(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一作用点が、前記発電補助部と前記発電部本体との吸着面の中央部から離間した位置で前記発電補助部に当接する請求項2または請求項3に記載の壁付用遠隔操作機器。
前記ガイド部は、前記発電補助部と前記発電部本体との前記磁力による吸着面に対して傾斜するように形成されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の壁付用遠隔操作機器。
前記発電補助部の端部の挿入方向から見たとき、前記挿入部内に前記ガイド部と点対称となるように傾斜した傾斜部が設けられている請求項6に記載の壁付用遠隔操作機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
遠隔操作機器が公共施設等で使用される場合、使用頻度が高い。そのため、遠隔操作機器には、耐久性能が求められる。また、公共施設等では、子供や高齢者も遠隔操作機器を使用するため、スイッチの操作時の操作が容易であること、使用感が軽いことが望まれる。
【0007】
特許文献1に開示の技術では、発電ユニットが入力部により押圧されることで電力を発生させる。押圧力で発電ユニットが発電する場合、発電ユニットを押圧して発電させた後、入力部を元の位置に戻す必要がある。入力部を手動で元の位置に戻す場合、使用者の操作回数が増え、使用者が手順を理解する必要があり、煩雑となる。一方、入力部を自動的に元の位置に戻す場合、機構が複雑になり装置も大型になる。
【0008】
また、発電ユニットにおいて、入力部と発電部との間に磁石を設け、発電時に入力部を発電部に吸着させる場合がある。この場合、入力部を元の位置に戻すための大きな力が必要となる。そのため、入力部を元の位置に戻す度に入力部に大きな負荷が掛かり、入力部に耐久性に影響を与える。また、入力部を動かすためのスイッチの操作時の使用感が重くなる。
【0009】
上記事情を踏まえ、本発明は、発電部を備える遠隔操作機器において、簡便な構成且つ操作時の使用感に優れた壁付用遠隔操作機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る壁付用遠隔操作機器は、壁面に取り付け可能な筐体と、前記筐体に取り付けられた操作スイッチと、前記筐体内に配置され、前記操作スイッチの操作により連動して移動する発電補助部と、前記発電補助部の移動により発電する発電部本体とを備え、前記発電補助部と前記発電部本体とが磁力により吸着離反可能である発電ユニットと、前記発電補助部に当接し、前記操作スイッチの操作入力を前記発電補助部に伝達して前記発電補助部を移動させる伝達部材と、を備え、前記伝達部材と前記発電補助部との当接部に、前記発電補助部と前記発電部本体との吸着解除をガイドするガイド部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、伝達部材と発電補助部との当接部に、発電補助部と発電部本体との吸着解除をガイドするガイド部が設けられているため、磁力により吸着された発電部本体と発電補助部とを円滑に吸着解除させるようにガイドできる。したがって、発電部を備え、磁力により吸着可能な遠隔操作機器において、ガイド部が発電部本体への吸着解除をガイドするため、可動部材である発電補助部の磁力による吸着状態を解除する際に、発電補助部に過剰な反力が負荷されることを防ぐことができる。したがって、発電部本体と発電補助部とが磁力により吸着されても、容易に発電補助部の吸着状態を解除できる。この結果、操作性及び耐久性に優れた壁付用遠隔操作機器を提供できる。
【0012】
本発明に係る壁付用遠隔操作機器では、前記ガイド部は、前記発電補助部の移動方向において前記ガイド部のうち前記発電補助部に最も近い位置に配設される第一作用点を備え、前記伝達部材は、前記第一作用点を前記発電補助部に当接させながら前記発電補助部を移動させることにより、前記発電補助部への力の伝達を偏向させてもよい。
【0013】
この発明によれば、ガイド部の第一作用点により、伝達部材の移動による力を偏向させて発電補助部へ伝達できる。したがって、少ない力で発電補助部の吸着状態を容易に解除できる。
【0014】
本発明に係る壁付用遠隔操作機器では、前記第一作用点が、前記発電補助部の移動方向の直交方向における前記発電補助部の端部に当接してもよい。
【0015】
この発明によれば、発電補助部の移動方向の直交方向における発電補助部の端部に第一作用点が当接するため、伝達部材の移動時に、発電補助部の端部に力が作用し、伝達部材の移動による力を偏向させて発電補助部へ伝達できる。この結果、先に、発電補助部の端部に発電補助部と発電部本体との磁力による吸着を解除する力が作用し、少ない力で発電補助部の吸着状態を解除できる。
【0016】
本発明に係る壁付用遠隔操作機器では、前記第一作用点が、前記発電補助部と前記発電部本体との吸着面の中央部から離間した位置で前記発電補助部に当接してもよい。
【0017】
この発明によれば、発電補助部と発電部本体との吸着面の中央部から離間した位置に対して最も強い力を付与することができる。この結果、先に、発電補助部の端部に発電補助部と発電部本体との磁力による吸着を解除する力が作用し、少ない力で発電補助部の吸着状態を解除できる。
【0018】
本発明に係る壁付用遠隔操作機器では、前記ガイド部は、前記発電補助部と前記発電部本体との前記磁力による吸着面に対して傾斜するように形成されていてもよい。
【0019】
この発明によれば、ガイド部は、磁力による発電補助部と発電部本体との吸着面に対して傾斜するように形成されているため、磁力により発電部本体に吸着された発電補助部の吸着を円滑に解除する方向への移動をガイドできる。つまり、磁力により吸着している発電補助部を、吸着面の端部から離間させるように力が伝達される。その結果、ガイド部により、発電補助部を磁力に抗して発電部本体から離間する方向に円滑に離間させることができる。したがって、磁力による吸着力と反対側に発電補助部を移動させる際に、発電補助部あるいは伝達部材に過剰な力が負荷されることを防ぎ、部品の耐久性を確保できる。
【0020】
本発明に係る壁付用遠隔操作機器では、前記伝達部材に前記発電補助部の端部が挿入される挿入部が形成されており、前記ガイド部は、前記挿入部内の前記発電補助部の端部が当接する位置に形成されていてもよい。
【0021】
この発明によれば、ガイド部は、挿入部内の発電補助部の端部が当接する位置されているため、伝達部材は、磁力により発電部本体に吸着された発電補助部の吸着をガイド部により解除できる。
【0022】
本発明に係る壁付用遠隔操作機器では、前記発電補助部の端部の挿入方向から見たとき、前記挿入部内に前記ガイド部と点対称となるように傾斜した傾斜部が設けられていてもよい。
【0023】
この発明によれば、発電補助部の端部の挿入方向から見たとき、ガイド部と点対称となる傾斜部が、挿入部内に設けられている。このため、伝達部材から発電補助部を磁力により吸着させる方向に力を加える際、発電補助部には、ガイド部から偏向して力が伝わる方向と対称となる方向から発電補助部に力を加えることができる。その結果、伝達部材の内外方向への連続移動により、発電補助部の歪みが防止され、発電補助部の耐久性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、発電部を備える遠隔操作機器において、簡便な構成且つ操作時の使用感に優れた壁付用遠隔操作機器を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態に係る壁付用遠隔操作機器(以下、「遠隔操作機器」と記す。)について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る遠隔操作機器1を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る遠隔操作機器の内部構造を示す正面図である。
図3は、本実施形態に係る遠隔操作機器の内部構造を示す斜視図である。
図4は、遠隔操作機器の筐体を示す斜視図である。
図5は、本実施形態に係る遠隔操作機器の内部構造を示す縦断面図である。
【0027】
本実施形態に係る遠隔操作機器1は、筐体2と、操作ボタン3(操作スイッチ)と、操作伝達機構10と、発電ユニット4と、基板5と、発信部6とを備える。
図1に示すように、本実施形態に係る遠隔操作機器1は、各部材が筐体2内に収容され、操作ボタン3が筐体2の外部に露出して配設された装置である。
【0028】
本実施形態では、筐体2は略直方体の外形状を有する。以降の説明では、遠隔操作機器1において、操作ボタン3が配置された面を正面と記載し、正面と平行に設けられた他面を背面と記載する。
【0029】
図1では記載を省略するが、操作ボタン3または操作ボタン3の周囲の正面には、使用者が遠隔操作機器1で行う操作について示す文字や記号が付される。遠隔操作機器1には上下の向きが設定され、文字や記号は上下方向に向きを合わせて表示される。本実施形態では、正面及び背面の長方形の長辺が上下方向となるように上下の向きが設定され、短辺側が幅方向となる例を示す。また、上記幅方向及び上下方向と直交する方向を奥行方向と記載する。
【0030】
筐体2は、
図1に示すように、背面2b側を構成する背面部材21と正面2f側を構成する正面部材22とで構成されている。背面部材21及び正面部材22はプラスチックからなる。
図3及び
図5に示すように、背面部材21は、背面2bの外周縁から奥行方向の正面側に向かって立設された側壁21Wが形成されており、内側に凹状の収容空間21Sが形成されている。
図2及び
図3に示すように、背面部材21の背面側には、遠隔操作機器1を建物、棚、家具などの壁面に取り付け可能な取付部215が適宜設けられている。遠隔操作機器1は、壁面に取り付けられた保持部材(不図示)に背面側の取付部215が係止されて保持される構成である。遠隔操作機器1は、壁面に直接固定される構成でも、着脱可能に取り付けられる構成でもよい。
【0031】
図4は、正面部材22を背面側から見た斜視図である。正面部材22は、正面2fの外周縁から奥行方向の背面側に向かって立設された側壁22Wが形成されており、内側に凹状の収容空間22Sが形成されている。また、正面部材22の正面2fには奥行方向に貫通する孔である開口部23が形成されている。開口部23の縁部から背面側に向かって支持壁231が形成されている。支持壁231の上部には、背面側端部から正面側に向かって凹形状の上凹部233が形成されている。支持壁231の下部には、背面側端部から正面側に向かって凹形状の下凹部232が形成されている。
【0032】
背面部材21と正面部材22とは、正面2f及び背面2bの各内面210、220同士(各収容空間21S、22S側の面同士)が対向配置され、各側壁21W、22W同士が接続されて、略直方体形状の筐体2を構成する。背面部材21及び正面部材22の各側壁21W、22Wは、筐体2が組み立てられた状態で、奥行方向の左右側面2r、2l及び上下側面2t、2uを構成する(
図1参照)。
【0033】
操作ボタン3は、開口部23に配設され、筐体2の内外方向(奥行方向)に移動可能に設けられている。
図6は、操作ボタン3の背面側を示す斜視図である。
図6に示すように、操作ボタン3は、押下部31と側壁32とにより略円柱形状に形成された部材である。押下部31は、平板円形状に形成され、使用者により押下される部分である。側壁32は、押下部31の周縁部から奥行方向に立設されている。
【0034】
操作ボタン3には、押下部31の背面側の面の中心部から奥行方向に突出する押込軸33が形成されている。
【0035】
側壁32の外周面には周方向外方に突出するリブ35が形成されている。側壁32の背面側の端部には、切欠部36と、2つの位置決め部37と、4つのばね係止部34とが形成されている。
【0036】
切欠部36は、側壁32の一部が奥行方向に切り欠いて形成されている。切欠部36とリブ35とは、押込軸33を挟んだ両側に配置されている。2つの位置決め部37は、切欠部36の周方向両側に、それぞれ径方向外方に突出して形成されている。
【0037】
ばね係止部34は、切欠部36とリブ35との間に2か所ずつ形成されている。ばね係止部34は、側壁32の背面側端面から正面側に奥行方向に窪む略円形の凹部341内に円柱形状の挿入ピン342が設けられている。挿入ピン342は、凹部341の底部から側壁32の背面側端面よりも背面側まで突出する位置まで延設されている。
図6に示すように、凹部341と挿入ピン342との間にばね12の端部が挿入される。
【0038】
図2に、操作ボタン3を仮想線で示す。
図2に示すように、操作ボタン3は、切欠部36が押込軸33の上側に配置され、リブ35が下側に配置されている。
図3に示すように、操作ボタン3は、正面部材22の背面側から開口部23に挿入されている。支持壁231の下凹部232(
図4参照)内にリブ35が配置されている。切欠部36は、2つの位置決め部37が上凹部233の縁部に当接するように配置される。2つの位置決め部37及びリブ35がそれぞれ上凹部233及び下凹部232に当接することにより、操作ボタン3が正面部材22に対して位置決めされる。具体的には、2つの位置決め部37及びリブ35がそれぞれ上凹部233及び下凹部232に当接することにより、正面部材22に対する操作ボタン3の周方向の位置が固定される。またリブ35により、操作ボタン3が正面側へ脱落することが防止される。
【0039】
発電ユニット4は、発電部本体41と、発電補助部42とを備える。発電部本体41は、背面部材21の内面210に固定されている。発電補助部42は、発電部本体41に対して、移動可能に取り付けられている部材である。発電補助部42は、筐体2に対して内外方向に移動し、発電部本体41に対して当接及び離反可能に設けられている。
【0040】
発電部本体41は、発電補助部42が発電部本体41に対して当接離反して発電部本体41に接触することにより発電する。
【0041】
図2、
図3、
図5及び
図8に示すように、発電補助部42は、一対のアーム43と連結部44と、駆動伝達部45とを備える略Y字形状の部材である。一対のアーム43が離間して下部が連結部44に連結され、連結部44の下方に駆動伝達部45が延設されている。一対のアーム43は発電部本体41の幅方向両側面に軸支されている。連結部44は磁性材料からなる。駆動伝達部45は、略U字形状の平板部材451が連結部44の下部から下方に延設され、平板部材451の下端部に立体形状の駆動伝達片452が設けられている。
図5及び
図8に示すように、駆動伝達片452の奥行方向の正面側には第一当接部453が設けられ、奥行方向の背面側には第二当接部454が設けられている(
図11参照)。
【0042】
発電部本体41と発電補助部42との間には永久磁石46が設けられ、永久磁石46の磁力により、発電補助部42が発電部本体41に吸着可能に設けられている。本実施形態では、発電部本体41側に永久磁石46が設けられ、発電補助部42の連結部44が磁力により吸着される。
【0043】
基板5は、筐体2内に収容され、発電ユニット4により発電された電力により動作する制御回路を有する。
図2及び
図5に示すように、基板5は、発電ユニット4の正面側に配置され、背面部材21に固定されている。
【0044】
発信部6は、不図示の電線を介して基板5と電気的に接続されている。発信部6は、基板5の制御回路により生成された信号を外部装置に発信するように構成されている。
【0045】
操作伝達機構10は、操作ボタン3の奥行方向(内外方向)への移動を発電ユニット4に伝達する機構である。操作伝達機構10は、操作ボタン3と発電ユニット4との間に設けられている。
図3に示すように、操作伝達機構10は、回動軸部8と、回動バー7(回動部材)と、伝達部材9とを備える。
【0046】
回動軸部8は、
図3及び
図5に示すように、背面部材21の収容空間21Sに設けられている。回動軸部8は、軸支部81と、回動軸82とを備える。軸支部81は、背面2bの内面210に、奥行方向の正面側に突出して設けられている。回動軸82は、幅方向に沿って、背面2bの内面210と平行に配設されて軸支部81に固定されている。
【0047】
回動バー7は、
図2、
図3及び
図5に示すように、細長い部材であり、長手方向の中央部に貫通孔71が形成されている。回動バー7は、貫通孔71を挟んで長手方向の両側に第一端部72と第二端部73とを有する。
図2に示すように、第一端部72は、貫通孔71の下方に配置され、下端部に正面側に向かって突出するボタン当接部74が形成されている。ボタン当接部74は、操作ボタン3との当接面が曲面形状である。ボタン当接部74が曲面形状であるため、操作ボタン3との摩擦が少なく、部品の耐久性に優れる。第二端部73は、貫通孔71の上側に配置され、上方向に向かって突出する曲面を有する挿入端75が形成されている。
【0048】
回動バー7は、貫通孔71に回動軸82が挿通されており、回動軸82周りに回動可能に回動軸部8に軸支されている。回動バー7は、回動により第一端部72及び第二端部73が奥行方向に沿って逆方向に移動する。回動バー7は、ボタン当接部74が操作ボタン3の押込軸33に当接する位置に設けられている。回動バー7は、操作ボタン3の切欠部36及び正面部材22の支持壁231の下凹部232内に配置されている。そのため、操作ボタン3の奥行方向の移動と回動バー7の回動動作とは干渉しない。
【0049】
伝達部材9は、
図2に示すように、回動バー7の上方に設けられる部材である。
図7は、伝達部材9の斜視図である。
図10は、伝達部材9と回動バー7との配置を示す模式図である。伝達部材9は、幅方向に長い立体形状の部材であり、下面側に下挿入部91が形成され、上面側に上挿入部92が形成され、幅方向の両端部にばね係止部95,95が形成されている。
【0050】
一対のばね係止部95,95は、伝達部材9の正面側の面の幅方向両端部に開口し、奥行方向に延びる円形の穴であり、後述する伝達部材用ばね11の端部が挿入される。
【0051】
下挿入部91は、伝達部材9の下面に、矩形に開口する凹部である。下挿入部91は、回動バー7の挿入端75が挿入可能であり、かつ、挿入端75の正面側及び背面側の2面が当接する大きさの開口である。
【0052】
上挿入部92は、伝達部材9の上面に開口し、ばね係止部95,95の間に空間が形成されるように設けられている。
図7に示す例では、下挿入部91と上挿入部92とは、連通しているが、上挿入部92と下挿入部91とが連通していなくてもよい。上挿入部92は、奥行方向の両側に平行に伸びる一対の平面部96,96を備える。奥行方向の正面側の平面部96の幅方向略中央部には、ガイド部94が形成されている。ガイド部94は、発電補助部42と発電部本体41との磁力による吸着の解除をガイドするために設けられている。
【0053】
ガイド部94は、発電補助部42の移動方向において発電補助部に最も近い位置に配設される第一作用点を有する。ガイド部94は、平面部96に対して、幅方向の一方から他方に向かって傾斜するように形成されている。本実施形態では、ガイド部94は、発電補助部42と永久磁石46との吸着面における幅方向中央部に対して、幅方向にずれた位置に、傾斜面の最も上挿入部92内に突出する端部941(第一作用点)が位置するように形成されている。詳細は後述するが、ガイド部94は、第一作用点941を発電補助部42に当接させながら発電補助部42を移動させることにより、伝達部材9から発電補助部42への力の伝達を偏向させるように構成されている。この結果、伝達部材9は、永久磁石46と発電補助部42の当接面(吸着面)に対して、直交する方向に力を加えるだけでなく、ガイド部94により、上記当接面(吸着面)に対して平行な方向(横方向)に力を付与することができる。
【0054】
図7及び
図11に示すように、上挿入部92の背面側の平面部96の幅方向略中央部には、ガイド部94と対向する位置に補助ガイド部93(傾斜部)が形成されている。上挿入部92は、発電補助部42の駆動伝達片452(端部)が挿入可能な開口寸法を有する。上挿入部92を駆動伝達片452の挿入方向から見たとき、補助ガイド部93は、上挿入部92内にガイド部94と点対称となるように傾斜している。
【0055】
伝達部材9は、
図3及び
図5に示すように、ばね係止部95,95に伝達部材用ばね11,11がそれぞれ挿入されている。各伝達部材用ばね11の正面側の端部は正面部材22の収容空間22Sの内面220から奥行方向の背面側に延びる円柱形状の柱部24,24(
図4参照)に挿通される。
【0056】
図9及び
図10に示すように下挿入部91に回動バー7の挿入端75が挿入されている。挿入端75は、下挿入部91に当接している。伝達部材9の上挿入部92には、駆動伝達片452が挿入されている。駆動伝達片452の第一当接部453はガイド部94に近接し、第二当接部454は補助ガイド部93に近接配置されている。したがって、伝達部材9は、伝達部材用ばね11を介して正面部材22に接続され、下挿入部91に挿入端75が挿入され、上挿入部92に駆動伝達片452が挿入されている。この構成により、伝達部材9は、筐体2に対して幅方向及び上下方向の位置が固定され、かつ、伝達部材用ばね11の付勢力により奥行方向にわずかに移動可能に配設されている。詳細は後述するが、伝達部材9は、回動バー7または発電補助部42の回動に連動して奥行方向に移動可能である。
【0057】
次に、本実施形態に係る遠隔操作機器1の作用について説明する。
図5は、操作ボタン3の非押下状態を示している。操作ボタン3は、ばね係止部34に挿入されたばね12(
図6参照)により、筐体2の正面側(外側)に向かって付勢されている。本実施形態では、ばね12は、背面部材21と操作ボタン3との間に設けられているが、正面部材22と操作ボタン3との間にばねを設け、操作ボタン3を筐体2の正面側に付勢してもよい。
【0058】
非押下状態で、操作ボタン3の押込軸33は、回動バー7のボタン当接部74に当接しているが、ばね12により操作ボタン3が正面側に付勢されているため、操作ボタン3から回動バー7には力が加わらない状態が保持される。
【0059】
使用者により操作ボタン3が筐体2の奥行方向に押下されると、
図9に示すように、押込軸33がボタン当接部74を奥行方向(
図9に示す矢印A方向)に押し込み、回動バー7が、矢印B方向に回動する。回動バー7の矢印B方向への回動に伴い挿入端75も逆方向に回動する。挿入端75が下挿入部91に挿入されているため(
図10参照)、回動バー7の回動に伴い、伝達部材9に奥行方向の正面側(
図9に示す矢印C方向)への力が加わる。つまり、回動バー7の回動により、挿入端75により操作ボタン3の押込み方向と反対側に伝達部材9が移動するシーソー構造となる。伝達部材9が奥行方向の正面側に移動すると、上挿入部92内に挿入されている駆動伝達片452の第二当接部454が補助ガイド部93により正面側に押されて駆動伝達部45に正面側への力が加わり、連結部44が発電部本体41の永久磁石46に近づく。連結部44が所定量永久磁石46に近づくと、磁力により連結部44が永久磁石46に吸着されて一対のアーム43がさらに回動し、発電部本体41が発電する。
【0060】
発電部本体41が発電すると基板5が通電し、制御回路により発信部6を介して操作信号が駆動対象となる外部装置に送信され、外部装置の所定の動作が行われる。
【0061】
使用者が操作ボタン3から手を離し、操作ボタン3への背面側への押圧力が解除されると、伝達部材用ばね11の付勢力により伝達部材9が背面側に押し戻される。伝達部材9が背面側に押されると、ガイド部94が第一当接部453に当接する。ガイド部94は伝達部材9の移動方向に対して傾斜している。そのため、伝達部材9が背面側に移動するときは、ガイド部94により、伝達部材9の移動方向に傾斜する方向から第一当接部453に対して力が掛かる。発電補助部42は、一対のアーム43,43が発電部本体41の側面に軸支されているため、駆動伝達片452は幅方向へは移動しないように構成されている。そのため、第一当接部453には、伝達部材9の移動方向(奥行方向)に対して傾斜する斜め方向からの力が加わると、駆動伝達片452の上下方向の中心軸P周りに回動する力が作用する。その結果、平板部材451の一方側、
図11に示す例では、端部941(第一作用点)側が背面側に撓む。平板部材451が撓むことで、平板部材451が撓む前よりガイド部94との接触面積が次第に増加する。先に、発電補助部42を永久磁石46からずらした後で、駆動伝達片452とガイド部94との接触面積を増やすことで、軽い力で発電補助部42押すことができるようになる。
【0062】
ガイド部94は幅方向に傾斜しており、永久磁石46と連結部44との吸着面に対して傾斜している。上述のように、平板部材451が撓むと、連結部44を永久磁石46から引き離す力が、先に、永久磁石46と連結部44との吸着面の端部に掛かり、略U字形状の平板部材451の一方側に先行して離反させる力が掛かる。この結果、第一当接部453の幅方向中央部に背面側への力(離反方向の力)を掛ける場合に比べて、連結部44を永久磁石46から容易に引き離すことができる。
【0063】
また、ガイド部94は、発電補助部42と永久磁石46との吸着面における幅方向中央部に対して幅方向にずれた位置に、端部941(第一作用点)が位置する。そのため、吸着面の中央部から離れた位置で発電補助部42に対して最も強い力を作用させることができる。この結果、伝達部材9の移動時の奥行方向の力を偏向させて発電補助部42に伝達し、吸着面の端部から発電補助部42を離反させるように力を付与することができる。
【0064】
連結部44が永久磁石から引き離され、永久磁石46による吸着力が解除されると、回動バー7は容易に回動可能となり、操作ボタン3と正面部材22間のばね12の付勢力により操作ボタン3が元の位置に戻り非押下状態となる。この結果、使用者が操作ボタン3から手を離すと、操作ボタン3はばね12及び伝達部材用ばね11の付勢力により自動的に非押下状態に戻り、再び、操作ボタン3が操作可能な状態となる。
【0065】
なお、ガイド部94により駆動伝達片452への力の伝達を偏向させるため、繰り返し使用すると駆動伝達部45の平板部材451が歪みやすくなる。しかし、補助ガイド部93が上挿入部92内において、ガイド部94と点対称となるように傾斜している。この結果、操作ボタン3が押下されて、平板部材451が永久磁石46側へ移動する動作の際、ガイド部94による駆動伝達片452への力の伝達方法と対称となるように、補助ガイド部93から駆動伝達片452へ力が加わる。その結果、伝達部材9の奥行方向への往復移動により、駆動伝達片452の歪みが防止され、発電補助部42の耐久性を向上させることができる。
【0066】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、発電ユニット4を備える遠隔操作機器1において、簡便な構成且つ操作時の使用感に優れた遠隔操作機器1を提供できる。
【0067】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、伝達部材9と発電補助部42との当接部に、発電補助部42と発電部本体41との永久磁石46による吸着解除をガイドするガイド部94が設けられているため、磁力により吸着された発電部本体41と発電補助部42とを円滑に吸着解除させるようにガイドできる。したがって、発電ユニット4を備え、磁力により吸着可能な遠隔操作機器1において、ガイド部94が発電補助部42の発電部本体41への吸着解除をガイドする。可動部材である発電補助部42の磁力による吸着状態を解除する際に、発電補助部42に過剰な反力が負荷されることを防ぐことができる。したがって、発電部本体41と発電補助部42とが磁力により吸着されても、容易に発電補助部42の吸着状態を解除できる。この結果、操作性及び耐久性に優れた遠隔操作機器1を提供できる。
【0068】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、ガイド部94は、磁力による発電補助部42と発電部本体41との吸着面に対して傾斜するように形成されているため、磁力により発電部本体41に吸着された発電補助部42の吸着を円滑に解除する方向への移動をガイドできる。つまり、磁力により発電部本体41に吸着している発電補助部42を、吸着面の端部から離間させるように力が伝達される。その結果、ガイド部94により、発電補助部42を磁力に抗して発電部本体41から離間する方向に円滑に離間させることができる。したがって、磁力による吸着力と反対側に発電補助部42を移動させる際に、発電補助部42あるいは伝達部材9に過剰な力が負荷されることを防ぎ、部品の耐久性を確保できる。
【0069】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、ガイド部94は、上挿入部92の発電補助部42の駆動伝達片452が当接する位置されているため、伝達部材9は、磁力により発電部本体41に吸着された発電補助部42の吸着をガイド部94により容易に解除できる。
【0070】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、発電補助部42の駆動伝達片452の挿入方向から見たとき、ガイド部94と点対称となる補助ガイド部93が、上挿入部92内に設けられている。このため、伝達部材9から発電補助部42を磁力により吸着させる方向に力を加える際、発電補助部42には、ガイド部94から偏向して力が伝わる方向と対称となる方向から発電補助部42に力を加えることができる。その結果、伝達部材9の内外方向への連続移動により、発電補助部42の歪みが防止され、発電補助部42の耐久性を向上させることができる。
【0071】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、ガイド部94の第一作用点941により、伝達部材9の移動による力を偏向させて発電補助部42へ伝達できる。したがって、少ない力で発電補助部42の発電部本体41への吸着状態を容易に解除できる。
【0072】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、発電補助部42の移動方向(奥行方向)の直交方向における発電補助部42の端部にガイド部94の端部941(第一作用点)が当接するため、伝達部材9の移動時に、発電補助部42の端部に力が作用し、伝達部材9の移動による力を偏向させて発電補助部42へ伝達できる。この結果、先に、発電補助部42の端部に発電補助部42と発電部本体41との磁力による吸着を解除する力が作用し、少ない力で発電補助部42の吸着状態を解除できる。
【0073】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、発電補助部42と発電部本体41との吸着面の中央部から離間した位置に対して最も強い力を付与することができる。この結果、先に、発電補助部42の端部に発電補助部42と発電部本体41との磁力による吸着を解除する力が作用し、少ない力で発電補助部42の吸着状態を解除できる。
【0074】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、発電ユニット4は、操作ボタン3よりも上方に配設されている。清掃時などに操作ボタン3に水がかかりその水が操作ボタン3を伝わって操作ボタン3と開口部23との隙間から筐体2の内部に浸入することがある。このような場合、操作ボタン3伝わって筐体2の内部に浸入した水は、操作ボタン3の下端部まで移動して落下する。発電ユニット4は、操作ボタン3よりも上方に配設されているため、筐体2の内部に水が浸入しても、発電ユニット4及び基板5に水が付着することを防止できる。発電ユニット4及び基板5は、正面部材22の開口部23の下端部よりも上側に配置されていればよい。
【0075】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、操作伝達機構10を備えるため、操作ボタン3の移動方向と逆方向の力を発電補助部42に伝達することができ、操作ボタン3の移動方向に沿う方向の寸法を低減でき、遠隔操作機器1の小型化に寄与する。さらに、回動バー7が回動すると第一端部72と第二端部73とが逆方向に移動するため、操作ボタン3の奥行方向への移動を逆方向に伝達可能であるため、遠隔操作機器1は、奥行方向の寸法を低減できる。
【0076】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、操作伝達機構10と、発電補助部42とが、筐体2の奥行方向における位置が重なるように配設されている。この結果、筐体2の奥行方向の寸法を抑えることができ、遠隔操作機器1の厚さを薄くすることができる。
【0077】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、操作ボタン3の移動方向である筐体2の奥行方向に沿って発電補助部42が移動して発電部本体41を発電させられる。したがって、操作ボタン3の操作入力を、発電補助部42を移動させる力として伝達する機構が簡略化できる。したがって、発電ユニット4を備える遠隔操作機器1において、部品点数を抑えて小型化が実現できる。
【0078】
本発明に係る遠隔操作機器1によれば、発電ユニット4が、開口部23の下端部よりも上側に配置されているため、開口部23から筐体2の内部に水が浸入して操作ボタン3の下端部まで移動した水が基板5にかかることを防止できる。
【0079】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、筐体2の外側から内側に向かって押圧された操作ボタン3を元の位置に戻す方向に付勢できる。したがって、使用者が操作ボタン3を筐体2内へ押下する操作後に押圧力を解除すると、ばね12の付勢力により操作ボタン3を元の位置に戻せる。その結果、押下された操作ボタン3を元の位置に戻す機構を簡易な構成にできる。
【0080】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、伝達部材9と筐体2との間に伝達部材用ばね11が設けられることにより、伝達部材9が筐体2に安定的に支持され、操作伝達機構10により移動する伝達部材9の動作を安定させることができる。
【0081】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、筐体2に対して回動可能な回動バー7の第一端部72が操作ボタン3に当接し、第二端部73は、発電補助部42が当接する伝達部材9に当接する。伝達部材9は、回動バー7の回動に応じて内外方向に移動可能に設けられているため、回動バー7の回動が伝達部材9を介して発電補助部42に直接的に伝達できる。したがって、操作ボタン3の内外方向への移動を他の向きに変換する必要がなく、簡易な構成で操作ボタン3の入力を発電補助部42に伝達できる。また、操作ボタン3の入力方向と発電補助部42の移動方向とが同じ内外方向(内外方向に沿って逆向きの方向)であるため、力の伝達系統が単純となり、操作ボタン3の操作入力を確実に発電補助部42に伝達できる。
【0082】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、発電補助部42が回動バー7の回動に連動して回動することにより発電部本体41が発電する。つまり、回動バー7の回動方向と発電補助部42の回動方向に連動して回動するため、力の伝達系統が単純となり、操作ボタン3の操作入力を確実に発電補助部42に伝達できる。
【0083】
本実施形態に係る遠隔操作機器1によれば、操作ボタン3の1回の押下操作により、発電ユニット4による発電と制御回路により生成された信号の発信とが実現できる。したがって、操作ボタンの単純な操作により、発電及び操作信号の発信が可能である。
【0084】
上記実施形態では、操作ボタン3が開口部23内を奥行方向に移動する構成例を示したが、操作スイッチは、操作ボタンの構成に限定されない。操作スイッチは筐体の内外方向に移動可能な構成であればよい。例えば、操作ボタン3に代えて、正面部材22に一部が係止されて回動する操作スイッチの構成でもよい。
【0085】
上記実施形態では、一つの操作ボタン3を設ける例を示したが、筐体2に複数の操作スイッチを設ける構成であってもよい。
【0086】
上記実施形態では、操作伝達機構の回動バー7と伝達部材9とが別の部材からなる例を示したが、操作伝達機構の構成はこれに限定されず、発電補助部42に対して、操作スイッチが移動する内外方向に力を伝達する機構であればよい。例えば、回動バー7と伝達部材とが一体で構成されていてもよい。具体的には、本実施形態の回動バーの第二端部73に、発電補助部42の端部が挿入可能な上挿入部92を設ける構成であってもよい。
【0087】
上記実施形態では、回動バー7の中央部に貫通孔71が形成される例を示したが、回動バー7の構成はこれに限定されない。回動バー7は、第一端部と第二端部とが逆方向に動いて力を逆方向に伝達するシーソー構造であればよく、発電ユニット4や操作ボタン3の位置に応じて、第一端部及び第二端部の回動軸からの距離を変更してもよい。
【0088】
図12に回動バー7の模式図を示す。回動部材の回動中心の位置は選択的に設定可能である。本実施形態の回動バー7は、第一端部72と回動軸の中心P1との距離LAと、第二端部73と回動軸の中心P1との距離LBとが等しい、すなわち回動バー7の長手方向の中間点に回動軸が設定される例である。この他、
図12に点線で示す円710の位置(中間点よりずれた位置)に貫通孔を設け、距離LAを距離LBより大きく設定してもよい。この場合、操作ボタン3の操作荷重を軽くできる。また、
図12に点線で示す円711の位置に貫通孔を設け、距離LAを距離LBより小さく設定してもよい。この場合、操作ボタン3を押すストロークを短くしても伝達部材9に十分な駆動力を伝達できる。この結果、筐体内の操作スイッチ及び伝達部材の配置スペースに応じて回動部材による駆動伝達比を変更可能である。また、遠隔操作機器1を壁面に取り付ける場合、操作ボタン3を鉛直下方に押下する場合に比べて、操作ボタン3に押圧力が加わり難い。このような場合に、回動部材の回動中心を回動部材の中心からずらすことにより、操作ボタン3を壁面側に押す場合でも、操作ボタン3の操作入力を容易に伝達部材9に伝達できる。
【0089】
上記実施形態では、回動部材として、直線状に長い形状の回動バー7を例示したが、回動部材は回動軸を中心に回動可能であればよい。例えば、円弧状に延びる長尺部材からなる回動部材であってもよく、この場合、回動部材上の任意の位置に回動軸が配置され、回動部材が揺動する例や、回動部材から離間した位置に回動中心が設定され、回動部材が円弧形状に沿って回動する例でもよい。このほか、三角形の部材の2つの角部がそれぞれ第一端部並びに第二端部を構成し、残りの1つの角部に回動軸が配置されて、回動軸周りに回動する構成であってもよい。
【0090】
上記実施形態では、伝達部材9の上挿入部92に補助ガイド部93を備える例を示したが、補助ガイド部93は必須の構成ではない。
【0091】
上記実施形態では、発電部本体41に永久磁石46を設け、磁性材料からなる発電補助部42を磁力により吸着させる例を示したが、発電補助部42を磁力により発電部本体41に吸着させる構成はこれに限定されない。例えば、発電補助部42の連結部に磁石を設け、発電部本体41側に磁性材料を設けてもよい。
【0092】
筐体2の形状ならびに上下方向は上記実施形態の形状に限定されず、筐体に操作ボタンが配設され、操作スイッチの内外方向への移動に応じて発電補助部が内外方向に移動して発電部本体が発電する構成であればよい。
【0093】
本実施形態では、背面部材21及び正面部材22にそれぞれ側壁21W,22W及び収容空間21S,22Sを備える例を示したが、筐体2の構成はこれに限定されず、発電ユニット4、操作伝達機構10などが内部に収容可能な構成であればよい。例えば、背面部材21または正面部材22の一方に側壁及び収容空間が形成され、他方の部材は略平板状の蓋部材からなり収容空間を塞ぐ構成であってもよい。
筐体2は、プラスチック、金属など、またはこれらの材料の組み合わせにより形成できる。例えば、正面部材22をプラスチックで形成し、背面部材21を金属製のブラケットで構成してもよい。
【0094】
上記実施形態では、正面部材22と伝達部材9との間に伝達部材用ばね11を設ける例を示したが、伝達部材用ばね11は、背面部材21と伝達部材9との間に設けてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、操作ボタン3は、筐体2の正面に配設され、筐体2に対して奥行方向に移動可能である例を示したが、操作スイッチは筐体2の内外方向に移動可能であればよい。例えば、筐体の側面や下面に開口部が形成された場合、開口部に配設された操作スイッチが筐体の内外方向(幅方向、上下方向)に移動可能に配置される。
【0096】
本実施形態で示した遠隔操作機器1は、遠隔操作が必要な各種外部装置の操作に広く利用可能である。例えば、トイレ装置、洗面台等で使用可能である。
【0097】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
また、上述の実施形態及び各変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。