪と四輪との判別結果に応じて、二輪車両の場合は、片開き、四輪車両の場合は、両開きとなるように構成することも可能である。
【0025】
以下、
図5のフローチャートを参照して、駐車場入場口に組み込まれた本実施形態に係る二輪四輪判別システム100を利用した車両の入場処理について説明する。
【0026】
まず、発券機10において、制御部11は、発券ボタンである押ボタン部20が押されたか否かすなわちボタン信号受付部20aにおいて感知されたかを確認し(ステップS1)、押ボタン部20からの確認信号を感知する(ステップS1:Yes)ことで、制御部11は、判別部として駐車場に入場しようとする車両が存在していることを確認する。次に、制御部11は、前回の処理をキャンセルする初期化の処理を行う(ステップS2)。次に、制御部11は、判別部として第1ループコイル30での検出があったか否か、すなわち第1ループコイル30からのオン信号を受け付けたか否かを確認する(ステップS3)。ステップS3において、検出があった場合(ステップS3:Yes)、制御部11は、駐車券搬出装置12に四輪車両用の駐車券(四輪券)を発行させる処理を行う(ステップS4)。一方、ステップS3において、検出がなかった場合(ステップS3:No)、制御部11は、駐車券搬出装置12に二輪車両用の駐車券(二輪券)を発行させる処理を行う(ステップS5)。ステップS4での四輪券の発行後、又は、ステップS5での二輪券の発行後、制御部11は、第2ループコイル40での検出があったか否か、すなわち車両通過の検出信号を受け付けたか否かを一定時間確認する(ステップS6,S7)。一定時間内に第2ループコイル40での検出があった場合(ステップS6:Yes)、制御部11は、判別した車両が正常に入場したと判断し車両の入場処理を終了する。なお、この場合、発行した駐車券は有効のものとして取り扱われることになる。一方、一定時間経過しても第2ループコイル40での検出がなかった場合(ステップS6:No、かつ、ステップS7:Yes)、制御部11は、発行した駐車券を無効券として登録し(ステップS8)、車両の入場処理を終了する。なお、例えば中央管理センター(不図示)によって集中管理を行うようなシステムの場合には、通信回路11aを介して無効券の登録情報等の各種情報が送信される。
【0027】
なお、上記フローチャートにより説明した動作は、一例であり、種々の変更が可能である。例えば、上記の例ではステップS2において、前回の処理をキャンセルする初期化の処理を行っており、これにより、例えば前回の利用者のための処理との混同が回避されるが、このような処理に限らず、入場に際して的確な処理を行うための種々の処理を組み込むものとしてもよい。また、例えば、上記フローチャートを参照した説明においてはゲート装置50の動作を省略したが、ゲート装置50は、上記入場処理の間に適宜昇降動作を行うものとなっている。例えば、ステップS4又はステップS5における駐車券の発券とともに、ゲート装置50は、制御部11からの指示に従って、ポール部52を上昇させる動作を行い、また、例えばステップS6,S7において一定時間内に第2ループコイル40での検出が確認され、車両の入場が完了したと確認されると、ゲート装置50は、制御部11からの指示に従って、ポール部52を降下させる動作を行うものとすることができる。
【0028】
また、ゲート装置50におけるポール部52の昇降については、制御部11での制御によって上記以外にも種々の動作のさせ方が適用可能であり、例えば駐車券を駐車券搬出装置12によって発行させた後であっても当該駐車券が利用者に抜き取られるまでの間は、ポール部52を降下させておくことで、駐車券の取り忘れ等を防止するものとしてもよい。
【0029】
また、駐車券搬出装置12において駐車券搬出後、一定時間(例えば20秒程度)経過してもカードが抜き取られない場合には、駐車券を巻き取る(回収する)ようにしてもよい。あるいは、時間経過等から判断して抜き取られずに一定時間残っていたままの駐車券を次の利用者が抜き取ってしまったと判断される場合には、駐車券を取り直させるために発券ボタン(押ボタン部20)を押すように促す表示等を行うものとしてもよい。この表示を行う間は、ゲート装置50により入場を遮断した状態に維持しておくものとしてもよい。
【0030】
また、以上では、ステップS4での四輪券の発行時や、ステップS5での二輪券の発行時においては、いずれも発行した券を有効なものとして取り扱い、一定時間経過しても第2ループコイル40で検出されなかった場合に無効券として登録するものとしているが、このような態様に限らず、例えば上記とは逆に、発行後、一定時間以内に第2ループコイル40で検出があって初めて出場に際して有効な券として取り扱うようにしてもよい。
【0031】
以上のように、本実施形態に係る二輪四輪判別システム100では、駐車券の受け渡し位置に設置される発券機の押ボタン部20等が判定対象となる車両の存在を確認する確認部として機能し、第1ループコイル30等が四輪車両である場合にのみ検出反応を示す四輪検出部として機能しており、制御部11は、判別部として、確認部からの確認情報と四輪検出部からの検出の有無の情報とに基づいて二輪と四輪とを判別している。これにより、二輪車両と四輪車両との双方について一箇所にまとめられた車両停止スペースにおいて簡易かつ確実に二輪と四輪との判別が可能となる。
【0032】
〔第2実施形態〕
以下、
図6等を参照して、第2実施形態に係る二輪四輪判別システムについて説明する。なお、本実施形態では、二輪四輪判別システム200は、駐車場の出場側に組み込まれているものである点において、駐車場の入場側に組み込まれている第1実施形態の場合と異なる。具体的には、
図6(A)に示すように、二輪四輪判別システム200は、精算機210と、第3ループコイル230と、第4ループコイル240と、ゲート装置250とを備える。さらに、精算機210は、制御部211と、駐車券挿入部である駐車券挿入装置212と、料金投入口や釣銭渡し口等を含む精算窓口部213とを備える。
【0033】
精算機210は、制御部211の制御のもと、駐車券挿入装置212から駐車券の挿入を受け付けて精算を行い精算窓口部213において駐車料金の受け渡しを行う自動精算端末(ACT:Automatic Cashier Terminal)である。なお、精算機210としては、種々の形状構造を有するものが適用可能であるが、例えば
図7に示すような形状等を有するものが適用できる。
【0034】
図6(B)に示すように、精算機210において、各種制御を司る制御部211は、駐車券挿入信号受付部212aと、第1コイル信号受付部230aと、第2コイル信号受付部240aとを備える。また、制御部11は、精算窓口部213を駆動させるための精算窓口駆動回路213aと、ゲート装置250を駆動させるためのゲート駆動回路250aと、必要に応じて例えば中央管理センター(不図示)等と通信を行うための通信回路211aと、以上の各部の制御を含む全体の制御を統括する主制御部であるCPU211cとを備える。ここで、特に本実施形態では、制御部211(主としてCPU211c)が二輪と四輪とを判別する判別部として機能するものとなっている。
【0035】
図6(A)に戻って、精算機210のうち、駐車券挿入装置212は、利用者が駐車券を挿入させるための挿入口を含む駐車券挿入部である。利用者により駐車券が挿入されると、精算機210の制御部211は、駐車券挿入装置212からの駐車券挿入信号を感知することで、駐車料金の精算のための動作を開始するものとなっている。ここで、本実施形態では、駐車券が挿入されたことに伴い、駐車料金の精算をするにあたって、制御部11が二輪と四輪とを判別する処理を行うことで、挿入された駐車券の種類と出場する車両の種別とが一致するか否かを判断している。また、上記の駐車券挿入装置212や駐車券挿入信号受付部212aは、二輪と四輪とを判別するための前提として、判定対象となる車両の存在を確認する確認部として機能している。言い換えると、精算機210は、確認部を構成する駐車券挿入装置212に利用者が精算のために駐車券を駐車券挿入部へ挿入することを契機として車両の判別を行うものとなっている。
【0036】
第3ループコイル230は、
図1等に示す第1ループコイル30の場合と同様に、ゲート装置250の手前側の停車範囲内であって特定の位置の地中に埋設されており、精算機210の駐車券挿入装置212で駐車券を渡すために停止した車両として四輪車両の存在を検知した場合に、精算機210の制御部211に対してオン信号を送信する。つまり、第3ループコイル230や制御部211の第3コイル信号受付部230aは、四輪車両である場合にのみ検出反応を示す四輪検出部として機能している。制御部211は、二輪と四輪との判別に際して、第3ループコイル230からの信号送信の有無を利用している。
【0037】
第4ループコイル240は、図示のように、精算機210や第3ループコイル230、さらにはゲート装置250よりも車両の進行方向について奥側に位置する地中に埋設されており、制御部211での二輪と四輪との判別後において車両の通過を検出する車両通過検出部である。この場合、第4ループコイル240は、ゲート装置250の通過後の車両を検出することになり、車両が出場したことを検出することになる。第4ループコイル240は、検出結果を制御部211に送信する。制御部211は、当該結果を例えばゲート装置250の動作タイミングを決定するために利用する。
【0038】
なお、上記のような第4ループコイル240に代えて、種々のものを車両通過検出部として適用可能である。例えば、ゲート装置250の通過後の車両の通過を検出可能にするような位置に配置した光センサ等を車両通過検出部として適用してもよい。
【0039】
ゲート装置250は、本体装置251やポール部252を有する。ゲート装置250やこれを構成する各部の動作や機能については、
図1(A)等に示すゲート装置50と同様であるので、詳しい説明を省略する。
【0040】
以下、
図8のフローチャートを参照して、駐車場出場口に組み込まれた本実施形態に係る二輪四輪判別システム200を利用した車両の出場処理について説明する。
【0041】
まず、精算機210において、制御部211は、駐車券が挿入されたか否かを確認し(ステップS201)、駐車券が挿入されたこと、すなわち駐車券挿入信号を感知すると(ステップS201:Yes)、制御部211は、挿入された駐車券が無効券であるか否かを検出する(ステップS202)。制御部211は、ステップS202において、駐車券が無効券でない(有効な券である)と判断すると(ステップS202:No)、次に、制御部211は、判別部として第3ループコイル230での検出があったか否か、すなわち第3ループコイル230からのオン信号を受け付けたか否かを確認する(ステップS203)。ステップS203において、第3ループコイル230での検出があった場合、すなわち判定対象の車両が四輪車両であると判別された場合(ステップS203:Yes)、制御部211は、挿入された駐車券が四輪車両用のもの(四輪券)であるか否かを確認する(ステップS204)。言い換えると、制御部211は、ステップS203での車両判別の結果とステップS201で挿入された駐車券の種類とを照合して、駐車券の適合性を確認する。ステップS204において、駐車券が四輪券であると判定されると(ステップS204:Yes)、制御部211は、駐車券の種類と出場しようとする車両の種別とが一致しているものとして取り扱い、駐車料金の精算を開始し、精算処理が終了することで動作を終了する(ステップS205)。一方、ステップS204において、駐車券が四輪券でないと判定されると(ステップS204:No)、制御部211は、駐車券の種類と出場しようとする車両の種別とが不一致であるものとして取り扱い、駐車券を返却する処理をして(ステップS206)、動作を終了する。
【0042】
一方、ステップS203において、第3ループコイル230での検出がなかった場合、すなわち二輪車両であると判別された場合(ステップS203:No)、制御部211は、挿入された駐車券が二輪車両用のもの(二輪券)であるか否かを確認する(ステップS207)。ステップS207において、駐車券が二輪券であると判定されると(ステップS207:Yes)、制御部211は、駐車券の種類と出場しようとする車両の種別とが一致しているものとして取り扱い、駐車料金の精算を開始し、精算処理が終了することで動作を終了する(ステップS208)。一方、ステップS207において、駐車券が二輪券でないと判定されると(ステップS207:No)、制御部211は、駐車券の種類と出場しようとする車両の種別とが不一致であるものとして取り扱い、駐車券を返却する処理をして(ステップS209)、動作を終了する。
【0043】
上記のほか、ステップS202において、駐車券が無効券であると判断された場合も(ステップS202:Yes)、駐車券を返却する処理をして(ステップS206)、動作を終了する。
【0044】
以上において、上記ステップS202における無効券とされているか否かの判定については、種々の態様により判定可能であるが、例えば第1実施形態で説明したような入場時の処理を行うような態様において、
図5のステップS8で無効券として登録されたものであるか否かによって無効券であることを判定することができる。より具体的には、例えば中央管理センター(不図示)によって集中管理を行うようなシステムの場合には、通信回路211aを介して無効券の登録情報が取得できる。
【0045】
なお、ステップS206又はS209において駐車券が返却された場合、利用者は、駐車券の紛失処理等種々の必要な処理を別途行うことになる。
【0046】
本実施形態においても、二輪車両と四輪車両との双方について一箇所にまとめられた車両停止スペースにおいて簡易かつ確実に二輪と四輪との判別が可能となる。特に、本実施形態では、駐車場の出場側において適用が可能となっている。また、駐車券の適合性を確認することで、例えば二輪車両分の料金で四輪車両を出場させようとする不正な出場を抑止できる。
【0047】
〔第3実施形態〕
以下、
図9等を参照して、第3実施形態に係る二輪四輪判別システムについて説明する。本実施形態では、判定対象となる車両の存在を確認する確認部の構造以外について第1実施形態と同名のものは、第1実施形態に示す二輪四輪判別システム100のものと同様であるので、確認部以外の部分の構成等については、詳しい説明を省略する。本実施形態では、第1実施形態において
図1等に示す押ボタン部20等に代えて、光センサ部を用いて確認部を構成している点が異なっている。具体的には、
図9に示すように、二輪四輪判別システム300は、発券機310と、第1ループコイル30と、第2ループコイル40と、ゲート装置50とを備える。さらに、発券機310は、制御部311と、駐車券搬出装置12と、光センサ部320とを備える。
【0048】
光センサ部320は、光を発生させる発光部320aと、発光部320aからの光を受光して光検出を行う光検出部320bとで構成される。発光部320aは、例えば赤外波長帯域のレーザー光等の照射光ILを発生させ光検出部320bに向けて照射する装置である。また、光検出部320bは、例えばアンプ付フォトダイオードでそれぞれ構成され、発光部320aからの照射光を受光することで光検出を行う。
【0049】
光センサ部320は、例えば車両の高さを考慮して形成される一対の柱状部材(ポール型部材)で構成され、判別対象である車両(二輪車両及び四輪車両)が発券機10で発行される駐車券を受け取るために停止した際に、当該車両が存在することで、発光部320aの位置から光検出部320bの位置までの照射光の通過領域における遮光を検知するようになっている。つまり、検知範囲内について車両の有無を検出することができるものとなっている。
【0050】
本実施形態では、上記のような光センサ部320等を利用することで、発券機310の制御部311が二輪と四輪とを判別する判別部として機能するものとなっている。なお、制御部311は、各種制御の一環として、光センサ部320の制御を行っている。すなわち、発光部320aの発光タイミング等の制御をするとともに、光検出部320bでの光検出の結果についての情報を受け付けている。つまり、発券機310は、確認部を構成する光センサ部の検知範囲内に利用者の車両が存在した状態となることを契機として車両の判別を行うものとなっている。
【0051】
なお、上記した光センサ部320の構成は、一例であり、判別対象である車両の有無を検出できるものであれば、上記以外の態様の光センサ部も適用可能である。例えば、発光部320aについては、照射光ILとしてレーザー光発生させるものに限らずLED等種々の光源を利用することができる。また、受光側である光検出部320bについても、受光可能な様々な素子を適用できる。また、一対の柱状部材に限らず、種々の形状のものを適用することができる。
【0052】
また、上記の光センサ部320は、発光部320aと光検出部320bとで構成される透過型センサであるが、反射型の光センサにより光センサ部320を構成してもよい。さらに、光センサ部320に代えて、他の方式のセンサ部で確認部を構成することも可能であり、例えば電波を利用したセンサ部等で構成してもよい。
【0053】
以下、
図10のフローチャートを参照して、駐車場入場口に組み込まれた本実施形態に係る二輪四輪判別システム300を利用した車両の入場処理について説明する。
【0054】
まず、発券機310において、制御部311は、光センサ部320によるビーム検出がなされたか否かすなわち制御部311の信号受付部(図示略)において光検出信号が感知されたかを確認し(ステップS301)、光センサ部320からの光検出信号を感知する(ステップS301:Yes)ことで、制御部311は、判別部として駐車場に入場しようとする車両が存在していることを確認する。次に、制御部11は、前回の処理をキャンセルする初期化の処理を行い(ステップS302)、第1ループコイル30からのオン信号を受け付けた場合(ステップS303:Yes)、四輪券を発行させる処理を行い(ステップS304)、オン信号を受け付けなかった場合(ステップS303:No)、二輪券を発行させる処理を行う(ステップS305)。四輪券又は二輪券の発行後、第2ループコイル40での検出を確認し(ステップS306,S307)、検出があった場合(ステップS306:Yes)、制御部311は、車両の入場処理を終了する。一方、第2ループコイル40での検出がなかった場合(ステップS306:No、かつ、ステップS307:Yes)、制御部311は、発行した駐車券を無効券として登録し(ステップS308)、車両の入場処理を終了する。
【0055】
本実施形態においても、二輪車両と四輪車両との双方について一箇所にまとめられた車両停止スペースにおいて簡易かつ確実に二輪と四輪との判別が可能となる。特に、本実施形態では、利用者からの応答等を待つことなくセンサ部での感知により迅速に判別処理の開始が可能となっている。
【0056】
この発明は、上記の各実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0057】
例えば、上記において第1及び第3実施形態において、駐車場の入場側に組み込んだ二輪四輪判別システムの例について説明し、第2実施形態において、駐車場の出場側に組み込んだ二輪四輪判別システムの例について説明したが、駐車場の入場側と出場側との双方において本願発明の二輪四輪判別システムを組み込むものとしてもよい。また、この場合、二輪四輪判別の処理を1つの制御部によって統括的に行うものとしてもよい。
【0058】
また、上記では、確認部として、第1実施形態において発券ボタンである押ボタン部を利用し、第3実施形態において光センサ部を利用しているが、例えば押ボタン部と光センサ部とを併用するものとしてもよい。
【0059】
また、第2実施形態において、確認部として駐車券挿入部である駐車券挿入装置212を利用しているが、例えば第3実施形態の場合と同様に、光センサ部を駐車出場側に設置して停止している車両の検出を可能とするようにし、当該光センサ部での検出結果に基づいて二輪四輪の判別を行うものとしてもよい。なお、この場合、駐車券挿入部での挿入に代えて光センサ部での感知によって車両の存在を確認することを除いて、第2実施形態で説明した場合と同様の処理により出場処理ができる。
【0060】
また、上記において第1ループコイル30の受け渡し位置PP1から二輪車両の幅に関して想定される想定幅AW1や四輪車両の幅に関して想定される想定幅AW2については、判定対象とすべき車両等に応じて設定されるものとすることができる。例えば、いわゆる軽四輪までを四輪車両として扱う場合には、軽四輪の車幅が1.48m以下であることや、軽四輪の利用者が手を伸ばす範囲等のマージンを考慮して想定幅AW2を定め、かつ、二輪車両の通常の幅が1m程度あることや、二輪車の利用者が手を伸ばす範囲等のマージンを考慮して想定幅AW1を定めた上で間隔幅WD1を決定することで、最適な第1ループコイル30の位置設定をすることができる。
【0061】
また、上記では、四輪車両である場合にのみ検出反応を示す四輪検出部を、第1ループコイル30や第1ループコイル30からの信号を受け付ける制御部11の第1コイル信号受付部30aによって構成するものとしているが、四輪車両である場合にのみ検出反応を示すことができれば、ループコイルに限らず、例えば各種センサ等を利用した構成とすることも考えられる。
【0062】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。