特許第6783251号(P6783251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6783251
(24)【登録日】2020年10月23日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】蒸気圧縮システム用の自動調整弁
(51)【国際特許分類】
   F25B 41/06 20060101AFI20201102BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20201102BHJP
   F25B 43/00 20060101ALI20201102BHJP
   F25B 41/00 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
   F25B41/06 A
   F25B1/00 389A
   F25B1/00 101E
   F25B1/00 311B
   F25B43/00 A
   F25B41/00 C
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-560958(P2017-560958)
(86)(22)【出願日】2016年5月13日
(65)【公表番号】特表2018-515738(P2018-515738A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(86)【国際出願番号】EP2016060862
(87)【国際公開番号】WO2016188776
(87)【国際公開日】20161201
【審査請求日】2019年5月13日
(31)【優先権主張番号】15169552.5
(32)【優先日】2015年5月28日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505462622
【氏名又は名称】ダンフォス アクチ−セルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ビアゲロン,ミケール
【審査官】 石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−229497(JP,A)
【文献】 米国特許第04014182(US,A)
【文献】 米国特許第04442680(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0167601(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00−49/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機ユニット(2)、放熱用熱交換器(4)、エゼクタ(5)、レシーバ(6)、膨張装置(7)、蒸発器(8)及び弁(9)を備えたサイクルを有し、このサイクル内で冷媒を循環する蒸気圧縮システム(1)であって、前記弁(9)は、
前記レシーバ(6)の気体出口(11)に接続されるように配置される第1の入口(13)と、
前記蒸発器(8)の出口に接続されるように配置される第2の入口(14)と、
前記圧縮機ユニット(2)の入口に接続されるように配置される第1の出口(15)と、
− 前記第2の入口(14)から前記第1の出口(15)に向かう流体流れを可能にするが、前記第1の出口(15)から前記第2の入口(14)に向かう流体流れを阻止するように配置される逆止め弁装置(19)と、
− 前記第1の入口(13)から前記第1の出口(15)に向かう流体流れを制御するように配置される制御弁機構(20)と
を備え
前記制御弁機構(20)は、前記第1の入口(13)で優勢な圧力と前記第2の入口(14)で優勢な圧力との間の圧力差に応答して自動的に動作される、蒸気圧縮システム(1)で使用するための弁(9)。
【請求項2】
前記制御弁機構(20)は、前記第1の入口(13)および前記第1の出口(15)を相互接続する開口(22)に対して移動可能に配置される可動弁体(21)を備え、前記開口(22)に対する前記可動弁体(21)の位置は、前記開口(22)の開度と、それにより前記第1の入口(13)から前記第1の出口(15)に向かう流体流れとを決定する、請求項1に記載の弁(9)。
【請求項3】
前記可動弁体(21)は、前記開口(22)のゼロ開度を規定する位置に向けて付勢される、請求項2に記載の弁(9)。
【請求項4】
前記可動弁体(21)は、前記開口(22)に対する摺動移動を実行するように配置される、請求項2または3に記載の弁(9)。
【請求項5】
前記逆止め弁装置(19)は、閉じるように配置され、それにより、前記第1の出口(13)で優勢な圧力が前記第2の入口(14)で優勢な圧力を超える場合に、前記第1の出口(15)から前記第2の入口(14)に向かう流体流れを阻止する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の弁(9)。
【請求項6】
前記逆止め弁装置(19)は、前記第1の出口(15)で優勢な圧力が前記第2の入口(14)で優勢な圧力を超える場合に、前記第2の入口(14)から前記第1の出口(15)に向かう流体流れを阻止するようにさらに配置される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の弁(9)。
【請求項7】
エゼクタ(5)の二次入口(17)に接続されるように配置される第2の出口(16)をさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の弁(9)。
【請求項8】
前記第2の入口(14)を通って前記弁(9)に入る冷媒を液体部分と気体部分とに分離するように配置されるセパレータ(24)をさらに備え、前記セパレータ(24)は、前記第2の入口(14)と、前記逆止め弁装置(19)と、前記第2の出口(16)との間に配置される、請求項7に記載の弁(9)。
【請求項9】
1つまたは複数の圧縮機(3)を備える圧縮機ユニット(2)と、放熱用熱交換器(4)と、エゼクタ(5)と、レシーバ(6)と、膨張装置(7)と、冷媒経路に配置される蒸発器(8)とを備え、前記放熱用熱交換器の出口は、前記エゼクタ(5)の一次入口(12)に接続され、および前記エゼクタ(5)の出口は、前記レシーバ(6)に接続される、蒸気圧縮システム(1)であって、
請求項1〜のいずれか一項に記載の弁(9)をさらに備え、前記弁(9)の前記第1の入口(13)は、前記レシーバ(6)の気体出口(11)に接続され、前記弁の前記第2の入口(14)は、前記蒸発器(8)の出口に接続され、および前記弁(9)の前記第1の出口(15)は、前記圧縮機ユニット(2)の入口に接続される、蒸気圧縮システム(1)。
【請求項10】
前記弁(9)は、第2の出口(16)をさらに備え、前記弁(9)の前記第2の出口(16)は、前記エゼクタ(5)の二次入口(17)に接続される、請求項9に記載の蒸気圧縮システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エゼクタを備える種類のものである蒸気圧縮システム用の弁に関する。本発明による弁は、弁の個別の制御を必要とせずに、蒸気圧縮システムのレシーバと、蒸発器と、エゼクタと、圧縮機ユニットとの間の冷媒流れを制御することが可能である。本発明は、そのような弁を備える蒸気圧縮システムにさらに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの蒸気圧縮システムでは、エゼクタは、放熱用熱交換器に対して下流の位置で冷媒経路に配置される。それにより、放熱用熱交換器から出た冷媒は、エゼクタの一次入口に供給される。蒸気圧縮システムの蒸発器から出た冷媒は、エゼクタの二次入口に供給されてもよい。
【0003】
エゼクタは、ベンチュリ効果を使用するポンプの一種であり、エゼクタの駆動口(すなわち、一次入口)に供給される駆動流体により、エゼクタの吸込口(すなわち、二次入口)における流体の圧力エネルギを増加させる。それにより、説明されたように冷媒経路にエゼクタを配置することによって冷媒に仕事を実行させ、それにより、蒸気圧縮システムの消費電力は、エゼクタが設けられない状況と比較して減少する。蒸発器から出た冷媒のうちの可能な限り多くの部分がエゼクタの二次入口に供給できることが望ましい。
【0004】
エゼクタの出口は、通常、液体冷媒が気体冷媒から分離されるレシーバに接続される。冷媒の液体部分は、膨張装置を通って蒸発器に供給される。冷媒の気体部分は、圧縮機に供給されてもよい。それにより、冷媒の気体部分は、膨張装置によってもたらされる圧力低下を受けず、したがって、冷媒を圧縮するために必要とされる仕事を減らすことができる。
【0005】
夏期などの外気温度が高いとき、放熱用熱交換器から出た冷媒の温度および圧力は比較的高い。この場合、エゼクタは良好に機能し、蒸発器から出た冷媒のすべてをエゼクタの二次入口に供給し、気体冷媒をレシーバからのみ圧縮機に供給することが有利である。蒸気圧縮システムがこのように動作される場合、それは「夏期モード」と呼ばれることもある。
【0006】
他方、冬期などの外気温度が低いとき、放熱用熱交換器から出た冷媒の温度および圧力は比較的低い。この場合、エゼクタは良好に機能しておらず、蒸発器から出た冷媒をエゼクタの二次入口の代わりに圧縮機に供給することが有利である。蒸気圧縮システムがこのように動作される場合、それは「冬期モード」と呼ばれることもある。
【0007】
外気温度が、「夏期モード」動作条件に対応するとみなされ得る温度状況から、「冬期モード」動作条件に対応するとみなされ得る温度状況に変わるとき(またはその逆に変わるとき)、蒸気圧縮システムも「夏期モード」での動作から「冬期モード」での動作に切り替わる(またはその逆に切り替わる)ことを保証できることが望ましい。
【0008】
米国特許出願公開第2012/0167601A1号明細書は、エゼクタサイクルを開示している。放熱用熱交換器は、圧縮された冷媒を受け取るために圧縮機に連結される。エゼクタは、放熱用熱交換器、二次入口、および出口に連結される一次入口を有する。セパレータは、エゼクタの出口、ガス出口、および液体出口に連結される入口を有する。システムは、第1のモードと第2のモードとの間で切り替えることができる。第1のモードにおいて、吸熱用熱交換器から出た冷媒はエゼクタの二次入口に供給される。第2のモードにおいて、吸熱用熱交換器から出た冷媒は圧縮機に供給される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
エゼクタを備える蒸気圧縮システムで使用するための弁であって、エゼクタが外気温度に関係なく効率的に動作することを自動的に保証することが可能である弁を提供することが本発明の実施形態の目的である。
【0010】
エゼクタを備える蒸気圧縮システムであって、外気温度に関係なくエゼクタの効率的な動作が保証される、蒸気圧縮システムを提供することが本発明の実施形態のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様によると、本発明は、蒸気圧縮システムで使用するための弁を提供し、この弁は、
− レシーバの気体出口に接続されるように配置される第1の入口と、
− 蒸発器の出口に接続されるように配置される第2の入口と、
− 圧縮機ユニットの入口に接続されるように配置される第1の出口と、
− 第2の入口から第1の出口に向かう流体流れを可能にするが、第1の出口から第2の入口に向かう流体流れを阻止するように配置される逆止め弁装置と、
− 第1の入口から第1の出口に向かう流体流れを制御するように配置される制御弁機構と
を備える。
【0012】
第1の態様によると、本発明は、蒸気圧縮システムで使用するための弁を提供する。本明細書において、用語「蒸気圧縮システム」は、冷媒などの流体媒体の流れが循環し、交互に圧縮、膨張し、それにより体積の冷凍または加熱を提供する任意のシステムを意味するように解釈されなければならない。したがって、蒸気圧縮システムは、冷蔵システム、空調システム、ヒートポンプなどでもよい。
【0013】
弁は、第1の入口と、第2の入口と、第1の出口とを備える。第1の入口は、レシーバの気体出口に接続されるように配置され、第2の入口は、蒸発器の出口に接続されるように配置され、および第1の出口は、圧縮機ユニットの入口に接続されるように配置される。したがって、弁は、レシーバの気体出口からおよび蒸発器からそれぞれ第1および第2の入口を通して冷媒を受け取り、かつ第1の出口を通して冷媒を圧縮機ユニットの入口に送るように配置される。したがって、弁は、圧縮機ユニットに向かう冷媒の流れを制御するように配置され、それは、圧縮機ユニットに供給される冷媒をレシーバの気体出口からおよび/または蒸発器の出口からどの程度受け取るかの制御を含む。
【0014】
弁は、第2の入口から第1の出口に向かう流体流れを可能にするが、第1の出口から第2の入口に向かう流体流れを阻止するように配置される逆止め弁装置をさらに備える。したがって、蒸発器の出口から第2の入口を通って弁で受け取られる冷媒は、逆止め弁装置を通り、第2の出口を通って弁から出ることが可能であり、それにより圧縮機ユニットの入口に供給される。しかしながら、レシーバの気体出口から第1の入口を通って弁で受け取られる冷媒は、逆止め弁装置を通ることができず、それにより第2の入口に達することが阻止される。したがって、レシーバの気体出口から受け取る冷媒は、第1の出口を通って圧縮機ユニットの入口に向けて弁から出ることのみ可能であり、圧縮機ユニットの入口から蒸発器の出口に向かう逆方向の流れは阻止される。
【0015】
弁は、第1の入口から第1の出口に向かう流体流れを制御するように配置される制御弁機構をさらに備える。したがって、制御弁機構は、レシーバの気体出口から圧縮機ユニットの入口までの弁を通る冷媒流れを制御する。制御弁機構により、弁は、任意のさらなる構成要素の必要なしに、圧縮機ユニットの入口に供給される冷媒がレシーバの気体出口からおよび/または蒸発器の出口からどの程度発生するかの制御が可能である。したがって、弁は、圧縮機ユニットに供給される冷媒が、レシーバの気体出口からおよび蒸発器の出口からそれぞれ受け取る冷媒の適切な混合物であることを容易に保証できる内蔵ユニットとみなすことができる。これは、蒸気圧縮システムが外気温度に関係なく効率的に動作されることを保証する容易かつ信頼性の高い方法であるため、これは利点である。
【0016】
制御弁機構は、第1の入口で優勢な圧力と第2の入口で優勢な圧力との間の圧力差に応答して自動的に動作されてもよい。本実施形態によると、レシーバの気体出口からおよび蒸発器の出口からそれぞれ受け取る冷媒の適切な混合物は、第1および第2の入口で優勢な圧力に従って自動的に得られ、それにより一般的な動作条件に従って得られる。それにより、圧縮機ユニットの入口への冷媒の供給が、蒸気圧縮システムのさまざまな部分で優勢な圧力および一般的な外気温度を含む、一般的な動作条件に従うことが自動的に得られ、したがって、蒸気圧縮システムの効率的な動作が、一般的な外気温度を含む一般的な動作条件に関係なく、弁のアクティブ制御の必要なしに自動的に得られる。
【0017】
制御弁機構は、純粋に機械的な方法および/または受動的な方法で、すなわち、制御弁機構を能動的に制御するソフトウェアの必要なしに動作させることができる。たとえば、制御弁機構にわたる圧力差の変化により、制御弁機構の1つまたは複数の機械的部分を移動させて、それにより制御弁機構を動作させてもよい。代案として、制御弁機構は、たとえば、制御弁機構を制御するためのソフトウェアを使用して少なくとも部分的に能動的に制御してもよい。
【0018】
たとえば、夏期などの外気温度が比較的高いとき、レシーバの圧力は、比較的高いと予想しなければならない。それにより、レシーバの気体出口に接続される弁の第1の入口で優勢な圧力も高くなる。これにより、第1の入口で優勢な圧力と第2の入口で優勢な圧力との間の圧力差は比較的高くなる可能性が高い。この高い圧力差により、制御弁機構は、レシーバの気体出口から圧縮機ユニットの入口まで弁を通して供給される冷媒の量が増加するように自動的に動作される。したがって、この場合、蒸気圧縮システムが「夏期モード」で動作されることが自動的に得られる。
【0019】
他方で、冬期などの外気温度が比較的低いとき、レシーバの圧力と、それにより弁の第1の入口で優勢な圧力とは、比較的低いと予想しなければならない。これにより、第1の入口で優勢な圧力と第2の入口で優勢な圧力との間の圧力差は比較的低くなる可能性が高い。この低い圧力差により、制御弁機構は、レシーバの気体出口から圧縮機ユニットの入口まで弁を通して供給される冷媒の量が減少し、できる限り冷媒がレシーバの気体出口から圧縮機ユニットの入口まで供給されないように自動的に動作される。代わりに、圧縮機ユニットに供給される冷媒は、単にまたは主として蒸発器の出口から発生する。したがって、この場合、蒸気圧縮システムが「冬期モード」で動作されることが自動的に得られる。
【0020】
要約すると、本実施形態により、蒸気圧縮システムは、適切な場合に「夏期モード」による動作と「冬期モード」よる動作との間で自動的に切り替わる。さらに、この切替えは段階的にかつ滑らかに行うことができる。
【0021】
制御弁機構は、第1の入口および第1の出口を相互接続する開口に対して移動可能に配置される可動弁体を備えてもよく、開口に対する可動弁体の位置は、開口の開度と、それにより第1の入口から第1の出口に向かう流体流れとを決定する。本実施形態によると、第1の入口から第1の出口に向かう流体流れは、開口に対して可動弁体を移動させ、それにより開口の開度を調整することによって制御される。これは、制御弁を制御する容易な方法である。
【0022】
可動弁体の移動は、能動的な方法で実行されてもよい。代案として、可動弁体の移動は、たとえば、上記のように、第1の入口で優勢な圧力と第2の入口で優勢な圧力との間の圧力差に応答する受動的な方法で実行されてもよい。
【0023】
可動弁体は、開口のゼロ開度を規定する位置に向けて付勢されてもよい。本実施形態によると、開口は、通常、閉じられており、開口を開けるために、すなわち、開口の開度を増加させるように可動弁体を移動するために仕事が必要である。付勢は、たとえば、可動弁体を閉位置に向けて押す圧縮可能ばねなどのばねによって提供されてもよい。可動弁体は、たとえば、可動弁体にわたる圧力差によって付勢力に対抗して押されてもよい。
【0024】
代案として、可動弁体は付勢されなくてもよく、または開口の最大開度を規定する位置に向けて付勢されてもよい。
【0025】
可動弁体は、開口に対する摺動移動を実行するように配置されてもよい。本実施形態によると、可動弁体によって覆われている開口の領域が可変であるように、可動弁体は開口の前で摺動する。開口の覆いのない部分は、開口の開度を規定する。可動弁体は、有利には、この場合、円板形状を有してもよい。
【0026】
代案として、可動弁体は、開口に向かう方向および離れる方向に移動可能でもよく、その場合、開口は弁体に対する従来の弁座を形成してもよい。この場合、弁体は、開口に入るように配置される円形または円錐形の形状を有してもよく、それにより開度を規定する際に開口と協働する。
【0027】
逆止め弁装置は、閉じるように配置されてもよく、それにより、第1の出口で優勢な圧力が第2の入口で優勢な圧力を超える場合に、第1の出口から第2の入口に向かう流体流れを阻止する。本実施形態によると、逆止め弁装置は、それぞれ第1の出口および第2の入口で優勢な圧力に基づいて自動的に動作される。したがって、第1の出口で優勢な圧力が第2の入口で優勢な圧力を超える場合、逆止め弁装置は自動的に閉まり、第1の出口から第2の入口に向かう逆方向の流れと、それにより蒸発器の出口に向かう流れとは自動的に阻止される。
【0028】
逆止め弁装置は、第1の出口で優勢な圧力が第2の入口で優勢な圧力を超える場合に、第2の入口から第1の出口に向かう流体流れを阻止するようにさらに配置されてもよい。本実施形態によると、第1の出口で優勢な圧力が第2の入口で優勢な圧力を超える場合、冷媒は、第2の入口から第1の出口に向かう方向に逆止め弁を通ることが阻止される。これは、たとえば、単に第1の出口で優勢なより高い圧力によって得られてもよく、すなわち、冷媒は、逆止め弁を通るために、より高い圧力を有する領域に向けて流れなければならない。それにより、冷媒は、この場合、弁を通って蒸発器の出口から圧縮機ユニットの入口へ通り過ぎることができない。したがって、蒸発器から出た冷媒は、圧縮機ユニットの入口に供給されず、圧縮機ユニットは、レシーバの気体出口から冷媒を受け取るのみである。蒸発器から出た冷媒は、たとえば、エゼクタの二次入口に供給されてもよく、それにより、蒸気圧縮システムは、この場合、「夏期モード」によって動作されてもよい。
【0029】
弁は、エゼクタの二次入口に接続されるように配置される第2の出口をさらに備えてもよい。本実施形態によると、弁は、エゼクタの二次入口に向かう冷媒の流れを制御するようにさらに配置される。それにより、弁は、蒸発器から出た冷媒のうちのどの程度を圧縮機ユニットの入口に供給するか、およびどの程度をエゼクタの二次入口に供給するかをさらに制御する。したがって、弁は、レシーバの気体出口および蒸発器の出口から冷媒を受け取り、圧縮機ユニットの入口およびエゼクタの二次入口に冷媒を供給する内蔵ユニットとみなされてもよい。冷媒が第1および第2の入口から第1および第2の出口まで弁を通ってどの程度流れるかは、基本的に上記の方法で制御弁機構および逆止め弁装置によって決まる。さらに、弁を通る冷媒流れの適切な制御は、任意のさらなる構成要素の必要なしに、場合により弁を能動的に制御する必要なしに得られ、一方、一般的な外気温度などの一般的な動作条件が考慮される。
【0030】
弁は、第2の入口を通って弁に入る冷媒を液体部分と気体部分とに分離するように配置されるセパレータをさらに備えてもよく、前記セパレータは、第2の入口と、逆止め弁装置と、第2の出口との間に配置される。本実施形態によると、蒸発器から出て弁の第2の入口に入る冷媒は、部分的に気体状態かつ部分的に液体状態でもよい。セパレータにおいて、冷媒は液体部分と気体部分とに分離される。冷媒の液体部分は、弁の第2の出口を通ってエゼクタの二次入口に供給され、冷媒の気体部分は、逆止め弁装置および弁の第1の出口を通って圧縮機ユニットの入口に少なくとも部分的に供給される。それにより、蒸発器は浸水してもよい、すなわち、液体冷媒が圧縮機ユニットの圧縮機に達するリスクなしに、液体冷媒が蒸発器を通過することが可能になる。それにより、蒸発器の潜在的な冷却能力をできる限り利用でき、それにより、圧縮機が損傷するリスクなしに、蒸気圧縮システムの効率を最大化することができるため、これは利点である。
【0031】
セパレータは、たとえば、サイクロンの形態でもよい。
【0032】
代替的な実施形態によると、弁は、第2の出口を備えなくてもよい。この場合、蒸気圧縮システムは、エゼクタが設けられない種類のものでもよい。この場合、弁は、たとえば、膨張機を備える蒸気圧縮システムで使用されてもよい。あるいは、蒸発器の出口は、弁の第2の入口と、直接的にエゼクタの二次入口とに接続されてもよい。この場合、弁は、蒸発器の出口からエゼクタの二次入口に向かう冷媒流れを制御するために直接的には使用されない。セパレータは、この場合、液体冷媒が第2の入口を通って弁に入ることはできないが、代わりにエゼクタの二次入口に供給されることを保証するために、蒸発器の出口と弁の第2の入口との間の冷媒経路に配置されてもよい。
【0033】
第2の態様によると、本発明は、1つまたは複数の圧縮機を備える圧縮機ユニットと、放熱用熱交換器と、エゼクタと、レシーバと、膨張装置と、冷媒経路に配置される蒸発器とを備える蒸気圧縮システムを提供し、放熱用熱交換器の出口は、エゼクタの一次入口に接続され、およびエゼクタの出口は、レシーバに接続され、ここで、蒸気圧縮システムは、本発明の第1の態様による弁をさらに備え、弁の第1の入口は、レシーバの気体出口に接続され、弁の第2の入口は、蒸発器の出口に接続され、および弁の第1の出口は、圧縮機ユニットの入口に接続される。
【0034】
本発明の第1の態様とともに説明される任意の特徴は、本発明の第2の態様とともに説明される可能性があり、逆も同じであることを当業者が容易に認識するであろうことに注目すべきである。
【0035】
本発明の第2の態様による蒸気圧縮システムは、1つまたは複数の圧縮機を備える圧縮機ユニットと、放熱用熱交換器と、エゼクタと、レシーバと、膨張装置と、蒸発器と、冷媒経路に配置される本発明の第1の態様による弁とを備える。
【0036】
冷媒は、圧縮機ユニットの圧縮機で圧縮され、圧縮冷媒は、放熱用熱交換器に供給される。放熱用熱交換器では、熱が冷媒から周囲に捨てられるように、冷媒と周囲との間で熱交換が行われる。放熱用熱交換器は凝縮器の形態でもよく、その場合、放熱用熱交換器を通過する冷媒は少なくとも部分的に凝縮される。代案として、放熱用熱交換器はガスクーラの形態でもよく、その場合、放熱用熱交換器を通過する冷媒は気相のままである。
【0037】
放熱用熱交換器から出た冷媒は、エゼクタの一次入口に供給され、エゼクタから出た冷媒はレシーバに供給される。レシーバでは、冷媒は液体部分と気体部分とに分離される。冷媒の液体部分は、レシーバの液体出口を通って、膨張弁の形態でもよい膨張装置に供給される。膨張装置を通過するとき、冷媒は、蒸発器に供給される前に膨張される。それにより、蒸発器に供給される冷媒は、液体冷媒と気体冷媒との混合物である。
【0038】
蒸発器では、熱が周囲から冷媒によって吸収されるように、冷媒と周囲との間で熱交換が行われ、同時に冷媒は少なくとも部分的に蒸発する。
【0039】
蒸発器から出た冷媒は、エゼクタの二次入口および/または弁の第2の入口に供給される。したがって、蒸発器から出た冷媒のすべてがエゼクタの二次入口に供給されてもよく、または蒸発器から出た冷媒のすべてが弁の第2の入口に供給されてもよく、または蒸発器から出た冷媒の一部がエゼクタの二次入口に供給され、かつ蒸発器から出た冷媒の一部が弁の第2の入口に供給されてもよい。
【0040】
弁に供給される冷媒は、基本的に上記のように、弁を通り過ぎ、弁の第1の出口を通って圧縮機ユニットの圧縮機に供給される。エゼクタの二次入口に供給される冷媒の圧力エネルギは、上記のようにレシーバに供給される前に増加する。
【0041】
レシーバの冷媒の気体部分は、弁の第1の入口に直接供給され、弁の第1の出口を通って圧縮機ユニットの圧縮機に供給される。
【0042】
したがって、冷媒経路を流れる冷媒は、圧縮機による圧縮および膨張装置による膨張が交互に行われ、一方、放熱用熱交換器および蒸発器で熱交換が行われる。それにより、加熱または冷却を提供することができる。
【0043】
上記のように、弁は、レシーバの気体出口および蒸発器の出口のそれぞれからエゼクタの二次入口および圧縮機ユニットの入口のそれぞれに向かう冷媒流れを制御する。
【0044】
弁は、第2の出口をさらに備えてもよく、および弁の第2の出口は、エゼクタの二次入口に接続されてもよい。本実施形態によると、蒸発器の出口からエゼクタの二次入口に向かう流体流れは、弁によって直接制御される。これは、本発明の第1の態様に関してすでに上で詳細に説明された。
【0045】
次に、添付図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の実施形態による蒸気圧縮システムの概略図である。
図2-6】本発明の第1の実施形態による弁の、さまざまな位置における断面図である。
図7-11】本発明の第2の実施形態による弁の、さまざまな位置における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、本発明の実施形態による蒸気圧縮システム1の概略図である。蒸気圧縮システム1は、多数の圧縮機3を備え、圧縮機ユニット2であって、そのうちの2つが示されている圧縮機ユニット2と、放熱用熱交換器4と、エゼクタ5と、レシーバ6と、膨張弁の形態の膨張装置7と、冷媒経路に配置される蒸発器8とを備える。蒸気圧縮システム1は、冷媒経路に配置される本発明の実施形態による弁9をさらに備える。
【0048】
レシーバ6は、冷媒を液体部分と気体部分とに分離するように配置され、レシーバ6は液体出口10と気体出口11とを備える。液体出口10は膨張装置7に接続される、すなわち、レシーバ6の冷媒の液体部分は、膨張装置7を通して蒸発器8に供給される。
【0049】
図1の蒸気圧縮システム1は、以下の方法で動作させてもよい。冷媒経路を流れる冷媒は、圧縮機ユニット2の圧縮機3によって圧縮され、圧縮冷媒は、放熱用熱交換器4に供給される。放熱用熱交換器4では、熱が冷媒から周囲に捨てられるように、放熱用熱交換器4を通過する冷媒と周囲との間で熱交換が行われる。放熱用熱交換器4が凝縮器の形態である場合、冷媒は少なくとも部分的に凝縮され、放熱用熱交換器4がガスクーラの形態である場合、冷媒は冷却されるが気相のままである。
【0050】
放熱用熱交換器4から出た冷媒は、エゼクタ5の一次入口12に供給され、ここで、冷媒は、レシーバ6に供給される前に膨張する。
【0051】
レシーバ6では、冷媒は、液体部分と気体部分とに分離される。冷媒の液体部分は、液体出口10を通って膨張装置7に供給される。膨張装置7は、冷媒が蒸発器8に供給される前に冷媒を膨張させる。蒸発器8に供給される冷媒は、液体と気体とが混合された状態である。
【0052】
レシーバ6の冷媒の気体部分は、レシーバ6の気体出口11を通って弁9の第1の入口13に供給される。
【0053】
蒸発器8では、冷媒の液体部分は少なくとも部分的に蒸発し、一方、熱が蒸発器8を通過する冷媒によって吸収されるように、冷媒と周囲との間で熱交換が行われる。蒸発器8から出た冷媒は、弁9の第2の入口14に供給される。したがって、弁9は、第1の入口13を通してレシーバ6の気体出口11からの冷媒を受け取り、第2の入口14を通して蒸発器8からの冷媒を受け取る。
【0054】
弁9は、圧縮機ユニット2の入口に接続される第1の出口15と、逆止弁18を通ってエゼクタ5の二次入口17に接続される第2の出口16とを備える。したがって、弁9は、第1の出口15を通して圧縮機ユニット2の圧縮機3に冷媒を供給し、第2の出口16を通してエゼクタ5の二次入口17に冷媒を供給する。
【0055】
上記のように、弁9は、逆止め弁装置(図示せず)と、制御弁機構(図示せず)とをさらに備える。それにより、弁9は、蒸発器8およびレシーバ6の気体出口11のそれぞれから圧縮機ユニット2およびエゼクタ5の二次入口17のそれぞれに向かう冷媒流れを、図2〜6に関してさらに詳細に以下で説明されるように制御する。
【0056】
図2〜6は、第1の実施形態による弁9の、さまざまな位置における断面図である。
【0057】
図2〜6の弁9は、第1の入口13と、第2の入口14と、第1の出口15と、第2の出口16とを備える。第1の入口13はレシーバの気体出口に接続可能であり、第2の入口14は蒸発器の出口に接続可能であり、第1の出口15は圧縮機ユニットの入口に接続可能であり、第2の出口16はエゼクタの二次入口に接続可能である。したがって、弁9は、レシーバの気体出口および蒸発器からそれぞれ第1の入口13および第2の入口14を通して冷媒を受け取り、圧縮機ユニットおよびエゼクタの二次入口にそれぞれ第1の出口15および第2の出口16を通して冷媒を供給する。
【0058】
弁9は、逆止め弁装置19と、制御弁機構20とをさらに備える。逆止め弁装置19は、第2の入口14から第1の出口15に向かう流体流れを可能にするが、第1の出口15から第2の入口14に向かう流体流れを阻止するように配置される。したがって、逆止め弁装置19は、第2の入口14を通して蒸発器から受け取った冷媒を、第1の出口15を通って圧縮機ユニットの入口に供給することを可能にするが、第1の入口13を通してレシーバの気体出口から受け取った冷媒が第2の入口14に向かって流れることを阻止し、それにより、第1の出口15から蒸発器に向かう逆方向の流れは阻止される。
【0059】
制御弁機構20は、第1の入口13から第1の出口15に向かう流体流れを制御するように配置される。制御弁機構20は、第1の入口13および第1の出口15を相互接続する開口22に対する摺動移動を実行するように配置される可動弁体21を備える。それにより、開口22に対する可動弁体21の位置が、第1の入口13から第1の出口15に向けて冷媒が流れることができる流路の断面積を規定する。
【0060】
ばね23は、可動弁体21と接触して配置され、それにより、可動弁体21が開口22全体を覆う位置に向けて、すなわち、開口22のゼロ開度を規定する位置に向けて可動弁体21を付勢する。可動弁体21は、ばね23によって提供される付勢力に対抗して移動してもよく、それにより、制御弁機構20にわたる差圧がばね23によって提供される付勢力を克服するほど十分に高いとき、開口22を開き、第1の入口13から第1の出口15に向かう冷媒の流れを可能にする。これは、以下でさらに説明される。
【0061】
図2において、第1の入口13で優勢な圧力と第2の入口14で優勢な圧力との圧力差は比較的低い。それにより、制御弁機構20にわたる差圧は、ばね23によって提供される付勢力を克服するほど十分に高くない。したがって、ばね23は、移動可能な弁部材21をそれが開口22全体を覆う位置に押し込む、すなわち、制御弁機構20は閉位置にあり、冷媒は、第1の入口13から第1の出口15に向けて通ることができない。
【0062】
逆止め弁装置19は開位置にある。それにより、蒸発器から第2の入口14を通って弁9に入る冷媒は、逆止め弁装置19を通過し、第1の出口15を通って弁9を出ることができる。さらに、冷媒は、第2の入口14から第2の出口16に向けて流れることもでき、それによりエゼクタの二次入口に供給される。
【0063】
図3において、第1の入口13で優勢な圧力は、図2の場合よりもわずかに高く、したがって、制御弁機構20にわたる差圧はわずかに高い。これにより、可動弁体21は、ばね23によって提供される付勢力に対抗してわずかに移動し、開口22を通る小さい流路が開けられる。したがって、一部の冷媒は、第1の入口13から第1の出口15に向けて通過できる。
【0064】
逆止め弁装置19は依然として開位置であり、第2の入口14から第1の出口15に向けた冷媒の流れを可能にする。
【0065】
図4において、第1の入口13で優勢な圧力はさらに増加し、それにより、ばね23によって提供される付勢力に対抗して可動弁体21をさらに少し移動させ、それにより開口22をさらに少し開き、さらに多くの冷媒が第1の入口13から第1の出口15に向けて通過できる。逆止め弁装置19は依然として開位置である。
【0066】
図5において、可動弁体21は、図4の場合と同じ位置にある。開口22を通る増加した冷媒流れは、図3に図示された状況と比較して、開口22と第1の出口15との間の領域で優勢な圧力を増加させた。圧力のこの増加により、逆止め弁装置19は閉位置の方に移動された。それにより、第1の出口15から第2の入口14に向かう冷媒の流れは阻止される、すなわち、第1の入口13を通してレシーバの気体出口から受け取った冷媒は、第2の入口14を通って蒸発器に向けて流れることができない。
【0067】
さらに、逆止め弁装置19が閉位置にあるとき、図5に示されるように、第2の入口14から第1の出口15に向かう流体流れも阻止される。したがって、蒸発器の出口から第2の入口14を通って受け取られる冷媒のすべてが、第2の出口16を通って弁9から出なければならず、それによりエゼクタの二次入口に供給される。
【0068】
図6において、第1の入口13で優勢な圧力はさらに一層増加し、それにより、可動弁体21と開口22との間の重なりがない位置に可動弁体21を移動させる。したがって、制御弁機構20は完全開位置にある。逆止め弁装置19は依然として閉位置である。
【0069】
図2〜6に図示される弁9において、第2の入口14における弁9の設計は、それがセパレータ24として動作するようになっている。したがって、第2の入口14を通って弁9に入る冷媒は、気体部分と液体部分とに分離される。冷媒の液体部分は、重力のために第2の出口16に向かって流れ、それによりエゼクタの二次入口に自動的に供給される。しかしながら、冷媒の気体部分の少なくとも一部は、第1の出口15に向けて逆止め弁装置19を通過してもよく、それにより、逆止め弁装置19が開位置にある範囲内において、圧縮機ユニットの入口に供給される。それにより、液体冷媒が蒸発器を通過できても、液体冷媒が圧縮機ユニットの入口に供給されないことが保証される。
【0070】
図7〜11は、第2の実施形態による弁9の、さまざまな位置における断面図である。図7〜11の弁9は、図2〜6の弁9に非常に類似しており、したがって、それはここでは詳細に説明しない。
【0071】
図7〜11の弁9には第2の出口が設けられていない。したがって、第1の入口13および第2の入口14を通って弁9に入る冷媒はすべて、第1の出口15を通って弁9から出なければならず、それにより圧縮機ユニットの入口に供給される。代わりに、冷媒経路は、有利には、蒸発器の出口と弁9の第2の入口15との間に配置され、蒸発器の出口からエゼクタの二次入口への流体通路を提供する分岐を備えてもよい。
【0072】
図7の制御弁機構20および逆止め弁装置19の位置は、図2の制御弁機構20および逆止め弁装置19の位置に対応する。図8の制御弁機構20および逆止め弁装置19の位置は、図3の制御弁機構20および逆止め弁装置19の位置に対応する。図9の制御弁機構20および逆止め弁装置19の位置は、図4の制御弁機構20および逆止め弁装置19の位置に対応する。図10の制御弁機構20および逆止め弁装置19の位置は、図5の制御弁機構20および逆止め弁装置19の位置に対応する。図11の制御弁機構20および逆止め弁装置19の位置は、図6の制御弁機構20および逆止め弁装置19の位置に対応する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11