特許第6783195号(P6783195)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6783195
(24)【登録日】2020年10月23日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】エレベーター
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20201102BHJP
   B66B 5/02 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
   B66B11/02 E
   B66B5/02 H
   B66B11/02 J
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-125943(P2017-125943)
(22)【出願日】2017年6月28日
(65)【公開番号】特開2019-6592(P2019-6592A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2019年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】藤田 晃英
(72)【発明者】
【氏名】西堀 隆之
【審査官】 今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−192375(JP,U)
【文献】 特開2008−050153(JP,A)
【文献】 特開2004−277154(JP,A)
【文献】 特開平07−326219(JP,A)
【文献】 特開昭50−080677(JP,A)
【文献】 特開2015−013727(JP,A)
【文献】 実開平04−085510(JP,U)
【文献】 発明協会公開技報公技番号88−2434
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/00 − 11/08
B66B 5/00 − 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターを構成する乗りかごのかご室に停電灯装置を備えたエレベーターにおいて、
前記停電灯装置は、前記かご室の天井に隣接して設けられた停電灯収納室と、
前記かご室と前記停電灯収納室とを仕切る天井カバーと、
前記天井カバーを、通電時には閉状態とし、停電時には開状態とすることが可能な電磁石と、
通電時は前記天井カバーに支持されて前記停電灯収納室に収納され、停電時は自重によって前記停電灯収納室を出て前記かご室に向かって所定の距離を降下する停電灯と、
前記停電灯に固定され、前記停電灯が降下する前記所定の距離を調整可能な停電灯支持部材と、を有し、
前記停電灯支持部材は、直角に連結された2つの板状部材を有する第1の部材と、直角に連結された2つの板状部材を有する第2の部材からなり、
前記第1の部材の一方の板状部材に前記停電灯が固定され、前記第1の部材の他方の板状部材が前記停電灯収納室の天井に設けられた貫通孔を貫通し、
前記第2の部材の一方の板状部材が、前記貫通孔を貫通した前記第1の部材の前記他方の板状部材に固定され、前記第2の部材の他方の板状部材が停電時に前記停電灯の降下とともに降下し、前記停電灯収納室に衝突して前記停電灯の降下を停止する構成を有していることを特徴とするエレベーター。
【請求項2】
エレベーターを構成する乗りかごのかご室に停電灯装置を備えたエレベーターにおいて、
前記停電灯装置は、前記かご室の天井に隣接して設けられた停電灯収納室と、
前記かご室と前記停電灯収納室とを仕切る天井カバーと、
前記天井カバーを、通電時には閉状態とし、停電時には開状態とすることが可能な電磁石と、
通電時は前記天井カバーに支持されて前記停電灯収納室に収納され、停電時は自重によって前記停電灯収納室を出て前記かご室に向かって所定の距離を降下する停電灯と、
前記停電灯に固定され、前記停電灯が降下する前記所定の距離を調整可能な停電灯支持部材と、を有し、
前記停電灯支持部材は、前記停電灯を固定する停電灯固定部材と、
一端が前記停電灯固定部材に固定され、他端が前記停電灯収納室の天井に設けられた貫通孔を貫通する棒状部材と、
前記棒状部材の前記貫通孔を貫通した前記他端に設けられたダブルナットと、を有することを特徴とするエレベーター。
【請求項3】
エレベーターを構成する乗りかごのかご室に停電灯装置を備えたエレベーターにおいて、
前記停電灯装置は、前記かご室の天井に隣接して設けられた停電灯収納室と、
前記かご室と前記停電灯収納室とを仕切る天井カバーと、
前記天井カバーを、通電時には閉状態とし、停電時には開状態とすることが可能な電磁石と、
通電時は前記天井カバーに支持されて前記停電灯収納室に収納され、停電時は自重によって前記停電灯収納室を出て前記かご室に向かって所定の距離を降下する停電灯と、
前記停電灯に固定され、前記停電灯が降下する前記所定の距離を調整可能な停電灯支持部材と、を有し、
前記停電灯支持部材は、前記停電灯を固定する停電灯固定部材と、
一端が前記停電灯固定部材に固定され、他端が前記停電灯収納室に固定された紐状部材からなることを特徴とするエレベーター。
【請求項4】
請求項又はに記載のエレベーターにおいて、
前記貫通孔に緩衝材が設けられ、
前記停電灯支持部材の一部が前記緩衝材と接触しながら前記停電灯収納室から前記かご室に向かって降下可能な構成を有することを特徴とするエレベーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターに関し、特に停電時にかご室内を照らす停電時用の照明装置を備えるエレベーターに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベーターにおいて、乗客や荷物を載せる乗りかごには、通常、停電時にかご室内を照らすことができる停電時用の照明装置(停電灯装置)が設けられている。停電時の照度は日本国内では法令で規定されており、床面で1ルクス以上の照度を確保することができる照明装置をかご室内に設ける必要がある。また、近年リリースされた海外(欧州)のエレベーターの安全規格:EN81−20/50においても、床上1mで5ルクス以上の照度を確保することが求められており、停電時の照度確保の必要性が高まっている。
【0003】
一般的に、エレベーターの停電灯装置は乗りかごの天井に取付けられており、常時点灯しているものではなく、停電時にのみ点灯する。そのため、停電時ではない平常時(通電時)は目立たず、かご室内の意匠性を損なうものではないことが好ましい。
【0004】
かご室内の意匠性を確保しつつ、かご室の天井部に停電灯装置を取付けた例として、特許文献1がある。特許文献1には、エレベーターのかご室の天井部、側板部の少なくとも一方に形成され、かご室内に面する所定箇所に開口部を有する筐体と、筐体内に収容可能であり停電時に点灯する停電灯と、開口部に開閉可能に形成された蓋部と、通電時、磁力によって蓋部を吸引して当該蓋部を閉状態に保持する電磁石と、を備え、停電時、蓋部は電磁石の磁力の消失によって開状態となり、停電灯によりかご室内を照明することを特徴とするエレベーターの停電灯装置が開示されている。特許文献1によれば、エレベーターのかご室内の意匠性を損なうことなく、停電時の照度を確保することが可能となるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−50153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の構成は、停電灯はかご天井上に固定され、天井面にカバーが取付けられているため、平常時は停電灯がかご室内に露出することなく、意匠性を損なうものではない。また、停電時には天井面のカバーが電磁石の磁力の消失により開き、停電灯がかご内を照射することが可能となり、かご内の照度を確保することができる。しかしながら、上述した特許文献1の構成では、停電灯装置がかご室の天井よりも奥まった位置で固定されているため、カバーが開いた際に、天井の開口部又はカバーが停電灯装置の配光を妨げ、床面に光が届かない箇所が発生する可能性がある。また、天井高さが高いエレベーターでは、停電灯装置と床面との距離が遠いため、十分な照度が確保できない可能性がある。
【0007】
配光が妨げられない寸法まで開口部を大きくすることにより照度の確保は可能だが、開口部が大きくなることにより、天井の設計に制限が発生し、かご室の意匠の自由度が阻害される。また、開口部が大きくなることにより、天井の強度が低下する恐れもある。
【0008】
天井の開口部やカバーによる配光の妨げを考慮し、かご内照度を確保するために、停電灯装置の員数を増すことも考えられるが、停電灯装置の員数が増えることにより製造コストが増大する。また、停電灯装置取り付けの場所を複数個所確保することにより、設計に制限が発生し、意匠の自由度が阻害される。
【0009】
本発明は、前述した従来技術における実状を改善するものであり、その目的は、かご室内の意匠性を損なうことなく、停電時にかご室内の必要照度を確保できる停電灯装置を備えたエレベーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するため、かご室の天井に隣接して設けられた停電灯収納室と、かご室と停電灯収納室とを仕切る天井カバーと、天井カバーを開閉可能な電磁石と、停電灯と、停電灯に固定された停電灯支持部材とを有する停電灯装置を備えたエレベーターを提供する。停電灯は、通電時は天井カバーに支持されて停電灯収納室に収納されている。一方、停電時に天井カバーが開いたときは、自重によって停電灯収納室を出てかご室に向かって所定の距離を降下する。停電灯支持部材は、停電灯が降下する距離を調整可能な構成を有している。
【0011】
本発明のより具体的な構成は、特許請求の範囲に記載される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、かご室内の意匠性を損なうことなく、停電時にかご室内の必要照度を確保できる停電灯装置を備えたエレベーターを提供することができる。
【0013】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のエレベーターの概略を示す模式図。
図2図1の乗りかごの外観を示す模式図。
図3図1のかご室の内部を示す模式図。
図4】従来のエレベーターのかご室の内部を示す模式図。
図5A】実施例1の停電灯装置(通電時)の断面を示す模式図である。
図5B】実施例1の停電灯支持部材を模式的に示す分解斜視図である。
図5C】実施例1の停電灯収納室に設けられた貫通孔を示す模式図である。
図6】実施例1の停電灯装置(停電時)の断面を示す模式図である。
図7】実施例2の停電灯装置(停電時)の断面を示す模式図である。
図8】実施例3の停電灯装置(停電時)の断面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は本発明のエレベーターの概略を示す模式図であり、図2図1の乗りかごの外観を示す模式図である。図1に示すように、エレベーター100は、乗りかご3と、釣り合いおもり4と、乗りかご3及び釣り合いおもり4を接続するロープ5と、ロープ5が巻きかけられた綱車60を有する巻き上げ機6を有する。昇降路において、巻き上げ機6がロープ5を昇降することで、乗りかご3及び釣り合いおもり4が昇降する。乗りかご3は、乗客や荷物を載せるかご室1と、かご室1を支持するかご枠2で構成される。図2に示すように、かご室1は、天井7と側板8で構成される。
【0017】
図3図1のかご室の内部を示す模式図である。図3に示すように、かご室1の天井7は、通電時にかご室1の内部を照らす照明装置9と、照明装置9を覆う天井遮蔽板10を有する。かご室1には、照明装置9とは別に、停電時にかご室1の内部を照らす停電灯装置11が設けられている。停電灯装置11は、かご室1の天井7に隣接して設けられた停電灯収納室12と、かご室1と停電灯収納室12とを仕切る天井カバー14と、停電灯13を有する。
【0018】
停電灯13は、通電時は、かご室1の天井に設けられた停電灯収納室12に収納され、天井7と一体になった天井カバー14によって隠されており、かご室1の内部の意匠性を損なわない構成となっている。一方、停電時は、停電灯13は停電灯収納室12を出てかご室1に向かって(図3の矢印方向に)所定の距離降下し、かご室1の内部を照らす構成を有している。
【0019】
図4は従来のエレベーターのかご室の内部を示す模式図である。図4に示す構成では、停電時でも停電灯41が停電灯収納室40に収納されているため、停電灯41の光の一部が天井遮蔽板10によって遮られてしまう。また、図3に示す構成と比較して、停電灯41とかご室1の床面までの距離も長いため、床面(照明領域31)において十分な照度を確保することができない。
【0020】
これに対し、再び図3を参照すると、本発明のエレベーターでは、停電灯13が下降するため、停電灯13の光が天井遮蔽板10によって遮られないようにすることができる。また、図4に示す構成と比較して、停電灯13とかご室1の床面までの距離が短いため、床面(照明領域30)において十分な照度を確保することができる。この結果、前述した近年のエレベーターの規格(EN81−20/50)を満たすことができるエレベーターを提供することができる。
【0021】
次に、本発明のエレベーターの停電灯装置の構成について詳述する。図5Aは実施例1の停電灯装置(通電時)の断面を示す模式図である。図5Aに示すように、停電灯装置11は、前述した停電灯収納室12、停電灯13及び天井カバー14と、天井カバー14を開閉可能な電磁石16と、停電灯13を支持する停電灯支持部材17を有する。天井カバー14には、停電灯13と接触する面に緩衝材20が設けられている。このように緩衝材20を設けることで、エレベーター走行時の振動により、停電灯13と天井カバー14とが加振されて発生する騒音(異音)を防止することができる。緩衝材20としては、例えばフェルトやスポンジを用いることができる。
【0022】
電磁石16は、通電時は、磁力によって天井カバー14を吸引し、天井カバー14を「閉」状態とする。一方、停電時は、磁力が消失し、天井カバー14を吸引する力を失うことによって天井カバー14をヒンジ15を回転軸として回転し、「開」状態とする。停電時に天井カバー14が開くと、停電灯13は自重によって停電灯収納室12を出てかご室1に向かって所定の距離を降下する。停電灯支持部材17は、停電灯13に固定され、停電灯13が降下する距離を調整可能な構成を有する。停電灯13は、この停電灯支持部材17によって、自重で降下する際の距離が調整されるため、かご室1の内部に脱落することが無い。
【0023】
図5Bは実施例1の停電灯支持部材を模式的に示す分解斜視図であり、図5Cは実施例1の停電灯収納室に設けられた貫通孔を示す模式図である。図5Bに示すように、本実施例の停電灯支持部材17は、第1の部材17aと第2の部材17bで構成される。第1の部材17aは直角に連結された2つの板状部材170,171を有する。同様に、第2の部材17bは直角に連結された2つの板状部材172,173を有する。
【0024】
図5Aに示すように、第1の部材17aの一方の板状部材170に停電灯13が固定される。また、図5Cに示すように、停電灯収納室12には、第1の部材17aの他方の板状部材171が貫通する貫通孔19が設けられている。
【0025】
第2の部材17bの一方の板状部材172は、貫通孔19を貫通した第1の部材17aの板状部材171に固定される。固定方法について特に限定はなく、例えばボルト締結によって固定することができる。
【0026】
図6は実施例1の停電灯装置(停電時)の断面を示す模式図である。第2の部材17bの他方の板状部材173は、停電時に停電灯13の降下とともに所定の距離(図5Aの距離L)を降下し、停電灯収納室12に衝突して停電灯13の降下を停止する。すなわち、停電灯13は、通電時は、閉じた天井カバー14によって支持されて停電灯収納室12に収納されるが、天井カバー14が開くと、自重によって降下する。このとき、停電灯支持部材17を構成する第1の部材17aの板状部材171は貫通孔19に沿って(貫通孔19をガイドとして)停電灯13とともに降下する。そして、図6に示すように停電灯支持部材17を構成する第2の部材17bの板状部材173(図5Aの停電灯支持部材上面折り曲げ部18)が停電灯収納室12に衝突することで、停電灯13及び停電灯支持部材17の降下を停止することができる。
【0027】
本発明によれば、通電時には、停電灯13は、かご室1の天井7と一体となった天井カバー14によって隠されているため、かご室1の内部の意匠性を損なうことはない。また、停電時には、停電灯13が降下するため、かご室に必要な照度を確保することができる。本発明は、照明灯の数を増やさなくても十分な照度を得ることができるため、天井7の設計が制限されることが無く、かご室の意匠性を損なうことは無い。さらに、停電灯13は自重によって降下するため、停電灯13を駆動するための駆動装置を設ける必要がなく、コストを抑えることができる。
【0028】
本実施例の停電灯支持部材17は、バランスを保つために断面がコの字になるように構成されているが、このような形状に限定されることはなく、停電灯13を安定して支持することができ、停電灯13とともに降下することができるものであれば、どのような形状であってもよい。
【0029】
貫通孔19には、緩衝材が設けられていてもよい。貫通孔19に緩衝材を設けることで、停電灯支持部材17が貫通孔を滑りながら降下するときの振動や騒音を吸収して低減することができる。緩衝材としては、例えばフェルトやスポンジを用いることができる。
【実施例2】
【0030】
図7は実施例2の停電灯装置(停電時)の断面を示す模式図である。実施例2の停電灯装置21は、停電灯支持部材の構成が実施例1と異なる。実施例2の停電灯支持部材23は、停電灯13を固定する停電灯固定部材22と、一端が停電灯固定部材22に固定され、他端が停電灯収納室12の天井に設けられた貫通孔19を貫通する棒状部材(ロッド)24と、棒状部材24の、貫通孔19を貫通した他端に設けられたダブルナット25を有する。棒状部材24の表面には、ダブルナット25が嵌合する溝が切られており、溝が切られている範囲で棒状部材24におけるダブルナット25の位置を自由に変えることができる。
【0031】
本実施例では、ダブルナット25の位置を調整することで、停電灯13の降下距離を自由に調整することができる。エレベーターの設置されている現地にて何らかの理由で停電灯の照度が不足する可能性がある場合は、現地にて棒状部材24におけるダブルナット25の位置を変え、停電灯13の降下距離を増やすことができる。このように、本実施例では、停電灯と床面との距離を変えることで、停電灯の照明の強さを調整することができる。
【実施例3】
【0032】
図8は実施例3の停電灯装置(停電時)の断面を示す模式図である。実施例3の停電灯装置26において、停電灯支持部材27は、停電灯13を固定する停電灯固定部材28と、一端が停電灯固定部材28に固定され、他端が停電灯収納室12に固定された紐状部材29で構成されている。停電灯13の降下距離は、紐状部材29の長さを変えることによって調整することができる。本実施例では、実施例1及び実施例2のように停電灯収納室12に貫通孔19を設ける必要が無く、停電灯13を所定の距離降下させることができる。紐状部材29としては、例えばロープや鎖を用いることができる。
【0033】
以上、説明したように、本発明によれば、かご室内の意匠性を損なうことなく、停電時にかご室内の必要照度を確保できる停電灯装置を備えたエレベーターを提供することができることが示された。
【0034】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0035】
1…かご室、2…かご枠、3…乗りかご、4…釣り合いおもり、5…ロープ、6…巻き上げ機、60…綱車、7…天井、8…側板、9…照明装置、10…天井遮蔽板、11,21,26…停電灯装置、12,40…停電灯収納室、13,41…停電灯、14…天井カバー、15…ヒンジ、16…電磁石、17,23,27…停電灯支持部材、17a…第1の部材、17b…第2の部材、18…停電灯支持部材上面折り曲げ部、19…貫通孔、20…緩衝材、22,28…停電灯固定部材、24…棒状部材(ロッド)、25…ダブルナット、29…紐状部材、30,31…照明領域、100…エレベーター。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8