(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記圧縮機の運転停止制御時に、前記所定期間だけ前記圧縮機の回転数を徐々に減少させた後、前記圧縮機を停止させる制御を行うように構成されている、請求項1に記載の冷却装置。
前記制御部は、前記圧縮機から吐出される冷媒の圧力に基づいて、前記圧縮機の回転数の減少を一定回数繰り返した期間である前記所定期間だけ前記圧縮機を通常運転時よりも低い回転数で運転させた後、前記圧縮機を停止させる制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載の冷却装置。
前記制御部は、前記圧縮機から吐出される冷媒の温度に基づき把握される前記冷媒の圧力に基づいて、前記圧縮機の回転数の減少を一定回数繰り返した期間である前記所定期間だけ前記圧縮機を通常運転時よりも低い回転数で運転させた後、前記圧縮機を停止させる制御を行うように構成されている、請求項3に記載の冷却装置。
前記制御部は、前記圧縮機の駆動電流値に基づき把握される前記冷媒の圧力に基づいて、前記圧縮機の回転数の減少を一定回数繰り返した期間である前記所定期間だけ前記圧縮機を通常運転時よりも低い回転数で運転させた後、前記圧縮機を停止させる制御を行うように構成されている、請求項3に記載の冷却装置。
前記制御部は、前記圧縮機の運転停止制御時に、前記圧縮機に接続される冷媒配管の振動が増大する共振周波数に対応する回転数を回避しながら前記回転数を低下させる制御を行うように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷却装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
[第1実施形態]
図1〜
図4を参照して、本発明の第1実施形態による自動販売機100の構成について説明する。なお、自動販売機100は、特許請求の範囲の「冷却装置」の一例である。
【0018】
(自動販売機の構成)
本発明の第1実施形態による自動販売機100は、
図1に示すように、缶飲料(ペットボトル飲料)などの商品105を冷却または加温して販売する機器である。自動販売機100は、
図1および
図2に示すように、本体キャビネット1と、外扉2と、内扉3と、隔壁部材4と、商品収容庫5と、冷媒回路装置6と、冷媒回路装置6を収納する機械室7と、制御部8とを備える。また、
図1に示すように、商品収容庫5は、X1側に配置された右庫5aと、中央に配置された中庫5bと、X2側に配置された左庫5cとからなる。右庫5aおよび中庫5bは、冷却専用庫であり、左庫5cは、冷却/加熱兼用庫として構成されている。また、右庫5a、中庫5bおよび左庫5cは、断熱性を有する仕切部材5dによって互いに仕切られている。また、本体キャビネット1は、隔壁部材4によって上下に隔てられることにより、上側の商品収容庫5と下側の機械室7とが互いに区画されている。
【0019】
図2に示すように、左庫5c(商品収容庫5)には、商品収納ラック5eが設けられている。
図2では左庫5cの部分での商品収容庫5の断面構造を示しているが、右庫5aおよび中庫5bも左庫5cと略同様である。また、右庫5a、中庫5bおよび左庫5cを構成する各列に個々に配置された商品収納ラック5eは、前方側(Y1側)の第1部分5fと、後方側(Y2側)の第2部分5gとからなる。また、本体キャビネット1の内面には、商品収納ラック5eを取り囲むようにして断熱材9が設けられている。
【0020】
各々の商品収納ラック5eは、Z2側の下端部近傍に配置された搬出機構部5hと、商品105を商品取出口2aまで導く搬出シュータ10とを有する。これにより、商品収容庫5においては、商品105を下部(Z2側)から上部(Z1側)に向かって積層した状態で収容するとともに下層側の商品105から順に搬出シュータ10を介して商品取出口2aに排出可能に構成されている。また、搬出シュータ10には、厚み方向に沿って冷却空気または加熱空気が流通する複数の貫通孔(図示せず)が設けられている。
【0021】
(冷媒回路装置の構成)
冷媒回路装置6は、
図3に示すように、主回路20と、高圧冷媒回路30と、放熱回路40と、内部熱交換器50とによって構成された冷媒回路60を備えている。また、主回路20は、圧縮機21と、流路切替弁61と、庫外熱交換器22と、電磁弁23a〜23cと、キャピラリ管24a〜24cと、庫内熱交換器25a〜25cと、これらを順次接続する冷媒配管26(吐出配管26a、26b、液管26c、吸入配管26d、配管26eおよび26f)とによって構成されている。
【0022】
吐出配管26aは、圧縮機21と流路切替弁61とを接続するとともに、吐出配管26bは、流路切替弁61と庫外熱交換器22とを接続し、液管26cは、庫外熱交換器22と電磁弁23a〜23cとを接続している。また、吸入配管26dは、庫内熱交換器25a〜25cと圧縮機21とを接続している。また、配管26eは、流路切替弁61と庫内熱交換器25cにおける後述する第2熱交換部25eとを接続するとともに、配管26fは、第2熱交換部25eと庫外熱交換器22における後述する第2熱交換部22bとを接続している。吐出配管26aには、高圧圧力(吐出圧力Pd)を検出する高圧用センサ81と吐出冷媒温度を検出する冷媒温度センサ82とが設けられている。吸入配管26dには、低圧圧力(吸入圧力Ps)を検出する低圧用センサ83が設けられている。また、機械室7の正面側の外側面近傍には、外気温度センサ84が設けられている。
【0023】
また、冷媒回路装置6は、外気ファン71と、庫内ファン72a〜72cとを備えている。ここで、圧縮機21、庫外熱交換器22および外気ファン71は、機械室7に設置されており、外気ファン71は、
図2に示すように、庫外熱交換器22の背面側(Y2側)に設けられている。外気ファン71は、機械室7の前面側(Y1側)から吸引した空気を庫外熱交換器22に流通させて背面側(Y2側)から外部に排出する役割を有する。
【0024】
庫内熱交換器25a、25bおよび25c(
図3参照)は、それぞれ、右庫5a、中庫5bおよび左庫5cの内底部領域の奥側(Y2側)に配置されている。そして、庫内ファン72a、72bおよび72cは、それぞれ、庫内熱交換器25a、25bおよび25cの前方(Y1側)に配置されている。また、庫内熱交換器25cは、内部で2つの冷媒経路(第1熱交換部25dおよび第2熱交換部25e)に分割されており、左庫5cにおける冷却運転と加熱運転とで、冷媒の流れる経路が異なるように構成されている。
【0025】
また、
図2に示すように、商品収容庫5には、互いに断熱された背面ダクト74a〜74cが設けられている。左庫5cに対応する背面ダクト74cは、左庫5cの背面に沿って上下方向に延びて下端部が庫内熱交換器25cの背面側に達する。これにより、庫内熱交換器25cにより冷却または加熱された空気は、庫内ファン72cにより左庫5cの下端部から前方向(矢印Y1方向)に流れ、搬出シュータ10の複数の貫通孔を通過しながら斜め上方に向きを変えて流通される。そして、商品105が積層された商品収納ラック5eを第1部分5fから後方側の第2部分5gに向けて流れて背面ダクト74cに回収される。そして、商品105を冷却/加熱した空気は、背面ダクト74cを介して再び庫内熱交換器25cに流通される。この点については、中庫5bおよび左庫5cも同様である。
【0026】
また、
図3に示すように、右庫5aにおける第1部分5f(
図2参照)の下端部、中庫5bにおける第1部分5fの下端部および左庫5cにおける前方側の第1部分5fの下端部には、それぞれ、空気温度センサ85a〜85cが設けられている。また、各々の第1部分5fの下端部には電気配線を通す配線ダクト5jが設けられている。左庫5cにおいては、配線ダクト5jの内部に空気温度センサ85cが設けられている。また、庫内熱交換器25cの前方には、加熱用の補助ヒータ(図示せず)が設けられており、所定条件下では、補助ヒータにより加熱された空気が左庫5cに導入されるように構成されている。
【0027】
主回路20における圧縮機21は、回転数制御に基づき冷媒吐出量が制御可能なインバータ制御式が用いられており、冷媒(R134a)を圧縮して吐出する。また、庫外熱交換器22は、圧縮機21で圧縮された高温高圧冷媒が通過した際に外気ファン71により送風される空気との熱交換により冷媒を凝縮させる機能を有する。なお、庫外熱交換器22と圧縮機21とを接続する冷媒配管26の部分には、流路切替弁61が設けられている。
【0028】
液管26cは、内部熱交換器50の下流側(高圧側)において3つに分岐して互いに並列接続された庫内熱交換器25a〜25cにそれぞれ接続されている。各経路には、電磁弁23a(23bおよび23c)とキャピラリ管24a(24bおよび24c)とが設けられている。電磁弁23a〜23cは、開閉制御されることにより、庫内熱交換器25a〜25cへの冷媒の流通が制御される。また、キャピラリ管24a〜24cは、庫外熱交換器22で凝縮した冷媒(液冷媒)を減圧して断熱膨張させる。
【0029】
流路切替弁61は、圧縮機21の吐出冷媒を吐出配管26aおよび26bを介して庫外熱交換器22へ矢印A方向(
図3参照)に送出する第1送出状態と、配管26eを介して第2熱交換部25eへ矢印B方向(
図3参照)に送出する第2送出状態とを切り替える電磁弁である。これにより、高圧冷媒回路30は第2送出状態の際に使用され、第2送出状態では第2熱交換部25eを通過する冷媒により左庫5cが加熱される。また、放熱回路40は、第2熱交換部25eにおいて凝縮した冷媒を流通させる配管26fと、配管26fを通過する冷媒を断熱膨張させるキャピラリ管41とを備える。キャピラリ管41通過後の冷媒は第2熱交換部22bにおいて機械室7内を通過する空気との間で熱交換される。
【0030】
内部熱交換器50は、液管26cを介して電磁弁23a〜23cに流入される前の高温の液冷媒と、庫内熱交換器25a〜25cから流出し吸入配管26dを流通する低温の冷媒との間の熱交換を行う役割を有する。すなわち、冷却運転時に、庫外熱交換器22からの液冷媒の熱を庫内熱交換器25a〜25cからの低温の冷媒に付与することにより、液冷媒の温度を低下させて液冷媒に過冷却度を確保するとともに、低温低圧の冷媒温度を上昇させて気相状態にする役割を有する。
【0031】
また、自動販売機100の制御的な構成としては、
図4に示すように、CPUからなる制御部8に加えて、ROM8aおよびRAM8bが設けられている。ROM8aには、制御部8が実行する制御プログラムや、圧縮機21の運転周波数[Hz]に対応する圧縮機駆動部8cによる駆動電流値Icが規定された制御テーブル(図示せず)などが格納されている。また、RAM8bは、制御プログラムが実行される際に用いられる制御上のパラメータが一時的に保存される。なお、圧縮機21は、制御部8の指令に基づき圧縮機駆動部8cを介して回転数制御が行われる。また、制御部8は、空気温度センサ85a〜85cからの入力信号に基づき所定の判断を行い、その判断結果に基づいて圧縮機21を含む冷媒回路装置6を適切に運転する制御を行うように構成されている。
【0032】
自動販売機100では、冷却運転時に、庫内熱交換器25aおよび25bとともに第1熱交換部25d(庫内熱交換器25c)を蒸発器として機能させて左庫5cを冷却する運転モード(CCC運転)に加えて、冷媒回路装置6内の冷媒の流路を切り替えることにより、第2熱交換部25e(庫内熱交換器25c)を凝縮器として機能させて左庫5cを加熱するヒートポンプ運転モード(HCC運転)が運転可能に構成されている。また、運転モードに関係なく、空気温度センサ85a〜85cの検出結果に基づいて電磁弁23a〜23cの開閉および圧縮機21の運転周波数(回転数)が制御されることにより、庫内熱交換器25a〜25cの各々の冷却(加熱)能力が制御されるように構成されている。
【0033】
なお、冷却運転時に空気温度センサ85a〜85cの検出結果に基づき商品収容庫5(右庫5a、中庫5bおよび左庫5c)の庫内温度が設定温度に達した場合、電磁弁23a〜23cが閉じられる。これにより、圧縮機21の吸入圧力Psが下限値を下回るとともにこれに引き連れて吐出圧力Pdも低下し始める。そして、高圧用センサ81により検出される吐出圧力Pdが所定のしきい値未満となった際に圧縮機21が運転を停止される。また、空気温度センサ85a〜85cの検出結果に基づき商品収容庫5の庫内温度が設定温度を上回った場合、対応する商品収容庫5(右庫5a、中庫5bまたは左庫5c)の電磁弁(電磁弁23a〜23cのいずれか)が開かれる。これにより、低圧用センサ83により検出される圧縮機21の吸入圧力Psが上限値を上回った際に圧縮機21が起動される。
【0034】
ここで、第1実施形態では、圧縮機21の運転が停止される際に、運転周波数を即座に0Hzにするのではなく、それまでの冷却負荷を発生させる通常運転時の運転周波数よりも低い運転周波数(回転数)で所定期間Tだけ圧縮機21を運転させた後、最終的にゼロ回転にして完全に停止させる制御が行われるように構成されている。また、運転周波数は、一定の低下率で徐々に低下させる制御が所定期間Tに亘って継続されるように構成されている。したがって、この運転停止制御においては、通常運転時に圧縮機21の吐出側(吐出配管26a(26b)側)と吸入側(吸入配管26d側)との間に生じていた冷媒圧力の高低圧差が所定期間Tをかけて徐々に小さくなるように制御される。これにより、運転中の圧縮機21を即座に自然停止させる場合と異なり、吸入配管26dおよび吐出配管26aに冷媒の急激な圧力変動に起因した衝撃力(配管の振動)が発生しない。したがって、圧縮機21との配管接続部分にも冷媒配管26(吐出配管26a(26b)および吸入配管26d)の振動に起因した過剰な応力が加わらない。
【0035】
なお、
図3に示すように、自動販売機100の運転時に電磁弁23a〜23cが全て閉じられた場合、圧縮機21の吸入圧力Psの低下とともに吐出圧力Pdが低下するので、高圧用センサ81による吐出圧力Pdの検出結果に基づいて、制御部8(
図4参照)から圧縮機駆動部8c(
図4参照)に対して圧縮機21を停止させる運転停止指令が出力される。この運転停止指令をトリガとして、以降の所定期間Tにおいて圧縮機21の運転周波数が一定の低下率で徐々に低下させる制御が実行されるように構成されている。
【0036】
また、第1実施形態では、圧縮機21に接続される吸入配管26dおよび吐出配管26a(26b)の振動が増大する共振周波数を回避しながら回転数(運転周波数)を低下させる制御が行われるように構成されている。なお、この制御を実現させるために、機械室7(
図2参照)内において圧縮機21に接続された吸入配管26dおよび吐出配管26a(26b)の構造から予め共振周波数が実験的に把握されており、運転周波数の低下時に共振周波数に対応する運転周波数をスキップさせる制御が行われる。これにより、運転周波数の低下中に特定の運転周波数で吸入配管26dおよび吐出配管26a(26b)が共振現象を起こしてこれらを破損させるという不都合が回避されるように構成されている。
【0037】
また、自動販売機100において上記構成された冷媒回路装置6は、次のようにして商品収容庫5に収容された商品105を冷却または加熱(加温)するように構成されている。
【0038】
まず、
図2を参照して、CCC運転(右庫5a、中庫5bおよび左庫5cを全て冷却する冷却単独運転)について説明する。CCC運転においては、圧縮機21からの冷媒は、吐出配管26aおよび26bを経て(矢印A方向)庫外熱交換器22における第1熱交換部22aおよび第2熱交換部22bの側に流通され外気と熱交換されて凝縮する。その後、液管26cを経て内部熱交換器50を経由して3つに分岐した後、キャピラリ管24a〜24cでそれぞれ断熱膨張される。膨張後の冷媒は、庫内熱交換器25a、25bおよび25cの各々を流通する過程で右庫5a、中庫5bおよび左庫5cの空気との熱交換により蒸発し、空気が冷却される。冷却された空気が庫内ファン72a〜72cにより右庫5a、中庫5bおよび左庫5cの各々を循環して、商品105が循環する空気によって冷却される。また、庫内熱交換器25a〜25cの各々において蒸発した冷媒は合流した後、吸入配管26dを介して圧縮機21に吸引される。
【0039】
次に、HCC運転(左庫5cを加熱するとともに、右庫5aおよび中庫5bを冷却するヒートポンプ運転)について説明する。HCC運転においては、流路切替弁61により矢印B方向に流路が切り替えられる。したがって、圧縮機21からの冷媒は、吐出配管26aおよび配管26eを経由して庫内熱交換器25cの第2熱交換部25eに流通される。冷媒は、第2熱交換部25eを流通する際に左庫5cの空気との熱交換により凝縮する。これにより左庫5cの空気は加熱されて庫内ファン72cの駆動により左庫5cの内部を循環する。これにより、左庫5cに収容された商品105は加熱される。また、第2熱交換部25eにおいて凝縮した冷媒は、配管26fに設けられたキャピラリ管41を通過して庫外熱交換器22の第2熱交換部22bに流通される。なお、HCC運転では、電磁弁23aは閉じられており、第1熱交換部25dには冷媒は流通されない。
【0040】
その後、液管26cを経て内部熱交換器50を経由して2つに分岐した液冷媒は、キャピラリ管24bおよび24cを流通して膨張される。その後、冷媒は、庫内熱交換器25bおよび25cの各々を流通する過程で中庫5bおよび左庫5cの空気との熱交換により蒸発し、空気が冷却される。冷却された空気が庫内ファン72bおよび72cにより中庫5bおよび左庫5cの各々を循環して商品105が冷却される。また、庫内熱交換器25bおよび25cにおいて蒸発した冷媒は合流した後、吸入配管26dを介して圧縮機21に吸引される。第1実施形態における自動販売機100は、上記のように構成されている。
【0041】
次に、
図4および
図5を参照して、第1実施形態による自動販売機100における圧縮機21の運転停止制御に関する制御部8の処理フローについて説明する。
【0042】
図5に示すように、ステップS1では、自動販売機100が冷却負荷を発生させて運転されていた状態(通常運転時)において圧縮機21(
図4参照)に対する運転停止指令が発生したか否かが制御部8(
図4参照)により判断されるとともに、運転停止指令が発生されるまでこの判断が繰り返される。ステップS1において、運転停止指令が発生したと判断された場合、ステップS2では、時間経過に対して所定の低下率で運転周波数[Hz]を減少させるように圧縮機駆動部8c(
図4参照)を介して圧縮機21の回転数制御が行われる。すなわち、制御部8の指令に基づき圧縮機駆動部8cを介して圧縮機21の回転数(運転周波数)が次の所定期間Tに亘って所定の低下率で減少される。なお、運転周波数を低下させる際、吸入配管26dおよび吐出配管26a(26b)の振動が増大する共振周波数に対応する運転周波数[Hz]をスキップしながら低下させる制御が行われる。
【0043】
ステップS3では、圧縮機21の運転周波数[Hz]の減少が開始されてから所定期間Tが経過したか否かが制御部8により判断されるとともに、所定期間Tが経過していないと判断された場合には、ステップS2に戻り運転周波数の減少が継続される。そして、ステップS3において所定期間Tが経過(満了)したと判断された場合、ステップS4において、圧縮機駆動部8cにより減速中の圧縮機21の回転数が完全に停止される。これにより、本制御フローは終了される。
【0044】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0045】
第1実施形態では、上記のように、圧縮機21の運転停止制御時に、冷却負荷を発生させる通常運転時よりも低い回転数(運転周波数)で圧縮機21を所定期間Tだけ運転させた後、圧縮機21を停止させる制御を行う制御部8を設ける。これにより、運転中の圧縮機21を即座に停止させる場合と異なり、圧縮機21に冷却負荷を発生させる通常運転時よりも低い回転数(運転周波数)で圧縮機21を所定期間Tだけ運転し続けることによって、圧縮機21の吐出側と吸入側との間に生じていた冷媒圧力の高低圧差を所定期間Tをかけて小さくすることができる。したがって、圧縮機21の運転停止制御時に吸入配管26dおよび吐出配管26a(26b)に冷媒の急激な圧力変動(冷媒の高低圧の急激な均圧)に起因した衝撃力が伝わらないので、冷媒配管26に過剰な応力が加わるのを回避することができる。この結果、圧縮機21に接続される吸入配管26dおよび吐出配管26a(26b)が破損するのを回避することができる。
【0046】
また、第1実施形態では、圧縮機21の運転停止制御時に所定期間Tだけ圧縮機21の回転数(運転周波数)を徐々に減少させた後、圧縮機21を停止させる制御を行うように制御部8を構成する。これにより、運転停止制御中の冷媒の吐出圧力Pd(高圧)と吸入圧力Ps(低圧)との差を徐々に小さくすることができるので、圧縮機21の前後での冷媒圧力が緩やかに均圧される分、急激な均圧に起因した衝撃力を発生させにくくすることができる。これにより、圧縮機21に接続される吸入配管26dおよび吐出配管26a(26b)に過剰な応力が加わるのを確実に回避することができる。
【0047】
また、第1実施形態では、圧縮機21の運転停止制御時に、圧縮機21に接続される冷媒配管26の振動が増大する共振周波数を回避しながら回転数(運転周波数)を低下させる制御を行うように制御部8を構成する。これにより、運転停止制御において圧縮機21の回転数の低下に起因して、特定の回転数(運転周波数)において圧縮機21に接続された吸入配管26dおよび吐出配管26a(26b)が共振現象を起こしてこれらを破損させるという不都合を回避することができる。この結果、冷媒の圧力変動に伴う配管振動のみならず回転数低下時の配管の共振現象をも回避して、圧縮機21に接続される吐出配管26a(26b)および吸入配管26dが破損するのを確実に回避することができる。
【0048】
[第2実施形態]
図3、
図4および
図6を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、運転停止制御時に圧縮機21(
図4参照)から吐出される冷媒の高圧圧力(吐出圧力Pd)に基づいて、圧縮機21の回転数を低下させる制御を行う点について説明する。
【0049】
すなわち、第2実施形態では、制御部8(
図4参照)から圧縮機駆動部8c(
図4参照)に対して圧縮機21を停止させる運転停止指令が出力された後、単に以降の所定期間Tにおいて圧縮機21の運転周波数[Hz]を一定の低下率で単調に低下させるわけではなく、運転停止指令が出力された直後の冷媒の高圧圧力(吐出圧力Pd)の変化に応じて圧縮機21の運転周波数を低下させるように構成されている。
【0050】
また、この制御を実現させるために、吐出圧力Pdに対応する圧縮機21の運転周波数を制御するための元となる圧縮機駆動部8cから出力される駆動電流値Icが規定された制御テーブル(図示せず)がROM8a(
図4参照)に予め記憶されている。そして、運転停止指令が発生して以降に、吐出圧力Pdに対応する圧縮機駆動部8cから出力される駆動電流値Icが規定された上記制御テーブルが参照されることにより、吐出圧力Pdの変化(低下)に応じて圧縮機21の運転周波数が低下されるように構成されている。
【0051】
この場合の運転停止制御に関する制御部8(
図4参照)の処理フローについて説明する。なお、以下の処理フローでは、自動販売機100(
図4参照)が冷却負荷を発生させて運転されていた状態(通常運転時)から制御部8において圧縮機21(
図4参照)に対する運転停止指令が発生したことを前提として処理フローが実行される。
【0052】
具体的には、
図6に示すように、ステップS21では、カウンタ値が、N=1に設定される。そして、ステップS22では、カウンタ値が所定数「X」を超えたか否かが制御部8(
図4参照)により判断される。ステップS22においてカウンタ値が「X」以下である(N≦X)と判断された場合、ステップS23では、圧縮機21(
図4参照)から吐出される吐出圧力Pdが高圧用センサ81(
図4参照)の検出値に基づいて把握される。
【0053】
そして、ステップS24では、吐出圧力Pdが所定値α以下(Pd≦α)か否かが制御部8により判断される。ステップS24において吐出圧力Pdが所定値α以下でない(Pd>α)と判断された場合、制御フローはステップS21に戻される。一方、ステップS24において吐出圧力Pdが所定値α以下である(Pd≦α)と判断された場合、ステップS25では、圧縮機21(
図4参照)の運転周波数[Hz]を所定量だけ減少させるように圧縮機駆動部8cによる回転数制御が行われる。
【0054】
具体的には、制御部8の指令に基づき圧縮機駆動部8c(
図4参照)を介して圧縮機21の回転数が所定量だけ減少される。その後、ステップS26では、カウンタ値が、N=N+1に設定される。そして、制御フローはステップS22に戻される。また、ステップS22において、カウンタ値が「X」を超えた(N>X)と判断された場合、ステップS27において、圧縮機21の運転周波数をゼロ[Hz]にして完全に停止させるとともに、本制御フローは終了される。第2実施形態では、ステップS25の制御が繰り返し行われている期間が圧縮機21の回転数を通常運転時よりも低い回転数で運転させる所定期間Tとなる。
【0055】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0056】
第2実施形態では、圧縮機21から吐出される冷媒の吐出圧力Pdに基づいて所定期間Tだけ圧縮機21を通常運転時よりも低い回転数(運転周波数)で運転させた後、圧縮機21を停止させる制御を行うように制御部8を構成する。これにより、運転停止制御中の冷媒の吐出圧力Pdの推移(低下)に追従させて圧縮機21の回転数を冷却負荷を発生させる通常運転時よりも低い回転数(運転周波数)で所定期間Tだけ運転し続けることができる。したがって、運転停止制御中の冷媒の吐出圧力Pdと吸入圧力Psとを急激に均圧させることなくその差を確実に小さくすることができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0057】
[第3実施形態]
図2〜
図4および
図7を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、少なくとも運転停止制御時に圧縮機21から吐出される冷媒の温度(吐出温度Td)に基づき把握される冷媒の高圧圧力(吐出圧力Pd)に基づいて、圧縮機21の回転数(運転周波数)を低下させる制御を行う点について説明する。
【0058】
すなわち、第3実施形態では、制御部8(
図4参照)から圧縮機駆動部8c(
図4参照)に対して圧縮機21(
図4参照)を停止させる運転停止指令が出力された後、単に以降の所定期間Tにおいて圧縮機21の運転周波数を一定の低下率で単調に低下させるわけではなく、運転停止指令が出力された直後の冷媒の吐出温度Tdとその時点での外気温度Taとに基づき吐出圧力Pdが把握(特定)されるとともに、把握(特定)された吐出圧力Pdの変化に応じて圧縮機21の回転数(運転周波数)を低下させるように構成されている。
【0059】
この制御を実現させるために、冷媒温度センサ82(
図4参照)により検出される吐出温度Tdと、外気温度センサ84(
図4参照)により検出される機械室7(
図2参照)近傍の外気温度Taとに基づいて特定される吐出圧力Pdが書き込まれた制御テーブル(図示せず)がROM8a(
図4参照)に予め記憶されている。そして、運転停止指令が発生して以降に、吐出温度Tdおよび外気温度Taから吐出圧力Pdが上記制御テーブルを参照して取得されるとともに、運転停止制御時に吐出圧力Pdに対応する圧縮機駆動部8cから出力される駆動電流値Icが規定された制御テーブルがさらに参照される。これにより、吐出温度Tdの変化に応じて圧縮機21の運転周波数[Hz]が低下されるように構成されている。
【0060】
この場合の運転停止制御に関する制御部8の処理フローについて説明する。なお、自動販売機100が冷却負荷を発生させて運転されていた通常運転時から制御部8において圧縮機21に対する運転停止指令が発生したことを前提として、処理フローが実行される。
【0061】
具体的には、
図7に示すように、ステップS31では、カウンタ値が、N=1に設定される。そして、ステップS32では、カウンタ値が所定数「X」を超えたか否かが制御部8(
図4参照)により判断される。ステップS32においてカウンタ値が「X」以下である(N≦X)と判断された場合、ステップS33では、吐出温度Tdが冷媒温度センサ82(
図4参照)の検出値に基づいて把握される。また、外気温度Taが外気温度センサ84(
図4参照)の検出値に基づいて把握される。そして、ステップS34では、把握された吐出温度Tdおよび外気温度Taに基づいてROM8a(
図4参照)内の制御テーブルから吐出圧力Pdが読み出されるとともに、この値が制御部8により把握される。
【0062】
そして、ステップS35では、吐出圧力Pdの取得値が所定値α以下(Pd≦α)か否かが制御部8により判断される。ステップS35において吐出圧力Pdの取得値が所定値α以下でない(Pd>α)と判断された場合、制御フローは、ステップS31に戻される。一方、ステップS35において吐出圧力Pdの取得値が所定値α以下である(Pd≦α)と判断された場合、ステップS36では、圧縮機21(
図4参照)の運転周波数[Hz]を所定量だけ減少させるように圧縮機駆動部8cによる回転数制御が行われる。
【0063】
すなわち、制御部8の指令に基づき圧縮機駆動部8c(
図4参照)を介して圧縮機21の回転数が所定量だけ減少される。その後、ステップS37では、カウンタ値が、N=N+1に設定される。そして、制御フローはステップS32に戻される。また、ステップS32において、カウンタ値が「X」を超えたと判断された場合、ステップS38において、圧縮機21の運転周波数をゼロ[Hz]にして完全に停止させるとともに、本制御フローは終了される。第3実施形態では、ステップS36の制御が繰り返し行われている期間が圧縮機21の回転数を通常運転時よりも低い回転数で運転させる所定期間Tとなる。
【0064】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0065】
第3実施形態では、圧縮機21から吐出される冷媒の吐出温度Tdとその時点での外気温度Taとに基づき把握(参照)される冷媒の吐出圧力Pdに基づいて所定期間Tだけ圧縮機21を通常運転時よりも低い回転数(運転周波数)で運転させた後、圧縮機21を停止させる制御を行うように制御部8を構成する。これにより、運転停止制御中の冷媒の吐出圧力Pdを直接的に検出せずとも、冷媒の吐出温度Tdの推移(低下)および外気温度Taの状況から吐出圧力Pdの推移(低下)を推測して圧縮機21の回転数を通常運転時よりも低い回転数(運転周波数)で容易に所定期間Tだけ運転し続けることができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0066】
[第4実施形態]
図2〜
図4および
図8を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態では、少なくとも運転停止制御時に圧縮機21を駆動する駆動電流値Icに基づき把握される冷媒の吐出圧力Pdに基づいて圧縮機21を停止させる制御を行う点を説明する。
【0067】
自動販売機100においては、圧縮機21(
図4参照)の運転制御中は、圧縮機駆動部8c(
図4参照)による回転数制御とともに圧縮機21を駆動する駆動電流値Icが制御部8(
図4参照)側で把握されている。したがって、第4実施形態では、制御部8から圧縮機駆動部8cに対して圧縮機21を停止させる運転停止指令が出力された際に、制御部8側で把握される駆動電流値Icと、外気温度センサ84(
図4参照)により検出される機械室7(
図2参照)近傍の外気温度Taとに基づき吐出圧力Pdが把握されるとともに、把握された吐出圧力Pdの変化に応じて圧縮機21の回転数(運転周波数)を低下させるように構成されている。
【0068】
この場合の運転停止制御に関する制御部8の処理フローについて説明する。なお、自動販売機100が冷却負荷を発生させて運転されていた通常運転時から制御部8において圧縮機21に対する運転停止指令が発生したことを前提として、処理フローが実行される。
【0069】
具体的には、
図8に示すように、ステップS41では、カウンタ値が、N=1に設定される。そして、ステップS42では、カウンタ値が所定数「X」を超えたか否かが制御部8(
図4参照)により判断される。ステップS42においてカウンタ値が「X」以下である(N≦X)と判断された場合、ステップS43では、圧縮機21を駆動する駆動電流値Icが圧縮機駆動部8c(
図4参照)の出力値に基づいて把握される。また、外気温度Taが外気温度センサ84(
図4参照)の検出値に基づいて把握される。そして、ステップS44では、把握された駆動電流値Icおよび外気温度Taに基づいてROM8a(
図4参照)内の制御テーブルから吐出圧力Pdが読み出されるとともに、この値が制御部8により把握される。
【0070】
そして、ステップS45では、吐出圧力Pdの取得値が所定値α以下(Pd≦α)か否かが制御部8により判断される。ステップS45において吐出圧力Pdの取得値が所定値α以下でない(Pd>α)と判断された場合、制御フローはステップS41に戻される。一方、ステップS45において吐出圧力Pdの取得値が所定値α以下である(Pd≦α)と判断された場合、ステップS46では、圧縮機21(
図4参照)の運転周波数[Hz]を所定量だけ減少させるように圧縮機駆動部8cによる回転数制御が行われる。
【0071】
具体的には、制御部8の指令に基づき圧縮機駆動部8c(
図4参照)を介して圧縮機21の回転数が所定量だけ減少される。その後、ステップS47では、カウンタ値が、N=N+1に設定される。そして、制御フローはステップS42に戻される。また、ステップS42において、カウンタ値が「X」を超えた(N>X)と判断された場合、ステップS48において、圧縮機21の運転周波数をゼロ[Hz]にして完全に停止させるとともに、本制御フローは終了される。第4実施形態では、ステップS46の制御が繰り返し行われている期間が圧縮機21の回転数を通常運転時よりも低い回転数で運転させる所定期間Tとなる。
【0072】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0073】
第4実施形態では、圧縮機21を駆動する駆動電流値Icとその時点での外気温度Taとに基づき把握(参照)される冷媒の吐出圧力Pdに基づいて所定期間Tだけ圧縮機21を通常運転時よりも低い回転数(運転周波数)で運転させた後、圧縮機21を停止させる制御を行うように制御部8を構成する。これにより、運転停止制御中の冷媒の吐出圧力Pdを直接的に検出せずとも、圧縮機21の駆動電流値Icの推移(低下)および外気温度Taの状況から吐出圧力Pdの推移(低下)を推測して圧縮機21の回転数を通常運転時よりも低い回転数(運転周波数)で容易に所定期間Tだけ運転し続けることができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0074】
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0075】
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、缶飲料(ペットボトル飲料)などの商品105を販売する自動販売機100に本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、容器内に飲食物が封入された商品105として販売する自動販売機100であれば、液体飲料などに限らず容器内に固形物からなる飲食物が封入された商品を販売する自動販売機に対しても本発明を適用してもよい。
【0076】
また、上記第1〜第4実施形態では、自動販売機100の圧縮機21の運転停止制御に本発明を適用したが、本発明はこれに限られない。製氷機、冷水機、ショーケース、冷凍冷蔵倉庫や空調機に搭載される圧縮機の運転停止制御に対して本発明を適用してもよい。
【0077】
また、上記第2〜第4実施形態では、運転停止制御中の冷媒の吐出圧力Pdを直接的または間接的に捕捉してその低下状態から圧縮機21の回転数を所定期間Tに亘り徐々に低下させて停止させたが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷媒流量を検出可能な流量センサを吐出配管26aなどに設けて、圧縮機21から吐出される冷媒流量(流速)に基づいて所定期間Tだけ回転数を低下させながら停止させてもよい。あるいは、吐出配管26aなどに加速度センサを設けて吐出配管26aの振動を検出するとともに、この振動の検出状態に基づいて圧縮機21の回転数を徐々に低下させて停止させてもよい。なお、吐出配管26aに加速度センサを設ける構成を上記第1〜第4実施形態に適用することによって、冷媒配管の振動が増大する共振周波数を直接的に把握して回避しながら運転周波数[Hz]を低下させることが可能である。
【0078】
また、上記第3実施形態では、吐出温度Tdおよび外気温度Taに対応する吐出圧力Pdが規定された制御テーブルを用いて吐出温度Tdおよび外気温度Taから吐出圧力Pdを把握してこの変化に応じて圧縮機21の運転周波数を低下させたが、本発明はこれに限られない。吐出温度Tdおよび外気温度Taと吐出圧力Pdとの相関関係式を予め実験的に把握しておき、この相関関係式を用いて導出される吐出圧力Pdの変化(低下)に応じて圧縮機21の運転周波数を低下させてもよい。
【0079】
また、上記第4実施形態では、駆動電流値Icおよび外気温度Taに対応する吐出圧力Pdが規定された制御テーブルを用いて駆動電流値Icおよび外気温度Taから吐出圧力Pdを特定して吐出圧力Pdの変化に応じて圧縮機21の運転周波数が低下させたが、本発明はこれに限られない。駆動電流値Icおよび外気温度Taと吐出圧力Pdとの相関関係式を予め実験的に把握しておき、この相関関係式を用いて駆動電流値Icおよび外気温度Taの変化に応じて吐出圧力Pdを把握して圧縮機21の運転周波数を低下してもよい。
【0080】
また、上記第1実施形態では、高圧用センサ81や低圧用センサ83を冷媒回路装置6に設けたが、本発明はこれに限られない。これらの圧力センサを設けずとも冷却負荷(温調状態)に応じて圧縮機21を停止させる運転停止指令を出力可能に自動販売機100が構成されている場合であっても、運転停止指令の発出後に、通常運転時よりも低い回転数に落としながら圧縮機21を所定期間Tだけ運転させて、その後、停止させてもよい。
【0081】
また、上記第1〜第4実施形態では、冷却単独運転およびヒートポンプ運転が切替可能な自動販売機に本発明を適用したが、本発明はこれに限られない。冷却単独運転、ヒートポンプ運転に加えて加熱単独運転が切替可能な自動販売機にも本発明を適用してもよい。
【0082】
また、上記第1〜第4実施形態では、冷媒にR134aを用いたが、本発明はこれに限られない。たとえば、温暖化係数の小さいHFO−1234yfなどを冷媒に用いてもよい。また、二酸化炭素冷媒や他の自然冷媒などを用いて冷媒回路装置6を構成してもよい。
【0083】
また、上記第1〜第4実施形態では、1台の圧縮機21を用いて冷媒回路装置6を構成したが、本発明はこれに限られない。すなわち、1つの冷凍サイクル(冷媒回路装置6)に対して複数台の圧縮機21が並列接続(タンデム配置)されていてもよい。
【0084】
また、上記第1〜第4実施形態では、説明の便宜上、圧縮機21の運転停止制御に関する制御処理を「フロー駆動型」のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部8の処理をイベント単位で処理を実行する「イベント駆動型」の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。