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特許6783145核酸、特に長い核酸の合成方法、その方法の使用、および、その方法を実施するためのキット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6783145
(24)【登録日】2020年10月23日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】核酸、特に長い核酸の合成方法、その方法の使用、および、その方法を実施するためのキット
(51)【国際特許分類】
   C12P 19/34 20060101AFI20201102BHJP
   C12N 15/10 20060101ALI20201102BHJP
   C12Q 1/68 20180101ALI20201102BHJP
   C12N 9/00 20060101ALI20201102BHJP
   C12N 9/10 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
   C12P19/34 A
   C12N15/10 ZZNA
   C12Q1/68
   C12N9/00
   C12N9/10
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-562483(P2016-562483)
(86)(22)【出願日】2015年4月15日
(65)【公表番号】特表2017-514465(P2017-514465A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(86)【国際出願番号】FR2015051022
(87)【国際公開番号】WO2015159023
(87)【国際公開日】20151022
【審査請求日】2018年2月27日
(31)【優先権主張番号】1453455
(32)【優先日】2014年4月17日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516304610
【氏名又は名称】ディーエヌエー スクリプト
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イブェー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ガリエル,シルヴァン
【審査官】 西垣 歩美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−520501(JP,A)
【文献】 特表2002−540788(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/059096(WO,A1)
【文献】 ChemBioChem, 2007, Vol. 8, pp. 1399-1408
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12P 19/34
C12N 15/10
C12N 9/00
C12N 9/10
C12Q 1/68
CAplus/WPIDS/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の配列の核酸の合成方法であって、以下を含む方法:
a)第1の支持体に、最初の核酸断片または伸長された核酸断片を付着させる工程であって、最初の核酸断片または伸長された核酸断片が3’−OH基を有する工程;
b)ステージ(i)および(ii)のサイクルを実施して、最初の核酸断片または伸長された核酸断片がi番目のサイクル中にX個のヌクレオチドだけ伸長される工程であって、ステージ(i)が、付着された最初の核酸断片または伸長された核酸断片を、修飾されたヌクレオシド三リン酸および鋳型非依存性DNAポリメラーゼに接触させることで伸長させ、それにより最初の核酸断片または伸長された核酸断片が修飾されたヌクレオチドを含むこととなる工程を含み、ここで前記修飾されたヌクレオチドはヌクレオチドの複数の付加を阻止するおよび特異的に第2の支持体に結合する保護基を含み、ならびにステージ(ii)が、伸長された断片を脱保護して当該断片上に3’−OH基を与える工程を含む、工程;
c)前記第1の支持体から、伸長された、最初の核酸断片または伸長された核酸断片を分離する工程;
d)適切に伸長された断片を、前記第2の支持体にそれらの保護基を特異的に結合させることで、精製する工程;
e)保護基を脱保護することで、適切に伸長された断片を遊離する工程;
f)所望の配列の核酸が得られるまでa)からe)を繰り返す工程。
【請求項2】
前記の付着させる工程を繰り返す前に、遊離された適切に伸長された断片を増幅させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記X個のヌクレオチドが、どのサイクルiにおいても、1〜5個のヌクレオチドである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記の付着させる工程が、最初の核酸断片または伸長された核酸断片の区間を、前記第1の支持体に付着された相補的オリゴヌクレオチドと、ハイブリダイズさせる工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記鋳型非依存性DNAポリメラーゼが、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ、テロメラーゼ、ポリメラーゼηもしくはζ、PNPアーゼ、または鋳型非依存性RNAポリメラーゼである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記鋳型非依存性DNAポリメラーゼが、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記修飾されたヌクレオシド三リン酸が、3’−O−保護ヌクレオシド三リン酸である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記の精製する工程が、前記第2の支持体に3’−O−保護基を特異的に結合させる工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記修飾されたヌクレオシド三リン酸が、3’−O−保護基および修飾された窒素塩基を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸、特に長い核酸の合成方法、および、この合成方法を実施するためのキットに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、核酸ポリマーは、有機合成方法によってin vitroで合成されている。これらの方法で最も一般的なものは、Adamsら(非特許文献1)及びFroehlerら(非特許文献2)によって記載されている「ホスホラミダイト」法である。
【0003】
この合成方法は、非常に範囲が広く、核酸製造作業を行う様々な研究所や会社で最も一般的に使用され続けている。その使用程度及びその特有のパフォーマンスのために、この方法は核酸合成に関する現在の参考文献の構成要素となっている。
【0004】
この方法は、核酸断片の最後のヌクレオチドと付加するヌクレオチドの間のカップリング反応を使用し、最初のカップリング反応は固体支持体と最初のヌクレオチドの間で行われる。そのカップリングは、核酸の最後のヌクレオチドの5’−OH基と付加する3’−OH基の間で行われる。このように、核酸合成は、3’から5’に向かうタイプであると言われている。カップリング反応の間、ホスホラミダイト基は反応に関与する。
【0005】
付加される各々のヌクレオチドは、同じタイプのいくつかのヌクレオチドの制御できない重合を防ぐために、5’−OH基が保護され、そのカップリング工程では、1つのヌクレオチドだけの付加とならなければならない。通常、5’−OH基の保護は、トリチル基によって行われる。強力な試薬を使用するために起こりうる分解を避けるために、ヌクレオチドに運ばれる塩基も保護できる。通常、使用される保護にはイソブチリル基が含まれる(非特許文献3)。各々の新しいヌクレオチドの導入後、次の重合工程に利用できるように、鎖の最後のヌクレオチドの5’−OH基の脱保護反応を行う。それらの部分の核酸を作っているヌクレオチドによって運ばれる塩基は、重合が完了した後にのみ脱保護される。
【0006】
ヌクレオチドの付加の各工程間で、特別な中和工程が行われる。それは、カップリング工程でヌクレオチドを導入しなかった断片及び実際に誤った配列の脱保護された5’−OH基を永久に修飾することである。通常、この工程にはアセチル化反応が含まれる。
【0007】
最終的に、酸化の最後の工程(例えば、ヨード処理)は、核酸分子のヌクレオチドの間に自然に存在するリン酸ジエステル結合を再生するために必要である。
【0008】
上で計画した核酸の有機合成の方法は、環境及び健康に影響を及ぼすかもしれない、不安定で、危険で、高価な試薬を大量に必要とする。実施されるさまざまな工程も費用がかかり、時々コントロールが困難である。最終的に、実際にはこれらの合成を可能にする装置は複雑であり、大きな資本コストを必要とし、資格のある、専門の人員によって操作されなければならない。
【0009】
これらの有機合成技術の大きな欠点の1つが、それらの低い生産性である。各サイクルの間、反応溶媒中で、カップリング反応は98〜99.5%のみに起こり、正確な配列を持たない核酸が残る。合成が進行につれて反応溶媒には完全に誤った配列を含む断片が非常に多くなる。このように生じた欠失タイプのエラーは、特に劇的に影響し、その結果、検討中の核酸断片の読み枠を相殺する。
【0010】
すなわち、99%の正しいカップリング反応で、70ヌクレオチドを含む核酸が50%未満の収率で合成される。これは70の付加サイクル後、反応溶媒には、正確な配列の断片よりも誤った配列を含む断片が多く含まれることを意味する。そして、この混合物はその後の使用に不適切であることが分かる。
【0011】
通常、i回のヌクレオチド付加サイクル後の混合物中に存在する正確な断片の比Zは、成功率ρである各付加についてZ=ρと記載することができる。
【0012】
合成プロセスに関係するすべての他の反応についての同一の問題は、カップリングの有効性の制限によってもたらされる問題に加えられる。これは、これらの反応が必ずしも完全ではなく、誤った配列または一致しない分子構造を含む核酸断片の生成を促進するためである。これらの断片は、合成サイクルのシークエンスが進行するのにつれて、不純物の占める割合を増大する。
【0013】
不純物と考えられる誤った配列を有する断片を大量に生産するので、核酸の有機合成のこの方法は長い断片の合成には非効率的であることが判明している。実際には、これらの方法によって効率的に生産できる断片の最大の長さは、50〜100ヌクレオチドである。
【0014】
マトリックス鎖がない場合、ヌクレオチド間のカップリング反応を行う特別な酵素において、カップリング工程を行うための酵素触媒を用いた別の技術が存在する。ポリメラーゼタイプのいくつかの酵素は、このタイプの合成方法に適しているようである。ポリメラーゼに分類される酵素または2つのヌクレオチド間のリン酸ジエステル結合を作ることができるリガーゼ、特に、テロメラーゼファミリー、ポリメラーゼηもしくはζタイプのトランスリージョン(translesion 損傷乗り越え)酵素ファミリー、PNPアーゼファミリー、鋳型非依存性RNAポリメラーゼファミリー、ターミナルトランスフェラーゼファミリーまたはリガーゼファミリーの酵素が、酵素触媒として作用する酵素に含まれる。本明細書ではRNAリガーゼ酵素が使用され、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)も使用できる。
【0015】
「酵素的」合成のこれらの方法は、有機合成法の間の不安定で、危険で、高価な溶媒および試薬を不要にすることができる。この酵素的合成方法は、5’から3’方向に核酸の重合を行う。したがって、カップリングは、最終的なヌクレオチドの3’−OH基と付加されるヌクレオチドの5’−OH基の間で行われる。
【0016】
いくつかの酵素法において、重合を可能にする酵素は、天然型のヌクレオチドに直接に付加される(非特許文献4)。プライマーとして知られる最初の核酸断片から始まり、重合酵素、さらには、同一型のヌクレオチドが添加される。物理的または化学的方法によって停止されるまで重合反応が起こる。その核酸は、リン酸ジエステル結合を作るこれらの工程の繰り返しによって、連続して伸びる。
【0017】
天然ヌクレオチドの使用は制御できない重合現象をもたらし、核酸分子の非常に不均一な混合物を生じる。これは、最初の付加後、同一型のいくつかのヌクレオチドの付加を妨げるものが何もないためである。実際には、この合成方法は、目的の配列を有する核酸断片の合成には使用できないことが判明している。
【0018】
保護されたヌクレオチドの使用は、目的のものについてさらなるホスホジエステル結合を作ることを完全にまたは部分的に阻止して合成を停止させることで、この制御できない重合現象をある程度解決することを可能にする。
【0019】
この場合に発生する問題は、保護されたヌクレオチドの合成のそれである。塩基または3’−OH基に置かれる保護の導入には複雑な化学反応の連続が含まれる。その合成の終了において、目的の保護を有するヌクレオチドは、純粋な形状としてほとんど存在しない。保護されていない開始ヌクレオチドなどのいくつかの不純物は合成収率に非常に悪い影響を及ぼす。
【0020】
発生するもう一つの問題は、ヌクレオチドの保護の効果に関するものである。選択された戦略に従って、保護の効果は良好な合成収率を保証するには時として不十分である。この場合、効果的な戦略は、末端ヌクレオチドと存在するヌクレオチド間の共有結合が作られることを完全に阻害するようである。これは、一般的に、3’−OH基を、酵素部分において変換できない別の化学官能基に変換する。
【0021】
一旦、次のサイクルで予定される付加の前に十分に付加が行われたら、もう一つの困難は、ヌクレオチドを脱保護する能力に関するものである。各々の核酸断片(脱保護を失敗した最終的なヌクレオチド)は、次のサイクルの間、次のヌクレオチドを受け入れることができない。そのため、この断片は合成の収率を低下させる結果となる誤った配列を有する。
【0022】
酵素的合成法によって発生する大きな問題は、カップリング反応の有効性である。有機合成法のそれに比べて良好ではあるが、酵素的合成法の全体的なカップリング効果は100%をはるかに下回っている。したがって、追加のヌクレオチドを付加できなかったフラグメントが反応混合物中に残る。
【0023】
これは、結合反応を行うためには、酵素が、ひとつは核酸断片、もうひとつはヌクレオチドであるその基質に接触できなければならないからである。酵素と核酸断片は高分子であるため、それらの接触が時として許容される時間内には起こらないことがある。しかし、高濃度の酵素および核酸断片によって、それを完全に取り除くことはできないが、この現象を最小にすることができる。一方、過剰試薬の洗浄および除去の工程のない酵素の連続付加を含む方法は、大量の試薬の希釈を過度に促進し、低いカップリング効率をもたらす。
【0024】
しばしば、合成収率の減少の一因となる誤った配列を有する断片の出現は、中和工程の追加につながる。この工程は、リン酸ジエステル結合を形成しなかった3’−OH基を除去するものである。この工程は化学反応または酵素の作用によって実施できるが、いずれにせよ、一方では、それは100%の効果はなく、他方では、それは懸念される断片を除去することなく、したがって混合物の不均一性の一因となる。
【0025】
いくつかのプロセスでは、反応後、導入された酵素または試薬は、他の酵素もしくは試薬の添加または特異的な物理的条件の適用によって不活性化される。この戦略は洗浄工程を回避することを可能にするが、試薬の希釈がもたらす結果によって反応量の容赦ない増加を引き起こし、上記のように反応の効果と速度の低下が引き起こされる。さらに、この戦略では、例えば重合酵素などのいくつかの高価な試薬を再生することができない。最終的に、この戦略は、最初の試薬の不活性化で結果として生じる多量の反応廃棄物を作り出す。これらの廃棄物、またそれら自身も、最終混合物の不均一性と、酵素または試薬の考えられる阻害による合成収率の低下の一因となる。
【0026】
その方法が何を使用したとしても、大量の不純物が合成サイクルの間に蓄積する。その不純物は、主に期待されるヌクレオチド配列を有しない断片で構成される。いくつかの戦略は、サイズ除外クロマトグラフィーまたはポリマーゲル電気泳動または固相への固定など、誤った配列の断片の除去に利用できる。しかし、第一に、約10個以上のヌクレオチド断片の合成について想定できないほどひどい成績を示し、第二に、最初の核酸断片が不溶性の固体支持体に固定されることが想定される。したがって、各サイクルでは、固体支持体の保持力で洗浄する単純な工程は、固定された核酸断片を除いて、すべての不純物の除去を可能とする。非常に効率的であるが、この戦略は、サイクルまたは中和の間にヌクレオチドの付加を行わなかった断片の除去を可能にはしない。したがって、主な不純物は除去されず、顕著な合成収率の低下の一因となる。
【0027】
さらに、特許文献1は、固体支持体上での核酸合成、および、その後の誤った配列の検出および修正のプロセスを記載する。このプロセスは同定または分析の複雑な工程を必要とする。
【0028】
現在まで、核酸合成方法は本当には満足されず、それらの配列が何であっても、長い断片を合成するという課題に対応することを可能にはしない。一番の理由の1つは、現在までに提案されているすべての方法に固有の収率の体系的な減少である。特に、この収率の減少は目的とする核酸の長さに依存し、それが長い断片の合成を阻害するような割合に達する。特に、サイズが特有な遺伝子(すなわち、500〜5000個のヌクレオチド)を有する核酸断片の直接的な合成は、現在の方法では完全には到達し難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】国際公開第2005/059096号
【非特許文献】
【0030】
【非特許文献1】Adams et al.,1983,J.Amer.Chem.Soc.,105,661
【非特許文献2】Froehler et al.,1983,Tetrahedron Lett.,24,3171
【非特許文献3】Reddy et al.,1997,Nucleosides & Nucleotides,16,1589
【非特許文献4】Deng et al.,1983,Meth.Enzymol.,100,96
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
本発明の第1の目的は、高収率な核酸合成方法を提供することによって先行技術の方法の欠点を克服することである。
【0032】
本発明の別の目的は、長い核酸、すなわち少なくとも数百または数千個のヌクレオチドの核酸の合成方法を提供することである。
【0033】
本発明の別の目的は、合成される核酸断片のサイズとは関係なく、非常に高い合成収率の維持を可能にし、一緒に行われる連続した工程を含む合成方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】開始断片の固定化を示す概略図である。
図2】固定された断片へのヌクレオチドの付加を示す概略図である。
図3】洗浄ステージと、付加された核酸断片の分離を示す概略図である。
図4】付加された核酸断片の第2の支持体への固定を示す概略図である。
図5】付加された核酸断片の脱保護を示す概略図である。
図6】増幅ステージを示す概略図である。
図7】前のサイクルからの付加された断片を使用する新しいサイクルの開始を示す概略図である。
図8】2つの独立したコンパートメントを含む伸長チャンバーの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
これらの目的は、本発明の核酸の(特に長い核酸の)合成方法によって達成される。当該方法は、n個(nは3〜1012)のヌクレオチド(またはn個のヌクレオチドの配列)を含む最初の断片である核酸断片の伸長のサイクルを少なくとも1つ含む。各サイクルは、さらに以下のように分割される:
a)前記断片の末端へのXi個のヌクレオチド(Xは1〜5とすることができ、好ましくは1〜3である。iはサイクルの数である。)の酵素的付加段階であって、n+Xi個のヌクレオチドを含む断片を得ることを可能する、第1段階である、以下のステージを含む段階:
−伸長の過程で、第1の支持体に、n個のヌクレオチドを含む最初の核酸断片または核酸断片の第1の末端を付着させる第1の付着ステージ;
−前記核酸断片の第2の末端へのXi個のヌクレオチド(Xは1〜5とすることができ、好ましくは1〜3である。iはサイクルの数である。)の酵素的付加ステージの酵素的付加に必要な試薬を添加する添加ステージ;
−反応溶媒から好ましくない試薬を除去する任意の除去ステージ;
−前記第1の支持体から、n+Xi個のヌクレオチドを含む前記断片を分離する分離ステージ;
−n+Xi個のヌクレオチドを含む前記断片を移動させる第1の移動ステージ;
b)n+Xi個のヌクレオチドを含む正しい配列を有する断片の精製段階であって、第2段階である、以下の連続したステージを含む段階:
−第2の支持体に、第1段階の間に付加したXi個のヌクレオチドを運ぶその末端によって、n+Xi個のヌクレオチドを含む前記断片を付着させる第2の付着ステージ;
−付加されていない断片および第2の支持体に付着していない断片の除去ステージ;
−前記第2の支持体から、n+Xi個のヌクレオチドを含む前記断片を分離する分離ステージ;
−反応溶媒から、好ましくない残留試薬を除去する任意の除去ステージ;
c)例えばPCRによる、n+Xi個のヌクレオチドを含む正しい配列を有する断片の増幅、好ましくは酵素的増幅の任意の段階であって、第3段階である、以下の連続したステージを含む段階:
−増幅に必要な試薬を添加する添加ステージ;
−n+Xi個のヌクレオチドを含む断片の増倍率Yによる増倍ステージ(任意に、可能性のある方法を形成するサブステージから成る)(iはサイクルの数である。Yは1〜4×1010とすることができ、好ましくは1〜10である。);
−n+Xi個のヌクレオチドを含む断片の移動ステージ。
各サイクルは、水性溶媒等の酵素的付加と酵素的増幅に適合する反応溶媒中で実施され、さらに当該合成方法は、iの伸長サイクルの全ての終了時、増倍率Yfによる最終的な増幅ステージを含む。
【0036】
従って、酵素の触媒作用による各付加段階の後に、反応溶媒中にn+Xi個のヌクレオチドを含む正しい配列の断片のみを保持することを可能にする精製段階が続く。そして、これらは各サイクルの間のもしくは予め定められた数のサイクル後の、または、核酸断片が目的の長さを示した場合には単にiの伸長サイクルの終わりの、任意の増幅段階の対象となる唯一の断片である。
【0037】
このように、本発明の方法は、目的の配列を有する核酸断片の合成を可能にする。それはモデルとなる核酸断片の使用を不要とし、そして選択した配列の長さと性質とは無関係に、非常に高い純度のものの合成の可能性を作る。
【0038】
より詳しくは、n+Xi個のヌクレオチドを含む正しい配列の断片の精製段階は、付加されなかった断片および/または他の好ましくない残留試薬の除去を含む。
【0039】
増幅段階は、特に、正しい配列の断片であるn+Xi個のヌクレオチドを含む配列を有する断片の選択的な増幅であり、誤った配列断片(特に付加されなかった断片)である他の断片の増倍率の10倍を超えて大きい、好ましくは100倍を超えて大きい増倍率によって、反応溶媒中で正しい配列を有する断片を増倍する。
【0040】
好ましくは、第1の支持体は、非共有的に、少なくとも3つのヌクレオチドを含む核酸鎖が固定された表面を示す。これらの鎖の前記ヌクレオチドは、最初の断片の第1の末端に存在するヌクレオチドと相補的であり、それらの各塩基の間の水素結合によって、断片の前記第1の末端を固定する。
【0041】
前記第1および第2の支持体は、有利には、たとえばガラスのシート、ポリマー材のシート、または、ビーズの形状で提供される2つの異なる支持体である。好ましくは、これらの支持体のどちらかが、有利には第2の支持体が、磁気特性を示す。
【0042】
第1の支持体および第2の支持体は、有利には、異なる性質の付着表面を示す。前記第1および第2の支持体は、好ましくは異なっており、その空間的位置が特に異なっている。固体支持体の1つは固定されていてもよく、片方は、例えば、反応溶媒中で可動であっても、位置を動かすことが出来てもよい。
【0043】
本発明の合成方法は、生産される核酸断片を構成するヌクレオチドの重合を可能にするリン酸ジエステル結合を行うための酵素触媒の使用に基づく。より詳しくは、当該方法は、これには制限されないが、合成の過程における核酸断片の3’−OH基と酵素的付加ステージの間に付加されるヌクレオチドの5’−OH基の間のリン酸ジエステル結合を作ることを可能とする酵素を使用する。
【0044】
好ましい態様において使用される酵素は、マトリックスモデルの存在に関係なく、ヌクレオチドの重合を提供できる。そして、そのような酵素は、培地中にどんな相補鎖も存在しない場合でも核酸を合成することができる。さらに、これらの酵素には、一本鎖核酸断片を合成する能力がある。
【0045】
したがって、X個のヌクレオチドの付加は、マトリックス鎖の存在なしで、修飾された核酸の重合が可能な酵素の手段による酵素的ルートによって有利に実施される。
【0046】
酵素は、たとえば、テロメラーゼファミリー、ポリメラーゼηもしくはζタイプのトランスリージョン(translesion 損傷乗り越え)酵素ファミリー、PNPアーゼファミリー、鋳型非依存性RNAポリメラーゼファミリー、ターミナルトランスフェラーゼファミリー、リガーゼファミリーもしくは鋳型非依存性DNAポリメラーゼファミリーの酵素、または、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)ファミリーの酵素から選択される。これらの酵素は生命体の特定の細胞で発現され、これらの細胞から抽出、または、組替え体培養液から精製できる。
【0047】
これらの酵素は、プライマーである開始核酸断片の存在を必要とする。この開始断片は、合成される核酸の伸長の最初のサイクルの間、基質として作用する。それは、添加される最初の核酸の5’−OH基と反応する遊離の3’−OH基を有する。
【0048】
好ましい態様において、プライマーは、本発明の実施のために最も適した長さを有し、連続したステージの十分な進行に対して最も好ましい配列を有する。必要であれば、いくつかの異なるプライマーを数の制限なしに同時に、または、連続して使用できる。このプライマーには、天然型のヌクレオチドまたは修飾したヌクレオチドを含むことができる。使用されるヌクレオチドは、通常、少なくとも5’末端に1つの化学基と3’末端に1つの化学基を含む環状糖および天然型または修飾した窒素塩基から成る。
【0049】
反応溶媒の条件、特に、温度、圧力、pH、任意のバッファー溶媒および他の試薬は、別の試薬の分子構造の完全性が保証される一方で、重合酵素の最適な機能を可能にするように選択される。
【0050】
断片に付加したヌクレオチド(単数または複数)の自由末端には、有利には、同じ断片へのX個のヌクレオチドの複数の付加を阻止するために、保護化学基が含まれる。
【0051】
それらの3’末端が保護されているヌクレオチドの付加は、本発明の好ましい実施態様の1つを構成し、その保護基にはそれ以降の重合ができないように防ぐという目的があり、したがって、コントロールできない重合のリスクが制限される。リン酸ジエステル結合が作られることの防止に加えて、第2の固体支持体との相互作用または他の反応溶媒の試薬との相互作用などの他の機能を前記保護基に割り当てることができる。
【0052】
例えば、第2の支持体は、これらの分子と前記保護化学基の間の非共有結合を可能にするタンパク質などの分子で覆うことができ、したがって、第2の付着ステージの間、付加された断片の固定ができる。保護されたヌクレオチドは独自で第2の固体支持体と相互作用できる。したがって、付加しなかった断片の除去は、それらの3’末端と第2の固体支持体との相互作用の欠如によって実施できる。
【0053】
本発明の方法の第2段階には、誤った配列を有する断片の検出ステージは含まれない。これらの断片はそのようには特定されず、操作可能な情報は、それらを分離または修正するために、それらを特定することができない。本発明の方法は、単にそれらの3’末端と第2の固体支持体との間の相互作用の欠如によって、誤った断片を除去する。
【0054】
前記第2の支持体からn+Xi個のヌクレオチドを含む前記正確な断片を分離するステージは、pHまたは温度の変更などの反応溶媒の条件の変更によって、または、前記第2の支持体が磁気支持体であれば、電磁波放射作用の下で、続いて実施することができる。
【0055】
好ましくは、第1の付着ステージは、第1の支持体に対する、開始核酸断片、または、伸長の過程における核酸断片の5’末端の付着に相当し、第2の付着ステージは、第2の支持体に対するn+Xi個のヌクレオチドを含む前記断片の3’末端の付着に相当する。
【0056】
酵素的付加は、有利には、5’から3’方向に実施される。
【0057】
精製ステージの後、十分な合成の進行のために脱保護が必要である。その目的は、次の重合段階の間に反応できる3’末端の−OH基を再生することであり、すなわち、以下のi+1サイクルの間に、保護された末端を含むn+Xi個の配列の核酸断片の以降の伸長を可能にすることである。前記末端の脱保護のステージでは、特に、化学反応、電磁的な相互作用、酵素反応および/または化学またはタンパク相互作用を使用できる。
【0058】
有利には、第2の固体支持体に結合する断片の付着ステージは、保護されたヌクレオチドの脱保護のステージと同時であり、分離することができない。反対に、伸長の過程において、まさに断片に挿入されるヌクレオチドの脱保護を可能にするいずれの作用も、第2の固体支持体と相互作用する断片の能力に修復不能な有害な影響を及ぼし、その結果、それらは脱離する。
【0059】
本発明は、合成の直交モードを有利に使用する。合成のこのモードでは、特定の試薬にはそれらが特定のステージを実施しないようにする性質があり、一方、他の試薬はそれらを実施する。より詳しくは、本発明の合成方法は「双直交(double−orthogonal)」ということができ、すなわち、それは2つの「側面(dimension)」に従う。第1の側面は、第1の固体支持体に結合する伸長の過程における断片の5’末端に関するものであり、第2の側面は、その後の第2の固体支持体に結合する前記断片の3’末端に関するものである。
【0060】
すなわち、開始の核酸断片プライマーは、それらを第1の固体支持体または前記第1の支持体に固定された成分と相互作用させるそれらの5’末端に官能基を備えている。プライマーの官能基は、合成の過程を通して保持される。相互作用は、特に特定の物理化学的な条件を適用することで可逆的である。また、化学的または酵素的反応によるこれらの相互作用特性を不可逆的に中和することも可能である。
【0061】
付加した第1のヌクレオチドを受けることによって、プライマーは合成の開始点を構成する。それらは、目的の配列中に存在する最終的なヌクレオチドの付加まで、この同じ合成を通して保持される。これらのプライマーの5’末端に存在する官能基は、合成を通して官能基を維持するために、有利に選択される。その結果、これらの官能基は、伸長の過程における核酸断片に、プライマーに最初に与えられたのと同じ特徴と性質を与える。特に、本発明の好ましい実施態様において、前記第1の支持体にすでに固定されている核酸鎖を介して、酵素的付加ステージの前の各伸長サイクルの間に、第1の固体支持体に付着する能力が与えられる。
【0062】
本発明の好ましい実施態様において、合成の開始に使用されるプライマーの5’末端に存在する官能基は、前記第1の固体支持体に存在する分子またはタンパク質との非共有結合的な相互作用を可能にする。合成の各ステージの間、それらは使用された試薬と反応しないので、これらの官能基は保持される。非共有結合は、特定の物理化学的な条件によって安定した相互作用を提供するのには十分に強いが、しかし、異なる物理化学的な条件の適用が生じた場合には十分に弱く、除去される。最終的に、これらの官能基の分子構造は、特異試薬の作用によって、破壊されるか除去される可能性をそれらに与えることができ、最初のプライマーを構成しているヌクレオチドの破壊または除去が求められる場合には、この特性を使用することができる。
【0063】
前記固体支持体の表面は、プライマーに存在する官能基との望ましい相互作用をそれらに与える官能基を有する。後者のように、これらの固体支持体の官能基は、それらの相互作用の能力を低下させることなく、合成サイクルの別のステージを行なうことができなければならない。
【0064】
温度、pHおよび/または電磁場の変化などの特定の物理化学的な条件の適用は、合成の過程の核酸断片と固体支持体の間に存在する相互作用を停止することを可能にする。別の場合、上記のそれらと異なる物理化学的な条件の適用は、これらの相互作用の強化を可能にしなければならない。様々な物理化学的条件が、核酸断片の合成のサイクルの適切な瞬間に適用される。
【0065】
より詳しくは、第1の固体支持体と断片の5’末端の相互作用を強化している物理化学的な条件は、核酸断片の分離ステージの間を除いて、すべての合成ステージの間適用される。これらの分離ステージの間、物理化学的な条件は、断片を遊離するために変更される。
【0066】
各伸長サイクルの2つの段階の間で、支持体に固定されていない核酸断片は、ポンプまたは流体の置換を可能にするその他の装置で移動性の流体の流れを作ることによって、置換される。より詳しくは、その結果、その断片は、核酸断片と前記支持体との相互作用の無効化に役立つ物理化学的条件に起因する液体流によって前記の支持体から外れる。その後、支持体が固定されている間は、断片は置換される。
【0067】
付加されたヌクレオチドは、合成の基本的な重合の成分を構成する。それらは、順々に核酸断片に付加される。これらのヌクレオチドは、その結合反応官能性およびその保護官能性に加えて相互作用官能性を示す。ヌクレオチドの相互作用官能基は、プライマーの5’末端の相互作用官能基に類似した機能を有する。
【0068】
好ましくは、合成過程の核酸断片の5’末端の相互作用官能基と、直近に付加されたヌクレオチドのそれは、同じ合成サイクルの間に一緒に用いられる。
【0069】
温度、pH、電磁環境または濾過材の存在などの特定の物理化学的な条件の適用は、上記の様々な支持体と正しいまたは誤った配列の核酸断片との間での分離を実施するために用いることが出来る。
【0070】
本発明の核酸断片の酵素的合成の様々なステージは、核酸断片の最大の正しい重合を提供することによってこの合成の能力に貢献し、上記の相互作用メカニズムを介して、伸長サイクルを構成するステージのひとつを失敗したために目的の配列を有さない核酸断片の可能性がある最大数の除去を可能にする。
【0071】
このように、本発明は、核酸断片の「広範な除去(wide removal)」の原則を使用する。この「広範な除去」には、主に誤った配列を有する断片が含まれるが、ある程度は正しい配列を有する断片も含まれる。この広範な除去という概念の目的は、たとえこれが正しい配列を有する特定の断片の保持を損なうものであっても、誤った配列を有する断片の全てを除去することである。
【0072】
通常、不純物(場合によっては誤った配列を有する断片を含む)の除去ステージは、流体の移動流を用いる洗浄操作によって行われる。洗浄ステージの間、保持するのに適した成分は、特に固体支持体との相互作用によって保持され、例えば固定して保持されるか、または濾過によって保持される。
【0073】
好ましくは、本発明の方法では、相互作用は選択的であるように選ばれる。すなわち、正しい配列の核酸にのみ作用し、例えば未反応の核酸断片または緩衝液の酵素もしくは成分などの反応媒体中に存在する他の化合物には作用しない。一例として、付加されたヌクレオチドと固体支持体との間の相互作用は、保護されたヌクレオチドを取り込んだ断片のみが洗浄ステージの間保持されるように選択される。これらの同じ相互作用は、全ての場合において、保護されたヌクレオチドを取り込んだ断片のみが洗浄ステージの間保持されるほど十分に弱くなるように選択される。このような弱い相互作用は、保持しなければならない場合であっても、実際にヌクレオチドを取り込んだ断片を一定の割合で保持しないという結果をもたらすことがある。この特性は、望ましくない核酸断片の可能な限りの完全除去を提供する限り、本発明の方法の適用に望ましい。
【0074】
上記の非共有結合の相互作用は、目的の断片の一部との効果的相互作用と、望ましくない断片とのゼロ相互作用とをこれらが可能にするように、特に互いに相互作用する実体の構造の最適化および相互作用に関与する物理化学的条件の最適化によって選択される。非限定的な例としては、様々なアフィニティークロマトグラフィーまたは精製技術の文脈で使用される非共有結合の相互作用がそのようなパフォーマンスを可能にする。
【0075】
また本発明の構成要件を形成する合成方法は、核酸断片の同時合成に特に適している。目的の配列のヌクレオチドの成長を可能にする合成サイクルは、いくつかのステージに分けることができ、いくつかの異なる断片の同時合成のために並行して実施することができる。
【0076】
従って、十分な供給源を条件として、同時に合成することができる異なる核酸断片の数に制限はない。有利なことに、多数の断片の並行した合成は、本発明を用いる実験者の核酸合成能力を有意に増加させることができる。
【0077】
本発明の好ましい態様では、目的の断片の合成と並行して、目的のものと相補的な断片の全部または一部の同時合成を行うことが可能である。
【0078】
別の好ましい態様においては、合成は、それらの間に結合を有する断片上で同時に行うことができる。例として、問題となる断片は、これには限定されないが、遺伝子、染色体領域、染色体またはゲノム等の興味深い、より大きな配列の部分を構成することができる。しかし一例として、共通の配列を構成するこれらの異なる断片は、それ以降の可能性のあるアセンブルを容易にする同一または相補的な配列部分を有することができる。
【0079】
本発明の方法は、正しい配列の核酸断片の増幅段階を1つ以上含み、反応媒体中に存在するこれらの核酸断片の数を増やすことを可能にする。この核酸鎖の増幅は、マトリックス核酸鎖、ヌクレオチド、最初の相補的プライマーおよび鋳型依存性重合酵素を組み合わせた酵素的重合法を用いる。増幅の結果は、最初に存在する非常に多数のマトリックス鎖のコピーからなる。増幅は、増幅サイクルを構成する一連のステージによって行われる。増幅された断片の増倍率Yは、式:Y=2に従って実施される増幅サイクル数mに依存する。
【0080】
好ましい実施態様では、増幅のために使用される酵素は、マトリックス鎖をコピーすることによってヌクレオチドの重合を提供することができる。そして、その酵素は、相補鎖に依存する。これらの酵素は、二本鎖核酸断片を合成する能力を有する。
【0081】
増幅段階に使用できる酵素の本発明のための限定されない例は、DNA依存性DNAポリメラーゼである。これらの酵素は市販されており、しばしば組換え培養物から精製される。
【0082】
増幅に使用されるヌクレオチドは、通常、三リン酸型の5’末端に少なくとも1つの化学基を含み、ヒドロキシル基型の3’末端に少なくとも1つの化学基を含み、天然型の窒素塩基を含む天然型ヌクレオチドである。
好ましい実施態様では、増幅に使用されるヌクレオチドは天然型ヌクレオチドである。
【0083】
温度、圧力、pH、緩衝液、補因子および/または他の試薬などの反応条件ならびにステージおよびそれらの配列は、検討中の断片の最適な増幅を提供するように選択される。
【0084】
増幅には、増幅される核酸断片に相補的なプライマーの存在が必要である。相補的プライマーは、増幅される断片のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を有する短い核酸断片である。このため、それらは、増幅される断片を構成するものと相互作用することができる類似のヌクレオチドからなる。有利には、これらの相補的プライマーは、本発明の方法で合成された核酸断片と並行して合成することができる。このように、この原則によれば、本発明の構成要件である方法とは異なる方法に頼ることなく、検討中の任意の配列を増幅することが可能である。
【0085】
相補的プライマーは、増幅酵素が反応できるように、増幅される断片の末端の1つと非共有結合的に相互作用する必要がある。これらの非共有結合的相互作用は、増幅される断片およびプライマーの相補的配列に依存し、特異的である。したがって、これらの相互作用の特異性は、3’末端に正しい配列を有さない可能性のある断片の増幅を非常に大きく制限する。このようにして、増幅ステージもまた、合成プロセスの最終結果の純度に貢献する。
【0086】
合成された核酸
本発明は、上記方法によって合成された核酸にも関する。これらの核酸のヌクレオチド配列は、伸長サイクルの実施の間、前記ヌクレオチドの重合の順序を定め、予め決定することができる。しかしながら、ランダムな配列を有する核酸の合成に本発明の方法を使用することが想定され得る。
【0087】
本発明の合成方法は、全てのサイズの核酸の合成を可能にするが、それでもなお、核酸の最小サイズは、合成の間に使用される最初のプライマーの最小サイズによって決定される。十分な量で利用できる供給源を前提として、かつ、空間および好ましい条件を前提として、本発明の構成要件の方法で合成できる核酸のサイズの上限はない。本発明の好ましい実施態様では、3〜1×10塩基、好ましくは20〜1×10塩基の長さを有する核酸断片を合成することが可能である。
【0088】
こうして合成された核酸は、複数の生物学的または生物工学的役割を有するヌクレオチド配列を含むことができる。有利には、本発明は、分子生物学および遺伝子工学の分野の一定数の操作を置き換えるものである。これらの退屈で反復的な操作は、通常、本技術の実験者の手によって実施される。
【0089】
本発明の方法の使用は、核酸の操作を用いる任意のプロセスのパフォーマンスおよび生産性を有意に増大することができる。非限定的な例として、本発明の使用は、特に以下の分野で有利である:遺伝子構築物の調製、干渉RNA分子の生産、DNAまたはRNAチップの生産、細胞株または細胞系の構築、酵素工学、タンパク質モデルの開発、生物療法の開発、動物または植物モデルの開発。
【0090】
上記方法を用いて得られた核酸は、当業者に公知の分子生物学の操作の間、直接使用することができる。このようにして得られた核酸は、さらなる処理工程を必要とすることなく、直接の使用に非常によく適した純度を示す。別の態様では、本発明の合成方法によって合成された核酸は、例えば、核酸断片の環状化、発現ベクターへの核酸断片の挿入、生細胞のゲノムへの核酸断片の挿入、核酸断片の他の化学物質との反応、または、反応の触媒作用のための核酸断片の使用に目標を定めたさらなる修正を経ることができる。
【0091】
オートメーション
本発明の構成要件である方法の自動化は、この方法を最適化することができる事前に適合させた任意の装置によって、特に伸長サイクルの持続時間を最小限にすることによって、付加、洗浄操作および流体の流れの正確さを最大化することによって、ならびに、これらのサイクルの様々なステージの間に使用される反応条件を最適化することによって、行うことができる。
【0092】
本発明の方法は、合成された核酸が高純度であることの結果として、さらなる精製段階またはアセンブル段階なしで直接使用することができる核酸の合成を可能にする。これはそれらのサイズとは無関係である。この理由のために、本発明の構成要件である方法の自動化は、産業上および商業上の大きな関心を有する。
【0093】
キット
本発明はまた、上記の方法を実施するための任意のキットに関し、以下を含むキットである:
−n個のヌクレオチドを含む核酸断片を含む反応媒体;
−ヌクレオチドの付加のための酵素試薬;
−前記酵素的付加試薬によって付加され得るヌクレオチドまたはヌクレオチドの組み合わせ;
−精製ステージのための洗浄および/または緩衝液;
−核酸を増幅するための酵素試薬と、酵素的増幅の試薬に使用できる天然型ヌクレオチドとを含む増幅反応媒体;
−使用説明書。
【0094】
実験者の要求に応じて様々な種類のキットを提供することができる。特に、合成される配列に従って、様々な開始プライマーを様々なキットに提供することができる。同様に、自動の使用か非自動の使用かに応じて、様々なタイプのキットを提供することができる。
【0095】
好ましい実施態様では、本発明の方法の好ましい実施態様の実施のためのキットは、以下を含む:
−合成プライマーとして使用される核酸断片;
−n個のヌクレオチドを含む核酸断片を付着させるための第1の支持体;
−付加された核酸断片を付着させるための第2の支持体;
−ヌクレオチドの付加のための酵素試薬および酵素的付加の試薬によって付加され得るヌクレオチドおよびヌクレオチドの組み合わせを含む付加反応媒体;
−付着、精製および分離ステージのための洗浄および/または緩衝液;
−核酸を増幅するための酵素試薬と、酵素的増幅の試薬に使用できる天然型ヌクレオチドとを含む増幅反応媒体;
−使用説明書。
【0096】
さらに、上記キットは、以下を含むことができる:
−第1および/または第2の付着支持体への核酸断片の付着に好ましい緩衝液媒体;および/または
−第1および/または第2の付着支持体からの核酸断片の分離に好ましい緩衝液媒体。
【0097】
図面の説明
合成方法の特定のステージの間、核酸断片を固定するための付着支持体を用いた本発明の好ましい態様の例示的な実施態様の説明を、図面を参照して以下に記載する。図1〜7は、方法の様々なステージを図式的に表す:
図1:開始断片の固定化;
図2:固定された断片へのヌクレオチドの付加;
図3:洗浄ステージと、付加された核酸断片の分離;
図4:付加された核酸断片の第2の支持体への固定;
図5:付加された核酸断片の脱保護;
図6:増幅ステージ;
図7:前のサイクルからの付加された断片を使用する新しいサイクルの開始;
そして、図8は、酵素的付加段階と、正しい配列の断片の精製段階を実施するための「反応装置」の可能性のある配置図を示す。
【実施例】
【0098】
図面を参照して、本発明の合成方法における核酸断片の伸長のサイクルを以下に説明する。
【0099】
少なくとも3つのヌクレオチドを含む鎖4は、ガラスのシートなどの第1の固体支持体1に固定される。Xi+n個のヌクレオチドを含む核酸の伸長の過程のプライマーまたは断片3は、それらの各塩基間の水素結合を介して支持体1に固定された鎖4に結合する。伸長の過程の核酸断片3には、遊離部分33と、固定された鎖4のヌクレオチドと相補する少なくとも3つ以上のヌクレオチドを含み、開始剤を務める固定化部分34と、が含まれる。図1の右側に概略的に示されるように、第1の固体支持体1に固定された核酸断片30は、反応溶媒中で得られる。
【0100】
付加酵素5と、保護基8によってひとつの末端がブロックされる少なくとも1つのヌクレオチド7を含む試薬6とを含む反応溶媒の添加による、酵素的付加のステージが、続いて実施される。
【0101】
図2の右の部分に概略的に示されるように、第1の固体支持体1に固定化された断片30の遊離末端33に試薬6を付加する際に、支持体1に固定された保護末端を含む付加された核酸断片を与える(すなわち、少なくとも1つのヌクレオチドを受け取る)ことになる。これらの保護され固定化された核酸断片は参照番号36である。
【0102】
反応溶媒中には、支持体上または前記支持体1の近くに、酵素の残留物、試薬6が残り、緩衝液が残る可能性がある。その後、それらは矢印3Aに従って洗浄によって除去される。この第1の洗浄操作3Aの後、断片36は矢印3Bに従って支持体1から分離され、断片36は付加された遊離の保護された、図3の参照番号38の断片となる。
【0103】
しかし、この分離工程は、38に付加した断片および付加されなかった第1の断片3の両方を支持体1から外す。支持体2(この例では、磁気ビーズ)は、抗体、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、アビジン、ストレプトアビジン、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、ホスホペプチド(セリン、チロシンもしくはスレオニンオリゴマー)などのタンパク質またはヒスチジンオリゴマーで形成されたコーティング9で覆われ、概略的に図4に表されるように、正しい配列の核酸断片および誤った配列の断片を含む反応溶媒中で介入する。
【0104】
これにより、固定化において、末端保護基8によって、ビーズ2の表面に正しい配列38の保護された断片が付着する。酵素的付加を受けておらず、したがって、ビーズ2のコーティング9のタンパク質に結合し得る保護基を有する末端を含まない最初の断片3は、洗浄によって容易に除去される。
【0105】
正しい配列が付加された断片の効果的選択であるこのステージの後、磁性ビーズ2は、反応混合物の条件を変更することによって分離される。例えば、pHの変更、温度の上昇または試薬もしくは電磁場の作用の増加によって、ビーズ2から付加された断片を分離し、反応媒体中で、付加された遊離の保護されていない断片37を得ることができる(図5参照)。
【0106】
次に、例えば、磁場の作用下で、コーティング9に結合したままである保護基で覆われたビーズ2を反応媒体から除去する。
【0107】
続いて、図6は、増幅酵素およびヌクレオチド(たとえば天然型のヌクレオチド)を含む増幅反応媒体11の作用下で、これまでに記載された伸長サイクルを受け、付加された保護されていない断片37の増幅のステージを概略的に表す。この結果、核酸断片37の数は大きく増幅される。
【0108】
伸長サイクルを経た断片37のみを増幅するので、この増幅ステージは全く効果的である。さらに、これは増幅試薬の使用を最小にする。
そして、合成の終了前または新しい伸長サイクルi+1の実施前には、その後の精製ステージは必要ではない。
【0109】
概略的に図7に表されるように、新しい伸長サイクルは、断片37の固定化に用いられる鎖4が固定されている同じ第1の固体支持体1を介して起こり得る。
【0110】
図8は、好ましくは2つの独立したコンパートメントを含む伸長チャンバーの例の略図を示す。コンパートメントでは、本発明の各伸長サイクルが実施される。
【0111】
第1の反応装置10(酵素的付加段階が実施されるコンパートメント)は、鎖4が固定される第1の固体支持体1を含み、付加ヌクレオチド7の供給用装置70と付加酵素5の供給用装置50に接続する。
【0112】
第2の反応装置12(正しい合成の断片の精製段階が実施されるコンパートメント)は、この例では電磁装置(電磁石21)を備え、ビーズタイプの支持体の供給器20に接続する。
【0113】
2台の反応装置10と12(これらは、断片のより良い精製を可能にするために分離される)は、それでもなお一緒に接続され、洗浄液の注入口13、14と放出される廃棄物の放出口15、16に接続される。
【0114】
増幅ステージは、反応装置12内でも実施される。
これにより合成された核酸は、最後の増幅ステージの後、第2の反応装置の出口17で回収される。
【0115】
DNA断片の合成の具体例を以下に示す。
【0116】
酵素的合成ステージを実施するために選択される酵素は、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼまたはTdTであり、市販されている(Thermo Scientific)。大量のTdTを組み替えで生産することも可能である。
【0117】
合成の開始に用いられるプライマーを以下に示す。
【0118】
【表1】
【0119】
このプライマーは、上記配列に存在する制限酵素Pst1によって切断される配列を含む制限部位(矢印)を有する。合成される配列がPst1部位を含む場合、第1のプライマーは必要に応じて変更される。
【0120】
5’末端で使用されるヌクレオチドは、反応性を促進する三リン酸塩基を有する。それらは、DNA分子内に自然に存在する4つの窒素塩基のひとつ、すなわち、Aアデニン、Tチミン、CシトシンまたはGグアニンを有し、3’末端には、自然に存在する水酸基と異なる基を有し、それは、TdTによる以降のすべてのヌクレオチドの付加を阻害する能力および他の分子またはタンパクと相互作用する能力を有する。
【0121】
使用される合成条件は、酵素TdTと関連したプロトコルの説明に由来する:50UのTdT,200mMのカコジル酸ナトリウム,25mM Tris−HCl pH7.2,8mM MgCl,0.33mM ZnSO,0.2mM dATP,2pmolのプライマー(配列番号 1)および100μMの保護されたヌクレオチドを総反応量50μLで混合する。混合液は37°Cで5分間インキュベートする。
【0122】
選択された保護基の性質に依存して、付加されたヌクレオチドは、10mM MgClの存在下で37℃で15分間、50mM酢酸ナトリウムpH5.5などの弱酸性の作用によって脱保護される。脱保護反応はヌクレオチドと保護基および保護基と任意に関連する他の基との間に存在している結合の破壊の結果である。本発明の特定の好ましい実施態様では、この脱保護ステージは、同時に、その3’末端での相互作用から断片を遊離することができる。
【0123】
合成過程においてDNA断片は、以下の配列を有するDNA断片を事前に固定したガラスシートを含む反応チャンバー内で、20℃で10分間インキュベートする。
【0124】
【表2】
【0125】
当該配列(配列番号 2)を有するDNA断片の3’末端による固定のために、DNAチップを作製する技術を使用した。したがって、DNA断片はそのように固定される。
【0126】
25mM Tris−HCl pH7.2溶液を用いて、5μL/秒の流速で30秒間、洗浄ステージを実施する。
【0127】
5μL/秒の流速で、60秒間、95°Cで25mM Tris−HCl pH7.2溶液を通すことによって、DNA断片の遊離ステージを実施する。
【0128】
断片を溶解した25mM Tris−HCL pH7.2の流れを第2の反応装置12に輸送できるバルブシステムの手段によって遊離のDNA断片の移動を実施する。
【0129】
保護されたヌクレオチドを用いた酵素的伸長のステージを経たDNA断片を、その後、付加した最終のヌクレオチドと相互作用できる分子またはタンパク質をそれらの表面に示す磁気ビーズ2の存在下で、15分間室温でインキュベートした。GSTタンパク質で被覆された磁気ビーズは、使用できるビーズの種類の非限定的な例である。
【0130】
永久磁石を使用して、DNA断片を担持する磁気ビーズ2を静止した状態にし、10μL/秒の流速で25mM Tris−HCl pH7.2の流れを30秒間、洗浄の目的で適用する。
【0131】
DNA断片の増幅ステージは、以下のプロトコルに従って、Platinum(登録商標)Taq DNAポリメラーゼ酵素(Invitrogen)によって実施される:10×緩衝液の供給,1×,各ヌクレオチドについて0.2mMのdNTP、1.5mMのMgCl、0.2μMの相補的プライマー、1.0Uのポリメラーゼを用いて総量50μLとした。
【0132】
使用される増幅サイクルを以下の表に示す:94℃で60秒間インキュベーションし、以下のステージで30増幅サイクルを適用する:94℃で30秒間変性させ、55℃で30秒間対合させる。その後、増幅させた1000個のヌクレオチドについて、72°Cで60秒間伸長させる。72℃で5分間の最終伸長の工程を追加する。
【0133】
DNA断片の合成の進行の状況に応じてプライマーを選択する。それは、約20個のヌクレオチドの配列を有する。上記増幅条件を調整し、選択される相補プライマーを用いて正確に対合できる断片の非常に特異的な増幅を促進する。さらに、この相補的プライマーのサイズを配列に応じて選択し、可能である最も特異的な増幅を促進する。
【0134】
本発明によって開示される原則によって、様々なステージの成果が測定され、下記の表1に示される:
【0135】
【表3】
【0136】
広範な除去工程は、例えば、正しい配列(「良好」とする)を有する90%の断片を得ることを可能にし、誤った配列(「不良」とする)を有する断片をわずか2%とすることを可能にする。
【0137】
慎重に組み合わされるこれらの様々なステージを使用する繰り返しサイクルは、長い断片の合成を可能にする。最終的な精製を下記の表2に示す(開始プライマーの量は、2pmol)。
【0138】
【表4】
【0139】
したがって、別々に行われる各ステージにおける固有の欠点にもかかわらず、また合成の様々なステージで失敗した断片の存在にもかかわらず、最終的な結果は99%を超える純度を示すので、実験者が直接利用することができる。これは、検討する断片の長さとは無関係である。この表によって与えられる結果は例として示される。パラメータとして得られた各ステージで作製された良好な断片および不良の断片の含有量のパラメータ(表1に示す)が異なる場合、その結果は実質的に異なる可能性がある。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本発明の構成要件である方法は、それらの長さと関係なく、収率の損失なしに、核酸の合成を可能にする。既存の技術に対して、核酸合成の能力の大幅な改善、特に、実施の単純さ、合成コスト、合成時間、得られた生産物の純度および合成能力に関して大幅な改善を可能にする。この方法は、遺伝子または核酸の合成配列の生産に使用することができる。それは、特に、DNAまたはRNAなどの核酸合成、バイオテクノロジー分野またはより一般的には生物学の幅広い分野における研究、開発または産業的な実施の目的を対象としている。
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]